JP2002225410A - 複合型孔版印刷システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿画像の修正等が生じても孔版原紙の無駄
が生じず、簡単に修正を確認できること。 【解決手段】 画像出力装置Ｂが出力する画像データは
通信手段Ｃを介して複合型孔版印刷装置Ａで受信され
る。複合型孔版印刷装置Ａは、孔版原紙を製版し印刷実
行する孔版印刷部Ａ１と、孔版原紙以外の他の形態によ
り印刷実行する印刷ユニットＡ２からなり、受信した画
像データをいずれかで印刷実行させる。画像データの印
字テスト時には、印刷ユニットＡ２を用いて印刷実行す
れば、印刷状態の確認を孔版原紙を用いずに行える。一
旦受信した画像データはメモリに格納され、印字テスト
後の本印刷時にはメモリから画像データを読み出し本印
刷を実行できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、作成した原稿の画
像データを孔版原理、及び孔版以外の原理の複合型孔版
印刷装置を用いて印刷する複合型孔版印刷システムに係
り、特に、原稿内容の確認を容易に行え、確認の時にお
ける孔版原紙の浪費を防止できる複合型孔版印刷システ
ムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パソコン等で作成した原稿の画像
のレイアウト等を確認するには、この画像データを印刷
用紙に印刷することにより行っていた。この印刷は、コ
ンピュータに接続された各種プリンタや、孔版印刷装置
に画像データを送って実行する。特に、原稿を多数枚印
刷する場合には孔版印刷装置が用いられるが、この孔版
印刷装置を用いた印刷を前提とする場合には、原稿画像
の確認作業時も孔版印刷装置を用いた印刷を実行するこ
とがある。この場合、孔版印刷装置は、製版部が孔版原
紙上に画像データに対応した穿孔を形成し、印刷部がこ
の製版された孔版原紙を用いて印刷用紙に印刷するよう
になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、孔版印
刷装置を用いた原稿画像の確認作業時に、原稿のレイア
ウトに修正及び変更が必要な場合には、原稿画像の修正
の都度、孔版原紙を製版し直して印刷実行することにな
り、この都度、孔版原紙を無駄に使用することになる。
この孔版原紙は１枚あたりの単価が高価である。

【０００４】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、原稿画像の修正等が生じても孔版原紙
の無駄が生じず、簡単に修正を確認できる複合型孔版印
刷システムの提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の複合型孔版印刷システムは、印刷用の画像
データを編集出力する画像出力装置と、前記画像出力装
置から出力された画像データの印刷を実行する複合型孔
版印刷装置と、前記画像データを前記画像出力装置から
前記複合型孔版印刷装置に伝送する通信手段とを備え、
前記複合型孔版印刷装置は、前記画像データに基づき孔
版原紙を製版し印刷実行する孔版印刷部と、前記画像デ
ータを前記孔版原紙以外の他の形態により印刷実行する
印刷ユニットと、前記画像データを受信し、所望する印
刷形態に応じて該画像データを前記孔版印刷部あるいは
印刷ユニットのいずれかに切り換え出力して印刷実行さ
せる制御手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００６】また、前記制御手段は、前記画像データを
格納するメモリと、前記画像データを所望する印刷形態
に応じて前記孔版印刷部あるいは印刷ユニットのいずれ
かに切り換えて出力し印刷実行させる処理手段とを備
え、前記処理手段は、前記受信した画像データを前記メ
モリに格納後、前記画像データが同一であり異なる印刷
形態での印刷指示時には、前記メモリに格納されている
画像データを読み出し、対応する印刷形態の前記孔版印
刷部あるいは印刷ユニットのいずれかに切り換えて出力
し印刷実行させる構成としてもよい。

【０００７】また、前記画像出力装置は、前記画像デー
タの印刷形態を指示する印刷情報を前記画像データに付
加して出力する構成にもできる。

【０００８】また、前記印刷ユニットは、前記孔版印刷
部における印刷用紙の搬送経路に連続する前方あるいは
後方位置に配置することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の複合型孔版印刷
システムの構成を示す概要図である。このシステムは、
孔版原理及びこれ以外の印刷手法で印刷を実行可能な複
合型の孔版印刷装置Ａと、孔版印刷装置Ａに対し印刷用
の画像データを伝送するパーソナルコンピュータ等の画
像出力装置Ｂと、これら孔版印刷装置Ａと画像出力装置
Ｂとの間で画像データを伝送する通信手段Ｃによって大
略構成されている。

【００１０】図２は、孔版印刷装置Ａを示す側面図であ
る。この孔版印刷装置Ａは、孔版原紙を用いて印刷を行
う孔版印刷部Ａ１と、孔版原紙を用いずに印刷を行う孔
版外印刷装置（以下、印刷ユニットと称す）Ａ２を備え
る。これら孔版印刷部Ａ１と印刷ユニットＡ２は同一の
装置筐体に設けられている。先ず、孔版印刷部Ａ１につ
いて説明する。図示のように、孔版印刷部Ａ１は、印刷
部１と、製版部２と、給紙部３と、排紙部４、排版部５
とを備えている。

【００１１】印刷部１は、主に版胴６と紙胴７を有して
いる。版胴６は、両端に円板形の二枚の側板８を配置
し、これら各側板８を剛性のクランプベース板９にて連
結している。また、各側板の周囲には、周壁１０が配さ
れている。

【００１２】周壁１０は、ステンレスワイヤ等からなる
可撓性線材を網状に織製したものである。従って、周壁
１０は可撓性を有しており、印刷インクが通過できる。
また、周壁１０は、側板８の外周面に巻き付けられ、巻
き付けられた一端がクランプベース板９に固定され、他
端がばねを介してクランクベース板９に連結されてい
る。このように、周壁１０は各側板８の外周面に沿って
円筒状に配される。

【００１３】クランプベース板９には、クランプ機構を
なすクランプ板１１が回動可能に取り付けられている。
クランプ板１１は、孔版原紙Ｍの一端（先端）をクラン
プする。孔版原紙Ｍは、その先端をクランプ板１１によ
りクランプベース板９に係止された後、周壁１０の外周
面に巻き付けられる。

【００１４】上記版胴６は、円筒状とされた自身の中心
軸線の周りに回転可能に支持されている。この版胴６
は、不図示の駆動機構にて、図中時計廻り方向へ回転駆
動される。

【００１５】版胴６内には、中押しローラ１２が支持さ
れている。中押しローラ１２は、版胴６の軸線と平行に
延在し、その外周面が周壁１０の内周面に摺接して図に
示す周壁１０を膨出変形させる膨出変形位置と、周壁１
０の膨出変形を解除する定常位置とに上下方向に移動を
行う。

【００１６】また、版胴６内には、中押しローラ１２の
外周面に対して微小間隔をおいて平行に延在するドクタ
ロッド１３が支持されている。中押しローラ１２とドク
タロッド１３の間には、不図示のインク供給部よりイン
クが供給され、楔形状のインク溜まり部１４が形成され
る。そして、インク溜まり部１４のインクは、中押しロ
ーラ１２の図の時計廻り方向の回転により、ドクタロッ
ド１３との微小間隔を通過して計量されつつ周壁１０の
内周面に供給される。

【００１７】紙胴７は、金属等の非弾性材料で形成さ
れ、版胴６と同一外径に構成されている。この紙胴７
は、周壁１０に対して所定間隔をおいて版胴６と平行に
設けられている。紙胴７は、版胴６と逆方向となる図の
反時計廻り方向に回転可能とされている。また、紙胴７
は、自身の回転に際し、版胴６において孔版原紙Ｍをク
ランプするクランプ板１１や、クランプベース板９等と
の干渉を回避するための凹み部１５を有している。ま
た、紙胴７には、印刷用紙Ｐを係脱可能にクランプ（支
持）する用紙クランプ部１６が設けられている。

【００１８】次に、製版部２は、連続シートからなる感
熱性の孔版原紙Ｍを、ロール状にして貯容した原紙ロー
ル部１７と、横一列に配置された複数個の点状発熱体に
より構成されたサーマルヘッド１８と、サーマルヘッド
１８に対向配置されたプラテンローラ１９と、原紙送り
ローラ２０と、原紙案内ローラ２１と、原紙カッタ２２
とを有している。

【００１９】製版部２は、原紙ロール部１７から引き出
された孔版原紙Ｍを、プラテンローラ１９の回転にてサ
ーマルヘッド１８とプラテンローラ１９の間に挟んで送
る。サーマルヘッド１８には、後述する処理手段６０か
ら出力された印刷用の画像情報が入力される。サーマル
ヘッド１８は、この画像情報に応じて各点状発熱体を各
々個別に選択的に発熱作動し、孔版原紙Ｍにドットマト
リクス状の感熱穿孔製版を行う。原稿案内ローラ２１
は、その軸部に張力付与機構をなすシリコンダンパー等
が設けられ、サーマルヘッド１８とプラテンローラ１９
の間で送られる孔版原紙Ｍに適宜張力を付与する。原紙
送りローラ２０は、製版された孔版原紙Ｍを版胴６側に
送る。また、製版された孔版原紙Ｍは、原紙カッタ２２
で一版分に切断される。また、製版部２にて入力される
画像情報には、製版された孔版原紙Ｍで印刷される印面
にかかる印面サイズデータが含まれている。

【００２０】なお、この孔版印刷部Ａ１は、原稿画像を
読みとるイメージセンサを備えた画像読み取り部（不図
示）を備えた構成にもでき、読みとった画像情報をサー
マルヘッド１８に出力して製版することもできる。

【００２１】次に、給紙部３には、印刷用紙Ｐを積載す
る給紙台２４が設けられる。この給紙台２４には、後述
する印刷ユニットＡ２が着脱可能に配置され、印刷ユニ
ットＡ２により印刷後の印刷用紙Ｐを給紙できる。な
お、給紙台２４上から印刷ユニットＡ２を取り外せば孔
版印刷だけを行うこともできる。

【００２２】印刷ユニットＡ２から排紙された（あるい
は給紙台２４に直接載置された）印刷用紙Ｐは、給紙ロ
ーラ２５および紙捌きローラ２６によって一枚ずつ取り
出される。取り出された印刷用紙Ｐは、上下の用紙ガイ
ド部材２７を介して、タイミングローラ対２８のニップ
部まで搬送される。タイミングローラ対２８は、印刷用
紙Ｐを所定タイミングをもって紙胴７の用紙クランプ部
１６による用紙喰え込み位置へ送り込む。なお、印刷用
紙Ｐを一枚ずつ取り出すための給紙ローラ２５および紙
捌きローラ２６等は給紙機構部を構成しており、そこか
ら印刷用紙Ｐを搬送するための用紙ガイド部材２７およ
びタイミングローラ対２８は給紙搬送部をなす。

【００２３】次に、排紙部４は、紙胴７と共働したピン
チローラ作用によって印刷済の印刷用紙Ｐを排紙搬送す
る排紙ピンチローラ３０を有している。また、排紙部４
は、印刷用紙Ｐを、紙胴７の回転に際して紙胴７より引
き離す用紙分離爪３１を有している。用紙分離爪３１に
て紙胴７より引き離された印刷用紙Ｐは、排紙ピンチロ
ーラ対３２によって印刷飛翔台３３へ送り出される。さ
らに、印刷用紙Ｐは、印刷飛翔台３３の傾斜３３ａによ
って排紙台３４に飛ばされて積層収容される。なお、排
紙ピンチローラ対３２および印刷飛翔台３３は排紙搬送
部をなす。

【００２４】上記排紙ピンチローラ３０と排紙ピンチロ
ーラ対３２は、印刷用紙Ｐの両側の余白部（非印刷マー
ジン部）にのみ摺接するように配置され、これらに印刷
用紙Ｐに転写したインクが写らない。また、上記各ロー
ラ３０，３２は、印刷用紙Ｐの幅方向寸法の如何にかか
わらず印刷用紙Ｐの両側余白部にのみ摺接するように、
給紙台２４にセットされた印刷用紙Ｐのサイズに応じて
位置を自動調整される。

【００２５】次に、排版部５は、版胴６の外周面に巻装
された使用済みの孔版原紙Ｍを、版胴６から引き剥がす
排版分離爪３６を有している。孔版原紙Ｍを版胴６から
引き剥がす際には、版胴６のクランプ板１１による孔版
原紙Ｍのクランプを解除し、版胴６の回転とともに開放
された孔版原紙Ｍの端部を、排版分離爪３６で引っかけ
るようにする。排版分離爪３６に引っかかる孔版原紙Ｍ
は、版胴６のさらなる回転によって版胴６の外周面から
引き剥がされる。さらに、排版分離爪３６によって引き
剥がされた孔版原紙Ｍは、排版ローラ対３７によって搬
送され、排版ボックス３８内に収容される。

【００２６】続いて、印刷ユニットＡ２について説明す
る。印刷ユニットＡ２は、孔版印刷部Ａ１における印刷
用紙Ｐの搬送経路上に設けられる。図示の如く、孔版印
刷部Ａ１の給紙部３における給紙台２４上に設けた構成
例で説明する。この印刷ユニットＡ２は、大略して印刷
ヘッド部４１と、給紙部４２と、排紙部４３とを備えて
いる。印刷ヘッド部４１は、熱転写リボン４５と、サー
マルヘッド４６と、搬送ローラ４７とを有している。

【００２７】熱転写リボン４５は、フィルムの表面にカ
ーボン層が形成されてなる。この熱転写リボン４５は、
一対のロール部４８ａ，４８ｂに巻かれる。通常、熱転
写リボン４５は、一方（図中右側）のロール部４８ａに
全て巻かれており、そこから引き出された先端が、他方
（図中左側）のロール部４８ｂに固定されている。な
お、少なくとも他方のロール部４８ｂは、不図示の回転
駆動機構により図の反時計廻り方向に回転駆動される。
これにより、一方のロール部４８ａに巻かれた熱転写リ
ボン４５が他方のロール部４８ｂに移行して巻かれる。

【００２８】サーマルヘッド４６は、各ロール部４８
ａ，４８ｂの間にある熱転写リボン４５に接触するよう
に設けられている。このサーマルヘッド４６には、後述
する処理手段６０からの画像情報が入力される。サーマ
ルヘッド４６は、この画像情報に応じて各点状発熱体を
各々個別に選択的に発熱作動し、熱転写リボン４５のカ
ーボン層を印刷用紙Ｐに転写させる。なお、画像情報
は、各印刷用紙Ｐに対して異なる画像情報が入力され、
各印刷用紙Ｐに対して異なる画像の印刷が可能である。

【００２９】搬送ローラ４７は、サーマルヘッド４６と
の間で熱転写リボン４５をニップする。この搬送ローラ
４７は、不図示の回転駆動機構により図の時計廻り方向
に回転駆動される。なお、他方のロール部４８ｂを回転
駆動する上記回転駆動機構と、搬送ローラ４７を回転駆
動する回転駆動機構は、併用されて他方のロール部４８
ｂと搬送ローラ４７の駆動が連動している。

【００３０】そして、搬送ローラ４７は、自身と熱転写
リボン４５の間に送られた印刷用紙Ｐを図中左側に搬送
する。上記サーマルヘッド４６の感熱による印刷用紙Ｐ
に対する熱転写リボン４５のカーボン層の転写は、この
印刷用紙Ｐの搬送時に行われる。また、搬送ローラ４７
による印刷用紙Ｐの搬送およびカーボン層の転写ととも
に、熱転写リボン４５の他方のロール部４８ｂへの移行
も行われる。

【００３１】この印刷ユニットＡ２の給紙部４２は、印
刷用紙Ｐを積載する給紙載置台５１を有している。給紙
載置台５１にある印刷用紙Ｐは、給紙ローラ５２および
紙捌きローラ５３によって一枚ずつ取り出される。取り
出された印刷用紙Ｐは、ガイド板５４を介して、送りロ
ーラ５５にて搬送される。送りローラ５５は、印刷用紙
Ｐを前記搬送ローラ４７と熱転写リボン４５の間に送
る。なお、印刷用紙Ｐを一枚ずつ取り出すための給紙ロ
ーラ５２および紙捌きローラ５３等は別の給紙機構部を
なす。

【００３２】次に、排紙部４３は、印刷ヘッド部４１に
て印刷された印刷用紙Ｐを搬送排紙する搬送部をなす。
印刷された印刷用紙Ｐは、ガイド板５７を介して、送り
ローラ５８にて搬送される。さらに、送りローラ５８に
て搬送された印刷用紙Ｐは、排紙ローラ５９にて印刷ユ
ニットＡ２から排出される。排紙ローラ５９は、孔版印
刷部Ａ１の給紙ローラ２５に対向する位置に設けられて
印刷用紙Ｐを孔版印刷部Ａ１に送り出す。

【００３３】このような複合型の孔版印刷装置１の印刷
動作を説明する。印刷ユニットＡ２では孔版原紙を用い
ず熱転写リボン４５を用いた印刷が行える。先ず、給紙
載置台５１に載置された印刷用紙Ｐが、給紙部４２にて
印刷ヘッド部４１に搬送されて、その裏面（他方の面）
に熱転写リボン４５をサーマルヘッド４６で感熱した印
刷が行われ、排紙部４３にて排紙される。続いて、排紙
部４３の排紙ローラ５９と、印刷装置本体の給紙部３の
給紙ローラ２５とにより、印刷ユニットＡ２にて印刷さ
れた印刷用紙Ｐが、孔版印刷部Ａ１側に給紙される。

【００３４】孔版印刷部Ａ１では、孔版原紙Ｍを用いた
印刷動作が行われる。孔版印刷時には、印刷に先立ち、
製版部２にて製版された一版分の孔版原紙Ｍを、版胴６
側に搬送する。そして、搬送された孔版原紙Ｍの先端を
クランプ板１１にてクランプするとともに、版胴６の回
転によって周壁１０の外周面に巻き付け着版する。この
状態で、給紙部３が印刷ユニットＡ２から排出された印
刷用紙Ｐを一枚取り出し、タイミングローラ対２８のニ
ップ部まで搬送する。次に、タイミングローラ対２８
が、印刷用紙Ｐを所定タイミングで紙胴７の用紙クラン
プ部１６による用紙喰え込み位置へ送り込む。

【００３５】次に、印刷部１は、版胴６と紙胴７を同期
回転させ、版胴６に巻かれた孔版原紙Ｍと、紙胴７にク
ランプされた印刷用紙Ｐを圧接させる。これにより、孔
版原紙Ｍの穿孔部を通過したインクが印刷用紙Ｐの表面
（一方の面）に転写されて印刷が行われる。次に、排紙
部４は、紙胴７の回転にて、用紙クランプ部１６が印刷
用紙Ｐのクランプを解放し、この印刷用紙Ｐを用紙分離
爪３１にて紙胴７より引き離し、印刷飛翔台３３を介し
て排紙台３４に排紙する。そして、使用済みとなった孔
版原紙Ｍは、上述の如く排版部５にて排版する。この孔
版印刷部Ａ１では、印刷用紙Ｐの表側（一方の面）に印
刷が行われ、排紙台３４に排紙される。これにより、印
刷用紙Ｐには、表側に孔版印刷部Ａ１による印刷が施さ
れ、裏側に印刷ユニットＡ２による印刷を施すことがで
きる。

【００３６】上記説明した印刷ユニットＡ２は、孔版印
刷部Ａ１における印刷用紙Ｐの搬送経路前方に設けら
れ、印刷用紙Ｐの裏側に印刷を施す構成とした。これに
限らず、印刷ユニットＡ２の印刷ヘッド部４１が上下反
転するように配置することもできる。具体的には、印刷
用紙Ｐの搬送経路（サーマルヘッド４６と搬送ローラ４
７による熱転写リボン４５のニップ部分）を中心とし
て、上下反転させてもよい。これにより、印刷ユニット
Ａ２は印刷用紙Ｐの表面に印刷を行うこともできる。ま
た、印刷ユニットＡ２は、給紙部３側ではなく、排紙部
４側に設けて孔版印刷部Ａ１で孔版印刷後の印刷用紙Ｐ
に印刷を施す構成とすることもできる。

【００３７】上記のような複合型の孔版印刷装置Ａによ
れば、孔版印刷部Ａ１を使用した多枚数の孔版印刷に先
立ち、印刷ユニットＡ２による印字テストを実行するこ
とができるようになる。

【００３８】次に、図３は、複合型孔版印刷装置Ａの電
気的構成を示すブロック図である。画像出力装置Ｂは、
複合型の孔版印刷装置Ａに対し印刷用の画像データを出
力するために画像作成、画像編集、画像出力等の機能を
有する。この画像出力装置Ｂは、前述した孔版印刷部Ａ
１、及び印刷ユニットＡ２それぞれに個別の画像データ
を出力することもできる。画像出力装置Ｂから出力され
た画像データは、通信手段Ｃを構成する通信線Ｃ１を介
して孔版印刷装置Ａの制御手段６０に入力される。制御
手段６０のコントロールボードＣ２は、この画像データ
を受信し画像信号処理手段６１に出力する。

【００３９】画像信号処理手段６１は、入力された画像
データをメモリ６２に格納する。また、画像データをそ
れぞれ孔版印刷部Ａ１、印刷ユニットＡ２で印刷可能な
形式に変換して処理手段６３に出力する。処理手段６３
は、入力された画像データを印刷情報に対応した形式で
印刷すべく孔版印刷装置Ａの各部を動作制御する。この
印刷情報は、画像出力装置Ｂが出力する画像データに含
まれ、画像データの大きさ、印刷枚数等からなる。

【００４０】以下の説明では、印刷情報として印字テス
ト、及び本印刷の印刷指示が設定された構成を例に説明
する。この孔版印刷装置Ａは、印字テストの指示入力時
には印刷ユニットＡ２を用いて画像データを１枚の印刷
用紙Ｐに印刷し、本印刷の指示入力時には孔版印刷部Ａ
１を用いて同画像データを設定された印刷枚数分の孔版
印刷を実行するよう設定されているものとする。この印
刷設定は予め操作パネル６４を用いて設定されている。

【００４１】図４は、画像出力装置Ｂにおける画像デー
タ出力時の設定画面を示す図である。図示のように、画
像データは出力時に印刷情報を設定して出力される。画
像出力装置Ｂは、画像データを出力するための出力手段
であるプリンタドライバを備えている。このプリンタド
ライバは、画像データの出力時に印刷情報の設定画面７
０をディスプレイ装置に表示させる。この設定画面７０
には、印字テストボタン７１が設けられる。この印字テ
ストボタン７１の選択操作時には、画像データの印字テ
ストを行う。この際、画像出力装置Ｂは、画像データと
共に、印刷情報に印字テストの情報を付加して出力す
る。

【００４２】また、画像データの本印刷時には、本印刷
を指示する本印刷指示ボタン（ＯＫボタン）７２を選択
操作することにより、画像出力装置Ｂは、画像データを
出力する。この画像データは印字テスト時及び本印刷時
のいずれも同一のデータ内容である。

【００４３】次に、複合型孔版印刷装置Ａによる印刷の
制御処理を図５のフローチャートを用いて説明する。画
像出力装置Ｂは、印刷したい画像データが印刷情報と共
に出力する。孔版印刷装置Ａにはこの画像データ、及び
印刷情報が入力される。孔版印刷装置Ａでは入力された
画像データをメモリ６２に格納する。次に、処理手段６
３は、入力された印刷情報に基づき、印字テストである
か本印刷であるかを判断する（ＳＰ１）。

【００４４】印刷情報に印字テストの印刷指令が含まれ
ている場合には（ＳＰ１−ＹＥＳ）、メモリ６２に格納
された画像データを印刷ユニットＡ２に出力する。印刷
ユニットＡ２は、前述したように１枚の印刷用紙Ｐを取
り込み、熱転写リボン４５をサーマルヘッド４６で感熱
して画像データの印刷を施す（ＳＰ３）。この印字テス
トには孔版原紙を用いずに行うものであるため、印刷用
紙Ｐ上での印字状態を直ちに確認することができるよう
になる。また、印字テストの結果、この画像データの再
編集等が必要な場合等の孔版原紙Ｍの無駄な使用を防止
できる。画像出力手段Ｂでは画像データの再編集を行
い、再度印字テストあるいは本印刷を指示してこの画像
データを孔版印刷装置Ａに出力する。

【００４５】なお、画像信号処理手段６１は、この印字
テスト時の画像データについては、本印刷時の画像デー
タと大きさを同一としながら、印字テスト時にのみメモ
リ６２に格納した画像データを低い解像度に変換したも
のを出力してもよい。これにより印字の高速化を図りレ
イアウトを直ちに確認できる。一方、印字テストで微細
な文字等の確認時には、印字テスト時であっても画像デ
ータの解像度は変更せずに用いることが望ましい。

【００４６】また、上記ＳＰ１の処理において入力され
た印刷情報に本印刷である印刷指令が含まれている場合
には（ＳＰ１−ＮＯ）、メモリ６２に格納された画像デ
ータを孔版印刷部Ａ１に出力する。孔版印刷部Ａ１は、
前述したように製版部２で孔版原紙Ｍに画像データに対
応した製版を施し、印刷部１の版胴６に巻き付けた状態
で版胴６を回転させることにより指定された印刷枚数分
の孔版印刷を実行する（ＳＰ５）。

【００４７】上記の印字テスト、及び本印刷の指示は画
像出力装置Ｂ側の設定画面７０で設定されるが、初めに
印字テストを実行させた際に出力される画像データは孔
版印刷装置Ａのメモリ６２に格納される。この後、印字
テストが問題なく出力した画像データをそのまま本印刷
に使用できる場合には、本印刷を実行する場合、既にメ
モリ６２に格納されている画像データを用いた本印刷を
直ちに実行することができる。そして、本印刷のために
再度、画像出力装置Ｂから孔版印刷装置Ａに対して画像
データを出力する手間と時間を省くことができる。

【００４８】上記実施形態では、印刷ユニットＡ２を印
字テスト用として用いる構成としたが、これに限らず、
孔版印刷部Ａ１と共に１枚の印刷用紙Ｐに対し両面印
刷、あるいは片面重ね印刷を行うこともできる。これら
孔版印刷部Ａと印刷ユニットＡ２は１つの搬送経路上に
設けられているため、印刷用紙Ｐ一回の搬送にて手間な
く行うことが可能である。具体的には、年賀状やダイレ
クトメール等のはがき印刷のように、印刷用紙Ｐの表面
（一方の面）は同一の画像で、裏面（他方の面）は１枚
の印刷用紙Ｐ毎に異なる宛名となるような印刷が行え
る。また、印刷ユニットＡ２を上下逆転して配置すれ
ば、印刷用紙Ｐの表面（一方の面）に異なる文字と同一
の画像を共に印刷することも可能である。

【００４９】このような構成において、両面印刷あるい
は片面重ね印刷を実行する前に、前述した印字テストを
行うよう印刷設定することも可能である。画像出力装置
Ｂは、両面印刷あるいは片面重ね印刷に対応した異なる
２つの画像データを孔版印刷装置Ａに出力する。そし
て、印字テストを指示することにより、この異なる２つ
の画像データの印字テストを印刷ユニットＡ２を用いて
行う。この場合、処理手段６３は、図５に示すように印
刷ユニットＡ２に対し２つの画像データを重ねた画像デ
ータを出力する（ＳＰ２；データ分版なし）。対応して
印刷ユニットＡ２は、印刷用紙Ｐに片面重ね印刷を実行
する。この印字テストでレイアウト等を確認後、本印刷
を印刷指示する。

【００５０】本印刷時には、処理手段６３は、メモリ６
２から２つの画像データを再度読み出し、各画像データ
を対応する孔版印刷部Ａ１、及び印刷ユニットＡ２に分
離して出力する（ＳＰ４；データを分版）。孔版印刷部
Ａ１、及び印刷ユニットＡ２は、それぞれの画像データ
を指定された印刷枚数分印刷実行する。

【００５１】また、画像出力部Ｂには、印字テスト時
（ＳＰ２）、設定画面７０上に２つの画像データのうち
いずれか一方を選択して印字テストできるよう画像デー
タの選択ボタン（不図示）を設ける構成としてもよい。
なお、印刷ユニットＡ２が両面印刷のうち一方の面を印
刷する構成であり、本印刷時に両面印刷を実行する場合
には、ＳＰ３での制御はテスト印字ではなく、印刷ユニ
ットＡ２に出力された画像データに基づく本印刷の実行
を示す。

【００５２】また、上記実施形態では、画像出力装置Ｂ
側で印刷形態を指定してテスト印字及び本印刷を実行さ
せる構成としたが、これに限らない。複合型孔版印刷装
置Ａに設けられた操作パネル６４の操作でテスト印字及
び本印刷のいずれかを選択設定する構成にもできる。

【００５３】上記実施形態で説明した印刷ユニット（孔
版外印刷装置）Ａ２は、孔版印刷部Ａ１と異なり印刷に
孔版原紙Ｍを用いない構成であればよい。上記熱転写型
に限らず、インクジェット方式、レーザー方式等の構成
を適用することもできる。

【００５４】

【発明の効果】本発明によれば、孔版原紙を用いる孔版
印刷部と、孔版原紙を用いずに印刷する印刷ユニットを
備えた複合型孔版印刷装置を使用し、これらいずれかの
印刷形態を画像出力装置から通信手段を介し指示して印
刷することができる。これにより、印刷ユニットを使用
してテスト印字を行えば画像データの印刷結果の確認を
迅速に確認出来る。この際、孔版原紙を無駄に使用せず
低コストで行える。また、画像出力装置から出力された
画像データを、複合型孔版印刷装置のメモリに格納する
構成とすれば、メモリに格納した画像データを印字テス
ト及び本印刷用に用いることができ、印刷形態を変える
毎に画像出力装置から画像データを送出する手間及び時
間を省くことができるようになる。また、画像出力装置
が出力する画像データの印刷情報に印刷形態を指示し
て、この印刷形態に沿って画像データを印刷できるよう
になる。さらに、孔版印刷部の搬送経路に連続するよう
印刷ユニットを設ける構成とすれば、孔版印刷部及び印
刷ユニットに対する印刷用紙の給紙位置及び排紙位置を
同一にでき、取り扱いを容易化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複合型孔版印刷システムの実施の形態
を示す構成図。

【図２】複合型孔版印刷装置を示す側面図。

【図３】複合型孔版印刷装置の電気的構成を示すブロッ
ク図。

【図４】画像データ出力時の設定画面を示す図。

【図５】印刷の制御処理を示すフローチャート。

【符号の説明】

Ａ…複合型孔版印刷装置、Ａ１…孔版印刷部、Ａ２…印
刷ユニット、Ｂ…画像出力装置、Ｃ…通信手段、１…印
刷部、２…製版部、６０…制御手段、６２…メモリ、６
３…処理手段、７０…設定画面、７１…印字テストボタ
ン、７２…本印刷指示ボタン。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷用の画像データを編集出力する画像
   出力装置と、 前記画像出力装置から出力された画像データの印刷を実
   行する複合型孔版印刷装置と、 前記画像データを前記画像出力装置から前記複合型孔版
   印刷装置に伝送する通信手段とを備え、 前記複合型孔版印刷装置は、 前記画像データに基づき孔版原紙を製版し印刷実行する
   孔版印刷部と、 前記画像データを前記孔版原紙以外の他の形態により印
   刷実行する印刷ユニットと、 前記画像データを受信し、所望する印刷形態に応じて該
   画像データを前記孔版印刷部あるいは印刷ユニットのい
   ずれかに切り換え出力して印刷実行させる制御手段と、
   を備えたことを特徴とする複合型孔版印刷システム。
2. 【請求項２】 前記制御手段は、前記画像データを格納
   するメモリと、 前記画像データを所望する印刷形態に応じて前記孔版印
   刷部あるいは印刷ユニットのいずれかに切り換えて出力
   し印刷実行させる処理手段とを備え、 前記処理手段は、前記受信した画像データを前記メモリ
   に格納後、前記画像データが同一であり異なる印刷形態
   での印刷指示時には、前記メモリに格納されている画像
   データを読み出し、対応する印刷形態の前記孔版印刷部
   あるいは印刷ユニットのいずれかに切り換えて出力し印
   刷実行させる請求項１記載の複合型孔版印刷システム。
3. 【請求項３】 前記画像出力装置は、前記画像データの
   印刷形態を指示する印刷情報を前記画像データに付加し
   て出力する請求項１、２のいずれかに記載の複合型孔版
   印刷システム。
4. 【請求項４】 前記印刷ユニットは、前記孔版印刷部に
   おける印刷用紙の搬送経路に連続する前方あるいは後方
   位置に配置された請求項１乃至３のいずれかに記載の複
   合型孔版印刷システム。