JP2002220469A - 着色の少ない芳香族ポリエーテル - Google Patents

着色の少ない芳香族ポリエーテル

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JP2002220469A
JP2002220469A JP2001016781A JP2001016781A JP2002220469A JP 2002220469 A JP2002220469 A JP 2002220469A JP 2001016781 A JP2001016781 A JP 2001016781A JP 2001016781 A JP2001016781 A JP 2001016781A JP 2002220469 A JP2002220469 A JP 2002220469A
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formula
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biphenol
polymer compound
mol
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JP2001016781A
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Kazunari Okamoto
一成 岡本
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 式(I−1) で示される繰り返し単位を有し、透明性に優れた高分子
化合物を提供する。 【解決手段】 式(I) 〔式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1以上の整数を
示す。〕で示され、還元粘度が50cm3/g以下であ
る高分子化合物。この高分子化合物は、式(1) で示される4,4’−ビフェノールおよび式(2) で示される4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化
合物を共重合させる方法により製造し得、4,4’−ビ
フェノール1モルあたり1モルを越える4,4’−ジハ
ロゲノジフェニルスルホン化合物を使用する。共重合は
通常ジフェニルスルホン中で行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリエーテル
に関し、詳しくは着色の少ない芳香族ポリエーテルに関
する。
【0002】
【従来の技術】式(I−1) で示される繰り返し単位を有する高分子化合物は、機械
的強度および耐熱性に優れた芳香族ポリエーテルの一つ
として有用であり、例えば式(II) 〔式中、Xはハロゲン原子を示し、nは整数を示す。〕
で示される高分子化合が広く用いられている。該高分子
化合物(II)において、一方の末端基であるXは、例え
ば塩素原子などのハロゲン原子であり、他方の末端はメ
トキシ基である。かかる高分子化合物は、例えば式
(1) で示される4,4’−ビフェノールと、この4,4’−
ビフェノール1モルあたり1モルの式(2) 〔式中、Xは前記と同じ意味を示す。〕で示される4,
4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化合物を共重合さ
せたのち、例えばメチルクロライドなどのハロゲン化ア
ルキル化合物を反応させて末端を封止する方法により製
造することができる。
【0003】しかし、式(II)で示される従来の高分子
化合物は、着色があるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、式
(I−1)で示される繰り返し単位を有し、着色の少な
い高分子化合物を開発するべく鋭意検討した結果、4,
4’−ビフェノール(1)1モルあたり1モルを越える
4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化合物(2)
を用いて、これらを共重合して得られ、還元粘度が50
cm3/g以下である高分子化合物は、着色が少ないこ
とを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、式
(I) 〔式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1以上の整数を
示す。〕で示され、還元粘度が50cm3/g以下であ
る高分子化合物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の高分子化合物において、
Xで示されるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、
フッ素原子などが挙げられ、通常は塩素原子である。
【0007】本発明の高分子化合物は、その還元粘度
(RV)が50cm3/g以下、好ましくは45cm3
g以下、さらに好ましくは40cm3/g以下であり、
通常は20cm3/g以上である。nは1以上の整数で
あるが、nが大きいほど還元粘度が高くなり、nが小さ
いほど還元粘度がは低くなる。
【0008】かかる高分子化合物は、例えば式(1)で
示される化合物である4,4’−ビフェノールと、該
4,4’−ビフェノール1モルあたり1モルを越える式
(2)で示される4,4’−ジハロゲノジフェニルスル
ホン化合物とを共重合させる方法によって製造すること
ができる。4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化
合物(2)としては、例えば4,4’−ジクロロジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン
などが挙げられる。かかる4,4’−ジハロゲノジフェ
ニルスルホン化合物の使用量は4,4’−ビフェノール
の使用量1モルあたり1モルを越え、例えば1.01モ
ル以上、好ましくは1.02モル以上であり、通常は
1.1モル以下、好ましくは1.05モル以下である。
【0009】共重合は通常、溶媒中で行なわれる。溶媒
としては、例えばジフェニルスルホンを用いることがで
き、その使用量は、溶媒、4,4’−ビフェノール
(1)および4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン
(2)の合計量100gあたりの溶媒量が通常20g以
上、好ましくは35g以上であり、通常65g以下、好
ましくは45g以下となるように選択される。
【0010】共重合は通常、アルカリ金属炭酸塩または
アルカリ金属炭酸水素塩の存在下に行なわれる。アルカ
リ金属炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム(Na2
CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)などが、アルカリ
金属炭酸水素塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)など
がそれぞれ挙げられ、その使用量は4,4’−ビフェノ
ールの使用量1モルあたり通常1モル以上、好ましくは
1.01モル以上、通常1.1モル以下である。
【0011】共重合は次亜リン酸の存在下に行なわれて
もよい。次亜リン酸の存在下に共重合させることによ
り、さらに透明性を高めることができる。次亜リン酸を
用いる場合、その使用量は4,4’−ビフェノール
(1)および4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン
化合物(2)の合計使用量100gあたり通常は0.0
1g以上、好ましくは0.015g以上であり、通常は
0.06g以下、好ましくは0.04g以下である。
【0012】共重合させるには、例えば溶媒、4,4’
−ビフェノール(1)、4,4’−ジハロゲノジフェニ
ルスルホン化合物(2)およびアルカリ金属炭酸塩を混
合すればよく、次亜リン酸を用いる場合には、溶媒、
4,4’−ビフェノール、4,4’−ジハロゲノジフェ
ニルスルホン化合物、アルカリ金属炭酸塩およびジ亜リ
ン酸を混合すればよい。ジフェニルスルホンは常温では
固体であるので、溶媒としてジフェニルスルホンを用い
る場合には、これを加熱し溶融状態とすればよい。重合
温度は通常270℃以上350℃以下、好ましくは32
0℃以下である。
【0013】共重合は、窒素、アルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行なわれてもよく、例えば不活性ガス気流
下で共重合させる。
【0014】共重合は重合中の反応混合物を冷却するこ
とにより停止する。4,4’−ビフェノール(1)およ
び4,4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化合物
(2)を共重合させることによって、目的とする高分子
化合物を得る。得られる高分子化合物の還元粘度を本発
明で規定する範囲とするには、例えば重合時間、重合温
度、アルカリ金属炭酸塩の使用量などを適宜選択すれば
よく、例えば重合時間を短くすることにより、還元粘度
を低くすることができる。かかる高分子化合物(I)に
おいて、両方の末端は置換基Xであるが、これは4,
4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化合物(2)から
導かれる置換基Xである。
【0015】共重合させたのちの混合物から目的とする
高分子化合物を取り出すには、例えば高分子化合物を溶
解せず、溶媒および副生する塩を溶解しえる溶剤を用い
て重合後の混合物を洗浄すればよい。かかる溶剤として
は、例えば水や、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどの脂肪族アルコール、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどの脂肪族ケトンなどが挙げられ、これらの
溶剤は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いら
れる。
【0016】また、重合においてアルカリ金属炭酸塩を
用いた場合には、該アルカリ金属炭酸塩のアルカリ金属
が混入することもあるが、アルカリ金属の含有量は本発
明の高分子化合物1gに対して例えば0.0001g以
下である。
【0017】
【発明の効果】本発明の高分子化合物は、着色が少な
い。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、コンデンサーを備え
た反応容器〔ステンレス(SUS316L)製、内容量
は500cm3〕に、4,4’−ビフェノールの粉末8
1.93g(0.440モル)、4,4’−ジクロロジ
フェニルスルホン(固体)131.91g(0.459
モル)およびジフェニルスルホン(固体)196.28
gを投入し、窒素ガスを流通させながら180℃に昇温
した。同温度で内容物は溶融状態となっていた。次いで
同温度で窒素ガスを流通させると共に溶融物を攪拌しな
がら炭酸カリウム(K2CO3)63.24g(0.45
8モル)を投入し、4.5時間をかけて290℃まで昇
温し、窒素ガスを流通させながら同温度で溶融物の攪拌
を3時間続けた。その後、室温まで冷却し、固化した混
合物を粉砕した後、水、アセトンおよびメタノールの混
合溶媒で繰り返し洗浄したのち、150℃で乾燥して、
高分子化合物を得た。
【0020】得られた高分子化合物の13C−NMRスペ
クトルを測定したところ、Cl(塩素原子)末端に由来
するピーク(δ=139.5ppm)を確認することが
できた。また、OH基およびメチル基に由来するピーク
は観測できなかった。
【0021】実施例2 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの使用量を12
9.89g(0.452モル)とした以外は実施例1と
同様に操作して、高分子化合物を得た。
【0022】実施例3 炭酸カリウムと同時に次亜リン酸0.18gを投入した
以外は実施例1と同様に操作して、高分子化合物を得
た。
【0023】比較例1 4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの使用量を13
0.4g(0.454モル)とし、290℃に昇温した
のち同温度で攪拌を5時間続ける以外は実施例1と同様
に操作して、高分子化合物を得た。
【0024】(評価)実施例1〜実施例3および比較例
1で得た高分子化合物を以下の方法で評価した。結果を
表1にまとめた。 (1)還元粘度(RV) 高分子化合物1.0gをN,N’−ジメチルホルムアミ
ドに加え溶解して容量を100cm3とし、25℃でオ
ストワルド型粘度管を用いて流出時間(t)を測定し
た。同じオストワルド型粘度管を用いて溶媒(N,N’
−ジメチルホルムアミド)の流出時間(T0)を測定
し、式(3) によって還元粘度(RV)を求めた。式(3)において
Cは溶液中の高分子化合物の濃度を示し、ここではC=
0.01g/cm3である。 (2)カリウム含有量 高分子化合物をフレーム原子吸光法にて分析してカリウ
ム含有量を測定した。 (3)透明性 高化式フロー測定機〔島津製作所社製、「CFT−50
0」〕を用いて初期温度280℃から350℃まで4分
間で昇温しながら圧力9.807MPaで高分子化合物
を押し出して得たストランド(糸状物)を得、このスト
ランド5.56gをN,N’−ジメチルホルムアミドに
溶解させて容量を100cm3とし、長さ10cmのセ
ルに入れて、分光光度計〔島津製作所社製、「UV−2
400PC」〕で波長400nmにおける光線透過率
(%)を測定した。光線透過率が小さいほど着色が少な
い。
【0025】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 ─────────────────────────────────── RV (cm3/g) 32.7 44.7 34.6 53.2 カリウム含有量 (ppm) 21 60 35 36 光線透過率 (%) 42.7 31.0 46.9 14.3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 〔式中、Xはハロゲン原子を示し、nは1以上の整数を
    示す。〕で示され、還元粘度が50cm3/g以下であ
    る高分子化合物。
  2. 【請求項2】4,4’−ビフェノールと、該4,4’−
    ビフェノール1モルあたり1モルを越える式(2) 〔式中、Xはハロゲン原子を示す。〕で示される4,
    4’−ジハロゲノジフェニルスルホン化合物とを共重合
    させることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】ジフェニルスルホン中で共重合させる請求
    項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】重合温度が270℃以上である請求項2ま
    たは請求項3に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004096889A1 (ja) * 2003-04-28 2004-11-11 Sumitomo Chemical Company Limited 芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子、その中間体及びそれらの製造方法
US6828414B2 (en) 2001-09-27 2004-12-07 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for producing aromatic polyethers with high molecular weights

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WO2004096889A1 (ja) * 2003-04-28 2004-11-11 Sumitomo Chemical Company Limited 芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子、その中間体及びそれらの製造方法
CN100371367C (zh) * 2003-04-28 2008-02-27 住友化学株式会社 芳族聚醚型离子传导超高分子量聚合物、其中间体,以及它们的制备方法
US7910248B2 (en) 2003-04-28 2011-03-22 Sumitomo Chemical Company, Limited Aromatic-polyether-type ion-conductive ultrahigh molecular weight polymer, intermediate therefor, and process for producing these

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