JP2002214649A - 画像表示媒体 - Google Patents

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JP2002214649A
JP2002214649A JP2001010763A JP2001010763A JP2002214649A JP 2002214649 A JP2002214649 A JP 2002214649A JP 2001010763 A JP2001010763 A JP 2001010763A JP 2001010763 A JP2001010763 A JP 2001010763A JP 2002214649 A JP2002214649 A JP 2002214649A
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transport layer
electrode
black
image
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JP2001010763A
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Saori Kubota
小織 窪田
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Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本願発明は、導電性粒子と色の異なる絶縁性
粒子とを用いる画像表示媒体で、画像のコントラストが
良好で軽くて安価な画像書き換え可能な画像表示媒体を
提供することである。 【解決手段】 本発明は、導電性粒子と色の異なる絶縁
性粒子として絶縁性中空粒子を用いることを特徴とする
画像書き換え可能な画像表示媒体を実現することにより
達成した。この場合、具体的に電荷輸送層を表面に有す
る第1の媒体並びに基板と電極と電荷輸送層とからなる
第2の媒体の間に導電性粒子及び該導電性粒子と異なる
色の絶縁性中空粒子を封入する画像表示媒体であって、
第1の媒体が透明な基板と透明電極と電荷輸送層である
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電記録方式を用い
た画像表示媒体において、導電性粒子及び中空粒子を用
いた画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、文字や画像はコンピューターやデ
ジタルカメラなどでデジタルデータとして作成され、そ
の確認はCRTや液晶ディスプレイの表示により行われ
ている。さらに、書類などとして配布や保存をするとき
はプリンターにて紙媒体に記録され、いわゆるハードコ
ピーとして広く使用されている。ディスプレイによる表
示はCRT、液晶パネル、プラズマディスプレイパネ
ル、有機EL等が利用されているが、なかでも液晶は大
型化及び薄膜化、反射型の研究が進められ、画像表示媒
体として中心的な存在になりつつある。これらはデジタ
ルデ−タを瞬時に表示し、瞬時に次の画面を表示でき
る。
【0003】しかし装置を持ち歩くことは大変であり、
長時間の作業では目が疲労したり、電源を切ると表示が
できないなど多くの欠点もある。また、ハードコピーは
ディスプレイより文章を読みやすく疲れにくく、自由な
姿勢で読むことができる。さらに、軽量で自由に持ち運
びが可能である特徴を有するが、しかし、ハードコピー
は使用された後は廃棄され、リサイクルされるがそのた
めには多くの労力と費用を要するので省資源の点では問
題が残る。
【0004】以上のディスプレイとハードコピーの両方
の長所をもった書き換え可能なペーパーライクな表示媒
体は、画像を記録でき、利用後は消去して何度も繰り返
し利用可能で省資源であることから近年注目を集めてお
り、このような特徴を有する技術としては透明白濁型リ
ライタブルマーキング媒体やロイコ染料を利用した発消
色型リライタブルマーキング媒体がリライタブルカード
として実用されている。
【0005】また、白色粒子と絶縁性液体をマイクロカ
プセル化し電気泳動により画像表示を行う電気泳動型表
示や樹脂薄膜中に埋め込まれた2色に色分けした微小な
球形粒子の回転により画像表示を行うツイストボール型
表示媒体、導電性粒子と色の異なる絶縁性粒子とを用い
電荷注入で導電性粒子を動かすことにより画像表示を行
う画像表示媒体などが研究されている。この中で導電性
粒子と色の異なる絶縁性粒子とを用いる方式の例として
は特開2000−347483が挙げられるが、導電性
粒子と色の異なる絶縁性粒子として画像の切り替えが良
好なフッ化炭素を用いると画像のコントラストが悪く、
白色度の高いフッ化炭素の入手も容易ではないという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性粒子と色の異なる絶縁性粒子とを用いる画像表示媒体
で、画像のコントラストが良好で軽くて安価な画像書き
換え可能な画像表示媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題は、導
電性粒子と色の異なる絶縁性粒子として絶縁性中空粒子
を用いることを特徴とする画像書き換え可能な画像表示
媒体を実現することにより達成するに至った。
【0008】本願発明においては、導電性粒子と色の異
なる絶縁性粒子として中空粒子を用いることによって、
画像のコントラストが大幅に向上する。中空粒子は空隙
率を上げることによって白色度及び隠蔽性が上がるた
め、白色度の高いものが安価で容易に入手でき、流動性
が良好で中が空洞なため比重も軽く、トナーの動きを妨
害しない点でも有効である。また、携帯性を考慮した場
合軽量化が図れることからも中空粒子を用いる意義は大
きい。
【0009】しかし現段階では、導電性粒子と色の異な
る絶縁性粒子とを用いる画像表示媒体で画像の切り替え
が良好であるとして一般的に用いられているフッ化炭素
は、白色度が低く、価格が高い。さらにフッ化物である
ために吸引すると健康上の不安があるという問題があっ
た。従って本願発明ではこれらの点を鋭意研究し、導電
性粒子と色の異なる絶縁性粒子として中空粒子を用いる
ことで前記の目的を達成した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明を詳細に説明す
る。本願発明の画像書き換え可能な画像表示媒体は電荷
輸送層を設けた電極間に導電性粒子及び色の異なる絶縁
性粒子を封入する。電荷輸送層は正孔輸送層と電子輸送
層の両方を使用することができる。ただし、画像表示媒
体の同一セル内には正孔輸送層か電子輸送層のどちらか
一方を使用するものとし、両者を組み合わせて用いるこ
とはできない。
【0011】ここで、図1は本願発明の画像書き換え可
能な画像表示媒体の一実施態様を示す概略図である。こ
こでは一例として電荷輸送層として正孔輸送層を使用
し、導電性粒子に黒色粒子、色の異なる絶縁性粒子に白
色の中空粒子を用いた場合を示す。正孔輸送材料を絶縁
性樹脂中に固溶した電荷輸送層は正孔のみを輸送し、電
子は輸送しない。
【0012】(a)は電荷輸送層を設けた下部電極に正
電圧を印加し、導電性黒色粒子が付着している状態であ
る。透明電極から電荷輸送層に注入された正孔は電荷輸
送層中を輸送されたのち導電性黒色粒子に注入され、粒
子を正に帯電させる。ある閾値を超えると粒子は白色中
空粒子を押しのけて負電極に向かって移動する。そして
粒子は上側の負電極の電荷輸送層に付着し、負電極と粒
子電荷によるクーロン力により固定され(b)の状態と
なる。
【0013】このとき、透明電極から電荷輸送層への電
子の注入は起きず、黒色粒子は電荷輸送層上に長時間付
着している。電圧を逆に印加すると、黒色粒子が付着し
ていた透明電極から正孔が注入され電荷輸送層を輸送さ
れた後、黒色粒子に注入され粒子を正に帯電させ(c)
の状態となる。
【0014】その後、黒色粒子は中空粒子を押しのけて
反対の負電極に移動し、(d)の状態となる。(e)は
この一連の粒子の移動を透明電極上から観察した状態
で、下部電極に正電圧印加後の黒表示と、負電圧印加後
の白表示の粒子の様子であり、このように白と黒の画像
を書き換えることが可能である。
【0015】図2は本願発明の画像書き換え可能な画像
表示媒体の電荷輸送層に正孔輸送層を用いた場合の側面
拡大概略図である。上部には電荷輸送層の薄膜が設置さ
れている。電荷輸送層を設けた電極上に導電性トナーと
白色粒子を均一に塗布し、その上を電荷輸送層で被覆し
た画像表示媒体では、電荷輸送層表面に電子写真用感光
体表面に形成された静電潜像を直接接触させる、あるい
は本媒体上に直接イオンフローにより静電パターンを形
成することにより画像を形成することができる。
【0016】図2(a)は全面に正電荷を乗せた後の粒
子の様子を示し、上部から観察すると白色に見える。
(b)は表面の一部分に負電荷を乗せた後の粒子の様子
を示し、電圧印加部分のみ着色して見える。
【0017】図3は本願発明の電荷輸送層に電子輸送層
を用いる場合の一実施態様を示す概略図である。絶縁性
樹脂中に電子輸送剤を固溶して電子輸送層とし、電極間
に導電性粒子及び色の異なる絶縁性粒子を封入する。電
子輸送層は電子のみを輸送し、正孔は輸送しない。
【0018】(a)は電荷輸送層を設けた下部電極に負
電圧を印加し、導電性黒色粒子が付着している状態であ
る。透明電極から電荷輸送層に注入された電子は電荷輸
送層中を輸送されたのち導電性黒色粒子に注入され、粒
子を負に帯電させる。ある閾値を超えると粒子は白色中
空粒子を押しのけて正電極に向かって移動する。そして
粒子は上側の正電極の電荷輸送層に付着し、正電極と粒
子電荷によるクーロン力により固定され、(b)の状態
となる。
【0019】このとき、透明電極から電荷輸送層への正
孔の注入は起きず、黒色粒子は電荷輸送層上に長時間付
着している。電圧を逆に印加すると、黒色粒子が付着し
ていた透明電極から電子が注入され電荷輸送層を輸送さ
れた後、黒色粒子に注入され粒子を負に帯電させ(c)
の状態となる。
【0020】その後、黒色粒子は中空粒子を押しのけて
反対の正電極に移動し、(d)の状態となる。(e)は
この一連の粒子の移動を透明電極上から観察した状態
で、下部電極に負電圧印加後の黒表示と、正電圧印加後
の白表示の粒子の様子であり、このように白と黒の画像
を書き換えることが可能である。
【0021】本願発明に用いられる中空粒子は、導電性
粒子の動きを妨げないように粒子同士の凝集力が小さく
流動性の高いものが望ましいが、絶縁性で導電性粒子と
異なる色のものであれば何でもよい。例えばアクリル、
スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルニト
リル、ブタジエンの重合体、あるいは共重合体である熱
可塑性樹脂やゾルゲル法などによって作製されたシリ
カ、アルミナ、チタニア等の無機物が挙げられる。中空
粒子は白色度の高いものを得ることが比較的容易なた
め、中空粒子に白いものを用いて導電性粒子に他の色の
ものを用い、画像のコントラストを得るのが望ましい
が、中空粒子に他の色を着色して用いてもよい。
【0022】中空粒子は電圧印加時の画像の切り替えに
適した帯電特性を持たせる、あるいは流動性を向上させ
るために、疎水性シリカ、アルミナ、チタニア等のトナ
ーによく用いられる外添剤や、絶縁性粒子として良好な
動きを示すことがわかっている少量のフッ化炭素を周囲
に固定化してもよい。また、シリコーンアクリルポリマ
ー、フッ素系ポリマー等で表面処理を施してもよい。中
空粒子の粒径は0.01〜20μmの範囲にあることが
好ましく、より好ましくは1〜15μmの範囲である。
中空粒子の空隙率は少なくても使用可能であるが、白色
度の向上や導電性粒子の移動を妨げないために空隙率の
高いものが望ましい。好ましくは30〜80%である。
【0023】本願発明に用いられる導電性粒子は、粒子
の搬送等から磁性体を含有した磁性粒子が好ましい。本
願発明に好適な粒子は、ポリスチレン、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−マレイン酸エステル共重合体、ポリエチレン共重合
体、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、脂肪族または脂環族
炭化水素樹脂等のバインダー樹脂中にフェライトや酸化
鉄を10〜70重量部混合し、3〜20μmに粉砕分球
したものに、カーボンブラックや導電性酸化チタン等の
導電性微粉末を周囲に固定化したものが好適である。ま
た、内部に含有する着色顔料を選択することによりカラ
ー粒子を作製することが可能である。カラー粒子を形成
する場合は磁性体はチタンなどで被覆して磁性体の色を
隠蔽することが好ましい。粒子は電極から電荷注入され
るために導電性である必要があり、好ましくは102
1010Ω・cm、より好ましくは104 〜108 Ω・cmの
抵抗値を示すことが望ましい。
【0024】本願発明に用いられる電荷輸送層として正
孔輸送層を用いる場合は、正孔輸送材料をバインダー樹
脂中に溶解し、固化した薄膜とする。正孔輸送材料には
公知の材料が用いられ、「電子写真の基礎と応用」(電
子写真学会編、1988年、コロナ社)に記載されてい
るオキサジアゾール、ヒドラゾン、アリールアミン誘導
体が用いられる。バインダー樹脂としては、正孔輸送材
料と相溶性のよいポリカーボネート樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。
【0025】本発明の他の実施例では電荷輸送層として
電子輸送層を設けることもできる。その場合電子輸送層
は、電子輸送材料をバインダー樹脂中に溶解し、固化し
た薄膜である。電子輸送材料には例えば、特開平7−4
9578号公報に記載された、2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレンフルオレン−4−
カルボキシレート化合物、3,5,3’、5’−テトラ
アルキル−4,4’−ジフェノキノン類などが使用でき
る。バインダー樹脂としては電子輸送材料と相溶性のよ
いものを用いるが、例えば正孔輸送層を形成するときと
同様なバインダーが使用できる。
【0026】次に本発明による書き換え可能な媒体によ
り画像を表示する方法について説明する。ガラス基板あ
るいはフィルム上に透明電極のマトリックスを作製し、
各セルに本発明の媒体を形成する。それぞれのセルを着
色及び白色に、印加電圧の極性切り替えにより制御する
ことにより画像を表示することができる。また、このセ
ルを赤、青、黄色に分割して表示を行うとフルカラー表
示が可能となる。
【0027】また、電荷輸送層を設けた電極上に導電性
粒子と中空粒子とを均一に塗布し、その上を電荷輸送層
で被覆した画像表示媒体では、電荷輸送層表面に電子写
真用感光体表面に形成された静電潜像を直接接触させる
ことにより画像を得ることができる。さらに、本媒体上
に直接イオンフローにより静電パターンを形成すること
により画像を形成することができる。
【0028】本発明において透明電極にはインジュウム
及びスズを主体とした酸化薄膜をガラス表面あるいは透
明フィルム上に形成したものを用いることができる。
【0029】導電性粒子は前述した粒子は全て使用可能
であり、画像表示媒体においてはさらに球形鉄粉などの
無機粒子も使用できる。
【0030】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 (実施例1) (正孔輸送層の作製)正孔輸送材(ヒドラゾン誘導体;
アナン製)1部、バインダー(ポリカーボネート;三菱
ガス化学(株)製)1部をテトラヒドロフラン中に溶解
し、ドクターバーによりITOガラス基板上に塗布し
た。室温で乾燥後80℃の乾燥機で3時間加熱し、電荷
輸送層とした。 (粒子表示セルの作製)2枚の正孔輸送層を塗布した透
明電極ITO基板間に100μmの透明フィルムを挟み
空間を作る。その空間に導電性粒子(磁性トナー;岩崎
通信機(株)製に導電性カーボンブラックを外添処理し
たもの)1部及び中空粒子(JSR(株)製に疎水性シ
リカを外添処理したもの)1部を混合して封入した。
【0031】(表示動作)下部ITO電極に正の電圧3
00Vを印加すると、上部電極は黒色を呈した。その時
の上部電極の反射濃度を測定した結果、次のようであっ
た。 電極を正に印可したときの反射濃度D(+)=1.2 次に、下部電極を負に印加すると、上部電極は白色に変
化した。その時の上部電極の反射濃度を測定した結果、
次のようであった。 電極を負に印加したときの反射濃度D(−)=0.4 このときの黒白の濃度差は、次のようである。 黒白表示の反射濃度差C=D(+)−D(−)=0.8 さらに電圧の極性をはじめの正に切り替えると、上部電
極は黒色に変化し、前述と追同様な反射濃度を示した。
そして、極性を負にすると白色となり、前述と同じ反射
濃度を示した。この極性の切り替えによる上部電極の黒
白の表示は100回程度行ったが、安定して繰り返すこ
とができた。
【0032】(比較例1) (粒子表示セルの作製)比較例1の粒子表示セルは、中
空粒子を用いる代わりにフッ化炭素粒子;ダイキン工業
(株)製を用いた以外は実施例1と同様に作製した。 (表示動作)下部ITO電極に正の電圧300Vを印加
すると、上部電極は黒色を呈した。その時の上部電極の
反射濃度を測定した結果、次のようであった。 電極を正に印可したときの反射濃度D(+)=0.9 次に、下部電極を負に印加すると、上部電極は白色に変
化した。その時の上部電極の反射濃度を測定した結果、
次のようであった。 電極を負に印加したときの反射濃度D(−)=0.7 このときの黒白の濃度差は、次のようである。 黒白表示の反射濃度差C=D(+)−D(−)=0.2 さらに電圧の極性をはじめの正に切り替えると、上部電
極は黒色に変化し、前述と追同様な反射濃度を示した。
そして、極性を負にすると白色となり、前述と同じ反射
濃度を示した。この極性の切り替えによる上部電極の黒
白の表示は100回程度行ったが、安定して繰り返すこ
とができた。
【0033】(実施例2) (電子輸送層の作製)電子輸送剤(2,4,7−トリニ
トロ−9−フルオレノン;関東化学(株)製)1部、バ
インダー(ポリカーボネート;三菱ガス化学(株)製)
1部をテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーに
よりITOガラス基板上に塗布した。室温で乾燥後80
℃の乾燥機で3時間加熱し、電子輸送層とした。 (粒子表示セルの作製)2枚の電子輸送層を塗布した透
明電極ITO基板間に100μmの透明フィルムを挟み
空間を作る。その空間に導電性粒子(磁性トナー;岩崎
通信機(株)製に導電性カーボンブラックを外添処理し
たもの)1部及び中空粒子(JSR(株)製に疎水性シ
リカを外添処理したもの)1部を混合して封入した。
【0034】(表示動作)下部ITO電極に負の電圧3
00Vを印加すると、上部電極は黒色を呈した。その時
の上部電極の反射濃度を測定した結果、次のようであっ
た。 電極を負に印可したときの反射濃度D(−)=1.2 次に、下部電極を正に印加すると、上部電極は白色に変
化した。その時の上部電極の反射濃度を測定した結果、
次のようであった。 電極を正に印加したときの反射濃度D(+)=0.4 このときの黒白の濃度差は、次のようである。 黒白表示の反射濃度差C=D(−)−D(+)=0.8 さらに電圧の極性をはじめの負に切り替えると、上部電
極は黒色に変化し、前述と追同様な反射濃度を示した。
そして、極性を正にすると白色となり、前述と同じ反射
濃度を示した。この極性の切り替えによる上部電極の黒
白の表示は100回程度行ったが、安定して繰り返すこ
とができた。
【0035】(比較例2) (粒子表示セルの作製)比較例2の粒子表示セルは、中
空粒子を用いる代わりにフッ化炭素粒子;ダイキン工業
(株)製を用いた以外は実施例2と同様に作製した。 (表示動作)下部ITO電極に負の電圧300Vを印加
すると、上部電極は黒色を呈した。その時の上部電極の
反射濃度を測定した結果、次のようであった。 電極を負に印可したときの反射濃度D(−)=0.9 次に、下部電極を正に印加すると、上部電極は白色に変
化した。その時の上部電極の反射濃度を測定した結果、
次のようであった。 電極を正に印加したときの反射濃度D(+)=0.7 このときの黒白の濃度差は、次のようである。 黒白表示の反射濃度差C=D(−)−D(+)=0.2 さらに電圧の極性をはじめの負に切り替えると、上部電
極は黒色に変化し、前述と追同様な反射濃度を示した。
そして、極性を正にすると白色となり、前述と同じ反射
濃度を示した。この極性の切り替えによる上部電極の黒
白の表示は100回程度行ったが、安定して繰り返すこ
とができた。
【0036】実施例1と比較例1及び実施例2と比較例
2の黒白の反射濃度差を比較すると、比較例1及び2で
絶縁性粒子にフッ化炭素を用いた場合反射濃度差が0.
2であるのに対し、実施例1及び2で中空粒子を用いた
場合反射濃度差0.8と、コントラストが大幅に向上し
た。また、実施例1と2及び比較例1と2にて上部電極
上に黒の表示を行った後、電源をOFFにして一週間放
置し、その後上部電極上の反射濃度を測定した結果、表
示開始の反射濃度と同じであった。このことから、表示
は電源OFF後も長期間安定して保持できることが確認
された。
【0037】
【発明の効果】本願発明により、画像のコントラストが
良好で軽くて安価な画像書き換え可能な画像表示媒体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は電荷輸送層として正孔輸送層を用いた場
合の書き換え可能な粒子表示媒体の構成と電圧印加前後
の粒子移動の様子を示す原理図である。
【図2】図2は電荷輸送層として正孔輸送層を用いた場
合の書き換え可能な粒子表示薄膜媒体の側面拡大概略図
である。
【図3】図3は電荷輸送層として電子輸送層を用いた場
合の書き換え可能な粒子表示媒体の構成と電圧印加前後
の粒子移動の様子を示す原理図である。
【符号の説明】
1…基板 2…導電層 3…正孔輸送層 4…導電性着色粒子 5…中空粒子 6…ガラス基板 7…電源 8…電子輸送層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷輸送層を表面に有する第1の媒体並
    びに基板と電極と電荷輸送層とからなる第2の媒体の間
    に、導電性粒子及び該導電性粒子と異なる色の絶縁性中
    空粒子を封入することを特徴とする画像表示媒体。
  2. 【請求項2】 第1の媒体が透明な基板と透明電極と電
    荷輸送層からなることを特徴とする請求項1に記載の画
    像表示媒体。
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