JP2023013323A - イオン複合体 - Google Patents

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Takuma Nakamura
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Abstract

【課題】本発明は、耐湿性及び保形性に優れ、かつ、循環型資源であるバイオマス成分を主成分とするイオン複合体を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、成分(A):重量平均分子量が7,000以上であるリグニンスルホン酸系化合物、成分(B):カチオン性高分子、及び、成分(C):セルロース系物質から形成され、イオン複合体の固形分重量に対する成分(A)の含有量が5~70重量%であるイオン複合体、及び各成分を溶媒の存在下混合し、成分(A)~(C)の溶液又は懸濁液を調製することを含む、イオン複合体のその製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、イオン複合体に関する。
従前から、植物系バイオマスの有効活用を目的として、植物体を構成する主要な成分の一つであるリグニンもしくはその誘導体を、成形可能な材料として利用する試みが広く行われている。リグニンスルホン酸は、亜硫酸法によるパルプの生産時や、リグニンの硫酸処理などで得ることができるリグニン由来化合物であり、リグニンと同様に成形可能な材料として利用する試みが行われている。リグニンスルホン酸は、分子内にアニオン性官能基であるスルホ基を多数有するアニオン性高分子であり、高い親水性を有している。一般に、このようなイオン性高分子を材料として利用するための手法として、種々のアニオン性高分子とカチオン性高分子を組み合わせることで、イオン複合体を形成させ、得られた複合体の有する特性に応じて、種々の材料を調製することが行われている。
リグニンスルホン酸とカチオン性高分子の組み合わせに関し、特許文献1には、リグニンスルホン酸とカチオン性高分子を複合化することで、成形性、柔軟性、弾性に加え、自己修復能を有するイオン複合材料が記載されている。特許文献2には、カチオン交換型(すなわちアニオン性)高分子であるリグニンスルホン酸とアニオン交換型(すなわちカチオン性)粘土鉱物から成るイオン複合型粘土組成物が記載されている。特許文献3には、高分子量カチオン重合体と変性リグニンを含む水性セルロース完成紙料から成る組成物により、水切れ性、歩留性、地合の向上した紙が得られることが記載されている。
特開2019-112526号公報 特開2006-133299号公報 特開平7-173790号公報
特許文献1のイオン複合材料は、水系で複合体形成を行うことが可能であるが、乾燥後の成形体は湿度応答性が大きく空気中で吸湿し、水に容易に溶解するという問題点があり、成形材料として工業的に利用するには課題があった。特許文献2のイオン複合型粘土組成物は、成形体の形成を可能とし、水中での保形性に優れるものの、成形体の柔軟性に劣り、更にPEG400等の溶媒を含むことから、安全面での課題があった。また特許文献3の技術は、水性セルロース完成紙料には、高分子量カチオン重合体と変性リグニンを添加して紙質の向上を図る技術であり、紙以外の用途に関するものではない。
本発明は、耐湿性及び保形性に優れ、かつ、循環型資源であるバイオマス成分を主成分とするイオン複合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、リグニンスルホン酸系化合物とカチオン性高分子、更にセルロース系物質とを組み合わせてなる組成物を溶媒中で混合することにより形成させた水溶性ないし水懸濁性のイオン複合体から、多様な形状に成形でき、かつ、耐湿性、保形性を有するイオン複合体が得られることを見出した。具体的には、本発明者らは、リグニンスルホン酸ナトリウム等のリグニンスルホン酸系化合物と、カチオン性高分子と、更にセルロース系物質とを組み合わせることで、これらの高分子の、水溶性ないし水懸濁性のイオン複合体が形成され、これをシャーレなどの平板上で乾燥し溶媒除去することで、シート状や立体状の複合体が容易に得られること、当該複合体が優れた耐湿性及び水中での保形性を有することを見出した。本発明は、本発明者らによるこれらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔9〕を提供するものである。
〔1〕成分(A):重量平均分子量が7,000以上であるリグニンスルホン酸系化合物、
成分(B):カチオン性高分子、及び、
成分(C):セルロース系物質
から形成され、
イオン複合体の固形分重量に対する成分(A)の含有量が5~70重量%である
イオン複合体。
〔2〕成分(A)が、セルロースパウダーを含む、〔1〕に記載のイオン複合体。
〔3〕セルロースパウダーの平均粒子径が、20~100μmである、〔2〕に記載のイオン複合体。
〔4〕成分(A)が、カルボキシメチルセルロース又はその塩を含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載のイオン複合体。
〔5〕カルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度が、0.1以上1.8以下である、〔4〕に記載のイオン複合体。
〔6〕成分(A):重量平均分子量が7,000以上であるリグニンスルホン酸系化合物、
成分(B):カチオン性高分子、及び、
成分(C):セルロース系物質
を、溶媒の存在下混合し、成分(A)~(C)の溶液又は懸濁液を調製することを含む、イオン複合体の製造方法。
〔7〕溶媒の存在下、成分(A)と(B)を混合後、成分(C)を混合する、〔6〕に記載の方法。
〔8〕溶媒の存在下、成分(A)と(C)を混合後、成分(B)を混合する、〔6〕に記載の方法。
〔9〕成分(A)~(C)の溶液又は懸濁液から溶媒を除去することを更に含む、〔6〕~〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
本発明によれば、リグニンスルホン酸系化合物、カチオン性高分子、セルロース系物質から形成され、耐湿性や保形性を発揮できるイオン複合体、及びその容易かつ迅速な製造方法が提供される。
[1.イオン複合体]
イオン複合体は、成分(A)~(C)から形成される。
[成分(A):リグニンスルホン酸系化合物]
成分(A)は、リグニンスルホン酸系化合物である。
-リグニンスルホン酸系化合物の定義―
本明細書において、リグニンスルホン酸系化合物とは、リグニンのヒドロキシフェニルプロパン構造の側鎖α位の炭素が開裂してスルホ基が導入された骨格を有する化合物、その変性物又はそれらの塩である。上記骨格部分の構造を式(1)に示す。
Figure 2023013323000001
(1)
なお、リグニンスルホン酸系化合物の化学構造を、一般式などで一律に特定することは困難である。その理由は、リグニンスルホン酸系化合物の骨格であるリグニンが非常に複雑な分子構造をしているためである。
-変性リグニンスルホン酸系化合物-
上記式(1)で示される骨格を有する化合物の変性物(以下、「変性リグニンスルホン酸系化合物」ともいう)は、上記化合物が変性されてなる化合物である。変性方法としては、加水分解、アルキル化、アルコキシル化、スルホン化、スルホン酸エステル化、スルホメチル化、アミノメチル化、脱スルホン化、ポリエチレングリコール化など化学的に変性する方法;リグニンスルホン酸系化合物を限外濾過により分子量分画する方法が例示される。このうち、化学的な変性方法が好ましく、加水分解、アルコキシル化、脱スルホン化及びアルキル化、ポリエチレングリコール化からなる群より選ばれる1又は2以上の反応が好ましい。
-リグニンスルホン酸系化合物塩-
リグニンスルホン酸系化合物が塩の形態を取る場合、塩としては、例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩が挙げられる。このうち、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カルシウム・ナトリウム混合塩が好ましい。
-リグニンスルホン酸系化合物の製造方法-
リグニンスルホン酸系化合物の製造方法及び由来は、特に限定されず、天然物及び合成品のいずれでもよい。リグニンスルホン酸系化合物は、酸性条件下で木材を蒸解して得られる亜硫酸パルプの廃液の主成分の1つである。このため、亜硫酸パルプ廃液由来のリグニンスルホン酸系化合物を用いてもよい。
-リグニンスルホン酸系化合物の製造方法―
リグニンスルホン酸系化合物(例えば、変性リグニンスルホン酸系化合物)は、市販品に豊富に含まれているので、成分(A)としてこのような市販品を用いてもよい。市販品としては、バニレックスHW(日本製紙社製)、サンエキスM(日本製紙社製)、パールレックスNP(日本製紙社製)、サンフローRH(日本製紙社製)などが例示される。
―リグニンスルホン酸系化合物の重量平均分子量―
リグニンスルホン酸系化合物の重量平均分子量は、7,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。これにより、成分(B)との複合性が良好であり、均一なイオン複合体を得ることができる。上限は、300,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、80,000以下が更に好ましい。これにより、保形性が良好なイオン複合体を得ることができる。従って、重量平均分子量は、7,000~300,000が好ましく、10,000~100,000がより好ましく、10,000~80,000が更により好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。GPCの測定条件は特に限定されるものではないが、以下の条件を例示することができる。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製又はGLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
成分(A)は、リグニンンスルホン酸系化合物1種類でもよいし、分子量、製造方法、由来等の異なる2種以上の組み合わせでもよい。
-成分(A)の含有量-
成分(A)の含有量は、特に限定されるものではなく、イオン複合体の組成、種類、量に応じて適宜調節すればよい。一例としては、成分(A)~(C)の合計量に対し5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。これにより、イオン複合体の保形性を向上させることができる。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。これにより、イオン複合体の耐湿性を向上させることができる。従って、成分(A)の含有量が、5~70重量%が好ましく、10~60重量%がより好ましく、更に20~60重量%が更に好ましい。
[成分(B):カチオン性高分子]
成分(B)は、カチオン性高分子である。カチオン性高分子としては、例えば、1級、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム基及びイミノ基のうち少なくとも1種以上の官能基を複数有する高分子を挙げることができる。1級、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム基及びイミノ基のうち少なくとも1種以上の官能基を有する単一のモノマーから成る高分子が好ましい。具体的なこのようなカチオン性高分子としては、例えば、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、キトサン、カチオン化セルロース、カチオン化カルボキシメチルセルロース、カチオン化デンプン、カチオン化ヒアルロン酸、カチオン化グアーガム、α-ポリリジン、ε-ポリリジン、α-ポリオルニチン、δ-ポリオルニチン、リジン含有タンパク質、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルN-メチルピリジン)、ポリ{[3-(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウム}、ポリ[(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム]、ポリ{[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム}、ポリ{[2-(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム};これらのカチオン性高分子の1級、2級、3級アミノ基を4級アンモニウム化したもの;ポリアルギニン、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)、ポリヘキサメチレングアニジン、シアノフィシン、アルギニン含有タンパク質などのイミノ基を有する化合物;及びこれらの塩が挙げられる。カチオン性高分子が塩の形態である場合、塩としては、水溶性を付与できる観点から、例えば、塩酸塩などの無機酸塩、酢酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
-カチオン性高分子の重量平均分子量-
カチオン性高分子の重量平均分子量は、好ましくは50,000以上、より好ましくは100,000以上、更に好ましくは150,000以上である。上限は、好ましくは500,000以下、より好ましくは450,000以下、更に好ましくは400,000以下である。従って、好ましくは50,000~500,000、より好ましくは100,000~450,000、更に好ましくは150,000~400,000である。
成分(B)は、カチオン性高分子1種類でもよいし、分子量、構造等の異なる2種以上の組み合わせでもよい。
-成分(B)の含有量-
成分(B)の含有量は、特に限定されるものではなく、イオン複合体の組成や種類、量に応じて適宜調節すればよい。一例としては、成分(A)~(C)の合計量に対し5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。これにより、イオン複合体の保形性を向上させることができる。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましい。これにより、イオン複合体の耐湿性を向上させることができる。従って、成分(B)の含有量は、5~70重量%が好ましく、10~60重量%がより好ましく、20~50重量%が更に好ましい。
[成分(C):セルロース系物質]
成分(C)は、セルロース系物質である。セルロース系物質としては、例えば、セルロース(天然セルロース、再生セルロース);カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体;これらの塩が挙げられる。セルロース系物質は、セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上を含む物質でもよい。セルロース系物質は、通常、繊維状、粉末状であり、植物から得ることができる。例えば、木材を起源とするセルロース系物質(例えば、木粉、木材パルプ);綿花を起源とするセルロース系物質(例えば、木綿、リンター繊維);これらの加工又は精製品(例えば、セルロースパウダー、セルロースナノファイバー、化学変性セルロースナノファイバー、カルボキシメチルセルロース)が挙げられる。セルロース系物質としては、木材パルプ、セルロースパウダー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、セルロースパウダー、カルボキシメチルセルロースがより好ましい。
-セルロースパウダー-
セルロースパウダーは、通常、植物原料(例えば、木材パルプ)を分解して得られる。分解の方法としては、例えば、酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸)による解重合(例えば酸加水分解による部分的解重合)、機械粉砕、又はこれらの組み合わせが挙げられ、機械粉砕を少なくとも含む方法が好ましい。機械粉砕は、粉砕機等の機械を用いて行うことができる。粉砕機としては、例えば、カッティング式ミル、ハンマー式ミル、衝撃式ミル、気流式ミル、竪型ローラーミルが挙げられる。機械粉砕の前に酸による解重合を行う場合、中和、洗浄、脱液、乾燥等の前処理を行うことが好ましい。
複合体の製造方法として後述する混合方法2を採用する場合、酸分解を経ずに機械粉砕で製造されるセルロースパウダーが好ましい。これにより、高アルカリ条件下においてもセルロース分解物の溶出による補強効果の低下を抑制できる。
セルロースパウダーの平均粒子径は、20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましく、30μm以上が更に好ましい。これにより、セルロースパウダーを反応系に添加する際、飛散を抑制し混合性を向上できる。上限は、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。これにより、イオン複合体形成時の混練性、及び得られるイオン複合体の平滑性を維持できる。従って、セルロースパウダーの平均粒子径は、20~100μmが好ましく、25~80μmがより好ましく、30~60μmが更に好ましい。
本明細書において、平均粒子径は、体積蓄積分布が50%のときの粒子径である。体積蓄積分布は、レーザー散乱法により求めることができる。測定装置、測定条件としては、以下の方法を例示できる。
・測定装置:レーザー回析式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000、スペクトリス株式会社、マルバーンパナリティカル事業部)
・測定条件:3500rpmで攪拌されている水中の測定部に、散乱強度が10%程度になるように試料を添加して下記の条件で測定できる。
解析:汎用
解析感度:強調
光散乱モデル:Mie理論
セルロースパウダーの見掛比重は、0.1g/ml以上が好ましく、0.15g/ml以上がより好ましい。これにより、セルロースパウダーを反応系に添加する際の飛散による作業性の低下を抑制できる。上限は、0.6g/ml以下が好ましく、0.45g/ml以下がより好ましく、0.4g/ml以下が更に好ましい。これにより、セルロースパウダーを反応系に添加する際の沈降の発生による分散性の低下を抑制できる。従って、0.1~0.6g/mlの範囲が好ましく、0.1~0.45g/mlの範囲がより好ましく、0.15~0.4g/mlの範囲が更に好ましい。
本明細書において、見掛比重は、単位体積(1mL)あたりのセルローパウダーの質量である。見掛比重の測定は、例えば、メスシリンダー(例えば、100mL容)に試料(例えば、10g)投入し、メスシリンダーの底を試料の高さが低下しなくなるまでたたき続けた後、平らになった表面の目盛を読んで体積を測定し、試料の重量を体積で割ることにより算出できる。
セルロースパウダーは、第十七改正日本薬局方の「結晶セルロース」「粉末セルロース」、医薬部外品原料規格の「結晶セルロース」、食品添加物公定書の「微結晶セルロース」の各規格に適合したものでもよい。
-カルボキシメチルセルロース又はその塩-
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、通常、木材パルプ等のセルロース原料をカルボキシメチル化して得られる。カルボキシメチル化は、通常、セルロース原料をマーセル化剤(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩)で処理してマーセル化セルロース(アルカリセルロース)を調製した後、エーテル化剤(例えば、モノクロロ酢酸)を添加してエーテル化反応させることにより進められる。
-エーテル化度-
カルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度(カルボキシメチル置換度:DS)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。これにより、イオン複合体(乾燥済み)を水に浸漬した際の保形性を向上させることができる。上限は、1.8以下であることが好ましく、1.6以下であることがより好ましく、1.5以下であることが更に好ましい。これにより、カチオンポリマーとのイオン間相互作用が適度な範囲に抑えられ、イオン複合体形成時の混練性を良好にできる。従って、カルボキシメチルセルロース又はその塩のDSは、0.1~1.8が好ましく、0.1~1.6がより好ましく、0.2~1.5が更に好ましい。これにより、イオン複合体調製時におけるカルボキシメチルセルロース又はその塩の混合性、及びイオン複合体の保形性を向上させることができる。
本明細書において、DSは、セルロース中炭素原子6個当たりのエーテル化度mol数(mol/C6)を表し、セルロース当たりのカルボキシ基を表す。DSは、試料中のカルボキシメチルセルロースを中和するのに必要な水酸化ナトリウム等の塩基の量を測定して確認することができる。この場合、カルボキシメチルセルロース又はその塩のカルボキシメチルエーテル基が塩の形態である場合には、測定前に予めカルボキシメチルセルロースに変換しておく。測定の際には、塩基、酸を用いた逆滴定、フェノールフタレイン等の指示薬を適宜組み合わせることができる。
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、25℃でのB型粘度計(30rpm)で測定された1質量%水溶液の粘度が1~10,000mPa・sのものが好ましく、5~8,000mPa・sのものがより好ましく、5~5,000mPa・sのものが更に好ましい。上記範囲にあることで、イオン複合体中で粘度の極端な増加を防ぎつつ、本発明の効果を発揮させやすい。
上記粘度の測定方法としては、例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩の1質量%水溶液を調製し、その粘度を25℃の条件下B型粘度計を用いて回転数30rpmの条件下で測定する方法が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースが塩の形態をとる場合、塩としては、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩等の無機塩が挙げられる。
カルボキシメチルセルロース又はその塩は、第十七改正日本薬局方の「カルメロース」「カルメロースナトリウム」「カルメロースカルシウム」「クロスカルメロースナトリウム」、医薬部外品原料規格の「カルボキシメチルセルロースナトリウム」「乾燥カルボキシメチルセルロースナトリウム」、食品添加物公定書の「カルボキシメチルセルロースカルシウム」「カルボキシメチルセルロースナトリウム」の各規格に適合したものでもよい。
(C)成分は、セルロース系物質1種類でもよいし、分子量、構造等の異なる2種以上の混合物でもよい。
-成分(C)の含有量-
成分(C)の含有量は、特に限定されるものではなく、イオン複合体の組成や種類、量に応じて適宜調節すればよい。一例としては、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上が更に好ましい。これにより、イオン複合体の耐湿性を向上させることができる。上限が、80重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましく、40重量%以下が更に好ましい。成分(C)の含有量が80重量%以下であると、イオン複合体の保形性が良好であり、表面硬度を高めることができる。従って、イオン複合体100重量%に対し、成分(C)が、1~80重量%が好ましく、5~60重量%がより好ましく、更に10~40重量%が更に好ましい。
[任意成分]
イオン複合体は、成分(A)~(C)以外の任意成分を必要に応じて含んでもよい。任意成分としては、例えば、酸化防止剤、防腐剤、安定剤、溶媒が挙げられる。
-溶媒-
溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン等の水と溶解し得る有機溶媒が挙げられ、2種以上の混合溶媒でもよい。なかでも、安全面の観点から水が好ましい。
[イオン複合体の形態]
イオン複合体は、成分(A)~(C)から形成されていればよい。その形態は、例えば、各成分がイオン結合、水素結合等結合している形態、結合していない組成物の形態が挙げられる。
イオン複合体は、溶媒(例えば、水)に溶解又は懸濁(分散)した状態(液状)でもよいし、実質的に溶媒を含まない状態(固形状)でもよい。
[2.イオン複合体の調製方法]
上記イオン複合体は、成分(A)~(C)を溶媒の存在下混合する工程(混合工程)を含む方法により製造されることが好ましい。
-混合工程-
混合工程は、成分(A)~(C)と溶媒を一括又は順次系内に添加して行えばよく、順次系内に添加して行うことが好ましい。成分(A)~(C)の添加の順序としては、例えば、成分(A)と(B)を添加混合後(C)を添加混合する方法(混合方法1)、成分(A)と(C)を添加混合後(B)を添加混合する方法(混合方法2)が好ましい。これにより、成分(A)~(C)を均一に混合でき、イオン複合体の表面強度を向上させることができる。中でも混合方法2は、吸水性のより高い成分(C)を成分(A)及び(B)とより均一に混合できるので、より好ましい。
混合は、通常、溶媒の存在下行う。溶媒は、イオン複合体の成分としての溶媒の具体例、好ましい例と同様である。溶媒の添加順序は、特に限定されず、成分(A)~(C)の添加前、添加の途中、添加後のいずれでもよいが、成分(A)~(C)の少なくともいずれか(好ましくは、成分(A)及び(B))は、予め溶媒に混合して溶液又は懸濁液を調製し、溶液又は懸濁液として系内に添加することが好ましい。これにより、より均一に混合することができる。中でも成分(A)及び(B)を予め溶媒に混合することにより、イオン的相互作用を増加させることができる。混合方法1の場合、成分(A)~(C)のそれぞれを予め溶媒に混合して溶液又は懸濁液を調製し、溶液又は懸濁液として系内に添加することが好ましい。混合方法2の場合、成分(A)及び(B)を予め溶媒に混合して溶液又は懸濁液を調製し、溶液又は懸濁液として系内に添加することが好ましい。成分(A)~(C)と溶媒の重量比は、成分(A)~(C)の合計:溶媒=40:60~5~95に調整できる。成分(A)、(B)、(C)を溶液又は懸濁液として添加する場合の溶液中の成分(A)、(B)、(C)のそれぞれの固形分濃度は、5~40重量%が好ましく、10~30重量%がより好ましい。混合は、自転公転撹拌機、二軸押出混錬機、ラインミキサー等の混合機器を用いて行うことができる。混合条件は、各成分が均一に混合するまで行うことが好ましく、用いる機器により適宜設定できる。
-溶媒除去工程-
混合工程により得られる混合物は、そのままイオン複合体としてもよいが、混合後、必要に応じて、調製された溶液ないし懸濁液から溶媒を除去する工程(溶媒除去工程)を行い、処理後の結果物をイオン複合体としてもよい。溶媒の除去は、例えば、乾燥(例えば、凍結乾燥、加熱乾燥、噴霧乾燥)、固液分離(例えば、沈殿処理)が挙げられる。例えば、加熱乾燥により溶媒としての水を除去する場合、乾燥温度は、低温が好ましく、60℃以下、55℃以下、50℃以下、又は45℃以下がより好ましい。乾燥時間は、通常は12時間以上、好ましくは15時間以上、より好ましくは20時間以上、更に好ましくは24時間以上である。なお、乾燥処理の前に、水溶液又は懸濁液を有機溶媒中に投入し、沈殿物を回収することで、溶媒としての水を除去する工程を行ってもよい。
溶媒の除去は、処理後に得られるイオン複合体における溶媒含量が、例えば、20重量%以下、好ましくは18重量%以下、下限は、例えば1重量%以上、好ましくは3重量%以上となるまで行うことが好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はもとより下記実施例により制限されるものではなく、前・後記述の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例中、特に断りの無い限り、「%」は重量%を示し、「部」は重量部を示す。また、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
[使用材料]
(1)成分(A):リグニンスルホン酸系化合物
リグニン1:サンエキスP252(粉末、リグニンスルホン酸ナトリウム、重量平均分子量12,300、日本製紙社製)
リグニン2:サンエキスP321(粉末、リグニンスルホン酸マグネシウム、重量平均分子量11,700、日本製紙社製)
リグニン3:パールレックスNP(粉末、高純度リグニンスルホン酸ナトリウム、重量平均分子量16,100、日本製紙社製)
リグニン4:試薬リグニンスルホン酸ナトリウム塩(粉末、リグニンスルホン酸、重量平均分子量5,800、Merck社製)
(2)成分(B):カチオン性高分子
カチオン1:ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(20%水溶液、重量平均分子量200,000~350,000、Merck社製)
(3)成分(C):セルロース系物質
セルロース1:KCフロックW-50GK(粉末、セルロースパウダー、平均粒子径45μm、見掛比重0.24g/ml、日本製紙社製)
セルロース2:サンローズF-30MC(粉末、カルボキシメチルセルロース、DS=0.7、250~350(mPa・s 1%,25℃)、日本製紙社製)
セルロース3:KCフロックW-100GK(粉末、セルロースパウダー、平均粒子径37μm、見掛比重0.30g/ml、日本製紙社製)
セルロース4:サンローズA20SH(粉末、カルボキシメチルセルロース、DS=1.5、150~250(mPa・s 1%,25℃)、日本製紙社製)
セルロース5:サンローズSLD-F1(粉末、カルボキシメチルセルロース、DS=0.28、10~200(mPa・s 1%,25℃)、日本製紙社製)
セルロース6:サンローズF-350MC(粉末、カルボキシメチルセルロース、DS=0.9、2000~4000(mPa・s 1%,25℃)、日本製紙社製)
[測定方法]
-重量平均分子量-
重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する方法にて測定した。GPCの測定条件は以下のとおりとした。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製又はGLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
-エーテル化度(DS)-
カルボキシメチルセルロースの試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール(メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CMC塩)をH-CMC(カルボキシメチルセルロース)にした。絶乾したH-CMCを1.5~2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLでH-CMCを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定した。DSを、次式1によって算出した。
(式1)
A=[(100×F-(0.1NのHSO(mL))×F’)×0.1]/(H-CMCの絶乾重量(g))
カルボキシメチル置換度(CM-DS)=0.162×A/(1-0.058×A)
A:1gのH-CMCの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
-粘度-
カルボキシメチルセルロース又はその塩を、1000mL容ガラスビーカーに測りとり、蒸留水900mLに分散し、固形分1%(w/v)の水分散体を調製する。水分散体を25℃で撹拌機を用いて600rpmで3時間撹拌する。その後、JIS Z-8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、No.1ローター/回転数30rpmで3分後の粘度を測定する。
-平均粒子径-
レーザー回析式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000、スペクトリス株式会社マルバーンパナリティカル事業部)を用いた。測定原理としてレーザー散乱法を用いて、3500rpmで攪拌されている水中の測定部に、散乱強度が10%程度になるように試料を添加して行った。湿式測定による粒子径分布を測定した。粒度分布を体積蓄積分布として表した場合に、体積蓄積分布の積算値が50%である値を平均粒子径とした。粒子径分布の解析は、以下の条件で行った。
・解析:汎用
・解析感度:強調
・光散乱モデル:Mie理論
-見掛比重-
100mLメスシリンダーに試料を10g投入し、メスシリンダーの底を試料の高さが低下しなくなるまでたたき続けた後、平らになった表面の目盛を読んで試料10g当たりの体積を測定し、単位体積(1mL)当たりの重量を算出して見掛比重(g/mL)を得た。
[実施例1~14及び比較例1~7]
表1に記載の、成分(A)(リグニン1~4)、成分(B)(カチオン1)、成分(C)(セルロース1~6)をそれぞれ表1に記載の配合比で、固形分総量が10.0gになるように混合し、この混合物をPFAバット(小型トレーS、サンプラテック社製)に移して、40℃の温度で24時間乾燥させることでイオン複合体を得た。イオン複合体の固形分含量は3~10重量%であった。イオン複合体の混合方法は、以下の2つのいずれかを実施し、表1に記載した。
混合方法1:成分(A)を20%水溶液に調整し、成分(A)の20%水溶液と成分(B)の20%水溶液を表1記載の配合比で混合し、その後に成分(C)の20%水溶液を表1記載の配合比で添加し混合する方法。
混合方法2:成分(A)を5%水溶液に調整し、成分(A)の5%水溶液に粉末状の成分(C)を表1記載の配合比で混合し、その後に、成分(B)の20%水溶液を表1の配合比で更に添加し混合する方法。
混合には、自転公転攪拌機(クラボウ社製マゼルスター:KK-250S)を用いた。すなわち、各サンプルをHDPE製容器に入れ、公転レベル7、自転レベル7、混合時間120秒の条件で混合した。
Figure 2023013323000002
〔表1の脚注〕
表1中の配合比は、固形分総量に対する固形分での配合率%である。
(保形性の評価)
各実施例及び比較例で得られたサンプルについて、保形性の評価を行った。各実施例で得られたイオン複合体10.0gを水100gに添加し、静置した後の溶解性を確認した。1時間以内に完全溶解すると「瞬時に溶解」、7日以内に溶解すると「徐々に溶解」、7日以降でも溶解しないと「溶解せず」、更に7日以降でも溶解せず吸水に依る膨潤もない場合「溶解せず、膨潤も無し」と評価した。結果を表2に示す。
(耐湿性の評価)
各実施例及び比較例で得られたサンプルについて、耐湿性の評価を行った。各実施例で得られたイオン複合体10.0gを、温度20℃、相対湿度50%の環境下で7日間静置した。7日間静置後のイオン複合体の重量の乾燥開始時の重量に対する重量増加率%を吸湿率とした。また、7日間静置後のイオン複合体の表面性状を、指にイオン複合体が付着する場合に「べた付く」、指にイオン複合体は付着しないが、表面が粘稠である場合に「少しべた付く」、指に全く何も付着せず、表面も粘稠でない場合に「べた付き無し」と評価した。更に、7日間静置後のイオン複合体の表面硬度を、イオン複合体を山中式土壌硬度計(標準型、藤原製作所製)で測定した。表面硬度測定時にイオン複合体が破断した場合、この破断した値を表面硬度とした。結果を表2に示す。
Figure 2023013323000003
セルロース系物質を含まない比較例1~3のイオン複合体は、水に溶解し保形性が不十分であり、相対湿度50%の環境下で吸湿しべた付きが生じた。成分(B)を含まない比較例4、成分(A)の含有量が3重量%以下の比較例5、成分(A)、(B)を含まない比較例7では、吸湿性は低く耐湿性を有するものの、水に速やかに溶解し保形性が不良であった。重量平均分子量が7,000未満のリグニンスルホン酸を用いる比較例6のイオン複合体は、水中での保形性及び耐湿性に劣り、成分(A)~(C)の複合が不十分と推測された。
これに対し、実施例1~14に記載のイオン複合体は、水に溶解せずに、7日後においても形状を保っており、水中での保形性に優れていた。また、実施例のイオン複合体は、相対湿度50%の環境下に静置しても吸湿率(重量変化率)が20%以内と低く、表面性状にべた付きが無いか又は抑制されており、表面硬度も50kg/cm以上と高いことから、耐湿性に優れていた。
これらの結果は、本発明により、保形性、耐湿性に優れ、工業的な利用に適したイオン複合体が提供され得ることを示している。

Claims (9)

  1. 成分(A):重量平均分子量が7,000以上であるリグニンスルホン酸系化合物、
    成分(B):カチオン性高分子、及び、
    成分(C):セルロース系物質
    から形成され、
    イオン複合体の固形分重量に対する成分(A)の含有量が5~70重量%である
    イオン複合体。
  2. 成分(A)が、セルロースパウダーを含む、請求項1に記載のイオン複合体。
  3. セルロースパウダーの平均粒子径が、20~100μmである、請求項2に記載のイオン複合体。
  4. 成分(A)が、カルボキシメチルセルロース又はその塩を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のイオン複合体。
  5. カルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度が、0.1以上1.8以下である、請求項4に記載のイオン複合体。
  6. 成分(A):重量平均分子量が7,000以上であるリグニンスルホン酸系化合物、
    成分(B):カチオン性高分子、及び、
    成分(C):セルロース系物質
    を、溶媒の存在下混合し、成分(A)~(C)の溶液又は懸濁液を調製することを含む、イオン複合体の製造方法。
  7. 溶媒の存在下、成分(A)と(B)を混合後、成分(C)を混合する、請求項6に記載の方法。
  8. 溶媒の存在下、成分(A)と(C)を混合後、成分(B)を混合する、請求項6に記載の方法。
  9. 成分(A)~(C)の溶液又は懸濁液から溶媒を除去することを更に含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023234193A1 (ja) * 2022-05-30 2023-12-07 花王株式会社 水性組成物の製造方法

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