JP2002226580A - ポリイミドおよびその製造方法 - Google Patents
ポリイミドおよびその製造方法Info
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Abstract
ビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン−6
−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−
ジオン)を単量体の1つとして用いてなる新規な分子構
造を有するポリイミドおよびその製造する方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 ポリイミドは、特定の繰り返し単位によ
り構成されてなることを特徴とする。また、ポリイミド
の製造方法は、特定のジカルボン酸化合物を反応させて
ポリイミドを得ることを特徴とする。
Description
ポリイミドの製造方法に関する。
て高く、例えば電気絶縁材、耐熱性被覆膜材などとして
有用な高分子物質である。その製造方法としては、従
来、テトラカルボン酸無水物と、ジアミンとを反応させ
る縮合重合法が代表的なものとして知られている。
R]−3−オキサビシクロ[3,2,1]オクタン−
2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフ
ラン−2’,5’−ジオン)(以下「DAn」ともい
う。)を単量体の1つとして用いたポリアミック酸の製
造に基づいて、制御された構造のポリイミドを得る方法
は知られていない。
応について研究を重ねた結果、完成されたものであっ
て、本発明の第1の目的は、rel−[1S,5R,6
R]−3−オキサビシクロ〔3,2,1〕オクタン−
2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフ
ラン−2’,5’−ジオン)を単量体の1つとして用い
てなる新規な分子構造を有するポリイミドを提供するこ
とにある。本発明の第2の目的は、新規なポリイミドを
製造する方法を提供することにある。
下記一般式(1)で表される繰り返し単位により構成さ
れていることを特徴とする。
り返し数nは2以上の整数を示す。〕
(A)で表されるジカルボン酸化合物(以下、「化合物
(A)」ともいう。)を反応させることによりポリイミ
ドを得ることを特徴とする。
は、炭素数1〜3の低級アルキル基またはフェニル基を
示す。〕
rel−[1S,5R,6R]−3−オキサビシクロ
[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ
−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)
と、4−ニトロアニリンとを反応させることにより、化
合物(A)を得ることが好ましい。
で表される繰り返し単位により構成されていることを特
徴とする。
も異なっていてもよく、それぞれ独立に2価の有機基を
示し、繰り返し数mは1以上の整数を示す。〕
(B)で表されるジカルボン酸化合物(以下、「化合物
(B)」ともいう。)を反応させることによりポリイミ
ドを得ることを特徴とする。
[1S,5R,6R]−3−オキサビシクロ[3,2,
1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−
(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)と、4−
ニトロアニリンと、p−フェニレンジアミンを反応させ
ることにより、化合物(B)を得ることが好ましい。
する。
(1)で表される、実質的に主鎖においてイミド基を有
する非対称の無水物単量体が頭−尾結合されてなるポリ
イミド(以下、「ポリイミド(1)」という。)と、一
般式(2)で表される、実質的に主鎖においてイミド基
を有する非対称の無水物単量体が頭−頭結合されてなる
ポリイミド(以下、「ポリイミド(2)」という。)と
の2種が包含される。このポリイミド(1)と、ポリイ
ミド(2)とは、互いに構造異性体の関係である。
好ましい具体例は、下記の一般式(i)で表される繰り
返し単位により構成されるポリイミドである。
す。〕
Anと4−ニトロアニリンとの重縮合反応を行うことに
より、中間生成物として化合物(A)を経由して生成す
ることができる。
説明すると、先ず、DAnと4−ニトロアニリンとを、
溶剤としてN,N−ジメチルホルムアルデヒドを用いて
反応させることにより、開環されたDAnの5員環の炭
素原子に結合するカルボキシル基と、当該5員環の他の
炭素原子に酸イミド結合を介して結合するニトロフェニ
ル基を有する中間生成物(1−1)(1−カルボキシメ
チル−4−(4−ニトロフェニルカルバモイル)−1,
2−シクロペンタンジカルボン酸−1,1−無水物)が
得られる。
ニトロアニリンのモル数とは、実質的に同等であって当
量関係にあることが好ましい。
量は、DAn4gに対して10〜30ミリリットルであ
ることが好ましい。
は、10〜24時間であることが好ましい。
間生成物(1−1)を、メタノールの存在下にて還流さ
せることにより、酸素原子を含む5員環が開環し、メト
キシカルボニル基と、炭素原子を介してカルボキシル基
が結合された中間生成物(1−2)(1−カルボキシメ
チル−1−メトキシカルボニル−4−(4−ニトロフェ
ニルカルバモイル)−2−シクロペンタンカルボン酸)
が得られる。
して水素還元反応を行うことにより、当該中間生成物
(1−2)における6員環に結合しているニトロ基をア
ミノ基に変換し、酸イミド結合を含有したジカルボン酸
化合物である中間生成物(1−3)(4−(4−アミノ
フェニルカルバモイル)−1−カルボキシメチル−1−
メトキシカルボニル−2−シクロペンタンカルボン酸)
が得られる。
3)を、N,N−ジメチルホルムアルデヒド中に注ぎ、
その溶液をアルゴンの存在下にて加熱し、前駆体(1)
を得、当該前駆体(1)にイミド化処理を施して脱水閉
環させることにより上記の式(i)で表されるポリイミ
ド(1)が製造される。
(1)を加熱することにより、または前駆体(1)を有
機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触
媒の存在下において、必要に応じて加熱することによ
り、当該前駆体(1)を脱水閉環させることによって行
われる。
℃以下、好ましくは240〜280℃で行われる。この
加熱処理温度が300℃を越えると、熱分解反応が起こ
ってしまう場合がある。
水剤およびイミド化触媒を添加して行う場合には、脱水
剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸などの無水物を用いることができる。
コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミ
ンを用いることができるが、これらに限定されるもので
はない。イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤3ミ
リリットルに対して1〜2ミリリットルとするのが好ま
しい。このイミド化処理に用いられる有機溶媒として
は、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒など挙げるこ
とができ、また、このイミド化処理の脱水閉環の反応温
度は、通常、120〜170℃、好ましくは130〜1
50℃とされる。
は、DAnと、4−ニトロアニリンとを、溶剤として
N,N−ジメチルホルムアルデヒドを用いて反応させる
ことにより、一つの異性体を優先的に生成する位置選択
性が増加するため、中間生成物(1−1)を高い収率で
得ることができる。
と、エステル結合とが共存する場合に通常なされる縮合
反応、具体的にはエステル結合に基づいて脱水閉環がな
され、窒素原子を含む環が形成される反応経路によらず
に反応を遂行することができるため、エステル結合が保
持された新規の分子構造を有する化合物(A)である中
間生成物(1−3)を得ることができる。
縁材、耐熱性被覆膜、表面保護膜、液晶配向膜形成剤な
どの材料として好適に用いることができる可能性があ
る。
(1)は、一般式(1)においてX 1 がフェニレン基の
ものであるが、このX1 は、2価の有機基であればよ
い。2価の有機基としては、芳香族炭化水素基を含有す
る基、シクロアルキレン基を含有する基、直鎖状または
分岐状アルキレン基を含有する基が挙げられる。
の具体例としては、フェニレン基およびその置換体、ビ
フェニレン基およびその置換基、ナフチレン基およびそ
の置換体、(−H4 C6 −Z1 −C6 H4 −)で表され
る基およびその置換体が挙げられ、Z1 としては、−C
H2 −、−O−、−C(CF3 )2 −、−SO2 −、−
CO−などが挙げられる。また、これらの置換体におけ
る置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基;シク
ロアルキル基;コレステリル基、コレスタリル基などの
ステロイド骨格含有基などが挙げられる。
有する2価の有機基の2つの結合の位置は、特に限定さ
れないが、フェニレン基を含有する2価の有機基の場
合、pあるいはmの位置であることが好ましい。
の有機基の具体例としては、シクロブチレン基、シクロ
ペンチレン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキ
レン基およびその置換体、ビシクロアルキレン基および
その置換体、(−H2a-2Ca−Z2 −Ca H2a-2− )
で表される基およびその置換体などが挙げられ、aは3
〜6の整数、Z2 としては、−CH2 −、−O−、−C
(CF3 )2 −、−SO2 −、−CO−などが挙げられ
る。
含有する2価の有機基の2つの結合の位置は、特に限定
されないが、シクロヘキシレン基を含有する2価の有機
基の場合、pであることが好ましい。
含有する2価の有機基としては、n−ブチレン基、n−
ペンチレン基、n−ヘキシレン基などのアルキレン基お
よびその置換体が挙げられる。また、これらの置換体に
おける置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基;
シクロアルキル基;コレステリル基、コレスタリル基な
どのステロイド骨格含有基などが挙げられる。
イミド(1)は、同一の構成を有する繰り返し単位より
なるものに限られず、複数種類の単量体を用いることに
より、各繰り返し単位におけるX1 がその一部または全
部が異なったものであってもよい。
量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ法に
よるポリスチレン換算で、通常、5,000〜50,0
00である。
の比Mw/Mnは、特に限定されるものではないが、分
子量のそろった重合体、すなわち比Mw/Mnが比較的
小さいものが好ましい。
0.1〜0.5dL/g、特に0.25〜0.35dL
/gであることが好ましい。更に、ポリイミド(1)の
多分散性指数(Polydispersion Ind
ex)は、1.5〜3であることが好ましい。
イミド(1)は、上述の製造方法以外の方法によっても
生成することができる。
成物である化合物(A)は、上記式(A)で表される各
種の化合物であってもよい。ここに、Rは、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭
素数1〜3の低級アルキル基またはフェニル基を示す。
好ましい具体例は、下記の一般式(ii)で表される繰
り返し単位により構成されるポリイミドである。
す。〕
Anとp−フェニレンジアミンとの重縮合反応を行うこ
とにより、中間生成物として化合物(B)を経由して生
成することができる。
説明すると、先ず、DAnのアセトンによる懸濁溶液
と、p−フェニレンジアミンのアセトン溶液とを反応さ
せることにより、各開環されたDAnの5員環の炭素原
子に結合するカルボキシル基と、当該5員環の他の炭素
原子に酸イミド結合を有しており、これらの2つの酸イ
ミド結合がフェニレン基を介して結合されてなる化合物
(B)である中間生成物(2−1)(8,8’−〔1,
4−フェニレンビス(イミノカルボニル)〕ビス〔1,
3−ジオキソ−2−オキサスピロ[4,4]ノナン−6
−カルボン酸〕)が得られる。
フェニレンジアミンのモル数とは、実質的にDAnのモ
ル数がp−フェニレンジアミンのモル数の2倍以上であ
ることが好ましい。
応時間は、約24時間であることが好ましい。
間生成物(2−1)およびp−フェニレンジアミンを、
N,N−ジメチルホルムアルデヒド中に注ぎ、その溶液
をアルゴンの雰囲気中にて加熱し、前駆体(2)を得、
当該前駆体(2)にイミド化処理を施して脱水閉環させ
ることにより、ポリイミド(2)が製造される。なお、
イミド化処理は、ポリイミド(1)の製造方法に係る前
駆体(1)に施すことのできる処理と同様の処理にて、
前駆体(2)を脱水閉環させることによって行われる。
ず、例えばp−フェニレンジアミンのN,N−ジメチル
ホルムアルデヒド溶液に、DAnのN,N−ジメチルホ
ルムアルデヒド溶液を、例えば2ミリリットルの溶液を
15分間かけてゆっくり加えることによって反応させ、
この反応液に脱水剤およびイミド化触媒を添加してイミ
ド化処理することによっても得ることができる。
縁材、耐熱性被覆膜、表面保護膜、液晶配向膜形成剤な
どの材料として好適に用いることができる可能性があ
る。
ド(2)は、一般式(2)においてX2 およびX3 がフ
ェニレン基のものであるが、このX2 およびX3 は、2
価の有機基であればよい。2価の有機基としては、上述
したポリイミド(1)におけるX1 で表される2価の有
機基が挙げられる。
イミド(2)は、同一の構成を有する繰り返し単位より
なるものに限られず、複数種類の単量体を用いることに
より、各繰り返し単位におけるX2 およびX3 が、その
一部または全部が異なったものであってもよい。
量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフ法に
よるポリスチレン換算で、通常、5,000〜50,0
00である。
の比Mw/Mnは、特に限定されるものではないが、分
子量のそろった重合体、すなわち比Mw/Mnが比較的
小さいものが好ましい。
イミド(2)は、上述の製造方法以外の方法によっても
生成することができる。
本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下
に示す例中の生成物の特性の記述における 1H−NMR
および13C−NMRは、それぞれプロトン核磁気共鳴ス
ペクトル、炭素数13核磁共鳴スペクトルを表し、IR
は赤外線吸収スペクトルを表す。KBrは臭化カリウム
を表す。プロトン核磁気共鳴スペクトルデータの表示の
うち、括弧の中に示されたs、d、ddおよびmはそれ
ぞれ、シングレット、ダブレット、ダブルダブルレット
およびマルチプレットを表し、brはブロードを表し、
1H、2H、3Hなどはそれぞれプロトン1個、2個、
3個相当分のスペクトル強度を意味する。
ラスコに、DAn4.032g(18mmol)および
4−ニトロアニリン2.484g(18mmol)と、
溶剤として20ミリリットルのN,N−ジメチルホルム
アミドとを加え黄色液を得、これを室温で12時間撹拌
した後、減圧下にてN,N−ジメチルホルムアミドを除
去し、室温の真空下で乾燥させることにより黄色粘性生
成物を得た。この黄色粘性生成物をシリカゲルのカラム
を用いたクロマトグラフにより精製した後、90℃の減
圧下で24時間乾燥することにより、4.0gの反応生
成物として黄色粉を収率61%で得た。得られた反応生
成物は、融点が223℃であり、IR測定により下記の
結果が得られる、1−カルボキシメチル−4−(4−ニ
トロフェニルカルバモイル)−1,2−シクロペンタン
ジカルボン酸−1,1−無水物(以下、「生成物(1−
1)」という。)であることが確認された。
r),3368,3082,1855,1780,17
10,1506,1343,854cm-1.
て、生成物(1−1)3.5g(9.7mmol)をメ
タノール40ミリリットルに溶解して黄色液を得、これ
を65℃に加熱して2時間還流させ、更に1時間かけて
反応系が室温になるまで還流を継続した後、65℃で2
時間白い粉が沈殿するまで撹拌した。そして、沈殿物を
メタノールを用いて濾過および洗浄することによりクリ
ーム色粉を回収し、これを70℃の真空下で48時間乾
燥することにより、2.6gの反応生成物を収率68%
で得た。得られた反応生成物は、融点が218℃であ
り、IR測定により下記の結果が得られる、1−カルボ
キシメチル−1−メトキシカルボニル−4−(4−ニト
ロフェニルカルバモイル)−2−シクロペンタンカルボ
ン酸(以下、「生成物(1−2)」という。)であるこ
とが確認された。
r),3330,3098,2954,1714,15
51,1508,1435,1411,1341,13
04,855cm-1.
mol)を、触媒として二酸化白金を加えたテトラヒド
ロフラン40ミリリットルとメタノール20ミリリット
ルとの混合液に溶解し、5気圧の水素ガズ雰囲気中にて
室温で3時間反応させた後、触媒および溶液を取り除
き、室温の真空下で48時間乾燥させることにより反応
生成物である赤みがかった固形物を得た。得られた固形
物は、IR測定およびNMR測定したところ、下記の結
果が得られ、この固形物が上記の反応式(1)中におい
て中間生成物(1−3)を示す式で表される4−(4−
アミノフェニルカルバモイル)−1−カルボキシメチル
−1−メトキシカルボニル−2−シクロペンタンカルボ
ン酸(以下、「生成物(1−3)」という。)であるこ
とが確認された。なお、生成物(1−3)の融点は、1
56℃であった。
r),3424,2956,1725,1663,15
51,1515,1420,1318,1209c
m-1.
SO−d6)δ9.60(s,1H), 7.21(d,
2H,J=8.8),6.48(d, 2H,J=8.
4),3.62(s,3H), 3.07(dd, 1H,
J=9.6,J=8.0),2.90(m,1H)2.
73(d,1H, J=16.8),2.66(d, 1
H,J=17.2),2.44(dd,1H,J=1
2.8,J=13.6),2.16−2.09(m,1
H),2.202(dd,1H,J=13.2,J=1
3.2).13C−NMR(100.40MHz,DMS
O−6d)δ 174.9,173.4,172.1,
171.2,144.5,128.3,120.8,1
13.6,52.3,52.1,51.0,48.6,
43.0,37.8,32.7.MS(FAB+ ):3
65[(M+H)+ ].
において、生成物(1−3)1.0g(2.7mmo
l)を、6ミリリットルのN,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解して黄色液を得、この黄色液を130℃に加熱
し、その温度で25時間アルゴンガス雰囲気中にて撹拌
した後、室温になるまで冷却を行い後処理を行うことに
より、ポリアミック酸を得た。
したところ、下記の結果が得られ、この生成物が上記の
反応式(1)中において前駆体(1)を示す式で表され
るポリ〔(6−カルボキシ−1,3−ジオキソ−2−ア
ザスピロ[4,4]ノナン−2,8−ジイル)カルボニ
ルイミノ−1,4−フェニレン〕(以下、「前駆体(1
−4)」という。)であることが確認された。
r),1775,1701,1318cm-1.
−ジメチルホルムアルデヒド溶液に、4ミリリットルの
N,N−ジメチルホルムアルデヒドと、脱水剤として無
水酢酸3ミリリットルと、イミド化触媒としてピリジン
2ミリリットルとを逐次に加えて室温で1時間撹拌した
後、その反応液をアルゴンガス雰囲気中にて130℃で
5時間加熱した。この反応系を冷却して黄色反応液を
得、これを300ミリリットルのメタノール中に注いで
沈殿させ、この沈殿物をメタノールで洗浄して130℃
で真空下にて一晩かけて乾燥させることにより、固有粘
度0.26dL/g、分解温度424℃、数平均分子量
0.6×104 、多分散性指数2.1の黄色のポリマー
を得た。得られたポリマーについてIR測定したとこ
ろ、下記の結果が得られ、この生成物が上記の一般式
(i)で表される繰り返し数nが約20である繰り返し
単位により構成されるポリイミドであることが確認され
た。また、このポリイミドの核磁気共鳴スペクトルを、
図1の(a)に示す。
362,1328cm-1.
をガラスのプレート上に塗布し、50℃で真空下にて2
4時間乾燥させた後、100℃で1時間、次いで200
℃で1時間、更に240℃で2時間加熱して熱によるイ
ミド処理を行うことにより、厚さ30μmのフィルムを
得た。このフィルムは、絶縁性、耐熱性、透明性を有す
るものであった。
0.00mmol)およびアセトン20ミリリットルよ
りなる懸濁溶液を、p−フェニレンジアミン0.540
g(5.00mmol)およびアセトン15ミリリット
ルよりなる溶液に、すべての固体成分が15分間内に添
加されるようにしながら室温で30分間かけて滴下し、
これを室温で24時間撹拌した。その後、アセトンを取
り除いて黄色粉を得、これをエトキシアセテートおよび
ヘキサン溶液にて再沈殿させ、その結果物を130℃の
真空下で24時間乾燥させることにより2.16gの反
応生成物として白色粉を収率77%で得た。得られた反
応生成物は、IR測定およびNMR測定したところ、下
記の結果が得られ、この白い粉が上記の反応式(2)中
において中間生成物(2−1)を示す式で表される、
8、8’−〔1,4−フェニレンビス(イミノカルボニ
ル)〕ビス〔1,3−ジオキソ−2−オキサスピロ
[4,4]ノナン−6−カルボン酸〕(以下、「生成物
(2−1)」という。)であることが確認された。な
お、生成物(2−1)の融点は、400℃以上であっ
た。
r),3364,3064,2848,1852,17
80,1720,1675,1516cm-1.
eton−d6)δ9.19(s,2H),7.47
(s,4H),3.34(dd,2H,J=12,
8),3.24−3.17(m,d,4H,J=1
9),2.90(d,2H,J=19),2.50−
2.37(m,6H),2.17−2.08(m,2
H).13C−NMR(100.40MHz,Aceto
ne−d6)δ177.3,173.2,172.3,
170.7,135.7,120.5,54.6,5
3.6,43.3,41.9,39.1,32.6.A
nal.calcd for C 26H24N2 O12:C,
56.12;H,4.32;N,5.04.Fonu
d:C,56.33;H,4.63;N,4.99.M
S(FAB):555[(M−H)- ].HRMS(F
AB- ):Found:555.1284.cacl
d.for C26H23N2 O12[(M−H)- ]:55
5.1250.
ミン0.2163g(2mmol)とを、6ミリリット
ルのN,N−ジメチルホルムアルデヒド中に注ぎ黄色液
を得、それを室温でアルゴンの存在下において24時間
撹拌し、90〜100℃に加熱して12時間撹拌するこ
とにより、ポリアミック酸を得た。
したところ、下記の結果が得られ、この生成物が上記の
反応式(2)中において前駆体(2)を示す式で表され
るポリ〔イミノカルボニルメチレン−(1,2−ジカル
ボキシシクロペンタン−1,4−ジイル)カルボニルイ
ミノ−1,4−フェニレンイミノカルボニル−(1,2
−ジカルボキシシクロペンタン−4,1−ジイル)メチ
レンカルボニルイミノ−1,4−フェニレン〕(以下、
「前駆体(2−2)」という。)であることが確認され
た。
r),1777,1709cm-1.
チルホルムアルデヒド溶液に、4ミリリットルのN,N
−ジメチルホルムアルデヒドと、脱水剤として無水酢酸
3ミリリットルと、イミド化触媒としてピリジン2ミリ
リットルとを逐次に加えて室温で1時間撹拌した後、そ
の反応液をアルゴンガス雰囲気中にて130℃で5時間
加熱した。この反応系を冷却して黄色反応液を得、これ
を300ミリリットルのメタノール中に注いで沈殿させ
て、この沈殿物をメタノールで洗浄して130℃で真空
下にて一晩かけて乾燥させることにより、固有粘度0.
20dL/g、分解温度428℃、数平均分子量1.1
×104 、多分散性指数1.7の透明なポリマーを得
た。得られたポリマーについてIR測定したところ、下
記の結果が得られ、この生成物が上記の一般式(ii)
で表される繰り返し数mが約20である繰り返し単位に
より構成されるポリイミドであることが確認された。ま
た、このポリイミドの核磁気共鳴スペクトルを、図1の
(b)に示す。
688,1361,1328cm-1.
2)をガラスのプレート上に塗布し、50℃で真空下に
て24時間乾燥させた後、100℃で1時間、次いで2
00℃で1時間、更に240℃で2時間加熱して熱によ
るイミド処理を行うことにより、厚さ30μmのフィル
ムを得た。このフィルムは、絶縁性、耐熱性、透明性を
有するものであった。
ェニレンジアミンおよびN,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド溶液に加えて得られた生成物を実施例1と同様の方
法によりイミド化処理することにより、固有粘度0.7
9dL/g、分解温度430℃の透明なポリマーを得
た。得られたポリマーについてIR測定したところ、こ
の生成物が上記の一般式(i)および一般式(ii)で
表される繰り返し単位により構成されるポリイミドであ
ることが確認された。また、このポリイミドの核磁気共
鳴スペクトルを、図1の(c)に示す。
参考例に係るポリイミドの核磁気共鳴スペクトルを比較
したところ、実施例1に係るポリイミドには、N−Hに
おいて1つのピーク、Ar−Hにおいて2つのピークが
確認され、また、実施例2に係るポリイミドには、N−
Hにおいて実施例1に係るポリアミドと異なる1つのピ
ーク、Ar−Hにおいて実施例1に係るポリイミドとは
異なる位置に完全な2つのピークが確認されている。こ
れにより、この実施例1に係るポリイミドと、実施例2
に係るポリイミドとは異なる構造を有するものであるこ
とが明らかである。一方、参考例に係るポリイミドは、
N−HおよびAr−Hの両者において実施例1に係るポ
リイミドおよび実施例2に係るポリイミドの両者と同様
同数の位置に同形のピークが確認されており、従って、
このポリイミドが、両者の構造特性を有しており、両者
の混合系であることが明らかである。
に係るポリイミドは、その主鎖に異性体構造を含んでお
らず、固有粘度が低く、溶解性が高いという特性を有す
ることが確認された。また、実施例1および実施例2に
係るポリイミドよりなるフィルムは、絶縁性、耐熱性、
透明性を有するものであり、電気絶縁材、耐熱性被覆
膜、表面保護膜、液晶配向膜形成剤などの材料として好
適に用いることができる可能性を有するものであること
が確認された。
の1つとして用いたポリアミック酸の製造に基づいて、
制御された構造のポリイミドであり、具体的には、実質
的に主鎖においてイミド基を有する非対称の無水物単量
体が頭−尾結合されてのみなるポリイミドと、実質的に
主鎖においてイミド基を有する非対称の無水物単量体が
頭−頭結合されてのみなるポリイミドとの2種である。
これらのポリイミドは、主鎖に異性体構造を含むポリイ
ミドとは異なる特性を有するものである。
DAnを単量体の1つとして用いて新規な分子構造を有
するポリイミドを製造することができる。
ミドの核磁気共鳴スペクトル図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される繰り返し単
位により構成されていることを特徴とするポリイミド。 【化1】 〔式中、X1 は、2価の有機基を示し、繰り返し数nは
2以上の整数を示す。〕 - 【請求項2】 下記式(A)で表されるジカルボン酸化
合物を反応させることによりポリイミドを得ることを特
徴とするポリイミドの製造方法。 【化2】 〔式中、X1 は、2価の有機基を示し、Rは、炭素数1
〜3の低級アルキル基またはフェニル基を示す。〕 - 【請求項3】 rel−[1S,5R,6R]−3−オ
キサビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン
−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,
5’−ジオン)と、4−ニトロアニリンとを反応させる
ことにより、ジカルボン酸化合物を得ることを特徴とす
る請求項2に記載のポリイミドの製造方法。 - 【請求項4】 下記一般式(2)で表される繰り返し単
位により構成されていることを特徴とするポリイミド。 【化3】 〔式中、X2 およびX3 は、同一であっても異なってい
てもよく、それぞれ独立に2価の有機基を示し、繰り返
し数mは1以上の整数を示す。〕 - 【請求項5】 下記式(B)で表されるジカルボン酸化
合物を反応させることによりポリイミドを得ることを特
徴とするポリイミドの製造方法。 【化4】 〔式中、X2 は、2価の有機基を示す。〕 - 【請求項6】 rel−[1S,5R,6R]−3−オ
キサビシクロ[3,2,1]オクタン−2,4−ジオン
−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,
5’−ジオン)と、p−フェニレンジアミンを反応させ
ることにより、ジカルボン酸化合物を得ることを特徴と
する請求項5に記載のポリイミドの製造方法。
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- 2001-01-30 JP JP2001021550A patent/JP4734722B2/ja not_active Expired - Lifetime
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