JP7067381B2 - ダンパー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフトに装着されて同クランクシャフトの振動を抑えるダンパー装置に関するものである。
従来、内燃機関におけるクランクプーリーの配設部分に、クランクシャフトの振動を抑えるためのダンパー機能を持たせることが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1のダンパー装置では、クランクプーリーがゴム材料からなる弾性部材を介してクランクシャフトに設けられている。こうしたダンパー装置では、クランクプーリーがダイナミックダンパーの質量体として機能することによってクランクシャフトの振動が抑えられる。
実開平6-78648号公報
近年、内燃機関の熱効率を向上させるために、ピストンのストローク量が大きくなる傾向にある。この場合、単にピストンのストローク量を大きくすると、クランクシャフトの曲げ方向における剛性が低くなり易くなるため、クランクシャフトの曲げ振動(特に、中程度以上の周波数領域の振動)の増大が問題になり易くなる。
こうしたクランクシャフトの曲げ振動は、上述したような弾性部材や質量体を用いたダンパー装置を設けることによって抑えることが可能になる。しかしながら、こうしたダンパー装置によって中程度以上の周波数領域のクランクシャフトの曲げ振動を適正に抑えようとすると、同ダンパー装置の構造が複雑になってしまうために、同ダンパー装置の設置のためのスペースが大きくなってしまう。これは内燃機関の大型化を招くことになるため好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小さい配置スペースでクランクシャフトの曲げ振動を抑えることのできるダンパー装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのダンパー装置は、ダイナミックダンパーの質量体として機能する部分と同ダイナミックダンパーの弾性体として機能する部分とが一体の金属板によって構成されているダンパープレートを有し、同ダンパープレートがクランクシャフトと一体回転するように同クランクシャフトの一端に設けられているダンパー装置であって、前記ダンパープレートの固有振動数と、前記クランクシャフトの曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数とが同一になっている。
上記構成では、クランクシャフトの曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数を固有振動数とするダンパープレートが、ダイナミックダンパーとして、クランクシャフトに設けられる。これにより、内燃機関の運転に伴って特定周波数での曲げ振動がクランクシャフトに発生する場合にはダンパープレートが共振してクランクシャフトの振動エネルギーを吸収するようになるため、クランクシャフトの特定周波数での曲げ振動を的確に抑えることができる。しかも、上記ダンパープレートが一体の金属板によって構成されているため、質量体としてのクランクプーリーがゴム材料からなる弾性部材を介してクランクシャフトに設けられた構造のダンパー装置と比較して、小さいスペースでダンパー装置を配置することができる。
上記ダンパー装置において、前記ダンパープレートは、円板状をなすとともに、同ダンパープレートを前記クランクシャフトに締結固定するためのねじ部材が挿通される挿通孔と、前記挿通孔よりも外周側に配置された貫通孔と、を有しており、前記貫通孔の前記挿通孔側の縁部は、前記ダンパープレートの周方向に延びる第1縁部と、前記周方向において前記第1縁部を挟むように配置されるとともに前記貫通孔の周囲方向における曲率が前記第1縁部の前記周囲方向における曲率よりも大きい第2縁部と、を有しており、前記挿通孔および前記貫通孔は、前記挿通孔の中心と前記貫通孔の中心とが前記ダンパープレートの径方向に延びる同一直線上において並ぶ態様で設けられている。
上記構成では、ダンパープレートにおける挿通孔の周縁や貫通孔の周縁において応力集中が生じる。そして、貫通孔における上記挿通孔側の縁部では、同貫通孔の周囲方向における曲率の小さい部分(第1縁部)よりも同曲率の大きい部分(第2縁部)のほうが応力が集中し易い。そのため、そうした貫通孔の第2縁部と挿通孔との距離が大きくなるようにそれら挿通孔および貫通孔を配置することにより、応力集中によって同応力が局所的に大きくなることが抑えられるようになると云える。
上記構成によれば、挿通孔の中心と貫通孔の中心とがダンパープレートの径方向に延びる同一直線上において並ぶ態様でそれら挿通孔および貫通孔が設けられるため、貫通孔の第1縁部は挿通孔の近くに配置されるものの、同貫通孔の第2縁部は挿通孔の比較的遠くに配置されるようになる。このように上記構成によれば、貫通孔の上記挿通孔側の縁部の中でも応力が集中し易い第2縁部と挿通孔との距離が大きくなるように、それら挿通孔および貫通孔を配置することができる。そのため、貫通孔および挿通孔の周縁において、応力集中によって同応力が局所的に大きくなることを抑えることが可能になる。
上記ダンパー装置において、前記貫通孔は、前記周方向に間隔を置いて並ぶように複数設けられており、前記ダンパープレートは、前記貫通孔よりも外周側において、隣り合う2つの前記貫通孔に渡って前記周方向に延びる外周孔を有し、前記外周孔は、前記隣り合う2つの前記貫通孔の間隙に向けて突出する凸状の部分を有するとともに、前記外周孔と前記貫通孔とに挟まれた部分が一定の幅で延びる態様で設けられている。
上記構成によれば、ダンパープレートにおける貫通孔と外周孔とに挟まれた部分を帯状で延びる構造にすることができ、同部分(帯状部分)を介して、ダンパープレートの外周側の部分を回転中心側の部分によって支持させる構造にすることができる。こうした帯状部分は応力が集中し易いうえに、同帯状部分に部分的に幅が狭い部位があると、その部位に応力が集中してしまい、同部位にかかる応力が局所的に大きくなるおそれがある。この点、上記構成によれば、帯状部分の幅が一定になっているため、同帯状部分に作用する応力が局所的に大きくなることを抑えることができる。
上記ダンパー装置において、前記ダンパープレートは、板厚が部分的に薄くなるように外面が窪んだ部分からなる薄肉部を有しており、且つ、前記外面における前記薄肉部と同薄肉部に隣接する隣接部との境界の少なくとも一部を含む部分が、角の形成されないなだらかな面によって構成されている。
上記構成によれば、薄肉部と隣接部との境界の全てが角になっているものと比較して、同境界に応力が集中しにくい構造にすることができる。そのため、ダンパープレートの耐久性能の向上を図ることができる。
本発明のダンパー装置によれば、小さい配置スペースでクランクシャフトの曲げ振動を抑えることができる。
一実施形態のダンパー装置が適用されるクランクシャフトおよびその周辺の側面部分断面図。 ダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 本実施形態のダンパー装置の動作態様を説明するための原理図。 クランクシャフトの曲げ振動の周波数とイナータンスとの関係を示すグラフ。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 変形例のダンパープレートの(a)は(b)の6A-6A線に沿った端面図であり、(b)は平面図。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 変形例のダンパープレートの挿通孔周辺の(a)は(b)の8A-8A線に沿った断面図であり、(b)は側断面図。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 同ダンパープレートの一部を拡大して示す平面図。 変形例のダンパープレートの(a)は(b)の11A-11A線に沿った断面図であり、(b)は平面図。 同ダンパープレートにおける外周孔の周辺を拡大して示す平面図。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 同ダンパープレートの溝部およびその周辺を拡大して示す側断面図。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 同ダンパープレートの薄肉部の一部を拡大して示す側断面図。 変形例のダンパープレートの(a)は側断面図であり、(b)は平面図。 同ダンパープレートの薄肉部の一部を拡大して示す側断面図。
以下、ダンパー装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10は出力軸としてのクランクシャフト11を有している。クランクシャフト11における回転軸Lの延びる方向(以下、回転軸方向[図1の左右方向])の一端には、同クランクシャフト11側から順に、センサープレート12、ダンパープレート20、およびドライブプレート13が一体回転するように固定されている。ドライブプレート13はトルクコンバータ14に固定されている。
センサープレート12、ダンパープレート20、およびドライブプレート13は、いずれも金属材料によって略円板状に形成されている。センサープレート12はクランクセンサー(図示略)によるクランクシャフト11の回転角の検出に利用される部材である。ダンパープレート20は、クランクシャフト11の曲げ振動を抑えるダイナミックダンパーとして機能する部材である。このダンパープレート20の具体構造については後に詳述する。ドライブプレート13は、クランクシャフト11とトルクコンバータ14との連結に用いられる連結部材である。
センサープレート12、ダンパープレート20、およびドライブプレート13は以下のようにクランクシャフト11に固定されている。
クランクシャフト11の回転軸方向における上記トルクコンバータ14側(図1の左側)の端面には、複数(本実施形態では10個)のねじ穴15が、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように設けられている。また、各プレート12,13,20の平面視(図1の左側から見た状態)における中央部分には、その厚さ方向に貫通する複数(本実施形態では、10個)の挿通孔12A,13A,20Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。そして、各プレート12,13,20の挿通孔12A,13A,20Aに各別にボルト16が挿通されるとともに、その状態でボルト16がクランクシャフト11のねじ穴15に固定される。これにより、各プレート12,13,20がクランクシャフト11に締結固定されている。
また、ドライブプレート13は、トルクコンバータ14に一体回転するように固定されている。詳しくは、ドライブプレート13の外縁部分には、その厚さ方向に貫通する複数(本実施形態では、6個)の貫通孔13Bが上記回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように設けられている。そして、ドライブプレート13の貫通孔13Bに各別にボルト17が挿通されるとともに、その状態でボルト17がトルクコンバータ14の外壁のねじ穴18に固定される。これにより、ドライブプレート13がトルクコンバータ14に締結固定されている。
以下、ダンパープレート20の具体構造について説明する。
図2(a)および図2(b)に示すように、ダンパープレート20は外形が円形の金属板からなる。ダンパープレート20の平面視における中心部分には断面円形状の貫通孔(中心孔21)が形成されている。また、ダンパープレート20の平面視における中央部分(詳しくは、中心孔21の周縁)には、同プレート20の厚さ方向に貫通する複数の挿通孔20Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。ダンパープレート20における挿通孔20Aよりも外縁側の部分には、その回転中心を対称点として点対称になる断面形状の複数(本実施形態では8個)の貫通孔(肉抜き部23)が、回転軸Lの周りに等角度間隔で並ぶように形成されている。
本実施形態では、ダンパープレート20の固有振動数と、内燃機関10の運転時においてクランクシャフト11の曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数Fとが同一になっている。具体的には、上記特定周波数Fは、クランクシャフト11の固有振動数(本実施形態では、560Hz)と同一の周波数になっている。なお、ダンパープレート20の固有振動数を設定するためのパラメータとしては、ダンパープレート20の質量や材質、形状(例えば厚さ、肉抜き部23の配置)などが挙げられる。本実施形態では、ダンパープレート20に複数の肉抜き部23を設けて同ダンパープレート20を適度に軽量且つ低剛性の構造にすることにより、ダンパープレート20の固有振動数を特定周波数Fにしている。
以下、ダンパープレート20を設けることによる作用について説明する。
図3に示すように、内燃機関10の運転時においては、コンロッド(図示略)からクランクシャフト11に間欠的に力(図3中に一例を矢印Aで示す)が加えられることにより、同クランクシャフト11に曲げ振動が発生するようになる。このときクランクシャフト11の端部は、同クランクシャフト11の回転軸Lが円を描くように移動する、いわゆる首振り動作(図3中に一例を矢印Bで示す動作)するようになる。そして、こうしたクランクシャフト11の端部の首振り運動に伴って、同クランクシャフト11の端部に固定されたダンパープレート20は、図3中に矢印Cで示すように、回転軸Lの周りにおいて波打つように周期的に変形するようになる。
本実施形態では、ダンパープレート20の固有振動数がクランクシャフト11の固有振動数(特定周波数F)と同一になっており、同ダンパープレート20がダイナミックダンパーとしてクランクシャフト11に一体に設けられている。そのため、内燃機関10の運転に伴って特定周波数Fでの曲げ振動がクランクシャフト11に発生すると、この曲げ振動を互いに打ち消し合うようにダンパープレート20が共振して、クランクシャフト11の曲げ振動のエネルギーが吸収されるようになる。これにより、クランクシャフト11の特定周波数Fでの曲げ振動が的確に抑えられるようになる。
なお本実施形態では、ダンパープレート20の平面視における中央部分(詳しくは、クランクシャフト11に固定された部分)以外の部分が、ダイナミックダンパーの弾性体として機能するとともに、同ダイナミックダンパーの質量体としても機能するようになる。このように本実施形態では、ダイナミックダンパーの質量体として機能する部分と同ダイナミックダンパーの弾性体として機能する部分とが一体の金属板(ダンパープレート20)によって構成されている。そのため、質量体としてのクランクプーリーがゴム材料からなる弾性部材を介してクランクシャフトに設けられる構造のダンパー装置と比較して、クランクシャフト11の曲げ振動を抑えるためのダンパー装置(具体的には、ダンパープレート20)を小さいスペースで配置することができる。また、ダンパープレート20が、ゴム材料と比較して、高温環境下において特性が変化し難い金属材料によって構成されている。そのため、こうしたダンパープレート20により、内燃機関10の運転時における高温環境下においても高い振動低減効果が得られるようになる。
図4に、内燃機関の運転時におけるクランクシャフト11の曲げ振動の周波数と同クランクシャフト11についてのイナータンスとの関係を測定した結果を示す。なお、図4の実線は本実施形態の内燃機関10での上記関係を示しており、図4の一点鎖線はダンパープレート20が設けられない比較例の内燃機関での上記関係を示している。
図4に一点鎖線で示すように、ダンパープレート20が設けられない比較例の内燃機関では、特定周波数F(=クランクシャフト11の固有振動数)において、同クランクシャフト11についてのイナータンスが絶対値の大きい側のピーク値を示すようになる。このように比較例の内燃機関では、特定周波数Fにおいて、クランクシャフト11の曲げ振動のエネルギーが大きくなってしまう。
これに対して、図4に実線で示すように、ダンパープレート20が設けられる本実施形態の内燃機関10では、特定周波数Fでのクランクシャフト11についてのイナータンスが絶対値の大きい側のピーク値を示しておらず、且つ上記比較例の内燃機関と比べて小さい値になっている。このように本実施形態の内燃機関10では、クランクシャフト11の特定周波数Fでの曲げ振動が的確に抑えられるようになる。
ここで、ダイナミックダンパーの特性上、本実施形態の内燃機関10(図4の実線)では、上記比較例の内燃機関(図4の一点鎖線)と比べて、特定周波数Fを間に挟む2つの周波数領域F1(本実施形態では、520Hz近辺),F2(同590Hz近辺)でのクランクシャフト11の曲げ振動のエネルギーが大きくなってしまう。
この点、本実施形態では、ダンパープレート20の質量がクランクシャフト11の質量と比較してごく小さくなっている。そのため、図4から明らかなように、特定周波数Fを間に挟む2つの周波数領域F1,F2におけるイナータンスはさほど大きい値になっておらず、それら周波数領域F1,F2におけるクランクシャフト11の曲げ振動のエネルギーの増大は小さく抑えられている。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)クランクシャフト11の特定周波数Fでの曲げ振動を的確に抑えることができる。しかも、クランクシャフト11の曲げ振動を抑えるためのダンパー装置(具体的には、ダンパープレート20)を小さいスペースで配置することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ダンパープレート20の肉抜き部23を省略してもよい。
・ダンパープレート20に曲がった部分を設けるようにしてもよい。こうした構成によれば、曲がった部分を有していない構造のものと比較して、ダンパープレートの固有振動数の設定パラメータの1つである同ダンパープレートの剛性を高い自由度で設定することができるため、ダンパープレートの固有振動数の設定についての自由度を高くすることができる。こうした構造のダンパープレートの具体例を図5および図6に示す。図5(a)および図5(b)に示すダンパープレート30には、その外縁が全周に渡って同ダンパープレート30の厚さ方向における一方側(図5(a)の右側)に曲げられた形状の曲げ部31が設けられている。図6(a)および図6(b)に示すダンパープレート40には、その厚さ方向における一方側(図6(a)の右側)に突出するように曲げられた形状であり、且つ突端が回転軸Lを中心とする放射状に延びる形状の曲げ部41が等角度間隔で設けられている。
・ダンパープレートの厚さを部分的に薄くするようにしてもよい。こうした構成によれば、厚さが一定のものと比較して、ダンパープレートの剛性を高い自由度で設定することができるため、ダンパープレートの固有振動数の設定についての自由度を高くすることができる。こうした構造のダンパープレートの具体例を図7に示す。図7(a)および図7(b)に示すダンパープレート50では、円形の平板によって構成される平板部51と同平板部51の周囲を囲む円筒状の筒部52とが一体に形成されている。このダンパープレート50では、外縁部分(筒部52)を残して、平面視における中央部分(平板部51)の全体が薄くなっている。なお、ダンパープレート50の平板部51には、その回転中心Oを対称点として点対称になる断面形状の複数の貫通孔(肉抜き部53)が、同回転中心Oの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。
上記構造のダンパープレートの他の具体例を図13および図14に示す。図13(a)、図13(b)および図14に示すように、円形の金属板からなるダンパープレート90の平面視における中央部分(詳しくは、中心孔21の周縁)には、同プレート90の厚さ方向に断面円状で貫通する複数(この例では、10個)の挿通孔90Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。各挿通孔90Aには、ダンパープレート90をクランクシャフトに締結固定するためのねじ部材としてのボルトが挿通される。ダンパープレート90の外面における各挿通孔90Aの内縁(図13(b)にドットハッチングで示す部分)は、ダンパープレート90の締結固定時にボルト座面とクランクシャフトとの間に実際に挟まれる部分(座部91)になっている。ダンパープレート90の一方側(図13(a)における右側)の側面には、各座部91よりも外周側において同座部91に隣接する位置に、中心孔21の周囲全周に渡って延びる溝部92が設けられている。この溝部92の内面は断面略U字状をなしている。ダンパープレート90における溝部92以外の部分は板厚が略同一になっている。
ダンパープレート90の外周側の部分は、内周側の部分と比較して、遠心力が大きくなる部分であるためにダイナミックダンパーの質量体の質量を確保し易い部分である。上記ダンパープレート90では、そうした外周側の部分(詳しくは、溝部92よりも外周側の部分)の板厚が比較的厚くなっている。これにより、ダイナミックダンパーの質量体の質量が確保されている。また、ダンパープレート90の外面における内周側の部分(詳しくは、溝部92)の板厚が比較的薄くなっている。これにより、ダンパープレート90の剛性を低くすることができ、ダンパープレート90を撓み易くすることができる。
上記構造のその他の具体例を図15および図16に示す。図15(a)、図15(b)および図16に示すように、円形の金属板からなるダンパープレート100の平面視における中央部分(詳しくは、中心孔21の周縁)には、同プレート100の厚さ方向に断面円状で貫通する複数(この例では、10個)の挿通孔100Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。各挿通孔100Aには、ダンパープレート100をクランクシャフトに締結固定するためのねじ部材としてのボルトが挿通される。ダンパープレート100の外面における各挿通孔100Aの内縁(図15(b)にドットハッチングで示す部分)は、ダンパープレート100の締結固定時にボルト座面とクランクシャフトとの間に実際に挟まれる部分(座部101)になっている。
ダンパープレート100では、各座部101よりも外周側(具体的には、図15(b)中の線M1よりも外周側)の部分が内周側の部分よりも板厚の薄い薄肉部102になっている。この薄肉部102は、略平板状に形成された素材(図15(a)の二点鎖線参照)の一方側(図15(a)における右側)の側面に切削加工を施すことによって形成される。薄肉部102の内周側(詳しくは、図15(b)における線M2よりも内周側)の部分は平面をなしており、同薄肉部102の外周側の部分は外周端に向かうに連れて同薄肉部102の板厚が徐々に厚くなるような湾曲面をなしている。また、図15(a)および図16に示すように、薄肉部102における内周側の部分と外周側の部分との境界M2には角が形成されておらず、同境界はなだらかな面の一部を構成している。なお、上記薄肉部102の全体を、ダンパープレート100の外周端に向かうに連れて同薄肉部102の板厚が徐々に厚くなるような湾曲面や傾斜面によって構成したり、外周端に向かうに連れて同薄肉部102の板厚が徐々に薄くなるような湾曲面や傾斜面によって構成したりしてもよい。また、ダンパープレート100の一方側(図15(a)における右側)の面に切削加工を施すことに代えて、あるいは併せて、ダンパープレート100の他方側(図15(a)における左側)の面に切削加工を施すようにしてもよい。上記薄肉部102を切削加工以外の加工法によってダンパープレート100に設けるようにしてもよい。
・板厚が部分的に薄くなるように外面が窪んだ部分からなる薄肉部を有するダンパープレートにおいて、同ダンパープレートの外面における上記薄肉部と同薄肉部に隣接する隣接部との境界の少なくとも一部を含む部分を、角の形成されないなだらかな面によって構成するようにしてもよい。こうした構成によれば、ダンパープレートに薄肉部が形成されているとはいえ、薄肉部と隣接部との境界の全てが角になっているものと比較して、上記薄肉部と隣接部との境界に応力が集中しにくい構造にすることができる。そのため、ダンパープレートの耐久性能の向上を図ることができる。
こうした構造のダンパープレートの具体例を図17および図18に示す。図17(a)、図17(b)および図18に示すように、円形の金属板からなるダンパープレート110の平面視における中央部分(詳しくは、中心孔21の周縁)には、同プレート110の厚さ方向に断面円状で貫通する複数(この例では、10個)の挿通孔110Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。各挿通孔110Aには、ダンパープレート110をクランクシャフトに締結固定するためのねじ部材としてのボルトが挿通される。ダンパープレート110の外面における各挿通孔110Aの内縁(図17(b)にドットハッチングで示す部分)は、ダンパープレート110の締結固定時にボルト座面とクランクシャフトとの間に実際に挟まれる部分(座部111)になっている。
ダンパープレート110には、中心孔21の周囲全周に渡って回転軸方向に曲げられた形状の曲げ部112,113が2箇所設けられている。具体的には、ダンパープレート110の最外周部分が一方向(図13(a)の右側)に曲がった第1曲げ部112になっている。また、ダンパープレート110の最外周部分と各座部111との間の中間部分が断面クランク状をなすように曲がった第2曲げ部113になっている。ダンパープレート110における第1曲げ部112と第2曲げ部113との間は、回転軸Lと直交する方向に延びる平板状の平板部114になっている。この平板部114は、ダンパープレート110における第2曲げ部113よりも内周側の部分に対して、回転軸方向における一方側(図17(a)の左側)にずれた位置に設けられている。
図17(a)に示すように、ダンパープレート110の板厚が部分的に薄くなるように同ダンパープレート110の外面が窪んだ部分からなる薄肉部115は、第2曲げ部113と平板部114との境界M3から各座部111の配設部分の外縁(図17(b)中の線M4)までの範囲に設けられている。この薄肉部115は、各部の板厚が略同一の素材(図17(a)の二点鎖線参照)に対して、一方側(図17(a)における右側)の側面に切削加工を施すことによって形成される。
図17(a)および図18に示すように、薄肉部115の外周部分(図18中に矢印P1で示す部分)は、ダンパープレート110の内方(図17(a)における左側)に向けて凸状の湾曲面をなしている。また、薄肉部115の内周部分(図18中に矢印P2で示す部分)は、ダンパープレート110の外方(図17(a)における右側)に向けて凸状の湾曲面をなしている。薄肉部115における外周部分と内周部分との境界には角が形成されておらず、同境界はなだらかな面の一部を構成している。したがって上記構成では、薄肉部115の全体が角のないなだらかな面によって構成されている。また、こうした薄肉部115と平板部114の外面との境界M3にも角が形成されておらず、同境界M3はなだらかな面の一部を構成している。したがって上記構成では、ダンパープレート110の外面における上記境界M3を含む部分が、角の形成されないなだらかな面によって構成されている。なお上記構成では、平板部114が隣接部に相当する。
上記ダンパープレート110による作用効果について説明する。
ダンパープレート110によれば、薄肉部115と平板部114との境界M3が角になっているものと比較して、同境界M3に応力が集中しにくい構造にすることができる。そのため、ダンパープレート110の耐久性能の向上を図ることができる。
ダンパープレート110の外周側の部分は、内周側の部分と比較して、遠心力が大きくなる部分であるためにダイナミックダンパーの質量体の質量を確保し易い部分である。上記ダンパープレート110では、そうした外周側の部分(詳しくは、第1曲げ部112および平板部114)に切削加工が施されておらず、同部分の板厚が比較的厚くなっている。これにより、ダイナミックダンパーの質量体の質量が確保されている。
また、ダンパープレート110の外面における内周側の部分(詳しくは、第2曲げ部113や、同第2曲げ部113と座部111との間の部分)に切削加工が施されており、同部分の板厚が比較的薄くなっている。これにより、ダンパープレート110の剛性を低くすることができ、ダンパープレート110を撓み易くすることができる。
さらに、ダンパープレート110では、その一部分(上記構成では平板部114)の配設位置を他の部分の配設位置に対して回転軸方向にずらすことにより、共振周波数を調整することができる。具体的には、ダンパープレート110の平板部114の配設位置を回転軸方向にずらす量を多くするほど、ダンパープレート110の共振周波数を高くすることができる。本実施形態では、第2曲げ部113を設けることによって平板部114を回転軸方向における一方側(図17(a)の左側)にずらすことにより、共振周波数が高くされている。また本実施形態では、ダンパープレート110の曲げ部112,113の曲げ方向における内側(図17(a)の右側)にあたる面に切削加工が施されている。これにより、ダンパープレート110の一部分を回転軸方向における一方側(図17(a)の左側)にずらす量(詳しくは、ダンパープレート110において回転軸方向の一方側にずらされる部分)が多くなるため、その分だけダンパープレート110の共振周波数が高くなっている。
また、座部111の配設部分や同配設部分よりも内周側の部分は、ダイナミックダンパーの質量体や弾性体として機能しない部分である。上記ダンパープレート110では、そうした座部111の配設部分および同配設部分よりも内周側の部分(具体的には、境界M4よりも内周側の部分)には、薄肉部115の形成のための切削加工が施されない。そのため、ダンパープレート110を、座部111の配設部分や同配設部分よりも内周側の部分に対する仕上げ加工を必要としない構造にすることが可能になる。したがって、仕上げ加工が不要になる分だけ、ダンパープレート110の製造にかかるコストの削減を図ることができる。
なお、ダンパープレート110の前記境界M3の一部が角になっていてもよい。ダンパープレート110の境界M3の少なくとも一部が角の形成されないなだらかな面の一部を構成する構造であれば、同境界M3の全てが角になっているものと比較して、境界M3に応力が集中しにくい構造にすることができる。また、ダンパープレート110の一方側(図17(a)における右側)の側面に切削加工を施すことに加えて、あるいは代えて、ダンパープレート110の他方側(図17(a)における左側)の側面に切削加工を施すようにしてもよい。ダンパープレート110における前記境界M3よりも外周側の部分や、ダンパープレート110における座部111よりも内周側の部分を、薄肉部にしてもよい。また、上記薄肉部115を切削加工以外の加工法によってダンパープレート110に設けるようにしてもよい。
・ダンパープレートとクランクシャフト11との間に、適当な大きさの減衰係数を有するダンパー部材を配設するようにしてもよい。こうした構成によれば、ダンパー部材が設けられないダンパー装置と比較して、広い範囲(ダンパープレートの固有振動数を含む)の周波数のクランクシャフト11の曲げ振動を抑えることが可能になる。こうした構造のダンパープレートの具体例を図8に示す。図8(a)および図8(b)に示すダンパープレート60では、平面視における中央部分に設けられた挿通孔62に円筒状のカラー64が嵌められている。このカラー64はダンパープレート60と異なる金属材料によって形成されている。カラー64の軸方向(図8(b)の左右方向)における長さは、ダンパープレート60の厚さと略同一になっている。そして、カラー64の中心孔65にボルト16が挿通された状態で同ボルト16がクランクシャフト11のねじ穴15に固定されることにより、ダンパープレート60がクランクシャフト11に締結固定されている。
・ダンパープレートを、クランクシャフト11における上記トルクコンバータ14(図1)から遠い側の端部に取り付けてもよい。
・ダンパープレートの外周壁に間隔を置いて複数の凹部(またはスリット)を設けるなどして、同ダンパープレートにセンサープレートの機能を付与するようにしてもよい。この場合には、センサープレート12を省略することができる。
・ダンパープレート20の固有振動数(特定周波数F)は、クランクシャフト11の固有振動数と一致させることに限らず、任意に変更可能である。要は、クランクシャフト11の曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数であって、曲げ振動のエネルギーを低減したい周波数をダンパープレートの固有振動数にすればよい。これにより、クランクシャフト11の特定周波数での曲げ振動を的確に抑えることができる。
・挿通孔20Aの中心と肉抜き部23の中心とがダンパープレート20の径方向に延びる同一直線上において並ぶ態様で、それら挿通孔20Aおよび肉抜き部23を配置するようにしてもよい。
以下、そうした配置態様の一例を図9および図10を参照しつつ説明する。
図9(a)、図9(b)および図10に示すように、円形の金属板からなるダンパープレート70の平面視における中央部分(詳しくは、中心孔21の周縁)には、同プレート70の厚さ方向に断面円状で貫通する複数(この例では、10個)の挿通孔70Aが、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。各挿通孔70Aには、ダンパープレート70をクランクシャフトに締結固定するためのねじ部材としてのボルトが挿通される。
また、ダンパープレート70における挿通孔70Aよりも外周側の部分には、同プレート70の厚さ方向に貫通する複数(この例では、10個)の貫通孔(肉抜き部73)が、回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。これら肉抜き部73の断面形状は、略等脚台形状であり、ダンパープレート70の径方向に延びる直線(例えば図中に一点鎖線で示す直線)を対称軸として線対称になる形状である。また、肉抜き部73の4つの隅部75,76(詳しくは、回転軸L側の縁部の両端、および外周側の縁部の両端)は、同肉抜き部73の内縁に沿う方向(以下、周囲方向)において円弧状で延びるように丸められた形状をなしている。
各貫通孔(肉抜き部73)の上記挿通孔70A側(回転軸L側)の縁部では、その両端(隅部75)の周囲方向における曲率が、それら隅部75に挟まれた中間部分77の周囲方向における曲率よりも大きくなっている。また、肉抜き部73の中間部分77の周囲方向における曲率は、挿通孔70Aの内周面の曲率よりも小さくなっている。なお、この例では、中間部分77が第1縁部に相当し、隅部75が第2縁部に相当する。そして、挿通孔70Aおよび肉抜き部73は、挿通孔70Aの中心C1と肉抜き部73の中心C2(本例では、肉抜き部73の断面形状の重心と同一)とがダンパープレート70の径方向に延びる同一直線(図中に一点鎖線で示す直線)上において並ぶ態様で設けられている。
以下、このように挿通孔70Aと肉抜き部73とを配置することによる作用効果について説明する。
上記ダンパープレート70では、挿通孔70Aの周縁や肉抜き部73の周縁において応力集中が生じる。そして、肉抜き部73における上記挿通孔70A側の縁部では、周囲方向における曲率の小さい中間部分77よりも同曲率の大きい隅部75のほうが応力が集中し易い。その一方で、挿通孔70Aは断面円形状であるため、同挿通孔70Aの内周面の各部における曲率は等しくなっている。
このことから、肉抜き部73の上記挿通孔70A側の縁部の中でも応力が集中し易い隅部75と挿通孔70Aとの距離が大きくなるようにそれら挿通孔70Aおよび肉抜き部73を配置することにより、挿通孔70Aと肉抜き部73とに挟まれた部分において生じる応力が小さくなり、応力集中によって同応力が局所的に大きくなることが抑えられるようになると云える。
上記ダンパープレート70では、挿通孔70Aの中心C1と肉抜き部73の中心C2とが径方向に延びる同一直線上において並ぶ態様で、それら挿通孔70Aおよび肉抜き部73が設けられている。これにより、肉抜き部73の中間部分77が挿通孔70Aの近くに配置される一方で、同肉抜き部73の各隅部75は挿通孔70Aの比較的遠くに配置されている。このように上記構成によれば、肉抜き部73の上記挿通孔70A側の縁部の中でも応力が集中し易い隅部75と挿通孔70Aとの距離が大きくなるように、それら挿通孔70Aおよび肉抜き部73を配置することができる。そのため、肉抜き部73および挿通孔70Aの周縁において、応力集中によって同応力が局所的に大きくなることを抑えることができる。
なお、肉抜き部73の断面形状は、線対称ではない形状にしたり隅部75,76を周囲方向において折れ曲がるように延びる形状にしたりするなど、任意に変更することができる。要は、肉抜き部73の挿通孔70A側の縁部が、ダンパープレート70の周方向に延びる第1縁部と、周方向において第1縁部を挟むように配置されるとともに周囲方向における曲率が上記第1縁部の周囲方向における曲率よりも大きい第2縁部とによって構成されていればよい。上記構成において、肉抜き部73の周縁における応力の集中を抑えるためには、各隅部75の周囲方向における曲率を小さくすることが望ましい。
・図11(a)、図11(b)および図12に示すように、ダンパープレート80における肉抜き部83よりも外周側に、隣り合う2つの肉抜き部83に渡って円弧状で延びる貫通孔(外周孔85)を複数(本例では10個)設けるようにしてもよい。これら外周孔85は、クランクシャフトの回転軸Lの周りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。各外周孔85は、縁部の周方向における中間位置において、隣り合う2つの肉抜き部83の間隙に向けて突出する凸状をなす部分(凸状部85A)を有している。上記ダンパープレート80では、外周孔85(凸状部85Aを含む)と肉抜き部83とに挟まれた部分が一定の幅(図12中に「W」で示す)で延びるようになる態様で、各外周孔85が配置されている。
以下、こうした外周孔85を設けることによる作用効果について説明する。
上記ダンパープレート80は、外周孔85と肉抜き部83とに挟まれた部分が帯状で延びる構造になっており、この帯状の部分(帯状部分BT)を介してダンパープレート80における外周孔85よりも外周側の部分が肉抜き部83よりも回転中心(回転軸L)側の部分によって支持される構造になっている。こうした構造を採用することにより、外周孔85が設けられないものと比較して、ダンパープレート80の固有振動数を低くすることが可能になる。なお上記ダンパープレート80では、肉抜き部83よりも回転中心側の部分と外周孔85よりも外周側の部分とを繋ぐ帯状部分BTが長いほど、固有振動数の設定の自由度が高くなる。
ダンパープレート80では、外周孔85(帯状部分BT)を設けることにより、固有振動数の設定の自由度が高くなる一方で、同帯状部分BTに応力が集中し易い構造になってしまう。そして、仮に帯状部分BTにおいて部分的に幅が狭い部位があると、その部分に応力が集中してしまい、同部分にかかる応力が局所的に大きくなるおそれがある。
上記ダンパープレート80では、帯状部分BTの幅が一定になっている。そのため、帯状部分BTの各部で生じる応力のばらつきが抑えられて、帯状部分BTに作用する応力が局所的に大きくなることが抑えられるようになる。そして、そのようにした上で、上記帯状部分BTを介してダンパープレート80における外周側の部分を回転中心側の部分によって支持する構造を実現することができる。
なお、帯状部分BTの各部の幅は、略一定であればよく、若干異なっていてもよい。ダンパープレート80を、平板円板状に形成することの他、回転中心側の部分が外周側の部分に対して段差状に窪んだ円板状に形成することができる。上記ダンパープレート80は、挿通孔80Aの中心と肉抜き部83の中心とが径方向に延びる同一直線上において並ぶ構造のダンパープレートの他、挿通孔80Aの中心と肉抜き部83の中心とが径方向に延びる同一直線上において並ばない構造のダンパープレートにも適用することができる。
10…内燃機関、11…クランクシャフト、12…センサープレート、12A…挿通孔、13…ドライブプレート、13A…挿通孔、13B…貫通孔、14…トルクコンバータ、15…ねじ穴、16…ボルト、17…ボルト、18…ねじ穴、20,30,40,50,60,70,80,90,100,110…ダンパープレート、20A,70A,80A,90A,100A,110A…挿通孔、21…中心孔、23,53,73,83…肉抜き部、31,41…曲げ部、51…平板部、52…筒部、62…挿通孔、64…カラー、65…中心孔。75…隅部、76…隅部、77…中間部分、85…外周孔、85A…凸状部。91,101,111…座部、92…溝部、102,115…薄肉部、112…第1曲げ部、113…第2曲げ部、114…平板部。

Claims (3)

  1. ダイナミックダンパーの質量体として機能する部分と同ダイナミックダンパーの弾性体として機能する部分とが一体の金属板によって構成されているダンパープレートを有し、同ダンパープレートがクランクシャフトと一体回転するように同クランクシャフトの一端に設けられているダンパー装置であって、
    前記ダンパープレートの固有振動数と、前記クランクシャフトの曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数とが同一になっており
    前記ダンパープレートは、円板状をなすとともに、同ダンパープレートを前記クランクシャフトに締結固定するためのねじ部材が挿通される挿通孔と、前記挿通孔よりも外周側に配置された貫通孔と、を有しており、
    前記貫通孔は、前記ダンパープレートの周方向に間隔を置いて並ぶように複数設けられており、
    前記ダンパープレートは、前記貫通孔よりも外周側において、隣り合う2つの前記貫通孔に渡って前記周方向に延びる外周孔を有し、
    前記外周孔は、前記隣り合う2つの前記貫通孔の間隙に向けて突出する凸状の部分を有するとともに、前記外周孔と前記貫通孔とに挟まれた部分が一定の幅で延びる態様で設けられている
    ダンパー装置。
  2. 記貫通孔の前記挿通孔側の縁部は、前記ダンパープレートの周方向に延びる第1縁部と、前記周方向において前記第1縁部を挟むように配置されるとともに前記貫通孔の周囲方向における曲率が前記第1縁部の前記周囲方向における曲率よりも大きい第2縁部と、を有しており、
    前記挿通孔および前記貫通孔は、前記挿通孔の中心と前記貫通孔の中心とが前記ダンパープレートの径方向に延びる同一直線上において並ぶ態様で設けられている
    請求項1に記載のダンパー装置。
  3. ダイナミックダンパーの質量体として機能する部分と同ダイナミックダンパーの弾性体として機能する部分とが一体の金属板によって構成されているダンパープレートを有し、同ダンパープレートがクランクシャフトと一体回転するように同クランクシャフトの一端に設けられているダンパー装置であって、
    前記ダンパープレートの固有振動数と、前記クランクシャフトの曲げ振動が取り得る周波数の範囲に含まれる特定周波数とが同一になっており
    前記ダンパープレートは、板厚が部分的に薄くなるように外面が窪んだ部分からなる薄肉部を有しており、且つ、前記外面における前記薄肉部と同薄肉部に隣接する隣接部との境界の少なくとも一部を含む部分が、角の形成されないなだらかな面によって構成されている
    ダンパー装置。
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