JP2002226249A - 繊維補強セメント成形体 - Google Patents

繊維補強セメント成形体

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JP2002226249A
JP2002226249A JP2001021440A JP2001021440A JP2002226249A JP 2002226249 A JP2002226249 A JP 2002226249A JP 2001021440 A JP2001021440 A JP 2001021440A JP 2001021440 A JP2001021440 A JP 2001021440A JP 2002226249 A JP2002226249 A JP 2002226249A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性などに優れ、かつ機械的性能などが
十分に改善された繊維補強セメント成形体及び該成形体
の製造方法を提供することを目的とし、さらに諸性能に
優れたセメント成形体を供し得るセメントスラリーを提
供する。 【解決手段】 セメント35〜60質量%、シリカ質粉
末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dtex
のポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液
溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー0.1
〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントスラリー
から繊維補強セメント成形体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維補強セメント
成形体及びその製造方法、さらにセメントスラリーに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、石綿にかわる補強材として種々の
補強繊維が使用されており、補強繊維として、たとえば
無機繊維や、ポリプロプレン系繊維、ポリビニルアルコ
ール(PVA)系繊維、アクリル系繊維などが使用され
ている。なかでも、ポリオレフィン系繊維は、耐湿熱
性、耐アルカリ性に優れていることから、オートクレー
ブ養生セメント成形体の補強材として好適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィン系繊維は疎水性が高いために水硬性材料との接
着性が低い問題があり、成形体を十分に補強できない問
題があった。本発明は、以上の問題を鑑み、耐湿熱性な
どに優れ、かつ機械的性能などが十分に改善された繊維
補強セメント成形体及び該成形体の製造方法を提供する
ことを目的とし、さらに諸性能に優れたセメント成形体
を供し得るセメントスラリーを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) セメ
ント35〜60質量%、シリカ質粉末35〜60質量
%、単繊維繊度0.1〜10dtexのポリプロピレン
系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液溶出率60%以上
のビニルアルコール系ポリマー0.1〜5質量%を少な
くとも配合してなるセメントスラリーから得られる繊維
補強セメント成形体、(2) セメント35〜60質量
%、シリカ質粉末35〜60質量%、単繊維繊度0.1
〜10dtexのポリプロピレン系繊維0.1〜5質量
%、アルカリ液溶出率60%以上のビニルアルコール系
ポリマー0.1〜5質量%を少なくとも配合してなるセ
メントスラリーから得られるオートクレーブ養生繊維補
強セメント成形体、(3) セメント35〜60質量
%、シリカ質粉末35〜60質量%、単繊維繊度0.1
〜10dtexのポリプロピレン系繊維0.1〜5質量
%、アルカリ液溶出率60%以上のビニルアルコール系
ポリマー0.1〜5質量%を少なくとも配合してなるセ
メントスラリーを硬化させる繊維補強セメント成形体の
製造方法、(4) セメント35〜60質量%、シリカ
質粉末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dt
exのポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカ
リ液溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー
0.1〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントス
ラリー、に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】まず、本発明においては、ポリプ
ロピレン系繊維を用いる必要がある。ポリプロプレン系
繊維は耐湿熱性及び耐アルカリ性に優れていることか
ら、過酷な条件で使用した場合のセメント成形体の耐久
性が向上し、しかも高温でのオートクレーブ処理を施す
ことが可能となる。耐湿熱性を確保する点からは、ポリ
プロピレン系繊維を構成するポリプロピレンの結晶融解
温度は165℃以上、特に170℃以上であるのが好ま
しい。かかるポリプロピレン系繊維は、単繊維繊度0.
1〜10dtexである必要がある。繊度が大きすぎる
と繊維の比表面積が低下して繊維とセメントマトリック
スとの接着性が著しく低下し、また繊度が小さすぎると
セメントマトリックスとの接着性は向上するものの、セ
メントスラリーの混練中に繊維表面にキズを受けて単繊
維強度が大きく低下し、補強効果が十分に得られなくな
る。以上のことから、単繊維繊度1dtex以上、特に
3dtex以上であるのがより好ましく、8dtex以
下、特に7dtex以下であるのが好ましい。また補強
効果の点からは該繊維の繊維長は1mm以上、さらに2
mm以上であるのが好ましく、繊維の均一分散性の点か
らは繊維長20mm以下、特に10mm以下であるのが
好ましい。また該繊維の単繊維強度は5cN/dtex以
上、特に7cN/dtex以上であるのが好ましい。単繊維
強度が低すぎると、セメント成形体が曲げ又は引張りに
より破壊する際に、その応力を効率的に分担することが
できずに容易に破断するため補強効果が十分に得られに
くくなる。
【0006】またセメント成形体の製造に用いられるセ
メントスラリーにおけるポリプロピレン系繊維の配合量
を0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上とす
る必要がある。該繊維の配合量が少なすぎると十分な補
強効果が奏されない。しかしながら、該繊維の配合量が
多すぎると繊維の分散性が低下したり、また繊維とマト
リックスの界面が多くなりすぎて水和反応などが十分に
進行せずセメントの機械的性能が十分に改善されない問
題が生じる。よって、スラリーにおける繊維配合量を5
質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましく
は0.8質量%以下とする。なお、本発明におけるスラ
リーの各成分の配合量は、スラリー固形分の質量に占め
る各成分(固形分)の質量割合を示したものである。本発
明に用いられるポリプロピレン系繊維の製造方法は特に
限定されず、公知のいかなる方法を採用してもよい。た
とえば溶融紡糸や湿式紡糸、乾式紡糸などにより製造す
ればよい。またポリプロピレン系繊維の表面にプラズマ
処理や酸化処理などが施されていてもよく、異形断面を
有していてもかまわない。
【0007】さらに本発明においては、特定のアルカリ
液溶出率を有するビニルアルコール系ポリマーを配合す
る必要がある。ポリプロピレン系繊維は耐湿熱性などに
優れた性能を有しているが、疎水性が高いために繊維周
辺の水和水が不足し、よって、該繊維の周辺に空隙が形
成されて繊維とマトリックスの接着性が小さくなって繊
維の補強効果が十分に奏されない問題がある。しかしな
がら、かかるビニルアルコール系ポリマーを配合するこ
とによって、繊維表面にビニルアルコール系ポリマーが
付着して繊維の親水性が高まり、よって繊維表面におい
ても十分な水和反応が進行し、繊維とセメントマトリッ
クスとの接着性向上に寄与する。ポリプロピレン系繊維
とセメントとの接着性を高める点から、ビニルアルコー
ル系ポリマーの配合量が0.1質量%以上、好ましくは
0.3質量%以上のセメントスラリーを用いてセメント
成形体を製造する必要がある。しかしながら、該ビニル
アルコール系ポリマーの含有量が多くなりすぎると、水
和反応が遅延して生産性が低下するだけでなく、セメン
ト成形体の強度や難燃性能が低下することとなる。よっ
て、ビニルアルコール系ポリマーの配合量が5質量%以
下、さらに3質量%以下のセメントスラリーを用いるの
が好ましい。なお、セメントスラリーのビニルアルコー
ル系ポリマーの配合量は、セメント固形分質量に占める
ビニルアルコール系ポリマー質量の割合を示したもので
ある。本発明に用いられるビニルアルコール系ポリマー
はアルカリ液溶解性を有するものであるため、該スラリ
ーを用いてセメント成形体を製造する過程で該ポリマー
が流出する可能性が高い、しかしながら、該ポリマーの
一部が流出するにすぎず、セメント成形体中にビニルア
ルコール系ポリマーは自ずと残存することとなるため上
記のような効果が奏される。
【0008】ビニルアルコール系ポリマー(成分A)の
アルカリ液溶出率は60%以上、好ましくは70%以上
とする必要がある。成分Aはセメントスラリー中で溶解
してはじめてポリプロピレン系繊維の接着性に大きく寄
与するため、成分Aのアルカリ液溶出率が小さすぎると
添加量に対する有効成分量が少なくなり、繊維Aとセメ
ントマトリックスの接着性を効果的に改善することが困
難となる。成分Aの一部又は全部が成形体の製造工程で
溶解することにより、成分Aが成形体内の空隙形状にあ
わせて内部に入り込むことが可能になり、次いで成分A
が乾燥・固化することによってセメントとポリプロピレ
ン繊維が接着し、しかも繊維表面の親水性が高くなって
水和反応が十分に進行することから、該繊維の補強効果
を効果的に発現することが可能となる。なおアルカリ液
溶出率は実施例に記載の方法により求めることができ
る。しかしながら、繊維とセメントマトリックスを強固
に接着させる点からは、アルカリ液溶出率90%以下の
ビニルアルコール系ポリマーを用いるのが好ましい。
【0009】本発明に用いられる成分Aは特に限定され
ないが、適度なアルカリ液溶解性を付与する点からはケ
ン化度は99モル%以下であるのが好ましい。該成分A
の機械的性能を高めて繊維とマトリックスを強固に接着
する点からは、成分Aのケン化度は50モル%以上、特
に80モル%以上であるのが好ましい。また成分Aの接
着力、アルカリ液溶解性及びスラリー中での安定性の点
からは、ビニルアルコール系ポリマーの粘度平均重合度
は500以上、5000以下であるのが好ましい。また
無変性のものはもちろんのこと、例えばカルボン酸基や
スルホン酸基、四級アミン塩からなる官能基、シラノー
ル基、チオール基などの極性官能基を共重合されたも
の、あるいは反応により付加させたものを使用してもか
まわない。
【0010】成分Aの形態は特に限定されない。たとえ
ば溶液(好適には水溶液)、繊維状、粉末状、粒状、フ
ィルム状などが挙げられる。セメント成形体を湿式抄造
法により製造する場合には、成分Aの分散性、歩留まり
の点から繊維状又は粉末状のものが好ましく、水の添加
量の小さいスラリーを用いる乾式成形法によりセメント
成形体を製造する場合には、成分Aを均一分散させる点
から水溶液の形態で添加するのが好ましい。なお粉末状
物としては、直径3mm以下、特に1mm以下の粉末状
物が好適に使用され、特にアスペクト比1.5未満の粉
末状物が好適に使用される。また繊維状物としては、ア
スペクト比1.5以上、特に2以上の繊維が好適に使用
される。
【0011】また水溶解性を高め溶融粘度を低下させる
点からは該成分Aに可塑剤を添加しておくのが好まし
い。可塑剤としては、PVAのガラス転移温度や溶融粘
度を低下させ得る化合物であれば特に制限はないが、例
えば水、エチレングリコール及びそのオリゴマー、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール及びそのオ
リゴマー、ポリプロピレングリコール等のグリコール誘
導体、グリセリンおよびそのオリゴマー、ポリグリセリ
ンやグリセリン等にエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドなどが付加したグリセリン誘導体、ソルビトー
ル、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。なかでも
グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどの多価ア
ルコールおよびその誘導体が好適に使用される。可塑剤
の添加量に特に制限はないが、ビニルアルコール系ポリ
マー100質量%に対して0.01〜40質量%の範囲
で添加するのが好ましい。
【0012】本発明に使用されるセメントは特に限定さ
れず、ポルトランドセメントがその代表的なものである
が、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナ
セメント等を使用してもよく、これらを併用してもかま
わない。セメント成形体に用いられるセメントスラリー
におけるセメント配合量(固形分比)は、成形体の機械
的性能などの点から35〜60質量%とする必要があ
る。セメントの配合量が小さすぎると、繊維とマトリッ
クス界面の接着性が不十分になりやすい。しかしながら
セメントの配合量が少なくなるとマトリックスの強度そ
のものが低下することとなる。
【0013】さらに本発明においては、セメントのみで
なくシリカ質粉末(成分B)を配合する必要がある。す
なわち、ポリプロピレン系繊維の表面はビニルアルコー
ル系ポリマーによりある程度親水化されているが、やは
り親水性繊維に比して水和反応が進行しにくい問題があ
る。よって、セメント分野においてポゾランと称されて
いる石灰と水との存在下で徐々に水硬性を発揮するシリ
カ質粉末を配合することにより、水和反応がゆっくりと
すすんで緻密な構造が形成されることから、ポリプロピ
レン系繊維とマトリックスの界面をより強固に接着さ
れ、優れた補強効果を奏することが可能となる。よっ
て、セメント成形体の製造に用いられるセメントスラリ
ーにおけるシリカ質粉末配合量(固形分比)を35質量
%以上とするのが好ましい。しかしながら、シリカ質粉
末の含有量が多くなりすぎると、繊維とマトリックスの
界面の接着性が高くなって、繊維の補強効果が奏されや
すくなるものの、セメントマトリックスの機械的性能が
低下することとなる。よって、シリカ質粉末のスラリー
の配合量を60質量%以下、特に50質量%以下とする
のが好ましい。またセメント成形体の機械的性能などの
点からは、セメントとシリカ質粉末の含有質量比を1
0:6〜10:12程度とするのが好ましい。なおシリ
カ質粉末には、珪石粉、フライアッシュ、高炉スラグ粉
末、シリカヒューム、珪藻土などのシリカ分の含有率の
高い無機粉末などが含まれる。なかでも石英型シリカが
より好ましく、シリカ質粉末として少なくとも石英型シ
リカを用いるのが好ましい。もちろん、複数種のシリカ
質粉末を併用してもかまわない。
【0014】また必要に応じてさらに骨材を添加しても
かまわないが、骨材を配合すると繊維とマトリックスの
接着界面が減じて繊維の補強効果が十分に奏されなくな
る。よって添加する骨材の配合量はセメントスラリー固
形分の10質量%以下、特に0〜5質量%とするのがより
好ましい。またさらに適宜混和剤などを添加してもかま
わない。たとえば空気連行剤(AE剤)、流動化剤、減
水剤、増粘剤、保水剤撥水剤、膨張剤、硬化促進剤、凝
結遅延剤などを併用してもかまわない。また軽量性を高
めるために空気泡、発泡剤、軽量骨材を添加してもかま
わない。さらにセメント成形体を湿式抄造法により製造
する場合、抄き上げ性などを高めるために木材パルプな
どを配合するのが好ましい。抄き上げ性などを改善する
点からは木材パルプをセメントスラリー(固形分)の1
質量%以上、特に4質量%以上とするのが好ましく、寸
法安定性の点からは10質量%以下、特に8質量%以下
とするのが好ましい。また本発明の効果を損わない範囲
であれば本発明で規定のポリプロピレン系繊維以外の繊
維を添加してもかまわない。
【0015】セメント、水、成分A及び成分Bを少なく
とも混合することにより所望の水硬性スラリーが得られ
る。個体成分と水の配合質量比は適宜設定すればよい
が、湿式抄造法を採用する場合には、均一分散性を確保
する点から、個体成分と水の配合質量比を1/1〜1/
30とするのが好ましい。また乾式成形法を採用する場
合には、成形体の機械的性能や流動性を確保する点か
ら、固体成分と水の配合質量比を100/15〜100
/60、特に100/15〜100/40とするのが好
ましい。該方法により得られたスラリーを用いて所望の
成形体を得ればよい。
【0016】成形体の製造方法は限定されず、たとえば
コンクリートミキサー、スクリュー型混練機、ペラー型
混練装置により混練して、型枠成形法、押出成形法、湿
式抄造法、フローオン法、乾式法などにより成形すれば
よい。なお吹き付け塗装などに用いて硬化したものも本
発明の成形体に包含される。なかでも本発明は抄造成形
法を採用した場合により軽量で機械的性能などに優れた
成形体(抄造体)を効率的に得ることができる。スラリ
ーを抄造機で湿式抄造し、これをプレスして養生するこ
とにより所望の成形体が得られる。本発明の成形体を得
るための養生方法は特に限定されず、たとえば10〜5
0℃(好適には20〜30℃)の水中で10〜60日
(好適には20〜40日)を養生する方法や、湿度90
%以上(好適には飽和水蒸気下)、温度温度20〜80
℃(好適には30〜50℃)の雰囲気下、6時間以上
(好適には10〜30時間)の養生を行う方法が好適に
挙げられる。またさらにオートクレーブ養生を行うこと
により、迅速に高性能の成形体を得ることができる。オ
ートクレーブ養生は、たとえば湿度90%以上(好適に
は飽和水蒸気下)、温度温度120〜180℃(好適に
は140〜170℃)の雰囲気下、1時間以上(好適に
は4〜48時間)の条件で行うのが好ましい。
【0017】本発明により得られる成形体の比重は、ポ
リプロピレン系繊維とマトリックスとの接着性を高める
点からは1.3g/cm3以上、特に1.4g/cm3
上、さらに1.5g/cm3以上であるのが好ましい。
該成形体の曲げ強度は20MPa以上、特に23MPa
以上であるのが好ましく、たわみは7mm以上、特に1
3mm以上であるのが好ましい。
【0018】本発明の成形体は、スレ−ト板、パイプ
類、壁パネル、床パネル、屋根板、間仕切り、道路舗
装、土間、トンネルライニング、法面保護、コンクリ−
ト工場製品等のすべてのセメント成形物(コンクリ−ト
成形物を包含する)や2次製品とすることができる。ま
た前述したセメント製品に限らずこれら以外の構造物、
建築内外装部材、土木材料に応用使用することもでき
る。また左官用モルタルとして使用してもよく、機械用
基礎、原子炉圧力容器、液化天然ガスの容器等として用
いてもよい。
【0019】以下更に本発明を実施例でもって説明する
が、本発明は実施例により何等限定されるものではな
い。
【実施例】[ビニルアルコール系ポリマーのケン化度
モル% 粘度平均重合度]JIS−K6726に準じて
測定した。 [繊度 dtex]繊維状物の一定試長の質量を測定し
て見掛け繊度をn=5以上で測定し、平均値を求めた。
なお、一定糸長の質量測定により繊度が測定できないも
の(細径繊維)はバイブロスコ−プにより測定した。 [アルカリ液溶出率 質量%]8mm長にカットした繊
維(成分A)1gを、水酸化カリウム3.5g/l、水
酸化ナトリウム0.9g/l、水酸化カルシウム0.4
g/lからなるアルカリ水溶液100gに加えた後、耐
圧密閉容器中に入れ、90℃×2時間加熱する。冷却
後、溶液をろ紙上に濾取し十分水洗した後、105℃で
16時間以上乾燥した後に残座の質量を測定する。初期
の質量と残査の質量からアルカリ液溶出率(質量%)を
算出した。 アルカリ液溶出率(質量%)=(1−[残査質量]/
[初期質量])×100
【0020】[比重 g/cm3]成形体を105℃×
24時間乾燥した後、質量測定を行う。その後、硬化体
の体積を測定し、質量と体積との比をとり比重とした。 [曲げ強度 MPa、 たわみ mm]曲げ強度の測定
はサンプルを長さ9cm、幅2.5cm、厚さ1cmに
切出した後、25℃、85%RHの雰囲気下にて1週間
以上放置した。強度の測定は、島津社製オートグラフA
G−5000Bにかご型圧縮曲げ試験装置を設置し、J
IS K6911に準じて測定した。スパン5cm、速
度0.5mm/分で破断したときの最大応力f(MP
a)を読取り、下記に示す式で補正して比曲げ強度(M
Pa)とし、また破断したときのたわみをよみとった。
なおFは比曲げ強度(MPa)、fは応力(MPa)、
Lはスパン長(5cm)、Wはサンプル幅(2.5c
m)、Hはサンプル厚み(1cm)、dは比重(g/c
3)を示す。 F=3/2・(f・L)/(W・H2・d2) [水中養生]飽和水蒸気下25℃で28日間自然養生を
行った。 [AC養生]飽和水蒸気下40℃で24時間自然養生を
行った後、飽和水蒸気下160℃×20時間のオートク
レーブ処理を行った。
【0021】[実施例1〜3、比較例1,2]表1に示
したような配合割合にてTAPPI抄造機で湿式抄造
(固体成分に対する水配合割合2000質量%)し、5
0kg/cm2にてプレスした後、養生してセメント成
形体を製造した。結果を表1に示す。なお、セメントと
して秩父小野田セメント製の普通ポルトランドセメン
ト、シリカ質粉末として、α石英型シリカ(啓和炉材株
式会社製の珪石粉 ブレーン値4000)及びシリカヒ
ューム(エフアコ社製「エフアコシリカ」)、木材パル
プとしてパルテック株式会社製「NUPK」(叩解CS
F100ml)を用いた。またポリプロピレン系繊維と
して繊度5.0dtex、単繊維強度8.5cN/dte
x、繊維長6mm、結晶融解温度172℃のポリプロピ
レン系繊維を用いた。さらに、ビニルアルコール系ポリ
マーとしてアルカリ液溶出率80質量%のPVA系樹脂
(株式会社クラレ製「PVA117」 ケン化度98モ
ル%、粘度平均重合度1700)を用い、固体分30質
量%の水溶液を配合した。なお、表1の配合(セメント
スラリー)は各成分(固形分)の質量%を示したもので
あり、Cはセメント、CHはシリカヒューム、PPはポ
リプロピレン系繊維、PVAはビニルアルコール系ポリ
マーを示す。
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 16:06 C04B 16:06 E 24:26 24:26 B 14:04 14:04 Z 22:06) 22:06) A 111:12 111:12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント35〜60質量%、シリカ質粉
    末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dtex
    のポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液
    溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー0.1
    〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントスラリー
    から得られる繊維補強セメント成形体。
  2. 【請求項2】 セメント35〜60質量%、シリカ質粉
    末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dtex
    のポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液
    溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー0.1
    〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントスラリー
    から得られるオートクレーブ養生繊維補強セメント成形
    体。
  3. 【請求項3】 セメント35〜60質量%、シリカ質粉
    末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dtex
    のポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液
    溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー0.1
    〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントスラリー
    を硬化させる繊維補強セメント成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 セメント35〜60質量%、シリカ質粉
    末35〜60質量%、単繊維繊度0.1〜10dtex
    のポリプロピレン系繊維0.1〜5質量%、アルカリ液
    溶出率60%以上のビニルアルコール系ポリマー0.1
    〜5質量%を少なくとも配合してなるセメントスラリ
    ー。
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