JP2002218586A - スピーカ - Google Patents
スピーカInfo
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Abstract
板の特定モードでのローリングを防止し、良好な音質が
得られるスピーカを提供する。 【解決手段】 振動板が繊維をメッシュ状に織った織物
にて形成した振動板基材からなる。この織物にボイスコ
イル20が設けられるがその引出線20aの引出方向を
織物の経方向または緯方向の織り目方向とほぼ平行に引
出す構成とした。
Description
ノートパソコン等に用いられ、比較的小径、小形であっ
ていわゆるマイクロスピーカと称せられるスピーカに用
いると好適な電気音響変換器用振動板に関するものであ
る。
PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイ
ミド)、PEI(ポリエーテルイミド)等の樹脂フィル
ム単体からなるもの(以下、従来品という)が用いられ
ていた。
率、内部損失を有し、前記用途に広く用いられているも
のの、このような樹脂フィルム単体からなる振動板は密
度が大きいため、以下の問題がある。すなわち、剛性を
上げるためにフィルムを厚くすると重量が大きくなり、
充分な感度がとれなくなり、高域再生にも支障が生じ
る。一方、充分な感度を確保し、高域も伸ばそうとする
ときはフィルムを薄くしなければならないが、薄くする
と曲げ剛性が弱くなり、分割共振等による歪が大きくな
り、音質の劣化を招くとともに大きな入力に対する強度
も弱くなってしまう。
剤により発泡させた構造とすることにより密度を下げる
ことも考えられるが、こうするとヤング率が低下してし
まう。最近はマイクロスピーカにおいてもより高感度、
高帯域、高音質なものが求められるようになってきてい
るが、従来の樹脂フィルム単体からなる振動板ではこれ
らすべてのニーズに対応できない、という課題があっ
た。
00−116088号として、振動板としての主要な物
性、すなわちヤング率、音速、内部損失、密度等の値の
向上と、これらのバランスの最適化を図ることにより、
スピーカとしての高能率、高再生帯域、低歪化を図り、
良好な音響特性を実現し得る積層構造の電気音響変換器
用振動板が提案された。
(b)に示す。(a)は振動板基材2の部分平面図、
(b)はそれに樹脂フィルム3を積層させてなる振動板
の断面図を示す。これらの図に示すように、上記振動板
は、芯材1aとその外側に設けられた鞘材1bとからな
るフィラメント1を用い、メッシュ状に編み、その面上
に、樹脂フィルム3を積層して構成されている。
メッシュ状に織った織物構造となっているため、強度す
なわち剛性の大きさに方向性を持ち、組立にあたり、振
動板に対し単純にボイスコイルを取付け、かつ引出線を
外部に引き出すなどして、スピーカを組立てた場合、製
品によっては、特定のモードでローリング(異常な動
き)を生じ、f0近辺あるいは特定の周波数でスパイク
状の帯域の狭い歪が発生するものが多々出てくるという
課題があった。
ので、その目的とするところは、ローリングを防止し、
音質を向上させたスピーカを提供することを目的とする
ものである。
シュ状に織って織物を構成し、少なくともその一方の面
にスキン層が積層された振動板を備えるスピーカであっ
て、前記振動板に結合されるボイスコイル20の引出線
20aの引出方向が、前記織物の経方向または緯方向の
織り目方向に対しほぼ平行に引出す構成とすることによ
り、上記目的を達成している。また、この場合、振動板
素材の繊維としては、融点の異なる二つの樹脂材料の芯
鞘構造のフィラメント1からなり、このフィラメント1
は芯材1aとこの外周に設けられた鞘材1bとからな
り、鞘材1bは前記芯材1aより低融点のものが用いら
れ、前記スキン層は樹脂フィルム3からなり前記鞘材1
bより高融点で鞘材1bに熱融着されることを特徴とし
ている。
ず所望の性能が得られるものもあり、これを良品とし、
製品を良品群と不良品群とに分け、フレームへの振動板
の組み方はどうか、ボイスコイルの取付けについてはど
うか、ダンパ等の振動系はどうか、磁気回路、その駆動
力についてはどうか、端子板の位置、形状等はどうか等
についての解析を行ったところ、振動板の織物の織り目
の方向や、ボイスコイルの引出線の引出方向の関係が性
能に影響を及ぼすことが本発明者によって確認された。
すなわち、織り目方向を一切考慮せず、また、ボイスコ
イルの引出線も適当に引出したものでは、大振幅で動か
す高性能率型の芯鞘構造の振動板を備えたスピーカで
は、ある周波数でローリングが生じ、かつ製品毎にバラ
ツキが生じ不良品となる。これに対し、振動板を構成す
る織物の織り目方向を振動板に取付けるボイスコイルの
引出方向とほぼ平行になるようにそろえて組み込むと動
きにバランスが取れるため、良好な結果をもたらすこと
が判明した。この発明は上記のことに着目してなされた
ものである。
用した本発明の一実施例を示し、振動板にボイスコイル
を結合した状態の裏面図である。図2は図1中A部分の
要部拡大図である。図中10はいわゆる芯鞘構造のフィ
ラメント1をメッシュ状に織って構成した振動板であ
り、周知のように、外周のエッジ10aはフレーム(図
示せず)に取付られる。20は振動板10の中央部に結
合されたボイスコイル、20aはその引出線であり、周
知のように、このボイスコイル20は磁気回路の磁気ギ
ャップに配されるなどしてスピーカが構成される。スピ
ーカ自体の構成は周知であるため、詳細説明は省略す
る。
ィラメント1からなる繊維を互いに直角にクロスさせメ
ッシュ状に織られており、図2で詳細に示すごとくボイ
スコイル20の引出線20aの引出方向を、前記フィラ
メント1の経糸方向または緯糸方向のいずれか一方の方
向とほぼ平行になるような相対位置関係を保って振動板
とボイスコイル20が結合されている。このボイスコイ
ル20を結合した振動板を図示しないフレームに、引出
線20aを端子位置を考慮して組み付けることにより、
バランスをとりローリングの発生を防止することを特徴
としている。
ないが、振動板10の少なくとも一方の面は樹脂フィル
ムが積層される。これについては図5(a)、(b)を
参照しつつ追って詳述する。
フィラメント1の断面を示す。このフィラメント1は芯
鞘構造をなし、芯材1aとして融点240℃のポリエチ
レンテレフタレート、その外周部の鞘材1bとしてはそ
れより低融点140℃位のポリエチレンテレフタレート
にて構成されている。
および緯方向にメッシュ状に織った織物の平面図を示
す。この織物が本発明の振動板基材2となる。
場合、経方向、緯方向の各フィラメント1の交絡点が鞘
材1bの溶融により結着する様子を示す。
ィルム3をそれぞれ積層した例の断面図を示す。この樹
脂フィルム3としては、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)のほか、PP(ポリプロピレン)、PI(ポリ
イミド)、PET(ポリエーテルイミド)等が用いられ
る。また、この樹脂フィルム3の融点はフィラメント1
の鞘材1bより高い。
の断面を示す。加熱により、鞘材1bの交絡点付近にお
ける鞘材同志が溶着するとともに、樹脂フィルム3より
融点の低い鞘材1bが樹脂フィルム3を熱融着し積層一
体化されるが、この際、芯材1aは高融点のため、変形
することはなく、織布の骨格が原形に近い形を維持し、
低密度、高内部損失、高曲げ剛性のハニカム構造とほぼ
同様の特性を有する振動板を得ることができる。
る。
とする芯鞘構造のフィラメント1を作製する。このフィ
ラメント1としては25デニールのものを用いた。
ュ状に織り織布を作製した。単糸としたのは軽量化を図
るためである。
テレフタレートからなる樹脂フィルム3を配し、空冷式
の成形機によってホット−コールド成形を用い、低融点
成分の融点以上、かつ高融点成分の融点以下の熱で加
熱、加圧を行い、3層構造であって有効径φ24.9
5,厚み0.07mm等の振動板を作製した。なお、振
動板基材2のいずれか一方の面にのみ樹脂フィルム3を
積層し、2層構造のものとすることも可能である。
工程としては、金型にヒータ(図示せず)を当て所定の
温度に昇温させる。
を後退させ、金型内に、一体となった樹脂製フィルム3
と振動板基材2を挿入し、プレスを行う。
ーして空気流で冷却する。
振動板を取り出せば良い。
融しないため、目ズレを防止でき十分な強度を保持でき
る。
測定したところ、次に示す表1の通りであった。 表1 密度(kg/m3) 音速(m/s) 曲げ剛性 内部損失(tanδ) 本発明の振動板 3層構造の振動板 0.702 2003.3 2.85 0.0273 従来の振動板 PETフィルム 1.435 1906.7 1.33 0.0176 PEIフィルム 1.279 1369.1 1.07 0.0223 PIフィルム 1.413 1598.5 1.13 0.0131 PCフィルム 1.155 1074.2 0.93 0.0159
内部損失は低下することなく、密度は従来品に比べ半分
程度であるため、充分な音圧が得られ、また、曲げ剛性
が大きくなるため、歪が低減し、高音質を得ることがで
きる。また、音速が向上するため、高域が伸び高帯域化
を図ることができる。この振動板に前述のようにしてボ
イスコイル20を結合し、振動板をフレームに取付け、
かつボイスコイル20を磁気回路に組込むなどして本発
明のスピーカが組立てられる。
考慮しないで組上げたスピーカと本発明の振動板にボイ
スコイル20が結合されてなるスピーカとの周波数に対
する音圧の特性を示す。図中Aは本発明品、Bは先行技
術にかかるスピーカであり、bはそのスパイク状の歪で
ある。本発明品Aによれば低域から高域にわたってスパ
イク状の歪bは生じることがなく、良好な音質を得るこ
とができる。
造のフィラメント1をメッシュ状に編んで構成したもの
について説明したが、他の繊維であってもほぼ同様の効
果が得られる。
繊維の向きを互いに直交する方向としたメッシュ状に
し、ボイスコイル20の引出線20aをこの織物のいず
れか一方の繊維の方向とほぼ平行となるようにした本発
明によれば、特定のモードでローリングすることなく、
スパイク状の歪みのない良好な音質のスピーカを得るこ
とができる。
コイルを結合した状態の裏面図を示す。
断面図を示す。
動板基材の部分平面図、(b)は加熱し外側の鞘材が溶
融する状態説明図を示す。
積層させた状態、(b)は加熱、融着した状態を示す。
数特性の比較を示す。
られている振動板基材を構成するフィラメントの部分平
面図、(b)はかかる振動板基材に樹脂フィルムを積層
した振動板の断面図を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維をメッシュ状に織って織物を構成
し、少なくともその一方の面にスキン層が積層された振
動板を備えるスピーカであって、前記振動板に結合され
るボイスコイル(20)の引出線(20a)の引出方向
が、前記織物の経方向または緯方向の織り目方向に対し
ほぼ平行に引出されることを特徴とするスピーカ。 - 【請求項2】 請求項1記載において、前記繊維は融点
の異なる二つの樹脂材料の芯鞘構造のフィラメント
(1)からなり、 このフィラメント(1)は芯材(1a)とこの外周に設
けられた鞘材(1b)とからなり、鞘材(1b)は前記
芯材(1a)より低融点のものが用いられ、 前記スキン層は樹脂フィルム(3)からなり前記鞘材
(1b)より高融点で鞘材(1b)に熱融着されること
を特徴とするスピーカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015816A JP4372365B2 (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | スピーカ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015816A JP4372365B2 (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | スピーカ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002218586A true JP2002218586A (ja) | 2002-08-02 |
JP4372365B2 JP4372365B2 (ja) | 2009-11-25 |
Family
ID=18882301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001015816A Expired - Lifetime JP4372365B2 (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | スピーカ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4372365B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100834075B1 (ko) | 2006-07-26 | 2008-06-02 | 엔피텍주식회사 | 마이크로 스피커용 진동판 및 마이크로스피커 |
-
2001
- 2001-01-24 JP JP2001015816A patent/JP4372365B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100834075B1 (ko) | 2006-07-26 | 2008-06-02 | 엔피텍주식회사 | 마이크로 스피커용 진동판 및 마이크로스피커 |
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