JP2002227787A - 高圧ドーム型ロータリ圧縮機 - Google Patents

高圧ドーム型ロータリ圧縮機

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JP2002227787A
JP2002227787A JP2001028632A JP2001028632A JP2002227787A JP 2002227787 A JP2002227787 A JP 2002227787A JP 2001028632 A JP2001028632 A JP 2001028632A JP 2001028632 A JP2001028632 A JP 2001028632A JP 2002227787 A JP2002227787 A JP 2002227787A
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剛義 大川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷媒への熱侵入を低減させることにより、高圧
ドーム型ロータリ圧縮機の総合効率を高める。 【解決手段】シリンダ(14)の外部からの熱伝導を阻止
する外部熱阻止部(51)と、シリンダ(14)の高温部か
ら低温部への熱伝導を阻止する内部熱阻止部(52)とを
備える。外部熱阻止部(51)及び内部熱阻止部(52)
は、シリンダ(14)の一部を切除して形成された空間で
ある。外部熱阻止部(51)は、吸入路(30)と並行に形
成される吸入側阻止部(53)と、作動室(40)の低圧側
(41)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部(44)に
作動室(40)に沿って形成された作動側阻止部(54)と
を備える。内部熱阻止部(52)は、シリンダ(14)の高
圧作用部(45)と低圧作用部(44)との間に位置してシ
リンダ(14)の半径方向に延びる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ドーム型ロー
タリ圧縮機に関し、特に、流体の加熱対策に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置に使用される圧縮機
には、密閉容器内が高圧の冷媒で満たされ、該高圧の冷
媒雰囲気中に圧縮機構が配置されている高圧ドーム型ロ
ータリ圧縮機が知られている。高圧ドーム型ロータリ圧
縮機は、冷媒が、直接圧縮機構のシリンダ内に吸入され
て圧縮され、高温高圧になった冷媒がシリンダから容器
内に吐出されて容器の外部に吐出されるように構成され
ている。また、上記圧縮機構は、シリンダ内の作動室に
配置されるロータにより、作動室内に圧縮室を区画形成
し、ロータが作動室内を公転することによって冷媒を圧
縮するいわゆるスイング型のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記高圧ドーム型ロー
タリ圧縮機では、圧縮機構が高温高圧の冷媒雰囲気中に
配置されるために、シリンダが高温になり易い。従っ
て、吸入行程において、シリンダから冷媒への熱侵入が
大きいという問題があった。特に、冷媒として熱伝導率
の高い二酸化炭素を使用する場合には、温度が上昇し易
く、冷媒の比容積が増大し易いために、容積効率が低下
して圧縮機としての総合効率が低下し易くなるという問
題があった。
【0004】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、冷媒への熱侵入を低減させることにより、圧縮
機の総合効率を高めることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダ(1
4)内の流体を加熱する熱の伝導を阻止する伝熱阻止手
段(50)をシリンダ(14)に設けるようにしたものであ
る。
【0006】つまり、R22及び二酸化炭素のローリン
グピストン型圧縮機の吸入行程における冷媒の熱伝導率
αは、機論49巻444号(ローリングピストン型回転
圧縮機の吸気加熱に関する研究、柳沢ら)において紹介
されているように数1で表される。
【0007】
【数1】
【0008】但し、Dは代表長さ、Uは代表速度、λは
熱伝導率、νは動粘性係数、κは熱拡散係数を表す。
【0009】
【表1】
【0010】数1で表される式にこの表1に示す値を用
いると、R22の熱伝導率αが1.08×103、二酸化炭素
の熱伝導率αが8.09×103となり、二酸化炭素は、一般
に作動流体として使用されるR22に比べ、吸入過程に
おける熱伝導率αが非常に大きいということになる。従
って、二酸化炭素は、R22に比べて温度が上昇し易
く、比容積が大きくなり易い。この結果、高圧ドーム型
ロータリ圧縮機(10)を使用した冷凍装置の作動流体と
して二酸化炭素を使用すると、容積効率の低下が大き
く、圧縮機(10)としての総合効率が低下する。本発明
においては、作動流体が加熱され難くなり、総合効率の
低下を抑制することができる。
【0011】具体的に、第1の解決手段は、ロータ(1
5)がシリンダ(14)の作動室(40)に収納され且つ該
シリンダ(14)に吸入路(30)と吐出路(46)とが形成
された圧縮機構(12)が容器(11)の内部に配置される
高圧ドーム型ロータリ圧縮機を前提として、上記シリン
ダ(14)には、該シリンダ(14)内の流体を加熱する熱
の伝導を阻止する伝熱阻止手段(50)が設けられてい
る。
【0012】また、第2の解決手段は、上記第1の解決
手段において、伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)
の外部からの熱伝導を阻止する外部熱阻止部(51)を備
えている。
【0013】また、第3の解決手段は、上記第1又は第
2の解決手段において、伝熱阻止手段(50)は、シリン
ダ(14)の高温部から低温部への熱伝導を阻止する内部
熱阻止部(52)を備えている。
【0014】また、第4の解決手段は、上記第2の解決
手段において、外部熱阻止部(51)は、吸入路(30)と
並行に形成された吸入側阻止部(53)を備えている。
【0015】また、第5の解決手段は、上記第2の解決
手段において、作動室(40)は、ロータ(15)の1回転
中の所定位置において高圧側(42)と低圧側(41)とに
区画され、外部熱阻止部(51)は、上記作動室(40)の
低圧側(41)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部
(44)に作動室(40)に沿って形成された作動側阻止部
(54)を備えている。
【0016】また、第6の解決手段は、上記第3の解決
手段において、作動室(40)は、ロータ(15)の1回転
中の所定位置において高圧側(42)と低圧側(41)とに
区画され、高温部は、上記作動室(40)の高圧側(42)
に対応したシリンダ(14)の高圧作用部(45)で構成さ
れ、低温部は、上記作動室(40)の低圧側(41)に対応
したシリンダ(14)の低圧作用部(44)で構成される一
方、内部熱阻止部(52)は、シリンダ(14)の高圧作用
部(45)と低圧作用部(44)との間に位置してシリンダ
(14)の半径方向に延びている。
【0017】また、第7の解決手段は、上記第1から第
6の何れか1つの解決手段において、伝熱阻止手段(5
0)は、シリンダ(14)の一部を切除して形成された空
間である。
【0018】また、第8の解決手段は、上記第7の解決
手段において、シリンダ(14)は、作動室(40)が形成
されたシリンダ本体(16)と、該シリンダ本体(16)の
両面を閉塞するシリンダヘッド(19,21)とを備え、伝
熱阻止手段(50)は、上記シリンダ本体(16)から上記
シリンダヘッド(19,21)に亘って形成されている。
【0019】また、第9の解決手段は、上記第4の解決
手段において、作動室(40)は、ロータ(15)の1回転
中の所定位置において高圧側(42)と低圧側(41)とに
区画され、伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の一
部を切除して形成された空間により構成されると共に、
シリンダ(14)の高温部から低温部への熱伝導を阻止す
る内部熱阻止部(52)を備え、吸入側阻止部(53)は、
吸入路(30)の周囲に形成されると共に、吸入流体が流
入するように、連通路(62)によって上記吸入路(30)
と連通され、外部熱阻止部(51)は、上記作動室(40)
の低圧側(41)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部
(44)に作動室(40)に沿って形成される一方、吸入流
体が流入するように上記吸入側阻止部(53)に連通され
る作動側阻止部(54)を備え、上記内部熱阻止部(52)
は、吸入流体が流入するように上記作動側阻止部(54)
に連通されている。
【0020】また、第10の解決手段は、上記第1から
第9の何れか1つの解決手段において、流体は、二酸化
炭素である。
【0021】すなわち、上記第1の解決手段では、伝熱
阻止手段(50)が、シリンダ(14)内の流体を加熱する
熱の伝導を阻止し、流体への熱侵入を低減させる。従っ
て、シリンダ(14)内において、流体の温度上昇が抑制
され、吸入行程において流体の比容積が増大し難くな
る。
【0022】また、上記第2の解決手段では、上記第1
の解決手段において、伝熱阻止手段(50)の外部熱阻止
部(51)が、シリンダ(14)の外部からの熱の伝導を阻
止し、流体への熱侵入を低減させる。
【0023】また、上記第3の解決手段では、上記第1
又は第2の解決手段において、伝熱阻止手段(50)の内
部熱阻止部(52)が、シリンダ(14)における高温部か
ら低温部への熱の伝導を阻止する。従って、シリンダ
(14)における低温部の温度上昇が抑制され、該低温部
からシリンダ(14)内の流体への伝熱が抑制され、吸入
行程において、流体への熱侵入が低減される。
【0024】また、上記第4の解決手段では、上記第2
の解決手段において、吸入路(30)と並行に形成された
吸入側阻止部(53)が、シリンダ(14)の外部から吸入
路(30)内への熱の伝導を阻止し、吸入路(30)内の流
体への熱侵入を低減させる。従って、吸入行程において
流体の比容積が増大し難くなる。
【0025】また、上記第5の解決手段では、上記第2
の解決手段において、シリンダ(14)の低圧作用部(4
4)において作動室(40)に沿って形成された作動側阻
止部(54)が、シリンダ(14)の外部から作動室(40)
の低圧側(41)への熱の伝導を阻止し、作動室(40)の
低圧側(41)内の流体への熱侵入を低減させる。従っ
て、吸入行程において流体の比容積が増大し難くなる。
【0026】また、上記第6の解決手段では、上記第3
の解決手段において、シリンダ(14)の高圧作用部(4
5)と低圧作用部(44)との間に位置してシリンダ(1
4)の半径方向に延びる内部熱阻止部(52)が、シリン
ダ(14)における高圧作用部(45)から低圧作用部(4
4)への熱の伝導を阻止する。従って、シリンダ(14)
における低圧作用部(44)の温度上昇が抑制され、該低
圧作用部(44)からシリンダ(14)内の流体への伝熱が
抑制され、吸入行程において流体への熱侵入が低減され
る。
【0027】また、上記第7の解決手段では、上記第1
から第6の何れか1つの解決手段において、シリンダ
(14)の一部を切除して形成された空間によって、シリ
ンダ(14)内の流体を加熱する熱の伝導を阻止し、流体
への熱侵入を低減させる。
【0028】また、上記第8の解決手段では、上記第7
の解決手段において、シリンダ(14)の一部を切除して
形成された空間が、シリンダ本体(16)から該シリンダ
本体(16)の両面を閉塞するシリンダヘッド(19,21)
に亘って形成される。この空間によって、シリンダ(1
4)内の流体を加熱する熱の伝導を阻止し、流体への熱
侵入を低減させる。
【0029】また、上記第9の解決手段では、上記第4
の解決手段において、吸入路(30)内の流体が連通路
(62)を通して吸入側阻止部(53)に流入し、作動側阻
止部(54)及び内部熱阻止部(52)に流入する。そし
て、流体が充填された吸入側阻止部(53)が、シリンダ
(14)の外部から吸入路(30)への熱の伝導を阻止す
る。流体が充填された作動側阻止部(54)が、シリンダ
(14)の外部から作動室(40)の低圧側(41)への熱の
伝導を阻止する。流体が充填された内部熱阻止部(52)
が、シリンダ(14)における高温部から低温部への熱の
伝導を阻止する。この結果、吸入行程において流体への
熱侵入が低減され、流体の比容積が増大し難くなる。
【0030】また、上記第10の解決手段では、上記第
1から第9の何れか1つの解決手段において、伝熱阻止
手段(50)が、シリンダ(14)内の二酸化炭素を加熱す
る熱の伝導を阻止し、二酸化炭素への熱侵入を低減させ
る。従って、熱伝導率の高い二酸化炭素を使用しても、
吸入行程において比容積が増大しにくくなる。
【0031】
【発明の効果】従って、上記解決手段によれば、シリン
ダ(14)内において吸入行程における流体への熱侵入が
低減され、流体の比容積が増大し難くなるために、熱伝
導率の大きな流体を使用する場合においても、容積効率
の低下を抑制することができ、高圧ドーム型ロータリ圧
縮機(10)の総合効率を高めることができる。
【0032】また、上記第4の解決手段によれば、外部
熱阻止部(51)が、吸入路(30)と並行に形成された吸
入側阻止部(53)を備えるようにしたために、シリンダ
(14)の外部から吸入路(30)内の流体への熱侵入を確
実に低減させることができる。
【0033】また、上記第5の解決手段によれば、外部
熱阻止部(51)が、シリンダ(14)の低圧作用部(44)
において作動室(40)に沿って形成された作動側阻止部
(54)を備えるようにしたために、シリンダ(14)の外
部から作動室(40)の低圧側(41)内の流体への熱侵入
を確実に低減させることができる。
【0034】また、上記第6の解決手段によれば、内部
熱阻止部(52)をシリンダ(14)における高圧作用部
(45)と低圧作用部(44)との間に位置するように設け
るようにしたために、高圧作用部(45)から低圧作用部
(44)への熱の伝導を阻止することができ、低圧作用部
(44)から流体への熱侵入を確実に低減させることがで
きる。
【0035】また、上記第7の解決手段によれば、空間
を形成することによって熱の伝導を阻止するようにした
ために、断熱材を新たに付加することなく、シリンダ
(14)内の流体への熱の伝導を阻止することができ、コ
ストの低減を図ることができる。
【0036】また、上記第8の解決手段によれば、シリ
ンダ本体(16)からシリンダヘッド(19,21)に亘って
空間を形成するようにしたために、シリンダ本体(16)
及びシリンダヘッド(19,21)に溝を設けることで、容
易にシリンダ(14)内に空間を形成することができる。
【0037】また、上記第9の解決手段によれば、吸入
側阻止部(53)に吸入路(30)からの吸入流体が流入す
る一方、作動側阻止部(54)及び内部熱阻止部(52)に
も吸入流体が流入するようにしたために、シリンダ(1
4)内の流体への熱の伝導を効率よく阻止することがで
きる。
【0038】また、上記第10の解決手段によれば、二
酸化炭素を使用する場合において、吸入行程において比
容積が増大するのを抑制することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0040】<発明の実施の形態1>本発明の実施形態
1は、図1に示すように、高圧ドーム型ロータリ圧縮機
(10)である。この圧縮機(10)は、いわゆるスイング
圧縮機である。
【0041】上記高圧ドーム型圧縮機(10)は、円筒形
状の密閉の容器であるケーシング(11)内に電動機構
(図示せず)と圧縮機構(12)とを備えている。電動機
構と圧縮機構(12)とは、クランク軸(13)を介して接
続されている。電動機構は、回転型電動機(図示せず)
を備え、該電動機構の下部に配置される圧縮機構(12)
に回転駆動力を付与するように構成されている。圧縮機
構(12)は、作動流体としての冷媒を圧縮するためのも
のである。冷媒として二酸化炭素が使用されている。圧
縮機構(12)は、ケーシング(11)の内壁に固定された
シリンダ(14)内にロータ(15)が収容されて構成され
ている。
【0042】シリンダ(14)は、円環状のシリンダ本体
(16)と、該シリンダ本体(16)の上端面(17)に取り
付けられる肉厚円盤状のフロントヘッド(19)と該シリ
ンダ本体(16)の下端面(18)に取り付けられる肉厚円
盤状のリアヘッド(21)とにより構成されている。フロ
ントヘッド(19)とリアヘッド(21)とがシリンダヘッ
ド(19,21)を構成している。フロントヘッド(19)と
シリンダ本体(16)とは、ネジ(24)により螺合されて
固定されている。リアヘッド(21)とシリンダ本体(1
6)とは、ネジ(25)により螺合されて固定されてい
る。つまり、シリンダ本体(16)は、シリンダヘッド
(19,21)によって両面が閉塞されている。
【0043】各ヘッド(19,21)の中央部には、上下方
向に貫通するようにクランク軸(13)の外径に対応した
径の貫通孔(26,27)が形成されている。クランク軸(1
3)は、この貫通孔(26,27)を貫通し、シリンダヘッド
(19,21)により回転自在に支持されている。
【0044】上記クランク軸(13)は、下端部に油ポン
プ(28)が設けられ、クランク軸(13)内に形成される
給油路(29)を通して、ケーシング(11)内の底部に貯
められている冷凍機油を圧縮機構(12)に供給するよう
に構成されている。
【0045】上記シリンダ本体(16)は、該シリンダ本
体(16)の半径方向に延びる吸入路(30)が形成されて
いる。吸入路(30)は、縦断面が円形であり、シリンダ
本体(16)の外周面(31)と内周面(32)とを貫通する
ように形成されている。吸入路(30)に、ケーシング
(11)に固定される吸入管(33)が嵌入されている。吸
入管(33)は、図示しない吸入側の冷媒配管に接続され
ている。
【0046】上記シリンダ本体(16)は、図2に示すよ
うに、中央の空洞部(34)に円環状のロータ(15)が配
置されている。ロータ(15)は、該ロータ(15)の半径
方向に延びるブレード(36)が接続されている。ロータ
(15)とブレード(36)とは、一体に形成されている。
ロータ(15)は、外周面の一部がシリンダ本体(16)の
内周面(32)に微少な隙間を保つように配置されてい
る。ロータ(15)の中央部には、クランク軸(13)に一
体に形成される偏心部(39)が嵌入されている。ロータ
(15)は、偏心部(39)に摺動自在に支持され、クラン
ク軸(13)の回転により、偏心部(39)を介して公転す
るように構成されている。
【0047】上記シリンダ(14)には、フロントヘッド
(19)の下端面(20)とリアヘッド(21)の上端面(2
2)とシリンダ本体(16)の内周面(32)とにより、作
動室(40)が形成されている。作動室(40)は、ロータ
(15)の1回転中の所定位置において、ロータ(15)と
ブレード(36)とにより、低圧側(41)と高圧側(42)
とに区画されている。作動室(40)の低圧側(41)は、
上記吸入路(30)の内周面側の端部が開口し、該吸入路
(30)によって吸入管(33)と連通し、冷媒が吸入され
る。作動室(40)は、ロータ(15)の公転に伴って、冷
媒を圧縮するように構成されている。作動室(40)内の
冷媒は、吸入路(30)付近では低温度であるが、ロータ
(15)の公転により圧縮され、吐出されるときには、高
温度になる。従って、圧縮機(10)が駆動している際
に、作動室(40)の低圧側(41)に対応したシリンダ
(14)の低圧作用部(44)には、温度が上昇する前の冷
媒が接触して低温部が形成され、作動室(40)の高圧側
(42)に対応したシリンダ(14)の高圧作用部(45)に
は、温度が上昇した冷媒が接触して高温部が形成され
る。
【0048】上記シリンダ本体(16)における吸入路
(30)付近には、シリンダ(14)の内周面(32)が開口
するように、ブレード(36)を挿入するためのブレード
孔(43)が形成されている。ブレード孔(43)内には、
断面が略半円形状の一対の揺動ブッシュ(図示せず)が
揺動自在に配置されている。ブレード(36)の先端が、
両揺動ブッシュ間に挿入されている。つまり、この両揺
動ブッシュは、ブレード(36)を挟んだ状態に配置され
ると共に、ブレード(36)がブレード孔(43)内を進退
移動するのを許容し、且つ、ブレード(36)と一体的に
ブレード孔(43)内で揺動するように構成されている。
【0049】上記フロントヘッド(19)は、図3に示す
ように、上下に貫通する吐出路(46)が設けられてい
る。吐出路(46)は、ブレード孔(43)付近に形成さ
れ、下端部が作動室(40)の高圧側(42)に開口し、圧
縮された高温冷媒をケーシング(11)内に吐出するよう
に構成されている。吐出路(46)には、図示しないリー
ド弁が設けられている。リード弁は、シリンダ(14)の
外部の冷媒圧力により閉じた状態にあるが、作動室(4
0)内の圧力が冷媒の圧縮により上昇し、シリンダ(1
4)の外部の圧力より大きな圧力になると、作動して作
動室(40)とシリンダ(14)の外部とを連通させるよう
に構成されている。
【0050】上記リアヘッド(21)は、図4に示すよう
に、フロントヘッド(19)に吐出路(46)が設けられて
いる点を除いて、フロントヘッド(19)とほぼ同様に構
成されている。
【0051】尚、ケーシング(11)の上部には、図示し
ないが、ケーシング(11)内と吐出側の冷媒配管とを連
通させる吐出管が設けられている。
【0052】上記シリンダ(14)には、図2、図3及び
図4に示すように、シリンダ(14)内の冷媒を加熱する
熱の伝導を阻止する伝熱阻止手段(50)が設けられてい
る。該伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の一部を
切除して形成された空間であって、外部熱阻止部(51)
と内部熱阻止部(52)とを備えている。外部熱阻止部
(51)は、吸入路(30)に並行に形成された吸入側阻止
部(53)と、作動室(40)に沿って形成された作動側阻
止部(54)とを備えている。吸入側阻止部(53)は、吸
入路(30)内の冷媒を加熱する熱の伝導を阻止するため
のものである。作動側阻止部(54)は、作動室(40)に
おける低圧側(41)内の冷媒を加熱する熱の伝導を阻止
するためのものである。内部熱阻止部(52)は、シリン
ダ(14)の高圧作用部(45)の熱が低圧作用部(44)に
熱伝導するのを阻止するためのものである。
【0053】上記吸入側阻止部(53)は、図2、図3、
図4及び図5に示すように、シリンダ本体(16)からフ
ロントヘッド(19)及びリアヘッド(21)に亘って形成
されている。吸入側阻止部(53)は、シリンダ本体(1
6)に形成された吸入溝(57)と、フロントヘッド(1
9)及びリアヘッド(21)に形成されたヘッド凹溝(5
8)とを備え、吸入路(30)の周囲に形成されている。
吸入溝(57)は、吸入路(30)の両側に位置し、吸入路
(30)とブレード孔(43)に挟まれて位置する第1吸入
溝(59)と、吸入路(30)を挟んで第1吸入溝(59)と
反対側に位置する第2吸入溝(60)とにより構成されて
いる。吸入溝(57)は、シリンダ本体(16)において上
下2つに分かれて形成されている。上部に形成される吸
入溝(57)は、シリンダ本体(16)の上端面(17)に開
口し、下部に形成される吸入溝(57)は、シリンダ本体
(16)の下端面(18)に開口している。
【0054】上記フロントヘッド(19)のヘッド凹溝
(58)は、フロントヘッド(19)の下端面(20)に開口
し、シリンダ本体(16)の上部に形成される第1吸入溝
(59)と第2吸入溝(60)とを繋ぐように形成されてい
る。上記リアヘッド(21)のヘッド凹溝(58)は、リア
ヘッド(21)の上端面(22)に開口し、シリンダ本体
(16)の下部に形成される第1吸入溝(59)と第2吸入
溝(60)とを繋ぐように形成されている。
【0055】そして、シリンダ本体(16)には、吸入路
(30)とヘッド凹溝(58)とを繋ぐ連通路(62)が形成
されている。連通路(62)は、冷温低圧の吸入冷媒をヘ
ッド凹溝(58)に流入させるためのものである。
【0056】つまり、吸入側阻止部(53)は、シリンダ
(14)に形成され、第1吸入溝(59)とヘッド凹溝(5
8)と第2吸入溝(60)とが繋がった空間により構成さ
れると共に、連通路(62)を介して吸入路(30)と接続
されて冷温低圧の吸入冷媒が流入するように構成されて
いる。
【0057】上記作動側阻止部(54)は、図2、図3、
図4及び図6に示すように、作動室(40)の低圧側(4
1)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部(44)に形
成されている。作動側阻止部(54)は、作動室(40)を
形成するシリンダ本体(16)の内周面(32)に沿って半
円弧状に形成されている。作動側阻止部(54)は、シリ
ンダ本体(16)からフロントヘッド(19)及びリアヘッ
ド(21)に亘って形成され、シリンダ本体(16)に形成
された本体側円弧溝(64)と、フロントヘッド(19)及
びリアヘッド(21)に形成されたヘッド側円弧溝(65)
とを備えている。本体側円弧溝(64)は、上下2つに分
かれて形成されている。上部に形成される本体側円弧溝
(64)は、シリンダ本体(16)の上端面(17)に開口
し、下部に形成される本体側円弧溝(64)は、シリンダ
本体(16)の下端面(18)に開口している。フロントヘ
ッド(19)に形成されたヘッド側円弧溝(65)は、フロ
ントヘッド(19)の下端面(20)に開口し、リアヘッド
(21)に形成されたヘッド側円弧溝(65)は、リアヘッ
ド(21)の上端面に開口している。
【0058】そして、本体側円弧溝(64)の一端が、吸
入側阻止部(53)の第2吸入溝(60)と接続され、ヘッ
ド側円弧溝(65)の一端が、吸入側阻止部(53)のヘッ
ド凹溝(58)と接続されている。つまり、作動側阻止部
(54)の吸入路(30)側の端部が、吸入側阻止部(53)
の内側の端部と接続され、冷温低圧の吸入冷媒が流入す
るように構成されている。
【0059】上記内部熱阻止部(52)は、図2、図3、
図4及び図7に示すように、シリンダ(14)の低圧作用
部(44)と高圧作用部(45)との間に位置して、シリン
ダ(14)の半径方向に延びるように形成されている。内
部熱阻止部(52)は、作動室(40)を挟んでブレード孔
(43)に対向する位置に形成されている。内部熱阻止部
(52)は、シリンダ本体(16)からフロントヘッド(1
9)及びリアヘッド(21)に亘って形成され、シリンダ
本体(16)に形成された本体側半径溝(66)と、フロン
トヘッド(19)及びリアヘッド(21)に形成されたヘッ
ド側半径溝(67)とを備えている。本体側半径溝(66)
は、上下2つに分かれて形成されている。上部に形成さ
れる本体側半径溝(66)は、シリンダ本体(16)の上端
面(17)に開口し、下部に形成される本体側半径溝(6
6)は、シリンダ本体(16)の下端面(18)に開口して
いる。フロントヘッド(19)に形成されたヘッド側半径
溝(67)は、フロントヘッド(19)の下端面(20)に開
口し、リアヘッド(21)に形成されたヘッド側半径溝
(67)は、リアヘッド(21)の上端面に開口している。
【0060】そして、本体側半径溝(66)の一端が、作
動側阻止部(54)の本体側円弧溝(64)と接続され、ヘ
ッド側半径溝(67)の一端が、作動側阻止部(54)のヘ
ッド側円弧溝(65)と接続されている。つまり、内部熱
阻止部(52)の内側の端部が、作動側阻止部(54)の一
端と接続され、冷温低圧の吸入冷媒が流入するように構
成されている。
【0061】−運転動作− 高圧ドーム型ロータリ圧縮機(10)の運転動作について
説明する。回転型電動機が駆動すると、クランク軸(1
3)が回転し、クランク軸(13)の偏心部(39)を介し
て、ロータ(15)がシリンダ(14)内を公転する。ロー
タ(15)の公転により、吸入路(30)と作動室(40)と
が連通すると、吸入路(30)内の吸入冷媒が作動室(4
0)の低圧側(41)に吸入される。そして、ロータ(1
5)の公転により、吸入路(30)がロータ(15)により
閉鎖されると共に、作動室(40)内の冷媒が圧縮され
て、冷媒温度が上昇する。
【0062】そして、作動室(40)内の圧力がケーシン
グ(11)内の圧力より大きな圧力になると、リード弁が
作動して作動室(40)とシリンダ(14)の外部とが連通
し、作動室(40)内の冷媒が吐出路(46)から吐出さ
れ、ケーシング(11)内に貯溜される。ケーシング(1
1)内に貯溜された高圧の冷媒は、吐出管から吐出側の
冷媒配管に吐出され、冷媒回路を循環し、吸入側の冷媒
配管に流れる。吸入側の冷媒配管を流れてきた冷媒は、
吸入管(33)を流れて吸入路(30)に流入し、この動作
が繰り返される。
【0063】上記運転動作において、吸入冷媒の一部
が、連通路(62)を通って吸入路(30)から吸入側阻止
部(53)に流入する。吸入側阻止部(53)に流入した吸
入冷媒は、作動側阻止部(54)に流入して内部熱阻止部
(52)に流入する。従って、伝熱阻止手段(50)は、冷
温低圧の吸入冷媒が充填される。
【0064】上記運転動作が繰り返され、作動室(40)
において冷媒の吸入及び圧縮が繰り返されると、作動室
(40)の低圧側(41)に対応するシリンダ(14)の低圧
作用部(44)には、温度が上昇する前の冷媒が連続して
接触するために、低温部が形成される。一方、作動室
(40)の高圧側(42)に対応するシリンダ(14)の高圧
作用部(45)には、温度が上昇した冷媒が連続して接触
するために、高温部が形成される。つまり、上記運転動
作が繰り返されると、シリンダ(14)には、内部熱阻止
部(52)を挟むように、高温部と低温部とが形成され
る。そして、高温部の熱が低温部に熱伝導する。このと
き、内部熱阻止部(52)が高温部から低温部への熱伝導
を阻止するために、低温部の温度上昇が抑制される。従
って、低温部から作動室(40)の低圧側(41)内の冷媒
への伝熱が抑制され、冷媒への熱侵入が低減される。こ
の結果、シリンダ(14)内において、吸入行程における
冷媒の温度上昇が抑制され、比容積が増大し難くなる。
【0065】一方、ケーシング(11)内には、高温の冷
媒が充填されているために、シリンダ(14)の外部の熱
がシリンダ(14)内に伝導し、シリンダ(14)内の冷媒
を加熱する。このとき、冷温低圧の冷媒が充填された吸
入側阻止部(53)によって吸入路(30)内の冷媒を加熱
する熱の伝導が阻止される。また、冷媒が充填された作
動側阻止部(54)によって作動室(40)の低圧側(41)
内の冷媒を加熱する熱の伝導が阻止される。従って、吸
入路(30)内の冷媒及び作動室(40)の低圧側(41)内
の冷媒への熱侵入が低減される。この結果、シリンダ
(14)内において、吸入行程における冷媒の温度上昇が
抑制され、比容積が増大し難くなる。
【0066】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、シリンダ(14)内において吸入
行程における冷媒への熱侵入が低減され、冷媒の比容積
が増大し難くなるために、容積効率の低下を抑制するこ
とができ、高圧ドーム型ロータリ圧縮機(10)の総合効
率を高めることができる。
【0067】また、外部熱阻止部(51)が、吸入路(3
0)と並行に形成された吸入側阻止部(53)を備えるよ
うにしたために、シリンダ(14)の外部から吸入路(3
0)内の冷媒への熱侵入を確実に低減させることができ
る。
【0068】また、外部熱阻止部(51)が、シリンダ
(14)の低圧作用部(44)において作動室(40)に沿っ
て形成された作動側阻止部(54)を備えるようにしたた
めに、シリンダ(14)の外部から作動室(40)の低圧側
(41)内の冷媒への熱侵入を確実に低減させることがで
きる。
【0069】また、内部熱阻止部(52)をシリンダ(1
4)における高圧作用部(45)と低圧作用部(44)との
間に位置するように設けるようにしたために、高圧作用
部(45)から低圧作用部(44)への熱の伝導を阻止する
ことができ、低圧作用部(44)から冷媒への熱侵入を確
実に低減させることができる。
【0070】また、空間を形成することによって熱の伝
導を阻止するようにしたために、断熱材を新たに付加す
ることなく、シリンダ(14)内の冷媒への熱の伝導を阻
止することができ、コストの低減を図ることができる。
【0071】また、シリンダ本体(16)からシリンダヘ
ッド(19,21)に亘って空間を形成するようにしたため
に、シリンダ本体(16)及びシリンダヘッド(19,21)
に溝を設けることで、容易にシリンダ(14)内に空間を
形成することができる。
【0072】また、吸入側阻止部(53)に吸入路(30)
からの吸入冷媒が流入する一方、作動側阻止部(54)及
び内部熱阻止部(52)にも吸入冷媒が流入するようにし
たために、シリンダ(14)内の冷媒への熱の伝導を効率
よく阻止することができる。
【0073】また、二酸化炭素を使用する場合において
も、吸入行程において比容積が増大するのを抑制するこ
とができる。
【0074】<発明の実施の形態2>本発明の実施形態
2は、図8及び図9に示すように、実施形態1の作動側
阻止部(54)をジグザグ状に形成したものである。つま
り、作動側阻止部(54)を構成する本体側円弧溝(64)
とヘッド側円弧溝(65)とがジグザグ状に形成されてい
る。
【0075】上記作動側阻止部(54)は、内周阻止部
(71)と、該内周阻止部(71)より外側に位置する外周
阻止部(72)とが交互に配置されて構成されている。内
周阻止部(71)と外周阻止部(72)とは、連結部(73)
によって冷媒が連通可能に接続されている。作動側阻止
部(54)におけるシリンダ(14)の円周方向の両端は、
内周阻止部(71)が配置されている。そして、内周阻止
部(71)が、吸入側阻止部(53)及び内部熱阻止部(5
2)に接続されている。
【0076】上記内周阻止部(71)は、シリンダ本体
(16)からフロントヘッド(19)及びリアヘッド(21)
に亘って形成され、シリンダ本体(16)に形成される本
体側内周溝(74)と、フロントヘッド(19)及びリアヘ
ッド(21)に形成されるヘッド側内周溝(図示せず)と
を備えている。本体側内周溝(74)は、上下2つに分か
れて形成されている。上部に形成される本体側内周溝
(74)は、シリンダ本体(16)の上端面(17)に開口
し、下部に形成される本体側内周溝(74)は、シリンダ
本体(16)の下端面(18)に開口している。フロントヘ
ッド(19)に形成されたヘッド側内周溝は、フロントヘ
ッド(19)の下端面(20)に開口し、リアヘッド(21)
に形成されたヘッド側内周溝は、リアヘッド(21)の上
端面に開口している。
【0077】上記外周阻止部(72)は、内周阻止部(7
1)と同様に形成され、シリンダ本体(16)に形成され
る本体側外周溝(76)と、フロントヘッド(19)及びリ
アヘッド(21)に形成されるヘッド側外周溝(図示せ
ず)とを備えている。つまり、外周阻止部(72)の内側
の幅が、内周阻止部(71)の内側の幅より広くなってい
る。
【0078】上記連結部(73)は、内周阻止部(71)に
おける円周方向の一端部と外周阻止部(72)における円
周方向の一端部とを接続している。連結部(73)は、シ
リンダ本体(16)に形成された本体側連結溝(78)と、
フロントヘッド(19)及びリアヘッド(21)に形成され
たヘッド側連結溝(図示せず)とを備えている。本体側
連結溝(78)は、本体側内周溝(74)及び本体側外周溝
(76)より浅く形成されている。本体側連結溝(78)
は、上下2つに分かれて形成され、上部の本体側連結溝
(78)が上端面(17)に開口し、下部の本体側連結溝
(78)が下端面(18)に開口している。フロントヘッド
(19)のヘッド側連結溝は、フロントヘッド(19)の下
端面(20)に開口し、リアヘッド(21)のヘッド側連結
溝は、リアヘッド(21)の上端面(22)に開口してい
る。ヘッド側連結溝は、ヘッド側内周溝及びヘッド側外
周溝より浅く形成されている。
【0079】従って、吸入路(30)内の吸入冷媒の一部
が、連通路(62)を通って吸入側阻止部(53)に流入す
る。吸入側阻止部(53)に流入した吸入冷媒は、作動側
阻止部(54)を構成する内周阻止部(71)に流入し、連
結部(73)を通って外周阻止部(72)に流入する。そし
て、作動側阻止部(54)の冷媒は、内部熱阻止部(52)
に流入する。
【0080】冷媒が充填された作動側阻止部(54)によ
ってシリンダ(14)の外部からの熱の伝導が阻止され
る。従って、作動室(40)の低圧側(41)内の冷媒への
熱侵入が低減されて温度上昇が抑制され、吸入行程にお
いて比容積が増大し難くなる。
【0081】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、作動側阻止部(54)の内側の幅
を部分的に広くすることができるために、低圧作用部
(44)の内側の強度を向上させることができる。
【0082】その他の構成、作用及び効果は実施形態1
と同様である。
【0083】<発明のその他の実施の形態>上記実施形
態1及び2では、ロータ(15)とブレード(36)とを一
体に形成しているが、これに代え、ロータ(15)とブレ
ード(36)とが分離してロータ(15)が自転するローリ
ングピストン型であってもよい。
【0084】また、上記実施形態1について、伝熱阻止
手段(50)は、吸入側阻止部(53)のみを備える構成に
してもよい。
【0085】また、上記実施形態1について、伝熱阻止
手段(50)は、吸入側阻止部(53)及び作動側阻止部
(54)のみを備える構成にしてもよい。
【0086】また、上記実施形態1及び2について、伝
熱阻止手段(50)は、作動側阻止部(54)のみを備える
構成にしてもよい。この場合において、伝熱阻止手段
(50)は、吸入路(30)と連通させるように構成しても
よい。
【0087】また、上記実施形態1について、伝熱阻止
手段(50)は、内部熱阻止部(52)のみを備える構成に
してもよい。この場合において、伝熱阻止手段(50)
は、吸入路(30)と連通させるように構成してもよい。
【0088】また、上記実施形態1及び2について、伝
熱阻止手段(50)は、シリンダ本体(16)からフロント
ヘッド(19)及びリアヘッド(21)に亘って形成するよ
うにしたが、これに代え、シリンダ本体(16)のみに形
成する構成にしてもよい。
【0089】また、上記実施形態1及び2について、連
通路(62)を省略し、伝熱阻止手段(50)に、冷媒が流
入しないような構成にしてもよい。
【0090】また、上記実施形態では、伝熱阻止手段
(50)は、シリンダ(14)に形成される空間により構成
したが、これに代え、断熱材を充填する構成にしてもよ
い。
【0091】また、上記実施形態1及び2について、冷
媒は、二酸化炭素に限られない。熱伝導率が大きな冷媒
を使用する場合に、特に大きな効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る高圧ドーム型ロータリ圧縮機
の圧縮要素を示す縦断面図である。
【図2】実施形態1に係る高圧ドーム型ロータリ圧縮機
のシリンダ本体を示す上面図である。
【図3】実施形態1に係る高圧ドーム型ロータリ圧縮機
のフロントヘッドを示す下面図である。
【図4】実施形態1に係る高圧ドーム型ロータリ圧縮機
のリアヘッドを示す上面図である。
【図5】図2、図3及び図4におけるA−A断面を示す
部分断面図である。
【図6】図2、図3及び図4におけるB−B断面を示す
部分断面図である。
【図7】図2、図3及び図4におけるC−C断面を示す
部分断面図である。
【図8】実施形態2に係る高圧ドーム型ロータリ圧縮機
のシリンダ本体を示す上面図である。
【図9】図8におけるD−D断面を示す断面図である。
【符号の説明】
(11) ケーシング (12) 圧縮機構 (14) シリンダ (15) ロータ (16) シリンダ本体 (19) フロントヘッド (21) リアヘッド (30) 吸入路 (40) 作動室 (41) 低圧側 (42) 高圧側 (44) 低圧作用部 (45) 高圧作用部 (46) 吐出路 (50) 伝熱阻止手段 (51) 外部熱阻止部 (52) 内部熱阻止部 (53) 吸入側阻止部 (54) 作動側阻止部 (62) 連通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊倉 英二 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3H029 AA04 AA13 AB03 BB14 BB42 CC03 CC04 CC24 CC46

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ(15)がシリンダ(14)の作動室
    (40)に収納され且つ該シリンダ(14)に吸入路(30)
    と吐出路(46)とが形成された圧縮機構(12)が容器
    (11)の内部に配置される高圧ドーム型ロータリ圧縮機
    において、 上記シリンダ(14)には、該シリンダ(14)内の流体を
    加熱する熱の伝導を阻止する伝熱阻止手段(50)が設け
    られていることを特徴とする高圧ドーム型ロータリ圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の外部からの熱
    伝導を阻止する外部熱阻止部(51)を備えていることを
    特徴とする高圧ドーム型ロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の高温部から低
    温部への熱伝導を阻止する内部熱阻止部(52)を備えて
    いることを特徴とする高圧ドーム型ロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 外部熱阻止部(51)は、吸入路(30)と並行に形成され
    た吸入側阻止部(53)を備えていることを特徴とする高
    圧ドーム型ロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 作動室(40)は、ロータ(15)の1回転中の所定位置に
    おいて高圧側(42)と低圧側(41)とに区画され、 外部熱阻止部(51)は、上記作動室(40)の低圧側(4
    1)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部(44)に作
    動室(40)に沿って形成された作動側阻止部(54)を備
    えていることを特徴とする高圧ドーム型ロータリ圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 請求項3において、 作動室(40)は、ロータ(15)の1回転中の所定位置に
    おいて高圧側(42)と低圧側(41)とに区画され、高温
    部は、上記作動室(40)の高圧側(42)に対応したシリ
    ンダ(14)の高圧作用部(45)で構成され、低温部は、
    上記作動室(40)の低圧側(41)に対応したシリンダ
    (14)の低圧作用部(44)で構成される一方、 内部熱阻止部(52)は、シリンダ(14)の高圧作用部
    (45)と低圧作用部(44)との間に位置してシリンダ
    (14)の半径方向に延びていることを特徴とする高圧ド
    ーム型ロータリ圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1から6の何れか1項において、 伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の一部を切除し
    て形成された空間であることを特徴とする高圧ドーム型
    ロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 シリンダ(14)は、作動室(40)が形成されたシリンダ
    本体(16)と、該シリンダ本体(16)の両面を閉塞する
    シリンダヘッド(19,21)とを備え、 伝熱阻止手段(50)は、上記シリンダ本体(16)から上
    記シリンダヘッド(19,21)に亘って形成されているこ
    とを特徴とする高圧ドーム型ロータリ圧縮機。
  9. 【請求項9】 請求項4において、 作動室(40)は、ロータ(15)の1回転中の所定位置に
    おいて高圧側(42)と低圧側(41)とに区画され、 伝熱阻止手段(50)は、シリンダ(14)の一部を切除し
    て形成された空間により構成されると共に、シリンダ
    (14)の高温部から低温部への熱伝導を阻止する内部熱
    阻止部(52)を備え、 吸入側阻止部(53)は、吸入路(30)の周囲に形成され
    ると共に、吸入流体が流入するように、連通路(62)に
    よって上記吸入路(30)と連通され、 外部熱阻止部(51)は、上記作動室(40)の低圧側(4
    1)に対応したシリンダ(14)の低圧作用部(44)に作
    動室(40)に沿って形成される一方、吸入流体が流入す
    るように上記吸入側阻止部(53)に連通される作動側阻
    止部(54)を備え、 上記内部熱阻止部(52)は、吸入流体が流入するように
    上記作動側阻止部(54)に連通されていることを特徴と
    する高圧ドーム型ロータリ圧縮機。
  10. 【請求項10】 請求項1から9の何れか1項におい
    て、 流体は、二酸化炭素であることを特徴とする高圧ドーム
    型ロータリ圧縮機。
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