JP2002213430A - ボールジョイント - Google Patents

ボールジョイント

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JP2002213430A
JP2002213430A JP2001006899A JP2001006899A JP2002213430A JP 2002213430 A JP2002213430 A JP 2002213430A JP 2001006899 A JP2001006899 A JP 2001006899A JP 2001006899 A JP2001006899 A JP 2001006899A JP 2002213430 A JP2002213430 A JP 2002213430A
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chamber
ball
socket
ball stud
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Fumihiro Miura
文浩 三浦
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Otics Corp
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C11/00Pivots; Pivotal connections
    • F16C11/04Pivotal connections
    • F16C11/06Ball-joints; Other joints having more than one degree of angular freedom, i.e. universal joints
    • F16C11/0604Construction of the male part
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C11/04Pivotal connections
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    • F16C11/0619Ball-joints; Other joints having more than one degree of angular freedom, i.e. universal joints the female part comprising a blind socket receiving the male part
    • F16C11/0623Construction or details of the socket member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/102Construction relative to lubrication with grease as lubricant

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリースを有効に使用することができ,ボー
ルスタッドの回動に優れると共に,摩耗耐久性に優れる
ボールジョイントを提供すること。 【解決手段】 ボールジョイント1は,ボールスタッド
2,ソケット3,ダストカバー4を有している。ボール
スタッド2は,可動部25と油溝71を有する保持部2
6とからなり,それらの間にはグリース吸引室27が形
成されている。可動部25は,第1グリース経路25
2,第1逆流防止弁253を有しており,保持部26
は,第2グリース経路262,第2逆流防止弁263を
有している。ボールスタッド2には,反発具8が設けて
ある。ボールスタッド2の揺動Bに伴い,上記グリース
吸引室27の容積を変化させて,上記第2グリース室4
1から上記第1グリース室31へと強制的にグリース5
を流動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,自動車の懸架装置等に用いられ
るボールジョイントに関する。
【0002】
【従来技術】従来より,回動自在のボールスタッドを有
するボールジョイントは,自動車の懸架装置等に用いら
れている。図9に示すごとく,ボールジョイント9は,
球頭部921及び軸部922を有するボールスタッド9
2と,上記球頭部921を回動自在に支承するソケット
93と,該ソケット93と上記ボールスタッド92との
間の開放端部972を覆うようにして設けたダストカバ
ー94とを有しており,上記ソケット93には,上記球
頭部921と対向するボールシート96を有している。
【0003】また,上記ボールジョイント9は,グリー
ス95を保持する2つのグリース室を有しており,上記
球頭部921と上記ソケット93との間には第1グリー
ス室931を,上記ダストカバー94の内部には第2グ
リース室941を有している。そして,上記ボールシー
ト96と上記球頭部921との間に形成された間隙97
3に,ボールシート96に設けられた油溝961を利用
して,グリース95を供給するようになっている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記ボールジ
ョイント9の配置状態により,上記グリース95は,上
記第1グリース室931と上記第2グリース室941と
のうちいずれか一方のグリース室からのみ上記間隙97
3に供給されることになってしまう。つまり,上方に位
置したグリース室からは重力による下方への落下のた
め,上記間隙973に容易に供給されることができる
が,下方に位置したグリース室からは上記間隙973に
供給されることが困難になる。そのため,ボールジョイ
ント9の内部のグリース95を有効に使用することが困
難になる。
【0005】この問題点は,特に,上記ボールジョイン
ト9を,上記第1グリース室931が上記第2グリース
室941に対して上方に位置するように配置した場合に
顕著である。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,グリースを有効に使用することができ,
ボールスタッドの回動に優れると共に,摩耗耐久性に優
れるボールジョイントを提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,球頭部及
び軸部を有するボールスタッドと,上記球頭部を回動自
在に支承するソケットと,該ソケットと上記ボールスタ
ッドとの間の開放端部を覆うようにして,上記軸部と上
記ソケットとの間に架け渡したダストカバーとを有し,
上記球頭部と上記ソケットとの間には,グリースを保持
する第1グリース室を有していると共に,上記ダストカ
バーの内部には,上記グリースを保持する第2グリース
室を有しており,上記球頭部又は上記ソケットの少なく
ともいずれか一方には,それらが互いに接触する接触面
に,上記第1グリース室と上記第2グリース室とを連通
する油溝が設けてあり,また,上記ボールスタッドの内
部には,上記第1グリース室と上記第2グリース室とを
連通するグリース経路が設けてあると共に,該グリース
経路には,上記第1グリース室から上記第2グリース室
へ向かう上記グリースの流動を防止する逆流防止弁が設
けてあることを特徴とするボールジョイントにある。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,上
記ボールスタッドの内部に,上記第1グリース室と上記
第2グリース室とを連通するグリース経路が設けてある
ことであり,また,該グリース経路に上記逆流防止弁が
設けてあることである。また,本発明におけるボールジ
ョイントは,上記ボールスタッドが揺動したときに,上
記ダストカバー内の上記第2グリース室の容積が変化す
る場合であって,上記第1グリース室が上記第2グリー
ス室に対して上方に位置するように当該ボールジョイン
トを配置した場合に特に有効である。
【0009】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明におけるボールジョイントは,上記第1グリース
室,上記第2グリース室及び上記油溝を有しており,上
記ボールスタッドの内部には,上記グリース経路を有し
ている。上記ボールジョイントは,上記油溝にグリース
が供給されていることによって,上記ボールスタッドの
球頭部と上記ソケットとの間の間隙に容易にグリースを
供給することができる。こうして,ボールスタッドの回
動に伴う摩擦抵抗を低減し,ボールスタッドが滑らかに
回動を行うようになっている。
【0010】ここで,上記ボールスタッドの回動には,
回転と揺動とがあり,回転とは,上記ボールスタッドの
軸部における軸芯回りの動きを言い,上記揺動とは,上
記回転中心Oを中心にして軸部が左右に揺れる動きを言
う。
【0011】上記ダストカバーは,上記軸部と上記ソケ
ットとの間に架け渡してあり,上記ボールスタッドが揺
動することができるように可撓性を有している。そし
て,ボールスタッドが揺動したときには,上記ダストカ
バーは変形をし,該ダストカバーの内部にある上記第2
グリース室の容積が変化する。
【0012】そして,上記ボールスタッドの揺動に伴
い,上記第2グリース室の容積が減少したときには,上
記グリースは,上記第2グリース室から上記グリース経
路を通って上記第1グリース室に流動することができ
る。そのため,上記グリース経路により,第2グリース
室にあるグリースを容易に第1グリース室へと流動させ
ることができる。
【0013】一方,上記ボールスタッドの揺動に伴い,
上記第2グリース室の容積が増加したときには,上記グ
リースは,上記逆流防止弁によって流動が阻止されて,
上記グリース経路を通っては,第1グリース室から第2
グリース室に流動することはできない。そのため,この
ときには,第1グリース室にあるグリースは,上記油溝
を通って第1グリース室から第2グリース室へと流動す
る。
【0014】このようにして,上記グリースは,第2グ
リース室から上記グリース経路を通って第1グリース室
へ,更に第1グリース室から上記油溝を通って第2グリ
ース室へと流動して,ボールジョイント内を循環して流
動することができる。そして,このグリースの循環流動
は,上記ボールスタッドが揺動して,第2グリース室の
容積が変化する毎に何度でも行われる。
【0015】そのため,上記ボールジョイントを,上記
第1グリース室が上記第2グリース室に対して上方に位
置するように配置した場合でも,上記第2グリース室に
おけるグリースを上記油溝に供給することができる。そ
して,このグリースを,該油溝から上記球頭部と上記ソ
ケットとの間の間隙に供給して,上記ボールスタッドの
回動に伴う摩擦抵抗を低減させるために使用することが
できる。それ故,ボールジョイントの内部のグリースを
有効に使用することができると共に,上記ボールスタッ
ドは一層優れた回動を行うことができ,ボールジョイン
トの摩耗耐久性を向上させることができる。
【0016】次に,請求項2に記載の発明は,球頭部及
び軸部を有するボールスタッドと,上記球頭部を回動自
在に支承するソケットと,該ソケットと上記ボールスタ
ッドとの間の開放端部を覆うようにして設けたダストカ
バーとを有し,上記球頭部と上記ソケットとの間には,
グリースを保持する第1グリース室を有していると共
に,上記ダストカバーの内部には,上記グリースを保持
する第2グリース室を有しており,上記球頭部又は上記
ソケットの少なくともいずれか一方には,それらが互い
に接触する接触面に,上記第1グリース室と上記第2グ
リース室とを連通する油溝が設けてあり,上記ボールス
タッドは,該球頭部の球頭先端側に設けた可動部と,該
可動部を摺動可能に保持する保持部とからなると共に,
上記可動部と上記保持部との間にはグリース吸引室が形
成されており,上記可動部の内部には,上記第1グリー
ス室と上記グリース吸引室とを結ぶ第1グリース経路が
設けてあると共に,該第1グリース経路には,上記第1
グリース室から上記グリース吸引室へ向かう上記グリー
スの流動を防止する第1逆流防止弁が設けてあり,一
方,上記保持部の内部には,上記第2グリース室と上記
グリース吸引室とを結ぶ第2グリース経路が設けてある
と共に,該第2グリース経路には,上記グリース吸引室
から上記第2グリース室へ向かう上記グリースの流動を
防止する第2逆流防止弁が設けてあり,また,上記ボー
ルスタッドには,上記可動部と上記保持部とが互いに反
発し合う反発力を発生させる反発具が設けてあり,上記
ソケットは,上記反発力により上記可動部から伝わる荷
重を受ける受け面を有していると共に,該受け面は,上
記ボールスタッドの回動中心からの距離が変化するよう
形成されており,上記ボールスタッドの揺動に伴い,上
記可動部と上記保持部とが相対的に移動することによ
り,上記グリース吸引室の容積が増加したときには,上
記グリースが,上記第2グリース室から上記第2グリー
ス経路を通って上記グリース吸引室に流動し,一方,上
記グリース吸引室の容積が減少したときには,上記グリ
ースが,上記グリース吸引室から上記第1グリース経路
を通って上記第1グリース室に流動するよう構成してあ
ることを特徴とするボールジョイントにある。
【0017】本発明において最も注目すべきことは,上
記ボールスタッドが,上記可動部と上記保持部とからな
ると共に,それらの間には上記グリース吸引室が形成さ
れており,上記ボールスタッドの揺動に伴い,上記グリ
ース吸引室の容積を変化させて,上記第2グリース室か
ら上記第1グリース室へと強制的にグリースを流動させ
ることである。
【0018】本発明におけるボールジョイントは,上記
ボールスタッドが揺動したときに,上記ダストカバー内
の上記第2グリース室の容積が変化する場合及び変化し
ない場合のどちらにも有効である。また,上記ボールジ
ョイントは,上記第1グリース室が上記第2グリース室
に対して上方に位置するように配置した場合に特に有効
である。
【0019】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明におけるボールジョイントも,上記第1グリース
室,上記第2グリース室及び上記油溝を有している。上
記ボールジョイントは,上記油溝にグリースが供給され
ていることによって,上記ボールスタッドの球頭部と上
記ソケットとの間の間隙に容易にグリースを供給するこ
とができる。こうして,ボールスタッドの回動に伴う摩
擦抵抗を低減し,ボールスタッドが滑らかに回動を行う
ようになっている。
【0020】上記ボールスタッドは上記可動部及び保持
部からなり,また該ボールスタッドには,上記反発具が
設けてある。この反発具により,上記可動部と上記保持
部とは互いに反発し合い,可動部は,その接触表面が受
け面に対して押し付けられ,揺動部は,その上記接触面
がソケットに対して押し付けられている。そのため,ボ
ールスタッドの球頭部における可動部及び保持部とソケ
ットとの間の不要なガタツキを容易に減少させることが
でき,ボールスタッドがその回動中心を中心にして一層
滑らかに回動することができる。
【0021】上記ボールスタッドにおける上記可動部と
保持部との間には,上記グリース吸引室が形成されてお
り,上記ソケットは,ボールスタッドの回動中心からの
距離が変化するよう形成された受け面を有している。
【0022】そして,上記グリース吸引室の容積の変化
は,以下のようにして行われる。即ち,上記ボールスタ
ッドの揺動に伴い,上記受け面において,上記ボールス
タッドの回動中心からの距離が大きい部分から小さい部
分に,上記可動部が接触する位置が変化するときには,
上記回動中心から可動部の先端までの長さが短くなる。
このとき,上記可動部が上記保持部に対して相対的に移
動して近づき,上記グリース吸引室の容積が減少する。
【0023】一方,上記ボールスタッドの揺動に伴い,
上記受け面において,上記ボールスタッドの回動中心か
らの距離が小さい部分から大きい部分に,上記可動部が
接触する位置が変化するときには,上記回動中心から可
動部の先端までの長さが長くなる。このとき,上記可動
部が上記保持部に対して相対的に移動して遠ざかり,上
記グリース吸引室の容積が増加する。このようにして,
上記グリース吸引室の容積は変化することができる。
【0024】また,上記可動部の内部には,上記第1グ
リース経路及び上記第1逆流防止弁を有しており,上記
保持部の内部には,上記第2グリース経路及び上記第2
逆流防止弁を有している。そして,上記ボールスタッド
の揺動に伴い,上記グリース吸引室の容積が減少したと
きには,グリース吸引室から上記第2グリース室へのグ
リースの流動は,上記第2逆流防止弁によって阻止され
る。そのため,このグリースはグリース吸引室から上記
第1グリース室へと流動する。
【0025】そして,第1グリース室にあるグリースの
上記第1グリース経路への流動は,上記第1逆流防止弁
によって阻止される。そのため,このグリースは上記油
溝を通って上記第2グリース室へと流動する。なお,上
記グリースは,上記ボールスタッドの揺動がないときで
も,上記油溝を通って第1グリース室と第2グリース室
との間で流動することができる。
【0026】一方,上記ボールスタッドの揺動に伴い,
上記グリース吸引室の容積が増加したときには,該グリ
ース吸引室の圧力が減少するため,該グリース吸引室に
は吸引力が働く。そして,このグリース吸引室には,上
記第1グリース経路又は上記第2グリース経路からグリ
ースが引き寄せられる。
【0027】このとき,このグリースは,上記第1グリ
ース室からグリース吸引室への流動が上記第1逆流防止
弁によって阻止される。そのため,このグリースは,上
記第2グリース室からグリース吸引室へと流動する。そ
して,グリース吸引室へと流動したグリースは,再度グ
リース吸引室の容積が減少したときに第1グリース室へ
と流動する。
【0028】このようにして,上記グリースは,第2グ
リース室からグリース吸引室へ,グリース吸引室から第
1グリース室へ,第1グリース室から上記油溝を通って
第2グリース室へと流動し,ボールジョイント内を循環
して流動することができる。そして,このグリースの循
環流動は,上記ボールスタッドが揺動して,グリース吸
引室の容積が変化する毎に何度でも行われる。
【0029】そのため,上記ボールジョイントを,上記
第1グリース室が上記第2グリース室に対して上方に位
置するように配置した場合でも,上記第2グリース室に
おけるグリースを上記油溝に供給することができる。そ
して,このグリースを,該油溝から上記球頭部と上記ソ
ケットとの間の間隙に供給して,上記ボールスタッドの
回動に伴う摩擦抵抗を低減させるために使用することが
できる。それ故,ボールジョイントの内部のグリースを
有効に使用することができると共に,上記ボールスタッ
ドは一層優れた回動を行うことができ,ボールジョイン
トの摩耗耐久性を向上させることができる。
【0030】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記反発具は,上記可動部と上記保持部とが対向するそれ
ぞれの対向部に設けた磁石,又は上記可動部と上記保持
部との間に設けたスプリングであることが好ましい。こ
れにより,上記反発具による上記可動部と上記保持部と
の間の反発力を容易に発生させることができる。
【0031】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記可動部は凸部を,上記保持部は該凸部を嵌入する凹部
を有しており,上記グリース吸引室は,上記凸部と上記
凹部との間に形成されていることが好ましい。これによ
り,上記グリース吸引室を容易に形成することができ
る。
【0032】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記保持部は凸部を,上記可動部は該凸部を嵌入する凹部
を有しており,上記グリース吸引室は,上記凸部と上記
凹部との間に形成されていることが好ましい。これによ
り,上記グリース吸引室を容易に形成することができ
る。
【0033】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記ソケットの上記受け面は,上記ボールスタッドの軸芯
方向と上記ソケットの軸芯方向とを同一方向としたとき
に,上記ボールスタッドの回動中心からの距離が最大と
なるように形成されていることが好ましい。これによ
り,上記ボールスタッドの揺動に伴い,上記グリース吸
引室の容積を容易に変化させることができる。
【0034】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記ボールスタッドの上記球頭部と上記ソケットとの間に
は,樹脂製のボールシートを有しており,上記油溝は,
上記球頭部と接触する当該ボールシートの接触面に形成
されていることが好ましい。これにより,上記油溝を容
易に形成することができ,上記ボールスタッドが回転す
る際の摩擦抵抗を容易に減少させることができる。その
ため,上記ボールスタッドは一層容易に回動することが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるボールジョイントにつき,
図1〜図4を用いて説明する。図1に示すごとく,本例
におけるボールジョイント1は,球頭部21及び軸部2
2を有するボールスタッド2と,上記球頭部21を回動
自在に支承する上記ソケット3とを有しており,上記ボ
ールスタッド2の球頭部21と上記ソケット3との間に
は,樹脂製のボールシート6を有している。
【0036】上記ボールジョイント1は,上記ソケット
3と上記ボールスタッド2との間の開放端部72を覆う
ようにして,上記軸部22と上記ソケット3との間に架
け渡したダストカバー4を有している。また,ボールジ
ョイント1は,上記ボールスタッド2の球頭先端211
側における上記球頭部21と上記ソケット3との間に
は,グリース5を保持する第1グリース室31を有して
おり,上記ダストカバー4の内部には,上記グリース5
を保持する第2グリース室41を有している。
【0037】上記ボールシート6は,上記球頭部21と
接触する接触面61に,上記第1グリース室31と上記
第2グリース室41とを連通する油溝71を有している
(図3参照)。上記ボールスタッド2の内部には,上記
第1グリース室31と上記第2グリース室41とを連通
するグリース経路23が設けてある。また,このグリー
ス経路23には,上記第1グリース室31から上記第2
グリース室41へ向かう上記グリース5の流動を防止す
る逆流防止弁24が設けてある。なお,上記油溝71
は,上記ボールジョイント1がボールシート6を有して
いない場合には,上記球頭部21又は上記ソケット3の
いずれか一方の接触面に設けてあってもよい。
【0038】以下に,これを詳説する。図1に示すごと
く,上記ダストカバー4は,上記ソケット3とボールス
タッド2との間の開放端部72に塵が入らないようにし
ている。また,ダストカバー4は,上記ボールスタッド
2が,自由に回転Aができるように軸部22を支える軸
受部42と,ボールスタッド2が,自由に揺動Bができ
るように可撓性を有するカバー部43と,ソケット3に
取り付ける取付部44とを有している。そして,ボール
スタッド2が揺動Bをするときには,上記カバー部43
が変形する(図2参照)。
【0039】また,上記ボールシート6は,上記ソケッ
ト3の内部に固定されており,上記油溝71は,ソケッ
ト3及びボールシート6の軸芯方向Dsと平行に,複数
設けられている。また,上記ソケット3は,蓋部32を
有しており,該蓋部32は,ボールジョイント1の組付
の際にソケット3に上記ボールスタッド2を入れた後,
該ボールスタッド2が外れないように蓋をしている。
【0040】図4(a),(b)に示すごとく,上記逆
流防止弁24は,上記グリース経路23の端部230に
形成されている。即ち,上記逆流防止弁24は,上記グ
リース経路23の端部230に拡径部242を形成し,
該拡径部242に鋼球241を入れて,上記グリース経
路23の開口端231をかしめ加工することにより形成
している。
【0041】上記拡径部242は,上記グリース経路2
3の断面の直径よりも大きな断面の直径を有している。
また,上記鋼球241は,上記拡径部242の断面の直
径よりも小さく,かつグリース経路23の断面の直径よ
りも大きな断面の直径を有している。
【0042】上記かしめ加工を行ったかしめ部244
は,ポンチ等で上記開口端231を叩いて,該開口端2
31の直径を複数箇所小さくして形成している。このか
しめ部244は,拡径部242に入れた鋼球241がグ
リース経路23の開口端231から外に出ないようにし
ている。そして,鋼球241が拡径部242内を転がっ
て,かしめ部244側に位置したときには,該鋼球24
1と上記開口端231との間に隙間245が形成される
ようになっている。また,グリース経路23と拡径部2
42との間には,それらの直径を結ぶために傾斜した傾
斜部243が設けられている。
【0043】そして,上記グリース経路23から上記拡
径部242に向けてグリース5が流動して,上記鋼球2
41が上記かしめ部244側に位置したときは,上記グ
リース経路23に上記隙間245が形成され,当該グリ
ース5はこの隙間245から流動することができる。一
方,上記グリース5が上記拡径部242から上記グリー
ス経路23に向けて流動して,上記鋼球241が上記傾
斜部243側に位置したときは,該鋼球241によって
上記グリース経路23が塞がれ,当該グリース5は流動
することができない。このようにして,逆流防止弁24
は形成されている。
【0044】なお,本例においては,上記傾斜部243
は,グリース経路23と拡径部242とを直線状の平面
で結ぶようにして傾斜しているが,これに対し,図4
(c)に示すごとく,傾斜部243は,グリース経路2
3と拡径部242とを円弧状の曲面で結ぶようにして傾
斜していてもよい。
【0045】上記ボールジョイント1においては,上記
ボールスタッド2が揺動Bをしたときに,上記ダストカ
バー4内の上記第2グリース室41の容積が変化をす
る。また,上記第2グリース室41の容積が変化できる
ように,上記第1グリース室31又は第2グリース室4
1の少なくともいずれか一方には,気相部50が形成さ
れている。また,ボールジョイント1は,上記第1グリ
ース室31が上記第2グリース室41に対して上方に位
置するように,即ち上記ボールスタッド2の軸部22を
下方に向けて配置している。
【0046】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記ボールジョイント1は,上記ボールシート6の油溝7
1にグリース5が供給されていることによって,上記ボ
ールスタッド2の球頭部21と上記ソケット3との間の
間隙73に容易にグリース5を供給することができる。
こうして,ボールスタッド2の回動に伴う摩擦抵抗を低
減し,ボールスタッド2が滑らかに回動を行うようにな
っている。
【0047】図2に示すごとく,ボールスタッド2が揺
動Bをして,該ボールスタッド2の軸芯方向Dbと上記
ソケット3及びボールシート6の軸芯方向Dsとがずれ
るときには,上記ダストカバー4は変形をし,該ダスト
カバー4の内部にある上記第2グリース室41の容積が
変化する。つまり,上記ボールスタッド2の揺動Bに伴
い,上記第2グリース室41の容積が減少したときに
は,上記グリース5は,上記第2グリース室41から上
記グリース経路23を通って上記第1グリース室31に
流動することができる。そのため,上記グリース経路2
3により,第2グリース室41にあるグリース5を容易
に第1グリース室31へと流動させることができる。
【0048】一方,図1に示すごとく,上記ボールスタ
ッド2の揺動Bに伴い,上記第2グリース室41の容積
が増加したときには,上記グリース5は,上記逆流防止
弁24により阻止されるため,当該グリース経路23を
通っては,第1グリース室31から第2グリース室41
に流動することはできない。そのため,このときには,
第1グリース室31にあるグリース5は,重力によって
落下し,上記油溝71を通って第1グリース室31から
第2グリース室41へと流動する。
【0049】このようにして,上記グリース5は,第2
グリース室41から上記グリース経路23を通って第1
グリース室31へ,第1グリース室31から上記油溝7
1を通って第2グリース室41へと流動して,ボールジ
ョイント1内を循環して流動することができる。そし
て,このグリース5の循環流動は,上記ボールスタッド
2が揺動Bをして,第2グリース室41の容積が変化す
る毎に何度でも行われる。
【0050】そのため,上記ボールジョイント1を,上
記第1グリース室31が上記第2グリース室41に対し
て上方に位置するように配置した場合でも,上記第2グ
リース室41におけるグリース5を上記油溝71に供給
することができる。そして,このグリース5を,該油溝
71から上記球頭部21と上記ソケット3との間の間隙
73に供給して,上記ボールスタッド2の回動に伴う摩
擦抵抗を低減させるために使用することができる。
【0051】それ故,ボールジョイント1の内部のグリ
ース5を有効に使用することができると共に,上記ボー
ルスタッド2は一層優れた回動を行うことができ,ボー
ルジョイント1の摩耗耐久性を向上させることができ
る。また,上記グリース5の循環流動により,グリース
5がボールジョイント1内に滞留することによって起こ
るグリース5の劣化を抑制することもできるため,ボー
ルジョイント1の摩耗耐久性が一層向上する。
【0052】実施形態例2 本例は,図5に示すごとく,上記ボールスタッド2が,
上記可動部25と上記保持部26とからなると共に,そ
れらの間にはグリース吸引室27が形成されており,上
記ボールスタッド2の揺動Bに伴い,上記グリース吸引
室27の容積を変化させて,上記第2グリース室41か
ら上記第1グリース室31へと強制的にグリース5を流
動させる例である。
【0053】本例におけるボールジョイント1は,球頭
部21及び軸部22を有するボールスタッド2と,上記
球頭部21を回動自在に支承するソケット3と,該ソケ
ット3と上記ボールスタッド2との間の開放端部72を
覆うようにして設けたダストカバー4とを有している。
また,ボールジョイント1は,上記ボールスタッド2の
球頭先端211側における上記球頭部21と上記ソケッ
ト3との間には,グリース5を保持する第1グリース室
31を有しており,上記ダストカバー4の内部には,上
記グリース5を保持する第2グリース室41を有してい
る。
【0054】上記ボールスタッド2は,球頭部21の球
頭先端211側に設けた可動部25と,該可動部25を
摺動可能に保持する保持部26とからなる。また,上記
可動部25は凸部251を,上記保持部26は該凸部2
51を嵌入する凹部261を有しており,凸部251と
凹部261との間にはグリース吸引室27が形成されて
いる。また,上記保持部26は,上記ソケット3と接触
する接触面265に,上記第1グリース室31と上記第
2グリース室41とを連通する油溝71を有している
(図7(a)参照)。
【0055】上記可動部25の内部には,上記第1グリ
ース室31と上記グリース吸引室27とを結ぶ第1グリ
ース経路252が設けてある。また,この第1グリース
経路252には,上記第1グリース室31から上記グリ
ース吸引室27へ向かう上記グリース5の流動を防止す
る第1逆流防止弁253が設けてある。一方,上記保持
部26の内部には,上記第2グリース室41と上記グリ
ース吸引室27とを結ぶ第2グリース経路262が設け
てある。また,この第2グリース経路262には,上記
グリース吸引室27から上記第2グリース室41へ向か
う上記グリース5の流動を防止する第2逆流防止弁26
3が設けてある。
【0056】また,上記ボールスタッド2には,上記可
動部25と上記保持部26とが互いに反発し合う反発力
を発生させる反発具8が設けてある。上記ソケット3
は,上記反発力により上記可動部25から伝わる荷重を
受ける受け面321を有していると共に,該受け面32
1は,上記ボールスタッド2の回動中心Aからの距離R
が変化するよう形成されている(図8(b)参照)。
【0057】そして,上記ボールスタッド2の揺動Bに
伴い,上記可動部25と上記保持部26とが相対的に移
動することにより,上記グリース吸引室27の容積が増
加したときには,上記グリース5が,上記第2グリース
室41から上記第2グリース経路262を通って上記グ
リース吸引室27に流動する。一方,上記グリース吸引
室27の容積が減少したときには,上記グリース5が,
上記グリース吸引室27から上記第1グリース経路25
2を通って上記第1グリース室31に流動する。
【0058】以下に,これを詳説する。図7(a)に示
すごとく,上記ボールスタッド2は,上記保持部26の
接触面265がソケット3に対して対向しており,上記
油溝71は,上記接触面265において形成されてい
る。また,図7(b)に示すごとく,この油溝71は,
上記保持部26の接触面265に設ける代わりに,上記
ソケット3の接触面301に設けてあってもよい。
【0059】図8(a)に示すごとく,上記ボールスタ
ッド2は,上記球頭部21の球頭先端211側の一部を
分割し,分割した部分を上記可動部25に,球頭部21
の分割された残りと上記軸部22の部分とを上記保持部
26としている。上記可動部25には,保持部26の先
端平面部264に対向する鍔部254と,上記球頭先端
211側において曲面状に形成した先端突起部255と
が設けてある。また,上記可動部25と上記保持部26
とは,上記凸部251と上記凹部261との嵌入によっ
て,ピストン運動ができるようになっている。また,本
例におけるボールジョイント1は,上記可動部25と保
持部26とのピストン運動により,上記グリース5を上
記グリース吸引室27に吸引するポンプ機構を有してい
る。
【0060】なお,上記凸部251の摺動面257と凹
部261の摺動面267との間の隙間270は摺動が可
能な範囲でできるだけ小さくなっていることが好まし
い。これにより,上記グリース吸引室27に発生させる
吸引力を高めることができる。また,場合によっては,
上記隙間270に摺動用のパッキン等を設けてもよい。
また,上記可動部25が凸部251を,上記保持部26
が該凸部251を嵌入する凹部261を有している代わ
りに,上記保持部26が凸部251を,上記可動部25
1が該凸部251を嵌入する凹部261を有していても
よい。
【0061】上記反発具8は,磁石よりなり,それぞれ
極性が反対になるように,互いに対向する対向部である
上記鍔部254及び先端平面部264に配設している。
なお,この反発具8は,上記凸部251と凹部261と
の間のグリース吸引室27に配設してあってもよい。ま
た,反発具8は,上記鍔部254と先端平面部264と
の間に,あるいはグリース吸引室27における凸部25
1と凹部261との間に配設したスプリングであっても
よい。また,上記第1逆流防止弁253及び第2逆流防
止弁263の構造は,上記実施形態例1の逆流防止弁2
4の構造と同様である。
【0062】図8(b)に示すごとく,上記ソケット3
の上記受け面321は,上記ボールスタッド2の軸芯方
向Dbと上記ソケット3の軸芯方向Dsとを同一方向と
したときに,上記ボールスタッド2の回動中心Aからの
距離Rが最大となるように形成されている。このときの
距離Rを最大距離Rmaxとする。上記受け面321
は,上記ソケット3の蓋部32において形成されてお
り,この蓋部32は,ボールジョイント1の組付の際に
ソケット3にボールスタッド2を入れた後,該ボールス
タッド2が外れないように蓋をしている。
【0063】上記受け面321は,中心部322が凹状
の係合部になっており,上記反発具8による反発力によ
り,ボールスタッド2に負荷がかかっていないときに
は,可動部25の先端突起部255が上記中心部322
に係合するようになっている。上記ソケット3の受け面
321は,中心部322から外に向かうに従って,回転
中心Oからの距離Rが,上記最大距離Rmaxに比べて
短くなっている。そして,上記ボールスタッド2が揺動
Bをしたときには,最大距離Rmaxと距離Rとの差分
xが,上記可動部25が上記保持部26に対して相対的
に移動する距離になる。
【0064】なお,上記ボールスタッド2の軸芯方向D
bとソケット3の軸芯方向Dsとが同一になっている状
態,即ち,ボールスタッド2がソケット3に対して中央
位置にあるとき,可動部25と保持部26とが一番離れ
た状態にあり,上記グリース吸引室27の容積が最大に
なっている。そして,上記ボールスタッド2の軸芯方向
Dbとソケット3の軸芯方向Dsとがずれるに従って,
グリース吸引室27の容積が減少する。
【0065】本例におけるボールジョイント1は,上記
ボールスタッド2が揺動Bをしたときに,上記ダストカ
バー4内の上記第2グリース室41の容積が変化する場
合及び変化しない場合のどちらにも有効である。また,
上記ボールジョイント1は,上記第1グリース室31が
上記第2グリース室41に対して上方に位置するよう
に,即ち上記ボールスタッド2の軸部22を下方に向け
て配置している。その他は上記実施形態例1と同様であ
る。
【0066】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記ボールスタッド2には,上記反発具8が設けてある。
この反発具8により,上記可動部25と上記保持部26
とは互いに反発し合い,可動部25は,その上記先端突
起部255の接触表面256が受け面321に対して押
し付けられ,保持部26は,その上記接触面265がソ
ケット3に対して押し付けられている。そのため,ボー
ルスタッド2の球頭部21における可動部25及び保持
部26とソケット3との間の不要なガタツキを容易に減
少させることができ,ボールスタッド2がその回動中心
Aを中心にして滑らかに回動することができる。
【0067】上記グリース吸引室27の容積の変化は,
以下のようにして行われる。即ち,図6に示すごとく,
上記ボールスタッド2が中央位置から外側に向けて揺動
Bをするとき(ボールスタッド2の軸芯方向Dbとソケ
ット3の軸芯方向Dsとのずれが大きくなるように,ボ
ールスタッド2がソケット3に対して揺動Bをしたと
き)には,上記受け面321によって上記可動部25の
先端突起部255が押さえ付けられて,可動部25が保
持部26に対して相対的に移動して近づき,上記グリー
ス吸引室27の容積が減少する。
【0068】一方,図5に示すごとく,上記ボールスタ
ッド2が外側から中央位置に向けて揺動Bをするとき,
先端突起部255が上記反発具8による反発力によって
上記受け面321に接触し,可動部25が保持部26に
対して相対的に移動して遠ざかり,上記グリース吸引室
27の容積が増加する。このようにして,上記グリース
吸引室27の容積は変化することができる。
【0069】また,上記グリースの循環は,以下のよう
にして行われる。即ち,図6に示すごとく,上記ボール
スタッド2の揺動Bに伴い,上記グリース吸引室27の
容積が減少したときには,グリース吸引室27から上記
第2グリース室41へのグリース5の流動は,上記第2
逆流防止弁263によって阻止される。そのため,この
グリース5はグリース吸引室27から上記第1グリース
室31へと流動する。
【0070】そして,第1グリース室31にあるグリー
ス5の上記第1グリース経路252への流動は,上記第
1逆流防止弁253によって阻止される。そのため,こ
のグリース5は上記油溝71を通って上記第2グリース
室41へと流動する。なお,第1グリース室31にある
グリース5は,重力による落下によっても上記油溝71
を通って第2グリース室41へと流動する。
【0071】一方,図5に示すごとく,上記ボールスタ
ッド2の揺動Bに伴い,上記グリース吸引室27の容積
が増加したときには,該グリース吸引室27の圧力が減
少するため,該グリース吸引室27には吸引力が働く。
そして,このグリース吸引室27には,上記第1グリー
ス経路252又は上記第2グリース経路262からグリ
ース5が引き寄せられる。
【0072】このとき,このグリース5は,上記第1グ
リース室31からグリース吸引室27への流動が,上記
第1逆流防止弁253によって阻止される。そのため,
このグリース5は,上記第2グリース室41からグリー
ス吸引室27へと流動する。そして,グリース吸引室2
7へと流動したグリース5は,再度グリース吸引室27
の容積が減少したときに第1グリース室31へと流動す
る。
【0073】このようにして,上記グリース5は,第2
グリース室41からグリース吸引室27へ,グリース吸
引室27から第1グリース室31へ,第1グリース室3
1から上記油溝71を通って第2グリース室41へと流
動し,ボールジョイント1内を循環して流動することが
できる。そして,このグリース5の循環流動は,上記ボ
ールスタッド2が揺動Bをして,グリース吸引室27の
容積が変化する毎に何度でも行われる。
【0074】そのため,上記ボールジョイント1を,上
記第1グリース室31が上記第2グリース室41に対し
て上方に位置するように配置した場合でも,上記第2グ
リース室41におけるグリース5を上記油溝71に供給
することができる。そして,このグリース5を,該油溝
71から上記保持部26と上記ソケット3との間の間隙
73に供給して,上記ボールスタッド2の回動に伴う摩
擦抵抗を低減させるために使用することができる。それ
故,ボールジョイント1の内部のグリース5を有効に使
用することができ,上記ボールスタッド2は一層優れた
回動を行うことができる。
【0075】なお,上記グリース5の容量は,上記ボー
ルジョイント1の内部に形成されたグリース5が流れる
ことができる空間の全容積に対して,上記グリース吸引
室27の最大容積の分少なくなっていることが好まし
い。この場合,容易に上記グリース5の循環流動を行う
ことができる。
【0076】また,上記グリース5の循環流動により,
グリース5がボールジョイント1内に滞留することによ
って起こるグリース5の劣化を抑制することができる。
そのため,ボールジョイント1の耐久性が向上する。そ
の他,上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0077】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,グリー
スを有効に使用することができ,ボールスタッドの回動
に優れると共に,摩耗耐久性に優れるボールジョイント
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,揺動前のボールジョイ
ントを示す断面説明図。
【図2】実施形態例1における,揺動後のボールジョイ
ントを示す断面説明図。
【図3】実施形態例1における,図1のA−A矢視断面
図。
【図4】実施形態例1における,(a)逆流防止弁の構
造を示す断面説明図,(b)逆流防止弁の構造を示す側
面図,(c)他の逆流防止弁の構造を示す側面図。
【図5】実施形態例2における,揺動前のボールジョイ
ントを示す断面説明図。
【図6】実施形態例2における,揺動後のボールジョイ
ントを示す断面説明図。
【図7】実施形態例2における,(a)図5のA−A矢
視断面図,(b)ソケットに油溝を形成した場合の図5
のA−A矢視に相当する断面図。
【図8】実施形態例2における,(a)ボールスタッド
の可動部及び保持部を示す部分説明図,(b)ソケット
の受け面及び可動部の先端突起部を示す部分説明図。
【図9】従来例における,ボールジョイントを示す断面
説明図。
【符号の説明】
1...ボールジョイント, 2...ボールスタッド, 21...球頭部, 211...球頭先端, 22...軸部, 23...グリース経路, 24...逆流防止弁, 25...可動部, 251...凸部, 252...第1グリース経路, 253...第1逆流防止弁, 26...保持部, 261...凹部, 262...第2グリース経路, 263...第2逆流防止弁, 265...接触面, 27...グリース吸引室, 3...ソケット, 31...第1グリース室, 321...受け面, 4...ダストカバー, 41...第2グリース室, 5...グリース, 6...ボールシート, 71...油溝, 72...開放端部, 73...間隙, 8...反発具,

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球頭部及び軸部を有するボールスタッド
    と,上記球頭部を回動自在に支承するソケットと,該ソ
    ケットと上記ボールスタッドとの間の開放端部を覆うよ
    うにして,上記軸部と上記ソケットとの間に架け渡した
    ダストカバーとを有し,上記球頭部と上記ソケットとの
    間には,グリースを保持する第1グリース室を有してい
    ると共に,上記ダストカバーの内部には,上記グリース
    を保持する第2グリース室を有しており,上記球頭部又
    は上記ソケットの少なくともいずれか一方には,それら
    が互いに接触する接触面に,上記第1グリース室と上記
    第2グリース室とを連通する油溝が設けてあり,また,
    上記ボールスタッドの内部には,上記第1グリース室と
    上記第2グリース室とを連通するグリース経路が設けて
    あると共に,該グリース経路には,上記第1グリース室
    から上記第2グリース室へ向かう上記グリースの流動を
    防止する逆流防止弁が設けてあることを特徴とするボー
    ルジョイント。
  2. 【請求項2】 球頭部及び軸部を有するボールスタッド
    と,上記球頭部を回動自在に支承するソケットと,該ソ
    ケットと上記ボールスタッドとの間の開放端部を覆うよ
    うにして設けたダストカバーとを有し,上記球頭部と上
    記ソケットとの間には,グリースを保持する第1グリー
    ス室を有していると共に,上記ダストカバーの内部に
    は,上記グリースを保持する第2グリース室を有してお
    り,上記球頭部又は上記ソケットの少なくともいずれか
    一方には,それらが互いに接触する接触面に,上記第1
    グリース室と上記第2グリース室とを連通する油溝が設
    けてあり,上記ボールスタッドは,該球頭部の球頭先端
    側に設けた可動部と,該可動部を摺動可能に保持する保
    持部とからなると共に,上記可動部と上記保持部との間
    にはグリース吸引室が形成されており,上記可動部の内
    部には,上記第1グリース室と上記グリース吸引室とを
    結ぶ第1グリース経路が設けてあると共に,該第1グリ
    ース経路には,上記第1グリース室から上記グリース吸
    引室へ向かう上記グリースの流動を防止する第1逆流防
    止弁が設けてあり,一方,上記保持部の内部には,上記
    第2グリース室と上記グリース吸引室とを結ぶ第2グリ
    ース経路が設けてあると共に,該第2グリース経路に
    は,上記グリース吸引室から上記第2グリース室へ向か
    う上記グリースの流動を防止する第2逆流防止弁が設け
    てあり,また,上記ボールスタッドには,上記可動部と
    上記保持部とが互いに反発し合う反発力を発生させる反
    発具が設けてあり,上記ソケットは,上記反発力により
    上記可動部から伝わる荷重を受ける受け面を有している
    と共に,該受け面は,上記ボールスタッドの回動中心か
    らの距離が変化するよう形成されており,上記ボールス
    タッドの揺動に伴い,上記可動部と上記保持部とが相対
    的に移動することにより,上記グリース吸引室の容積が
    増加したときには,上記グリースが,上記第2グリース
    室から上記第2グリース経路を通って上記グリース吸引
    室に流動し,一方,上記グリース吸引室の容積が減少し
    たときには,上記グリースが,上記グリース吸引室から
    上記第1グリース経路を通って上記第1グリース室に流
    動するよう構成してあることを特徴とするボールジョイ
    ント。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記反発具は,上記
    可動部と上記保持部とが対向するそれぞれの対向部に設
    けた磁石,又は上記可動部と上記保持部との間に設けた
    スプリングであることを特徴とするボールジョイント。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において,上記可動部は
    凸部を,上記保持部は該凸部を嵌入する凹部を有してお
    り,上記グリース吸引室は,上記凸部と上記凹部との間
    に形成されていることを特徴とするボールジョイント。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3において,上記保持部は
    凸部を,上記可動部は該凸部を嵌入する凹部を有してお
    り,上記グリース吸引室は,上記凸部と上記凹部との間
    に形成されていることを特徴とするボールジョイント。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか一項において,
    上記ソケットの上記受け面は,上記ボールスタッドの軸
    芯方向と上記ソケットの軸芯方向とを同一方向としたと
    きに,上記ボールスタッドの回動中心からの距離が最大
    となるように形成されていることを特徴とするボールジ
    ョイント。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記ボールスタッドの上記球頭部と上記ソケットとの間
    には,樹脂製のボールシートを有しており,上記油溝
    は,上記球頭部と接触する当該ボールシートの接触面に
    形成されていることを特徴とするボールジョイント。
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