JP2007043672A - マルチモード光伝送装置、及びマルチモード光伝送システム - Google Patents

マルチモード光伝送装置、及びマルチモード光伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減するマルチモード光伝送システムを提供する。
【解決手段】光送信装置11において、信号出力部は、入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力する。制御部130は、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、信号出力部を制御して、信号出力部が出力する信号の周波数成分を調整する。電気光変換部110は、信号出力部が出力した信号を光信号に変換して、マルチモード光伝送路310に伝送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号をマルチモード光伝送路を介して伝送するマルチモード光伝送装置及びマルチモード光伝送システムに関して、より特定的には、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減するマルチモード光伝送装置及びマルチモード光伝送システムに関する。
例えば、非特許文献1には、従来のマルチモード光ファイバを用いた光伝送システムが開示されている。図9は、非特許文献1に開示されている従来の光伝送システムの構成の一例を示すブロック図である。図9において、従来の光伝送システムは、電気光変換部501と、光電気変換部502とが、マルチモード光伝送路503によって接続された構成である。
電気光変換部501には、電気信号が入力される。電気光変換部501は、入力された電気信号を光信号に変換し、マルチモード光伝送路503に送出する。マルチモード光伝送路503には、マルチモード光ファイバが用いられる。マルチモード光伝送路503を伝搬した光信号は、光電気変換部502に入力される。光電気変換部502は、入力された光信号を電気信号に変換して出力する。ここで、通常、電気光変換部501には、ファブリーペローレーザなどの半導体レーザが使用される。また、光電気変換部502には、PINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードなどが使用される。
このようなマルチモード光ファイバを用いた光伝送システムは、マルチモード光ファイバのコア径が大きいため、光源との結合が容易であることなどから、シングルモード光ファイバを用いたシステムと比較して、安価なシステムを構築することができる。このような特徴を生かして、マルチモード光ファイバを用いた光伝送システムは、現在では、企業内におけるLANなどの比較的短距離のシステムへ多く導入されている。
ディ・アール・ジルメ(D.R. Hjelme) エー・アール・ミケルソン(A. R. Mickelson)著、「マイクロベンディングとモーダルノイズ(Microbending and modal noise)」、(米国)、第22巻、アプライドオプティクス(Applied Optics)、1983年12月1日、p. 3874-3879
しかしながら、マルチモード光ファイバを用いた光伝送システムは、光伝送路中に複数の伝搬モードが存在するため、伝送特性が制限される。すなわち、マルチモード光ファイバを用いた光伝送システムでは、異なる伝搬モード同士がお互いに干渉し、モーダルノイズと呼ばれる雑音を発生させる。ここで、モーダルノイズとは、モード間干渉によって生じたスペックルパターンが時間的に変動することによって引き起こされるノイズである。また、光ファイバの曲げや、コネクタ間に隙間があると伝送特性の劣化は大きくなる。
このように、マルチモード光ファイバを用いて光伝送を行うと、モード間干渉によって伝送特性が劣化する。特に、光伝送路中のモード数が少ない場合や、光源の線幅が狭い場合などは、モード間の可干渉性が高くなるため伝送特性が大きく劣化する。このような例としては、光源に面発光レーザを、光伝送路に1.3μm帯シングルモード光ファイバを使用した場合などが挙げられる。面発光レーザの波長は、短波長帯の850nm帯が一般的であり、その波長で光伝送路にシングルモード光ファイバを用いて光伝送を行なうと、モード数は2〜3程度と少なくなる。
また、光源とシングルモード光ファイバとの結合を考えた場合、光源には、ファーフィールドパターンがガウス分布になるシングルモード面発光レーザを使用することが想定される。これらの状況においては、光伝送路中のモード数が少なく、光源の線幅が狭い条件となり、モード間干渉によって、マルチモード光伝送路の雑音特性及び歪特性が顕著に劣化すると考えられる。
それ故に、本発明の目的は、モード間干渉の影響が顕著になる条件においても、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができるマルチモード光伝送装置、及びマルチモード光伝送システムを提供することである。
本発明は、入力された電気信号を光信号に変換し、変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して伝送するマルチモード光伝送装置に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明のマルチモード光伝送装置は、入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力する信号出力部と、信号出力部を制御して、所定の信号の周波数成分を調整する制御部と、所定の信号を光信号に変換して、マルチモード光伝送路に伝送する電気光変換部とを備える。制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、所定の信号の周波数成分を調整する。
好ましくは、信号出力部は、入力された電気信号を変調して、高周波変調信号として出力する変調部を含む。制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、変調部が出力する高周波変調信号の周波数を調整する。
また、信号出力部は、入力された電気信号を変調して、高周波変調信号として出力する変調部と、所定の周波数を有する信号を発生させ、発生させた信号を重畳信号として出力する重畳信号発生部と、変調部が出力した高周波変調信号と、重畳信号とを周波数多重して、所定の信号として出力する合波部とを含んでいてもよい。制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整する。
好ましくは、入力された電気信号はベースバンド信号である。この場合、信号出力部は、所定の周波数を有する信号を発生させ、発生させた信号を重畳信号として出力する重畳信号発生部と、ベースバンド信号と重畳信号とを周波数多重して、所定の信号として出力する合波部とを含む。制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整する。
好ましくは、制御部は、重畳信号の高調波成分が、変調部が出力した高周波変調信号の帯域内に重ならないように、重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整する。
好ましくは、マルチモード光伝送装置は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定するモード群遅延情報推定部をさらに備える。モード群遅延情報推定部は、短パルス信号を発生させる短パルス信号発生部と、マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換する光電気変換部と、短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号と、光電気変換部が変換した電気信号とを比較して、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を算出する比較演算部とを備える。電気光変換部は、短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号を光信号に変換して、マルチモード光伝送路を介して伝送する。マルチモード光伝送路を介して受信する光信号には、短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号が含まれている。
マルチモード光伝送路を介して受信する光信号には、信号出力部が出力した所定の信号を含まれる場合がある。このとき好ましくは、マルチモード光伝送装置は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定するモード群遅延情報推定部をさらに備える。モード群遅延情報推定部は、マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換し、所定の信号として出力する光電気変換部と、信号出力部が出力した所定の信号と、光電気変換部が出力した所定の信号とを比較して、マルチモード光伝送路で発生する歪量又は雑音量を算出し、当該算出した歪量又は雑音量に基づいて、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定する比較演算部とを備える。
なお、制御部は、マルチモード光伝送路の長さに基づいて、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を算出してもよい。
好ましくは、制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する支配的なモード同士の間の群遅延差Δτに基づいて、所定の信号に含まれる周波数成分を調整する。
マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとする。好ましくは、変調部は、高周波変調信号の周波数をn×1/Δτと等しい周波数に設定する。
マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとする。好ましくは、変調部は、高周波変調信号の周波数を(n−1/4)×1/Δτよりも大きく、(n+1/4)×1/Δτよりも小さい周波数の範囲で設定する。
マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとする。好ましくは、重畳信号発生部は、重畳信号の周波数を(n−1/2)×1/Δτと等しい周波数に設定する。
マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとする。好ましくは、重畳信号発生部は、重畳信号の周波数をn×1/Δτと異なる周波数に設定する。
また、本発明は、入力された電気信号を光信号に変換し、当該変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して送受信する光送信装置と光受信装置とを備えるマルチモード光伝送システムにも向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明のマルチモード光伝送システムは、以下の構成の光送信装置と、光受信装置とを備える。光送信装置は、入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力する信号出力部と、信号出力部を制御して、所定の信号の周波数成分を調整する制御部と、所定の信号を光信号に変換して、マルチモード光伝送路に伝送する電気光変換部とを備える。制御部は、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、所定の信号の周波数成分を調整する。また、光受信装置は、マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換する光電気変換部を備える。
また、上述したマルチモード光伝送装置が備える信号出力部、制御部、及び電気光変換部が行なうそれぞれの処理は、入力された電気信号を光信号に変換し、当該変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して伝送するマルチモード光伝送方法としても捉えることができる。
以上のように、本発明によれば、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、光信号を変調する高周波変調信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。これによって、マルチモード光ファイバを光伝送路として用いた場合も光伝送品質の低下を防ぐことができ、安いコストで高品質な光伝送システムを構築することができる。
また、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、光信号を変調する重畳信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。また、高周波変調信号に重畳信号を周波数多重することによって、光源の線幅を広げることができるため、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化をより軽減することができる。
また、モード群遅延情報推定部を備えることで、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定することができる。これによって、ネットワーク構成が変化した場合においても、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。また、モード群遅延情報推定部は、短パルス信号を用いることで、マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を正確に推定することができる。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマルチモード光伝送システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1において、マルチモード光伝送システム1は、光送信装置11と、光受信装置21とが、マルチモード光伝送路310で接続された構成である。光送信装置11は、電気光変換部110、変調部120、及び制御部130を備える。光受信装置21は、光電気変換部210を備える。
図1において、光送信装置11には、送信すべきデータとして、データD1が入力される。データD1は、変調部120で変調され、高周波変調信号として出力される。変調部120から出力された高周波変調信号は、電気光変換部110において光信号へ変換され、マルチモード光伝送路310へ送出される。光受信装置21には、マルチモード光伝送路310から光信号が入力される。光受信装置21へ入力された光信号は、光電気変換部210で電気信号に変換され、高周波変調信号として出力される。
ただし、マルチモード光伝送システム1では、上述したように、マルチモード光伝送路310におけるモード間干渉が問題になる。すなわち、伝搬経路が異なる光信号(モード)同士が干渉することによって、光電気変換部210から出力された高周波変調信号の雑音特性及び歪特性が劣化する。しかしながら、光信号を変調する高周波変調信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することが可能となる。
そこで、制御部130は、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報C1に基づいて、変調部120が出力する高周波変調信号の周波数を設定する。具体的には、制御部130は、マルチモード光伝送路310を伝搬する支配的なモード同士の間の群遅延差Δτに基づいて、変調部120が出力する高周波変調信号の周波数を設定する。なお、以下の説明では、支配的なモードが、基本モードと1次モードとである場合について述べる。
なお、変調部120は、電気光変換部110に信号を出力するための構成であるので、信号出力部と記してもよい。また、マルチモード光伝送路310には、典型的には、マルチモード光ファイバケーブルが用いられるが、使用条件によっては、シングルモード光ファイバケーブルが用いられてもよい。
以下、数式及び図を用いて、雑音特性及び歪特性の劣化を低減できる高周波変調信号の周波数条件について説明する。(式1)は、2波の変調信号(角周波数ω1、ω2)で光信号を直接変調し、マルチモード光伝送路310を用いて伝送した場合に、伝搬経路の異なる2つのモード(基本モードと1次モード)同士が干渉することによって生じる3次歪成分IIM3(角周波数2ω1−ω2)を表わしている。
Figure 2007043672
(式1)において、平方根の中の項は、角周波数ω1、ω2と群遅延差Δτとに応じて変化する為、3次歪量は、変調信号の周波数と群遅延差Δτとに依存する。図2及び図3は、モード間干渉によって発生する3次歪の変調周波数に対する依存性を説明する図である。図2及び図3において、縦軸は(式1)を計算した結果(すなわち、3次歪IIM3)を、横軸は角周波数ω1と群遅延差Δτとの積(ω1Δτ)を表している。ここで、ω2は、ω1からΔωだけ離れた角周波数である。図2及び図3では、ΔωΔτが様々な値をとった場合の計算結果を示している。図2より、Δωが(式2)を満たす時、ω1が(式3)を満たす範囲で3次歪IIM3が小さくなる。同様に、図3より、Δωが(式4)を満たす時、ω1が(式5)を満たす範囲で3次歪IIM3が小さくなる。従って、群遅延差Δτの値が分かれば、2波の変調信号の間隔Δω及び角周波数ω1を(式2)〜(式3)、又は(式4)〜(式5)で表される範囲に設定することで、3次歪を最小に抑えることができる。
Figure 2007043672
Figure 2007043672
Figure 2007043672
Figure 2007043672
なお、(式2)〜(式5)において、n=0の時が伝送性能の改善効果が最も高いことが予測される。それは、光信号を変調する周波数が低いほど、(式1)におけるFM変調指数B1及びB2が大きくなり、結果として、(式1)におけるJ0(B1)及びJ0(B2)を小さくすることができるためである。さらには、所望の伝送帯域が決まっている場合には、所望の伝送帯域に収まるように、nを最適な値に設定することで、所望の周波数帯域において高い伝送性能の改善効果を得ることができる。
ここで、群遅延差Δτを測定する方法について図4を用いて説明する。図4は、群遅延差Δτを測定するマルチモード光伝送システム1aの構成の一例を示すブロック図である。図4において、マルチモード光伝送システム1aは、群遅延差Δτを測定するために、光送信装置11aが送信側モード群遅延推定部と、光受信装置21aが受信側モード群遅延推定部とをさらに備える。また、送信側モード群遅延推定部と、受信側モード群遅延推定部とは、マルチモード光伝送路320で接続される。送信側モード群遅延推定部は、短パルス信号発生部141と、比較演算部142と、光電気変換部151とを含む。受信側モード群遅延推定部は、電気光変換部251を含む。
なお、マルチモード光伝送システム1aは、送信側モード群遅延推定部を光送信装置11aの外部に、受信側モード群遅延推定部を光受信装置21aの外部に備えてもよい。
送信側モード群遅延推定部において、短パルス信号発生部141は、短パルス信号を発生させる。短パルス信号発生部141が発生させた短パルス信号は、電気光変換部110で光信号へ変換され、マルチモード光伝送路310へ送出される。マルチモード光伝送路310を伝搬した光信号は、光受信装置21aで受信される。光受信装置21aで受信された光信号は、光電気変換部210で短パルス信号へ変換される。短パルス信号は、受信側モード群遅延推定部に入力される。受信側モード群遅延推定部において、短パルス信号は、電気光変換部251で再び光信号へ変換され、マルチモード光伝送路320へ送出される。
送信側モード群遅延推定部において、マルチモード光伝送路320を伝搬した光信号は、光電気変換部151で短パルス信号へ変換される。比較演算部142は、光電気変換部151によって変換された短パルス信号と、短パルス信号発生部141が発生させた短パルス信号とを比較して、光電気変換部151によって変換された短パルス信号の波形広がりを測定する。比較演算部142は、測定した波形広がりから、マルチモード光伝送路310及びマルチモード光伝送路320で発生した基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを算出する。
なお、マルチモード光伝送システム1aにおいては、マルチモード光伝送路310と、マルチモード光伝送路320とを、同一のマルチモード光伝送路としてもよい。このような構成にしても、光送信装置11aから光受信装置21aへ伝送される短パルス信号と、光受信装置21aから光送信装置11aへ伝送される短パルス信号とは、時間的に重なることはないため、それらが衝突することはない。このため、送信側モード群遅延推定部は、より正確に基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを算出することができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るマルチモード光伝送システムによれば、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、光信号を変調する高周波変調信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。これによって、マルチモード光ファイバを光伝送路として用いた場合も光伝送品質の低下を防ぐことができ、安いコストで高品質な光伝送システムを構築することができる。
また、モード群遅延推定部を備えることで、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報を推定することができる。これによって、ネットワーク構成が変化した場合においても、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。また、モード群遅延推定部は、短パルス信号を用いることで、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報を正確に推定することができる。
また、マルチモード光伝送システムは、簡易的には、送信側モード群遅延推定部及び受信側モード群遅延推定部を用いずに、マルチモード光伝送路310の長さに基づいて、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報を推定してもよい。これによって、マルチモード光伝送システムは、複雑な構成を用いることなく、モード群遅延情報を推定することができる。
また、上述した説明では、伝搬経路の異なる2つのモード同士が干渉することによって生じる3次歪に関して述べてきたが、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム1は、これ以外の種類の歪(例えば、2次歪や雑音など)に対しても有用である。すなわち、マルチモード光伝送システム1は、高周波変調信号の周波数を(式2)〜(式3)、又は(式4)〜(式5)の条件を満たすように設定することで、3次歪以外の特性劣化も改善することができる。また、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム1は、モード数が複数ある場合についても、同様の効果を得ることができる。
さらに、高周波変調信号の振幅を大きくすることでFM変調指数B1及びB2が大きくなるため、ベッセル関数J0(B1)及びJ0(B2)の値を小さくすることができる。従って、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム1は、高周波変調信号の周波数を(式2)〜(式3)、又は(式4)〜(式5)の条件を満たすように設定すると共に、高周波変調信号の振幅を大きく設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化をより効果的に低減することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、高周波変調信号の周波数を基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτに基づいて設定する方法について述べた。第2の実施形態では、高周波変調信号に重畳信号を周波数多重し、重畳信号の周波数を最適に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減する方法について述べる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るマルチモード光伝送システム2の構成の一例を示すブロック図である。図5において、マルチモード光伝送システム2は、光送信装置12と、光受信装置22とが、マルチモード光伝送路310によって接続された構成である。光送信装置12は、電気光変換部110、変調部120、制御部130、合波部160、及び重畳信号発生部170を備える。光受信装置22は、光電気変換部210を備える。
光送信装置12において、制御部130は、マルチモード光伝送路310を伝搬する基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτに基づいて、重畳信号発生部170が発生させる重畳信号の周波数を設定する。重畳信号発生部170は、特定の周波数を有する重畳信号を発生させる。データD1は、変調部120で変調され、高周波変調信号として出力される。合波部160は、重畳信号発生部170が発生させた重畳信号と、変調部120が出力した高周波変調信号とを周波数多重し、高周波変調信号として出力する。合波部160から出力された高周波変調信号は、電気光変換部110において光信号へ変換され、マルチモード光伝送路310へ送出される。マルチモード光伝送路310から光受信装置22へ入力された光信号は、光電気変換部210において高周波変調信号へ変換される。
なお、変調部120は、高周波変調信号の代わりに、ベースバンド信号で変調された信号を出力してもよい。また、変調部120、合波部160、及び重畳信号発生部170は、電気光変換部110に信号を出力するための構成であるので、信号出力部と記してもよい。
ここで、マルチモード光伝送システム2は、高周波変調信号と周波数多重させる重畳信号の周波数を適切な値に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性を低減することが可能となる。以下、数式及び図面を用いて、雑音特性及び歪特性の劣化を低減できる重畳信号の周波数条件について説明する。
(式6)は、2波の変調信号(角周波数ω1、ω2)と、1波の重畳信号(角周波数ωLO)とで光信号を直接変調し、マルチモード光伝送路310を用いて伝送した場合に、伝搬経路の異なる2つのモード(基本モードと1次モード)同士が干渉することによって生じる3次歪成分IIM3(角周波数2ω1−ω2)を表わしている。
Figure 2007043672
(式6)において、第2項は、重畳信号の周波数に依存しており、第2項の平方根の中の項は、重畳信号の角周波数ωLOと群遅延差Δτとの積に応じて変化する為、3次歪量は、重畳信号の角周波数ωLOと群遅延差Δτとに応じて変化する。
図6は、モード間干渉によって発生する3次歪に対する重畳信号の効果を説明する図である。図6において、縦軸は(式6)を計算した結果(すなわち、3次歪みIIM3)であり、横軸は変調信号の角周波数ω1と、群遅延差Δτとの積(ω1Δτ)である。図6では、ωLOΔτが2nπ及び2(n+1)π、nが整数の値をとった場合の計算結果を示している。図6より、ωLOΔτが2(n+1)πの時に、ωLOΔτが2nπの時に比べて、3次歪IIM3は小さくなる。従って、重畳信号の角周波数ωLOを(式7)を満たす値に設定することで、変調信号の周波数にかかわらず、3次歪IIM3を低減することができる。さらに、図6より、変調信号の周波数を、(式8)を満たす値に設定することで、さらに3次歪IIM3を低減することが可能である。
Figure 2007043672
Figure 2007043672
ここで、基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを検出する方法は、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。また、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係るマルチモード光伝送システム2は、簡易的には、マルチモード光伝送路310の長さに基づいて、基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを検出してもよい。
また、(式7)において、n=0の時が最も伝送性能の改善効果が高いことが予想される。それは、光信号を変調する周波数が低いほど、(式6)におけるFM変調指数BLOが大きくなり、結果として、(式6)におけるJ0(BLO)を小さくすることができるからである。さらには、重畳信号の高調波成分が伝送信号に重ならないように、nを最適な値に設定することで、重畳信号の高調波成分が伝送信号に与える影響を回避しつつ、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を軽減することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係るマルチモード光伝送システム2によれば、マルチモード光伝送路310を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、光信号を変調する重畳信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減することができる。また、高周波変調信号に重畳信号を周波数多重することによって、光源の線幅を広げることができるため、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化をより軽減することができる。
なお、変調部120は、(式9)あるいは(式10)の条件を満たすように、高周波変調信号の周波数fを設定してもよい。これによって、マルチモード光伝送システム2は、光電気変換部210から出力される高周波変調信号の振幅を最大限確保することができるため、より高品質な伝送を行なうことができる。
Figure 2007043672
Figure 2007043672
ただし、nは任意の自然数である。
また、上述した説明では、伝搬経路が異なる2つのモード同士が干渉することによって生じる3次歪に関して述べてきたが、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム2は、これ以外の種類の歪(例えば、2次歪や雑音など)に対しても有用である。すなわち、マルチモード光伝送システム2は、重畳信号の周波数を(式7)を満たすように設定することで、3次歪以外の特性劣化も改善することができる。また、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム2は、モード数が複数ある場合についても、同様の効果を得ることができる。
さらに、重畳信号の振幅を大きくすることでFM変調指数BLOが大きくなるため、ベッセル関数J0(BLO)の値が小さくなり、(式6)における第1項の値を小さくすることができる。一方、ベッセル関数J1(BLO)の値は、BLOが大きくなるのに伴って大きくなるため、第2項の値は大きくなる。しかし、重畳信号の周波数を上述した値に設定することで、第2項の値も小さくすることができる。従って、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム2は、重畳信号の周波数を(式7)の条件を満たすように設定すると共に、重畳信号の振幅を大きく設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化をより効果的に低減することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、高周波変調信号の周波数、あるいは高周波変調信号と周波数多重する重畳信号の周波数を適切に設定することで、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減する方法について述べた。第3の実施形態では、高周波変調信号あるいは重畳信号の周波数を変えると、歪量あるいは雑音量が変化することを利用して、マルチモード光伝送路310を伝搬する基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを測定する方法について述べる。
図7Aは、本発明の第3の実施形態に係るマルチモード光伝送システム3aの構成の一例を示すブロック図である。図7Aにおいて、マルチモード光伝送システム3aは、光送信装置13aと、光受信装置23aとが、マルチモード光伝送路310及びマルチモード光伝送路320で接続された構成である。光送信装置13aは、電気光変換部110、変調部120、制御部130、光電気変換部151、及び比較演算部181を備える。光受信装置23aは、光電気変換部210及び電気光変換部251を備える。
なお、変調部120は、電気光変換部110に信号を出力するための構成であるので、信号出力部と記してもよい。また、光電気変換部151及び比較演算部181は、送信側で基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを推定するための構成であるので、送信側モード群遅延推定部と記してもよい。また、電気光変換部251は、受信側で基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを推定するための構成であるので、受信側モード群遅延推定部と記してもよい。
光送信装置13aにおいて、変調部120は、入力されたデータD1を変調して、高周波変調信号として出力する。変調部120から出力された高周波変調信号は、電気光変換部110で光信号へ変換され、マルチモード光伝送路310へ送出される。マルチモード光伝送路310を伝搬した光信号は、光受信装置23aで受信される。光受信装置23aで受信された光信号は、光電気変換部210において高周波変調信号へ変換される。高周波変調信号は、受信側モード群遅延推定部に入力される。受信側モード群遅延推定部において、高周波変調信号は、電気光変換部251で再び光信号へ変換され、マルチモード光伝送路320へ送出される。
送信側モード群遅延推定部において、マルチモード光伝送路320を伝搬した光信号は、光電気変換部151で高周波変調信号へ変換される。比較演算部181は、変調部120から出力された高周波変調信号と、光電気変換部151で変換された高周波変調信号とを比較して、光電気変換部151で変換された高周波変調信号に含まれる歪量(例えば、2次高調波歪、3次相互変調波歪など)を算出する。比較演算部181は、当該算出した歪量に基づいて、マルチモード光伝送路310及びマルチモード光伝送路320で発生した基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを算出する。
より具体的には、第1の実施形態で説明したように、2波の変調信号(角周波数ω1、ω2)で光信号を直接変調し、マルチモード光伝送路310を用いて伝送した場合に、モード間干渉によって発生する3次歪は、変調信号の周波数に対して依存する。すなわち、高周波変調信号の周波数変化に応じて3次歪量が変化するので、比較演算部180は、高周波変調信号の周波数を変化させたときの3次歪量の変化に基づいて、群遅延差Δτを算出することができる。
図7Bは、本発明の第3の実施形態に係るマルチモード光伝送システム3bの構成の一例を示すブロック図である。図7Bにおいて、マルチモード光伝送システム3bは、光送信装置13bと、光受信装置23bとが、マルチモード光伝送路310及びマルチモード光伝送路320で接続された構成である。光送信装置13bは、電気光変換部110、変調部120、制御部130、光電気変換部151、合波部160、重畳信号発生部170、及び比較演算部182を備える。光受信装置23bは、光電気変換部210及び電気光変換部251を備える。
なお、変調部120、合波部160、及び重畳信号発生部170は、電気光変換部110に信号を出力するための構成であるので、信号出力部と記してもよい。また、光電気変換部151及び比較演算部182は、送信側で基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを推定するための構成であるので、送信側モード群遅延推定部と記してもよい。また、電気光変換部251は、受信側で基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを推定するための構成であるので、受信側モード群遅延推定部と記してもよい。
光送信装置13bにおいて、変調部120は、入力されたデータD1を変調して、高周波変調信号として出力する。重畳信号発生部170は、特定の周波数の重畳信号を発生させる。合波部160は、変調部120が出力した高周波変調信号と、重畳信号発生部170が発生させた重畳信号とを周波数多重し、高周波変調信号として出力する。合波部160から出力された高周波変調信号は、電気光変換部110で光信号へ変換され、マルチモード光伝送路310へ送出される。
マルチモード光伝送路310を伝搬した光信号は、光受信装置23bで受信される。光受信装置23bで受信された光信号は、光電気変換部210において高周波変調信号へ変換される。高周波変調信号は、受信側モード群遅延推定部に入力される。受信側モード群遅延推定部において、高周波変調信号は、電気光変換部251で再び光信号へ変換され、マルチモード光伝送路320へ送出される。
送信側モード群遅延推定部において、マルチモード光伝送路320を伝搬した光信号は、光電気変換部151で高周波変調信号へ変換される。比較演算部182は、信号出力部から出力された高周波変調信号と、光電気変換部151で変換された高周波変調信号に含まれる重畳信号とを比較して、重畳信号に含まれる歪量(例えば、2次高調波歪、3次相互変調波歪など)を算出する。比較演算部182は、当該算出した歪量に基づいて、マルチモード光伝送路310及びマルチモード光伝送路320で発生した基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを算出する。
より具体的には、第2の実施形態で説明したように、2波の変調信号(角周波数ω1、ω2)と、1波の重畳信号(角周波数ωLO)とで光信号を直接変調し、マルチモード光伝送路310を用いて伝送した場合に、モード間干渉によって発生する3次歪は、重畳信号の周波数に対して依存する。図8は、モード間干渉によって発生する3次歪量の重畳信号に対する周波数依存性を説明する図である。図8より、2波の変調信号の周波数を適当な値(ここでは、ω1Δτ=2nπ、ω2Δτ=ω1Δτ+0.1π、nを任意の整数)に設定すると、ωLOΔτの値に応じて3次歪IIM3が変化している。すなわち、重畳信号の周波数変化に応じて3次歪量が変化するので、比較演算部180は、重畳信号の周波数を変化させたときの3次歪量の変化に基づいて、群遅延差Δτを算出することができる。
なお、上述した説明では、基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを歪量から算出したが、群遅延差Δτは、雑音量をモニタすることでも算出できる。具体的には、光送信装置13bは、無変調キャリア(以下、モニタ信号と記す)と重畳信号とを周波数多重した信号で変調された光信号を、マルチモード光伝送路310を介して送信する。光送信装置13bは、マルチモード光伝送路320を介して受信した光信号を、光電気変換部151で復調すると、モニタ信号近傍の雑音が重畳信号の周波数に応じて変化する。その変化の周期はマルチモード光伝送路310を伝搬するモードの群遅延情報に依存しているため、重畳信号の周波数とモニタ信号近傍近傍の雑音レベルとの関係を求めれば、群遅延差Δτを求めることができる。なお、モニタ信号のみで光信号を変調しても同様に群遅延差Δτを測定することができる。すなわち、モニタ信号の周波数を変化させると、モニタ信号近傍の雑音がモニタ信号の周波数に応じて変化するため、モニタ信号の周波数と、モニタ信号近傍の雑音レベルとを測定すれば、群遅延差Δτを算出することができる。
また、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム3a、3bは、マルチモード光伝送路310と、マルチモード光伝送路320とを、同一のマルチモード光伝送路としてもよい。例えば、マルチモード光伝送システム3a、3bは、両方向の光信号を波長多重することで、波長多重した光信号を同一のマルチモード光伝送路で伝送することことができる。これによって、より正確に基本モードと1次モードとの間の群遅延差Δτを算出することができる。
以上にように、本発明の第3の実施形態に係るマルチモード光伝送システムによれば、変調信号の歪成分を重畳信号の周波数を変化させて観測することによって推定することができる。これによって、第1の実施形態で示したような、短パルス信号発生部141を使うことなく、マルチモード光伝送路310における群遅延差Δτを推定することができる。また、本実施形態に係るマルチモード光伝送システム3は、モード数が複数ある場合にも、同様の手法を用いることで、マルチモード光伝送路310における群遅延差Δτを推定することができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明のマルチモード光伝送システムは、モード間干渉に伴う雑音特性及び歪特性の劣化を低減すること等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係るマルチモード光伝送システム1の構成の一例を示すブロック図 モード間干渉によって発生する3次歪の変調周波数依存性を説明する図 モード間干渉によって発生する3次歪の変調周波数依存性を説明する図 群遅延差Δτを測定するマルチモード光伝送システム1aの構成の一例を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係るマルチモード光伝送システム2の構成の一例を示すブロック図 モード間干渉によって発生する3次歪に対する重畳信号の効果を説明する図 本発明の第3の実施形態に係るマルチモード光伝送システム3aの構成の一例を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係るマルチモード光伝送システム3bの構成の一例を示すブロック図 モード間干渉によって発生する3次歪量の重畳信号に対する周波数依存性を説明する図 従来のマルチモード光ファイバを用いた光伝送システムの構成の一例を示すブロック図
符号の説明
1,1a,2,3a,3b マルチモード光伝送システム
11〜13 光送信装置
110,251 電気光変換部
120 変調部
130 制御部
141 短パルス発生部
142 比較演算部
151,210 光電気変換部
160 合波部
170 重畳信号発生部
180 比較演算部
21,21a,22,23a,23b 光受信装置
310、320 マルチモード光伝送路

Claims (15)

  1. 入力された電気信号を光信号に変換し、当該変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して伝送するマルチモード光伝送装置であって、
    前記入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力する信号出力部と、
    前記信号出力部を制御して、前記所定の信号の周波数成分を調整する制御部と、
    前記所定の信号を光信号に変換して、前記マルチモード光伝送路に伝送する電気光変換部とを備え、
    前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記所定の信号の周波数成分を調整することを特徴とする、マルチモード光伝送装置。
  2. 前記信号出力部は、前記入力された電気信号を変調して、高周波変調信号として出力する変調部を含む、
    前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記変調部が出力する高周波変調信号の周波数を調整することを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  3. 前記信号出力部は、
    前記入力された電気信号を変調して、高周波変調信号として出力する変調部と、
    所定の周波数を有する信号を発生させ、発生させた信号を重畳信号として出力する重畳信号発生部と、
    前記変調部が出力した高周波変調信号と、前記重畳信号とを周波数多重して、前記所定の信号として出力する合波部とを含み、
    前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整することを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  4. 前記入力された電気信号はベースバンド信号であり、
    前記信号出力部は、
    所定の周波数を有する信号を発生させ、発生させた信号を重畳信号として出力する重畳信号発生部と、
    前記ベースバンド信号と、前記重畳信号とを周波数多重して、前記所定の信号として出力する合波部とを含み、
    前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整することを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  5. 前記制御部は、前記重畳信号の高調波成分が、前記変調部が出力した高周波変調信号の帯域内に重ならないように、前記重畳信号発生部が出力する重畳信号の周波数を調整することを特徴とする、請求項3に記載のマルチモード光伝送装置。
  6. 前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定するモード群遅延情報推定部をさらに備え、
    前記モード群遅延情報推定部は、
    短パルス信号を発生させる短パルス信号発生部と、
    前記マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換する光電気変換部と、
    前記短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号と、前記光電気変換部が変換した電気信号とを比較して、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を算出する比較演算部とを備え、
    前記電気光変換部は、前記短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号を光信号に変換して、前記マルチモード光伝送路を介して伝送し、
    前記マルチモード光伝送路を介して受信する光信号には、前記短パルス信号発生部が発生させた短パルス信号が含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  7. 前記マルチモード光伝送路を介して受信する光信号には、前記信号出力部が出力した所定の信号が含まれており、
    前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定するモード群遅延情報推定部をさらに備え、
    前記モード群遅延情報推定部は、
    前記マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換し、前記所定の信号として出力する光電気変換部と、
    前記信号出力部が出力した所定の信号と、前記光電気変換部が出力した所定の信号とを比較して、前記マルチモード光伝送路で発生する歪量又は雑音量を算出し、当該算出した歪量又は雑音量に基づいて、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を推定する比較演算部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  8. 前記制御部は、前記マルチモード光伝送路の長さに基づいて、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報を算出することを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  9. 前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する支配的なモード同士の間の群遅延差Δτに基づいて、前記所定の信号に含まれる周波数成分を調整することを特徴とする、請求項1に記載のマルチモード光伝送装置。
  10. 前記マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとすると、
    前記変調部は、前記高周波変調信号の周波数をn×1/Δτと等しい周波数に設定することを特徴とする、請求項3に記載のマルチモード光伝送装置。
  11. 前記マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとすると、
    前記変調部は、前記高周波変調信号の周波数を(n−1/4)×1/Δτよりも大きく、(n+1/4)×1/Δτよりも小さい周波数の範囲で設定することを特徴とする、請求項3に記載のマルチモード光伝送装置。
  12. 前記マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとすると、
    前記重畳信号発生部は、前記重畳信号の周波数を(n−1/2)×1/Δτと等しい周波数に設定することを特徴とする、請求項3に記載のマルチモード光伝送装置。
  13. 前記マルチモード光伝送路を伝搬する第1のモードと第2のモードとの間の群遅延差をΔτ、任意の自然数をnとすると、
    前記重畳信号発生部は、前記重畳信号の周波数をn×1/Δτと異なる周波数に設定することを特徴とする、請求項3に記載のマルチモード光伝送装置。
  14. 入力された電気信号を光信号に変換し、当該変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して送受信する光送信装置と光受信装置とを備えるマルチモード光伝送システムであって、
    前記光送信装置は、
    前記入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力する信号出力部と、
    前記信号出力部を制御して、前記所定の信号の周波数成分を調整する制御部と、
    前記所定の信号を光信号に変換して、前記マルチモード光伝送路に伝送する電気光変換部とを備え、
    前記制御部は、前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記所定の信号の周波数成分を調整し、
    前記光受信装置は、前記マルチモード光伝送路を介して受信した光信号を電気信号に変換する光電気変換部を備えることを特徴とする、マルチモード光伝送システム。
  15. 入力された電気信号を光信号に変換し、当該変換した光信号をマルチモード光伝送路を介して伝送するマルチモード光伝送方法であって、
    前記入力された電気信号に基づいて、所定の信号を出力するステップと、
    前記マルチモード光伝送路を伝搬する各モードの群遅延情報に基づいて、前記所定の信号の周波数成分を調整するステップと、
    前記所定の信号を光信号に変換して、前記マルチモード光伝送路に伝送するステップとを備えることを特徴とする、方法。

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