JP2002216750A - 水素吸蔵合金成形体、水素吸蔵合金成形体多孔質負極及びニッケル−水素蓄電池 - Google Patents

水素吸蔵合金成形体、水素吸蔵合金成形体多孔質負極及びニッケル−水素蓄電池

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JP2002216750A
JP2002216750A JP2001012948A JP2001012948A JP2002216750A JP 2002216750 A JP2002216750 A JP 2002216750A JP 2001012948 A JP2001012948 A JP 2001012948A JP 2001012948 A JP2001012948 A JP 2001012948A JP 2002216750 A JP2002216750 A JP 2002216750A
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hydrogen storage
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JP2001012948A
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Noriaki Hamaya
典明 浜谷
Tama Nakano
瑞 中野
Satoshi Shima
聡 島
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極活物質の充填量を増やすことでニッケル
−水素蓄電池の電極容量を増加させて、蓄電池の高容量
化と体積エネルギー密度の向上を可能にする。また、水
素吸蔵成形体多孔質電極と水酸化ニッケル成形体多孔質
電極を用いることで、捲回工程をなくした円筒型電池や
正負極積層タイプの角形電池を提供する。また、成形方
法や加工方法などに創意工夫を施すことにより、複雑な
形状やかなり大きな電極を作ることを可能とする。 【解決手段】 マグネシウムを好ましくは0.01〜1
重量%含有した集電支持体を含有しない水素吸蔵合金成
形体、該水素吸蔵合金成形体を含む水素吸蔵合金成形体
多孔質負極、該負極と正極とセパレータとを含むニッケ
ル−水素蓄電池を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵電極用成
形多孔質体、該多孔質体を用いた水素貯蔵体、電極並び
にニッケル−水素蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル−水素蓄電池の負極材料
として水素吸蔵合金粉末が使われている。パンチングメ
タルや発泡ニッケルなど網目構造を有する集電支持体に
水素吸蔵合金粉末のスラリーを充填したものが主に用い
られている。この負極をセパレータを介して正極と渦巻
き状あるいは積層状にし、ケースに納め、電解液を注入
し蓄電池としている。
【0003】従来技術の負極には、水素を吸蔵放出する
機能がないパンチングメタルなどの集電支持体が5〜1
0体積%を占めていて、その分水素吸蔵電極の容量を大
きくできない問題があった。しかも、電極粉の脱落防止
のために導電性を阻害するバインダーを使用しており、
バインダーを用いることにより活物質の利用率が低下し
ていた。そのためニッケル集電支持体と活物質との導電
性を良くするために、合金粉にカーボンやニッケル粉な
どの導電材料を数重量%添加していたが、負極電極寸法
の制約から導電材料の占める体積分だけの合金量が減
り、その分水素吸蔵電極容量密度が小さくなり良くなか
った。また、通常合金粉末を集電支持体に充填加工され
て製造されており製造上、電極の形状、大きさにも限界
があった。
【0004】そこで、水素吸蔵合金粉末を集電支持体と
ともに加圧成形し、焼結する技術は多く提案されてきた
が、該焼結体にもバインダーが使用されており、成形後
脱脂工程が必要になった。その際、電極内部の合金表面
に多量の酸素やカーボンが残り、導電性の低下や活物質
の利用率の低下を招いた。また、バインダーなしで粉体
と集電支持体とを成形、焼結したが、集電支持体が合金
粉末同士の焼結による収縮を阻害し、そこに大きな気孔
が不均一に存在した。また、電極にそりやひび割れが発
生した。また、電極に用いた際、数サイクルの充放電で
焼結合金に多数のクラックが発生し、集電支持体からの
合金脱落が起こり、放電容量の低下が見られ好ましくな
かった。
【0005】更に、水素吸蔵合金粉を平板に成形し、焼
結する際、体積変化が大きいため焼き縮みによるそりや
割れの問題が発生していた。しかも、この平板電極を円
筒型電池に用いる場合、平板を捲回する作業を施さなけ
ればならず、捲回時に電極に割れが生じていた。また、
集電支持体や大量のセパレーターを使用するために、大
容量、高エネルギー密度の蓄電池を作ることが困難であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、負極活物質の充填量を増やすことでニッケ
ル−水素蓄電池の電極容量を増加させて、蓄電池の高容
量化と体積エネルギー密度の向上を可能にすることを目
的とするものである。また、水素吸蔵成形体多孔質電極
と水酸化ニッケル成形体多孔質電極を用いることで、捲
回工程をなくした円筒型電池や正負極積層タイプの角形
電池を提供することができる。また、成形方法や加工方
法などに創意工夫を施すことにより、複雑な形状やかな
り大きな電極を作ることが可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意研究した結果導き出されたものであ
り、その結果、集電支持体を含有しないマグネシウム含
有水素吸蔵合金成形体を提供するものである。また、ジ
ェットミルやアトライターなどにより粉砕された水素吸
蔵合金粉末を使用し、成形させた水素吸蔵合金成形体を
提供する。また、本発明は、好ましくは、水素吸蔵合金
塊を真空または不活性ガス雰囲気下でジェットミルによ
り乾式粉砕又はアトライターにより湿式粉砕した後、成
形することを特徴とする水素吸蔵合金成形体を提供す
る。更に、この成形体を用いて、水素吸蔵合金成形体多
孔質負極、円筒型、円柱型、角形蓄電池用水素吸蔵合金
成形体多孔質負極を提供する。加えて、水素吸蔵合金成
形体多孔質負極電極と、正極とセパレータを含むニッケ
ル−水素蓄電池、円筒型、角型ニッケル−水素蓄電池を
提供する。また、該成形体を電極だけでなく、水素貯蔵
体としても使用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、具体的に説明すると、
水素吸蔵合金塊をジェットミル又はアトライターにより
所定の粒径に粉砕した後、該粉砕した合金粉末を所定の
粒径と所定の圧力で成形して、所定の嵩密度を有する多
孔質成形体を得ることを特徴とするものである。ここで
いう所定の粒径とは、水素吸蔵合金組成に依存し、水素
吸蔵、放出に伴う体積膨張力による合金の微粉化の進行
が終止する程度以下の平均粒子直径を意味する。また、
所定の圧力とは、成形体を得るための最低圧力と高容量
の電極容量密度を得るための成形圧力を意味する。さら
に、所定の嵩密度とは、所定の粒径と成形圧力により得
られる成形体の嵩密度を意味する。
【0009】本発明で用いる水素吸蔵合金塊の組成およ
び製造方法については、特に限定されるものではなく、
ABn(nは、1〜6の正数を表す。)の構造を有する
水素吸蔵合金を使用することができる。特に、本発明で
は、AB5系水素吸蔵合金組成、さらには水素吸蔵、放
出に伴う微粉化進行を抑制するマグネシウム添加合金を
用いることが、電池寿命の点で好ましい。
【0010】AB5系において、A側元素として、L
a、Ce、Nd、Prから選ばれる希土類元素単独また
は該希土類元素混合物(この場合、Laを希土類元素混
合物中20モル%以上含むことが好ましい。)が好まし
い。特に、本発明では、Laを希土類元素混合物中50
モル%以上含むことが、合金容量の向上と合金寿命の点
からより好ましい。B側元素として、(Ni)a(Co)
b(Al)c(Mn)d(M)eからなる組成が好ましい。ここ
で、A側元素を原子比で1.0とした場合に、aは1.
8〜6.0の正数、bは0又は1.0以下の正数、cは
0又は0.4以下の正数、dは0又は0.6以下の正
数、eは0又は0.2以下の正数であり、それらの総和
(a+b+c+d+e)は4.0〜6.0の正数である。
Mは、Mgを必須とし、Si、Fe、Pb、Ti、C
a、Cu、In、Zn、及びZrからなる一群から選ば
れた少なくとも一種の元素である。この場合、Mgを合
金重量全体に対し0.01〜1.0重量%含むことが微
粉化抑制の点からより好ましい。Mgが含有されていな
いと、微粉化が進みやすくなり、水素吸蔵、放出による
微粉化進行が終止する平均粒径が、Mg含有のものより
もさらに小さくなる。また、多すぎると微粉化進行はあ
る程度抑制できるが、水素吸蔵、放出特性(PCT特
性)が変化し、ヒステリシス現象が生じたり、水素吸蔵
量(放電容量)が小さくなるといった不具合を生じるこ
とになるので好ましくない。
【0011】このような組成の各金属元素を混合した
後、本発明ではアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で13
00〜1600℃の温度下で合金を溶湯化させた後、冷
却し、合金塊を作製する。
【0012】得られた水素吸蔵合金は、ジェットミル、
アトライターを用いて粉砕する前に、ジョークラッシャ
ー、ローラーミル、ボールミル、ブラウンミル等を用い
て、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で平均粒径
1000μm以下、好ましくは100〜500μmに粗
粉砕することが好ましい。
【0013】本発明は、上記のようにして得られた水素
吸蔵合金を更にジェットミル又はアトライターを用いて
粉砕した合金粉末を成形体に用いることを特徴としてい
る。具体的には、合金粉末をジェットミルを用いて、ア
ルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、ガス圧力2.0
〜6.5kgf/cm2で乾式粉砕、又はアトライターを用い
て湿式粉砕で、微粉化進行が止まる程度の粒径以下に粉
砕することが好ましい。ここで、微粉化進行が止まる粒
径は、合金組成に影響する。たとえば、コバルトの極端
に少ない合金組成では、充放電による微粉化の進行が著
しく平均粒子直径(平均粒径)が10μm以下まで微粉
化が進行する。一方、コバルトの多い合金組成や、同じ
コバルト量でも、マグネシウムを微量添加した合金で
は、微粉化の進行を抑制することができ、100サイク
ル充放電後の微粉化の進行が20μm前後に落ち着く。
合金組成により微粉化進行の程度が異なるため、成形体
に使用する合金組成に見合った粒径選択が必要となる。
従って、微粉化進行が止まる平均粒子径が20μmより
も大きい場合、例えば30μmとか40μmの場合に
は、当然のことながら、その粒子径近くまでの合金粉で
成形体電極を作製することが可能である。微粉化の進行
が止まる粒径以下に粉砕することが好ましいが、この場
合、あまり、細かく粉砕することは好ましくない。なぜ
なら、あまり細かく粉砕しすぎると表面積が増加し、苛
性カリ浸漬腐食による侵食層部分が増えて容量低下を招
き、電極としての寿命が悪くなるからである。合金組成
により平均粒径5μm以上で微粉化進行が止まる程度の
粒径の範囲内で粉砕することが好ましい。具体的には、
合金組成がLm(La80重量%、Ce20重量%)を
原子比1.0に対し、Niが4.35、Coが0.3
0、Mnが0.38、Alが0.30、Mgが0.05
である水素吸蔵合金粉を用いる場合には、微粉化進行が
止まる程度の平均粒径は20μmであり、好ましくは平
均粒径5μm以上であって微粉化進行が止まる平均粒子
径以下の範囲、より好ましくは10〜18μmとなるよ
うに粉砕するのが好ましい。特に、合金組成により微粉
化進行が止まる程度の粒径近くまで、合金粒径を粗くす
る方が苛性カリに対する耐腐食性に関してより好まし
い。また、微粉化進行が止まる程度の粒径よりもさらに
大きな粒径の合金粉末を成形体に使用すると、充放電に
より合金粒子の微粉化進行が起こりやすくなり成形体の
合金粒子間の結着力が弱くなる。水素吸蔵放出時に伴う
体積膨張力や収縮力に耐えきれず成形体電極に割れが発
生しやすくなる。電極としての集電機能が保てなくなり
電池寿命が悪くなる場合があり不都合である。これは、
粒径が大きくなるほど顕著になる。
【0014】次に、微粉化進行が止まる平均粒子径の測
定方法について述べる。例えば、合金組成がLm(La
80重量%、Ce20重量%)を原子比1.0に対し、
Niが4.35、Coが0.30、Mnが0.38、A
lが0.30、Mgが0.05の組成を有する水素吸蔵
合金を不活性ガス雰囲気下で粗粉砕機(ジョークラッシ
ャー)等を用いて粉砕して平均粒径1000〜7000
μmの合金粉末し、更に微粉砕機(ブラウンミルや自由
ミル)等を用いて粉砕して平均粒径20〜400μmの
合金粉末を得る。次に、この粉末を用いて負極を製造す
る。この合金粉を例えば1%メチルセルロース水溶液と
共によく混練して、電極支持体(発泡状メタル)に塗着
する。乾燥後、加圧成形によりペースト式負極電極を作
製する。日本バイリーン製のセパレーターで包み込み、
焼結式水酸化ニッケル正極を両側に挟みこんで、6規定
の苛性カリ電解液中に入れて開放型二次電池を作製す
る。電流150mA/gで120%の充電と60mA/gで終止
電圧0.8Vの充放電を100サイクル繰り返す。その
後、充放電終了後の開放型二次電池を解体する。負極を
取り出し、水洗により苛性カリを充分に取り除き、真空
乾燥させた後、負極を解体し水素吸蔵合金粉の塗着した
電極支持体を取り出す。電極支持体に塗着した粉体は、
超音波により分離してマイクロトラック(日機装社製、
SRA&FRA)を用いてその平均粒径を測定する。そ
の結果、微粉化進行が止まる平均粒子径が得られる。得
られた微粉化進行が止まる平均粒子径に基づき、上記電
極作成前の粉末をジェットミル等を用いてさらに粉砕
し、微粉化進行が止まる平均粒子径以下になるようにす
る。
【0015】本発明はジェットミルを用いる場合不活性
ガス雰囲気下で粉砕するが、その際、ガス中の酸素濃度
を0.5体積%以下、特に0.1体積%以下で処理する
とよい。更に、本発明では、窒素雰囲気で粉砕すること
が好ましい。また、本発明の方法で粉砕することによ
り、成形体の開気孔径が3μm以下、好ましくは0.5
〜2μmと小さくでき、成形体粒子間の結合面積が広く
なり、開気孔率がおよそ17〜50体積%の成形体が得
られる。
【0016】なお、開気孔は、水銀圧入法、気体吸着法
等によって測定される。開気孔率は、水銀圧入法から求
めることが出来る。細孔に流体が浸透するときの毛管の
法則に基づいており、水銀のような非湿潤の流体と細孔
の関係は、次のWashburnの方程式で表される。 D=−(1/P)4γcosθ ここで、Dは細孔直径(気孔径)、Pはかかる圧力、γ
は水銀の表面張力、θは細孔を含む個体と水銀の間の接
触角である。細孔に浸透する水銀の容積(V)は、かか
る圧力の関数として直接測定される。この圧力Pと容積
Vの情報が、細孔構造を独自に特徴づけている。細孔に
浸透した全水銀量から全細孔体積Va(単位:cm3/g)が
得られ、試料重量m(単位:g)と試料体積Vm(単
位:cm3)、試料の嵩密度d(単位:g/cm3)から、 K=(m×Va/Vm)×100={m×Va/(m/d)}×100
=Va×d×100 によって、開気孔率K(単位%)を得ることができる。
【0017】通常粉砕に用いられているボールミル等の
湿式による微粉砕では平均粒径20μm以下の微粉を得
ることが難しく、しかも湿式粉砕工程での不純物の混入
や合金酸化の影響を受けやすくなる。したがって、成形
体強度が低下し導電性が損なわれるので成形体とした際
不都合である。なお、粗粉砕にてボールミル等を用いる
場合は、平均粒径20μm以下の微粉とは異なり合金粒
子径が比較的大きいため、酸化の影響を受けにくいので
問題ない。
【0018】本発明では、上記した様に水素吸蔵合金塊
をジェットミル等により粉砕した合金粉末に、更に急冷
法により得られた水素吸蔵合金粉末を添加して、成形さ
せてもよい。該急冷合金の組成は前記に挙げた機械粉砕
により得られた合金の組成と同一もしくはほぼ同一であ
ればよい。特に急冷法については限定しないが、ガスア
トマイズ法や遠心噴霧法等により得られる球状粒子もし
くは擬似球状粒子(以下、球状粒子)で、平均粒径につ
いても5〜30μmが好ましい。なお、擬似球状とは、
できるだけ角部の存在しない曲面を有する形状の意味で
あり、具体的には、球に類似するものは当然含まれる
が、これらに限らず、ひょうたん状、鶏卵状なども含ま
れ、その最長径と最短径の比が3以下である、角部のな
い又は角部が実質的にない形状である。遠心噴霧法は、
高速回転する円盤の側壁に設けた細孔から、1300〜
1600℃のもと溶解させた水素吸蔵合金の溶湯を噴出
させ、微細に分散させるとともに急冷凝固させる方法で
あり、ガスアトマイズ法はアルゴン等の不活性ガスで水
素吸蔵合金の溶湯を細孔より押し出して噴霧し凝固させ
る方法である。該急冷合金粉末は、成形時の充填性改善
と歩留まりの向上のために、使用する合金全体量に対し
て、20〜70重量%添加すると良い。20重量%未満
であると、充填性改善の効果が少なく、70重量%を超
えると成形時にかけやクラックなどが生じ易いため、好
ましくない。
【0019】本発明は、更に、水素吸蔵合金単独の成形
体だけでなくNi、Cu、Co、C等などの導電材を添
加してもよい。添加量は、合金量に対し、0.1〜10
重量%とすることができ、導電材の添加により、更に、
体積抵抗率の低い高率放電特性に優れた成形体電極が提
供できる。
【0020】本発明は、このように粉砕処理された合金
粉末を所望の形状になるように加圧成形する。平均粒子
径が20μm以下、好ましくは5〜18μmであって、
合金組成がLm(La80重量%、Ce20重量%)を
原子比1.0に対し、Niが4.35、Coが0.3
0、Mnが0.38、Alが0.30、Mgが0.05
である水素吸蔵合金粉を用いる場合、好ましくは成形圧
力0.8〜15ton/cm2で成形される。これによって、
密度3.5〜6.5g/cm3の成形体が得られ、高い電極
容量密度を有し、かつ寿命特性の良い成形体電極が作製
可能になるという効果が得られる。
【0021】次に、加圧成形により得られた成形体をバ
インダー水溶液に一定時間浸漬し、その後乾燥させる、
いわゆるバインダー含浸処理を行う。本発明に用いるバ
インダー含浸処理とは、毛細管現象を利用して成形体中
の開気孔部にバインダー水溶液(溶液)を充分に染み込
ませ、その後水分(溶媒)だけを蒸発させて成形体内部
の気孔部に面する合金粒子表面部にバインダー(溶質)
を付着させる方法である。この方法により合金粒子間の
電気的コンタクトが損なわれることはなく、バインダー
により強固に合金粒子同士がガードされるため成形体強
度を高めることができる。具体的には、この多孔質成形
体をバインダー水溶液(濃度0.1〜10重量%)の中
に浸漬させて、成形体内部にバインダー溶液を充分に浸
透させる。この際、あらかじめ成形体内部の空気を真空
処理により抜いた状態でバインダー溶液を浸透させた方
が良い。一定時間(1〜48時間、好ましくは5〜24
時間)浸漬した後、バインダー溶液から成形体を取り出
し、水切りを行った後、真空乾燥させる(10〜80℃
にて5〜48時間)。熱硬化性樹脂のバインダーを用い
る場合は、樹脂の硬化温度で真空熱処理乾燥しても良
い。
【0022】バインダーの種類としては、特に指定はな
い。水、有機溶剤(アルコール、トルエン、ヘキサン、
シンナー等)系に溶けるバインダーであればなんでも良
い。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイ
ド、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロー
ス、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロ
ース、リグニン、デキストリン、ヘミセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ワックス類、アクリル系樹
脂、ポリウレタン、エポキシなどの熱硬化性樹脂、ポリ
エチレンなどの熱可塑性樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共
重合体、合成ゴム、導電性ポリマー等が挙げられる。好
ましくは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
イド等の水に溶けて、アルカリ水溶液に溶けない被膜形
成バインダーが良い。また、溶液濃度としては特に限定
しないが、成形体内部に浸透するだけの粘性を有する濃
度であれば良い。但し、アルカリ蓄電池用の電極として
使用する場合には、成形体中に存在するバインダー被膜
がアルカリに強い方が電極性能の面でより好ましい。
【0023】バインダー含浸処理後、乾燥して得られた
成形体を直接電極に用いることができる。水溶性バイン
ダー固形分が合金量に対して2重量%以下と少ないた
め、高容量の電極容量密度を有する。たとえば、成形体
の初期到達放電容量が300mAh/gで嵩密度が5.5g/c
m3の場合、単位体積あたりの電極容量密度は1650mA
h/cm3となり、集電支持体を含有した従来電極に比べ
て、大幅に向上するといった効果を有することができ
る。また、該方法により得られた成形体は機械加工が可
能であり、しかも電極として用いた場合、高容量、高寿
命の電極を得ることができる。本発明では、集電支持体
を含有しない成形体電極の初期放電容量が280mAh/g
以上あり、その初期放電容量と成形体電極の嵩密度の積
(電極容量密度)が、1400〜2100mAh/cm3であ
ることを特徴とする水素吸蔵合金成形体を提供する。初
期放電容量は、開放型二次電池による充放電試験により
測定できる。成形体電極の嵩密度は、単純形状品の場合
には、電極重量と電極体積から計算により求めることが
できる。また、複雑形状品の場合には、水銀置換法、空
気比較法等により測定できる。
【0024】本発明は、上記特徴を兼ね備えた水素吸蔵
合金成形体多孔質電極を負極とし、その回りにセパレー
タに包まれた水酸化ニッケルなどの正極を配置させて電
極群を作り、これを角形や円筒型の密閉形電池容器に収
納して苛性カリなどの電解液を注入、封缶することで充
放電が可能な蓄電池を作製することができる。
【0025】本発明では、電極容量密度が1400〜2
100mAh/cm3である水素吸蔵合金成形体を提供でき
る。これは、負極の電極容量を電極体積で割った値であ
る。負極の電極容量とは、負極中の活物質量、すなわち
合金充填量(単位:g)とその合金粉末の持つ到達放電
容量(単位:mAh/g)との積を意味する。また、電極体
積とは、負極の寸法から計算される体積である。通常の
ペースト式電極の場合、水素吸蔵合金粉の他に集電支持
体やバインダー、導電材等が多量含まれるため、その
分、単位体積あたりの負極の電極容量は減少する。
【0026】電池リザーブ(負極の電極容量を正極の電
極容量で割った値)を1.6設計とした場合のペースト
式電極によるニッケル−水素蓄電池の負極電極の電極容
量密度は、およそ1000〜1600mAh/cm3範囲内で
ある。これに対し、水素吸蔵合金成形体多孔質電極の場
合、電極容量密度(単位:mAh/cm3)は、電極密度すな
わち嵩密度(単位:g/cm3)と、その成形体の持つ初期到
達放電容量(単位:mAh/g)とを掛け合わせた数値にな
り、嵩密度が高く、放電容量が高い成形体電極ほどペー
スト式電極よりも高い数値になる。ここで、電極密度と
は、負極の電極重量を電極体積で割ったものである。
【0027】電極としての性能を考えた場合、電極容量
密度は高い程好ましい。先述したように、合金組成によ
り微粉化進行が止まる粒径が異なることがわかってい
る。マグネシウムを微量添加することにより、微粉化の
進行を抑制することができるため、微粉化進行が止まる
粒径を粗くすることができる。成形体電極を作製する場
合、合金粒径を粗くする方が苛性カリ水溶液に対する耐
腐食性の面から好ましいことを述べたが、さらに電極容
量密度の観点からも好ましい。粒径の粗い合金粉ほど、
成形圧力を高めることにより成形体の嵩密度が向上し、
電極容量密度を向上させることができるからである。
【0028】これは、正極の場合も同様である。なぜな
ら、これにより電池の高容量化が計れ、密閉電池の体積
エネルギー密度を高めることができるからである。ま
た、正極の電極容量を同一とした場合、電池リザーブの
増加が見込め、サイクル寿命の長い電池を得ることがで
きるからである。
【0029】さらに、この水素吸蔵合金成形体多孔質電
極を用いれば、蓄電池を製造する際、さまざまな応用が
可能である。たとえば、電池形状に合ったさまざまな加
工が可能になる。穴開け加工や切断加工、平面研削加
工、円筒研削加工や溝入れ加工、さらには成形時に発生
するそりや割れなども加工により除去できる。また、ジ
ェットミル又はアトライターで粉砕した平均粒子直径2
0μm以下の合金粉に適切なアクリル酸系、ポリカルボ
ン酸系などの解膠剤を選んでやれば、鋳込み成形などで
複雑な形状のものが作れる。また、微粉と粗粉の混合粉
やスプレードライヤーなどによる造粒粉などを用いてラ
バープレス法などの乾式成形を行えば大型電極が作製で
きる。
【0030】本発明の電池は、成形体を直接電極として
使用できるため、成形加工により円柱状、円筒状、角
板、角柱状等の構造形態を自由に製造することができ
る。本発明の電池は、成形体として円柱状や円筒状の成
形体多孔質負極を作り、その回りにセパレータと成形体
多孔質正極を配置させることで、円筒型電池作製時の捲
回工程をなくし、セパレータの大幅な節約ができる。ま
た、平板や円筒状、円柱状の水素吸蔵合金成形体多孔質
電極とセパレータ、正極をセットにし一体加圧成形する
ことで、一体型の電極群が作れる。
【0031】このような水素吸蔵合金成形体多孔質電極
自身が充放電に関与する場合、合金組成により微粉化進
行が止まる程度の粒径あるいは、それ以下の粒子径合金
粉を使用するため、結合面積が広くなり粒子同士が強固
につながり合い導電性や靱性が高くなる。したがって、
この合金粉を使用した電極は充放電初期活性が高くな
り、負極合金の活性化をほとんど行わなくてもよい。ま
た、バインダー水溶液含浸処理により付着したバインダ
ーが合金粒子間をしっかり保持しているため、充放電時
の導電性が良く、膨張、収縮による割れや脱落も発生し
にくい。
【0032】水素吸蔵合金成形体多孔質電極とセパレー
タと水酸化ニッケル成形体多孔質電極が緻密に配置され
た電池構造を有するため、正、負極の活物質の分離や脱
落が少なく集電性が保持されるため、充放電を繰り返し
ても放電容量の低下の少ない高寿命の蓄電池が得られ
る。また、水素吸蔵合金成形体にはバインダーがほとん
どないため、リサイクル化が容易である。
【0033】本発明の好ましい形態の一つとして、本発
明の水素吸蔵合金成形体を水素吸蔵合金成形体多孔質負
極に利用できるが、特に好ましくは、該成形体を含むニ
ッケル−水素蓄電池用の水素吸蔵合金成形体多孔質負極
が挙げられる。また、水素吸蔵合金成形体多孔質負極と
正極とセパレータとを含むニッケル−水素蓄電池が好ま
しく例示でき、特に好ましくは、角形、円筒型ニッケル
−水素蓄電池が挙げられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 高周波溶解炉にて製造された水素吸蔵合金インゴットL
m(La80重量%、Ce20重量%)を原子比1.0に
対し、Niを4.35、Coを0.30、Mnを0.3
8、Alを0.30、Mgを0.01(合金中に含まれ
るMg含有量は0.05重量%)として、非酸化雰囲気
(Ar)中で熱処理し、B/A=5.34の組成の均一
な水素吸蔵合金インゴットを準備した。その合金インゴ
ットを窒素雰囲気中でジョークラッシャーにて粗粉砕
し、ブラウンミルで平均粒子径が1mm以下(220μ
m)になるように粉砕した。さらに、自由ミルを用いて
平均粒子径が32μmの合金粉を作製した。この合金粉
をAとする。
【0035】この合金粉Aを1%メチルセルロース水溶
液と共によく混練して、電極支持体(発泡状メタル)に
塗着させた。乾燥後、加圧成形によりペースト式負極電
極を作製した。セパレーターで包み込み、焼結式水酸化
ニッケル正極を両側に挟みこんで、6規定の苛性カリ電
解液中に入れて開放型二次電池を作製した。電流150
mA/gで120%の充電と60mA/gで終止電圧0.8Vの
充放電を100サイクル繰り返した。この合金粉Aの到
達容量は320mAh/gである。充放電100サイクル終
了後、電極を解体して合金粉Aの微粉化の進行をマイク
ロトラック法により調べた。その結果、平均粒径が10
μmであった。初期粒径32μmの合金粉が10μmま
で微粉化することを確認した。200サイクルの充放電
を行ってもほぼ同様の結果が得られた。
【0036】次に、ブラウンミルで合金粒子直径が1m
m以下の粉砕粉をジェットミル用の原料として準備し
た。ジェットミルを起動し、窒素雰囲気中の酸素濃度が
0.1%以下になるのを待って、ジェットミルで乾式粉
砕を行った(ガス圧力6kgf/cm 2)。平均粒子径が7μ
mで粒度分布幅が1〜30μmと狭い微粉を得た。この
合金組成の微粉化の進行が10μmであることから、そ
れ以下の粒径である7μmに微粉砕した。
【0037】次にジェットミルによる微粉砕粉を金型に
入れ、成形圧力を1〜15ton/cm2まで変化させて幅1
0mm、長さ20mmの角板を成形した。得られた成形
体を5%濃度のポリビニールアルコール水溶液(PVA
水溶液)に24時間浸漬した後、真空乾燥させて、成形
圧力により嵩密度の異なる幅10mm、長さ20mm、
厚み1mmの角板成形体を作製した。なお、厚みについ
ては、乾式加工によりすべての試料厚みを揃えた。これ
らの水素吸蔵合金成形体多孔質電極をa1〜a7(成形圧力
は、a1:1ton/cm2、a2:2ton/cm2、a3:4ton/cm2、a
4:6ton/cm2、a5:8ton/cm2、a6:10ton/cm2、a7:1
5ton/cm2である。)とする。
【0038】実施例2 高周波溶解炉にて製造された水素吸蔵合金インゴットL
m(La80重量%、Ce20重量%)を原子比1.0に
対し、Niを4.35、Coを0.30、Mnを0.3
8、Alを0.30、Mgを0.05(合金中に含まれ
るMg含有量は0.25重量%)として、非酸化雰囲気
(Ar)中で熱処理し、B/A=5.33の組成の均一
な水素吸蔵合金インゴットを準備した。その合金インゴ
ットを窒素雰囲気中でジョークラッシャーにて粗粉砕し
た。さらに、ブラウンミルで合金の平均粒子径が1mm
以下(240μm)になるように粉砕した。さらに、自
由ミルを用いて平均粒子径が32μmの合金粉を作製し
た。この合金粉をBとする。
【0039】実施例1と同じ条件で、合金粉Bの100
サイクル充放電後の平均粒径を調べた。その結果、平均
粒径が20μmであった。初期粒径32μmの合金粉が
20μmまで微粉化することを確認した。200サイク
ルの充放電を行ってもほぼ同様の結果が得られた。
【0040】次に、ブラウンミルで合金粒子直径が1m
m以下の粉砕粉をジェットミル用の原料として準備し
た。ジェットミルを起動し、窒素雰囲気中の酸素濃度が
0.1%以下になるのを待って、ジェットミルで乾式粉
砕を行った(ガス圧力4kgf/cm 2)。平均粒子径が16
μmで粒度分布幅が1〜80μmの微粉を得た。このマ
グネシウム入り合金組成の微粉化の進行終止が平均粒径
で20μmであることから、それ以下の粒径である16
μmに微粉砕した。
【0041】成形圧力を1〜15ton/cm2に変化させ
て、実施例1と同一形状の水素吸蔵合金成形体多孔質電
極b1〜b7を作製した。(成形圧力は、b1:1ton/cm2、b
2:2ton/cm2、b3:4ton/cm2、b4:6ton/cm2、b5:8
ton/cm2、b6:10ton/cm2、b7:15ton/cm2である。)
【0042】比較例1 従来型の電極として、実施例1のA粉(平均粒子直径が
32μm)と実施例2のB粉(平均粒子直径が32μ
m)を準備した。このA,B合金粉に導電材として5重
量部のNi微粉を混ぜ合わせて、1%メチルセルロース水
溶液と共によく混練して、集電支持体(発泡状メタル)
に塗着させた。乾燥後、加圧成形によりペースト式負極
電極を作製した。電極寸法は実施例1同様、幅10m
m、長さ20mm、厚み1mmに調整した。A粉使用電
極をa0とし、B粉使用電極をb0とする。これらの電極に
は、電極重量100%に対して、約16〜19重量%の
集電支持体とニッケル粉が含有している。
【0043】〈合金容量の測定〉実施例1、2の電極a1
〜a7、b1〜b7をNiメッシュで包み込み電極(負極)を作
製した。これらの電極と比較例1の電極a0、b0につい
て、正極に焼結式水酸化ニッケルを用いて、負極規制の
開放型電池によりこれらの放電容量を測定した。電解液
には6規定の苛性カリを使用した。試験条件は、温度2
0℃、60mA/gで6時間充電し、30分休止後、60mA
/gで終止電圧0.8Vに達するまで放電した。10サイ
クルの充放電を行い、到達容量を調べた。その結果を表
1に示す。実施例1、2の電極は1サイクル目から30
0mAh/g以上の放電容量が得られ、初期活性に優れてい
ることがわかった。これに対し、比較例1の電極では、
粒径が32μmと粗いため、到達容量になるまでに数サ
イクルかかった。
【0044】
【表1】
【0045】〈電極密度、電極容量、電極容量密度の計
算〉実施例1、2と比較例1の合金容量(最大値)、電
極密度、電極容量、電極容量密度(単位体積あたりの電
極容量)を表2に示す。また、電極密度と電極容量密度
の関係を図1に示す。
【0046】
【表2】
【0047】成形圧力を高めることで電極密度が増大
し、電極容量密度の向上を計ることができることがわか
った。今回、成形圧力を15ton/cm2まで示したが、そ
れ以上の圧力にすることで、さらなる電極容量密度の向
上も期待できる。また、実施例1の合金粒径が7μmと
実施例2の合金粒径が16μm(マグネシウム入り合金
粉)の成形体電極の電極容量密度を比較すると、成形圧
力が同一の場合、合金粒径が粗い方が、より電極容量密
度の高い成形体電極を作製することができることがわか
った。成形圧力6ton/cm2成形時の実施例1、2と比較
例1の電極容量密度を比較すると、電極密度的には、比
較例の方が高い数値になっているが、電極容量密度は低
い数値になる。これは、比較例1の電極中に充放電に寄
与しない集電支持体等が含有されているためである。電
極の高容量化を計る場合、集電支持体がある分、不利に
なる。
【0048】実施例3 次に、実施例1の合金組成において、マグネシウムの含
有量を0〜2重量%変化させた合金を準備した。実施例
1と同様、平均粒子径32μmの合金粉を作製し、ペー
スト式負極電極による充放電試験を行い、到達容量(放
電容量最高値)100サイクル充放電後の合金の平均粒
子径と容量維持率を調べた。なお、容量維持率は、 容量維持率=[(100サイクル後の放電容量)/(到達容
量)]×100% に基づき計算した。その結果を表3に示す。マグネシウ
ムの含有量が0.01〜1.0重量%の範囲内で、微粉
化終止時の平均粒径が大きくなり、容量維持率も高くな
ることがわかった。
【0049】
【表3】
【0050】微粉化進行が終止する粒子径近くまで粉砕
する場合、100サイクル充放電後の合金粉の平均粒子
径が大きいほど、粉砕する合金粒子径を粗くすることが
でき、高密度の水素吸蔵合金成形体の作製が可能にな
る。また、放電容量(水素吸蔵量)も300mAh/g以上
と高く取れることから、高い電極容量密度を有する成形
体の作製が可能になり、二次電池の高容量化が達成でき
る。
【0051】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る水素吸蔵
合金成形体多孔質電極は、合金保持のための集電支持体
を必要としないため、単位体積あたりの電極容量密度が
ペースト式電極に比べて高くできる。したがって、この
水素吸蔵電極を用いた蓄電池は、角型電池の場合、それ
ら体積分の電極容量を増大することができる。さらに円
筒型電池の場合には、円筒型や円柱型成形体電極を使用
することで、アルカリマンガン一次電池のようなインサ
イドアウト型電池構造が可能となり、従来の捲回式電極
群で使用されている多量のセパレーターが必要なく、セ
パレーターの使用量を極度に減らすことができるので、
それらの体積分だけ、正、負極の電極容量を増大するこ
とができる。したがって、電池全体の容量を大幅に増加
させ、高エネルギー密度の電池が作製可能となる。ま
た、正極に水酸化ニッケル成形体多孔質電極を用いるこ
とで、電極捲回作業をなくすことができ、蓄電池の製造
ラインが簡略化され製造コストの低減が計れる。また、
成形体電極中には水素吸蔵合金粉と少量の水溶性バイン
ダーしか用いてないため、リサイクル化が容易である。
また、本発明の水素吸蔵合金成形体は、水素の吸蔵、放
出に伴う合金の微粉化を抑制でき、水素貯蔵体としても
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素吸蔵合成形体多孔質電極の電極密
度と電極容量密度(単位体積あたりの電極容量)の比較
グラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 聡 福井県武生市北府二丁目1番5号 信越化 学工業株式会社磁性材料研究所内 Fターム(参考) 5H050 AA07 AA08 BA14 CA03 CB16 DA03 FA09 GA03 GA08 GA27 HA01 HA05 HA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムを含有した、集電支持体を
    含有しない水素吸蔵合金成形体。
  2. 【請求項2】 上記マグネシウムが、0.01〜1重量
    %含有されることを特徴とする請求項1に記載の水素吸
    蔵合金成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の水素吸蔵
    合金成形体を含む水素吸蔵合金成形体多孔質負極。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の水素吸蔵合金成形体多
    孔質負極と、正極と、セパレータとを含むニッケル−水
    素蓄電池。
  5. 【請求項5】 マグネシウムを含有した組成を有する水
    素吸蔵合金を不活性ガス雰囲気下で粉砕して平均粒径2
    0〜100μmの合金粉末を得るステップと、該粉末を
    用いて負極した場合の微粉化進行が止まる粒径を測定す
    るステップと、該粉末をさらに平均粒径5μm以上であ
    って微粉化が止まる平均粒径以下まで粉砕するステップ
    とを含む水素吸蔵合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法で得られた水素吸
    蔵合金を成形圧力0.8〜15ton/cm2で成形すること
    を特徴とする水素吸蔵合金成形体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006079875A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Furukawa Battery Co Ltd:The ポケット式水素吸蔵合金極及びニッケル/水素蓄電池
WO2016051688A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極用合金粉末、それを用いたニッケル水素蓄電池用負極およびニッケル水素蓄電池
JP2019019038A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 神島化学工業株式会社 酸化銀及びその製造方法

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JP7083235B2 (ja) 2017-07-20 2022-06-10 神島化学工業株式会社 酸化銀及びその製造方法

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