JP2002219540A - 円板状回転体の製造方法 - Google Patents

円板状回転体の製造方法

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JP2002219540A
JP2002219540A JP2001014295A JP2001014295A JP2002219540A JP 2002219540 A JP2002219540 A JP 2002219540A JP 2001014295 A JP2001014295 A JP 2001014295A JP 2001014295 A JP2001014295 A JP 2001014295A JP 2002219540 A JP2002219540 A JP 2002219540A
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manufacturing
shaped
sliding contact
inertia
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Nariaki Yamanaka
成昭 山中
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UK KK
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UK KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の鋳鉄を主体としたものより軽量化、生
産性向上を図ることができる円板状回転体の製法を提供
する。 【解決手段】 円板状で、かつ半径方向の一部に他の部
分より肉厚にした環状の慣性用肉厚部を有する円板状回
転体の製造方法において、円板状の鋼板の半径方向の一
部に環状の蛇腹状部9を成形してから、この部分を半径
方向外側から圧縮して環状の慣性用肉厚部5を成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
回転軸に取り付けられるフライホイールや、クラッチカ
バーに内蔵されているプレッシャプレート、さらにブレ
ーキドラム等のように、車両用回転摺接部材として用い
られる円板状回転体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記円板状回転体のうち、例えば従来の
フライホイールは、まず断面形状が角状になっている棒
状の鋼材(S48C相当)を、あらかじめリング状に成
形しておき、その両端をフラッシュバット溶接等にて結
合してから、これの外周に歯車を切削加工して図1
(a),(b)に示す環状素材aを作る。そしてこの環
状素材aを図2に示すように必要部分を機械加工した鋳
鉄製のフライホイール本体bの外周部に焼ばめにして嵌
合結合し、あるいは嵌合後、溶接結合して製造されてい
る。また、これの歯車部分は局部的に強度を要求される
ので、高周波焼入処理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の円板状
回転体フライホイール等の製造方法では、鋳鉄材料をベ
ースとしているため、外周近傍の質量で決まる慣性重量
を確保して、中心近傍に発生する大きな遠心力に耐える
強度を保つためには、中心付近まで肉厚を増す必要があ
る。このため、これの全体重量が必要以上に増大する欠
点があり、かねてよりこの部品の軽量化が求められてい
た。
【0004】フライホイールのように回転摺接部材でこ
れまで鋳鉄系素材がベース材料として用いられてきたの
は、複合材からなるクラッチプレートとの摺接特性が優
れているからである。これは、鋼を摺接部分に使用する
のは、耐摩耗性や摩擦係数の観点から困難であることに
よる。
【0005】一方、鋼材からなる環状素材aと鋳物から
なるフライホイール本体bの組み合わせによる製造方法
では、機械加工が多く、また焼ばめや溶接加工により変
形するため、歪み修正やバランス取りに多大の工数を必
要とし、製造コストが高かった。
【0006】本発明は上記のことにかんがみなされたも
ので、外周近傍での慣性機能を損なうことなく軽量化が
達成でき、また、フライホイールのように側面に摺接部
を有する回転体であっても、鋼材主体の構成にできて軽
量化を図ることができると共に、コストの低減化を図る
ことができるようにした円板状回転体の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る円板状回転体の製造方法は、円板状
で、かつ半径方向の一部に他の部分より肉厚にした環状
の慣性用肉厚部を有する円板状回転体の製造方法におい
て、円板状の鋼板の半径方向の一部に環状の蛇腹状部を
成形してから、この部分を半径方向外側から圧縮して環
状の慣性用肉厚部を成形する。
【0008】また、円板状で、かつ半径方向の一方部に
他の部分より肉厚にした環状の慣性用肉厚部と、他の部
材との摺接部を有する円板状回転体の製造方法におい
て、円板状の鋼板の半径方向の一部に環状の蛇腹状部を
形成してから、この部分を半径方向外側から圧縮して環
状の慣性用肉厚部を成形し、また、摺接部に鋳鉄粉末を
焼結結合した。
【0009】また、上記円板状回転体における摺接部の
鋳鉄粉末の焼結結合体の代わりに、摺接部に溶射層を付
与する。そしてさらに、この摺接部の裏側に放熱部材を
設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態の一例であるフライホイールについて図3以下に基づ
いて説明する。
【0011】図3はフライホイール1の一例を示すもの
で、2はこれの外周に設けた歯車、3はクラッチプレー
トが摺接する摺接部、4はボス部である。そして上記歯
車2と摺接部3の間に、慣性重量を得るために設けた環
状の慣性用肉厚部5が設けてある。このフライホイール
1は鋼材が主体となっており、これの摺接部3に鋳鉄粉
末を焼結した焼結体からなる摺接体6が接合されてい
る。
【0012】次に上記構成のフライホイールの製造方法
を図4以下を参照し説明する。
【0013】7は円板状の素材で、この素材7はBを添
加したS35C等が用いられる。この素材7の外周部付
近にプレス装置の上型8a、下型8bにて同心円状の複
数の波形からなる蛇腹部9を成形する(図4)。
【0014】ついで上記蛇腹部9をロール10にて半径
方向外側から内側へ圧縮成形する(図5(a))。これ
により素材7の半径方向の外周寄りの中間部に慣性重量
となる慣性用肉厚部5が形成される(図5(b))。
【0015】次に、上記慣性用肉厚部5より外周側の円
板部分7aを第1・第2・第3のロールダイ11a,1
1b,11cにて順次外側から軸心側へスエジング加工
を行って、上記慣性用肉厚部5の外側に歯車用肉厚部1
2を増肉成形する(図6(a),(b),(c))。
【0016】そしてこの歯車用肉厚部12に、例えば歯
車転造ロール13にて歯車2を転造する(図7)。なお、
この歯車2は機械加工によってもよい。
【0017】一方図8に示すように、上記素材7の慣性
用肉厚部5より内側の円板部は上記工程とは別にプレス
加工及びスエジング加工にてクラッチプレート対向部1
4とボス部4を成形する。
【0018】その後クラッチプレート対向部14に鋳鉄
粉末を焼結接合してなる摺接体6を接合する(図8)。
この摺接体6は、クラッチプレート対向部14に鋳鉄粉
末を積層し、これを圧接成形しながら高電流のパルス電
流を流すことにより焼結すると共に、クラッチプレート
対向部14に溶着接合する。
【0019】この実施の形態における円板状の素材7の
板厚tは3.2mm、慣性用肉圧部9の肉圧tは1
5mm、歯車用肉厚部12の肉厚tは7.0mm、摺
接体6の層厚tは4.0mmであった。
【0020】この第1の実施の形態において、クラッチ
プレート対向部14の裏側に、図9に示すように、放熱
用のフィン15を多数設け、この部分にて放熱装置を構
成してもよい。この構成のフィン15は図9に示すよう
に、フィン15の端面をクラッチプレート対向部13の
裏面に固着するようにしてもよいが、クラッチプレート
対向部13にフィン15の形状に相当する形状の穴を、
これの一部をクラッチプレート対向部13に連結した状
態にして打ち抜き、この打ち抜き部分をクラッチプレー
ト対向部13の裏側へ立ち上げてこれをフィンとしても
よい。
【0021】また、慣性用肉厚部5を作るための蛇腹部
9の形成はプレス加工に代えてスピニングロールにてス
ピニング成形によってもよい。
【0022】図10から図12は本発明の第2の実施の
形態の一例であるプレッシャプレート16の製造方法を
示す。このプレッシャプレート16は板厚3.5mmの
円形鋼板(S35C)が用いられ、これのクラッチプレ
ート対向部17をプレス加工、あるいはスピニング加工
にて蛇腹状に加工すると共に、外周部に複数個の耳部1
8を一体成形する。
【0023】ついで、上記クラッチプレート対向部17
に上述した第1の実施の形態における摺接体6と同様の
工程により鋳鉄粉末を焼結接合してなる摺接体19を接
合する。
【0024】耳部18の構成は、図11に示すようにプ
レッシャプレート16の板厚のままでもよいが、図12
に示すように、折り曲げてプレッシャプレート16の2
枚分の厚さにすると共に、この部分にまで上記摺接体1
9を焼結接合して肉厚状に形成してもよい。
【0025】また、上記した各実施の形態において、摺
接体6,19の接合は、鋳鉄粉末と鋼板の間にNi,C
uのような非チル化作用を有する金属粉を介在させて行
うことにより、接合部にチル層が発生することなく鋳鉄
粉末の焼結体と鋼板との接合が行われる。
【0026】なお、上記各実施の形態において、摺接部
分の焼結接合鋳鉄合金層に代えて、溶射層を付与しても
よい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、慣性用肉厚部を有する
円板状回転体を、上記慣性用肉厚部を含めて鋼板を主体
として構成できることにより、従来の鋳鉄を主体として
いたものに比べて軽量化を図ることができると共に生産
性を高めることができる。
【0028】また、慣性用肉厚部を有すると共に、摺接
部を有する円板状回転体にあっては、上記した作用効果
の他に、摺接部に鋳鉄粉末を焼結接合したことにより、
摺接部の機能を、この部分に鋳鉄を用いた従来のものと
同等の機能を得ることができると共に、この部分の軽量
化を図ることができる。そしてこの部分に鋳鉄粉末を用
いることにより、鋳鉄切粉のリサイクルが可能となり、
経済性が向上される。
【0029】また、上記摺接部に溶射層を付与すること
により、この摺接部の積層を強固に行うことができる。
【0030】さらに、摺接部の裏側に放熱用のフィンを
設けることにより、円板状回転体の摺接部の温度上昇が
抑制することができる。またこのフィンが円板状回転体
と一体に回転することにより風が発生し、周囲の部材を
冷却することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)従来のフライホイールの製造方法におけ
る構成部材の1つである環状素材を一部部破して断面形
状を示した平面図、(b)はその断面図である。
【図2】従来のフライホイールの製造方法により製造さ
れたフライホイールを示す断面図である。
【図3】本発明方法で製造されるフライホイールを示す
斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、蛇腹部を
成形する工程図である。
【図5】(a),(b)は蛇腹部より慣性用肉厚部を成
形する工程図である。
【図6】(a),(b),(c)は歯車用肉厚部を成形
する工程図である。
【図7】歯車用肉厚部に歯車を成形する工程図である。
【図8】クラッチプレート対向部に摺接体を接着した状
態を示す断面図である。
【図9】クラッチプレート対向部の裏側にフィンを設け
たフライホイールを示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す部分平面図
である。
【図11】図10のA−A線に沿う断面矢視図である。
【図12】他の例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フライホイール、2…歯車、3…摺接部、4…ボス
部、5…慣性用肉厚部、6,19…摺接体、7…素材、
7a…円板部分、8a…上型、8b…下型、9…蛇腹
部、10…ロール、11a,11b,11b…ロールダ
イ、12…歯車用肉厚部、13…歯車転造ロール、1
4,17…クラッチプレート対向部、15…フィン、1
6…プレッシャプレート、18…耳部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状で、かつ半径方向の一部に他の部
    分より肉厚にした環状の慣性用肉厚部を有する円板状回
    転体の製造方法において、 円板状の鋼板の半径方向の一部に環状の蛇腹状部を成形
    してから、この部分を半径方向外側から圧縮して環状の
    慣性用肉厚部を成形することを特徴とする円板状回転体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 円板状で、かつ半径方向の一方部に他の
    部分より肉厚にした環状の慣性用肉厚部と、他の部材と
    の摺接部を有する円板状回転体の製造方法において、 円板状の鋼板の半径方向の一部に環状の蛇腹状部を形成
    してから、この部分を半径方向外側から圧縮して環状の
    慣性用肉厚部を成形し、 また、摺接部に鋳鉄粉末を焼結結合したことを特徴とす
    る円板状回転体の製造方法。
  3. 【請求項3】 円板状で、かつ半径方向の一方部に他の
    部分より肉厚にした環状の慣性用肉厚部と、他の部材と
    の摺接部を有する円板状回転体の製造方法において、 円板状の鋼板の半径方向の一部に環状の蛇腹状部を形成
    してから、この部分を半径方向外側から圧縮して環状の
    慣性用肉厚部を成形し、 また、摺接部に溶射層を付与したことを特徴とする円板
    状回転体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2及び3のいずれか1項記載の円
    板状回転体の製造方法において、 摺接部の裏側に放熱部材を設けたことを特徴とする円板
    状回転体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019184051A (ja) * 2017-10-27 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 ダンパー装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019184051A (ja) * 2017-10-27 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 ダンパー装置
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