JP2002224991A - スリッタにおける切断装置 - Google Patents

スリッタにおける切断装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】スリッタにおいて製品幅を変更するときに複数
の切断刃の位置決めを迅速にかつ正確に行なう。 【解決手段】ホルダー6それぞれに、取付軸4側のスケ
ール9に重なる透明、又は半透明材からなり取付軸4側
のスケール9の目盛9aが目視可能な目盛板22を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスリッタにおける切
断刃を備える切断装置に関するものであり、さらに詳し
くは、広幅ウエブを長手方向にスリットして複数の細幅
ウエブとして巻取るスリッタにおいて、その細幅ウエブ
の幅を変更するときにそれぞれの切断刃の位置決めを迅
速且つ正確に行なえるようにした切断装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、スリッタにおいては、広幅ウエブ
の幅方向に沿って複数の切断刃を所定幅毎に配置し、走
行する広幅ウエブを長手方向にスリットしている。この
ときそれぞれの切断刃は、切断刃の取付軸上において軸
方向に移動可能であって、かつ移動位置において固定可
能に設け、製品である細幅ウエブの幅の変更が必要な場
合には、その都度、それぞれの切断刃を軸方向に所定幅
を移動させて位置決めを行なっている。
【0003】ところで、スリッタにおける切断方式に
は、溝付きローラの外周に巻き掛けられて走行する広幅
ウエブを、切断刃を溝付きローラの溝に入れた状態でス
リットする溝切り方式や、前後のローラ間を走行中の広
幅ウエブを、切断刃により空中においてスリットする空
中切り方式とがある。また、切断刃としてはレザー刃や
丸刃が用いられる。
【0004】そして、従来は切断刃を軸方向に移動させ
て位置決めを行なうのは、作業者が手作業で行なうこと
が一般的であり、複数の切断刃を移動させて所定間隔を
測定しながら精度よく配置して固定するには熟練を要す
るとともに、手間の掛かる作業である。このような作業
を効率的に行なうために切断刃の取付軸上にスケールを
貼り付けておき、作業者が目視で切断刃のホルダーなど
をスケールの所定の目盛上へ移動させて固定する作業が
行なわれている。
【0005】しかしながら、目視で切断刃のホルダーを
目盛上へ移動させようとする場合、作業者が前記ホルダ
ーの側端面をスケールの目盛に合わせようとしても、作
業者の目線とホルダーの側端面とが揃った状態では、そ
の側端面の下端部(スケールに一番近い部分)が見難く
なり、そのため、作業者はホルダーの側端面を斜め上方
から見ながらその側端面の下端部を合せざるを得ず、
0.1〜0.5mm程度の誤差を生じることは避けられ
なかった。
【0006】上記のような設定誤差は、製品の仕上げ幅
が規格外となるなどの問題を生じるとともに、例えば、
上記溝付きローラの溝幅は1mm幅で、切断刃の厚みが
0.25mmである溝切り方式においては、上記0.1
〜0.5mm程度の誤差は切断刃が溝付きローラに接触
するなどのトラブルの原因となるという問題があった。
そこで本発明は、上記の問題点に着目してなされたもの
で、スリッタにおいて簡単な治具を用いて、製品幅を変
更するときに複数の切断刃の位置決めを迅速にかつ正確
に行なうことのできる切断装置を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、切断刃を備える複数のホルダーが
スケール目盛を有する取付軸に移動可能にして取り付け
られ、かつ、前記ホルダーが前記取付軸に対する位置決
め手段を備えたスリッタの切断装置において、前記ホル
ダーそれぞれは、取付軸側のスケールに重なる透明、又
は半透明材からなり前記取付軸側のスケールの目盛が目
視可能な目盛板を備えていることを特徴とするスリッタ
の切断装置を提供して、上記課題を解消するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を図1から図5に示
す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1はロー
ルaから繰り出された広幅ウエブbを溝付きローラcの
外周に巻き掛けるようにして走行させ、その溝付きロー
ラcの位置で前記広幅ウエブbを長手方向にスリットし
て、同一幅とした複数の細幅ウエブdを得るようにした
スリッタを示していて、このスリッタ1にあっては、前
記溝付きローラcを通って送り出される細幅ウエブdそ
れぞれは図示しない巻取軸にて巻き取られるようにして
いる。
【0009】上記スリッタ1において広幅ウエブbをス
リットするために溝付きローラcに対応して切断装置2
が設けられている。この切断装置2は、図2に示すよう
に枢支点e回りに所要角度で回動可能としたステー3に
両端が支持されて広幅ウエブbの幅方向に亘って位置す
る取付軸4とこの取付軸4の長手方向に間隔をおいて取
り付けられてそれぞれが切断刃5を有している複数のホ
ルダー6とからなるものである。取付軸4は両端部、即
ち上記ステー3への連結部分を除いた部分の断面形状が
略四角形とされ、長手方向に亘って取付軸4の上部には
面取り部7が設けられている。さらに、この取付軸4の
前記面取り部7に対向する一つの側面8には取付軸4の
長手方向に亘ってスケール9が備え付けられていて、後
述する複数のホルダー6それぞれはこのスケール9の目
盛9aに位置合わせして固定する。
【0010】ホルダー6にはこのホルダー6を上記取付
軸4に取り付けるための凹部10が設けられており、前
記凹部10に取付軸4が入るようにして取り付け、凹部
10の開放部分側に螺着して取付軸4の上記面取り部7
に当接可能な固定ネジ11を緩めることでホルダー6が
取付軸4の長手方向に沿って移動でき、その固定ネジ1
1を締めることでホルダー6を取付軸4に対して固定で
きるようにしている。図4は、前記凹部10における取
付軸4の側面8に摺接可能とした対応面部12を示して
いる。この対応面部12には、取付軸4の前記側面8に
連続するもう一つの側面13(図において下方側)との
対応面部14に沿うようにして逃がし孔15が穿設さ
れ、これによって、取付軸4の側面8との接触面積を小
さくして前記固定ネジ11を締め付けたときにガタ付き
が生じないように図られている。
【0011】ホルダー6の上記凹部10の反対側の部分
(図において下方部分)は切断刃取付部分として構成さ
れているものであり、切断刃5を止めネジ16で固定し
たスライドプレート17をホルダー6に移動可能にして
配置し、定位置で回転する調整ネジ18を前記スライド
プレート17に螺合させて、その調整ネジ18の回転操
作で一方向に前記切断刃5を移動調整可能としており、
移動調整した後、一部分が切断刃5にかかる押さえ環1
9を介して固定ネジ20により固定するようにしてい
る。そして、前記切断刃5の刃先は、上記ステー3が所
要角度回動してホルダー6が溝付きローラcに対応位置
したときにその溝付きローラcの溝部に僅かながら入り
込めるように設けられている。21は上記切断刃5の刃
先を保護するカバーであり、該カバー21はホルダー6
に回動可能にして取り付けられ、スリットする際には待
機位置に移動させて切断刃5の刃先が表出するようにし
ている。
【0012】上記対応面部12には、上記取付軸4のス
ケール9と重なるように位置させた目盛板22が面一に
して設けられ、凹部10とは反対側からの取付ネジ23
により固定されている。そして、この前記目盛板22が
取り付けられたホルダー6では、目盛板22の目盛22
aの一部がスケール9の目盛9aに重なった状態で、前
記スケール9に直交する方向から目視できるように切り
欠き部24を設けている。そして、前記目盛板22は透
明、又は半透明材からなりものであり、スケール9と同
じピッチの目盛22aが設定されている。
【0013】このように、ホルダー6にあっては、スケ
ール9と重なってそのスケール9の目盛9aと目盛板2
2の目盛22aとが目視できることから、ホルダー6そ
れぞれを取付軸4に所要の間隔を取りながら配置固定す
る際には、図5に示すように、例えば切断刃5の刃先位
置に合わされているホルダー6の側面6aを基準面と
し、ホルダー6それぞれの側面6aをスケール9上の所
定の目盛位置に配した後、切り欠き部24から見えるス
ケール9に面するようにしてそのスケール9の目盛9a
と目盛板22の目盛22aとのズレ25を調整する(ズ
レを無くす)ことで、スケール9の目盛9aに正確に位
置合わされ、その後上記固定ネジ11を締め付けてホル
ダー6を取付軸4に固定すればよく、これによって隣接
する切断刃5同士が正確に所定間隔26(細幅ウエブの
幅)で所望位置に適正に固定される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切断刃を備える複数のホルダーがスケール目盛を有する
取付軸に移動可能にして取り付けられ、かつ、前記ホル
ダーが前記取付軸に対する位置決め手段を備えたスリッ
タの切断装置において、前記ホルダーそれぞれは、取付
軸側のスケールに重なる透明、又は半透明材からなり前
記取付軸側のスケールの目盛が目視可能な目盛板を備え
ていることを特徴とするものである。このように、ホル
ダーそれぞれに、このホルダーを取り付ける取付軸のス
ケールの目盛を透視できる状態とした目盛板を備えてい
るため、目盛板の目盛とスケールの目盛とのズレを無く
すようにしてホルダーの位置調整することで切断刃が適
正に位置合わせでき、切断刃の設定位置に対する誤差を
極力小さくして、適正幅の細幅ウエブを得ることができ
る。さらに、従来のようにホルダーの側面部を斜め方向
から局部的な部分を確認しながら位置合わせしなくと
も、スケールを正面に見ることで、そのスケールと目盛
板との目盛の並びがズレているか否かが簡単に目視で
き、その目盛の並びのズレの有無を確認しながらホルダ
ーの位置決めが適正に行なえるようになり、よって切断
刃を迅速に所要位置に位置決めできるようになるなど、
実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリッタの切断装置の一例を概略
的に示す説明図である。
【図2】切断装置を取付軸断面方向から見た状態で示す
説明図である。
【図3】スケールの正面側から見た状態を示す説明図で
ある。
【図4】目盛板を示す説明図である。
【図5】取付軸に配置した複数のホルダーを概略的に示
すもので、(ア)は取付軸とホルダーを示す説明図、
(イ)は切り欠き部を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1…スリッタ 2…切断装置 4…取付軸 5…切断刃 6…ホルダー 9…スケール 9a…目盛 10…凹部 12…対応面部 22…目盛板 22a…目盛

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】切断刃を備える複数のホルダーがスケール
    目盛を有する取付軸に移動可能にして取り付けられ、か
    つ、前記ホルダーが前記取付軸に対する位置決め手段を
    備えたスリッタの切断装置において、前記ホルダーそれ
    ぞれは、取付軸側のスケールに重なる透明、又は半透明
    材からなり前記取付軸側のスケールの目盛が目視可能な
    目盛板を備えていることを特徴とするスリッタの切断装
    置。
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