JP2002212560A - 高密度対抗微生物基礎材料の調製方法 - Google Patents

高密度対抗微生物基礎材料の調製方法

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JP2002212560A JP2001306579A JP2001306579A JP2002212560A JP 2002212560 A JP2002212560 A JP 2002212560A JP 2001306579 A JP2001306579 A JP 2001306579A JP 2001306579 A JP2001306579 A JP 2001306579A JP 2002212560 A JP2002212560 A JP 2002212560A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌環境を改善するために使用する、土壌微
生物相に対して強化した対抗作用を有する高密度の放線
菌と、細菌、糸状菌、および酵母を含む超高密度微生物
基礎材料の調製方法を提供する。 【解決手段】 米糠を主原料とする有機培地にストレプ
トマイセス属の放線菌、コリネバクテリウム属の細菌、
アスペルギルス属の糸状菌およびサッカロマイセス属の
酵母を主成分とする土壌微生物混合体を接種し、継代培
養により粗製菌を入手する段階;および得られた粗製菌
を火山岩鉱物の破砕土、配合栄養物および水からなる培
養培地に接種しこの培養物を所望の時間培養し、次いで
温度上昇に伴って適宣攪拌通気させる段階を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度対抗微生物
基礎材料の調製方法およびそれによって調製される高密
度対抗微生物基礎材料に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の土壌環境では、無数の微生物がこ
の環境を割拠し、土壌環境由来の有機物を養分として繁
殖を繰り返している。ここで、微生物は有機物を分解
し、分解物質から溶出される養分によって徐々に土壌の
腐敗、腐植を進め、土壌の生育力の保全が行われる。
【0003】土壌の生育力、即ち土壌の肥沃度(地力)
は、土壌が生きているか、または植物の生育に有効であ
るかと言う基準によって検証されることが多い。土壌中
に存在する有効な有機および/または無機物質は土壌微
生物によって分解または腐植し、融合溶解し、化学的、
生物的作用を受けて酸化重合若しくは収縮するが、これ
は「腐植化」と呼ばれる。腐植化がスムースかつ有効に
行われた土壌はその地力を向上する。地力の向上によっ
て、植物の生育、育種が健全且つ旺盛に行われ、自然環
境が維持、保全され、農業においては農産物および野菜
の収量や品質が向上し、病害虫被害が軽減し、そして連
作障害が防除、抑制される。
【0004】腐植化により生成される腐植物質はその構
成分子の外側に酸性基を持つ高分子電解質であり、腐植
物質がその酸性基の解離を伴う化学的作用により土壌を
浄化させる機能を持つことは既に知られている。
【0005】このような土壌は、物理的、化学的および
生物学的作用が互いに組み合わされて形成されるが、そ
の基本となるのが微生物による有機物の分解である。
【0006】近代化の後、合成肥料による農法が普及
し、農地への有機物投入も行われている。さらに、一作
物の連作、施設の普及などによる農業技術の進歩によ
り、収穫量が飛躍的に向上している。しかし、その反
面、土壌の肥沃度の低下が年々顕著となり、農薬への依
存度も増すことにより、連作障害圃場が増加し、収量、
品質の低下が近年騒がれるようになった。これらの問題
はすべて、土壌の生態系調和が崩れ、前記した微生物に
よる各種作用の低下が原因となっている。
【0007】健全な農業圃場と連作障害圃場とをB/F
値(放線菌/糸状菌の比率)で比較すると、健全圃場は
その数値が1000以上の数値を示し、連作障害圃場で
は500以下の数値を示し、連作障害の病状が大きいほ
ど糸状菌の繁殖率が高い。作物の土壌病害の約80%が
糸状菌を原因としていると云われている。また、収量、
品質について比較してもB/F数値が高いほど良好であ
ることを検証されている。ここにおいても、土壌微生物
の生物的作用が作物の収量、品質に大きな影響を及ぼし
ていることが理解される。
【0008】このように、化学合成肥料や農薬の継続的
な使用は、微生物相の調和を崩し、連作障害圃場を増大
させ、土壌肥沃度を低下させている。
【0009】さらに、我々を取り巻く環境汚染問題、社
会生活の食に対する安全性が問われている。この解決の
ため、有機栽培への関心が近年増加してきている。しか
し、有機栽培は、分解されない有機物の大量投入および
土壌生態系の崩壊に由来する、有機物分解過程で生成さ
れる硝酸窒素による地下水汚染、湖沼河川の富養化、植
物体内残留、などの新たな問題をもたらしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、土
壌環境を改善するための、土壌微生物相に対して対抗作
用(antagonistic activity)が増強されている放線
菌、糸状菌、細菌および酵母などを含む超高密度微生物
基礎材料を目的とし、そしてこのような超高密度微生物
基礎材料の調製方法を提供する。
【0011】本発明の他の目的は、前記方法によって調
製される高密度対抗微生物基礎材料を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明による高密度対抗微生物基礎材料の調製
方法は、(1)米糠を主原料とする有機培地にストレプ
トマイセス(Streptomyces)属の放線菌、
コリネバクテリウム(Corynebacteriu
m)属の細菌、アスペルギルス(Aspergillu
s)属の糸状菌および/またはサッカロマイセス(Sa
ccharomyces)属の酵母を主成分とする土壌
微生物混合体を接種し、継代培養により粗製菌を入手す
る段階;および(2)得られた粗製菌をさらに、火山岩
鉱物の破砕土、配合栄養物および水からなる培養培地に
接種し、この培養物を所望の時間培養し、次いで温度上
昇に伴って適宣攪拌通気させる段階を含む。
【0013】好ましくは、前記段階(1)での粗製菌の
培養を、温度25〜35℃、水分含量25〜30重量%
の条件下で1日複数回の攪拌を行いながら4〜5日間有
機培養することで行う。
【0014】好ましくは、前記段階(2)において粗製
菌を接種する培養培地は、火山岩鉱物の破砕土100重
量部に澱分などの配合栄養物10〜20重量部を加え、
さらに水分含量30〜40重量%程度に制御しながら、
それらを混合することによって調製される。
【0015】好ましくは、前記方法により調製される高
密度対抗微生物基礎材料は、前記段階(2)の後にさら
に顆粒化させる。
【0016】好ましくは、本発明方法により調製される
高密度対抗微生物基礎材料の最終的な水分含量は4〜5
重量%に制御する。このように水分含量を制御するに
は、基礎材料について前記顆粒化段階と共に順次水分を
蒸散させ、強制乾燥させる。
【0017】本発明による高密度対抗微生物基礎材料
は、米糠を主原料とする有機培地にストレプトマイセス
属の放線菌、コリネバクテリウム属の細菌、アスペルギ
ルス属の糸状菌およびサッカロマイセス属の酵母を主成
分とする土壌微生物混合体を接種し継代培養により粗製
菌を入手し;さらに、得られた粗製菌を火山岩鉱物の破
砕土、配合栄養物および水からなる培養培地に接種し、
この培養物を所望の時間培養し、次いで温度上昇に伴っ
て適宣攪拌通気させる方法により調製する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による高密度対抗微生物基
礎材料の調製方法は、(1)米糠を主原料とする有機培
地にストレプトマイセス属の放線菌、コリネバクテリウ
ム属の細菌、アスペルギルス属の糸状菌およびサッカロ
マイセス属の酵母を主成分とする土壌微生物混合体を接
種し、継代培養により粗製菌を入手する段階;および
(2)得られた粗製菌を火山岩鉱物の破砕土、配合栄養
物および水からなる培養培地に接種し、この培養物を所
望の時間培養し、次いで温度上昇に伴って適宣攪拌通気
させる段階を含む。
【0019】本発明による高密度対抗微生物基礎材料
は、上記方法によって調製されることを特徴とする。本
発明で使用される粗製菌は、土壌中から採取し選別培養
して得る。この粗製菌は、ストレプトマイセス属の放線
菌、細菌、糸状菌および酵母を含む。好ましくは、粗製
菌はストレプトマイセス属の放線菌、コリネバクテリウ
ム属の細菌、アスペルギルス属の糸状菌およびサッカロ
マイセス属の酵母を含む土壌微生物混合体であり、より
好ましくはストレプトマイセス グリセウス(S.Gr
iseus)放線菌、コリネバクテリウム アンモニゲ
ヌム(C.Ammonigenum)細菌、アスペルギ
ルス ベルシコロル(A.Versicolor)糸状
菌、およびサッカロマイセス セルビシアエ(Sac.
Cervisiae)酵母を含む土壌微生物混合体であ
る。
【0020】選別培養した粗製菌を有機培養で1次培養
し、火山岩鉱物の破砕土(好ましくは堆積土を含む火山
岩鉱物の破砕土)、配合栄養物および水を含む培養培地
で2次培養を行う。
【0021】前記段階(1)での粗製菌の培養を、温度
25〜35℃、具体的には25〜30℃にて、水分含量
25〜40重量%、具体的には25〜30重量%の条件
下で1日複数回の攪拌を行いながら4〜5日間有機培養
させることが好ましい。また、前記段階(2)で粗製菌
を接種させる培養培地は、火山岩鉱物の破砕土100重
量部に配合栄養物10〜20重量部を加え、さらに水分
含量30〜40重量%程度に制御しながら、それらを混
合することによって調製される。
【0022】本発明で用いられる火山岩鉱物の破砕土は
例えば、日本国長野県飯田盆地周辺で得られ、砂岩、粘
板岩などの円礫岩や安山岩礫を含む。その他の培養栄養
物、培養条件などはこの発明の属する技術分野で通常用
いられている方法による。
【0023】前記方法により調製される高密度対抗微生
物基礎材料は、通常の方法によってさらに顆粒化するこ
とが好ましい。また、本発明により調製される高密度対
抗微生物基礎材料の最終的な水分含量は4〜5重量%に
制御することが好ましい。この水分含量を得るために
は、前記顆粒化段階と共に順次水分を蒸散させ、強制乾
燥させる。
【0024】本発明による微生物基礎材料を調製する際
には、基礎材料に対する対抗微生物の吸着密度は、約1
11〜1012細胞/gとし、B/F値((放線菌数
+細菌数)÷糸状菌数)は10〜10レベルが確保
されるようにする。本発明の基礎材料は培養工程におい
て、対抗性の高い代謝産物の吸着維持も併せて可能にす
る。従って、本発明によって調製される高密度対抗微生
物基礎材料は、細菌性立ち枯れ病、ザリウム属凋枯症、
紋羽病、萎凋症などの土壌真菌に起因する作物の病害等
を速やかに防除することができる。
【0025】本発明によって調製される高密度対抗微生
物基礎材料は、単独で使用しても良いが、有機質肥料と
混用して散布するか、元肥と混用して土壌に施用するこ
とができる。また、有機配合肥料を調製する過程に混入
すると微生物による養分化が促進され、有機肥料の持続
性と速効性が向上され、追肥にも使用できる。使用量に
ついては対象土壌や作物の状況を考慮して決定施用すれ
ば良い。標準的な使用量は、全面散布の場合、20〜3
0kg/10aであり、育苗用培土に使用する場合は、
1m当たり約10〜15kgであり、ポット穴施用は
作物によって決定する。さらに、堆肥または農場肥料な
どの有機物を発酵させる場合は、通常10 〜15kg
/tである。なお、本発明の基礎材料を殺菌剤や殺真菌
薬と混用することは避けなければならない。
【0026】本発明による高密度対抗微生物基礎材料の
平均的な使用量および使用方法は下記表1の通りであ
る。
【0027】
【表1】
【0028】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものでな
い。
【0029】実施例1:粗製菌の継代培養 米糠を主原料とする有機培地に、放線菌(ストレプトマ
イセス グリセウス(S.Griseus))、細菌
(コリネバクテリウム アンモニゲヌム(C.Ammo
nigenum))、糸状菌(アスペルギルス ベルシ
コロル(A.Versicolor))および酵母(サ
ッカロマイセス セルビシアエ(Sac.Cervis
iae))を主成分とする土壌微生物混合体を接種し、
継代培養した。この際、粗製菌の続代培養の条件など
は、一般にこの分野で知られた方法に基づき、研究者に
よって実験室内で適宣に調節可能である。
【0030】前記継代培養した粗製菌(土壌微生物混合
体)の菌属と菌数は、本粗製菌をアルブミン寒天培地お
よびロズベンガル寒天培地で培養した後、測定した。顕
微鏡下で観察した結果、粗製菌の主要な菌名および希釈
平板法で計数した前記粗製菌の数は表2の通りである。
【0031】
【表2】
【0032】上記表2から分かるように、土壌微生物混
合体を継代培養した後、それぞれの菌数は、糸状菌10
〜10個、酵母10〜10個、放線菌10
10 個、細菌10〜10個の数値であった。
【0033】実施例2:粗製菌の2次培養 前記1次培養した粗製菌を、火山岩鉱物の破砕土、配合
栄養物および水からなる培養培地に接種し、一定の時間
培養した。前記火山岩鉱物の破砕土は堆積土を含んでお
り、長野県飯田盆地周辺で得たものである。これは砂
岩、粘板岩などの円礫岩や安山岩礫を含んでいる。財団
法人日本肥料検定協会によるこの火山岩鉱物の破砕土の
分析結果は以下の表3に示す通りである。
【0034】
【表3】
【0035】前記成分と同様の成分および組成のものす
べてを含んでいれば、他地域の火山岩鉱物の破砕土でも
本発明に使用できることは勿論である。また、前記火山
岩鉱物の破砕土には、当然ながら自然状態の放線菌や細
菌などの微生物が含まれている。
【0036】前記表3に示した組成を有する火山岩鉱物
の破砕土100kg、カニガラ粉2kg、米糠5kgお
よびモロコシ粉5kgを混合し、水分含量25重量%と
なるように水を加えて培養培地とした。この培地に、前
記培養した土壌微生物を接種し、攪拌し、28〜30℃
にて2次培養した。2次培養は、培地温度が30℃に達
するまでヒーターを用いて行い、発酵を促進させた。粉
粒個体培養においては培養過程での培養状況の測定が困
難であるため、経過時間と培養培地の温度変化から増殖
曲線を割り出した。
【0037】誘導期から対数期(増殖期)に入ると培養
培地の温度が急激に上昇したが、細胞分裂や胞子形成ま
たは代謝活性が行われる定常期を経て死滅期にいたる直
前の時期に攪拌通気することにより発熱過昇を防止し
た。同時に酸素補給およびガス抜きを行い併せて製造ロ
ット総体の均一化を図った。
【0038】攪拌作業および篩作業は同時に行うことが
できる。このように調製した培養物は以後顆粒化させる
ことが好ましく、これを通じて、増殖した培養物の深部
まで通気を図ることができ、また菌密度も上げることが
できる。さらに、前記方法によって増殖させた細胞また
は胞子を取り込むことができる。この操作を1日に2〜
3回何れも時間と温度推移曲線を監視し55℃をピーク
ポイントに制御する。
【0039】培養終了の後、生成した培養物をアルブミ
ン寒天培地で培養し、属性別菌数を計数した。その計数
方法は希釈平板法であり、得られた結果を以下の表4に
示す。
【0040】
【表4】 測定の結果、放線菌および細菌が、他の2つの属、糸状
菌および酵母に比べて顕著に増加していることが分かっ
た。
【0041】実施例3:培養物の乾燥 実施例2にて調製した培養物を3〜4日間順次水分蒸散
させ、次いで強制乾燥により最終水分含量4〜5重量%
にまで制御し、それを機密性の高い袋詰めに付した。こ
れにより微生物を休眠状態にして常温管理することがで
きる。従って、本発明の微生物基礎材料は安定状態で継
続的に調製することができ、さらに流通、保存の際の安
定性からも変質または劣化しない状態で本発明材料を供
給することができる。
【0042】実施例4:菌株コロニーの分離および同定 代表的菌株のコロニーを分離精製しその状態を調べるた
め、スライド培養を行って顕微鏡下で菌株コロニーの携
帯観察を行い、属の判定をした。得られた結果を表5〜
8に示す。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】本発明による高密度微生物基礎材料を種々
の圃場で施用した結果を以下に説明する。実験例1 愛媛県伊予市で胡瓜栽培に施用した結果 (条件) 1.栽培方法 ハウス施設栽培 2.ハウス面積 14.4m×190.8m=2,74
7.5m(832.58坪) 3.対照区 南側ハウス 4.処理区 北側ハウス 5.胡瓜種 シャープ1 6.実験方法 処理区ハウスに、本発明による高密度対抗微生物基礎材
料10kg、骨粉40kg、化学合成肥料20kgの混
合物を定植前に土壌灌注機を使用して2m間隔、深さ5
5cmに打ち込んだ。 (結果)得られた結果は、対照区に比べ、処理区の収穫
量は坪(9.9m)当たり20%増加し、対照区の収
穫が終了した後でも処理区ではさらに1ヶ月以上の収穫
が可能であった。
【0048】実験例2 長野県飯田市でホウレンソウのハウス栽培圃場で施用し
た結果 (条件) 1.品種 在来種 2.実験方法 本発明による高密度対抗微生物基礎材料
を1坪当たり1kgとして米糠1.8リットルと混合
し、それを散布し耕耘した。 (結果) 1.本発明による高密度対抗微生物基礎材料処理区で
は、根の長さは短いが、毛根の本数が多いホウレンソウ
が得られ、またクロロフィル量も大であり、1株当たり
の重量が多くしかも収量も多かった。 2.これに対し、無処理区では、根は長細く毛根の本数
が少なく、クロロフィル量も少なかった。葉数は、処理
区に比べ1本多いが、1株当たりの重量は少なく、収量
も少なかった。試験結果を表9に示す。
【0049】
【表9】
【0050】実験施3 長野県半田市での高密度対抗微生物基礎材料による水稲
育苗の実験結果 (条件) 1.品種 在来種 2.育苗方式 育苗ポット 3.実験方法 水50リットルに本発明高密度対抗微生物基礎材料1k
gを入れ、温度30℃で3時間酸素を入れながら攪拌
し、育苗箱に散布する。5日後10aに移植した。 (結果) 1.移植5日後、高密度対抗微生物基礎材料を処理した
苗は、株の長さ10cm、クロロフィル量は平均25.
8であった。 2.無処理区の苗は、根の長さ6cm、クロロフィルの
量は平均22.3であった。
【0051】実験例4 長野県南部のゴルフ場のフェアウェイに高密度対抗微生
物基礎材料による萎黄病(ラージパッチーー病因菌Rh
izoctonia・SP)に対する施用実験 (条件)高密度対抗微生物基礎材料を50g/m(4
0mに本基礎材料2kgを散布)の量で前記病害が発
生する箇所に、サイクロンで散布する。 (結果)毎年決まって発生する悪条件下の箇所であった
が、本発明の高密度対抗微生物基礎材料を散布した箇所
からの発病は見られず、また、本基礎材料の多量散布に
より弊害も発生しなかった、
【0052】実験例5 茨城県岩井市における露地栽培の白絹病に対する高密度
対抗微生物基礎材料による施用結果 (条件) 1.栽培方法 露地栽培 2.品種 長悦(長ネギ) 3.実験面積 330坪 4.本基礎材料使用量 20kg/330坪 5.使用方法 高密度対抗微生物基礎材料20kgを用い、油粕、魚
粉、骨粉、米糠、化学合成肥料と混合の自家製有機配合
肥料500kgを生産する。元肥として、自家製堆肥
(本基礎材料にて発酵させる)10t、農協有機肥料
(7−6−2−)100kg、上記自家製有機配合肥料
150kgを散布し、耕耘する。その後、45日間隔に
3回自家製有機配合肥料を110kg、100kg、5
0kgの量で追肥した。 (結果)その年は、全国的に降雨量が多く、収穫間近ま
で雨に悩まされたが、問題の白絹病の発生は激減し、出
荷率は97%を確保した。一本当たりの重量も前年比べ
20%位増え、品質も糖度14.2Lクラスが80%を
占める結果となった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって調
製された高密度対抗微生物基礎材料は、障害土壌に施用
することにより、対抗作用を向上させ、土壌の微生物相
の調和を図り、健全な土壌環境を修復し、有機物の養分
化促進ができる。さらに、本発明の基礎材料の油出液を
厨房単位で日常使用すれば、下水管や支流の中で高蛋白
な汚濁排水の浄化を進めながら流下させて湖沼河川など
の汚染を防止でき、また、この基礎材料を畜産廃棄物に
使用すれば、臭気の抑制と糞尿等の肥料としての再利用
が短期間で得ることができる。本発明によれば、このよ
うな利点を享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高密度対抗微生物基礎材料を障害土
壌に施用した場合の土壌の回復状態を、菌の増減値に従
って示すグラフである。
【図2】 本発明の高密度対抗微生物基礎材料を障害土
壌に施用した場合の放線菌による糸状菌の抑制状態を図
3とともに示す、生物の形態を表す図面に代わる写真で
ある。図2は、本発明による微生物基礎材料処理前であ
る。ここで、白い塊は糸状菌のコロニーを示し、薄白の
塊は、放線菌のコロニーを示す。
【図3】 本発明の高密度対抗微生物基礎材料を障害土
壌に施用した場合の放線菌による糸状菌の抑制状態を図
2とともに示す、生物の形態を表す図面に代わる写真で
ある。図3は、本発明による微生物基礎材料処理後であ
る。ここで、白い塊は糸状菌のコロニーを示し、薄白の
塊は、放線菌のコロニーを示す。図3から、本発明によ
る微生物基礎材料を障害土壌に処理すると、糸状菌のコ
ロニーは少なくなり、放線菌のコロニーが拡大している
ことが分かる。
【図4】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に含
まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代わ
るSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に
含まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代
わるSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に
含まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代
わるSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図12】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に
含まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代
わるSEM走査型電子顕微鏡写真である。
【図13】 本発明による高密度対抗微生物基礎材料に
含まれている放線菌を示す、生物の形態を表す図面に代
わるSEM走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/00 (C12N 1/00 P C12R 1:66) C12R 1:66) (C12N 1/00 (C12N 1/00 P C12R 1:85) C12R 1:85) (C12N 1/00 (C12N 1/00 P C12R 1:15) C12R 1:15) (C12N 1/00 (C12N 1/00 P C12R 1:465) C12R 1:465) C09K 101:00 C09K 101:00 Fターム(参考) 4B065 AA24X AA50X AA60X AA79X AA99X BA22 BB26 BC32 BC38 BC42 BD05 CA49 4H011 AA01 AA03 BA01 BB21 BC20 DA02 DD04 DF04 DG06 DG15 DH09 4H026 AA01 AA08 AA10 AB04 4H061 AA01 DD14 EE66 GG26 GG48 HH07 HH11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)米糠を主原料とする有機培地にス
    トレプトマイセス属の放線菌、コリネバクテリウム属の
    細菌、アスペルギルス属の糸状菌および/またはサッカ
    ロマイセス属の酵母を主成分とする土壌微生物混合体を
    接種し、継代培養により粗製菌を入手する段階;および
    (2)得られた粗製菌をさらに、火山岩鉱物の破砕土、
    配合栄養物および水からなる培養培地に接種し、この培
    養物を所望の時間培養し、次いで温度上昇に伴って適宣
    攪拌通気させる段階を含む、高密度対抗微生物基礎材料
    の調製方法。
  2. 【請求項2】 前記段階(1)の粗製菌の培養を、温度
    25〜35℃、水分含量25〜40重量%の条件下で1
    日複数回の攪拌を行いながら4〜5日間有機培養するこ
    とで行う、請求項1記載の調製方法。
  3. 【請求項3】 前記段階(2)の培養培地が、火山岩鉱
    物の破砕土100重量部に配合栄養物10〜20重量部
    を加え、さらに水分含量30〜40重量%に制御しなが
    ら、それらを混合することによって調製される、請求項
    1記載の調製方法。
  4. 【請求項4】 前記段階(2)の後に基礎材料の顆粒化
    段階をさらに含む、請求項1記載の調製方法。
  5. 【請求項5】 前記顆粒化段階を、基礎材料の水分を蒸
    散させ、強制乾燥することによって水分含量を4〜5重
    量%に制御する乾燥工程と共に行う、請求項4記載の調
    製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の方法によって調製される
    高密度対抗微生物基礎材料。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の方法によって調製される
    高密度対抗微生物基礎材料。
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