JP2002224668A - 紫外線照射式水質浄化装置および水質浄化方法 - Google Patents

紫外線照射式水質浄化装置および水質浄化方法

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JP2002224668A
JP2002224668A JP2001023520A JP2001023520A JP2002224668A JP 2002224668 A JP2002224668 A JP 2002224668A JP 2001023520 A JP2001023520 A JP 2001023520A JP 2001023520 A JP2001023520 A JP 2001023520A JP 2002224668 A JP2002224668 A JP 2002224668A
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ultraviolet irradiation
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dissolving
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JP2001023520A
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Masabumi Matsumoto
正文 松本
Mitsuhiro Sato
光洋 佐藤
Kazuo Abe
一雄 阿部
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡によって紫外線の光強度が減衰したり、
透過範囲が狭められたりすることなく、十分な反応時間
を確保して効率的に被分解物を分解できる紫外線照射式
水質浄化装置を提供すること。 【解決手段】 反応槽内の被処理液に紫外線を照射する
ことにより、被処理液中の被分解物を分解して浄化する
紫外線照射式水質浄化装置であって、前記反応槽は、被
処理液中に導入された気体を気泡として上昇させるとと
もに、気体を被処理液中に溶解させる溶解部と、該溶解
部と連通しつつ、紫外線照射により被分解物質の分解を
行う紫外線照射部、とを有し、前記溶解部における前記
気泡の上昇力を利用して、被処理液に前記溶解部と前記
紫外線照射部とを循環する回流を形成可能にしたことを
特徴とする、紫外線照射式水質浄化装置および水質浄化
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、化学工
業、食品加工業などの工場排水、下水、侵出水、貯水
槽、農林水産業関連の廃水等を対象とした水質浄化処理
に利用できる紫外線照射式水質浄化装置および水質浄化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線照射式の水質浄化装置は、
図4に概要を示すように、紫外線ランプを内蔵した反応
槽10に、散気機構としての散気ノズル15を通じてオ
ゾンガス13等の気体を導入する方式が一般的に採用さ
れてきた。すなわち、従来型の紫外線照射式水質浄化装
置100では、中心部に円筒状の紫外線ランプ7を、ま
た、反応槽10の内壁面に必要に応じて光触媒9を備
え、オゾンガス13等の気体は反応槽10下部に設けら
れた散気ノズル15から導入されて、反応槽10内を上
昇していく構成となっている。図4からわかるように、
紫外線照射式水質浄化装置100では、紫外線ランプ7
と光触媒9との間をオゾンガス13等の気泡が上昇して
いくことになり、被処理液40に紫外線を照射する場所
とオゾン等の気体を溶解させる場所とは区別されていな
い。このため、図4のような構成では、紫外線ランプ7
の近傍に気泡30が散在して滞留する現象が生じ、気泡
30によって紫外線が散乱、吸収されて光強度が減衰
し、透過範囲が狭められてしまうという問題があった。
その結果、紫外線照射による被分解物の分解反応の効率
が低下するとともに、光触媒9への十分な光到達強度が
得られにくくなり、光触媒性能を十分に発揮できないお
それがある。さらに、紫外線とオゾンとの反応によって
オゾンラジカルを生成させるには、ガス状(気泡状態)
より液体に溶解した分子状のオゾンの方がラジカル生成
率がよいにもかかわらず、従来型の水質浄化装置100
では、気泡30に直接紫外線を照射するため、添加オゾ
ン量に対するラジカル生成率が低く、分解反応における
オゾンの利用効率が悪かった。しかも、気泡30に直接
紫外線を照射すると、気泡30中のオゾンが分解してし
まうため、オゾンの損失を招き、分解反応に寄与できる
オゾンが減少してしまうという問題があった。
【0003】また、図4の装置では、被処理液40は導
入口11から導入され、排出口19から排出されるが、
被処理液40中に含まれる有機物等の被分解物の分解反
応の時間を十分に確保するためには、反応槽10を大型
化するか、あるいは反応槽10外部に排出口19から導
入口11を結ぶ循環用の経路を別途付設して再処理を図
る必要があり、装置の小型化や簡素化と、エネルギー効
率の向上を図る上で妨げとなっていた。
【0004】一方、特開2000−202471号公報
には、汚水をオゾン含有気体またはオゾン含有気体及び
過酸化水素により処理する第一処理工程と、(A)紫外
線、(B)紫外線及びオゾン含有気体、(C)紫外線及
び過酸化水素、または(D)紫外線及びオゾン含有気体
及び過酸化水素により処理する第二処理工程に分けて処
理を行う内分泌撹乱物質もしくは発ガン性物質を含有す
る汚水の処理方法の発明が開示されている。
【0005】しかし、特開2000−202471号公
報に記載の汚水の処理方法において、第一処理工程と第
二処理工程とを区分する主な目的は、第一処理工程にお
けるオゾンの作用により汚水の透過率を向上させるこ
と、および導入するオゾンの有効利用を図ることにあ
る。従って、気泡によって紫外線の光強度が減衰し、透
過範囲が狭められる問題や、光触媒性能が低下する問題
点は、依然改善されていない。また、この特開2000
−202471号公報の汚水処理方法では、反応槽内に
おける被分解物の分解反応時間を確保するために装置外
部に配管を設け、ポンプで循環させる構成が採用されて
おり、装置の簡素化やエネルギー効率の向上を図ること
は考慮されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、気泡
によって紫外線の光強度が減衰したり、透過範囲が狭め
られたりすることなく、しかも、十分な反応時間を確保
して効率的に被分解物を分解できる紫外線照射式水質浄
化装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の紫外線照射式水質浄化装置の発明
は、反応槽内の被処理液に紫外線を照射することによ
り、被処理液中の被分解物を分解して浄化する紫外線照
射式水質浄化装置であって、前記反応槽は、被処理液中
に導入された気体を気泡として上昇させるとともに、気
体を被処理液中に溶解させる溶解部と、該溶解部と連通
しつつ、紫外線照射により被分解物質の分解を行う紫外
線照射部、とを有し、前記溶解部における前記気泡の上
昇力を利用して、被処理液に前記溶解部と前記紫外線照
射部とを循環する回流を形成可能にしたことを特徴とす
る。この紫外線照射式水質浄化装置の発明によれば、第
一に反応槽内を溶解部と紫外線照射部とを明確に区別し
たので、導入気体の気泡によって紫外線の光強度が減退
したり、透過距離が低下したりするという問題がない。
また、溶解状態の分子状オゾンによって効率良くラジカ
ルが生成し、分解反応に寄与する。さらに、紫外線は直
接気泡には照射されないので、オゾン等の物質が紫外線
の作用で分解することはなく、損失を抑え、有効利用で
きる。第二に、溶解部における気泡の上昇力を利用して
自然な循環回流を形成できるようにしたので、被分解物
の分解のために十分な反応時間を確保できるとともに、
別途配管やポンプ等を設けなくても、被処理液の循環処
理が可能であり、装置の簡素化や、エネルギー消費の抑
制、低コスト処理を図る上で有利である。
【0008】また、請求項2に記載の紫外線照射式水質
浄化装置の発明は、請求項1において、前記反応槽は、
前記紫外線照射部の周囲に前記溶解部を配設した二槽構
造とし、該紫外線照射部と該溶解部とを隔壁により区分
するとともに、該隔壁の上部および下部に、一つないし
複数の連通口をそれぞれ設けたことを特徴とする。この
特徴によれば、隔壁を介して紫外線照射部の周囲に溶解
部を配設した二槽構造としたので、装置を小型化するこ
とが可能になる。
【0009】また、請求項3に記載の紫外線照射式水質
浄化装置の発明は、請求項2において、前記連通口のう
ち下部の連通口に、該連通口を通じて溶解部から紫外線
照射部へ前記気泡が流入することを防止する規制手段を
設けたことを特徴とする。この特徴によれば、下部の連
通口に規制手段を設けたので、気泡が紫外線照射部に流
入することなく、溶解部内を上昇してスムーズな循環流
が形成される。
【0010】また、請求項4に記載の紫外線照射式水質
浄化装置の発明は、請求項2または3において、紫外線
照射部に光触媒を配設したことを特徴とする。この特徴
によれば、紫外線照射部に光触媒を設けたため、紫外線
照射された光触媒によって分解反応がいっそう効率良く
進行する。しかも、紫外線は気泡によって遮られること
がないため、必要な照射強度を維持することができ、光
触媒によるラジカル生成が効率よく行われ、分解反応に
寄与する。
【0011】また、請求項5に記載の紫外線照射式水質
浄化装置の発明は、請求項4において、光触媒を前記隔
壁の紫外線照射部側の壁面に設け、かつ、紫外線照射ラ
ンプを紫外線照射部の中央に配置したことを特徴とす
る。この特徴によれば、紫外線照射部中央の紫外線照射
ランプから、その周囲の紫外線照射部へ放射状にむらの
ない照射が可能になるとともに、光触媒表面へも均一に
紫外線を照射できる。
【0012】また、請求項6に記載の紫外線照射式水質
浄化装置の発明は、請求項1から5のいずれか1項にお
いて、反応槽より上流側に被処理液への気体の溶解促進
手段を設けたことを特徴とする。この特徴によれば、被
処理水とオゾンガス等の気体は混合手段によって十分に
混合されるので、オゾンの溶解量を高めることができ、
溶解部内でのオゾンによる酸化分解反応を一層効率的に
行うことができる。
【0013】請求項7に記載の紫外線照射式水質浄化装
置の発明は、請求項1から6のいずれか1項において、
溶解部の下部に被処理液の導入口を、紫外線照射部の下
部に被処理液の排出口を、および、溶解部の上部に排気
口を、それぞれ設けたことを特徴とする。この特徴によ
れば、溶解部における気泡の上昇力を生かしつつ、被処
理液の導入から、循環、排出に至るスムーズな流れが形
成されるので、被分解物の連続的な浄化処理が可能にな
る。
【0014】請求項8に記載の水質浄化方法の発明は、
被処理液に紫外線を照射することにより、被処理液中の
被分解物を分解して浄化する水質浄化方法であって、被
処理液中にオゾンを導入して気泡として上昇させ、オゾ
ンを被処理液中に溶解させるとともに、オゾンによる被
分解物の酸化分解を行う第一工程と、被処理液に紫外線
を照射して、紫外線と、オゾンおよび/または光触媒の
作用により被分解物の酸化分解を行う第二工程とを含
み、前記第一工程と前記第二工程とを異なる場所で行う
とともに、前記気泡の上昇力を利用して被処理液に循環
流を形成させて、第二工程で処理された被処理液の一部
を再度第一工程で処理するようにしたことを特徴とす
る。
【0015】この水質浄化方法の発明によれば、被処理
液中にオゾンを導入して気泡として上昇させるとともに
被分解物の酸化分解を行う第一工程と、被処理液に紫外
線を照射して、被分解物の酸化分解を行う第二工程とを
異なる場所で行うため、導入気体の気泡によって紫外線
の光強度が減退したり、透過距離が低下したりするとい
う問題がなく、紫外線の作用でオゾン等の物質に損失が
生じることもない。また、気泡の上昇力を利用して被処
理液に循環流を形成させ、第二工程で処理された被処理
液の一部を再度第一工程で処理するようにしたので、被
分解物の分解のために十分な反応時間を確保できる上、
循環のためにポンプ等の動力を設けなくてもよくなり、
エネルギー消費を抑制とコストの低減が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明紫外線照射式水質
浄化装置1の一実施形態の断面構造を説明する図であ
る。この紫外線照射式水質浄化装置1は、オゾンによる
酸化反応、溶解オゾンと紫外線による作用および紫外線
と光触媒との作用によって、被処理液中の被分解物を分
解、除去するものであり、例えば、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、ダイオキシン類等の有機塩
素化合物や、ニューコクシンなどの色素等を含む廃水の
処理に好適に利用できるものである。
【0017】図1において、反応槽10は、中心に紫外
線ランプ7が配置され、その周囲を囲むように内筒壁3
が、さらにその外側に外筒壁5が配備された筒状の二槽
構造となっている。紫外線ランプ7としては既知の構成
のものを利用でき、必要により紫外線ランプ7の周囲に
保護部材(図示せず)を配備してもよい。反応槽10の
中心に設置された紫外線ランプ7と内筒壁3の間は、主
として紫外線照射による分解反応を行う紫外線照射部6
0形成し、また、内筒壁3と外筒壁5の間は主としてオ
ゾン等の気体を溶解させる溶解部50を形成している。
つまり、溶解部50と紫外線照射部60との間は、隔壁
としての内筒壁3により区分されており、内筒壁3の上
部および下部には、溶解部50と紫外線照射部60とを
結ぶ連通口として、それぞれスリット21が設けられて
いる。スリット21は上下それぞれ4ないし8個程度を
周方向に設けることができる。下部に設けられたスリッ
ト21には、斜め方向に伸びる板状の傾斜壁23が溶解
部50内に突出するように襟状に設けられている。この
傾斜壁23は、気泡30の規制部材として作用するもの
で、溶解部50内を上昇する気泡30が、下側のスリッ
ト21から紫外線照射部60内に混入することを防ぎ、
意図せぬ流れの形成を防止する役割を果たす。
【0018】導入口11は、反応槽10の下部において
溶解部50に連通するようにして設けられ、排出口19
は紫外線照射部60の底部に設けられている。また排気
口17は、溶解部50の上部に設けられている。後記す
る図2に示すように、被処理液40は、反応槽10の下
部に設けられた導入口11から反応槽内の溶解部50に
導入され、紫外線照射部60の下部に設けられた排出口
19から排出される。
【0019】溶解部50の下部には、散気機構としての
散気ノズル15が周方向に配備されており、ここからオ
ゾンガス13等の気体を散気させる。
【0020】内筒壁3の紫外線照射部60側の壁内面に
は、紫外線ランプ7に対向するように光触媒9が配設さ
れている。ここで、光触媒9としては、例えば酸化チタ
ン等を用いることができる。酸化チタンとしては、ルチ
ル型の結晶構造を持つものも使用可能であるが、高い光
触媒活性を有するアナターゼ型またはブルッカイト型の
結晶構造を持つ酸化チタンを使用することが好ましい。
【0021】図2は、図1の装置によって実際に被処理
液40を浄化している状態を説明するものであり、図
中、矢印は被処理液40等の流体の流れ方向を示す。被
処理液40は導入口11から溶解部50内に導入され
る。溶解部50内の被処理液40には、散気ノズル15
より噴出されるオゾンガス13の気泡30の上昇に伴っ
て、図2の上方向への流れが形成され、内筒壁3上部の
スリット21から紫外線照射部60へ流入する。紫外線
照射部60へ流入した被処理液40は、紫外線ランプ7
から紫外線を照射されながら流下していく。紫外線照射
部60を流下した被処理液40の一部は、内筒壁3下部
のスリット21を介して再度溶解部50へ流入し、他の
部分は排出口19より装置外へ排出される。このよう
に、反応槽10内の溶解部50と紫外線照射部60の間
に循環流が形成されることによって、反応槽10内にお
ける滞留時間が長くなり、十分な分解が行われる。
【0022】溶解部50内を気泡30として上昇したオ
ゾンガス13は、被処理液40の液面80を越えて溶解
部50の上部空間に放出され、さらに排気口17を通じ
て反応槽10外へ排出される。このように、排気口17
を上部に設けることにより、余分なオゾンガス13等の
気体を円滑に排気できる。また、排気口17から排出さ
れたオゾンガス13は、必要に応じて循環再使用するこ
とも可能である。これは、従来型の装置と異なり、図1
の装置では気泡30に直接紫外線を照射しないので、オ
ゾン等の成分が紫外線の作用によって分解されず、損失
なく有効に再利用できるためである。
【0023】次に、図1および図2の紫外線照射式浄化
装置1における浄化機構について説明する。溶解部50
においては、散気ノズル15より散気されたオゾンガス
13が被処理液40中を上昇しつつ溶解していく。溶解
したオゾンガス13は、被処理液40中に含まれる被分
解物と反応して酸化分解を起こさせる。このように、溶
解部50は、オゾンガス13の溶解と、オゾンガス13
による酸化分解反応を行う部分である。
【0024】紫外線照射部60には、溶解部50内を上
昇した被処理液40が、上部のスリット21を介して流
れ込み下降流を形成して流下する。この紫外線照射部6
0には、気泡30がほとんど存在しないので、紫外線ラ
ンプ7からの紫外線は、気泡30によって散乱すること
なく被処理液40中を通過し、対面の光触媒9に到達す
る。よって、この紫外線照射部60では、紫外線と溶解
オゾンとの作用および/または紫外線照射された光触媒
9の作用によって、オゾンラジカルやヒドロキシラジカ
ルが効率良く生成し、これらの生成ラジカルの作用によ
って、被処理液40中に含まれる被分解物の酸化分解反
応が進行する。このように紫外線照射部60は、紫外線
と溶解オゾンおよび/または光触媒によって酸化分解反
応を行う部分である。
【0025】紫外線照射部60を下降した被処理液40
の一部は、内筒下部にあるスリット21を通って溶解部
50に再度流入する。このように被処理液40は内筒壁
3の上下のスリット21を通過することで、反応槽10
内を循環しながら紫外線、オゾンおよび光触媒による作
用を受けて被分解物の酸化分解が図られる。
【0026】処理された被処理液40は、溶解部50に
再流入するものを除き、紫外線照射部60の下部に設け
られた排出口19から排出され、回収される。
【0027】図3は、本発明の別の実施形態の紫外線照
射式水質浄化装置2を説明する図面である。この例で
は、導入口11よりも上流位置に溶解促進手段としての
ラインミキサー70を配備してあり、さらにその上流位
置において被処理液40にオゾンガス13を導入してい
る。つまり、この紫外線照射式水質浄化装置2では、導
入口11が、被処理液40の導入と散気機構の二つの役
割を兼ねていることになる。また、図3の水質浄化装置
2において、導入口11から被処理液40とオゾンガス
13との混合物を導入する際に、加圧等の手段により一
定の流速を与えることによって円筒状外筒壁内面の接線
方向に導入することにより、一旦、被処理液40が溶解
部50の下部を周方向に旋回するような流れを形成させ
つつ、気泡30の上昇力によって徐々に溶解部50内を
上昇していく螺旋状の上昇流を形成させることも可能で
ある。
【0028】図3のような構成とすることによって、被
処理液40とオゾンガス13は、溶解促進手段としての
ラインミキサー70において十分に混合されるので、オ
ゾンの溶解量を高めることができ、溶解部50内でのオ
ゾンによる酸化分解反応を一層効率的に行うことができ
る。なお、図3において他の構成は、図1(図2)と同
様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明
を省略する。
【0029】試験例図1に示した本発明の紫外線照射式
水質浄化装置を用い、酢酸ナトリウムを含む被処理液を
処理し、総有機炭素量(TOC)を測定することによっ
て、水質浄化性能を試験した。また、比較のため、図4
に示す従来型の装置においても同様の条件で処理を行っ
た。その結果を図5に示す。図5から明らかなように、
本発明水質浄化装置は、従来型の水質浄化装置に比べて
酢酸ナトリウムの分解速度が大きく、処理効率が良いこ
とが示された。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、反応槽内を溶解部と紫
外線照射部とに区別したので、導入気体の気泡によって
紫外線の光強度が減退したり、透過距離が低下したりす
ることはなく、オゾン等の物質が紫外線の作用で分解す
ることも防止できる。また、溶解部における気泡の上昇
力を利用して自然な循環回流を形成できるようにしたの
で、被分解物の分解のために十分な反応時間を確保でき
るとともに、循環のために配管やポンプ等を設置しなく
てもよいため、エネルギー消費を抑制し、低コストの処
理を実現する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明紫外線照射式水質浄化装置の一実施形
態を示す図面。
【図2】 図1の水質浄化装置の使用状態を説明する図
面。
【図3】 本発明紫外線照射式水質浄化装置の別の実施
形態を示す図面。
【図4】 従来技術の水質浄化装置を示す図面。
【図5】 試験例1の試験結果を示すグラフ図。
【符号の説明】
1、2 紫外線照射式水質浄化装置 3 内筒壁 5 外筒壁 7 紫外線ランプ 9 光触媒 11 導入口 13 オゾンガス 15 散気ノズル 17 排気口 19 排出口 21 スリット 23 傾斜壁 30 気泡 40 被処理液 50 溶解部 60 紫外線照射部 70 ラインミキサー 80 液面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 一雄 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA11 BA18 CA11 CA12 4D050 AA12 BB02 BC04 BC09 CA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応槽内の被処理液に紫外線を照射する
    ことにより、被処理液中の被分解物を分解して浄化する
    紫外線照射式水質浄化装置であって、前記反応槽は、 被処理液中に導入された気体を気泡として上昇させると
    ともに、気体を被処理液中に溶解させる溶解部と、 該溶解部と連通しつつ、紫外線照射により被分解物質の
    分解を行う紫外線照射部、とを有し、 前記溶解部における前記気泡の上昇力を利用して、被処
    理液に前記溶解部と前記紫外線照射部とを循環する回流
    を形成可能にしたことを特徴とする、 紫外線照射式水質浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記反応槽は、前記
    紫外線照射部の周囲に前記溶解部を配設した二槽構造と
    し、該紫外線照射部と該溶解部とを隔壁により区分する
    とともに、該隔壁の上部および下部に、一つないし複数
    の連通口をそれぞれ設けたことを特徴とする、紫外線照
    射式水質浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記連通口のうち下
    部の連通口に、該連通口を通じて溶解部から紫外線照射
    部へ前記気泡が流入することを防止する規制手段を設け
    たことを特徴とする、紫外線照射式水質浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、紫外線照射
    部に光触媒を配設したことを特徴とする、紫外線照射式
    水質浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記光触媒を、前記
    隔壁の紫外線照射部側の壁面に設けるとともに、紫外線
    照射ランプを紫外線照射部の中央に配置したことを特徴
    とする、紫外線照射式水質浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項におい
    て、反応槽より上流側に被処理液への気体の溶解促進手
    段を設けたことを特徴とする、紫外線照射式水質浄化装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項におい
    て、溶解部の下部に被処理液の導入口を、紫外線照射部
    の下部に被処理液の排出口を、および、溶解部の上部に
    排気口を、それぞれ設けたことを特徴とする紫外線照射
    式水質浄化装置。
  8. 【請求項8】 被処理液に紫外線を照射することによ
    り、被処理液中の被分解物を分解して浄化する水質浄化
    方法であって、 被処理液中にオゾンを導入して気泡として上昇させ、オ
    ゾンを被処理液中に溶解させるとともに、オゾンによる
    被分解物の酸化分解を行う第一工程と、 被処理液に紫外線を照射して、紫外線と、オゾンおよび
    /または光触媒の作用により被分解物の酸化分解を行う
    第二工程とを含み、 前記第一工程と前記第二工程とを異なる場所で行うとと
    もに、 前記気泡の上昇力を利用して被処理液に循環流を形成さ
    せて、第二工程で処理された被処理液の一部を再度第一
    工程で処理するようにしたことを特徴とする、 水質浄化方法。
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