JP2002228895A - 光伝送システム - Google Patents

光伝送システム

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JP2002228895A
JP2002228895A JP2001348999A JP2001348999A JP2002228895A JP 2002228895 A JP2002228895 A JP 2002228895A JP 2001348999 A JP2001348999 A JP 2001348999A JP 2001348999 A JP2001348999 A JP 2001348999A JP 2002228895 A JP2002228895 A JP 2002228895A
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optical
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佐登志 古澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モード分散の影響を低減しつつ、低コストな
光伝送システムを提供することである。 【解決手段】 光伝送システムSa において、レンズ1
12は、発光素子111の出射光信号OSinを集束す
る。レンズ112の通過光信号OSinは、マルチモード
ファイバ(MMF)12に入射する。ここで、レンズ1
12の頂点Z0 と、MMF12の入射面Finとは、距離
1 だけ離される。距離Z1 は、頂点Z0 からレンズ1
12の焦点Zfpまでの値以外に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送システムに
関し、より特定的には、マルチモードファイバを通じ
て、送信ユニットから受信ユニットへと光信号を伝送す
るシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の技術進展により、光ファイバは、
広帯域・低損失を満足できるものとなってきたため、イ
ンターネットに代表されるネットワークにおいて、交換
局同士を結ぶ基幹系への導入が進みつつある。今後は、
交換局から各家庭を結ぶアクセス系、さらには、ホーム
ネットワークへの適用が、光ファイバには期待されてい
る。
【0003】光ファイバは、その特性に基づいて2種類
に大別される。1つはシングルモードファイバ(以下、
SMF(Single Mode Fiber )と称する)である。SMF
において、コアおよびクラッド双方の材質はシリカ(SiO
2)である。SMFは、そのコア径が10μm程度と極め
て小さい。さらに、SMFでは特定のモードのみが伝播
するため、広い伝送帯域を有するという特徴がある。そ
れゆえ、SMFは、主として、基幹系における長距離伝
送・大容量伝送用に開発が進められ、広く普及してき
た。
【0004】もう1つはマルチモードファイバ(以下、
MMF(Multi Mode Fiber)と称する)である。MMFの
コア径は、SMFのそれに比べて、50μm〜1mmと
大きい。MMFは、コアまたはクラッドの材質に基づい
て、幾種類かに分けられる。コアおよびクラッド双方の
材質がシリカであるものは、GOF(Glass Optical Fib
er )と呼ばれる。また、コアの材質のみがシリカで、ク
ラッドの材質がポリマーであるものは、PCF(Polymer
Clad Fiber)と呼ばれる。さらに、コアおよびクラッド
すべての材質がプラスチックであるものは、POF(Pla
stic Optical Fiber )と呼ばれる。
【0005】以上のMMFでは、光の道筋である伝播モ
ードが複数存在する。ここで、図12は、複数の伝播モ
ードを示す模式図である。図12には、コア71および
クラッド72とから構成されるMMF73が示されてい
る。光は、コア71およびクラッド72の境界面Fbd
反射を繰り返しながら、当該コア71内を進んでいく。
したがって、境界面Fbdに対して平行なモードほど、1
回の反射から次の反射までに、ファイバ軸上で到達でき
る距離が長くなる。このようなモード(一点鎖線参照)
を低次モードMLOと称する。逆に、1回の反射から次の
反射までに、ファイバ軸上で到達できる距離が短いモー
ド(二点鎖線参照)を高次モードMHIと称する。高次モ
ードMHIは、ファイバ軸に対して大きな角度を有してい
るので、同じ長さのMMF73で考えた場合、低次モー
ドMLOに比べて境界面Fbdでの反射回数が多く、当該低
次モードMLOとの光路差が生じる。このような光路差に
よって、各モード毎でMMF73の入射面から出射面に
到達する時間に差異が生じる。
【0006】以上のように、各モードは固有の伝播速度
を持つので、伝播時間の短い低次モードMLOに含まれる
パルス列(信号はパルス列として伝送される)と、それ
が長い高次モードMHIに含まれるパルス列とは、同じ情
報であるにも関わらず、当該情報の受信端には時間的な
ずれをもって到達してしまい、その結果、当該受信端
は、正確に信号を受信できなくなる場合がある。このよ
うな現象はモード分散として知られており、SMFの伝
送帯域に比べて、MMFのそれを大きく制限する要因と
なっている。
【0007】ところで、光ファイバの伝送帯域は、通
常、光信号の伝送速度と伝送距離との積(例えば、Mb
ps×km)で表され、伝送速度が高いほど、伝送距離
は短くなり、また、伝送距離を長くするためには、伝送
速度を遅くしなければならない。モード分散の影響も、
伝送速度が高いほど、または伝送距離が長いほど大きく
なる。以上のことから、MMFを使った従来の光伝送シ
ステムでは、必要な伝送速度を得るためには、伝送距離
を短くしなければならないという問題点があった。
【0008】しかしながら、MMFはSMFに比べて安
価であるため、単純に比較すると、当該MMFを使った
光伝送システムは、SMFを使ったものと比べて、安価
に構築できる。さらには、MMFのコア径はSMFのそ
れよりも大きいため、MMF同士の軸合わせが容易とな
り、MMF同士を接続するコネクタの実装精度が緩和さ
れる。以上のことから、MMFは、低コストの光伝送シ
ステムの構築に大きく貢献できる。そのため、モード分
散の影響がそれほど問題にならない距離での光伝送には
MMFが好んで使用される。
【0009】このような利点を生かすために、MMFに
おけるモード分散の影響を低減し、かつ光伝送システム
の伝送帯域を向上させる技術が多数提案されている。以
下には、その一例として、特開平10−227935号
公報に開示された技術を、図13および図14を参照し
て説明する。図13は、従来の光伝送システムScvの全
体構成を示すブロック図である。図13において、光伝
送システムScvは、レンズ81を有する発光源82と、
MMF83と、モード分離器84と、受信部85とを備
える。また、図14は、図13に示すレンズ81および
MMF83の光結合関係を示す模式図である。図14に
示すように、レンズ81とMMF83とは、結合効率が
最大になるように配置される。より具体的には、レンズ
81の光軸Alz(一点鎖線参照)とMMF83のファイ
バ軸Afr(二点鎖線参照)とが一直線になるように、か
つ入射面(MMF83の一方端面)Finと当該ファイバ
軸Afrとの交点が、レンズ81の焦点Zfpに一致するよ
うに、MMF83は固定される。
【0010】以上の光伝送システムScvにおいて、レン
ズ81からの光信号は、MMF83の入射面Fin上で焦
点を結ぶので、少ない結合損失で効率的にMMF83へ
と入射される。その後、光信号は、当該MMF83のコ
アを伝播するに従って、モード分散の影響を強く受け
る。その結果、互いに伝播遅延量が異なる複数のモード
を有する光信号がMMF83の出射面(MMF83の他
方端面)Fout から出射される。MMF83からの出射
光信号は、モード分離器84に入射し、当該モード分離
器84によって必要なモードのみが選択される。その
後、受信部85は、モード分離器84で選択された光信
号を受信する。これによって、受信部85は、モード分
散の影響が低減された光信号を受信できるので、MMF
83の伝送帯域を向上させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モード
分離器84は、主として、複数のレンズおよびミラーを
含む光学系で構成されるため高価である。このような光
学系により、光伝送システムScvは複雑な構成になって
しまう。さらに、モード分離器84の構成要素同士の光
軸合わせの精度が厳しい。そのため、従来の光伝送シス
テムScvの構築および保守が高コストになるという問題
点があった。
【0012】さらに、モード分離器84におけるモード
選択効率を上げることが難しいという問題もある。ここ
で、モード選択効率とは、1モード当たりのモード分離
器84の入出力パワーの比である。上記モード選択効率
が悪いと、受信部85への入力パワーが小さくなってし
まうので、発光源82からの光信号のパワーを上げた
り、受信部85の受光感度をあげたり、モード分離器8
4の後段に光増幅器を配置したりする必要も生じ、さら
なるコストアップを招く。
【0013】それゆえに、本発明の目的は、モード分散
の影響を低減しかつ低コストの、マルチモードファイバ
を使用した光伝送システムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】以上の
目的は、以下の各発明により達成される。また、各発明
は、以下のような技術的効果を奏する。まず、第1の発
明は、送信ユニットから受信ユニットへと、マルチモー
ドファイバを通じて光信号を伝送する光伝送システムで
あって、送信ユニットは、光信号を生成する発光素子
と、発光素子で生成された光信号を集束し、焦点を結ば
せる少なくとも1つのレンズとを含む。レンズにより集
束された光信号は、マルチモードファイバの入射面に入
射され、当該マルチモードファイバを伝播する。また、
受信ユニットは、マルチモードファイバから出射される
光信号を受光する受光素子を含む。ここで、入射面は焦
点以外の位置に配置される。
【0015】第2の発明は、第1の発明に従属してお
り、入射面は、レンズを基準として、焦点よりも離れた
位置に配置される。
【0016】第1および第2の発明によれば、マルチモ
ードファイバの入射面は焦点以外の位置に配置されるの
で、出射面からの光信号におけるモード分散の影響は低
減される。これによって、マルチモードファイバの伝送
帯域を向上させることができる。さらに、従来のように
モード分離器を付加する必要が無くなるので、低コスト
の光伝送システムを実現することが可能となる。
【0017】第3の発明は、光信号を生成して、マルチ
モードファイバに向けて出射する送信ユニットであっ
て、光信号を生成する発光素子と、発光素子で生成され
た光信号を集束して、焦点を結ばせる少なくとも1つの
レンズとを含む。レンズにより集束された光信号は、マ
ルチモードファイバの入射面に入射される。ここで、レ
ンズは、入射面が焦点以外に位置するように配置され
る。
【0018】第4の発明は、第3の発明に従属してお
り、入射面は、レンズを基準として、焦点よりも離れた
位置に配置される。
【0019】第5の発明は、第3の発明に従属してお
り、送信ユニットは、マルチモードファイバが接続さ
れ、入射面を焦点以外の位置に固定するレセプタクルを
さらに備える。
【0020】第6の発明は、送信ユニットから受信ユニ
ットへと、マルチモードファイバを通じて光信号を伝送
する光伝送システムであって、送信ユニットは、光信号
を生成する発光素子と、発光素子で生成された光信号を
集束して、焦点を結ばせる少なくとも1つのレンズとを
含む。レンズにより集束された光信号は、マルチモード
ファイバの入射面に入射され、当該マルチモードファイ
バを伝播した後、当該マルチモードファイバの出射面か
ら出射される。受信ユニットは、出射面からの光信号
を、自身の受光面で受光する受光素子を含む。ここで、
受光素子の受光面は、出射面から予め定められた距離だ
け離して配置される。
【0021】第6の発明によれば、受光素子の受光面は
マルチモードファイバの出射面から離れた位置に配置さ
れる。そのため、出射面からの光信号に含まれる高次モ
ードは受光面に到着しない。つまり、受光素子は、出射
面からの光信号の内、低次モードを限定受光することが
できるので、マルチモードファイバにおけるモード分散
の影響を低減することができる。これによって、マルチ
モードファイバの伝送帯域を向上させることができる。
さらに、従来のようにモード分離器を付加する必要が無
くなるので、低コストの光伝送システムを実現すること
が可能となる。
【0022】第7の発明は第6の発明に従属しており、
受光素子は、Si PIN フォトダイオードである。
【0023】第8の発明は、マルチモードファイバから
出射される光信号を受信する受信ユニットであって、マ
ルチモードファイバの出射面からの光信号を、自身の受
光面で受光する受光素子と、マルチモードファイバが接
続され、受光面から予め定められた距離だけ離れた位置
に出射面を固定するレセプタクルとを備える。
【0024】第9の発明は、送信ユニットから受信ユニ
ットへと、マルチモードファイバを通じて光信号を伝送
する光伝送システムであって、送信ユニットは、光信号
を生成する発光素子と、発光素子で生成された光信号を
集束し、焦点を結ばせる少なくとも1つのレンズとを含
む。レンズにより集束された光信号は、マルチモードフ
ァイバの入射面に入射され、当該マルチモードファイバ
を伝播した後、当該マルチモードファイバの出射面から
出射される。受信ユニットは、出射面からの光信号を、
自身の受光面で受光する受光素子を含む。ここで、入射
面は焦点以外の位置に配置され、さらに、受光面は出射
面から予め定められた距離だけ離して配置される。
【0025】第10の発明は第9の発明に従属してお
り、入射面は、レンズの頂点を基準として、焦点よりも
離れた位置に配置される。
【0026】第9および第10の発明によれば、マルチ
モードファイバの入射面は焦点以外の位置に配置される
ので、出射面からの光信号におけるモード分散の影響は
低減される。さらに、受光素子の受光面はマルチモード
ファイバの出射面から離れた位置に配置される。そのた
め、出射面からの光信号に含まれる高次モードは受光面
に到着しない。つまり、受光素子は、出射面からの光信
号の内、低次モードを限定受光することができるので、
マルチモードファイバにおけるモード分散の影響を低減
することができる。これによって、マルチモードファイ
バの伝送帯域を向上させることができる。さらに、従来
のようにモード分離器を付加する必要が無くなるので、
低コストの光伝送システムを実現することが可能とな
る。
【0027】第11の発明は第9の発明に従属してお
り、受光素子は、Si PIN フォトダイオードであ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る光伝送システムSa の全体構
成を示すブロック図である。また、図2は、図1の光伝
送システムSa における光結合を示す模式図である。以
上の光伝送システムSa は、送信ユニット11と、マル
チモードファイバ(以下、MMFと称す)12と、受信
ユニット13とを備えている。
【0029】図1に示すように、送信ユニット11は、
発光素子111と、少なくとも1つのレンズ112と、
レセプタクル113とを含んでいる。発光素子111
は、典型的には、半導体レーザまたは発光ダイオードか
らなり、入力電気信号ESinにより駆動され、それによ
って、光信号OSinを出射する。また、レンズ112
は、発光素子111と光軸合わせされた状態で配置さ
れ、当該発光素子111の出射光信号OSinを通過させ
る。ここで、本実施形態において、レンズ112の頂点
0 は、図2に示すように、当該レンズ112の光軸A
lzおよび表面Flzの2交点の内、発光素子111から遠
い方を意味する。また、焦点Zfpは、光軸Alz上におい
て、レンズ112の通過光信号OSinが焦点を結ぶ位置
を意味する。なお、図1に示すレセプタクル113につ
いては後述する。
【0030】また、図1において、MMF12は、グレ
ーディッドインデックス型のガラスファイバ、ポリマー
クラッドファイバまたはプラスチック光ファイバであ
る。また、図2に示すように、MMF12は、コア12
1およびクラッド122から構成されており、その一方
端の外周にはコネクタプラグ123が取り付けられてい
る。コネクタプラグ123は、送信ユニット11のレセ
プタクル113に填り込む。その結果、図2に示すよう
に、MMF12のファイバ軸Afrと、レンズ112の光
軸Alzとが光軸合わせされ、同時に、コア121の一方
側の端面(以下、入射面と称す)Finは、レンズ112
の頂点Z0 に対して、ファイバ軸Afrに沿って予め定め
られた距離Z1 だけ離れて位置する。距離Z1 は、頂点
0 から焦点Zfpまでの値以外に設定され、より好まし
くは、焦点Zfpまでの値よりも大きい値に設定される。
【0031】また、図2に示すように、コア121の他
方端の外周にはコネクタプラグ124が取り付けられ
る。以上のようなMMF12において、レンズ112の
通過光信号OSinは、入射面Finに入射される。詳細は
後述するが、入射光信号OSinは、入射面Finが頂点Z
0 から距離Z1 だけ離されることで、モード分散の影響
を実質的に受けることなく、コア121を伝播し、その
他方側の端面(以下、出射面と称する)Fout から光信
号OSout1として出射される。
【0032】また、図1において、受信ユニット13
は、レセプタクル131と受光素子132とを含んでい
る。レセプタクル131には、MMF12に取り付けら
れたコネクタプラグ124が填り込む。これによって、
受信ユニット13とMMF12とが接続される。受光素
子132は、好ましくは、Si PIN フォトダイオ
ード(以下、Si PIN PDと称す)からなり、M
MF12の出射光信号OSout1を受光する面(以下、受
光面と称す)FPD1 を有する。受光面FPD1 は、出射面
out と実質的に同じ面積を有する。なお、受光面F
PD1 は、出射面Fou t よりも大きな面積を有していても
よい。さらに、受光面FPD1 は、受信ユニット13およ
びMMF12の接続の結果、MMF42の出射面Fout
と平行に向かい合う。以上の受光素子132は、受光面
PD1 の受光光信号OSout1を、前述の電気信号ESin
と同じ情報を表す電気信号ESout1に変換する。
【0033】なお、受光素子132としてSi PIN
PDが好しいのは、当該Si PIN PDは一般的
に大きな受光面FPD1 を有するからである。しかし、受
光面FPD1 の大きさは本実施形態の本質に関係ないの
で、受光素子132は、SiPIN PD以外の種類の
フォトダイオードから構成されてもよい。
【0034】次に、本実施形態の特徴である距離Z1
ついて説明する。本出願人は、距離Z1 を決めるため
に、上述の光伝送システムSa を使って、以下のような
実験を行った。本実験の環境は下記の通りである。発光
素子111は、30mAの直流電流注入時に1.8mW
の光を発する。MMF12として、短距離伝送および長
距離伝送の実験を行えるように、互いに長さが異なる2
本のPCF(Polymer Clad Fiber)が準備される。より具
体的には、短距離伝送用のMMF12の長さLfrは2m
であり、長距離伝送用のMMF12の長さLfrは100
mである。また、各MMF12のコア121はシリカ(S
iO2)からなり、当該コア121の直径(以下、コア径と
称する)φcr(図2参照)は200μmである。また、
クラッド122はメタクリル樹脂(PMMA)に代表されるポ
リマーからなり、その直径は230μmである。
【0035】次に、本実験の測定対象となるアイ開口率
Rおよび出力パワーPを説明する。ここで、図3は、M
MF12の出射光信号OSout1のアイパターンを示す模
式図である。アイ開口率Rは、図3に示すようなアイパ
ターンにおける振幅の最小値Vpp1 と最大値Vpp2 との
比であり、Vpp1 /Vpp2 で表される。以上のアイ開口
率Rから、光伝送システムSa における伝送帯域を調べ
ることができる。また、出力パワーPは、MMF12の
出射光信号OSout1の光パワーである。
【0036】以上の実験環境で、本出願人は、入射面F
inの位置Z1 に対するアイ開口率Rおよび出力パワーP
の特性を、パワーメータ等の測定機器を用いて測定し
た。その結果、本出願人は、図4のような測定結果を得
た。図4において、横軸Z1 は、上述の光軸Alzに等し
く、レンズ112の頂点Z0 の位置をZ1 =0として、
そこから入射面Finまでの距離を表している。すなわ
ち、図4は、MMF12の入射面Finを頂点Z0 から光
軸Alz(Z1 軸)に沿って離していったときの、アイ開
口率Rおよび出力パワーPを示している。
【0037】より具体的には、図4には、MMF12の
長さLfrが2mの時(つまり、短距離光伝送時)におけ
る光信号OSout1のアイ開口率R(以下、アイ開口率R
sdと称す)および出力パワーP(以下、出力パワーPsd
と称す)が、●および○を使って示されている。さら
に、図4には、長さLfrが100mの時(つまり、長距
離伝送時)における、アイ開口率R(以下、アイ開口率
ldと称す)および出力パワーP(以下、出力パワーP
ldと称す)が、▲および△を使って示されている。
【0038】以上の出力パワーPsdおよびPldの双方の
最大値は、Z1 が1.0mmから1.5mmまでの範囲
内で観測されることから、この範囲内で、レンズ112
の通過光信号OSinが焦点Zfpを結ぶことが分かる。こ
の意味で、Z1 が1.0mmから1.5mmまでの範囲
を焦点範囲Dfp(図4中のドットのハッチング領域を参
照)と称する。しかしながら、焦点範囲Dfpにおいて、
アイ開口率Rldは著しく劣化している。このようなアイ
開口率Rldが劣化した光信号OSout1のアイパターン
(図3参照)を観測すると、振幅の最小値Vpp1 および
最大値Vpp2 が大きく異なる。以上のことから、MMF
12の入射面Finが焦点範囲Dfpに設定された場合、光
信号OSinを長距離伝送(100m伝送)することは困
難であることが分かる。
【0039】一方、図4において、アイ開口率Rsdは、
アイ開口率Rldと異なり、Z1 の値に関わらず、ほぼ一
定である。このようなアイ開口率Rの相違は、Z1 の値
に応じてモード分散の影響に違いがあり、当該光信号O
inの伝送距離が長くなる程モード分散の影響が顕著に
現れるということを示している。
【0040】ここで、再度、図14を参照する。従来の
光伝送システムScvでは、MMF83への結合効率が最
大になるように(つまり、光信号が結合損失なく効率的
にMMF83と入射するように)、焦点ZfpにMMF8
3の入射面Finが配置されていた。しかしながら、図4
の各特性曲線からは、入射面Finが焦点Zfpに配置され
た時、MMF12が長くなるほど、光信号OSinは、よ
り大きくモード分散の影響を受けることが明らかになっ
た。つまり、モード分散の影響で、従来の光伝送システ
ムScvでは伝送帯域が制限されていたことが分かる。
【0041】以上のことは、理論的に以下のように説明
することができる。まず、以下の説明で必要となる3つ
のパラメータ、上述の送信ユニット11の開口数(以
下、NAs と称す)、MMF12の開口数(以下、NA
f と称す)およびMMF12への入射開口数(以下、N
inと称す)について説明する。
【0042】ここで、図5は、図1に示す送信ユニット
11のNAs を説明するための模式図である。図5に示
すように、位置Zfpで焦点を結んだ光信号OSinは、光
軸A lzに対してある角度αで広がりながら当該光軸Alz
上を伝播していく。NAs は、このような広がりの度合
いであり、次式(1)で表される。
【0043】
【数1】
【0044】焦点を結んだ光信号OSinが広がれば広が
るほど、以上のNAs は大きくなり、NAs は、0<N
s ≦1の値をとる。
【0045】また、MMF12への入射光において出射
面Fout まで伝播するのは、ある範囲内の角度(以下、
MMF12の伝播角度と称する)を有する成分だけであ
る。このようなMMF12への伝播角度の内、最大のも
のをβmax とすると、NAfは、次式(2)で表され
る。
【0046】
【数2】
【0047】通常、以上のNAf は、コア121および
クラッド122の屈折率によって決まり、さらに言え
ば、上述のNAs には依存しないパラメータである。も
し、NAf より大きな開口数の光が入射面Finに入射し
たとしても、上述のMMF12の伝播角度の範囲外の成
分は、MMF12の外に透過する。また、上述のよう
に、入射光信号OSinがNAf よりも小さな開口数を有
する場合、入射面Finに入射した全ての光成分がコア1
21内を伝播する。しかも、この場合、入射光信号OS
inがNAf よりも小さな開口数を有するので、入射光信
号OSinにおける高次モードが少なくなり、モード分散
が抑制される利点も得られる。
【0048】また、光伝送システムSa では、入射面F
inの位置Z1 が決まれば、NAs の光信号OSinの内、
ある範囲内の角度(以下、本実施形態において、MMF
12への到達角度と称する)を有するものしか当該入射
面Finに到達できない。つまり、上述の到達角度の範囲
外の光成分は、入射面Finから外れるため、コア121
を伝播されない。さらに、MMF12のNAf により、
たとえ入射面Finに入射しても、入射光信号OSinは出
射面Fout まで伝播されるとは限らない。ここで、入射
面Finへの入射光信号OSinの内、MMF12により出
射面Fout まで伝播する成分の最大入射角度をβthとす
る場合、上述のNAinは、次式(3)で表される。
【0049】
【数3】
【0050】一般的に、上式(3)で表されるNAin
小さいほど、モード分散が抑制される。
【0051】ここで、図6は、上述のNAinを詳細に説
明するために必要な入射光伝播面F ipr を説明するため
の図である。以下の説明では、図6において斜線のハッ
チングで表される入射面Finの面積をSf とする。ま
た、入射面Finつまりコア径を、図2に示したのと同
様、φcrとする。さらに、図6においてドットのハッチ
ングで表される入射光伝播面Fipr の面積をS(Z1
とする。ここで、入射光伝播面Fipr を幾何学的に定義
する。まず、レンズ112(図示せず)の通過光信号O
inは、焦点Zfpまでは集束し、その後、円錐状に広が
る。また、頂点Z0から距離Z1 だけ離れた位置に、光
軸Alzに対する垂直面を仮想的に作る。入射光伝播面F
ipr は、以上のような通過光信号OSinを仮想垂直面で
切った時の切断面を意味する。また、図6から明らかな
ように、入射面Finの位置Z1 を変更することで、面積
f と面積S(Z1 )との比が変化し、さらには、NA
inを調整することができる。すなわち、NAinは、Z1
の関数となるので、NAin(Z 1 )と表すことができ
る。つまり、入射面Finの位置Z1 を変更することで、
光信号OSinの伝送可能な距離や速度に影響を与えるモ
ード分散を抑制することができるのである。
【0052】まず、NAs がNAf 以下である場合につ
いて考える。この場合には、レンズ112の通過光信号
OSinの内、コア121に入射した成分は全て、出射面
ou t まで伝播される。さらに、S(Z1 )がSf 以上
である場合には、NAin(Z 1 )は、Z1 が大きくなる
につれて小さくなり、次式(4)で表される。
【0053】
【数4】
【0054】一方、S(Z1 )がSf よりも小さい場合
には、通過光信号OSinは全て、入射面Finに入射し、
さらに出射面Fout まで伝播する。この場合、NA
inは、次式(5)で表される。
【0055】
【数5】
【0056】次に、NAs がNAf よりも大きい場合に
ついて考える。この場合には、仮に、通過光信号OSin
が入射面Finに全て入射したとしても、NAf を超える
成分(モード)はコア121を伝播しない。そのため、
NAin(Z1 )=NAf で固定される。しかし、Z1
大きくなり、NAin(Z1 )<NAf が満たされると、
NAin(Z1 )はZ1 の増加につれて小さくなり、次式
(6)で表される。
【0057】
【数6】
【0058】以上のように、位置Z1 を調整すること
で、NAin(NAin(Z1 ))を小さくすることが可能
となる。これによって、光信号OSinを長距離伝送する
場合に問題となるモード分散の影響を抑制することがで
きる。
【0059】実際の光伝送システムSa において、以上
の位置Z1 を決定するには、設計要件であるMMF12
からの出力パワーPおよびアイ開口率Rの双方を考慮す
る必要がある。なぜなら、Z1 の値を大きくしてモード
分散の影響を抑制すればするほど、送信ユニット11お
よびMMF12の間の結合損失が大きくなり、要求され
る出力パワーPを得ることが難しくなるからである。
【0060】例えば、図1に示す光伝送システムSa
おいて、MMF12の長さLfrが100m、出力パワー
Pが0.1mW以上、アイ開口率Rが50%以上という
3つの設計要件が定められていると仮定する。この仮定
下では、図4のアイ開口率R ldの特性(▲を参照)およ
び出力パワーPldの特性(△を参照)から、Z1 の値
は、好ましくは、2.0mmから2.5mmであれば良
いことが分かる(図4中の斜線のハッチング領域を参
照)。なお、単にモード分散の影響を低減するのであれ
ば、Z1 の値は、少なくとも2.0mm以上であれば良
い。以上のように、本光伝送システムSa によれば、位
置Z1 の調整により、MMF12におけるモード分散の
影響を低減でき、それによって、MMF12の伝送帯域
を広げることができる。以上のことから、光伝送システ
ムSa には従来のようなモード分離器84(図13参
照)が必要なくなる。これによって、低コストの光伝送
システムSa を提供することが可能となる。
【0061】なお、Z1 の値は、常に上述の2.0mm
以上に限られるわけではなく、上述のMMF12の長さ
fr、出力パワーPおよびアイ開口率Rに代表される設
計要件に応じて変わりうる点には注意を要する。一般的
に、伝送距離(長さLfr)が長くなるほど、モード分散
の影響は顕著になる。したがって、逆に、伝送距離が短
くなると、Z1 の値は小さくなる。
【0062】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態に係る光伝送システムSb の全体構成を示す
ブロック図である。図8は、図7の光伝送システムSb
における光結合を示す模式図である。以上の光伝送シス
テムSb は、光伝送システムSa と比較すると、送信ユ
ニット11および受信ユニット13が、送信ユニット2
1および受信ユニット22に代わる点で相違する。それ
以外に両光伝送システムSb およびSa の間に相違点は
無い。それゆえ、光伝送システムSb において、光伝送
システムS a の構成に相当するものには、同じ参照符号
を付けて、それらの説明を省略する。
【0063】図7において、送信ユニット21は、図1
の送信ユニット11と比較すると、レセプタクル113
がレセプタクル211に代わる点で相違する。それ以外
に両送信ユニット21および11の間に相違点は無い。
それゆえ、送信ユニット21において、送信ユニット1
1の構成に相当するものには、同じ参照符号を付けてそ
の説明を省略する。レセプタクル211には、MMF1
2の入射面Fin側に取り付けられているコネクタプラグ
123が填り込む。その結果、図8に示すように、MM
F12のファイバ軸Afrと、レンズ112の光軸Alz
が光軸合わせされ、同時に、入射面Finの位置は、レン
ズ112とMMF12との結合効率が最大になるよう
に、実質的に焦点Zfpに合わされる。この点で、送信ユ
ニット21は、図1の送信ユニット11と顕著に相違す
る。そのため、入射面Finへの入射光信号OSinは、モ
ード分散の影響を受けながら、コア121内を伝播し、
その出射面Fout から光信号OSout2として出射され
る。
【0064】また、図7において、受信ユニット22
は、レセプタクル221と受光素子222とを含んでい
る。レセプタクル221には、MMF12に取り付けら
れたコネクタプラグ124が填り込む。受光素子222
は、好ましくは、Si PINPDからなり、MMF1
2の出射光信号OSout2を受光する面(以下、受光面と
称す)FPD2 を有する。本実施形態では、説明の便宜
上、受光面FPD2 は、円形と仮定する。以上の受光面F
PD2 は、図8に示すように、受信ユニット22およびM
MF12の接続の結果、MMF12の出射面Fout と距
離Z2 だけ離れた状態で平行に向かい合う。さらに、受
光面FPD2 の中心軸APDはファイバ軸Afrと軸合わせさ
れる。以上の受光素子222は、図7に示すように、受
光面FPD2の受光光信号OSout2を、電気信号ESin
同じ情報を表す電気信号ESout2に変換する。
【0065】上述のように、本実施形態では、入射面F
inが焦点Zfpに位置合わせされるので、入射光信号OS
inは、第1の実施形態のそれよりも、大きなモード分散
の影響を受ける。したがって、入射面Finに同時に入射
される光信号OSinの各モードは、互いに異なる時間に
出射面Fout に到着する。そのため、出射光信号OS
out2のアイ開口は塞がっている。このような出射光信号
OSout2の全モードが受光面FPD2 に到達した場合、受
信ユニット22は、電気信号ESinが表す情報を正しく
受信できない。
【0066】ここで、図9は、図8に示す光信号OS
out2に含まれる高次モードMHIの高次出射角度γHIと低
次モードMLOの低次出射角度γLOとを示す模式図であ
る。図9に示すように、高次モードMHIおよび低次モー
ドMLOは、ファイバ軸Afrに対して互いに異なる高次出
射角度γHIおよび低次出射角度γLOで出射される。ここ
で、低次出射角度γLOの方が、高次出射角度γHIよりも
小さい。したがって、Z2の値が大きくなるほど、高次
モードMHIは、ファイバ軸Afrから離れていく。以上の
ことから、Z2 の値を調整することで、高次モードMHI
が受光面FPDから外れるので、受光素子222は、低次
モードMLOのみを限定的に受光することができるように
なる。
【0067】以上のような限定受光は、以下のように説
明することができる。まず、以下の説明で必要となるパ
ラメータ、MMF12の出射開口数(以下、NAout
称す)、および受光面FPD2の受光開口数(以下、NA
PDと称す)について説明する。
【0068】上述から明らかなように、MMF12の出
射面Fout からは、様々な出射角度を有するモードが出
射される。このような出射角度の内、最大のものをγ
max とする場合、NAout は、次式(7)で表される。
【0069】
【数7】
【0070】なお、本実施形態では、入射面Finが焦点
fpに位置合わせされるので、以上のNAout は、前式
(4)〜(6)から求められるNAin(Zfp)と実質的
に同じ値である。
【0071】また、光伝送システムSb では、距離Z2
が決まれば、NAout を有する出射光信号OSout2
おいて、ある範囲内の角度(以下、本実施形態において
受光面FPD2 への到達角度と称する)を有するモードし
か、受光面FPD2 に到達しない。ここで、出射面Fout
からの出射光信号OSout2の内、受光面FPD2 に到達す
る各モードが有する出射角度の内、最大のものをγth
する場合、NAPDは、次式(8)で表される。
【0072】
【数8】
【0073】ここで、図10は、上述のNAPDを詳細に
説明するために必要な出射光伝播面Fopr を説明するた
めの図である。以下の説明では、図10において格子状
のハッチングで表される出射面Fout の面積をSf とす
る。また、出射面Fout つまりコア径をφcrとする。さ
らに、図10において斜線のハッチングで表される受光
面FPD2 の面積をSPDとする。また、本実施形態では、
受光面FPD2 は円形であると仮定する。この仮定下にお
いて、受光面FPD2 の直径をφPDとする。さらに、図1
0においてドットのハッチングで表される出射光伝播面
opr の面積をS(Z2 )とする。ここで、出射光伝播
面Fopr を幾何学的に定義する。まず、MMF12の出
射光信号OSout2は、放射状に広がる。また、出射面F
out から距離Z2 だけ離れた位置に、ファイバ軸Afr
対する垂直面を仮想的に作る。出射光伝播面Fopr は、
以上のような出射光信号OSout2を仮想垂直面で切った
時の切断面を意味する。また、出射面Fout の距離Z2
を変更することで、最大出射角度γthが変化し、さらに
は、NAPDを調整することができる。すなわち、NAPD
は、Z2 の関数としてNAPD(Z2 )と表すことができ
る。つまり、出射面Fout を原点とした受光面FPDの距
離Z2 を変更することで、受光素子222は、出射光信
号OSout2のアイ開口が塞がる原因となる高次モードM
HIを避けて、低次モードMLO(図9参照)のみを限定受
光することができる。これによって、受光素子222
は、電気信号ESinと同じ情報を表す電気信号ESout2
を生成することができるようになる。
【0074】上述のNAPD(Z2 )をさらに詳しく説明
する。まず、S(Z2 )がSPD以上の場合について考え
る。この場合、NAPD(Z2 )は、Z2 の値が大きくな
るにつれて小さくなり、次式(9)で表される。
【0075】
【数9】
【0076】MMF12からの出射光信号OSout2
内、出射角度が小さくなるほど、モードの次数が低くな
るので、ファイバ軸Afr上で、受光面FPD2 を出射面F
out から距離Z2 だけ離すことにより、受光素子222
は、高次モードMHIを避けて、低次モードMLOのみを限
定受光できることが分かる。以上のことから、本実施形
態によれば、図13に示すようなモード分離器84が必
要とすることなく、位置Z2 の調整だけで、MMF12
におけるモード分散の影響を低減でき、さらに、MMF
12の伝送帯域を広げることができる。これによって、
低コストで高伝送帯域の光伝送システムSb を提供する
ことが可能となる。
【0077】一方、S(Z2 )がSPDよりも小さな場
合、受光面FDP2 には、MMF12の出射光信号OS
out2に含まれる全てのモードが到達する。つまり、NA
PD(Z2)は、NAout と同じ値になり、次式(10)
で表される。
【0078】
【数10】
【0079】ここで、S(Z2 )がSPDよりも小さいと
いうことは、φcrがφPDよりも小さく、かつ受光面F
PD2 が出射面Fout に近接していることを意味する。さ
らに、この場合には、受光素子222は低次モードMLO
のみを限定受光することができない。以上のことから
も、受光面FPD2 を出射面Fout から離すことの必要性
が分かる。
【0080】実際の光伝送システムSb において、以上
の距離Z2 を決定するには、設計要件である受光面F
PD2 への入力パワーと、当該受光面FPD2 の受光光信号
outのアイ開口率の双方を考慮する必要がある。なぜ
なら、Z2 の値を大きくしてモード分散の影響を抑制す
ればするほど、MMF12および受信ユニット22の間
の結合損失が大きくなり、要求される入力パワーを得る
ことが難しくなるからである。さらに、距離Z2 を決定
するには、光伝送システムSb の設計要件であるMMF
12の長さLfr、および光信号OSinの伝送速度も考慮
する必要がある。つまり、モード分散の影響は、長さL
frおよび伝送速度が大きくなる程、顕著になるので、Z
2 の値は大きくする必要がある。
【0081】(第3の実施形態)図11は、本発明の第
3の実施形態に係る光伝送システムSc の全体構成を示
すブロック図である。 簡単に説明すると、図11の光
伝送システムSc は、第1および第2の実施形態の特徴
的な部分を組み合わせであり、送信ユニット11、MM
F12および受信ユニット22とを備えている。そのた
め、図11において、図1または図7の構成に相当する
ものには、同じ参照符号を付けて、その説明を簡素化す
る。
【0082】図11において、コネクタプラグ123
は、送信ユニット11のレセプタクル113に填り込
む。その結果、図2を参照して説明したように、MMF
12のファイバ軸Afrと、レンズ112の光軸Alzとが
光軸合わせされ、同時に、コア121の入射面Finは、
レンズ112の頂点Z0 に対して、予め定められた距離
1 だけ離れて位置する。距離Z1 は、頂点Z0 から焦
点Zfpまでの値以外に設定され、より好ましくは、焦点
fpまでの値よりも大きい値に設定される。
【0083】また、MMF12に取り付けられたコネク
タプラグ124はレセプタクル221に填り込む。その
結果、図8を参照して説明したように、受光面F
PD2 は、MMF12の出射面Fout と距離Z2 だけ離れ
て対向する。さらに、受光面FPD2の中心軸APDはファ
イバ軸Afrと軸合わせされる。
【0084】以上の光伝送システムSc では、MMF1
2からの光信号OSout2は、入射面Finが頂点Z0 から
距離Z1 だけ離れているため、モード分散の影響を実質
的に受けない。また、たとえ、モード分散の影響があっ
たとしても、受光面FPD2 が出射面Fout から距離Z2
だけ離れているため、光信号OSout2の低次モードM LO
のみを限定受光する。したがって、光伝送システムSc
は、光伝送システムS a およびSb よりも、MMF12
におけるモード分散の低減することができる。さらに、
モード分離器84(図13参照)も不要となる。以上の
ことから、さらに低コストで広帯域の光伝送システムS
c を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光伝送システム
a の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光伝送システムSa の光結合を示す
模式図である。
【図3】図1に示す光信号OSout1のアイパターンを示
す模式図である。
【図4】図2に示す距離Z1 に対する光信号OSout1
アイ開口率Rおよび出力パワーPの変化を示すグラフで
ある。
【図5】図1に示す送信ユニット11の開口数(=si
nα)を説明するための模式図である。
【図6】入射光伝播面Fipr を説明するための模式図で
ある。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る光伝送システム
b の全体構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す光伝送システムSb の光結合を示す
模式図である。
【図9】高次出射角度γHIおよび低次出射角度γLOを説
明するための模式図である。
【図10】出射光伝播面Fopr を説明するための模式図
である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る光伝送システ
ムSc の全体構成を示すブロック図である。
【図12】一般的な高次モードMHIおよび低次モードM
LOを示す模式図である。
【図13】従来の光伝送システムScvの全体構成を示す
ブロック図である。
【図14】図13に示す発光源82およびマルチモード
ファイバ83の光結合を示す模式図である。
【符号の説明】
11,21…送信ユニット 111…発光素子 112…レンズ 113,211…レセプタクル 12…マルチモードファイバ 13,22…受信ユニット 131,221…レセプタクル 132,222…受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/135 10/14 10/18 (72)発明者 森倉 晋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 CA02 DA03 DA04 DA06 5F088 AA03 BA20 BB01 GA04 JA12 JA14 5K002 BA03 BA13 BA14 BA15 CA01 FA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信ユニットから受信ユニットへと、マ
    ルチモードファイバを通じて光信号を伝送する光伝送シ
    ステムであって、 前記送信ユニットは、 光信号を生成する発光素子と、 前記発光素子で生成された光信号を集束し、焦点を結ば
    せる少なくとも1つのレンズとを含み、 前記レンズにより集束された光信号は、前記マルチモー
    ドファイバの入射面に入射され、当該マルチモードファ
    イバを伝播し、 前記受信ユニットは、前記マルチモードファイバから出
    射される光信号を受光する受光素子を含み、 前記入射面は前記焦点以外の位置に配置される、光伝送
    システム。
  2. 【請求項2】 前記入射面は、前記レンズを基準とし
    て、前記焦点よりも離れた位置に配置される、請求項1
    に記載の光伝送システム。
  3. 【請求項3】 光信号を生成して、マルチモードファイ
    バに向けて出射する送信ユニットであって、 光信号を生成する発光素子と、 前記発光素子で生成された光信号を集束して、焦点を結
    ばせる少なくとも1つのレンズとを含み、 前記レンズにより集束された光信号は、前記マルチモー
    ドファイバの入射面に入射され、 前記レンズは、前記入射面が前記焦点以外に位置するよ
    うに配置される、送信ユニット。
  4. 【請求項4】 前記入射面は、前記レンズを基準とし
    て、前記焦点よりも離れた位置に配置される、請求項3
    に記載の送信ユニット。
  5. 【請求項5】 前記マルチモードファイバが接続され、
    前記入射面を前記焦点以外の位置に固定するレセプタク
    ルをさらに備える、請求項3に記載の送信ユニット。
  6. 【請求項6】 送信ユニットから受信ユニットへと、マ
    ルチモードファイバを通じて光信号を伝送する光伝送シ
    ステムであって、 前記送信ユニットは、 光信号を生成する発光素子と、 前記発光素子で生成された光信号を集束して、焦点を結
    ばせる少なくとも1つのレンズとを含み、 前記レンズにより集束された光信号は、前記マルチモー
    ドファイバの入射面に入射され、当該マルチモードファ
    イバを伝播した後、当該マルチモードファイバの出射面
    から出射され、 前記受信ユニットは、前記出射面からの光信号を、自身
    の受光面で受光する受光素子を含み、 前記受光素子の受光面は、前記出射面から予め定められ
    た距離だけ離して配置される、光伝送システム。
  7. 【請求項7】 前記受光素子は、Si PIN フォト
    ダイオードである、請求項6に記載の光伝送システム。
  8. 【請求項8】 マルチモードファイバから出射される光
    信号を受信する受信ユニットであって、 前記マルチモードファイバの出射面からの光信号を、自
    身の受光面で受光する受光素子と、 前記マルチモードファイバが接続され、前記受光面から
    予め定められた距離だけ離れた位置に前記出射面を固定
    するレセプタクルとを備える、受信ユニット。
  9. 【請求項9】 送信ユニットから受信ユニットへと、マ
    ルチモードファイバを通じて光信号を伝送する光伝送シ
    ステムであって、 前記送信ユニットは、 光信号を生成する発光素子と、 前記発光素子で生成された光信号を集束し、焦点を結ば
    せる少なくとも1つのレンズとを含み、 前記レンズにより集束された光信号は、前記マルチモー
    ドファイバの入射面に入射され、当該マルチモードファ
    イバを伝播した後、当該マルチモードファイバの出射面
    から出射され、 前記受信ユニットは、前記出射面からの光信号を、自身
    の受光面で受光する受光素子を含み、 前記入射面は前記焦点以外の位置に配置され、さらに、
    前記受光面は前記出射面から予め定められた距離だけ離
    して配置される、光伝送システム。
  10. 【請求項10】 前記入射面は、前記レンズの頂点を基
    準として、前記焦点よりも離れた位置に配置される、請
    求項9に記載の光伝送システム。
  11. 【請求項11】 前記受光素子は、Si PIN フォ
    トダイオードである、請求項9に記載の光伝送システ
    ム。
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WO2006013745A1 (ja) * 2004-08-05 2006-02-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. マルチモード光伝送システム及びマルチモード光伝送方法
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