JPH11171620A - セメント質成形体用添加剤 - Google Patents

セメント質成形体用添加剤

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JPH11171620A
JPH11171620A JP34180197A JP34180197A JPH11171620A JP H11171620 A JPH11171620 A JP H11171620A JP 34180197 A JP34180197 A JP 34180197A JP 34180197 A JP34180197 A JP 34180197A JP H11171620 A JPH11171620 A JP H11171620A
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JP
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based polymer
pva
polyvinyl alcohol
cementitious
molded article
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JP34180197A
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Masahiro Nagao
昌浩 長尾
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Kuraray Co Ltd
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B2111/00034Physico-chemical characteristics of the mixtures
    • C04B2111/00129Extrudable mixtures

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度に優れ、かつオートクレーブ養生
下での密着が抑制されたセメント質成形体を得ること。 【解決手段】 40℃におけるセメントスラリーヘの溶
解率が25%以上であるポリビニルアルコール系重合
体、とくに40℃におけるセメントスラリーヘの溶解率
が25%以上であり、重合度50〜2000、とくに5
0〜1100のポリビニルアルコール系重合休または4
0℃におけるセメントスラリーヘの溶解率が25%以上
であるシリル基変性ポリビニルアルコール系重合体から
なる押出成形法によるセメント質成形体用添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形法による
セメント質成形体用添加剤および建材、土木用材料とし
て有用なセメント質成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐火性、断熱性および強度に優れ
た建材および土木用資材として、珪酸カルシウム板やセ
メント系無機質板は広く使用されていたが、近年、常温
養生や常圧養生ばかりでなく、短時間に高い強度と優れ
た耐久性を有するセメント質成形体を製造する方法とし
て高温高圧での蒸気養生、すなわちオートクレープ養生
が広く用いられるようになった。これらのセメント質成
形体の大きな用途として、抄造法による多層抄き板や押
出成形方法による建物の壁材を中心とした軽量板があ
る。これらは比重が軽く、しかも強く強靭な性能が望ま
れているばかりでなく、釘打ち性や耐凍害性などの厳し
い性能をも要求されている。これらの対策として石綿が
セメント成形体の流動性や保形性および強度アップの助
剤として必須成分であったが、石綿繊維は人体に有害で
あることから、石綿繊維を含有しなくても上記の優れた
性能を有し、オートクレープ養生可能な組成物の開発が
強く望まれている。石綿の代わりにパルプ、ガラス繊
維、ビニロン繊維やポリプロピレン繊維などが補強材と
して添加され、かなりの強度の向上につながっている
が、高い養生温度に耐えることができなかったり、機械
物性や耐久性が不足する場合が多いという問題が残って
いる。その他、補強繊維の他にもセメントマトリックス
の強度を向上させ成形物の性能を高める試みが種々なさ
れているが(たとえば特公昭59−30664号、特開
昭64−563466号)、実際にはシリカヒュームの
ような超徴粉のシリカを必要とし、量およびコストの面
で不利となる面が多いのが現状である。また、強度や耐
久性を改善する方法としてポリビニルアルコール系重合
体を添加する方法では、オートクレープ養生中に成形体
同士が密着(あるいは膠着)し、生産性を低下させる場
合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い強度を
有し、かつオートクレープ養生時の成形体同士の密着な
どが改善された生産性の高いセメント質成形体を得るた
めの添加剤およぴそれを用いたセメント質成形体の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、40℃にお
けるセメントスラリーヘの溶解率が25%以上であるポ
リビニルアルコール系重合体からなる押出成形法による
セメント質成形体用添加剤を提供することによって達成
される。さらに上記目的は、40℃におけるセメントス
ラリーヘの溶解率が25%以上であり、重合度50〜2
000、とくに50〜1100のポリビニルアルコール
系重合体からなる押出成形法によるセメント質成形体用
添加剤を提供することによって、より好適に達成され
る。さらに上記目的は、40℃におけるセメントスラリ
ーヘの溶解率が25%以上であるシリル基変性ポリビニ
ルアルコール系重合体からなる押出成形法によるセメン
ト質成形体用添加剤を提供することによって、より好適
に達成される。さらに上記目的は、40℃におけるセメ
ントスラリーヘの溶解率が25%以上であり、重合度5
0〜2000、とくに50〜1100のシリル基変性ポ
リピニルアルコール系重合体からなる押出成形法による
セメント質成形体用添加剤を提供することによって、さ
らにより好適に達成される.
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリビニルアルコ
ール系重合体(以下、PVA系重合体と略することがあ
る)は、40℃におけるセメントスラリーヘの溶解率が
25%以上であることが重要である。25%未満では強
度などの点で充分な効果が発現しない。溶解率は40%
以上が好ましく、70%以上がさらに好ましく、最適に
は80%以上である。ここで、セメントスラリーヘの溶
解率とは、以下の方法で測定された値である。40℃の
水360gにセメント40gとPVA粉末(JIS標準
ふるいで16メッシュ・パス以下の粒径のPVA粉末)
をPVAの濃度が水に対して2重量%となるように分散
させ、30分間攪拌した後、ガラス繊維濾紙(保留粒子
径;1μm)を使用し吸引濾過した濾液のPVA濃度を
測定し、以下の式に基づき溶解率を測定した。 溶解率(重量%)= {(濾液中の水に対するPVAの
重量%)/2}×100 セメントスラリーヘの溶解率が25%以上のPVA系重
合体を得る方法としては、例えば、ケン化度により溶解
率を調整する方法、親水性の官能基をPVA系重合体中
に導入する方法、PVA系重合体の結晶化度を低下させ
る方法、PVA系重合体の粒径を小さくし、単位表面積
を大きくする方法などの方法あるいはこれらの方法のう
ち2つ以上の方法を組合せる方法が挙げられる。
【0006】本発明のPVA系重合体のケン化度には特
に制限はないが、セメントスラリーヘの溶解率が25%
以上となるように、60〜100モル%の範囲の中から
選ばれる。一般にPVA系重合体ではケン化度が低い方
がセメントスラリーに対する溶解性が良好になるが、ケ
ン化度が60モル%以下では逆に、セメントスラリーヘ
の溶解性が低下するし、PVA重合体の耐アルカリ性が
低下するので好ましくない。ケン化度は75モル%以上
がより好ましく、80モル%以上、さらには85モル%
以上がさらに好ましく、最適には90モル%以上であ
る。ケン化度が高くなるにつれてセメントスラリーヘの
溶解率が低下するので、この場合は、たとえば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和
酸類またはその塩、あるいは2−メタクリルアミドプロ
パンスルホン酸あるいはその塩などのスルホン酸または
その塩などの親水性の官能基をPVAに導入することに
より、セメントスラリーヘの溶解率が25%以上になる
ように調整することが必要である。
【0007】PVA系重合体の重合度は、50〜200
00の範囲、さらには50〜4000、好適には50〜
2000の範囲の中から選ばれるが、オートクレープ養
生下での成形体同士の密着をより抑制するためには、1
100以下が好ましく、800以下がさらに好ましく、
最適には600以下である。また重合度の下限について
は50以上、さらには100以上、最適には150以上
である。ここで、重合度、ケン化度などのPVA系重合
体の特性値はとくに断りのない限りは、JIS−K67
26にしたがって測定した値である。
【0008】本発明におけるPVA系重合体にはシリル
基が導入されていることが、より優れた曲げ強度を付与
することができることから好ましい。シリル基の含有量
は0.01〜10モル%の範囲で含有されていることが
好ましく、0.05〜5モル%がさらに好まく、最適に
は0.1〜2モル%である。
【0009】本発明のPVA系重合体の製法には特に制
限はないが、一般には、ポリビニルエステルの加水分解
あるいはアルコリシスによって製造される。ポリビニル
エステルとしては、ビニルエステルの単独重合体、2種
以上のビニルエステルの共重合体およびビニルエステル
と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が含まれ
る。ここで、ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル,酢
酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティツク酸ビニ
ル,ピバリン酸ビニル等が使用できるが、その中でも工
業的に安価な酢酸ビニルが好適に用いられる。
【0010】本発明のPVA系重合体は、本発明の目的
を損なわない範囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単
量体を共重合したものでもよい。エチレン性不飽和単量
体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテンなどのオレフイン類;アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)イタコン酸などの不飽和醸類あるいはその
塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエス
テル顆;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
2一アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその
塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはそ
の酸塩あるいはその4級塩などのアクリルアミド顆;メ
タクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタク
リルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−
メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、
メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその
酸塩あるいはその4級塩などのメタクリルアミド類;N
−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロ
キシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン、臭化ビ
ニルなどのハロゲン化ビニル顆;酢酸アリル、塩化アリ
ル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、ト
リメチルー(3−アクリルアミドー3−ジメチルプロピ
ル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミドー2−メ
チルプロパンスルホン酸などが挙げられる。また、本発
明のPVA系重合体は、チオール酢酸、メルカプトプロ
ピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル
などのビニルエステル系単量体を重合し、それをけん化
することによって得られる末端変性物でもよい。
【0011】シリル基変性PVA系重合体においてシリ
ル基をPVA系重合体に導入する方法に制限はないが、
たとえば、特公昭64−2684号公報に記載される方
法によリシリル基を導入することができる。すなわち該
PVA系重合体の製造方法としては、(1)PVAにシ
リル化剤を用いて後変性によリシリル基を導入する方
法、(2)水酸基を有する変性ポリビニルエステル系重
合体にシリル化剤を用いてシリル変性ポリビニルエステ
ルをけん化し、シリル基変性PVA系重合体を得る方
法、(3)ビニルエステルとシリル基含有オレフイン性
不飽和単量体との共重合体をけん化する方法、(4)シ
リル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステル
を重合することによって得られる末端シリル変性ポリビ
ニルエステル系重合体をけん化する方法などが挙げられ
るが、工業的な製造の容易性及び得られる変性PVA系
重合体の均質性の点から上述の(3)および(4)の方
法が好ましく用いられる。
【0012】上述の(3)の方法において用いられるシ
リル基含有オレフイン性不飽和単量体としては、例えば
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ
シラン等のビニルシラン類、あるいは3一(メタ)アク
リルアミドープロピルメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリルアミドープロピルメチルジメチルメトキシシラン
等の(メタ)アクリルアミドーアルキルシラン類が挙げ
られるが、通常ビニルトリメトキシシランが好ましく用
いられる。また上述(4)の方法において用いられるシ
リル基を有するメルカプタンとしては、例えば3−トリ
メトキシシリループロピルメルカプタン、3−メチルジ
メトキシシリループロピルメルカプタン、3−トリエト
キシシリループロピルメルカプタン等が挙げられが、通
常3一トリメトキシシリループロビルメルカプタンが好
ましく用いられる。
【0013】本発明におけるPVA系重合体はセメント
賃成形体用の添加剤であり、特にセメント質材料にPV
A系重合体を添加して押出成形法により成形することに
より、強度等の性能の改善された成形体を得ることがで
きる。本発明に使用のPVAは、押出成形法にとくに著
効を示すものであり、押出成形法以外の、例えば抄造法
等ではその性能を充分に発揮できない場合がある。本発
明において押出成形法の代表例としては、セメント質材
料および上記PVA系重合体をドライブレンドした後、
水を加えて混練し、混練物を成形機のダイスから押出す
方法が挙げられる。押出された成形物は、切断機等によ
り所望の長さに切断した後、常圧水蒸気またはオートク
レーブなどの加圧水蒸気下で養生される。
【0014】本発明に使用のPVA系重合体をセメント
質材料に添加する方法は特に制限はなく、前もって調整
したPVA水溶液を添加してもよいし、粉末状のPVA
系重合体を添加してもよいが、製造上の簡便さの点では
粉末状で添加す方が好ましい。粉末状PVA系重合体を
使用する場合は、最大粒径がJIS標準ふるいで16メ
ッシュ・パスであることが好ましく、これより大きい粒
径では溶解性・分散性の低下により成形体の物性に対し
充分な効果を発現しなかったり、成形体中に生じた欠陥
のため強度低下の原因となるので好ましくない。最大粒
径は32メッシュ・パスがさらに好ましく、60メッシ
ュ・パスが最も好ましい。
【0015】本発明においてセメント質材料とは、石灰
質粉末、またはこれにシリカ質粉末を配合したもの、あ
るいはこれらに骨材、補強繊維あるいはその他の配合剤
を加えた水硬性の組成物を意味する。ここで石灰質粉末
としては、通常のポルトランドセメント、生石灰、消石
灰などの一種以上が用いられる。シリカ質粉末として
は、セメント分野においてポゾランと称されている石灰
と水の存在下で徐々に水硬性を発揮するもので、珪石
粉、フライアツシュ、高炉スラグ粉末、シリカヒュー
ム、珪藻土等のシリカ分の含有率の高い無機紛体などの
1種以上が用いられる。補強繊維としては、ガラス繊
維、炭素繊維、パルプ繊維、ビニロン、ポリプロピレン
等の合成繊維などの一種以上が用いられる。また、骨材
としては、砂、砕石、さらにはパーライトなどの中空骨
材、細骨材などが用いられる。
【0016】本発明において上記PVAの添加量は、セ
メント質材料100重量部に対して、0.05〜15重
量部である。0.05重量部より少ないと添加の効果が
得られず、15重量部より多くしても期待した効果がで
ないばかりでなく、やや硬化不良を起こすので好ましく
ない。添加量の下限については0.2重量部以上が好適
であり、さらに好適には0.8重量部以上であり、また
上限については10重量部以下が好適であり、さらに好
適には8重量部以下である。石灰質粉末、シリカ質粉
末、補強繊維および骨材の配合割合については特に制限
はないが、石灰質粉末100重量部に対してシリカ質粉
末30〜200重量部、補強繊維0.1〜30重量部お
よび骨材4〜70重量部が好ましい。
【0017】またその他の配合剤としては、メチルセル
ロースなどの流動性改良剤、デンプン系化合物、多価ア
ルコール、硼酸、硼砂、硼酸カルシウム、硼酸エステル
などの硼酸系化合物、ステアリン酸カルシウムなどの撥
水剤、泡連行剤などが挙げられる。これらの配合剤は本
発明の目的が損なわれない範囲で併用される。
【0018】本発明において押出成形して得た成形物
を、40〜100℃の常圧水蒸気下で養生するか、また
は100〜200℃の加圧水蒸気下のオートクレーブ中
で養生することによって目的とするセメント質成形体が
得られる。常圧水蒸気養生の時間は、その養生温度によ
つても異なるが、8時間以上が好ましく、60℃以下の
養生温度では1週間以上養生することが好ましい。また
オートクレーブ養生の時間は3〜24時間が好ましい。
これらの養生のうちオートクレーブ養生が、より優れた
強度等を有する成形体を得ることができることから好ま
しい。また、オートクレーブ養生に先だって、40〜1
00℃で常圧水蒸気下で一次養生を行うことが好まし
く、この場合の一次養生時間は8〜30時間が好まし
い。常圧養生または加圧養生は高湿度下、とくに飽和蒸
気圧下でのスチーム養生がより好適である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。なお実施例中とくに断りのないかぎり、「%」お
よぴ「部」は重量基準を表す。 PVA系重合体の特性、ならびに成形体の物性評価は、
下記の方法で行った。 (1)セメントスラリーヘの溶解率: 40℃の水36
0gにセメント40gとPVA粉末(JIS標準ふるいで
16メッシュ・パス以下の粒径のPVA粉末)をPVA
の濃度が水に対して2%となるように分散させ、30分
間攪拌した後、ガラス繊維濾紙(保留粒子径;1μm)
を使用し吸引濾過した濾液のPVA濃度を測定し、以下
の式に基づき溶解率を測定した。 溶解率(重畳%)={(濾液中の水に対するPVA重量
%)/2}×100 (2)PVA系重合体の分析方法: PVA系重合体の
分析は特に記載のないかぎり、JIS−K6726にし
たがって分析した値である。 (3)嵩さ比重:JIS―A5413に準拠し、試験片
を100℃で24時間乾燥後の重量と体積より求めた。 (4)曲げ強度:JIS−A1408「建築ボード顆の
曲げ試験法」に準拠し、スパン長5cmで測定した。 (5)オートクレーブ養生下での密着性:板状に成形し
た成形体を40℃,90%RHの雰囲気下で20時間養
生した後、この成形体を重ねあわせ、クランプで荷重を
かけてオートクレーブ養生し、養生終了後の密着状態を
観察した。
【0020】実施例1 重合度1100,ケン化度88.5モル%,最大粒径6
0メッシュ・パス(JIS標準ふるい)のPVA系重合
体を使用し、以下の方法でセメント質成形体を得た。 普通ポルトランドセメント;100重量部、粉末珪石
(3500ブレーン);100重量部、ポリプロピレン
繊維(大和紡 PZL−12d、6mm);1重量部お
よびメチルセルロース;2重量部、および上記PVA;
4重量部からなるセメント質配合物を高速ミキサー{高
速ミキサーHMS−80、(株)宮崎鉄鋼製}で攪拌
し、乾式混合した後、水を加えさらに攪拌した。得られ
た混合物を混練機{原料混練機MP−30、(株)宮崎
鉄鋼製}で混練し、粘土状(ペースト状)の試料を得
た。粘土状試料を真空成形機{真空成形機FM−30−
1、(株)宮崎鉄鋼製}で真空押出成形し、幅60mm,
厚み4mmの成形板を連続的に得た。得られた成形板
は、一時養生として40℃、90%RH雰囲気下で20
時間静置した後、オートクレープ養生として160℃の
飽和加圧水蒸気雰囲気下で10時間養生しセメント貿成
形体を得た。使用したPVAの特性とセメント質成形体
の物性を表1に示す。
【0021】実施例2 重合度500,ケン化度98.5モル%,最大粒径60
メッシュ・パス(JIS標準ふるい)のPVA系重合体
を用いた以外は実施例1と同じ方法でセメント質成形体
を得た。
【0022】実施例3 変性PVA系重合体として、単量体にビニルトリメトキ
シシランを用い、メタノール溶媒中で、2,2'−アゾ
ビスイソブチロニトリルの開始剤のもとに酢酸ビニルと
ともに共重合させた後、常法によリケン化し、未反応物
を除去した上で乾燥して、重合度500,ケン化度9
8.5モル%,ビニルトリメトキシシラン変性量0.6
モル%、最大粒径60メッシュ・パス(JIS標準ふる
い)のPVAを得た。該PVAを使用すること以外は実
施例1と同様にしてセメント質成形体を得た。使用した
PVAの特性とセメント質成形体の物性を表1に示す。
【0023】実施例4 実施例3と同様な方法で、重合度300、ケン化度9
7.5モル%、ビニルトリメトキシシラン変性量0.9
モル%、最大粒径60メッシュ・パス(JIS標準ふる
い)のシラン変性PVAをえた。該PVA系重合体を使
用すること以外は実施例1にしたがい、セメント質成形
体を得た。使用したPVAの特性とセメント質成形体の
物性を表1に示す。
【0024】比較例1 重合度1750、ケン化度99.2モル%、最大粒径6
0メッシュ・パス(JIS標準ふるい)のPVA系重合
体を使用し、実施例1と同様な方法でセメント質成形体
を得た。使用したPVAの特性とセメント質成形体の物
性を表1に示す。
【0025】比較例2 PVAを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして
セメント質成形体を製造した。使用したPVAの特性と
セメント質成形体の物性を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】機械的強度に優れ、かつオートクレーブ
養生下での成形体同士の密着が抑制されたセメント質成
形体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃におけるセメントスラリーヘの溶
    解率が25%以上であるポリビニルアルコール系重合体
    からなる押出成形法によるセメント質成形体用添加剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体が、重合
    度50〜2000のポリビニルアルコール系重合体であ
    る請求項1記載の押出成形法によるセメント質成形体用
    添加剤。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール系重合体が、重合
    度50〜1100のポリビニルアルコール系重合体であ
    る請求項1記載の押出成形法によるセメント質成形体用
    添加剤。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール系重合体が、シリ
    ル基変性ポリビニルアルコール系重合体である請求項1
    〜3のいずれかに記載の押出成形法によるセメント質成
    形体用添加剤。
  5. 【請求項5】 セメント質材料100重量部に対して、
    請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアルコール
    系重合体を0.05〜15重量部含有する組成物を押出
    成形し、次いで40〜100℃の常圧水蒸気下または1
    00〜200℃の加圧水蒸気下で養生することを特徴と
    するセメント質成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 セメント質材料100重量郡に対して、
    請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアルコール
    系重合体を0.05〜15重量部含有する組成物を押出
    成形し、次いで40〜100℃の常圧水蒸気下で養生を
    行い、さらに100〜200℃の加圧水蒸気下で養生す
    ることを特徴とするセメント質成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226249A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Kuraray Co Ltd 繊維補強セメント成形体

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JP2002226249A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Kuraray Co Ltd 繊維補強セメント成形体

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