JP2002222539A - 光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光ディスクの再生方法 - Google Patents

光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光ディスクの再生方法

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JP2002222539A
JP2002222539A JP2001015986A JP2001015986A JP2002222539A JP 2002222539 A JP2002222539 A JP 2002222539A JP 2001015986 A JP2001015986 A JP 2001015986A JP 2001015986 A JP2001015986 A JP 2001015986A JP 2002222539 A JP2002222539 A JP 2002222539A
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light
lens array
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JP2001015986A
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Koichiro Kijima
公一朗 木島
Akira Kochiyama
彰 河内山
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コストを抑制して小型化および再生速度を向上
できる光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光
ディスクの再生方法を提供する。 【解決手段】光学記録媒体に光を照射して反射光を受光
する光学ピックアップ装置において、光学材料よりなる
基板と、基板に一体に形成され、光学レンズとしての機
能を有する凸形状の曲面を有する複数個の凸部が形成さ
れた光学レンズアレイOLAにより、発光部LDからの
出射光を集光して、光学記録媒体上に発光部からの出射
光を複数個の出射光スポット(L1,L2)として照射
し、複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光
(L1,L2)を受光部PD1により同時に受光する構
成とする。また、上記光学ピックアップ装置を搭載した
光ディスク装置とし、上記光学ピックアップ装置を用い
て光ディスクの複数箇所に記録されたデータを同時に再
生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ピックアップ
装置、光ディスク装置、および、光ディスクの再生方法
に関し、特に光学記録媒体の複数箇所に記録された複数
の情報を同時に再生することができる光学ピックアップ
装置および光ディスク装置と、その再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては、光学
情報記録方式に関する研究が各所で進められている。こ
の光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達
成できること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれ
ぞれのメモリ形態に対応できるなどの数々の利点を有
し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式とし
て産業用から民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】上記の各種光学情報記録方式用のCD(コ
ンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディス
ク)などの光学記録媒体(以下、光ディスクともいう)
の記録・再生装置(以下、光ディスク装置ともいう)に
搭載される光学ピックアップ装置においては、例えば7
80nmあるいは650nmの波長のレーザ光を出射す
るレーザダイオードからのレーザ光がビームスプリッタ
などの光学部材を含む光学系により光ディスクの光学記
録層上に集光され、光ディスクからの反射光は、上記の
光学系を逆の経路を辿り、マルチレンズなどによりフォ
トダイオードなどの受光素子上に投光される。上記の光
ディスクからの反射光の変化により、光ディスクの光学
記録層上に記録された情報の読み出しがなされる。
【0004】上記の光学ピックアップ装置において、レ
ーザ光を光ディスクの光学記録層上に集光する対物レン
ズと光ディスクとの間隔は光学記録層上のレーザ光スポ
ット径に影響があることから、フォーカスサーボ機構に
より光ディスクの平面と垂直な方向に対する対物レンズ
の位置が調整される。上記のフォーカスサーボ機構の概
略は、光ディスクからの反射光からフォーカスエラー信
号を検出し、得られた信号に基づいて対物レンズが固定
された電磁アクチュエータを移動するものである。
【0005】一方、上記の光学ピックアップ装置におい
て、光ディスクの光学記録層上の記録トラックをレーザ
光が追従するように、トラッキングサーボ機構により光
ディスクの平面と平行な方向に対する対物レンズの位置
が調整される。上記のトラッキングサーボ機構の概略
は、光ディスクからの反射光からトラッキングエラー信
号を検出し、得られた信号に基づいて対物レンズが固定
された電磁アクチュエータを移動するものである。
【0006】上記のフォーカスエラー信号の検出には、
非点収差法が広く用いられ、一方、トラッキングエラー
信号の検出には、プッシュプル法や3ビーム法などが広
く用いられている。
【0007】上記のような光ディスク装置において、取
り扱えるデータの大容量化に対応するため、用いる光源
の短波長化や再生光学系の高NA(開口数)化の検討が
盛んに行われている。また、データの転送速度の高速化
も検討および実現されており、現在では16倍速再生と
いうCDシステム開発当初と比較して1桁以上速い再生
が行われている。
【0008】しかしながら、コンピュータの処理能力の
向上は光ディスクの再生速度の向上よりも格段に速くな
っており、光ディスクのデータ再生に対しても、さらに
再生速度を速くすることが望まれている。光ディスクの
再生速度は、トラッキングサーボおよびフォーカシング
サーボの帯域に限定されてしまうことや、フォトディテ
クタの帯域に限定されてしまうことが原因により、ハー
ドディスクに比較して劣ってしまっている。
【0009】一方で、光ディスク装置の再生速度を向上
させる目的で、従来より、光ディスク装置の再生を行う
際に、1枚の光ディスクに対して複数個の光学ピックア
ップ装置を設置して、光ディスクの複数箇所において記
録されているデータを同時に再生することができる光デ
ィスク装置の検討がなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
1枚の光ディスクに対して複数個の光学ピックアップ装
置を設置する方法では、光学ピックアップ装置が高価で
あるために、製造コストが高くなってしまい、民生用の
光ディスク装置には導入が困難であった。また、複数個
の光学ピックアップ装置が光学記録媒体上を掃引する空
間を確保する必要があるため、光ディスク装置の小型化
が困難であるという問題があった。
【0011】本発明は上述の状況に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明は、光ディスク装置の再生速度を
向上させることができ、製造コストを抑制して、光ディ
スク装置の小型化が可能である光学ピックアップ装置
と、当該光学ピックアップ装置を搭載した光ディスク装
置および当該光学ピックアップ装置を用いた光ディスク
の再生方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の光学ピックアップ装置は、光学記録媒体の
光学記録層に光を照射したときの反射光を受光する光学
ピックアップ装置であって、光を出射する発光部と、上
記発光部からの出射光を受光する受光部と、上記発光部
からの出射光を上記光学記録媒体の光学記録層に照射
し、上記光学記録媒体からの反射光を上記受光部に結合
させる光学部材とを有し、上記光学部材が、光学材料よ
りなる基板と、上記基板に一体に形成され、光学レンズ
としての機能を有する凸形状の曲面を有する複数個の凸
部が形成された光学レンズアレイを含み、上記光学レン
ズアレイにより上記発光部からの出射光を集光して、上
記光学記録層上に上記発光部からの出射光を複数個の出
射光スポットとして照射し、複数個の出射光スポットに
おけるそれぞれの反射光を上記受光部により同時に受光
する。
【0013】上記の本発明の光学ピックアップ装置は、
好適には、上記受光部は複数個に分割されており、上記
複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を個
々に受光する。
【0014】上記の本発明の光学ピックアップ装置は、
好適には、上記光学レンズアレイは、上記基板と、上記
複数個の凸部との境界に沿って溝が形成されている。
【0015】上記の本発明の光学ピックアップ装置は、
好適には、上記光学レンズアレイは、光学材料よりなる
基板上に、所定の光学レンズのパターンを有する複数個
の光学レンズの形状に対応する複数個のマスク層を形成
し、上記各マスク層と上記基板をエッチングにより同時
に除去することで、上記各マスク層の形状を上記基板に
転写し、複数個の光学レンズの形状とした光学レンズア
レイである。さらに好適には、上記光学レンズアレイ
は、上記複数個のマスク層を形成した後、上記各マスク
層の形状を表面積が小さくなるように変形させて形成し
た光学レンズアレイである。
【0016】上記の本発明の光学ピックアップ装置は、
光学材料よりなる基板と、基板に一体に形成され、光学
レンズとしての機能を有する凸形状の曲面を有する複数
個の凸部が形成された光学レンズアレイにより、発光部
からの出射光を集光して、光学記録媒体の光学記録層上
に発光部からの出射光を複数個の出射光スポットとして
照射し、複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反
射光を上記受光部により同時に受光する。従って、光学
記録媒体の光学記録層の複数箇所において記録されてい
るデータを同時に再生することが可能な光学ピックアッ
プ装置であり、光ディスク装置の再生速度を向上させる
ことができ、さらに、複数個の光学ピックアップ装置を
用いることはないので、製造コストを抑制し、光ディス
ク装置の小型化が可能である。
【0017】また、上記の目的を達成するため、本発明
の光ディスク装置は、光学記録媒体の光学記録層に光を
照射したときの反射光を受光して、上記光学記録媒体の
光学記録層に記録された情報を再生する光ディスク装置
であって、光学記録媒体を回転駆動する駆動部と、光を
出射する発光部と、上記発光部からの出射光を受光する
受光部と、上記発光部からの出射光を上記光学記録媒体
の光学記録層に照射し、上記光学記録媒体からの反射光
を上記受光部に結合させる光学部材とを有し、上記光学
部材が、光学材料よりなる基板と、上記基板に一体に形
成され、光学レンズとしての機能を有する凸形状の曲面
を有する複数個の凸部が形成された光学レンズアレイを
含み、上記光学レンズアレイにより上記発光部からの出
射光を集光して、上記光学記録層上に上記発光部からの
出射光を複数個の出射光スポットとして照射し、複数個
の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を上記受光
部により同時に受光して、上記光学記録媒体の上記光学
記録層の複数箇所に記録された複数の情報を同時に再生
する。
【0018】上記の本発明の光ディスク装置は、好適に
は、上記受光部は複数個に分割されており、上記複数個
の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を個々に受
光する。さらに好適には、上記複数個の出射光スポット
におけるそれぞれの反射光を個々に受光して、上記光学
記録媒体の複数箇所のそれぞれに対するフォーカスエラ
ー信号を生成し、またさらに好適には、上記光学レンズ
アレイを搭載した光学ヘッドの位置を調整するフォーカ
スサーボ機構として、上記光学ヘッドを上記光学記録媒
体方向に移動させる第1の移動機構と、上記光学ヘッド
の上記光学記録媒体に対するスキュー角を調整する第2
の移動機構とを有する。あるいは、さらに好適には、上
記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を
個々に受光して、上記光学記録媒体の複数箇所のそれぞ
れに対するトラッキングエラー信号を生成し、またさら
に好適には、上記光学レンズアレイを搭載した光学ヘッ
ドの位置を調整するトラッキングサーボ機構として、上
記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主面に平行な第1の
方向に移動させる第1の移動機構と、上記光学ヘッドを
上記光学記録媒体の主面に平行であって上記第1の方向
と異なる第2の方向に移動させる第2の移動機構とを有
する。
【0019】上記の本発明の光ディスク装置は、好適に
は、上記光学レンズアレイは、上記基板と、上記複数個
の凸部との境界に沿って溝が形成されている。
【0020】上記の本発明の光ディスク装置は、好適に
は、上記光学レンズアレイは、光学材料よりなる基板上
に、所定の光学レンズのパターンを有する複数個の光学
レンズの形状に対応する複数個のマスク層を形成し、上
記各マスク層と上記基板をエッチングにより同時に除去
することで、上記各マスク層の形状を上記基板に転写
し、複数個の光学レンズの形状とした光学レンズアレイ
である。さらに好適には、上記光学レンズアレイは、上
記複数個のマスク層を形成した後、上記各マスク層の形
状を表面積が小さくなるように変形させて形成した光学
レンズアレイである。
【0021】上記の本発明の光ディスク装置は、光学材
料よりなる基板と、基板に一体に形成され、光学レンズ
としての機能を有する凸形状の曲面を有する複数個の凸
部が形成された光学レンズアレイにより、発光部からの
出射光を集光して、光学記録媒体の光学記録層上に発光
部からの出射光を複数個の出射光スポットとして照射
し、複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光
を上記受光部により同時に受光し、光学記録媒体の光学
記録層の複数箇所に記録された複数の情報を同時に再生
する。従って、光学記録媒体の光学記録層の複数箇所に
おいて記録されているデータを同時に再生することが可
能な光ディスク装置であり、光ディスクの再生速度を向
上させることができ、さらに、複数個の光学ピックアッ
プ装置を用いることはないので、製造コストを抑制し、
光ディスク装置の小型化が可能である。
【0022】また、上記の目的を達成するため、本発明
の光ディスクの再生方法は、光学記録媒体の光学記録層
に光を照射したときの反射光を受光して、上記光学記録
媒体の光学記録層に記録された情報を再生する光ディス
クの再生方法であって、光学材料よりなる基板と、上記
基板に一体に形成され、光学レンズとしての機能を有す
る凸形状の曲面を有する複数個の凸部が形成された光学
レンズアレイにより発光部が出射する光を集光して、上
記光学記録媒体の上記光学記録層上に上記発光部からの
出射光を複数個の出射光スポットとして照射し、上記複
数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を受光
部により同時に受光して、上記光学記録媒体の上記光学
記録層の複数箇所に記録された複数の情報を同時に再生
する。
【0023】上記の本発明の光ディスクの再生方法は、
好適には、上記受光部として複数個に分割された受光部
を用い、上記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれ
の反射光を個々に受光する。さらに好適には、上記複数
個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を個々に
受光して、上記光学記録媒体の複数箇所のそれぞれに対
するフォーカスエラー信号を生成し、またさらに好適に
は、上記光学ヘッドを上記光学記録媒体方向に移動させ
る第1の移動機構と、上記光学ヘッドの上記光学記録媒
体に対するスキュー角を調整する第2の移動機構とを有
するフォーカスサーボ機構により、上記光学レンズアレ
イを搭載した光学ヘッドの位置を調整する。さらに好適
には、上記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの
反射光を個々に受光して、上記光学記録媒体の複数箇所
のそれぞれに対するトラッキングエラー信号を生成し、
またさらに好適には、上記光学ヘッドを上記光学記録媒
体に平行な第1の方向に移動させる第1の移動機構と、
上記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主面に平行であっ
て上記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2
の移動機構とを有するトラッキングサーボ機構により、
上記光学レンズアレイを搭載した光学ヘッドの位置を調
整する。
【0024】上記の本発明の光ディスクの再生方法は、
好適には、上記光学レンズアレイとして、上記基板と、
上記複数個の凸部との境界に沿って溝が形成されている
光学レンズアレイを用いる。
【0025】上記の本発明の光ディスクの再生方法は、
好適には、上記光学レンズアレイとして、光学材料より
なる基板上に、所定の光学レンズのパターンを有する複
数個の光学レンズの形状に対応する複数個のマスク層を
形成し、上記各マスク層と上記基板をエッチングにより
同時に除去することで、上記各マスク層の形状を上記基
板に転写し、複数個の光学レンズの形状とした光学レン
ズアレイを用いる。さらに好適には、上記光学レンズア
レイとして、上記複数個のマスク層を形成した後、上記
各マスク層の形状を表面積が小さくなるように変形させ
て形成した光学レンズアレイを用いる。
【0026】上記の本発明の光ディスクの再生方法は、
光学材料よりなる基板と、基板に一体に形成され、光学
レンズとしての機能を有する凸形状の曲面を有する複数
個の凸部が形成された光学レンズアレイにより、発光部
が出射する光を集光して、光学記録媒体の光学記録層上
に発光部からの出射光を複数個の出射光スポットとして
照射し、複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反
射光を上記受光部により同時に受光し、光学記録媒体の
光学記録層の複数箇所に記録された複数の情報を同時に
再生する。従って、光学記録媒体の光学記録層の複数箇
所において記録されているデータを同時に再生すること
が可能であり、光ディスクの再生速度を向上させること
ができる。さらに、複数個の光学ピックアップ装置を用
いることはないので、製造コストを抑制し、光ディスク
装置の小型化が可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学ピックアップ
装置、光ディスク装置および光ディスクの再生方法の実
施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】第1実施形態 図1は、本実施形態に係る光ディスク装置の要部である
光学ピックアップ装置概略構成図である。例えば、レー
ザダイオードLD、コリメータC、1/2波長板HW
P、ビームスプリッタBS、1/4波長板QWP、マス
クMKおよびアクチュエータACが備えられた対物レン
ズとなる光学レンズアレイOLA(1)、サーボおよび
RF用光学レンズSL、第1フォトダイオードPD1、
モニタ用レンズML、および、第2フォトダイオードP
D2が、スピンドルモータSMにより回転駆動される光
ディスクDに対して、それぞれ所定の位置に配置されて
いる。
【0029】レーザダイオードLDから出射されたレー
ザ光Lは、コリメータCにより平行光とされた後、1/
2波長板HWPを通過してビームスプリッタBSに入射
する。ビームスプリッタBSにおいて、入射光は一部を
除いて通過し、1/4波長板QWPを介して、2領域の
みを通過するように開口しているマスクMKによりマス
キングされる。上記のマスクMKにより2分割されたレ
ーザ光(L1,L2)は、対応するように配置された、
2個の光学レンズが一体化された対物レンズとなる光学
レンズアレイOLA(1)によりそれぞれ集光され、ス
ピンドルモータSMにより回転駆動される光ディスクD
の光学記録層RL上に、2個のスポットとして照射され
る。
【0030】光ディスクDの光学記録層RLからの2つ
の反射光(L1,L2)は、入射経路と逆の経路を辿っ
てビームスプリッタBSに入射し、分光面で反射して、
サーボおよびRF用光学レンズSLにより集光され、第
1フォトダイオードPD1に入射して、反射光が観測さ
れる。
【0031】一方、レーザダイオードLDから出射され
たレーザ光Lの一部はビームスプリッタBSの分光面で
反射し、モニタ用レンズMLにより集光され、第2フォ
トダイオードPD2に入射してレーザ光の強度がモニタ
される。
【0032】図2(a)は、上記の光学ピックアップ装
置における対物レンズとなる光学レンズアレイ1の平面
図であり、図2(b)は図2(a)中のA−A’におけ
る断面図であり、図2(c)は図2(b)中のC部の拡
大断面図であり、図2(d)は図2(a)中のB−B’
における断面図である。溶融石英や等方性の酸化シリコ
ンなどの光学材料からなり、平坦な表面を有する基板1
0に、表面が曲面であり、第1の光学レンズとなる第1
の凸部20aと、第2の光学レンズとなる第2の凸部2
0bがそれぞれ設けられ、光学レンズアレイ1を構成し
ている。
【0033】上記の光学レンズアレイ1は、凸部の高さ
は例えば20〜60μm程度であり、凸部(20a,2
0b)と基板10の境界は略円形状であって、その直径
xは100〜300μm程度であり、凸部のピッチyは
150〜300μm程度である。
【0034】上記の光学レンズアレイ1において、図2
(c)に示すように、基板10と凸部(20a,20
b)の略円形状の境界に沿って溝Tが形成されている。
上記の光学レンズアレイ1は、上記の溝Tが形成されて
いるので、光学レンズの機能を有する凸部の位置確認が
非常に容易となっている。平坦な表面を有する基板10
上に凸部(20a,20b)が設けられていることも、
光学ピックアップ装置などの組み立て時における位置合
わせを容易にしている。
【0035】上記の光学レンズアレイ1を本実施形態に
係る光学ピックアップ装置の対物レンズとして用いるこ
とで、マスクMKにより2分割されたレーザ光(L1,
L2)をそれぞれ別々に集光し、スピンドルモータSM
により回転駆動される光ディスクDの光学記録層RL上
に、2個のスポットとして照射することができる。
【0036】図3は、第1フォトダイオードPD1の受
光面を示す平面図である。2分割されたレーザ光(L
1,L2)が集光されてなる2個のスポット(Sa,S
b)をそれぞれ独立に受光するように、2分割された受
光領域(A,B)を有する。各受光領域(A,B)は、
例えば、それぞれさらに4分割されており、受光領域A
は領域(a1 ,a2 ,a3 ,a4 )から、受光領域Bは
領域(b1 ,b2 ,b3 ,b4 )から、それぞれ構成さ
れている。
【0037】上記の第1フォトダイオードによりレーザ
光(L1,L2)が観測され、不図示の所定の演算回路
などにより、レーザ光L1に対するRF信号と、レーザ
光L2に対するRF信号がそれぞれ同時に生成される。
これにより、光ディスクDの光学記録層RLの複数箇所
において記録されているデータを同時に再生することが
できる。
【0038】ところで、光ディスクDの光学記録層RL
は、必ずしも平坦である保証はなく、また、光学ピック
アップ装置の光学ヘッドに取り付けられた対物レンズア
レイ(光学レンズアレイ)と光ディスクとは、絶えず平
行である保証はない。即ち、第1の光学レンズにより集
光されるスポットが光ディスクDの光学記録層RLに合
焦位置となっている場合においても、第2の光学レンズ
により集光されるスポットが光ディスクDの光学記録層
RLに合焦位置となっているとは限らない。さらに、ま
た、第1の光学レンズおよび第2の光学レンズにより集
光される各スポットが光ディスクDの光学記録層RLに
それぞれ合焦位置となっており、第1の光学レンズによ
り集光されるスポットが光ディスクDの光学記録層RL
のトラックを追従している(オン・トラックである)場
合においても、第2の光学レンズにより集光されるスポ
ットは光ディスクDの光学記録層RLのトラックを追従
している(オン・トラックである)とは限らない。
【0039】従って、本発明において複数箇所において
記録されているデータを同時に再生する場合には、以下
に示すように、少なくとも2以上の光検出器よりフォー
カスエラー信号およびトラッキングエラー信号を検出し
て、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行う
ことが望ましい。例えば、上記の2つのRF信号の生成
と同時に、不図示のマトリクス回路および補償回路など
の所定の演算回路などにより、レーザ光L1に対するフ
ォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号と、
レーザ光L2に対するフォーカスエラー信号およびトラ
ッキングエラー信号とをそれぞれ同時に生成する。上記
のフォーカスエラー信号の検出やトラッキングエラー信
号の検出には、従来より用いられている方法を用いるこ
とができる。例えば、フォーカスエラー信号の検出方法
としては非点収差法などを、トラッキングエラー信号の
検出方法としてはプッシュプル法や3ビーム法などを、
それぞれ用いることができる。
【0040】本実施形態に係る光ディスク装置において
は、レーザ光L1に対するフォーカスエラー信号と、レ
ーザ光L2に対するフォーカスエラー信号のそれぞれに
基づいて、フォーカスサーボがなされる。図4は、フォ
ーカスサーボ機構の一例を説明する模式図である。不図
示のレーザダイオードから出射されたレーザ光Lは、2
領域のみを通過するように開口しているマスクMKによ
りマスキングされ、2分割されたレーザ光(L1,L
2)となる。各レーザ光(L1,L2)は、対物レンズ
として、第1の光学レンズとなる凸部20aと第2の光
学レンズとなる凸部20bが一体に設けられて、各レー
ザ光(L1,L2)に対応するように光学ヘッドHに取
り付けられて配置された光学レンズアレイOLAにより
それぞれ集光される。一方、例えば基板S上に光学記録
層RLが形成され、その上層に光透過性の保護層PLが
設けられた光ディスクDがスピンドルモータにより回転
駆動されており、上記の対物レンズアレイOLAにより
それぞれ集光された各レーザ光(L1,L2)が、光学
記録層RL上に、2個のスポットとして照射される。
【0041】このとき、光ディスクDの光学記録層RL
からの2つの反射光(L1,L2)から、レーザ光L1
に対するフォーカスエラー信号とレーザ光L2に対する
フォーカスエラー信号の2つのフォーカスエラー信号が
演算され、この2つの信号に基づいて、アクチュエータ
ACにより2方向の自由度に対するサーボが行われる。
即ち、光学レンズアレイOLAが取り付けられた光学ヘ
ッドHを光ディスク方向に移動させる第1の移動機構T
1により、第1の光学レンズにより集光される光学スポ
ットからの戻り光のフォーカスエラー信号に基づいて、
第1の光学レンズにより集光されるスポットの焦点位置
を調整する。さらに、第2の光学レンズにより集光され
る光学スポットからの戻り光のフォーカスエラー信号に
基づいて、光学ヘッドHの光ディスクDに対するスキュ
ー角を調整する第2の移動機構T2により、上記スキュ
ー角を調整する。以上により、第1および第2の光学レ
ンズにより集光される2つのスポットを同時に光ディス
クDの光学記録層RLに集光させることができる。
【0042】上記において、第2の移動機構T2により
調整すると第1の光学レンズにより集光されるスポット
が合焦位置からずれてしまうことがあるので、この場合
には2つのフォーカスエラー信号を組み合わせて、上記
の2つの移動機構(T1,T2)を作動させることで、
2つの光学レンズにより集光されるスポットをともに合
焦位置に調整することもできる。
【0043】図5(a)は、トラッキングサーボ機構の
一例を説明する模式図である。第1の光学レンズとなる
凸部20aと第2の光学レンズとなる凸部20bが一体
に設けられた光学レンズアレイが取り付けられた光学ヘ
ッドHが光ディスクDに対向するように配置され、2分
割されたレーザ光が第1の光学レンズおよび第2の光学
レンズによりそれぞれ集光され、光ディスクDの光学記
録層上に2個のスポットとして照射される。
【0044】ここで、光ディスクDの光学記録層RLか
らの2つの反射光(L1.L2)から、レーザ光L1に
対するトラッキングエラー信号とレーザ光L2に対する
トラッキングエラー信号の2つのトラッキングエラー信
号が演算され、この2つの信号に基づいて、アクチュエ
ータACにより2方向の自由度に対するサーボが行われ
る。
【0045】即ち、光学レンズアレイOLAが取り付け
られた光学ヘッドHを光ディスクの主面に平行な半径方
向に移動させる第1の移動機構T1により、第1の光学
レンズにより集光される光学スポットからの戻り光のト
ラッキングエラー信号に基づいて、第1の光学レンズに
より集光されるスポットのトラッキング位置を調整す
る。さらに、第2の光学レンズにより集光される光学ス
ポットからの戻り光のトラッキングエラー信号に基づい
て、光ディスクの主面に平行に第1の光学レンズを回転
中心として光学ヘッドHを回転移動させる第2の移動機
構T2により、上記光学ヘッドHを回転移動させる。以
上により、第1および第2の光学レンズにより集光され
る2つのスポットがともに光ディスクDの光学記録層R
Lのトラックを追従している(オン・トラックである)
状態とさせることができる。
【0046】図5(b)は、トラッキングサーボ機構の
他の例を説明する模式図である。第1の光学レンズとな
る凸部20aと第2の光学レンズとなる凸部20bが一
体に設けられた光学レンズアレイが取り付けられた光学
ヘッドHが光ディスクDに対向するように配置され、2
分割されたレーザ光(L1.L2)が光ディスクDの光
学記録層上に2個のスポットとして照射され、その反射
光(L1.L2)から、レーザ光L1に対するトラッキ
ングエラー信号とレーザ光L2に対するトラッキングエ
ラー信号の2つのトラッキングエラー信号が演算され、
この2つの信号に基づいて、アクチュエータACにより
2方向の自由度に対するサーボが行われる。
【0047】即ち、光学レンズアレイOLAが取り付け
られた光学ヘッドHを光ディスクの主面に平行な半径方
向に移動させる第1の移動機構T1により、第1の光学
レンズにより集光される光学スポットからの戻り光のト
ラッキングエラー信号に基づいて、第1の光学レンズに
より集光されるスポットのトラッキング位置を調整す
る。さらに、第2の光学レンズにより集光される光学ス
ポットからの戻り光のトラッキングエラー信号に基づい
て、光ディスクの主面に平行であって光ディスクDのタ
ンジェンシャル方向に光学ヘッドHを移動させる第2の
移動機構T2により、第2の光学レンズにより集光され
るスポットのトラッキング位置を調整する。
【0048】上記において、第2の移動機構T2により
調整すると第1の光学レンズにより集光されるスポット
がトラックから外れてしまうので、上記の2つのトラッ
キングエラー信号を組み合わせて、上記の2つの移動機
構(T1,T2)を作動させることが好ましい。これに
より、第1および第2の光学レンズにより集光される2
つのスポットがともに光ディスクDの光学記録層RLの
トラックを追従している(オン・トラックである)状態
とさせることができる。
【0049】上記の本実施形態に係る光学ピックアップ
装置および光ディスク装置によれば、光ディスクDの光
学記録層RLの複数箇所において記録されているデータ
を同時に再生することができ、光ディスクの再生速度を
向上させることができる。さらに、光学記録層の複数箇
所の同時再生を複数個の光学ピックアップ装置を用いず
に実現可能であるので、製造コストを抑制し、光ディス
ク装置の小型化が可能である。
【0050】次に、上記の光学ピックアップ装置におい
て対物レンズとして用いられる光学レンズアレイの製造
方法について説明する。まず、図6(a)に示すよう
に、溶融石英や等方性の酸化シリコンなどの光学材料か
らなる基板10の平坦な表面上に、例えばスピン塗布な
どにより、感光性材料であるフォトレジスト膜からなる
マスク層30を、例えば20μmなどの所定の膜厚で成
膜する。
【0051】次に、図6(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィー工程により、露光および現像を行って、1
か所のレンズ形成領域あたり、例えば直径が100〜3
00μm程度の円形状の範囲のレジスト膜を150〜3
00μm程度のピッチで残すようにパターン化された2
つのマスク層(30a,30b)とする。
【0052】次に、図7(c)に示すように、例えば1
50℃で30分の熱処理を施し、マスク層の形状を表面
積が小さくなるように変形させ、表面が曲面となってい
るマスク層(31a,31b)とする。
【0053】次に、図7(d)に示すように、例えば基
板10とマスク層(31a,31b)に対する選択比が
略同等となる条件の、例えば、NLD(Magnetic Neutra
l Loop Discharge Plasma)装置(参考文献:H.Tsuboi,
M.Itoh, M.Tanabe, T.Hayashi and T.Uchida: Jpn. J.
Appl. Phys.34(1995),2476)という高密度プラズマ源を
用いたプラズマエッチング処理を用いたリアクティブエ
ッチング(RIE)などのドライエッチング処理などに
より、マスク層(31a,31b)と基板10を同時に
エッチング除去して、マスク層(31a,31b)の形
状を基板10に転写し、光学レンズとして機能する2つ
の凸部(20a,20b)とする。
【0054】上記のようにして形成された光学レンズと
して機能する2つの凸部(20a,20b)の高さは、
例えば20〜60μm程度であり、凸部(20a,20
b)と基板10の境界は略円形状であって、その直径x
は100〜300μm程度とすることができる。また、
凸部のピッチを150〜300μm程度とすることがで
きる。
【0055】また、上記の光学レンズの製造方法によれ
ば、金型が不要であり、光学レンズを一度に大量に作製
することができる。上述した図7(d)の加工工程にお
いては、高密度プラズマ源を用いたプラズマエッチング
装置としてNLD装置を用いた例を示したが、本発明に
おいては、NLD装置のほかICP(Inductively Coupl
ed Plasma)装置(参考文献:J.Hopwood, Plasma Source
Sci. & Technol.1(1992)109. およびT.Fukasawa, A.Na
kamura, H.Shindo and Y.Horiike: Jpn. J. Appl. Phy
s.33(1994)2139 )を用いた高密度プラズマ源を用いた
プラズマエッチング装置などを用いることも可能であ
る。
【0056】上記の熱処理温度とマスク層材料(レジス
ト膜)のガラス転移点との関係について、以下に説明す
る。上記の工程において、フォトレジスト膜などからな
るマスク層の表面を、熱処理により光学的になめらかな
面となる程度に丸くさせるには、熱処理温度をマスク層
材料のガラス転移点よりも高くすることが好ましい。例
えば、熱処理温度をガラス転移温度よりも40℃以上高
く設定することで、1時間以内にマスク材料を丸く変形
させることができるので、高効率の製造を行うことがで
きる。
【0057】さらには、ドライエッチングなどの製法に
よりマスクの形状を光学レンズに形成しようとする場合
には、上述したように熱処理後のマスク層材料が変質し
ていないことが必要であることから、熱処理温度をマス
ク層材料の炭化温度よりも低くするなど、熱処理温度が
マスク層材料が変質しない温度であるという条件が必要
となる。変質が生じると、マスク材料のエッチングレー
トが不均一になってしまうので、マスク材料の形状に対
応する形状を基板に転写させるときに、形状が乱れてし
まうことになる。例えば、200℃以上の熱処理を行う
とマスク材料が変質してしまう(いわゆる焼けつき)を
起こしてしまうが、例えば110〜150℃の範囲の熱
処理を行うことにより上記の変質を回避することができ
る。
【0058】また、マスク層が形成された状態で基板を
保持している間にマスク層が変形してしまうと、プロセ
スの再現性が容易でなくなるので、マスク層材料のガラ
ス転移点は、保存温度(室温)よりも高いことが好まし
い。さらに、ドライエッチング工程中にマスク層が変形
してしまうとプロセスの再現性が容易でなくなるので、
マスク層材料のガラス転移点は、加工プロセス温度(室
温付近)よりも高いことが好ましい。
【0059】ここで、上記の熱処理において、図6
(b)および図7(c)に示すように、熱処理前後での
基板10とマスク層(30a,30b,31a,31
b)の境界Mの位置は変動しておらず、従って、境界M
の位置は感光性材料であるマスク層を露光する際に用い
るフォトマスクにより規定される。露光用フォトマスク
は光学レンズのサイズに対して非常に高精細に制御され
て形成されており、従って光学レンズの位置をきわめて
高精度な位置に形成することができる。また、光学レン
ズの高さは、マスク層材料(レジスト膜)の膜厚により
規定することができる。
【0060】また、光学レンズアレイとしては、個々の
光学レンズの間隔が設計上重要となるが、本実施形態に
おいては、図6(b)に示すマスク層(30a、30
b)のパターン形成におけるマスク層の間隔Iが、その
まま、図7(c)に示すように、熱処理後の表面が曲面
である球体の一部分の形状であるマスク層(31a,3
1b)の間隔Iとして、さらにエッチング処理により形
成される、光学レンズとして機能する2つの凸部(20
a,20b)の間隔Iとして保存され、即ち、マスク層
(30a、30b)のパターン形成時のピッチが、その
まま2つの凸部(20a,20b)のピッチとして保存
される。即ち、個々の光学レンズの間隔(ピッチ)を露
光用フォトマスクにより規定することができ、光学レン
ズ同士の相互の位置を高精度に制御して形成することが
できる。
【0061】上記のドライエッチング処理において、基
板10と凸部(20a,20b)の境界に沿って溝Tが
形成されることになる。以下に、溝Tが形成される原理
を簡単に説明する。熱処理工程において基板とマスク層
との境界が移動せず、マスク層材料はその表面積が少な
くなるように変形することから、図7(c)に示すよう
に、その断面が略円形状となる。即ち、マスク層(31
a,31b)と基板10の接触位置においては、加工さ
れる材質が異なることに加えて、マスク層(31a,3
1b)表面の傾斜角度が最大となる。このため、ドライ
エッチング工程において、加工に寄与するプラズマ密度
の不連続が生じ、境界M近傍における基板10に対して
上記の溝Tが形成されることになる。
【0062】上記の本実施形態により作製した光学レン
ズは、上記の溝Tが形成されているので、従来の境界部
分に溝がなく、なめらなか曲面となっている光学レンズ
と比べて、光学レンズの位置確認が非常に容易となって
いる。
【0063】以上、本発明を実施形態により説明した
が、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるもので
はない。例えば、対物レンズとして用いられる光学レン
ズアレイの個々のレンズとして機能する凸部形状は、上
記の形状以外にも適用することができる。また、上記の
光学レンズを構成する材料や、マスク層の材料も上記に
限定されない。特にマスク層材料としては、熱処理によ
り、基板との境界が動くことなく、表面が丸く加工され
る材料であれば、本発明において用いることが可能であ
る。フォーカスサーボ機構およびトラッキングサーボ機
構は、上記の方法以外の方法を採用してもよい。
【0064】また、実施形態においては光学記録層の2
ヵ所を同時再生する光ディスク装置および光学ピックア
ップ装置について説明しているが、対物レンズとして3
つ以上の光学レンズを一体化した光学レンズアレイを用
いることで、3ヵ所以上を同時再生する光ディスク装置
および光学ピックアップ装置にも適用可能である。その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行う
ことが可能である。
【0065】
【発明の効果】本発明の光学ピックアップ装置は、光学
記録媒体の光学記録層の複数箇所において記録されてい
るデータを同時に再生することが可能な光学ピックアッ
プ装置であり、光ディスク装置の再生速度を向上させる
ことができ、さらに、複数個の光学ピックアップ装置を
用いることはないので、製造コストを抑制し、光ディス
ク装置の小型化が可能である。
【0066】本発明の光ディスク装置は、光学記録媒体
の光学記録層の複数箇所において記録されているデータ
を同時に再生することが可能な光ディスク装置であり、
光ディスクの再生速度を向上させることができ、さら
に、複数個の光学ピックアップ装置を用いることはない
ので、製造コストを抑制し、光ディスク装置の小型化が
可能である。
【0067】本発明の光ディスクの再生方法によれば、
光学記録媒体の光学記録層の複数箇所において記録され
ているデータを同時に再生することが可能であり、光デ
ィスクの再生速度を向上させることができる。さらに、
複数個の光学ピックアップ装置を用いることはないの
で、製造コストを抑制し、光ディスク装置の小型化が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態に係る光学ピックアップ装置
の構成図である。
【図2】図2(a)は、実施形態に係る光学ピックアッ
プ装置の対物レンズとなる光学レンズアレイの平面図で
あり、図2(b)は図2(a)中のA−A’における断
面図であり、図2(c)は図2(b)中のC部の拡大断
面図であり、図2(d)は図2(a)中のB−B’にお
ける断面図である。
【図3】図3は、実施形態に係る光学ピックアップ装置
の受光素子となる第1フォトダイオードの平面図であ
る。
【図4】図4は、実施形態に係る光ディスク装置のフォ
ーカスサーボ機構の一例を説明する模式図である。
【図5】図5(a)および(b)は、実施形態に係る光
ディスク装置のトラッキングサーボ機構の一例を説明す
る模式図である。
【図6】図6は実施形態に係る光学レンズの製造方法の
製造工程を示す断面図であり、(a)はマスク層の形成
工程まで、(b)はマスク層のパターン加工工程までを
示す。
【図7】図7は図6の続きの工程を示し、(c)は熱処
理工程まで、(d)は基板のレンズ形状の加工工程まで
を示す。
【符号の説明】
1…光学レンズ、10…基板、20a,20b…凸部、
30,30a,30b,31a,31b…マスク層、T
…溝、L,L1,L2…レーザ光、LD…レーザダイオ
ード、C…コリメータ、HWP…1/2波長板、BS…
ビームスプリッタ、QWP…1/4波長板、MK…マス
ク、AC…アクチュエータ、OLA…光学レンズアレ
イ、SL…サーボおよびRF用光学レンズ、PD1…第
1フォトダイオード、ML…モニタ用光学レンズ、PD
2…第2フォトダイオード、SM…スピンドルモータ、
D…光ディスク、RL…光学記録層、S…基板、PL…
保護層、T1,T2…移動機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D118 AA01 AA06 BA01 BF02 CD02 CD03 CD04 CG01 DC03 5D119 AA01 AA10 AA38 BA01 DA05 EC44 JA44 NA05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学記録媒体の光学記録層に光を照射した
    ときの反射光を受光する光学ピックアップ装置であっ
    て、 光を出射する発光部と、 上記発光部からの出射光を受光する受光部と、 上記発光部からの出射光を上記光学記録媒体の光学記録
    層に照射し、上記光学記録媒体からの反射光を上記受光
    部に結合させる光学部材とを有し、 上記光学部材が、光学材料よりなる基板と、上記基板に
    一体に形成され、光学レンズとしての機能を有する凸形
    状の曲面を有する複数個の凸部が形成された光学レンズ
    アレイを含み、 上記光学レンズアレイにより上記発光部からの出射光を
    集光して、上記光学記録層上に上記発光部からの出射光
    を複数個の出射光スポットとして照射し、複数個の出射
    光スポットにおけるそれぞれの反射光を上記受光部によ
    り同時に受光する光学ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】上記受光部は複数個に分割されており、上
    記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を
    個々に受光する請求項1に記載の光学ピックアップ装
    置。
  3. 【請求項3】上記光学レンズアレイは、上記基板と、上
    記複数個の凸部との境界に沿って溝が形成されている請
    求項1に記載の光学ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】上記光学レンズアレイは、光学材料よりな
    る基板上に、所定の光学レンズのパターンを有する複数
    個の光学レンズの形状に対応する複数個のマスク層を形
    成し、上記各マスク層と上記基板をエッチングにより同
    時に除去することで、上記各マスク層の形状を上記基板
    に転写し、複数個の光学レンズの形状とした光学レンズ
    アレイである請求項1に記載の光学ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】上記光学レンズアレイは、上記複数個のマ
    スク層を形成した後、上記各マスク層の形状を表面積が
    小さくなるように変形させて形成した光学レンズアレイ
    である請求項4に記載の光学ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】光学記録媒体の光学記録層に光を照射した
    ときの反射光を受光して、上記光学記録媒体の光学記録
    層に記録された情報を再生する光ディスク装置であっ
    て、 光学記録媒体を回転駆動する駆動部と、 光を出射する発光部と、 上記発光部からの出射光を受光する受光部と、 上記発光部からの出射光を上記光学記録媒体の光学記録
    層に照射し、上記光学記録媒体からの反射光を上記受光
    部に結合させる光学部材とを有し、 上記光学部材が、光学材料よりなる基板と、上記基板に
    一体に形成され、光学レンズとしての機能を有する凸形
    状の曲面を有する複数個の凸部が形成された光学レンズ
    アレイを含み、 上記光学レンズアレイにより上記発光部からの出射光を
    集光して、上記光学記録層上に上記発光部からの出射光
    を複数個の出射光スポットとして照射し、複数個の出射
    光スポットにおけるそれぞれの反射光を上記受光部によ
    り同時に受光して、上記光学記録媒体の上記光学記録層
    の複数箇所に記録された複数の情報を同時に再生する光
    ディスク装置。
  7. 【請求項7】上記受光部は複数個に分割されており、上
    記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光を
    個々に受光する請求項6に記載の光ディスク装置。
  8. 【請求項8】上記複数個の出射光スポットにおけるそれ
    ぞれの反射光を個々に受光して、上記光学記録媒体の複
    数箇所のそれぞれに対するフォーカスエラー信号を生成
    する請求項7に記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】上記光学レンズアレイを搭載した光学ヘッ
    ドの位置を調整するフォーカスサーボ機構として、 上記光学ヘッドを上記光学記録媒体方向に移動させる第
    1の移動機構と、 上記光学ヘッドの上記光学記録媒体に対するスキュー角
    を調整する第2の移動機構とを有する請求項8に記載の
    光ディスク装置。
  10. 【請求項10】上記複数個の出射光スポットにおけるそ
    れぞれの反射光を個々に受光して、上記光学記録媒体の
    複数箇所のそれぞれに対するトラッキングエラー信号を
    生成する請求項7に記載の光ディスク装置。
  11. 【請求項11】上記光学レンズアレイを搭載した光学ヘ
    ッドの位置を調整するトラッキングサーボ機構として、 上記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主面に平行な第1
    の方向に移動させる第1の移動機構と、 上記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主面に平行であっ
    て上記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2
    の移動機構とを有する請求項10に記載の光ディスク装
    置。
  12. 【請求項12】上記光学レンズアレイは、上記基板と、
    上記複数個の凸部との境界に沿って溝が形成されている
    請求項6に記載の光ディスク装置。
  13. 【請求項13】上記光学レンズアレイは、光学材料より
    なる基板上に、所定の光学レンズのパターンを有する複
    数個の光学レンズの形状に対応する複数個のマスク層を
    形成し、上記各マスク層と上記基板をエッチングにより
    同時に除去することで、上記各マスク層の形状を上記基
    板に転写し、複数個の光学レンズの形状とした光学レン
    ズアレイである請求項6に記載の光ディスク装置。
  14. 【請求項14】上記光学レンズアレイは、上記複数個の
    マスク層を形成した後、上記各マスク層の形状を表面積
    が小さくなるように変形させて形成した光学レンズアレ
    イである請求項13に記載の光ディスク装置。
  15. 【請求項15】光学記録媒体の光学記録層に光を照射し
    たときの反射光を受光して、上記光学記録媒体の光学記
    録層に記録された情報を再生する光ディスクの再生方法
    であって、 光学材料よりなる基板と、上記基板に一体に形成され、
    光学レンズとしての機能を有する凸形状の曲面を有する
    複数個の凸部が形成された光学レンズアレイにより発光
    部が出射する光を集光して、上記光学記録媒体の上記光
    学記録層上に上記発光部からの出射光を複数個の出射光
    スポットとして照射し、 上記複数個の出射光スポットにおけるそれぞれの反射光
    を受光部により同時に受光して、上記光学記録媒体の上
    記光学記録層の複数箇所に記録された複数の情報を同時
    に再生する光ディスクの再生方法。
  16. 【請求項16】上記受光部として複数個に分割された受
    光部を用い、上記複数個の出射光スポットにおけるそれ
    ぞれの反射光を個々に受光する請求項15に記載の光デ
    ィスクの再生方法。
  17. 【請求項17】上記複数個の出射光スポットにおけるそ
    れぞれの反射光を個々に受光して、上記光学記録媒体の
    複数箇所のそれぞれに対するフォーカスエラー信号を生
    成する請求項16に記載の光ディスクの再生方法。
  18. 【請求項18】上記光学ヘッドを上記光学記録媒体方向
    に移動させる第1の移動機構と、上記光学ヘッドの上記
    光学記録媒体に対するスキュー角を調整する第2の移動
    機構とを有するフォーカスサーボ機構により、上記光学
    レンズアレイを搭載した光学ヘッドの位置を調整する請
    求項17に記載の光ディスクの再生方法。
  19. 【請求項19】上記複数個の出射光スポットにおけるそ
    れぞれの反射光を個々に受光して、上記光学記録媒体の
    複数箇所のそれぞれに対するトラッキングエラー信号を
    生成する請求項16に記載の光ディスクの再生方法。
  20. 【請求項20】上記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主
    面に平行な第1の方向に移動させる第1の移動機構と、
    上記光学ヘッドを上記光学記録媒体の主面に平行であっ
    て上記第1の方向と異なる第2の方向に移動させる第2
    の移動機構とを有するトラッキングサーボ機構により、
    上記光学レンズアレイを搭載した光学ヘッドの位置を調
    整する請求項19に記載の光ディスクの再生方法。
  21. 【請求項21】上記光学レンズアレイとして、上記基板
    と、上記複数個の凸部との境界に沿って溝が形成されて
    いる光学レンズアレイを用いる請求項15に記載の光デ
    ィスクの再生方法。
  22. 【請求項22】上記光学レンズアレイとして、光学材料
    よりなる基板上に、所定の光学レンズのパターンを有す
    る複数個の光学レンズの形状に対応する複数個のマスク
    層を形成し、上記各マスク層と上記基板をエッチングに
    より同時に除去することで、上記各マスク層の形状を上
    記基板に転写し、複数個の光学レンズの形状とした光学
    レンズアレイを用いる請求項15に記載の光ディスクの
    再生方法。
  23. 【請求項23】上記光学レンズアレイとして、上記複数
    個のマスク層を形成した後、上記各マスク層の形状を表
    面積が小さくなるように変形させて形成した光学レンズ
    アレイを用いる請求項22に記載の光ディスクの再生方
    法。
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