JP2002227739A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JP2002227739A
JP2002227739A JP2001024201A JP2001024201A JP2002227739A JP 2002227739 A JP2002227739 A JP 2002227739A JP 2001024201 A JP2001024201 A JP 2001024201A JP 2001024201 A JP2001024201 A JP 2001024201A JP 2002227739 A JP2002227739 A JP 2002227739A
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Takenori Takagi
武則 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧室16内の燃料温度を低下させて燃料に
よる潤滑性を向上させる技術として、低圧室16の内圧
上昇を抑える手段は、低圧室16の燃料をフィードポン
プの吸込側に導く連通路と、それを開くレギュレータバ
ルブが必要になり、コストが上昇する。 【解決手段】ポンプハウジング12に形成されたスピル
ポート30には、高圧室14から低圧室16に戻される
燃料の流れに乱流を発生させるための乱流発生手段42
(ギザギザ面)が設けられている。圧縮された高温燃料
がスピルポート30を通って低圧室16に戻される際
に、乱流発生手段42によって燃料の流れに乱流が発生
し、高温燃料の熱がポンプハウジング12に効率的に伝
わり、低圧室16に戻される燃料の温度が低下する。低
圧室16の燃料の温度を低く保つための手段(乱流発生
手段42)は、スピルポート30の通路壁面に形成した
ギザギザ面であり、燃料噴射ポンプの部品点数は増え
ず、コストが抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の燃料噴射ポンプに係るものであり、詳しくはフィード
ポンプより吐出された燃料を一旦貯溜する低圧室を有し
た燃料噴射ポンプに関する技術である。
【0002】
【従来の技術】低圧室に蓄えられる燃料の温度を低下さ
せて、燃料によるプランジャ等の摺動部の潤滑性を向上
させる技術として、特開平7−229456号公報に開
示された技術が知られている。この技術は、低圧室の内
圧が所定圧力より上昇した際に、低圧室の燃料の一部を
フィードポンプの吸込側に導き、低圧室の内圧を下げて
低圧室内に貯溜する燃料の温度を下げるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示される
技術では、低圧室の内圧上昇を防ぐ手段として、低圧室
の燃料をフィードポンプの吸込側に導く連通路と、低圧
室の内圧が上昇した際に上記の連通路を開くレギュレー
タバルブとが必要になる。このように、従来の燃料噴射
ポンプでは、連通路を燃料噴射ポンプの内部あるいは外
部に引き回すためのコストと、レギュレータバルブを追
加するコストとが必要になるため、燃料噴射ポンプのコ
ストが上昇してしまう。また、レギュレータバルブのよ
うな可動部が必要となるため、低圧室の内圧上昇を防ぐ
手段、つまり低圧室の燃料温度を低く保つための手段が
故障する可能性がある。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、低コストで且つ故障確率を抑
えて低圧室内に貯溜される燃料の温度を下げることので
きる燃料噴射ポンプの提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕高圧
室に吸引された燃料は、プランジャの圧縮によって高温
になる。スピル電磁弁が圧送燃料を調節するためにスピ
ルポートを開くと、圧縮された高温燃料の一部が高圧室
からスピルポートを通って低圧室に戻される。この時、
スピルポートに設けられた乱流発生手段によって、スピ
ルポート内の燃料の流れに乱流が発生する。これによっ
て、高温燃料の放熱が促進されることになり、高温燃料
の熱がスピルポートを形成するポンプハウジングに効率
的に伝わり、結果的にスピルポートから低圧室に戻され
る燃料の温度が低下する。
【0006】このように、高圧室から低圧室に戻される
燃料の温度が低下するため、低圧室に貯溜される燃料の
温度上昇が防がれる。低圧室内の燃料の温度上昇が防が
れることによって、低圧室の燃料の粘性が低下する不具
合がなく、低圧室の燃料によって潤滑される高圧ポンプ
等が潤滑不足になる不具合を防ぐことができる。
【0007】一方、スピルポートに乱流発生手段を設け
ることによって、低圧室の燃料温度の上昇が防がれるも
のであるため、従来技術で示したような長い連通路(低
圧室とフィードポンプの上流側を連通させる通路)の追
加がないとともに、連通路を開閉するためのレギュレー
タバルブの追加もない。このため、本発明は、従来技術
に比較して低いコストで低圧室の燃料の温度上昇を防ぐ
ことができる。また、従来技術で示したレギュレータバ
ルブは、可動部が存在するため、詰まりや歪み等によっ
て作動不良を起こす可能性があるが、本発明で用いる乱
流発生手段には可動部が不要であるため、低圧室の燃料
の温度を低く保つための手段(つまり、乱流発生手段)
が故障する可能はなく、高い信頼性を得ることができ
る。
【0008】〔請求項2の手段〕請求項2の手段を採用
し、スピルポートの通路壁面に乱流発生手段を設けても
良い。スピルポートを加工して乱流発生手段を設けるこ
とにより、部品点数が増えることがないため、コストの
増加および故障の確率を防ぐことができる。
【0009】〔請求項3の手段〕請求項3の手段を採用
し、スピルポートに鋸歯状のギザギザが繰り返されるギ
ザギザ面を設けて乱流発生手段としても良い。
【0010】〔請求項4の手段〕請求項4の手段を採用
し、スピルポートに方形波状の凹凸が繰り返される凹凸
面を設けて乱流発生手段としても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、実施例お
よび変形例を用いて説明する。 〔第1実施例〕図1〜図5は第1実施例を説明するため
の図面であり、まず燃料噴射ポンプ1の構成を図2、図
3を参照して説明する。デーゼルエンジンの各気筒ごと
に燃料を圧送する燃料噴射ポンプ1には、図示しないデ
ィーゼルエンジンによって回転駆動されるドライブシャ
フト2が設けられており、そのドライブシャフト2の先
端にドライブプーリ3が取り付けられている。ドライブ
シャフト2の途中には、ベーン式の燃料フィードポンプ
4が設けられている。なお、図3で燃料フィードポンプ
4は、90度だけ展開された形で開示されている。
【0012】フィードポンプ4は、ドライブシャフト2
の回転に伴って回転駆動される。ドライブシャフト2の
基端側には、円盤状のパルサ5が取り付けられている。
このパルサ5の外周面には、ディーゼルエンジンの気筒
数と同数の、すなわち4気筒であれば4ヵ所の欠歯部が
等角度間隔をもって形成されている。なお、欠歯部は、
歯(突起)が連続して欠けるものであって、1ヵ所の欠
歯部は歯が2つ連続で欠けるものであれば、4気筒であ
れば合計8個分の欠歯が形成されている。また、欠歯と
欠歯との各間には、14個づつ歯(突起)が等間隔で形
成されているものであり、1つのパルサ5に合計で56
個の歯が設けられたものである。そして、ドライブシャ
フト2の基端側は、カップリング6を介してカムプレー
ト7に連結されている。
【0013】パルサ5とカムプレート7との間には、ロ
ーラリング8が設けられている。このローラリング8の
円周方向には、カムプレート7のカム山フェイス7aに
対向する複数のカムローラ9が取り付けられている。カ
ム山フェイス7aは、ディーゼルエンジンの気筒数と同
数設けられている。また、カムプレート7は、スプリン
グ10によってカムローラ9に係合するように付勢され
ている。
【0014】カムプレート7には、燃料加圧用のプラン
ジャ11が一体回転可能に取り付けられている。そし
て、それらカムプレート7とプランジャ11とがドライ
ブシャフト2の回転に伴って一体的に回転駆動される。
すなわち、ドライブシャフト2の回転力がカップリング
6を介してカムプレート7に伝達されることにより、カ
ムプレート7がカムローラ9に係合しながら回転され
る。
【0015】これにより、カムプレート7が回転されな
がら気筒数と同数だけ図中左右方向に往復駆動され、そ
れに伴ってプランジャ11が回転しながら同方向へ往復
駆動される。つまり、カム山フェイス7aがローラリン
グ8のカムローラ9に乗り上げる過程でプランジャ11
が往動(リフトアップ)され、逆にカム山フェイス7a
がローラリング8のカムローラ9を乗り下げる過程でプ
ランジャ11が復動(リフトダウン)される。
【0016】ポンプハウジング12には、プランジャ1
1が挿入した状態で配置されるシリンダ13が設けられ
ている。そして、プランジャ11の先端面とシリンダ1
3の底面を形成するヘッドプラグ13a(図2参照)と
の間が高圧室14となっている。プランジャ11の先端
側の外周面には、気筒数と同数の吸入溝15aが形成さ
れている。この吸入溝15aは、プランジャ11が復動
して高圧室14が減圧される時に、ポンプハウジング1
2に形成された吸入ポート15bを介して後述する低圧
室16に連通して、その低圧室16の燃料を高圧室14
に導くためのものである。また、プランジャ11の先端
側の内部には、圧縮された燃料をポンプハウジング12
に形成された吐出ポート17に導くための分配ポート1
8が形成されている。吐出ポート17は、ディーゼルエ
ンジンの気筒数だけ等間隔にシリンダ13内に開口する
ものである。
【0017】吐出ポート17の出口部分には、デリバリ
バルブ20が配置されている。このデリバリバルブ20
は、吐出ポート17から燃料配管へ圧送される燃料の逆
流を防ぐためのものであり、ある一定の燃料圧力に達し
た際に開弁して、吐出ポート17に圧送された高圧燃料
を燃料吐出配管21へ導くものである。
【0018】また、ポンプハウジング12には、燃料タ
ンクTに連通されたインレット22が取り付けられてい
る。このインレット22は、フィードポンプ4の吸入側
と導入ポート23を介して連通する。なお、この導入ポ
ート23は、後述するタイマ装置24の内圧室25にも
連通されている。
【0019】ポンプハウジング12の内部には、フィー
ドポンプ4の導出ポート26から燃料の供給を受ける低
圧室16が形成されている。この低圧室16は、上述し
た高圧室14が吸引する燃料を蓄えるとともに、プラン
ジャ11とシリンダ13からなる高圧ポンプ27を含む
機械的な摺動部に燃料を満たすものである。
【0020】導入ポート23の途中におけるフィードポ
ンプ4の入口付近には、フィルタ28が配置されてい
る。そして、ドライブシャフト2が回転されてフィード
ポンプ4が駆動されることにより、燃料は燃料タンクT
からインレット22を経て導入ポート23に導入され、
フィードポンプ4へ吸い込まれる。この時、燃料中に含
まれる不純物がフィルタ28によって濾過される。そし
て、フィードポンプ4に吸い込まれた燃料は導出ポート
26に圧送されて低圧室16に供給される。
【0021】ここで、プランジャ11が復動されて高圧
室14が減圧される吸入行程では、プランジャ11の先
端外周に形成された吸入溝15aの1つが吸入ポート1
5bを介して低圧室16に連通して、低圧室16の燃料
が高圧室14に吸入される。一方、プランジャ11が往
動して高圧室14が加圧される圧縮行程では、高圧室1
4で加圧された高圧の燃料が、吐出ポート17、デリバ
リバルブ20、燃料吐出配管21を経て図示しない燃料
噴射弁に圧送され、その燃料噴射弁が燃料を噴射する。
【0022】ポンプハウジング12には、上述した吸入
ポート15bの他に、高圧室14の高圧燃料を低圧室1
6に溢流(スピル)するスピルポート30が形成されて
いる。このスピルポート30の途中には、スピルポート
30を開くことによって高圧室14で圧縮される燃料の
一部を低圧室16に逃がして、高圧室14から吐出ポー
ト17に圧送される燃料の圧送量を調節するためのスピ
ル電磁弁31が設けられている。
【0023】このスピル電磁弁31は、常開型バルブで
あり、コイル32が無通電(OFF )の状態では弁体33
によりスピルポート30が開放され、高圧室14で圧縮
された燃料がスピルポート30を通って低圧室16にス
ピルする。一方、コイル32が通電(ON)されることに
より、弁体33がスピルポート30を閉塞して、高圧室
14から低圧室16への燃料のスピルが遮断される。
【0024】従って、スピル電磁弁31がON-OFF制御さ
れることによって、スピルポート30が開閉制御され、
高圧室14から低圧室16へのスピル量が制御される。
そして、プランジャ11の圧縮行程中にスピル電磁弁3
1が開弁されることにより、高圧室14内が減圧されて
燃料噴射が停止される。つまり、プランジャ11が往動
してもスピル電磁弁31が開弁されている間は高圧室1
4の内圧が上昇せず、燃料噴射が行われない。また、プ
ランジャ11の往動中にスピル電磁弁31の開弁時期が
制御されることにより、燃料噴射時期が制御されること
となり、気筒への燃料噴射量が制御される。
【0025】ポンプハウジング12の下側には、燃料噴
射時期を機械的に進角側あるいは遅角側へ制御するため
のタイマ装置24が設けられている。このタイマ装置2
4は、ドライブシャフト2の回転方向に対するローラリ
ング8の回転位置を変更させることにより、カム山フェ
イス7aがカムローラ9に乗り上げる時期、すなわちプ
ランジャ11が往復動される時期を変更させるものであ
る。
【0026】このタイマ装置24は、油圧によって駆動
されるものであり、図3において90度展開して開示さ
れるものである。タイマ装置24は、タイマハウジング
34と、その内部に嵌め込まれたタイマピストン35と
を備える。このタイマピストン35は、スライドピン3
6を介してローラリング8に連結されている。タイマハ
ウジング34の一端は、導入ポート23に連通する内圧
室25となっており、タイマハウジング34の他端は加
圧室37となっている。
【0027】タイマ装置24の内圧室25には、タイマ
ピストン35を加圧室37側に付勢するタイマスプリン
グ38が配置されている。一方、加圧室37には、フィ
ードポンプ4によって加圧された燃料が導入される。そ
して、その導入された燃料圧力とタイマスプリング38
の付勢力との釣合いによってタイマピストン35の位置
が決定される。このようにタイマピストン35の位置が
決定されることにより、ローラリング8の位置が決定さ
れ、プランジャ11が往復動される進角時期が決定され
る。
【0028】タイマ装置24の油圧制御としては、低圧
室16の燃料圧力が用いられている。そして、その燃料
圧力を調節するために、タイマ装置24にはタイマ制御
弁(TCV)39が設けられている。このTCV39
は、加圧室37と内圧室25との圧力差を制御するもの
であり、加圧室37と内圧室25とを連通する連通路4
0を開閉制御するものである。TCV39は、デューテ
ィ制御された電気信号により開閉して加圧室37と内圧
室25との圧力差を制御してタイマピストン35を駆動
し、プランジャ11の往復動時期を進角側あるいは遅角
側への制御するものである。
【0029】ローラリング8の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなる回転数センサ41がパルサ5の外周
面に対向して取り付けられている。この回転数センサ4
1は、パルサ5の突起(歯)が横切る際の磁界変化を利
用してパルス信号を出力するものである。すなわち、回
転数センサ41は、一定のクランク角毎のエンジン回転
パルス信号を出力する。あわせて、回転数センサ41
は、パルサ5の歯欠による一定クランク角度に相当する
エンジン回転パルス信号を基準位置信号として出力す
る。さらに、回転数センサ41は、一連のエンジン回転
パルス信号を、エンジン回転数を求めるための信号とし
て出力する。なお、この回転数センサ41は、ローラリ
ング8と一体であるため、タイマ装置24の作動に関係
なくプランジャ11の往復動に対応したタイミングで基
準信号となるパルス信号を出力する。
【0030】一方、図1に示すように、スピルポート3
0には、高圧室14から低圧室16に戻される燃料の流
れに乱流を発生させるための乱流発生手段42が設けら
れている。この乱流発生手段42は、スピルポート30
の通路壁面に形成されたものであり、この実施例の乱流
発生手段42は、鋸歯状のギザギザが繰り返されるギザ
ギザ面である。なお、乱流発生手段42を成すギザギザ
面は、図4に示すようなタッピングスクリュー等の刃具
43によって、スピルポート30の通路壁面を切削形成
したり、通路壁面を偏心形成したものである。
【0031】〔実施例の作動〕本発明にかかる特徴的な
作動を説明する。高圧室14に吸引された燃料は、プラ
ンジャ11の圧縮によって加圧されて高温になる。スピ
ル電磁弁31が圧送燃料を調節するためにスピルポート
30が開かれると、圧縮された高温燃料の一部が高圧室
14からスピルポート30を通って低圧室16に戻され
る。この時、スピルポート30の通路壁面に形成された
乱流発生手段42によって、スピルポート30内の燃料
の流れに乱流が発生する。これによって、高温燃料の放
熱が促進されることになり、高温燃料の熱がスピルポー
ト30を形成するポンプハウジング12に効率的に伝わ
り、結果的にスピルポート30から低圧室16に戻され
る燃料の温度が低下する。
【0032】このことを示す具体的なデータを図5のグ
ラフを参照して説明する。スピルポート30に乱流発生
手段42を設けない場合は、スピルポート30の下流端
(低圧室16側)における燃料の温度が図中黒点Aに示
すように約95℃であった。これに対し、スピルポート
30に乱流発生手段42を設けた場合は、スピルポート
30の下流端における燃料の温度が図中白点Bに示すよ
うに約85℃に低下している。
【0033】〔実施例の効果〕上記の作動で示したよう
に、高圧室14から低圧室16に戻される燃料の温度が
低下するため、低圧室16に貯溜される燃料の温度上昇
が防がれる。低圧室16内の燃料の温度上昇が防がれる
ことによって、低圧室16の燃料の粘性が低下する不具
合がなく、低圧室16に貯溜される燃料によって潤滑さ
れる高圧ポンプ27等の機械的な摺動部が潤滑不足にな
る不具合が防がれる。
【0034】一方、スピルポート30に乱流発生手段4
2を設けることによって、低圧室16の燃料の温度上昇
が防がれるものであるため、従来技術で示したような長
い連通路(低圧室16とフィードポンプ4の入口側を連
通させる通路)の追加が必要なく、また連通路を開閉す
るためのレギュレータバルブの追加もない。
【0035】このため、この実施例に示される燃料噴射
ポンプ1は従来技術に比較して低いコストで低圧室16
の燃料の温度上昇を防ぐことができる。また、従来技術
で示したレギュレータバルブには可動部が存在するた
め、詰まりや歪み等によって作動不良を起こす可能性が
あるが、乱流発生手段42には可動部が不要であるた
め、低圧室16の燃料の温度を低く保つための手段(つ
まり、乱流発生手段42)が故障する可能がなく、高い
信頼性を得ることができる。
【0036】特に、この実施例のように、スピルポート
30の通路壁面に乱流発生手段42を形成することによ
り、燃料噴射ポンプ1の部品点数が増えないため、コス
トの増加および故障の確率を防ぐことができる。
【0037】〔第2実施例〕図6、図7を参照して第2
実施例を説明する。上記第1実施例の乱流発生手段42
は、図6(b)に示すようなギザギザ面であった。これ
に対して、この第2実施例の乱流発生手段42は、図6
(a)に示すよう方形波状の凹凸が繰り返される凹凸面
である。乱流発生手段42を成す凹凸面は、図7
(a)、(b)に示すような方形波状の刃を備えた刃具
43を用いて形成されたものであり、このような刃具4
3を用いてスピルポート30の通路壁面を切削形成した
り、通路壁面を偏心形成したものである。
【0038】なお、図7(a)に示すような刃具43を
用いてスピルポート30内に連続した凹凸面を形成した
場合は、高圧室14に流れる燃料が低流速でも乱流が発
生しやすいためにスピルポート30による燃料の吸入効
率が低下する懸念がある。そこで、図7(b)に示すよ
うに、方形波状の刃がネジ状に設けられた刃具43を用
いて、スピルポート30の通路壁面に螺旋状の乱流発生
手段42を形成することにより、低流速での乱流の発生
を抑えてスピルポート30による燃料の吸入効率の低下
を防ぐように設けても良い。
【0039】〔変形例〕上記の実施例では、図1に示し
たように、スピルポート30の上流から下流に亘る広い
範囲に乱流発生手段42を設けた例を示したが、例えば
スピルポート30の上流側のみに乱流発生手段42を設
けるなど、部分的に乱流発生手段42を設けても良い。
上記の実施例では、スピルポート30の通路壁面に乱流
発生手段42(ギザギザ面や凹凸面)を直接的に形成し
た例を示したが、スピルポート30の途中に乱流を発生
させるための部材を乱流発生手段42として追加搭載し
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピルポートに形成された乱流発生手段を説明
するための燃料噴射ポンプの要部断面図である(第1実
施例)。
【図2】燃料噴射ポンプの断面図である(第1実施
例)。
【図3】燃料噴射ポンプの構造を説明するための断面図
である(第1実施例)。
【図4】スピルポートの通路壁面に乱流発生手段を形成
するための刃具を示す図である(第1実施例)。
【図5】スピルポートの出口部分(低圧室側)の温度を
示すグラフである(第1実施例)。
【図6】スピルポートの通路壁面の概略断面図である
(第2実施例)。
【図7】スピルポートの通路壁面に乱流発生手段を形成
するための刃具を示す図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 11 プランジャ 12 ポンプハウジング 13 シリンダ 14 高圧室 16 低圧室 17 吐出ポート 27 高圧ポンプ 30 スピルポート 31 スピル電磁弁 42 乱流発生手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内でプランジャが往復移動するこ
    とによって、前記シリンダと前記プランジャとの間に形
    成される高圧室の内部に燃料を吸引するとともに、燃料
    を圧縮し、圧縮燃料を吐出ポートから吐出させる高圧ポ
    ンプと、 前記高圧室に供給する燃料が貯溜される低圧室を形成す
    るポンプハウジングと、 前記低圧室と前記高圧室とを連通するスピルポートと、 このスピルポートを開くことによって前記高圧室で圧縮
    される燃料の一部を前記低圧室に逃がして、前記高圧室
    から前記吐出ポートに圧送される燃料の圧送量を調節す
    るためのスピル電磁弁とを具備し、 前記低圧室に貯溜する燃料によって前記高圧ポンプの潤
    滑を行う燃料噴射ポンプであって、 前記スピルポートには、前記高圧室から前記低圧室に戻
    される燃料の流れに乱流を発生させるための乱流発生手
    段が設けられていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1の燃料噴射ポンプにおいて、 前記乱流発生手段は、前記スピルポートの通路壁面に形
    成されたものであることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項2の燃料噴射ポンプにおいて、 前記乱流発生手段は、鋸歯状のギザギザが繰り返される
    ギザギザ面であることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】請求項2の燃料噴射ポンプにおいて、 前記乱流発生手段は、方形波状の凹凸が繰り返される凹
    凸面であることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
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