JP2002227074A - セメント補強用ポリオレフィン系繊維及びその製造方法 - Google Patents
セメント補強用ポリオレフィン系繊維及びその製造方法Info
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Abstract
水化し、セメントスラリー中での分散性、水中沈降性を
高めるとともに、セメント粒子との親和性を改良する。 【解決手段】 ポリオレフィン繊維をフッ素ガス処理し
てポリオレフィン繊維表面に酸素を含む官能基を結合さ
せることにより、ESCAにて測定した炭素元素に対す
る酸素の元素組成比を0.06〜0.40とする。処理
方法はポリオレフィン繊維をフッ素ガスと酸素ガスの混
合ガスに接触させたのちに、水洗又は処理温度25〜9
0℃の0.1〜2.0規定の水酸化カリウム水溶液に浸
漬し次いで水洗する。
Description
おいて補強するためのセメント補強用ポリオレフィン系
繊維に関するものであり、更に詳しくは、スラリー溶液
中に繊維を投入、攪拌して分散させた場合に繊維がスラ
リー液表面に浮遊せず、均一に繊維が分散することがで
きるセメント補強用ポリオレフィン系繊維に関する。
として、ガラス繊維等の無機繊維、ナイロン、ビニロ
ン、ポリプロピレンなどの合成繊維の使用が提案されて
きた。例えば、特開昭49−98424号公報、特開昭
49−104917号公報、特開昭49−104918
号公報、特開昭61−86452号公報などにそれらが
教示されている。そしてこれらの補強用繊維を使用し
て、公知の方法、例えば湿式抄造法、押し出し成型法、
流し込み成型法によって成型されたセメント成形体は、
その強度を向上させるために、更に高圧プレスなどで組
織を密にしたり、自然養生、蒸気養生、オートクレーブ
養生などの各種条件での養生によってセメント成型体が
製造される。
造が炭素と水素から成るために、分子内分極し易く、親
水性に乏しく、疎水性が大きい為にセメント補強用繊維
と使用したときに、イオン性のセメント粒子やセメント
マトリックスとの親和性に乏しく、ポリオレフィン系繊
維とセメント素材間の密着性及び接着性が極めて悪いの
で、セメント製品を破壊するとセメントマトリックスか
ら該繊維が素抜けする現象がみられ、セメント製品の曲
げ強度に対してはあまり寄与しない。また、ポリオレフ
ィン系繊維は親水性に乏しいのでセメントスラリー液中
での繊維の分散性が悪く、繊維がスラリー表面に浮上す
る現象(浮き種現象)が発生し、添加した繊維の有効添
加量が低下して所定の得られなくなる問題点を有してい
た。
レフィン系繊維を親水化する様々な試みがなされてい
る。例えば特開平5−170497号公報では、立体規
則性の高いポリオレフィン系繊維表面にノルマルアルキ
ルホスフェートアルカリ金属塩を付与した分散性のよい
ポリオレフィン系繊維を得たり、特開平7−10620
号公報にはポリプロピレン繊維の繊維表面に繊維処理剤
としてラウリルホスフェートカリウム塩などの燐酸系塩
を付着させることにより、繊維とセメントマトリックス
との親和性を良くし、セメント中の繊維が均一に分散し
易くする方法が記載されている。
性剤処理に変わる方法として、例えば特公平5−874
60号公報のように、幹枝状のチョップドフィラメント
タイプのポリプロピレンフィルム繊維において、開裂分
繊する前のフィルムの状態でコロナ放電処理を施し、セ
メントマトリックスとの密着性を向上させるる方法もあ
る。一方特開平5−272006号公報には親水化剤を
繊維表面に塗布するのではなく、ポリオレフィン系繊維
に錬り込むことで親水性を繊維に付与させる方法が提案
されている。
くして、浮き種現象を解消させる試みも行われている。
例えば、特開昭47−34832号公報では高比重の酸
化鉛を混合した熱可塑性樹脂から製造されるモノフィラ
メントが開示されたり、特開平4−74741号公報の
ように高融点熱可塑性樹脂繊維の全面または一部を低融
点合成樹脂で被覆し、この低融点合成樹脂に無機微粒子
を接着または付着させ、繊維の比重を大きくさせる方法
が教示されている。
従来技術には以下のような問題点があった。例えば、特
開平5−170497号公報、特開平7−10620号
公報では界面活性剤などの繊維処理剤によって繊維表面
を親水処理をしているが、スラリー中に長い間滞留した
り、あるいはスラリー混合物を均一にするためにスラリ
ーを攪拌する際に繊維表面に付着している繊維処理剤が
脱落してしまい、その結果繊維の親水性が損なわれ、浮
き種現象を起こしかねない。
付与方法においても、例えば特公平5−87460号公
報では、フィルムの状態でコロナ放電処理を施した後
に、フィルムを開裂分繊して細化しているために、細化
したフィルム断面のフィブリル部分においてはコロナ放
電が施されていない部分があり、そのために繊維全体と
しての親水効果が損なわれ、セメントスラリーに繊維が
均一に分散しないこととなる。一方オゾン水溶液処理で
は、比較的繊維の表面部分が親水処理されるので過酷な
条件で繊維が使用される場合には、親水性の脱落を阻止
することが困難となる。また親水剤の脱落をなくするた
めに例えば特開平5−272006号公報のように親水
化剤をポリオレフィン系繊維に錬り込む方法は、セメン
トスラリー中における親水化剤の脱落はないが、親水化
剤が繊維表面に均一に存在せず目的に応じた親水性を得
ることができないばかりでなく、また親水性を特に必要
としない繊維内部まで親水化剤が存在するので親水化剤
の浪費にもなり経済的に好ましくない。
び特開平4−74741号公報においては、浮き種現象
は起こり難いが、無機微粒子や金属酸化物を混合あるい
は付着させるために、繊維の強度やヤング率が小さく、
得られるセメント成形体の耐衝撃性などの品質が損なわ
れることとなる。本発明は、上記の実情を鑑み、スラリ
ー中で均一に繊維が分散し、浮き種現象が生じないセメ
ント補強用ポリオレフィン系繊維を提供するところにあ
る。
フィン系樹脂からなるセメント補強用繊維であって、E
SCAにて測定した炭素に対する酸素の元素組成比(O
/C)aが0.06〜0.40、炭素に対するフッ素の
元素組成比(F/C)aが0.01〜0.25であるこ
とを特徴とするものであり、また別の形態としては、上
記セメント補強用繊維の表面に親水性繊維処理剤が付着
されたセメント補強用繊維でる。何れの形態でも使用可
能であるが、繊維処理剤を付与させるとフッ素処理の効
果にさらに親水性が増し、セメントとの親和性も増加す
るので好ましく使用できる。
ン系繊維を製造する方法としては、フッ素ガスと酸素ガ
スとを含有する混合ガスを接触させてフッ素処理した後
に水洗、または処理温度25〜90℃の濃度0.1〜
2.0規定の水酸化カリウム溶液に浸漬させ次いで水洗
する、ことを特徴とするものである。かかることで、よ
り効率的でより親水性で且つ、セメントとの親和性のあ
るセメント補強用に好適なポリオレフィン系繊維を得る
ことができる。
ン系繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、ポリブテン−1等のポリオレフィン重合体
もしくは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重
合体等のポリオレフィン共重合体を使用することがで
き、中でもセメント補強用繊維の繊維表面はセメント成
型時におけるオートクレーブ養生などで高温に晒される
ために、できるだけ高融点成分で構成される樹脂を使用
した繊維が好ましく、ポリプロピレン、ポリメチルペン
テンが最も好ましく使用できる。また本発明のポリオレ
フィン系繊維の繊維形態は、単一型繊維、複合型繊維の
何れでも構わなく、複合型繊維の場合であれば、芯鞘
型、偏芯型、並列型、分割型の何れの形態であっても構
わない。
繊維の単繊維繊度は0.5〜22dtexが好ましく、
繊度が細いと一般的に繊維表面積が大きくなりその分親
水基と水との接触部分が多くなるために、浮き種現象が
少なくなる傾向になるが、実用的なセメントの曲げ強度
あるいは、衝撃強さを保持するだけの繊度を有する必要
がある。一方、繊維長は2〜20mmとすることが好ま
しく、繊維長が2mm以下であるとセメントの補強強度
に劣り、20mmを越えるとスラリー調整時に繊維同士
が絡みつき、繊維が分散しにくくなる傾向にあり、その
結果補強効果が十分ではなくなるためである。
繊維において、繊維表面に親水性の官能基が導入され
る。ここで導入される親水性を有する官能基として−C
H−O、−CO−、−COO−等を挙げることができ
る。また本発明のフッ素処理においてはフッ素と酸素の
混合ガスが使用されるためにオレフィン鎖の末端基がフ
ッ素原子に置換される。その際繊維表面における炭素に
対する酸素の元素組成比(O/C)aが0.06〜0.
40、炭素に対するフッ素の元素組成比(F/C)aが
0.01〜0.25であることが必要である。ここで、
(O/C)aが0.06未満であると繊維に十分な親水
性能を付与させることができない。このとき(F/C)
aは0.05を示す。またフッソ処理の条件を強めれば
(O/C)aは0.40以上になり繊維の親水性は向上
するが繊維の劣化がひどくなるので目的とするセメント
補強用繊維として好ましくない。繊維の強度低下からフ
ッソ処理の程度は(F/C)a0.25以下を示す程度
に止めるべきである。また本発明ではフッ素処理を行っ
た後に、繊維表面に界面活性剤等の繊維処理剤を付着さ
せることも可能であり、かかることでより一層の親水効
果を得ることができる。
る酸素の元素組成比(O/C)aを得る方法としてはフ
ッ素処理をした後さらに、繊維処理剤を繊維質量あたり
0.1〜3.0質量%付着させることがは好ましい方法
である。フッ素処理のみで繊維表面の酸素量を増加させ
るためには同時に繊維の劣化が著しくなり、目的とする
セメント補強繊維として好ましくないからである。上記
繊維処理剤は0.1質量%未満であると所望の親水性能
を得るには不十分であり、繊維処理剤が3.0質量%を
越えてもそれ程親水性能が上がらず、コスト高となるた
めに経済的な面で好ましくない。
せる目的で使用される通常のもので差し支えなく、例え
ば炭素数8のオクチルアルキルホスフェート、炭素数1
0のデシルアルキルホスフェート、炭素数12のラウリ
ルアルキルホスフェート、炭素数13のトリデシルアル
キルホスフェート、炭素数14のミリスチルアルキルホ
スフェート、炭素数16のセチルアルキルホスフェー
ト、炭素数18のステアリルアルキルホスフェートなど
のノルマルアルキルホスフェートおよびこれらのナトリ
ウムあるいはカリウムの金属塩である。更にリン酸ある
いはリン酸水素化物のカリウム、ナトリウム、カルシウ
ム等のアルカリ金属塩も使用することもできる。さらに
これらの混合物であってもよい。
いを便利にするため、上記繊維処理剤を付与した後に水
溶性集束剤を付与して延伸糸束を集束してもよい。この
ような水溶性収束剤としては例えば、コーンスターチ、
フノリ、カゼイン、タピオカ、植物性小麦、澱粉、馬鈴
薯澱粉、植物性ガム類、アルファ澱粉、澱粉誘導体の酢
酸澱粉、リン酸澱粉、酵素性澱粉、カチオン化澱粉、焙
焼澱粉、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチ
ルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、陽性澱粉、シ
アノエチル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、更にセルロース
誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ソーダ、あるいは、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸等を挙げることができる。
は繊維の表面の状態が均一であるという点で他の方法よ
り優れている。コロナ放電処理法、プラズマ放電処理法
でも繊維表面の改質は可能であるが、放電処理であるが
故に改質状態がフッ素処理よりも不均一であるので安定
した改質状態を得ることが困難となる。また他の繊維表
面の改質方法としてオゾン水溶液処理法があるがオゾン
水溶液による繊維表面の改質は、フッ素処理法と比べる
と極めて繊維表面近傍の改質が成されるだけなので好ま
しくない。フッ素処理法では繊維表面において均一に改
質が行われ、且つコロナ放電処理法、プラズマ放電処理
法やオゾン水溶液処理法よりも繊維表面から繊維中心に
向かってより深い部分への広域に渡って改質処理が行わ
れる。
スとの混合ガスと酸素ガスを使用して処理される。この
とき混合ガスの組成はフッ素ガスが0.1〜70vol
%、好ましくは0.1〜30vol%、不燃性ガスが3
0〜99.9vol%、好ましくは70〜99.9vo
l%から形成される。またこれら混合ガスと酸素ガスと
の組成は混合ガスが0.1〜99.1vol%好ましく
は 10〜50vol%、酸素ガスが0.9〜99.9
vol%好ましくは50〜90vol%から形成される
混合ガスから処理される。また上記のガス以外にも必要
に応じてフッ素化オレフィンガスや亜硫酸ガスを混入す
ることもでき、混入比率は0.1〜99vol%が好ま
しく、更に好ましくは10〜90vol%である。
ィン系繊維の製造方法について説明する。本発明のセメ
ント補強用ポリオレフィン系繊維は、まずポリオレフィ
ン系樹脂は公知の溶融紡糸法にて紡糸される。得られた
紡糸フィラメントは、温水、湿熱、あるいは乾熱中で所
定の倍率に延伸されて延伸糸束を得る。次いで、表面改
質処理をフッ素処理で行う場合、水分率を5.0%以下
に調整した20万〜135万dtexの延伸糸束を10
〜100m/minの速度で走行させながら、1.0〜
1.2倍の緊張状態で表面改質処理を施すと良い。この
とき延伸糸束はフィードロールに沿って均一に薄膜状に
薄く拡げる必要がある。そして表面改質処理は密閉式の
処理内にフッ素ガス、酸素ガス等を充満させ、該延伸糸
束を挿入させることで処理される。このときバッチ式ま
たは連続式にて処理される。
界面活性剤等の繊維処理剤を所定量繊維表面に付着する
ことができる。このとき、繊維表面への付着方法として
は、浸漬法、スプレー法、コーティング法など何れの方
法でも良い。その後、アニーリング処理、乾燥あるいは
湿潤状態のままで所定の繊維長に切断されて、目的とす
るセメント補強用ポリオレフィン系繊維を得ることがで
きる。
って表面改質を行った後に、水洗される。そしてより好
ましくは、フッ素処理による表面改質後に、処理温度2
5〜90℃の溶液濃度0.1〜2.0規定の水酸化カリ
ウム溶液に表面改質された繊維を含浸させた後に、水洗
する。
リオレフィン系繊維において、フッ素処理および、フッ
素処理後に繊維処理剤を付与させた繊維へのセメント粒
子の付着率は20質量%以上になる。セメント粒子付着
率とは、セメント粒子との親和性を示す指標であり下記
のように算出することができる。 [粒子付着率]セメント補強用繊維(投入前の繊維重量
Wa)、ブレーン値3000のセメント系粒子5g、水
1リットルを容量約1.3リットルの市販のミキサーへ
投入し、回転数4000rpmで10秒間攪拌し、10
分間静置した後、繊維を全量取り出し、投入後の繊維重
量Wbを秤量し下記式(1)で算出した。 セメント粒子付着量(%)=[{Wb−Wa}×100]/Wa・・・(1) ここでいうブレーン値とは、セメント粒子1gあたりの
全粒子の表面積の合計をいい、ブレーン値3000と
は、セメント粒子1g当たりの表面積の合計が3000
cm2 の粒子群のことをいう。上記粒子付着率が20
(%)未満であると、セメント粒子との馴染みが悪いた
め、セメントスラリーにおいて繊維の浮き種が生じる。
ルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、
アルミナセメントなどの補強に使用することができ、ま
た半水石膏、2水石膏とスラグあるいはこれらを上記セ
メントと混合して使用する際にも用いることができ、モ
ルタル用はもちろんのこと湿式抄造法、流し込み法、押
出成形法で自然養生、蒸気養生、オートクレーブ養生と
如何なる製法にも適用することができる。
で単繊維繊度、単繊維強度、単繊維伸度、炭素に対する
酸素の元素組成比(O/C)a、炭素に対するフッ素の
元素組成比(F/C)a、繊維の分散性、繊維の浮遊
(浮き種)状態は下記のようにして測定した。
じて測定した。
1015に準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間
隔を20mmとし、繊維が切断したときの荷重値及び伸
びを測定し、それぞれを単繊維強度及び単繊維伸度とし
た。
−3000(株式会社島津製作所製)を使用し、繊維の
表面元素組成分析を行った。測定方法は、試料を両面テ
ープの片面に、約1100dtexの延伸糸束を引き揃
えて並べて張り付け、測定条件としては、線源はMg/
Al、出力8kW、30mAとし、測定面積50mm
2 、繊維表面からの深度10nmで繊維表面に存在する
オレフィン主鎖および側鎖の全炭素元素、および官能基
の割合を測定し、(O/C)aは酸素元素量を炭素元素
量で、(F/C)aはフッ素元素量を炭素元素量でそれ
ぞれ割返した値を採用した。
調整したセメント組成に繊維を混入し、セメントスラリ
ーを形成した際の繊維の分散性を目視し評価した。評価
基準は下記の○、△、×の三段階で評価した。 ○:セメントスラリー中にまんべんなく繊維が分散して
いる。 △:セメントスラリー中で所々繊維が分散していないと
ころがある。 ×:セメントスラリー中で繊維が全く分散していない。
で調整したセメント組成に繊維を混入し、セメントスラ
リーを形成した際の繊維の浮遊(浮き種)の有無を目視
で評価した。評価基準は下記の○、△、×の三段階で評
価した。 ○:セメントスラリー表面に浮遊(浮き種)繊維は全く
無い状態である。 △:セメントスラリー表面の所々に浮遊繊維がある状態
である。 ×:セメントスラリー表面の至るところで浮遊繊維があ
る状態である。
て紡糸温度270℃、引き取り速度800m/minで
溶融紡糸し、7.8dtexの未延伸糸を得た。該未延
伸糸を延伸温度150℃、延伸倍率4.2倍で乾式延伸
した後、カット長10mmでカットすることで繊度2.
2dtex、繊維長10mmのポリプロピレン繊維を得
た。
きのプラスチック製の籠に入れた、フッ素処理の処理槽
に入れ、フッ素ガス0.5vol%、不活性ガス20.
0vol%、酸素ガス79.5vol%の組成の混合ガ
スにて30分間処理した。
ン繊維を処理温度60℃、溶液濃度1.0規定の水酸化
カリウム溶液に含浸させ、水洗後目的とするセメント補
強用繊維を得た。
理を施し表面改質を行った後に、繊維処理剤としてラウ
リルホスフェートカリウム塩を繊維質量に対して0.3
質量%繊維表面にスプレーによって塗布させた以外は実
施例1と同様にしてセメント補強用繊維を得た。
組成をフッ素ガス0.5vol%、不活性ガス89.5
vol%、亜硫酸ガス10vol%とした以外は実施例
1と同様にしてセメント補強繊維を得た。
理を施さなかった以外は実施例1と同様にしてポリプロ
ピレン繊維を得た。
理を施さなかった以外は実施例2と同様にしてポリプロ
ピレン繊維を得た。
1に示す。
系繊維は、ESCAによる炭素に対する酸素の元素組成
比と、炭素に対するフッ素の元素組成比とを規定するこ
とによって、セメントスラリー溶液との親和性に優れ、
繊維表面にセメント系粒子が付着しやすく、セメントボ
ード製造工程で回収された白水タンクに於いて繊維が白
水表面に浮遊することなく、白水中に中間浮遊もしくは
完全に沈降し、白水再利用時に再度繊維がセメント製造
工程に戻ると共に、白水上澄み液をセメント製造工程の
洗浄水として使用するときに浮遊した繊維が洗浄水配管
に詰まるということもなく、投入した繊維が効率よく使
用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなるセメント
補強用繊維であって、ESCAにて測定した炭素に対す
る酸素の元素組成比(O/C)aが0.06〜0.4
0、炭素に対するフッ素の元素組成比(F/C)aが
0.01〜0.25であることを特徴とするセメント補
強用ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項2】 表面に親水性繊維処理剤が付着された請
求項1記載のセメント補強用ポリオレフィン系繊維。 - 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂繊維をフッ素ガス
と酸素ガスとを含有する混合ガスを接触させてフッ素処
理した後に水洗、または処理温度25〜90℃の濃度
0.1〜2.0規定の水酸化カリウム溶液に浸漬させ次
いで水洗することを特徴とするセメント補強用ポリオレ
フィン系繊維の製造方法
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JP2001025880A JP4860828B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | セメント補強用ポリオレフィン系繊維及びその製造方法 |
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