JP2002226501A - カチオン化セルロース誘導体 - Google Patents

カチオン化セルロース誘導体

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JP2002226501A
JP2002226501A JP2001021676A JP2001021676A JP2002226501A JP 2002226501 A JP2002226501 A JP 2002226501A JP 2001021676 A JP2001021676 A JP 2001021676A JP 2001021676 A JP2001021676 A JP 2001021676A JP 2002226501 A JP2002226501 A JP 2002226501A
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cellulose
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Shinji Sato
伸治 佐藤
Koji Hosokawa
幸司 細川
Norihiro Hanada
宣弘 花田
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Jujo Paper Co Ltd
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Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なカチオン化セルロース誘導体として、
保水性、保形性、分散性が良好であり、またアニオン性
部材との親和性に優れ、特に酸性条件下でもその機能を
維持することができる水不溶性、水膨潤性のカチオン化
セルロース誘導体を提供する。 【解決手段】 無水グルコース単位当たりの四級アンモ
ニウム基の置換度が0.01〜0.4であり、且つ平均粒子径
が50μm以下である水不溶性、水膨潤性のカチオン化セ
ルロース誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース系材料の新
規なカチオン化誘導体に関するものであり、保水剤、保
形剤、粘度調整剤、分散安定剤、凝沈剤、吸着剤、保存
剤、帯電防止剤、プラスチック用添加剤、塗料・接着剤
用添加剤、化粧品・シャンプー・トリートメント等の添
加剤、製紙用顔料等として、医薬、化粧品、樹脂、塗
料、染色、接着剤、製紙、土木、建築等のさまざまな分
野で利用できる。
【0002】
【従来の技術】セルロース繊維を酸加水分解等による化
学粉砕や各種粉砕機による機械粉砕、又は両者の組み合
わせによって微細化、粉末化して得られるセルロース粒
子は、保水性、保形性、成形性、分散性、無味・無臭性
などの特徴を利用して、食品添加剤、医薬用賦形剤、濾
過助剤、各種工業用充填剤として利用されている。
【0003】しかし、単にセルロースを微細化、粉末化
しただけでは、分散安定性が悪く、保水性も満足できる
ものではなかった。また、セルロース粒子自身は化学的
に不活性であり、ノニオン性であることから、各種添加
剤として使用した場合、利用分野によっては他の素材と
の親和性に乏しく、比較的非効果的にしか利用できなか
った。
【0004】セルロース粒子の分散安定性を改良するこ
とを目的に粉砕を強化して微粒子化し、更にセルロース
粒子とカルボキシメチルセルロース、ザンタンガム、又
はカラヤガム等に代表される水溶性多糖類等の水溶性高
分子を摩砕練合して複合化することが試みられてきた
(特開昭54-54169、特開平07-268129、特開平05-2663
8)。
【0005】しかし、この方法では分散安定性を改良す
ることを目的にセルロースを必要以上に微粒子化する必
要があるため、樹脂や塗料に添加した場合、セルロース
粒子を添加したことによる風合い改善効果や嵩高効果が
弱くなるばかりか、微粒子化する過程でセルロース重合
度の低下を招くため、セルロース粒子の機械的強度が弱
くなる問題がある。更には水溶性高分子と複合化してい
る為、水中へ分散したときの溶液粘度が上昇する問題が
ある。
【0006】一方、セルロース粒子表面の水酸基を種々
の官能基で置換して、セルロース粒子を改質する試みが
なされている。例えば、カルボキシメチル基で置換して
表面をアニオン性に改質することが特公平3-2881、特開
平10-251301に記載されており、セルロース粒子表面の
親水性、保水性が向上することにより、分散安定性と食
品に添加した時の滑らかな舌触りを付与している。ま
た、アセチル基で置換して表面を疎水性に改質する試み
が特開平9-22150に記載されており、ゴム・プラスチッ
ク樹脂等の疎水性部材との親和性を高めることにより、
セルロース粒子と疎水性部材との界面剥離による強度低
下の防止と耐水性を付与している。
【0007】しかし、カルボキシメチル基でセルロース
粒子表面をアニオン性に改質する方法では、酸性条件下
でカルボキシメチル基がアニオン性を失うため上記効果
が無くなることや、ポリ乳酸やポリアクリル酸等のアニ
オン性部材に対する親和性が悪い等の問題がある。ま
た、アセチル基で疎水性に改質する方法に於いても、水
系での使用が困難であったり、親水性部材との親和性が
悪い等の問題がある。
【0008】一方、セルロースに四級アンモニウム基等
のカチオン基を導入する試みは古くから行われており、
特公昭39-5985、特公昭46-40510、特開昭60-9980にはセ
ルロース系繊維にカチオン性の化合物を付与し、繊維表
面をカチオン帯電させてアニオン性染料との親和性を向
上することにより、優れた染色性、柔軟性、摩擦堅牢度
を付与している。しかし、これらはセルロースが繊維
状、又はその織物の形状、形態を取っており、流動性が
悪く粉体としての取り扱いが困難であり、又各種工業用
添加剤として使用した際の分散性が悪く、セルロース粒
子としての特徴が弱いなどの問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、保水性、保形性、分散性が良好で
あり、またアニオン性部材との親和性に優れ、特に酸性
条件下でもその機能を維持することができることによっ
て、保水剤、保形剤、粘度調整剤、分散安定剤、凝沈
剤、吸着剤、保存剤、帯電防止剤、プラスチック用添加
剤、塗料・接着剤用添加剤、化粧品・シャンプー・トリ
ートメント等の添加剤、製紙用顔料等として、医薬、化
粧品、樹脂、塗料、染色、接着剤、製紙、土木、建築等
のさまざまな分野で有用な水不溶性、水膨潤性のセルロ
ース誘導体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、セルロース水酸基を四級アンモニウム基
で置換してカチオン性を付与し、且つその平均粒子径を
50μm以下とすることにより、セルロース粒子としての
機能を保持しつつ、その保水性、保形性、分散性を改善
でき、またアニオン性部材との親和性に優れ、特に酸性
条件下でもその機能を維持できることを見出し、本発明
の新規なカチオン化セルロース誘導体を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明は無水グルコース単位当たり
の四級アンモニウム基の置換度が0.01〜0.4であり、且
つ平均粒子径が50μm以下である水不溶性、水膨潤性の
カチオン化セルロース誘導体に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン化セルロース誘
導体を製造する工程は、カチオン化反応を行う工程と、
平均粒子径を50μm以下に粉砕する工程があるが、その
順序は任意である。即ち、セルロース系材料を粉砕して
調製した平均粒子径50μm以下のセルロール粒子を単離
し、或いは単離せずにカチオン化反応を行っても良い
し、セルロース系材料をカチオン化した後に単離し、或
いは単離せずに平均粒子径50μm以下に粉砕しても良
い。50μmより大きければ流動性の悪い繊維状物となり
粉体としての取り扱いが困難になると共に、各種添加剤
に使用する場合、分散性が悪くなるなど微細なセルロー
ス粒子がもつ種々の特徴が損なわれるからである。
【0013】本発明の原料としては、木材パルプ、リン
ターパルプ、バクテリアセルロース、再生セルロース、
木粉など慣用のセルロース系材料が用いられる。また、
微結晶セルロース(商品名「アビセル」(旭化成工業
製)、など)や粉末セルロース(商品名「KCフロッ
ク」(日本製紙製)、など)など既に微細化されている
市販セルロース製品も使用可能であり、それらの中で平
均粒子径が50μm以下のものを選択すれば、以下に記載
する粉砕の工程を省略することができる。
【0014】セルロース系材料を平均粒子径50μm以下
に粉砕する工程は、公知の方法、即ち鉱酸又は有機酸に
よる酸加水分解、アルカリ酸化分解等の化学的粉砕、セ
ルロース分解酵素による酵素的粉砕、粉砕機による機械
的粉砕、爆砕処理、更にはこれらの粉砕を組み合わせる
ことにより微細化しても良い。機械的粉砕に用いる粉砕
機としては、ナイフミル、ハンマーミル、ピンミル等の
衝撃式ミル、振動又は回転ボールミル、タワーミル、湿
式ビーズミル等の媒体ミル、ジェットミル、高圧ホモジ
ナイザー等が例示される。
【0015】カチオン化反応は、公知の方法、例えばグ
リシジルトリアルキルアンモニウムハライドをカチオン
化剤に用いる場合、セルロース系材料にカチオン化剤と
触媒である水酸化アルカリ金属を作用させることにより
行われる。反応溶媒としてセルロース系材料に対し3〜2
0重量倍の水、或いは低級アルコール、具体的にはメタ
ノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n-ブタノール等の単独又は水との混合
溶媒が使用できる。水酸化アルカリ金属としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用できる。カチオ
ン化反応は通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃で、30分
〜10時間、好ましくは1〜4時間行われる。尚、エーテル
化剤と触媒の使用量は、発底原料、反応系の溶媒組成、
反応器の機械的条件、その他要因によって適宜調整され
るが、カチオン化セルロース誘導体のカチオン基の置換
度が0.01〜0.4の範囲になるように調整しなければなら
ない。置換度が0.01未満ではカチオン基に由来する水膨
潤部分が十分形成されず、本発明の特徴とする保水性、
保形性、分散性等の性能が発揮されず、またアニオン性
部材との親和性も弱い。一方、置換度が0.4よりも高く
なると水溶性部分が増加し、水への溶解が起こり易くな
り、水不溶性、水膨潤性のセルロース粒子としての特徴
がなくなる。
【0016】本発明のカチオン化反応に用いるカチオン
化剤は、セルロース系材料の水酸基と反応する基及び四
級アンモニウム基を有する。セルロース系材料の水酸基
と反応する基としては、その水酸基と反応して共有結合
を形成する反応基であれば特に限定はなく、例えば、エ
ポキシ基又はそれを形成し得るハロヒドリン基等、活性
ハロゲン基、活性ビニル基、メチロール基等が挙げられ
る。これらの内、反応性の点からエポキシ基又はそれを
形成し得るハロヒドリン基が好ましい。また四級アンモ
ニウム基は−N(R)(但し、式中のRは置換基を有
しても良いアルキル基、アリール基又は複素環基であ
る)なる構造を有する。カチオン化剤を例示するなら
ば、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロリド等の様なグリシジルトリアルキルアンモニウムハ
ライド或いはそのハロヒドリン型等が挙げられる。
【0017】カチオン化反応終了後、残存する水酸化ア
ルカリ金属塩を鉱酸、或いは有機酸により中和した後、
常法により洗浄、精製、乾燥してカチオン化セルロース
誘導体を得る。乾燥物が凝集した塊状物である場合、ナ
イフミル、ハンマーミル、ピンミル等の衝撃式ミルで解
砕することにより粉末状の製品となり、使用時のハンド
リングが良好となる。
【0018】一方、セルロース系材料をカチオン化して
カチオン化セルロース誘導体を調製した後に、平均粒子
径を50μm以下に粉砕する場合、先に述べたセルロース
系材料の粉砕と同じ方法で粉砕される。但し、化学的粉
砕、酵素的粉砕、爆砕処理では、カチオン化されている
部分が分解され可溶化するため、機械的粉砕のみによる
方法が好ましい。
【0019】本発明のカチオン化セルロース誘導体は、
保水剤、保形剤、粘度調整剤、分散安定剤、凝沈剤、吸
着剤、保存剤、帯電防止剤、プラスチック用添加剤、塗
料・接着剤用添加剤、化粧品・シャンプー・トリートメ
ント等の添加剤、製紙用顔料等として、医薬、化粧品、
樹脂、塗料、染色、接着剤、製紙、土木、建築等のさま
ざまな分野で利用することができる。これらにおけるカ
チオン化セルロース誘導体添加量は目的に応じて適宜求
められる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施の形態を実施例により
示すが、本発明はこれら実施例により限定されるもので
はない。尚、配合量を示す「部」は全て「重量部」を示
す。また、本発明で使用する試料の物性評価、性能評価
方法は次の通りであり、各実施例の評価結果を表1に示
す。
【0021】(1)カチオン基の置換度 ケルダール法により試料の窒素含有量(%)を測定し、
次式により算出して求めた。ここで言う置換度とは、無
水グルコース単位1モル当たりの平均的な置換基のモル
数を表している。尚、次式はカチオン化剤にグリシジル
トリメチルアンモニウムクロリド或いはそのハロヒドリ
ン型を用いた場合の式である。 カチオン基の置換度=(162×N)/(1400−1
51.6×N) N:窒素含有量(%) (2)平均粒子径 日機装社製のレーザー回折散乱式粒度分布計(マイクロ
トラックFRA)を用い、分散媒にメタノールを用いて測
定を行い、積算体積50%の粒子径を平均粒子径とした。 (3)溶解性試験 試料2gをpH3.5又はpH7.5の水100mlに添加し、攪拌機で6
0分間撹拌した後、試料の状態を目視で判定した。 判定:○−溶解、△−不溶(膨潤あり)、×−不溶(膨
潤なし) (4)水分散性試験 試料1gをpH3.5又はpH7.5の水100mlに添加し、攪拌機で6
0分間撹拌した後、メスシリンダーに移し、24時間後の
試料の分散状態を目視で判定した。 判定:○−均一に分散、△−沈殿を生じる、×−沈殿を
生じ且つ透明な上澄みを生じる。 (5)保水性試験 試料2gをpH3.5又はpH7.5の水100mlに分散し、遠心カッ
プと呼ばれるろ過容器に移して吸引ろ過した後、ろ過容
器を遠沈管に装着し、遠心器で3,000G、15分間遠心脱
水した。脱水した試料を取り出して秤量し、次に105℃
で乾燥して絶乾重量を測定した。保水度は以下の式から
求めた。 保水度(%)=100×(A−B)/B A:遠心分離後の試料重量、B:絶乾後の試料重量
【0022】[実施例1]回転数を100rpmに調節した二
軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール570部と水酸
化ナトリウム12部を水30部に溶解したものを加え、市販
の溶解パルプを絶乾で200部仕込んだ。30℃で90分間撹
拌、混練した後、更に撹拌しつつ3-クロロ-2-ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの50%水溶
液56部を添加した。70℃に昇温して90分間反応した後、
反応物を取り出して80%メタノールで2回洗浄し、中
和、脱液、乾燥した。乾燥物をハンマーミルで粉砕後、
ジェットミルで粉砕し、カチオン基の置換度が0.048で
あり且つ平均粒子径が32μmのカチオン化セルロース誘
導体を得た。
【0023】[実施例2]2L容セパラブルフラスコに9
9%イソプロピルアルコール620部と水酸化ナトリウム40
部を水80部に溶解したものを加え、市販の粉末セルロー
ス(KCフロックW-100G、平均粒子径37μm、日本製紙
製)を絶乾で200部仕込んだ。300rpmで30℃で90分間撹
拌した後、更に撹拌しつつ3-クロロ-2-ヒドロキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロリドの50%水溶液200
部を添加した。70℃に昇温して90分間反応した後、反応
物を取り出して80%メタノールで2回洗浄し、中和、脱
液、乾燥した。乾燥物をハンマーミルで解砕し、カチオ
ン基の置換度が0.132であり且つ平均粒子径が35μmのカ
チオン化セルロース誘導体を得た。
【0024】[実施例3]回転数を100rpmに調整したに
軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール880部と水酸
化ナトリウム100部を水120部に溶解したものを加え、市
販の溶解パルプを絶乾で200部仕込んだ。30℃で90分間
撹拌、混練した後、更に撹拌しつつ酢酸70部と3-クロロ
-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリ
ドの50%水溶液460部を添加した。70℃に昇温して90分
間反応した後、反応物を取り出して80%メタノールで2
回洗浄し、中和、脱液、乾燥した。乾燥物をハンマーミ
ルで解砕後、ジェットミルで粉砕し、カチオン基の置換
度が0.294であり且つ平均粒子径が22μmのカチオン化セ
ルロース誘導体を得た。
【0025】[実施例4]2L容セパラブルフラスコに9
9%イソプロピルアルコール880部と水酸化ナトリウム10
0部を水120部に溶解したものを加え、市販の粉末セルロ
ース(KCフロックW-10MG、平均粒子径11μm、日本製
紙製)を絶乾で200部仕込んだ。300rpmで30℃で90分間
撹拌した後、更に撹拌しつつ酢酸70部と3-クロロ-2-ヒ
ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの50
%水溶液460部を添加した。70℃に昇温して90分間反応
した後、反応物を取り出して80%メタノールで2回洗浄
し、中和、脱液、乾燥した。乾燥物をハンマーミルで解
砕し、カチオン基の置換度が0.325であり且つ平均粒子
径が10μmのカチオン化セルロース誘導体を得た。
【0026】[比較例1]市販の粉末セルロースKCフ
ロックW-10MG(平均粒子径11μm、日本製紙製)を用い
た。
【0027】[比較例2]回転数を100rpmに調節した二
軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール570部と水酸
化ナトリウム5部を水30部に溶解したものを加え、市販
の溶解パルプを絶乾で200部仕込んだ。30℃で90分間撹
拌、混練した後、更に撹拌しつつ3-クロロ-2-ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロリドの50%水溶
液15部を添加した。70℃に昇温して90分間反応した後、
反応物を取り出して80%メタノールで2回洗浄し、中
和、脱液、乾燥した。乾燥物をハンマーミルで粉砕後、
ジェットミルで粉砕し、カチオン基の置換度が0.005で
あり且つ平均粒子径が33μmのカチオン化セルロース誘
導体を得た。
【0028】[比較例3]回転数を100rpmに調節した二
軸ニーダーに99%イソプロピルアルコール880部と水酸
化ナトリウム100部を水120部に溶解したものを加え、市
販の溶解パルプを絶乾で200部仕込んだ。30℃で90分間
撹拌、混練した後、更に撹拌しつつ酢酸70部と3-クロロ
-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリ
ドの50%水溶液460部を添加した。70℃に昇温して90分
間反応した後、反応物を取り出して80%メタノールで2
回洗浄し、中和、脱液、乾燥した。乾燥物をハンマーミ
ルで粉砕し、カチオン基の置換度が0.302であり且つ平
均粒子径が68μmのカチオン化セルロース誘導体を得
た。
【0029】[比較例4]2L容セパラブルフラスコに9
9%イソプロピルアルコール880部と水酸化ナトリウム10
0部を水120部に溶解したものを加え、実施例3で得たカ
チオン化セルロース誘導体を絶乾で200部仕込んだ。300
rpmで30℃で90分間撹拌した後、更に撹拌しつつ酢酸70
部と3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロリドの50%水溶液460部を添加した。70℃に
昇温して90分間反応した後、反応物を取り出して80%メ
タノールで2回洗浄し、中和、脱液、乾燥した。乾燥物
をハンマーミルで解砕し、カチオン基の置換度が0.547
であり且つ平均粒子径が8μmのカチオン化セルロース誘
導体を得た。尚、得られた試料は、水に溶解したため、
分散性と保水度の評価は測定できなかった。
【0030】[比較例5]2L容セパラブルフラスコに9
9%イソプロピルアルコール840部と水酸化ナトリウム80
部を水160部に溶解したものを加え、市販の粉末セルロ
ース(KCフロックW-10MG、平均粒子径11μm、日本製
紙製)を絶乾で200部仕込んだ。300rpmで30℃で90分間
撹拌した後、更に撹拌しつつ50%のモノクロロ酢酸のイ
ソプロピルアルコール溶液100部を添加した。70℃に昇
温して90分間反応した後、反応物を取り出して80%メタ
ノールで2回洗浄し、中和、脱液、乾燥した。乾燥物を
ハンマーミルで解砕し、カルボキシメチル基の置換度が
0.316であり且つ平均粒子径が9μmの水不溶性、水膨潤
性のカルボキシメチルセルロース誘導体を得た。
【0031】
【表1】表1 *カルホ゛キシメチル基の置換度を表示
【0032】
【発明の効果】セルロースの水酸基を四級アンモニウム
基で軽度に置換し、且つその平均粒子径を50μm以下と
した水不溶性、水膨潤性のカチオン化セルロースは、保
水性、保形性、分散性が良好であり、またアニオン性部
材との親和性に優れ、特に酸性条件下でもその機能を維
持することができる。この新規なセルロース誘導体は保
水剤、保形剤、粘度調整剤、分散安定剤、凝沈剤、吸着
剤、保存剤、帯電防止剤、プラスチック用添加剤、塗料
・接着剤用添加剤、化粧品・シャンプー・トリートメン
ト等の添加剤、製紙用顔料等として、医薬、化粧品、樹
脂、塗料、染色、接着剤、製紙、土木、建築等のさまざ
まな分野で利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 宣弘 島根県江津市江津町1280 日本製紙株式会 社内化成品開発研究所内 Fターム(参考) 4C090 AA02 BA34 BB02 BB12 BB36 BB53 BB62 BB84 BB92 BC01 BC15 BD04 BD06 CA01 CA36 DA02 DA11 DA23 DA26 DA28 DA31 DA32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコース単位当たりの四級アンモ
    ニウム基の置換度が0.01〜0.4であり、且つ平均粒子径
    が50μm以下である水不溶性、水膨潤性のカチオン化セ
    ルロース誘導体。
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