JP2002220056A - 搬送台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 搬送台車の走行方向端部にジャッキアップユ
ニット５０を設け、ジャッキ５６のピストン５７を天板
に当接させ、ジャッキ５６の下部に自在車輪６８を取り
付ける。ジャッキ５６を伸張させると、自在車輪６８が
下降して床に接し、駆動車輪が床面から浮く。 【効果】 搬送台車を人手で容易に移動させることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の利用分野】この発明は搬送台車に関する。

【０００２】

【従来技術】駆動車輪と従動車輪の他に自在車輪を設け
て、駆動系の故障時等に、駆動車輪をジャッキで上昇さ
せて床面から浮かし、自在車輪を用いて人手で操舵する
ようにした搬送台車が知られている。しかし駆動車輪に
は走行モータ等が接続されているので、これらをリフト
アップさせるのは機構的に大変である。

【０００３】

【発明の課題】この発明の基本的課題は、搬送台車の向
きを変えながら、簡易に人手で移動させることができる
ようにすることにある（請求項１〜３）。請求項２の発
明での追加の課題は、自走時に自在車輪が地上に触れて
走行方向を狂わせるなどのことを防止することにある。
請求項３の発明での追加の課題は、小さな力で自在車輪
を下降させることができるようにすることにある。

【０００４】

【発明の構成】この発明は、搬送台車の車体に、ジャッ
キとジャッキの動作で下降して接地する自在車輪とを備
えたジャッキアップユニットを取り付けた搬送台車にあ
る（請求項１）。

【０００５】好ましくは、前記自在車輪が床面から上昇
する向きに付勢するための、バネなどの付勢手段を設け
る（請求項２）。付勢する相手は自在車輪やジャッキな
どとする。

【０００６】また好ましくは、前記搬送台車は駆動車輪
と従動車輪とを備えて、従動車輪とジャッキアップユニ
ットで駆動車輪を走行方向の前後から挟むように、ジャ
ッキアップユニットを配置する（請求項３）。

【０００７】

【発明の作用と効果】この発明では、ジャッキで自在車
輪を下降させることにより、自在車輪を接地させる。こ
れによって、駆動車輪あるいは従動車輪が地上から浮
き、自在車輪を用いて搬送台車の向きを変えて人手で移
動させることができる。駆動車輪や従動車輪を直接ジャ
ッキアップさせるのではなく、自在車輪をジャッキでダ
ウンさせるので、駆動車輪や従動車輪をジャッキアップ
する場合に比べて機構が簡単である（請求項１）。

【０００８】請求項２の発明では、付勢手段で自在車輪
が上昇する向きに付勢するので、通常時は自在車輪は確
実に地上から浮いた位置にあり、自在車輪が接地して走
行の邪魔になることがない。

【０００９】請求項３の発明では、従動車輪を支点とし
て、駆動車輪を間に挟むようにして、自在車輪を接地さ
せるので、自在車輪を接地させて駆動車輪をリフトアッ
プさせるのに必要な力が、テコの原理で小さくなる。

【００１０】

【実施例】図１〜図６に、実施例の搬送台車２を示す。
搬送台車２はコンベヤで物品をピックアップしたり搬出
したりするためのものであるが、コンベヤ付きの搬送台
車に限らず、物品を搬送するための台車であれば良い。
この発明は、操舵機構を備えないため人手で操舵する必
要のある搬送台車に適しており、また操舵機構を備えた
搬送台車でも、故障時等に人手で操舵するのに用いるこ
とができる。図１，図２に搬送台車２の一般的構造を、
図３〜図５にジャッキアップユニット５０の構造と動作
を、図６にジャッキアップユニット５０の配置の例を示
す。

【００１１】各図において、４は搬送台車２の車体のフ
レームで、６，６は一対の従動車輪、７，７は駆動車
輪、８は走行モータで、従動車輪６及び駆動車輪７はい
ずれも車軸の向きが固定で、従動車輪６と駆動車輪７は
搬送台車２の走行方向の前後の両端部付近に配置する。
なお従動車輪６と駆動車輪７をまとめて走行車輪と呼
ぶ。搬送台車２は走行自在であるが、操舵機構を備えな
いため、人手で後述のジャッキアップユニット５０を用
いて操舵する。従動車輪６は自在車輪(キャスター車輪)
でもよく、従動車輪６や駆動車輪７の一方を一輪にして
３輪車の構成とするなどの変形を施しても良い。

【００１２】１０は上部フレームで、１２はベルトコン
ベヤやローラコンベヤ等からなる基部側のコンベヤで、
１４は中間のローラコンベヤで、パンタグラフ３０等に
よりコンベヤ長を伸縮自在である。１６は先端のコンベ
ヤでベルトコンベヤ等を用い、１８はコンベヤ１６とロ
ーラコンベヤ１４との中間のコンベヤである。

【００１３】２０はコンベヤ１２の下部に設けたフレー
ムで、上部フレーム１０に鉛直面内で回動自在に取り付
けられ、コンベヤ１２と共に鉛直面内で回動する。２２
はフレーム２０に接続したガイドで、２４はコンベヤ１
２の底部等に配置したガイドで、これらをジョイント２
５で結合する。２６は回動軸で、図示しないモータによ
り回動し、このためコンベヤ１２は回動軸２６を中心と
してジョイント２５により水平面内で回動できる。２
７，２８は平行リンクで、コンベヤ１２を回動させて
も、コンベヤ１６，１８の向きが変わらないようにする
ためのものである。

【００１４】３０はパンタグラフで、ローラコンベヤ１
４を伸縮させ、３２は旋回駆動部で、コンベヤ１６，１
８をコンベヤ１４の下部に設けた軸３３を中心として回
動させる。軸３３を中心とする回動角をθとして、第２
図に示す。３４はスクープ軸で、先端のコンベヤ１６を
この軸を中心として回動させる。スクープ時の回動角を
第２図にφとして示す。第２図の４０，４２はギアで、
図示しないモータでギア４２を駆動して、ギア４０を回
動させて、フレーム２０の向きを鉛直面内で変化させ、
先端のコンベヤ１６を昇降させる。先端のコンベヤ１６
の両側面には非常停止スイッチ３６を設けてあり、非常
停止スイッチ３６に人などが触れると、搬送台車２を停
止させる。さらに３８は動作表示用の警告灯、４４は操
作パネルである。

【００１５】実施例の搬送台車２では、フレーム４，１
０，２０等でコンベヤ１２〜１８を支え、ギア４０，４
２を用いてフレーム２０を昇降させ、回動軸２６を中心
とした回動により、先端のコンベヤ１６を左右動させ
る。旋回駆動部３２によるコンベヤ１６の回動や、回動
軸３４を中心としたスクープ運動により、先端のコンベ
ヤ１６の向きを制御する。またパンタグラフ３０を用い
て、先端のコンベヤ１６を前後進させる。搬送台車２
は、物品８０と物品８０との隙間に先端のコンベヤ１６
を差し込んで自動的にピックアップすることや、人手で
物品８０をピックアップして、コンベヤ１６等で搬出す
ること、あるいはコンベヤ１６まで運ばれてきた物品を
人手などで積み下ろすことなどに用いる。

【００１６】ジャッキアップユニット５０は、搬送台車
２の走行方向の端部付近に、好ましくは後端部付近に例
えば一対設け、走行方向に沿ってみて、従動車輪６，駆
動車輪７，ジャッキアップユニット５０の順に配置し、
従動車輪６とジャッキアップユニット５０の中間に駆動
車輪７を配置する。ジャッキアップユニット５０のフレ
ーム５２を、ボルト５１などで搬送台車２の車体をなす
フレーム４に取り付け、５４はフレーム５２に取り付け
た底部フレームで、搬送台車２の後方に突き出してい
る。５６はジャッキで、ここでは油圧ジャッキとする
が、ネジジャッキなどでもよく、５７はジャッキ５６の
ピストンで、フレーム５２に設けた天板５８に当接し、
６０は手動のポンプ部で、着脱自在のレバ６２で作動さ
せて、ピストン５７をジャッキアップする。またポンプ
部６０には解除スイッチ６４があり、ポンプ部６０の逆
流防止弁などを開けて油を逃がし、ジャッキアップを解
除できるようにする。

【００１７】ジャッキ５６の底部(ポンプ部６０の底部)
には軸６６が取り付けてあり、その底部に自在車輪６８
を取り付ける。７０は自在車輪６８の向きを変えるため
のベアリング、７２は底部フレーム５４と軸６６間のブ
シュ、７４はジャッキ５６を上向きに押圧するためのバ
ネで、ピストン５７の位置に設けてもよい。なおジャッ
キ５６の作動で、自在車輪６８が下降すればよく、ジャ
ッキ５６で軸６６を下降させ、軸６６と自在車輪６８と
の間に、クランクなどの中間的な機構を設けても良い。

【００１８】搬送台車２は操舵機構を備えていないの
で、向きを変える場合、人手で操作する必要がある。そ
のような場合、レバ６２を取り付け、ポンプ部６０を操
作してジャッキ５６のピストン５７を上昇させると、ピ
ストン５７が天板５８で上昇を制限されているため、ジ
ャッキ５６が下降して、自在車輪６８が床面に接触す
る。さらにジャッキ５６を操作すると、自在車輪６８が
なおも下降して、駆動車輪７が床面から浮き、従動車輪
６と自在車輪６８を用いて、人手で搬送台車２の向きを
変えて移動することができる。

【００１９】搬送台車２の向きを変えて、所望の位置ま
で移動させると、解除スイッチ６４で油をポンプ部６０
に戻し、バネ７４からの押圧力(図５に白抜き矢印で向
きを示す)により、ジャッキ５６は上昇して、自在車輪
６８も床面から離れ、従動車輪６と駆動車輪７で走行で
きる。

【００２０】図６(ａ)，(ｂ)に、ジャッキアップユニッ
ト５０の２つの配置を示す。(ａ)の配置では、駆動車輪
７を浮かすように、駆動車輪７の両側に従動車輪６とジ
ャッキアップユニット５０を配置し、(b)の配置では、
従動車輪６を浮かすように、従動車輪６の両側に駆動車
輪７とジャッキアップユニット５０を配置する。いずれ
の場合もテコの原理で、簡単に駆動車輪６や従動車輪７
を浮かすことができる。しかし(ｂ)の配置では、駆動車
輪７を走行モータ８等から切り離して自由回転させる、
あるいは自在車輪で操舵しながら走行モータ８の駆動力
で走行するなどの必要があり、簡便に人手で搬送台車２
の向きを変えて移動させるのには適していない。そこで
(ａ)のように、駆動車輪７をジャッキアップユニット５
０で浮かせるのが好ましい。

【００２１】実施例では、駆動車輪７や従動車輪６自体
をジャッキアップするのではなく、自在車輪６８をジャ
ッキ５６で下降させるので、機構が簡単である。またバ
ネ７４で自在車輪は上昇位置に強制的に復帰するので、
自在車輪６８が不用意に床面に触れて走行方向を乱すな
どのことがない。さらにテコの原理を用いて、小さな力
で駆動車輪や従動車輪を浮かせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の搬送台車の平面図

【図２】 実施例の搬送台車の側面図

【図３】 実施例での搬送台車のジャッキアップユニッ
トの側面図

【図４】 実施例での搬送台車のジャッキアップユニッ
トの正面図

【図５】 実施例での搬送台車のジャッキアップユニッ
トの作動状態を示す図

【図６】 実施例でのジャッキアップユニットの配置を
模式的に示す図で、(ａ)は駆動車輪をリフトさせるよう
にした配置を、(ｂ)は従動車輪をリフトさせるようにし
た配置を示す。

【符号の説明】

２ 搬送台車 ４ フレーム ６ 従動車輪 ７ 駆動車輪 ８ 走行モータ １０ 上部フレーム １２〜１８ コンベヤ ２０ フレーム ２２，２４ ガイド ２５ ジョイント ２６ 回動軸 ２７，２８ 平行リンク ３０ パンタグラフ ３２ 旋回駆動部 ３３ 軸 ３４ スクープ軸 ３６ 非常停止スイッチ ３８ 警告灯 ４０，４２ ギア ４４ 制御パネル ５０ ジャッキアップユニット ５２ フレーム ５４ 底部フレーム ５６ ジャッキ ５７ ピストン ５８ 天板 ６０ ポンプ部 ６２ レバ ６４ 解除スイッチ ６６ 軸 ６８ 自在車輪 ７０ ベアリング ７２ ブシュ ７４ バネ ８０ 物品

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送台車の車体に、ジャッキとジャッキ
   の動作で下降して接地する自在車輪とを備えたジャッキ
   アップユニットを取り付けた搬送台車。
2. 【請求項２】 前記自在車輪が床面から上昇する向きに
   付勢するための付勢手段を設けたことを特徴とする、請
   求項１の搬送台車。
3. 【請求項３】 前記搬送台車は駆動車輪と従動車輪とを
   備えて、従動車輪とジャッキアップユニットで駆動車輪
   を走行方向の前後から挟むように、前記ジャッキアップ
   ユニットを配置したことを特徴とする、請求項１または
   ２の搬送台車。