JP2639017B2 - 可変吐出量高圧ポンプ及びその制御方法 - Google Patents

可変吐出量高圧ポンプ及びその制御方法

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JP2639017B2 JP63296990A JP29699088A JP2639017B2 JP 2639017 B2 JP2639017 B2 JP 2639017B2 JP 63296990 A JP63296990 A JP 63296990A JP 29699088 A JP29699088 A JP 29699088A JP 2639017 B2 JP2639017 B2 JP 2639017B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はディーゼルエンジンのコモンレールに燃料
を圧送する可変吐出量高圧ポンプに関するものである。
[従来技術] 従来の可変吐出量高圧ポンプ(以下単に高圧ポンプと
言う)を第9図により簡単に説明すると、高圧ポンプ10
aはポンプハウジング11の下端部に設けられたカム室1
2、ポンプハウジング11に嵌装されたシリンダ13、ハウ
ジング11に取り付けられ、図示しない低圧供給ポンプか
ら供給された低圧燃料をシリンダ13の内部に導入する導
入管14及びシリンダ13に螺着された電磁弁15とから構成
されている。
カム室12にはディーゼルエンジンの回転速度の1/2の
速度で回転するカム軸16が挿通されており、このカム軸
16にほぼ楕円形状のカム17が取り付けられている。即ち
カム軸16は2回転で1サイクルを修了するディーゼルエ
ンジンの2回転に対して1回転するように駆動される。
シリンダ13の摺動孔13aにはプランジャ18が往復動可
能に収容されている。このプランジャ18はリード類が全
く設けられていない円筒状をなし、プランジャ18と前記
シリンダ13の摺動孔13aとによりプランジャ室19が構成
されている。又シリンダ13にはプランジャ室19に連通す
るフィードホール20及びフィードホール20より上方でプ
ランジャ室19に連通する連通孔21が穿設されている。フ
ィードホール20はシリンダ13とポンプハウジング11との
間に形成された燃料溜22に連通しており、燃料溜22には
導入管14、フィードホール20を介して図示しない低圧ポ
ンプから低圧燃料が供給される。
シリンダ13には逆止弁23が配設され、この逆止弁23は
連通孔21を介してプランジャ室19に連通している。この
逆止弁23では、プランジャ室19内部で加圧された燃料に
より、逆止弁23の弁体24がリターンスプリング25の付勢
力と図示しないコモンレール内の燃料圧力の合力に抗し
て押し開かれ、吐出口26から燃料が吐出される。吐出口
26は図示しない配給管を介してコモンレールに連通して
いる。
プランジャ18の下部には弁座27が連結され、弁座27は
プランジャスプリング28によりタペット29に押し付けら
れている。タペット29にはカムローラ30が回転可能に設
けられており、カムローラ30はプランジャスプリング28
の付勢力によりカム室12内のカム17に圧接されている。
このためカム軸16の回転に伴いカム17の輪郭17aに倣っ
て上下動するカムローラ30及び弁座27を介してプランジ
ャ18は往復運動する。カム17の所定回転角に対するプラ
ンジャ18の往復動の変位及び速度はカム17の輪郭17aに
より決まる。従ってプランジャ18がシリンダ13の摺動孔
13aを往復動するとプランジャ18がフィードホール20を
開閉し、プランジャ18がフィードホール20を閉塞してい
ない時はフィードホール20を介して低圧燃料がプランジ
ャ室19に供給される。
又シリンダ13の上端部にはプランジャ18に対向して電
磁弁15が螺着されている。電磁弁15は第10図に示すよう
に一端がプランジャ室19に開口した低圧通路31が形成さ
れたボデー32と、リード線33を介して通電されるソレノ
イド34の磁力によりスプリング35の付勢力(同図で矢印
でBて示す方向に作用する)に抗して同図に矢印Aで示
す方向に吸引されるアーマチャ36、アーマチャ36と一体
的に移動してプランジャ室19開口部に形成されたシート
部37に離、着座することにより低圧通路31を連通、遮断
する外開弁である、きのこ状の弁体38とから構成されて
いる。弁体38はプランジャ室19の燃料圧力を開弁方向
(同図で矢印Aで示す方向)の押圧力として受ける。電
磁弁15はプランジャ18がフィードホール20を閉塞した後
で、所定の時期に通電されると、弁体38がシート部37に
着座してプランジャ18の加圧開始時期を設定するプレス
トローク制御式の電磁弁である。なお、第9図に示すよ
うに低圧通路31の他端はギャラリ39及び通路40を介して
上述の燃料溜22に連通している。
[発明が解決しようとする課題] 上記の高圧ポンプ10aではプランジャ室19への燃料吸
入通路としてのフィードホール20とリターンフローの出
口であるリターン通路としての低圧通路31とは燃料系統
が別になっている。このため電磁弁15の弁体38が閉弁状
態で固着等の故障が発生した場合は逆止弁23から吐出さ
れる燃料を制御できなくなり、コモンレールの圧力が急
激に増加する危険がある。このコモンレールの圧力がエ
ンジンや燃料噴射装置の強度、安全面から決まる限界圧
力を越えると燃料噴射装置の各部が破損する恐れがあ
る。
この発明は電磁弁が故障することがあってもコモンレ
ールに燃料を圧送することがない高圧ポンプの構造及び
同ポンプの制御方法、さらにはエンジン始動時での高圧
ポンプの制御方法の提供を課題とする。
[課題を解決するための技術的手段] 上記の課題を解決するためこの発明は次ぎのような構
造及び方法を有する。
(1)ディーゼルエンジンの回転に同期して往復動する
プランジャを移動可能に収容するプランジャ室と、低圧
燃料を前記プランジャ室に導入するための吸入通路と、
プランジャ上死点側の前記プランジャ室の開口部を開閉
する電磁弁と、該電磁弁の開弁により前記プランジャ室
と連通するリターン通路と、前記プランジャの上死点よ
り上方の位置で前記プランジャ室に連通する、所定の圧
力で開く逆止弁とを有し、前記電磁弁の開弁、低圧燃料
の前記プランジャ室内への吸入、プランジャ上昇による
燃料の加圧、前記電磁弁の閉弁、前記逆止弁の開弁によ
る加圧燃料の排出よりなる通常の制御によりディーゼル
エンジン用のコモンレールに所定圧の燃料を圧送する可
変吐出量高圧ポンプであって、 前記吸入通路が前記リターン通路と共用されており、 前記電磁弁は、前記プランジャ室内に配置された弁体
を有すると共に、無通電時には前記弁体がスプリングの
付勢力により前記プランジャ室の内部側へ突出すること
で前記開口部を開き、通電時には前記弁体が磁力により
前記スプリングの付勢力に抗して前記開口部を前記プラ
ンジャ室の内側から閉じる、外開き式の電磁弁からな
り、 更に、プランジャ上昇の終了をもって前記プランジャ
室における燃料の加圧が終了されること、を特徴とする
構成。
(2)前項1の可変吐出量高圧ポンプの通常制御中の無
通電による電磁弁の開弁状態において、前記コモンレー
ルの圧力変化率が正になったか否かを判断し、該圧力変
化率が正になったと判断した場合には、前記電磁弁に常
時通電して該電磁弁を閉弁状態に保持すること、を特徴
とする制御方法。
(3)前項1の可変吐出量高圧ポンプにおいて、ディー
ゼルエンジンの始動時には、前記電磁弁に対して、前記
通常制御の代りにエンジンの回転とは同期せず通電時間
T1と無通電時間T2とからなる制御を行なうこと、を特徴
とする制御方法。
(4)前項3の制御方法において、通電時間T1と無通電
時間T2が次式によって示される制御方法。
T1=T3+TC ここに T3:エンジン始動時の最低回転数において、プランジャ
がその下死点から上昇して電磁弁を開弁維持させる圧力
に到達するまでに要した時間。
TC:電磁弁に通電した後の閉弁時間遅れ。
Qmax:高圧ポンプからの最大吐出量。
C:燃料の粘性等により定まる定数。
S:燃料通路面積。
Pf:供給燃料圧力。
Pk:プランジャ室圧力。
T0:電磁弁の無通電後の開弁時間遅れ。
[作用] (1)の構成において、ディーゼルエンジン用のコモン
レールに燃料を圧送するには、まず、プランジャの下降
時に電磁弁への通電を停止しておく。これにより、電磁
弁の弁体がスプリングの付勢力によりプランジャ室の内
部側へ突出して、プランジャ室の開口部が開き、この結
果、プランジャ室と、リターン通路と共用化された吸入
通路(以下、共用通路ともいう)とが連通して、プラン
ジャの下降に伴ないプランジャ室内へ上記共用通路から
低圧燃料が吸入される。また、プランジャが下降から上
昇に転じた後も、電磁弁はスプリングの付勢力により開
弁状態を維持するため、プランジャ室の燃料の一部は、
上記共用通路を介して外部へと戻されることとなる。
次に、プランジャが上昇中の所定時期に、電磁弁への
通電を行なう。これにより、電磁弁の弁体が、磁力によ
りスプリングの付勢力に抗してプランジャ室の開口部を
内側から閉じる。この結果、プランジャ室と上記共用通
路とが遮断されて、その後のプランジャ上昇に伴ないプ
ランジャ室内の燃料圧力が上昇する。そして、プランジ
ャ室内が所定の圧力以上になると、逆止弁が開いて、こ
の逆止弁からコモンレールに加圧燃料が排出される。
尚、この可圧状態において、電磁弁の弁体は、プランジ
ャ室の燃料圧力を閉弁方向の押圧力として受けるため、
電磁弁の閉弁状態が確実なものとなる。
その後、プランジャが上死点に達してプランジャ上昇
が終了すると、プランジャ室における燃料の加圧が終了
し、例えば、このタイミングで電磁弁への通電を停止さ
せる。すると、その後のプランジャの下降に伴ない、再
び、プランジャ室内へ上記共用通路から低圧燃料が吸入
される。
このように、上記(1)の構成によれば、プランジャ
の上昇中に電磁弁を閉弁させてからプランジャの上昇が
終了するまでの期間によって、コモンレールへの燃料の
吐出量を変更することができるのであるが、特に、プラ
ンジャ室に低圧燃料を導入するための吸入通路とリター
ン通路とが共用されているため、電磁弁の弁体が閉弁状
態で固着するといった故障時には、プランジャが下降し
てもプランジャ室には低圧燃料が吸入されなくなる。従
って、このような故障時には、コモンレールに燃料が圧
送されず、コモンレールの圧力が異常に増加してしまう
ことを防止でき、エンジンの燃料噴射装置の各部を破損
させてしまうことを確実に防止することができる。
そして更に、上記(1)の構成によれば、電磁弁とし
て、弁体がプランジャ室の燃料圧力を閉弁方向の押圧力
として受ける、外開き式の電磁弁を用いているため、簡
単な構成で高いシール性を得ることができ、しかも、プ
ランジャ上昇の終了をもってプランジャ室における燃料
の加圧が終了されるようにしているため、加圧した燃料
を無駄なくコモンレールへ圧送することができ、エネル
ギー効率が極めて高い高圧ポンプを得ることができる。
ところで、上記(1)の構成において、電磁弁のスプ
リングが破損し、弁体に開弁方向の付勢力を与えること
ができなくなった場合には、電磁弁への通電が停止され
ている状態でプランジャが下降すると、上記共用通路と
プランジャ室との圧力差により電磁弁の弁体がプランジ
ャ室の内部側へ移動して、プランジャ室内へ上記共用通
路から低圧燃料が吸入される。そして、プランジャが下
降から上昇に転じると、電磁弁への通電が停止されてい
ても、プランジャ室の圧力上昇により電磁弁の弁体が閉
弁してしまい、この結果、プランジャ室内の燃料が加圧
されて、逆止弁からコモンレールに必要以上の加圧燃料
が排出されてしまう。よって、このようなスプリングの
故障時には、コモンレールの圧力が異常に上昇して、燃
料噴射装置の各部を破損させてしまう可能性がある。
そこで、この問題を解決するためには、上記(2)の
制御方法が有効である。
即ち、(2)の制御方法によれば、電磁弁への通電を
停止して該電磁弁を開弁させている状態であるにも拘ら
ずコモンレールの圧力変化率が正になった場合には、電
磁弁に異常が発生したと判断されて、電磁弁が常時通電
される。このため、電磁弁の弁体を開弁方向に付勢する
スプリングが破損した場合には、電磁弁が閉弁状態に保
持されて、プランジャが下降してもプランジャ室には低
圧燃料が吸入されなくなり、この結果、コモンレールの
圧力が異常に増加してしまうことを確実に防止すること
ができるようになる。
一方、上記(1)の構成において、ディーゼルエンジ
ンの始動時には、プランジャが往復動する速度が低いた
め、コモンレール内の圧力を上昇させるのに時間がかか
ってしまう。
そこで、この問題を解決するためには、上記(3),
(4)の制御方法が有効である。
即ち、上記(3),(4)の制御方法によれば、エン
ジンの始動時には、電磁弁に対して、エンジンの回転と
は非同期の通電時間T1と無通電時間T2とからなるパルス
制御が行われる。よって、後述する第6図の如く、エン
ジン始動時のプランジャの低速の下降行程において、複
数回の無通電時間T2毎にプランジャ室内へ十分な量の低
圧燃料を吸入させ、プランジャの上昇行程において、そ
の十分な量の燃料をコモンレールへ確実に圧送すること
ができる。つまり、プランジャの上昇行程においては、
電磁弁の弁体がプランジャ室の燃料圧力を閉弁方向の押
圧力として受けるため、プランジャ室の圧力が弁体を閉
弁状態に維持可能な閉弁維持圧力よりも大きくなると、
電磁弁は無通電時間T2の期間であっても閉弁状態を維持
することとなり、プランジャの下降行程でプランジャ室
に吸入された燃料を、コモンレールへほぼ全て圧送する
ことができるのである。このため、エンジン始動時の低
回転域において、コモンレールの圧力を速やかに高める
ことができる。
[実施例] 以下実施例を示す図面によりこの発明を説明する。こ
の発明の高圧ポンプ10は第1図に示すように第9図の従
来の高圧ポンプ10aのフィードホール20を廃止して電磁
弁15の低圧通路31を燃料供給通路と兼用していること以
外は高圧ポンプ10aとすべて同じである。従って第9
図、第10図と同じ構成要素に対しては同じ符号を付し、
その説明を省略する。第1図において燃料溜22に導入さ
れた燃料はシリンダ13内の通路40、電磁弁15内のギャラ
リ39及び低圧通路31を通ってプランジャ室19に供給され
る。又リターン燃料はプランジャ室19から供給燃料と逆
方向に流れて燃料溜22に戻る。
第2図は高圧ポンプ10の要部を簡素化した説明図であ
る。
第3図に示すように高圧ポンプ10の導入管14は低圧燃
料通路2及び低圧供給ポンプ3を介して燃料タンク4に
連通し、逆止弁23の吐出口26は高圧燃料通路5を介して
コモンレール6に連通している。コモンレール6はディ
ーゼルエンジン1のシリンダ8a〜8fに対応するのインジ
ェクタ7a〜7fに連結されている。9は制御部でCPU9a、R
OM9b、RAM9c、入出力部9dとから構成され、エンジン1
及びコモンレール6から必要なデータを入力し、高圧ポ
ンプ10及びインジェクタ7a〜7fに開閉弁信号を出す。
上記の構成において、プランジャ18の下降時では電磁
弁15のソレノイド34は無通電となっており、弁体38はリ
ターンスプリング35の付勢力により開弁状態になってい
る。供給ポンプ3からの低圧燃料は導入管14、燃料溜2
2、電磁弁15のリターン出口31、弁体38を通ってプラン
ジャ室19に流入する。又プランジャ18の上昇初期では弁
体38は開いたままであり、プランジャ室19の燃料の一部
は弁体38、低圧通路31、ギャラリ39を経て燃料溜22に戻
される。この時ソレノイド34に通電するとリターンスプ
リング35の付勢力よりも大きい吸引力がソレノイド34に
作用し、弁体38は閉弁する。このためプランジャ室19内
の燃料圧力が上昇する。燃料圧力が逆止弁23のリターン
スプリング25の付勢力とコモンレール6内の燃料圧力と
の合計以上になると、逆止弁23が開き、燃料が高圧燃料
通路5を介してコモンレール6に圧送される。圧送終了
後、電磁弁15のソレノイド34への通電を止め、弁体38を
開弁させる。上記のソレノイド34への通電、無通電によ
る高圧ポンプ10の制御を通常制御と言うが、この通常制
御において通電、無通電の時期を変更するとプランジャ
18の圧送ストロークが変化し、コモンレール内の燃料圧
力を変更することができる。
第4図は通常制御の場合の高圧ポンプ10のプランジャ
18の時間に対するリフト量Hの一例を示す。基準パルス
から制御時間TF1だけ遅れて電磁弁制御信号が閉弁を指
示する。この時既にプランジャ18は所定量上昇(リフ
ト)している。電磁弁15が閉弁すると高圧ポンプ10から
燃料の圧送が始まるので、このリフトからフルリフトH
maxまでのストローク分(第4図のH1)の燃料がコモン
レール6に圧送される。
若し基準パルスから制御時間TF2だけ遅れて電磁弁15
が閉弁信号を発信するとこの時のプランジャ18のリフト
量は既に大きいので圧送ストロークは減少し、H2だけに
なる。従って制御時間Tを長くすると圧送量が減少
し、短くすると圧送量が増加するので圧送量は電磁弁15
の閉弁信号の発信時期により制御できる。
高圧ポンプ10において電磁弁15が閉弁状態で固着した
状態でプランジャ18が下降しても弁体38は閉弁している
ので供給ポンプ3から電磁弁15に供給された燃料はプラ
ンジャ室19内に流入しない。従ってプランジャ18が上昇
してもコモンレール6には燃料は圧送されないのでイン
ジェクタ7が破損するようなことはない。
次に弁15のリターンスプリング35が折損等により弁体
38に対する付勢力を失った場合には、プランジャ18が下
降するとギャラリ39とプランジャ室19との圧力差により
弁体38は開弁し、供給ポンプ3から電磁弁15に送られて
いた燃料はプランジャ室19内に流入する。そしてプラン
ジャ18が上昇するとプランジャ室19内の圧力はギャラリ
39内の圧力より大きくなる。この時リターンスプリング
35の付勢力がないので弁体38は閉弁し、プランジャ室19
内の燃料は加圧され、逆止弁23を経てコモンレール6に
圧送される。従って電磁弁15のソレノイド34に通電しな
くても燃料はコモンレール6に圧送され、コモンレール
6内の圧力が急上昇し、燃料噴射装置の各部が破損する
恐れがある。
第5図は上記の危険を防止するためになされた方法発
明である。第5図においては前記の通常制御に加えてソ
レノイド34に無通電の状態においてコモンレール6の圧
力変化率が正の値を示した場合に電磁弁15に異常が発生
したと判断し、ソレノイド34に常時通電する。圧力変化
率が正の信号はコモンレール6に設けた圧力センサ6aか
らの信号を制御装置9が演算することにより求められ、
制御装置9から電磁弁15に閉弁信号が発信される。この
制御により電磁弁15を閉弁状態に保持し、高圧ポンプ10
のプランジャ室19内への燃料の流入を防止する。従って
コモンレール6への燃料の圧送を防止する。
第6〜8図は本実施例の高圧ポンプ10を使用してエン
ジン始動時においてのコモンレール6の圧力を急速に高
める方法の説明図である。
エンジンの始動時ではエンジンは低回転であり、又CP
U9aの電圧不足、カム17の角度センサの出力不足等によ
り電磁弁15に対し通常制御を行なっていたのではコモン
レール6内の圧力上昇に時間がかかる。そこで第6図に
示すように高圧ポンプ10の回転数と非同期の通常時間
T1、無通電時間T2のパルス制御を電磁弁15に対して印加
する。弁体38は通電してから閉弁送れ時間T後に閉弁
し、無通電となってから開弁時間遅れ時間T0後に開弁す
る。この時弁体38が閉弁している期間中にプランジャ18
が上昇することによりプランジャ室19の圧力が増加す
る。
第2図の弁体38は外開き式であり、プランジャ室19の
圧力Pが弁体38の閉弁維持圧力P1より大きくなるとソ
レノイド34が無通電になっても弁体38は閉弁状態を維持
する。閉弁維持圧力P1はリターンスプリング35の荷重を
、弁体38のシート部の直径をD、供給燃料圧力P
、円周率πから次式で表される。
弁体38の閉弁維持状態において、プランジャ18の上昇
によりプランジャ室19の圧力は上昇し、燃料は逆止弁23
を経てコモンレール6に圧送される。
又プランジャ18が下降し、プランジャ室19の圧力が弁
体38の閉弁維持圧力P1より小さくなると、ソレノイド34
に流れるパルス電流により弁体38は開弁、閉弁を繰り返
し、弁体38の閉弁期間において燃料が弁体38を経てプラ
ンジャ室19に流入する。
次に上記のパルス制御における通電時間T1と無通電時
間T2の設定について説明する。
エンジン始動時の最低回転数において、高圧ポンプ1
のプランジャ18がその下死点から上昇を開始した時から
プランジャ室19内に弁体38を閉弁維持させる圧力を発生
させるまでの必要な通電時時間T1を求める。このために
閉弁維持圧力P1を発生させるプランジャ18の上昇変位△
Hは供給燃料圧力P、燃料容積V、燃料の体積弾性率
E、プランジャの直径D、円周率πより次式で求めら
れる。
なお、第2図の逆止弁23の開弁圧を弁体38の閉弁維持
圧力P1より大きくすることにより、燃料容積Vは逆止弁
23のシート部までの容積となる。
ここでプランジャ18が△H変位するのに要する時間△
Tは第7図に示すようにプランジャ下死点で最も長くな
る。そこでエンジン始動時の最低回転数においてプラン
ジャ18がその下死点から△H変位するのに要する時間△
Tを時間T3、弁体38の閉弁遅れ時間をTとすると、通
電時間T1は次式で示される。
T1=T3+T 又燃料吸入による条件より、燃料最大吐出量Qmax
1回の開弁で吸入できるように無通電時間T2は次式で示
される。
ここで、Cは燃料の粘性などの物性によって決まる定
数、Sは流路面積を示す。
第8図の実線はプランジャ18が下死点に位置する時刻
と電磁弁15が閉弁する時刻との差TTに対するポンプ吐出
量Qmm3/stを示す。ここでパルス制御の周期(T1+T2
を例えば2倍にすると破線で示したようになり、吐出量
Qの変動が大きくなり、平均吐出量は減少する。従って
周期(T1+T2)が小さい方が吐出量Qの変動が小さく、
平均吐出量が大きくなり、コモンレール6の圧力を短時
間で昇圧することができる。以上の検討からバルス制御
の通常時間T1、無通電時間T2が決定される。
[効果] この発明は上記のような構成、制御方法を有するので
次のような優れた効果を有する。
(イ)請求項1に記載の高圧ポンプによれば、プランジ
ャ室に低圧燃料を導入するための吸入通路とリターン通
路とが共用されているため、電磁弁の弁体が閉弁状態で
固着した場合に、コモンレールの圧力が上昇せず、従っ
て、エンジンの燃料噴射装置の各部が破損することがな
い。しかも、外開き式の電磁弁を用いると共に、プラン
ジャ上昇の終了をもってプランジャ室における燃料の加
圧が終了されるようにしているため、簡単な構成で高い
シール性とエネルギー効率を達成することができる。
(ロ)請求項2に記載の制御方法によれば、電磁弁の弁
体を開弁方向に付勢するスプリングが破損した場合に
は、電磁弁は閉弁状態に保持されるため、上記(イ)と
同様の効果が得られる。
(ハ)請求項3,4に記載の制御方法によれば、エンジン
始動時のような低回転時でもコモンレール内の圧力を急
速に高めることができ、従って始動性を良くする。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例の縦断正面図を示す。第2図は第1図
の要部の説明図を示す。第3図は一実施例を含むエンジ
ンの燃料制御装置の構成図を示す。第4図は基準パルス
による通常制御時における電磁弁の開閉時間及びプラン
ジャリフトを示す。第5図は電磁弁のリターンスプリン
グが折損した場合の電磁弁制御のフローチャートを示
す。第6〜8図はエンジン始動時に関する図であり、第
6図は電磁弁への駆動電流、この駆動電流に対応する電
磁弁の作動(開閉)状態、プランジャ変位及びプランジ
ャ室圧力の変動を示す図である。第7図はプランジャの
下死点からの変位と変位に要する時間との関係を示す図
でである。第8図はプランジャ下死点の時刻と電磁弁閉
弁の時刻との差TTとポンプ吐出量Qとの関係を示す。第
9図は従来の高圧ポンプの縦断正面図を示す。第10図は
従来の電磁弁の縦断正面図を示す。 10……可変吐出量高圧ポンプ 15……電磁弁 18……プランジャ 19……プランジャ室 23……逆止弁 31……リターン出口

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジンの回転に同期して往復
    動するプランジャを移動可能に収容するプランジャ室
    と、 低圧燃料を前記プランジャ室に導入するための吸入通路
    と、 プランジャ上死点側の前記プランジャ室の開口部を開閉
    する電磁弁と、 該電磁弁の開弁により前記プランジャ室と連通するリタ
    ーン通路と、 前記プランジャの上死点より上方の位置で前記プランジ
    ャ室に連通する、所定の圧力で開く逆止弁とを有し、 前記電磁弁の開弁、低圧燃料の前記プランジャ室内への
    吸入、プランジャ上昇による燃料の加圧、前記電磁弁の
    閉弁、前記逆止弁の開弁による加圧燃料の排出よりなる
    通常の制御によりディーゼルエンジン用のコモンレール
    に所定圧の燃料を圧送する可変吐出量高圧ポンプであっ
    て、 前記吸入通路が前記リターン通路と共用されており、 前記電磁弁は、前記プランジャ室内に配置された弁体を
    有すると共に、無通電時には前記弁体がスプリングの付
    勢力により前記プランジャ室の内部側へ突出することで
    前記開口部を開き、通電時には前記弁体が磁力により前
    記スプリングの付勢力に抗して前記開口部を前記プラン
    ジャ室の内側から閉じる、外開き式の電磁弁からなり、 更に、プランジャ上昇の終了をもって前記プランジャ室
    における燃料の加圧が終了されるように構成されている
    こと、 を特徴とする可変吐出量高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1の可変吐出量高圧ポンプの通常制
    御中の無通電による電磁弁の開弁状態において、前記コ
    モンレールの圧力変化率が正になったか否かを判断し、
    該圧力変化率が正になったと判断した場合には、前記電
    磁弁に常時通電して該電磁弁を閉弁状態に保持するこ
    と、を特徴とする可変吐出量高圧ポンプの制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1の可変吐出量高圧ポンプにおい
    て、ディーゼルエンジンの始動時には、前記電磁弁に対
    して、前記通常制御の代りにエンジンの回転とは同期せ
    ず通電時間T1と無通電時間T2とからなる制御を行なうこ
    と、を特徴とする可変吐出量高圧ポンプの制御方法。
  4. 【請求項4】請求項3の制御方法において、通電時間T1
    と無通電時間T2が次式によって示される制御を行なうこ
    とを特徴とする可変吐出量高圧ポンプの制御方法。 T1=T3+TC ここに T3:エンジン始動時の最低回転数において、プランジャ
    がその下死点から上昇して電磁弁を閉弁維持させる圧力
    に到達するまでに要した時間。 TC:電磁弁に通電した後の閉弁時間遅れ。 Qmax:高圧ポンプからの最大吐出量。 C:燃料の粘性等により定まる定数。 S:燃料通路面積。 Pf:供給燃料圧力。 Pk:プランジャ室圧力。 T0:電磁弁の無通電後の開弁時間遅れ。
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