JP2002213459A - 転がり軸受用保持器 - Google Patents

転がり軸受用保持器

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JP2002213459A
JP2002213459A JP2001016014A JP2001016014A JP2002213459A JP 2002213459 A JP2002213459 A JP 2002213459A JP 2001016014 A JP2001016014 A JP 2001016014A JP 2001016014 A JP2001016014 A JP 2001016014A JP 2002213459 A JP2002213459 A JP 2002213459A
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rolling
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Yukio Fujii
幸生 藤井
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Senshin Zairyo Riyo Gas Generator Kenkyusho KK
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/46Cages for rollers or needles
    • F16C33/56Selection of substances
    • F16C33/565Coatings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C2360/23Gas turbine engines

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 200℃以上の高温における希薄な潤滑条件
で良好な摩擦摩耗特性があり、さらに潤滑油を供給しな
がら高速回転で使用した場合にも保持器のポケットの内
径側の角部に損傷が生じないで焼付きや破損が生じ難い
高温高速回転用の転がり軸受用保持器とすることであ
る。 【解決手段】 一対の軌道輪間で転動体を回転自在に保
持する転がり軸受用保持器において、この保持器の基材
をチタン−アルミニウム金属間化合物またはチタン合金
で形成し、保持器の表面に硬度Hv500〜650のニ
ッケル−クロム合金からなる溶射皮膜を膜厚が0.05
〜0.15mmとなるように形成する。転がり軸受が、
200℃以上の軸受温度にてdn値=2.5×106
(dは軸受内径(mm)、nは軌道輪の回転速度(rp
m))以上の回転条件で使用できる高温高速回転用転が
り軸受となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は転がり軸受用保持
器に関し、特にガスタービンなどの高速回転シャフトを
支承可能な高温高速回転に対応する転がり軸受用保持器
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガスタービンなどの高速回転シ
ャフトを支承可能な高温高速回転に対応した転がり軸受
には、以下のような機能(1) 〜(3) が要求される。
【0003】(1) 軽量性:シャフトが高速で回転すると
環状の転がり軸受用保持器に遠心力が働きフープ応力が
発生するが、この応力は材料の比重に比例する。そのた
め、保持器を軽量化してフープ応力をできるだけ小さく
する必要がある。
【0004】(2) 優れた摩擦摩耗特性:内・外軌道輪や
転動体と転がり接触する際に200℃以上の高温で、し
かも希薄な潤滑条件でも良好な摩擦摩耗特性を示す特性
が必要である。
【0005】(3) 高強度性:前記(1) のフープ応力に耐
える疲労強度を200℃以上の高温状態で維持する強度
が必要である。
【0006】上記したような諸要求を満たすべく、従来
の高温・高速回転対応の転がり軸受用保持器は、SAE
4340などの鉄系材料で製作し、その表面には銀メッ
キを施して自己潤滑性をもたせたものが採用されてい
る。
【0007】また、特開平11−247861号公報に
は、転がり軸受用保持器の基材をチタン−アルミニウム
金属間化合物またはチタン合金で形成し、保持器の表面
にニッケル−クロム合金からなる溶射皮膜を形成するこ
とにより、軽量で200℃以上の高温における希薄な潤
滑条件でも良好な摩擦摩耗特性があり、さらに高速回転
した際のフープ応力に耐える疲労強度を有する転がり軸
受用保持器が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の転がり軸受用保持器をガスタービンなどの高速回転シ
ャフトを支承させて高温高速回転させると、DN値(内
輪内径と内輪回転数の積で表わされる速度パラメータ)
が350万、環境温度が200℃を超える領域での軸受
運転を実施すると、所定部分に集中的に損傷が生じる場
合がある。
【0009】図4に示すように保持器16の損傷部17
は、特に保持器16の全表面のうち、摩耗痕18の形成
される摺動部ではないポケット18の内径側の角部にお
いて、そこが被膜で覆われている場合は被膜が剥がれ、
母材の場合はそれ自体が欠けるという特異的なものであ
る。
【0010】そして、本願の発明者らは、このような損
傷の原因について調べた結果、円筒ころ軸受用保持器に
生じる該損傷は全数のポケットに生じ、しかも回転方向
(図4中に矢印で示す。)に依存することから、おそら
く軸受を高速回転で用いる場合に、内輪転走面下からア
ンダーレース方式を採用して供給された潤滑油が、高温
高速で回転する保持器のポケットの内径側角に繰り返し
当たり、そこに高周波の熱サイクルが生じ、同時にその
箇所に高速回転による強い遠心力の作用で応力集中が生
じたことが要因であろうと考えた。
【0011】そこで、この発明の課題は上記した従来の
転がり軸受用保持器における問題点を解決して、200
℃以上の高温における希薄な潤滑条件で良好な摩擦摩耗
特性があり、さらに潤滑油を供給しながら高速回転する
使用条件でも保持器の表面のうち、摺動部ではないポケ
ットの内径側の角部に損傷が生じることなく、焼付きや
破損が生じ難い高温高速回転用の転がり軸受用保持器と
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、一対の軌道輪間で転動体を回
転自在に保持する転がり軸受用保持器において、この保
持器の基材をチタン−アルミニウム金属間化合物または
チタン合金で形成し、保持器の表面に硬度Hv500〜
650のニッケル−クロム合金からなる溶射皮膜を形成
してなる転がり軸受用保持器としたのである。
【0013】また、上記転がり軸受用保持器において、
ニッケル−クロム合金の溶射皮膜の膜厚が0.05〜
0.15mmとする構成を採用したのである。
【0014】また、前記転がり軸受が、200℃以上の
軸受温度にてdn値=2.5×106(dは軸受内径(m
m)、nは軌道輪の回転速度(rpm))以上の回転条
件で使用される高温高速回転用転がり軸受としたのであ
る。
【0015】上記したように構成される転がり軸受用保
持器は、保持器の基材をチタン−アルミニウム金属間化
合物またはチタン合金で形成したことにより、鉄系基材
に比べて軽量なものになり、回転時のフープ応力が比較
的小さなものになる。
【0016】チタン系材料の摩擦摩耗特性は、高温で希
薄な潤滑条件では不充分であるが、上記チタン系材料か
らなる保持器基材の表面に、ニッケル−クロム合金の溶
射皮膜を形成することにより、前記軽量性を維持したま
ま高温・高速摺動状態でも優れた摩擦摩耗特性のある転
がり軸受用保持器になる。
【0017】特に、この発明ではニッケル−クロム合金
からなる溶射皮膜を硬度Hv500〜650に特定した
ことにより、耐摩耗性の要求に応じられると共に、溶射
皮膜の強度と基材に対する密着性が改善されたものにな
り、潤滑油を供給しながら高速回転で使用した場合にも
保持器の摺動部ではない内周面のポケット角部のような
応力が集中する箇所にも損傷が生じることなく、焼付き
や破損が生じ難い転がり軸受用保持器になる。
【0018】さらに、ニッケル−クロム合金の溶射皮膜
の膜厚を0.05〜0.15mmに調整すると、熱衝撃
に良く耐える保持器になり、すなわち、溶射皮膜が基材
に良く密着して剥がれ難く、耐久性に優れた転がり軸受
用保持器になる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明に用いるチタン−アルミ
ニウム(TiAl)金属間化合物は、チタン元素(T
i)とアルミニウム元素(Al)が簡単な整数比で結合
し、成分の各金属元素より好ましい物性を示すものであ
る。TiAl金属間化合物の組成比の具体例としては、
Ti:Al=2:1、Ti:Al=1:1、Ti:Al
=1:3などが挙げられる。TiAl金属間化合物は、
このような組成比の混合物を融解、冷却することによっ
て得られる。TiAl金属間化合物の物性としては、軽
量耐熱性、高温引張比強度及びクリープ比強度に優れる
ことである。
【0020】この発明に用いるチタン合金は、チタン
(Ti)を主成分とする合金であり、例えばチタンに添
加される合金元素としては、Al、Cr、Fe、Mn、
Mo、Vなどが挙げられ、Al以外の多くの合金元素は
遷移元素である。JISに規定されているチタン合金で
あって、この発明に使用できるものとしては、Ti−6
Al−4Vやそれに類した組成の合金が挙げられる。
【0021】この発明における溶射皮膜を形成するニッ
ケル−クロム合金は、ニッケルを主要成分としてクロム
を10〜30重量%程度含有する合金であり、Crと共
にMoを含むものであってもよく、具体例としてはニッ
ケルを主要成分としてCrを14〜23.5重量%程度
含む市販品(商品名)であるインコネル、ハステロイな
どが挙げられる。
【0022】溶射皮膜を形成する方法としては、金属線
を溶かして基材に吹きつける溶線式溶射法や粉末を用い
た粉末式溶射法があるが、いずれの方法であってもよ
い。実用的な方法としては、フレーム溶射法(ガス溶線
式、粉末式)、アーク溶射法、プラズマ溶射法が挙げら
れる。このうち、フレーム式およびアーク式は2000
〜3000℃の高温で材料を溶かして吹きつける方法で
ある。
【0023】また、プラズマ溶射法は、陽極と陰極の間
に直流大電流を低電圧で印加してアークを生じさせ、こ
の中にアルゴン、水素、窒素などのガスを導入し、これ
をプラズマ化する方法である。この非移行性プラズマ
は、30000Kにも達し、ここに溶射材料粉末を入
れ、溶かして吹きつける。また、103〜104Pa程
度の減圧下で溶射を行なう減圧プラズマを行えば、溶射
皮膜の気孔率、酸化率ともに少なくなり、密着度の高い
皮膜が形成できる。
【0024】
【実施例】〔実施例1、比較例1,2〕(被膜の硬度と
摩耗試験) 図1に示すように、内輪1と外輪2の間で転動体(こ
ろ)3を回転自在に保持した円筒ころ軸受4に装着でき
る保持器5を、チタン−アルミニウム金属間化合物(比
較例1、実施例1、比較例2)で形成し、保持器5を形
成する基材の表面にそれぞれニッケル−クロム合金(表
1に示すニッケルとクロムの組成重量比のもの)の溶射
皮膜を形成した。その際に溶射被膜の厚さは、研磨加工
によって20μmに調整した。また、上記した実施例お
よび比較例の保持器と全く同様にして摩擦摩耗試験のた
めにリング状試験片(外径50mm、内径8mm、厚さ
5mm、面粗度0.6μmRa)をそれぞれ形成した。
【0025】上記実施例および比較例の保持器および試
験片に使用したチタン−アルミニウム金属間化合物は、
TiAlの組成比がTi:Al=2:1のものであり、
チタン合金は、Ti−6Al−4.0Sn−3.5Zr
−2.8Mo−0.7Nb−0.35Siの組成であ
る。
【0026】そして、実施例1、比較例1,2に対し
て、ビッカース硬さ(Hv)を測定して被膜硬度を調
べ、そのときにビッカース圧子の押し込み(500g)
による「膜の割れ」の有無を観察して、結果を表1にま
とめて示した。
【0027】また、高温・高速摩擦摩耗試験を図2に概
略を示した試験機を用い、表2に示す条件で実施例1お
よび比較例1、2のリング状試験片の摩耗痕幅を測定
し、その結果を表1中に併記した。
【0028】図2に示した試験機の概略構成を説明する
と、このものは直動静圧軸受6、7で水平方向および垂
直方向に移動自在に支持された基台8に固定試片9を取
り付け、水平な回転軸に取り付けた回転試片10を回転
数19000rpmで駆動しながら、押し付け荷重Fで
もって固定試片9に押し付け、かつロードセル11で負
荷(摩擦力)を測定するものである。そして、潤滑ユニ
ット12から200℃の潤滑オイル(MIL-L-23699C相
当油)を0.2リットル/分の割合でジェット給油する
潤滑条件で摩擦摩耗試験を行なった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果からも明らかなように、ニッケ
ルとクロムの組成比がおよそ8:2であり、かつ高速フ
レーム溶射によって適切な条件で被膜形成したニッケル
クロム溶射被膜の硬度がHV510〜640の実施例1
の試験片は、硬質で緻密かつ母材との密着性に優れた被
膜が得られたため、割れ難く、摩耗痕の幅も0.4mm
以内という短いものであった。
【0032】これに対して、ニッケルとクロムの組成比
がおよそ8:2というクロムの多い組成比からなる被膜
を設けた比較例1は、被膜が脆くて割れやすいので、ポ
ケットの内径側角に損傷が生じやすく、また被膜は硬質
になって耐摩耗性は向上するが、軌道輪や転動体に対す
る硬度差は小さくなってそれらを攻撃したと考えられ
た。
【0033】なお、溶射条件が適切でなかったり、プラ
ズマ溶射などによって被膜形成すると、被膜が軟らかく
なったり、緻密さや母材との密着性の低下につながる可
能性がある。被膜が軟らかければ良好な摩耗強度が得ら
れず、緻密さや密着強度を欠くと、被膜の脱落などが起
こりやすくなると考えられた。
【0034】〔実施例2〜7、比較例3〕(熱衝撃試
験) 実施例1において、溶射被膜の厚さを研磨加工によっ
て、表3に示す厚さとしたこと以外は実施例1と全く同
様にして実施例2〜7および比較例3の試験片を形成
し、熱衝撃試験を行なった。熱衝撃試験は、500℃ま
で加熱した各試験片を室温の水中に漬けて急冷する(水
中急冷)を100回繰り返して行ない、その際に皮膜の
剥がれの有無を調べた。
【0035】
【表3】
【0036】表3の結果からも明らかなように、被膜厚
さが0.02mm以上では熱衝撃による被膜の剥がれは
見られなかった。したがって、被膜厚さが0.02mm
未満の薄厚であると、それに熱サイクルが加わって母材
との微妙な熱膨張差が生じた際に被膜が剥がれてしまう
と考えられた。また、被膜厚さが0.02mm以上の厚
みであれば、被膜強度は充分と考えられた。ただし、保
持器の摺動部では摩耗を生じるので、母材の露出を避け
るために0.05mm以上にするのが実用的である。
【0037】〔比較例4、5〕(軸受運転試験) 実施例1の保持器と同じ形態で、鉄系材料のSAE43
40製保持器の表面にAgメッキを形成した保持器(比
較例4)、またはセラミック粒子分散アルミ基複合材料
製(特開平09-170625)の保持器(比較例5)を作製し
た。
【0038】これら実施例1、比較例4,5の保持器を
試験軸受(図1参照)に装着し、内輪に形成した油路1
3からジェット給油を行なって軸受運転試験を行なっ
た。
【0039】試験条件は、給油温度を230℃とし、d
n値=350×104 (mm・rpm)の回転条件まで
段階的に増速し、dn値=350×104 (mm・rp
m)にて1時間保持する試験条件とした。
【0040】試験中、増速の各段階でいずれの保持器を
組み込んだ軸受も温度上昇、振動値ともほぼ同程度であ
り、dn350万に達した時点で外輪温度は300℃を
超えていたが、安定した運転ができた。ところが、試験
後に保持器を観察すると、図3に示したように、実施例
1(図3a)は無損傷であったのに対し、比較例4(図
3b)や比較例5(図3c)には全てのポケットの内径
側角に「欠け」14,15が見られた。
【0041】さらに詳しく観察すると、比較例4は銀め
っきが剥がれており、アルミ複合材製の比較例5は、母
材自体が欠損していた。これらのことから、この発明の
保持器は、被膜の強度、被膜と母材との密着性、母材強
度がいずれも従来品より優れていることがわかる。
【0042】また、いずれの保持器にも、特に摺動条件
が最も厳しいポケットところとの接触部に摩耗が見られ
た。その測定結果によると、実施例1の摩耗深さは5.
1μmであり最も軽微であった。それに対し、アルミ複
合材製の比較例5は約2倍の12.5μm、比較例4は
約4倍の21.5μmであった。因みに、5μm程度の
軽微な摩耗であれば、長時間の使用に耐えられると判断
して差し支えない。なお、いずれも軌道輪との案内面に
摩耗は見られなかったことから、被膜の耐久性はポケッ
ト部の摩耗に依存していると考えられた。
【0043】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、所定
のチタン系材料からなる保持器基材の表面に、ニッケル
−クロム合金の溶射皮膜を形成することにより、チタン
系材料の軽量性を維持したまま高温・高速摺動状態でも
優れた摩擦摩耗性のある転がり軸受用保持器になるとい
う利点がある。
【0044】また、ニッケル−クロム合金の溶射皮膜の
膜厚を0.05〜0.15mmとして転がり軸受用保持
器は、溶射皮膜が基材に良く密着して剥がれ難く、特に
熱衝撃に良く耐えて耐久性に優れた転がり軸受用保持器
であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受運転試験に用いた円筒ころ軸受の要部断面
【図2】高温高速摩擦摩耗試験機の概略構成を説明する
正面図
【図3】(a)実施例1の軸受運転試験の結果を示す保
持器の内周面の要部拡大図 (b)比較例4の軸受運転試験の結果を示す保持器の内
周面の要部拡大図 (c)比較例5の軸受運転試験の結果を示す保持器の内
周面の要部拡大図
【図4】従来例の保持器の内周面の要部拡大斜視図
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 転動体 4 円筒ころ軸受 5、16 保持器 6、7 直動静圧軸受 8 基台 9 固定試片 10 回転試片 11 ロードセル 12 潤滑ユニット 13 油路 14、15 欠け 17 損傷部 18 摩耗痕 19 ポケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA13 AA24 AA32 AA42 AA52 AA62 BA34 BA44 BA50 CA07 CA32 DA05 EA51 EA78 EA80 FA06 FA31 FA33 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の軌道輪間で転動体を回転自在に保
    持する転がり軸受用保持器において、この保持器の基材
    をチタン−アルミニウム金属間化合物またはチタン合金
    で形成し、保持器の表面に硬度Hv500〜650のニ
    ッケル−クロム合金からなる溶射皮膜を形成してなる転
    がり軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 ニッケル−クロム合金の溶射皮膜の膜厚
    が0.05〜0.15mmである請求項1記載の転がり
    軸受用保持器。
  3. 【請求項3】 転がり軸受が、200℃以上の軸受温度
    にてdn値=2.5×106 (dは軸受内径(mm)、
    nは軌道輪の回転速度(rpm))以上の回転条件で使
    用される高温高速回転用転がり軸受である請求項1また
    は2に記載の転がり軸受用保持器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113090666A (zh) * 2021-04-01 2021-07-09 山东金帝精密机械科技股份有限公司 一种轴承保持架及轴承保持架的浸塑装置、浸塑方法
WO2022030476A1 (ja) * 2020-08-07 2022-02-10 Kyb株式会社 金属部材

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