JP2002212391A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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JP2002212391A
JP2002212391A JP2000363102A JP2000363102A JP2002212391A JP 2002212391 A JP2002212391 A JP 2002212391A JP 2000363102 A JP2000363102 A JP 2000363102A JP 2000363102 A JP2000363102 A JP 2000363102A JP 2002212391 A JP2002212391 A JP 2002212391A
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epoxy resin
molding material
resin molding
sealing
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JP2000363102A
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Yoshihiro Takahashi
佳弘 高橋
Ryoichi Ikezawa
良一 池沢
Takayuki Akimoto
孝幸 秋元
Mitsuo Katayose
光雄 片寄
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノンハロゲンかつノンアンチモンで、成形性、
耐リフロー性、耐湿性、及び高温放置特性等の信頼性を
低下させずに難燃性が良好な封止用エポキシ樹脂材料、
及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提
供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、(E)複合金属
水酸化物及び(F)赤リンを必須成分とする封止用エポ
キシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材
料により封止された素子を備えた電子部品装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止用エポキシ樹
脂成形材料、特に環境対応の観点から要求されるノンハ
ロゲンかつノンアンチモンで難燃性の封止用エポキシ樹
脂成形材料で、厳しい信頼性を要求されるVLSIの封
止用に好適な成形材料及びこの成形材料で封止した素子
を備えた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC等の電子
部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面か
ら樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く
用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電
気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との
接着性などの諸特性にバランスがとれているためであ
る。これらの封止用エポキシ樹脂成形材料の難燃化は主
にテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル等のブロム化樹脂と酸化アンチモンの組合せにより行
われている。近年、環境保護の観点からダイオキシン問
題に端を発し、デカブロムをはじめとするハロゲン化樹
脂やアンチモン化合物に量規制の動きがあり、封止用エ
ポキシ樹脂成形材料についてもノンハロゲン化(ノンブ
ロム化)及びノンアンチモン化の要求が出てきている。
また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロム化
合物が悪影響を及ぼすことが知られており、この観点か
らもブロム化樹脂量の低減が望まれている。そこで、ブ
ロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成す
る手法としては、赤リンを用いる方法(特開平9−22
7765号公報)、リン酸エステル化合物を用いる方法
(特開平9−235449号公報)、ホスファゼン化合
物を用いる方法(特開平8−225714号公報)、金
属水酸化物を用いる方法(特開平9−241483号公
報)、金属水酸化物と金属酸化物を併用する方法(特開
平9−100337号公報)、フェロセン等のシクロペ
ンタジエニル化合物を用いる方法(特開平11-269
349号公報)、アセチルアセトナート銅等の有機金属
化合物を用いる方法(加藤寛、機能材料、11(6)、
34(1991))などのハロゲン、アンチモン以外の
難燃剤を用いる方法、充填剤の割合を高くする方法(特
開平7−82343号公報)等が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、封止用
エポキシ樹脂成形材料に赤リンを用いた場合は耐湿性の
低下の問題、リン酸エステル化合物やホスファゼン化合
物を用いた場合は可塑化による成形性の低下や耐湿性の
低下の問題、金属水酸化物や金属酸化物を用いた場合
や、充填剤の割合を高くした場合は流動性の低下の問題
がそれぞれある。また、アセチルアセトナート銅等の有
機金属化合物を用いた場合は、硬化反応を阻害し成形性
が低下する問題がある。以上のようにこれらノンハロゲ
ン、ノンアンチモン系の難燃剤では、いずれの場合もブ
ロム化樹脂と酸化アンチモンを併用した封止用エポキシ
樹脂成形材料と同等の成形性、信頼性を得るに至ってい
ない。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、ノン
ハロゲンかつノンアンチモンで、成形性、耐リフロー
性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性を低下させずに
難燃性が良好な封止用エポキシ樹脂材料、及びこれによ
り封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、複合金属水酸
化物及び赤リンを配合した封止用エポキシ樹脂成形材料
により上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は(1)(A)エポキシ
樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充
填剤、(E)複合金属水酸化物及び(F)赤リンを必須
成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料、(2)(E)
複合金属水酸化物が下記組成式(I)で示される化合物
である上記(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化2】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。) (3)組成式(I)中のM1とM2が同一とならないよう
にM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金
属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及
びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜II
B族の遷移金属元素から選ばれる上記(2)記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料、(4)組成式(I)中のM1
とM2が同一とならないようにM1がマグネシウム、カル
シウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、
ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバル
ト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれる上記(3)記載
の封止用エポキシ樹脂成形材料、(5)組成式(I)中
のM1がマグネシウムで、M2が亜鉛又はニッケルである
上記(4)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(6)
組成式(I)中のm及びnのモル比m/nが99/1〜
50/50である上記(2)〜(5)のいずれかに記載
の封止用エポキシ樹脂成形材料、(7)(F)赤リンが
熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材
料、(8)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、フェノール樹
脂及びメラミン樹脂の少なくとも1種である上記(7)
記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(9)(F)赤リ
ンが無機化合物及び有機化合物で被覆された赤リンであ
る上記(1)〜(6)いずれかに記載の封止用エポキシ
樹脂成形材料、(10)有機化合物がエポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂及びメラミン樹脂の少なくとも1種である
上記(9)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(1
1)無機化合物が水酸化アルミニウム及び/又は酸化亜
鉛である上記(9)又は(10)記載の封止用エポキシ
樹脂成形材料、(12)(A)エポキシ樹脂がビフェニ
ル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原
子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシ
クロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキ
シ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なく
とも1種を含有する上記(1)〜(11)のいずれかに
記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(13)(B)硬
化剤がビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェ
ノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、
トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型
フェノール樹脂の少なくとも1種を含有する上記(1)
〜(12)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
材料、(14)(C)硬化促進剤がホスフィン化合物と
キノン化合物との付加物及び/又はシクロアミジン化合
物とフェノール樹脂との付加物を含有する上記(1)〜
(13)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材
料、(15)(C)硬化促進剤が第三ホスフィン化合物
を含有し、キノン化合物をさらに含有する上記(1)〜
(13)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材
料、及び(16)(G)イオントラップ剤をさらに含有
する上記(1)〜(15)のいずれかに記載の封止用エ
ポキシ樹脂成形材料、並びに(17)上記(1)〜(1
6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で
封止された素子を備えた電子部品装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に
使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を
有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/
又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合
物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボ
ラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又
は非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテル、ス
チルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹
脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸
等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得ら
れるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナ
フタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラル
キル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル
型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレ
フィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂
肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有
エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても
2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、耐リ
フロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、スチ
ルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が
好ましく、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹
脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の
観点からはナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニル
メタン型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹
脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0007】ビフェニル型エポキシ樹脂としてはたとえ
ば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂等が挙げら
れ、スチルベン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一
般式(III)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、硫
黄原子含有エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式
(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化3】 (ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同
一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。)
【化4】 (ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同
一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。)
【化5】 (ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素
数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一
でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。) 上記一般式(II)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂
としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラ
メチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピク
ロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−
(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールと
を反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。な
かでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成
分とするエポキシ樹脂が好ましい。上記一般式(III)
で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるス
チルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基
性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料
であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3
−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,
5′−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,
4′−ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチルスチ
ルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’
−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチル
ベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブ
チル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、な
かでも3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−
3′,5,5′−トリメチルスチルベン、及び4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルス
チルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール
類は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。上記一般式(IV)で示される硫黄原子含有エポキシ
樹脂のなかでも、R1〜R8が水素原子、置換又は非置換
の炭素数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭
素数1〜10のアルコキシ基から選ばれるエポキシ樹脂
が好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、
2、R3、R6及びR7がアルキル基であるエポキシ樹脂
がより好ましく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、
2及びR7がメチル基で、R3及びR6がt−ブチル基で
あるエポキシ樹脂がさらに好ましい。このような化合物
としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製)等が
市販品として入手可能である。これらのエポキシ樹脂は
いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用
いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するため
にエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上と
することが好ましく、30重量%以上がより好ましく、
50重量%以上とすることがさらに好ましい。
【0008】ノボラック型エポキシ樹脂としては、たと
えば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げ
られる。
【化6】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の
整数を示す。) 上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂
は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリン
を反応させることによって容易に得られる。なかでも、
一般式(V)中のRとしては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等
の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のア
ルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより
好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式
(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかで
も、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ま
しい。ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その
配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量
に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重
量%以上がより好ましい。
【0009】ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とし
ては、たとえば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹
脂等が挙げられる。
【化7】 (ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の
置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立し
て選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整
数を示す。) 上記式(VI)中のR1としては、たとえば、水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロ
ピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリ
ル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキ
ル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アル
キル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の
炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等
のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水
素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル
基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン
化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基
置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換
の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好
ましい。ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用す
る場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポ
キシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ま
しく、30重量%以上がより好ましい。
【0010】ナフタレン型エポキシ樹脂としてはたとえ
ば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げ
られ、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としてはたと
えば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げ
られる。下記一般式(VII)で示されるナフタレン型エ
ポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単
位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互
共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブ
ロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単
独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、下記一般式(VIII)で示されるトリフェニルメタ
ン型エポキシ樹脂としては特に制限はないが、サリチル
アルデヒド型エポキシ樹脂が好ましい。
【化8】 (ここで、R1〜R3は水素原子及び置換又は非置換の炭
素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、それぞれ
全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、
l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)
が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数と
なるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整
数、kは0〜4の整数を示す。)
【化9】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の
整数を示す。) これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても
両者を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その
性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせ
て20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以
上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに
好ましい。
【0011】上記のビフェニル型エポキシ樹脂、スチル
ベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメ
タン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても
2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量はエ
ポキシ樹脂全量に対して合わせて50重量%以上とする
ことが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80
重量%以上がさらに好ましい。
【0012】本発明において用いられる(B)硬化剤
は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されてい
るもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、ク
レゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフ
ェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、
β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトー
ル類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチル
アルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触
媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェ
ノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジ
メトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフ
ェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナ
フトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール
樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペ
ンタジエンから共重合により合成される、ジクロペンタ
ジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラ
ック樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テ
ルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。な
かでも、難燃性の観点からはビフェニル型フェノール樹
脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からはア
ラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点
からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好まし
く、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフ
ェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観
点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これ
らのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有しているこ
とが好ましい。
【0013】ビフェニル型フェノール樹脂としては、た
とえば下記一般式(IX)で示されるフェノール樹脂等が挙
げられる。
【化10】 上記式(IX)中のR1〜Rは全てが同一でも異なってい
てもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素
数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキ
シル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数
6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル
基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なか
でも水素原子とメチル基が好ましい。nは0〜10の整
数を示す。上記一般式(IX)で示されるビフェニル型フェ
ノール樹脂としては、たとえばR 1〜Rが全て水素原
子である化合物等が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点
から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体
の混合物が好ましい。このような化合物としては、ME
H−7851(明和化成株式会社製商品名)が市販品と
して入手可能である。ビフェニル型フェノール樹脂を使
用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために
硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好まし
く、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上が
さらに好ましい。
【0014】アラルキル型フェノール樹脂としては、た
とえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラ
ルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(X)で示されるフ
ェノール・アラルキル樹脂が好ましく、一般式(X)中の
Rが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール
・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p
−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシ
リレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げられる。
これらのアラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、そ
の配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対
して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%
以上がより好ましい。
【化11】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の
整数を示す。)
【0015】ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂と
しては、たとえば下記一般式(XI)で示されるフェノール
樹脂等が挙げられる。
【化12】 (ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の
置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立し
て選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整
数を示す。) ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、
その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に
対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量
%以上がより好ましい。
【0016】トリフェニルメタン型フェノール樹脂とし
ては、たとえば下記一般式(XII)で示されるフェノール
樹脂等が挙げられる。下記一般式(XII)で示されるト
リフェニルメタン型フェノール樹脂としては特に制限は
ないが、たとえば、サリチルアルデヒド型フェノール樹
脂、o−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹
脂、m−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹脂
等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上
を組合わせて用いてもよい。なかでもサリチルアルデヒ
ド型フェノール樹脂が好ましい。
【化13】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の
整数を示す。) トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、そ
の配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対
して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%
以上がより好ましい。
【0017】ノボラック型フェノール樹脂としては、た
とえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられ、なか
でもフェノールノボラック樹脂が好ましい。ノボラック
型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性
能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上
とすることが好ましく、50重量%以上がより好まし
い。
【0018】上記のビフェニル型フェノール樹脂、アラ
ルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェ
ノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及び
ノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で
用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配
合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とす
ることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0019】(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当
量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対す
る硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポ
キシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、そ
れぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範
囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより
好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポ
キシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲
に設定されることがさらに好ましい。
【0020】本発明において用いられる(C)硬化促進
剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されて
いるもので特に制限はないが、たとえば、1,8−ジア
ザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−
ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5、6−ジブ
チルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの
化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,
5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメ
チルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、
2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノ
ン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェ
ニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾ
フェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合
物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジル
ジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミ
ノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこ
れらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニ
ルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−
メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、
フェニルホスフィン等のホスフィン化合物及びこれらの
ホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合
物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合
をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化
合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレー
ト、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニ
ルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレ
ート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体な
どが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み
合わせて用いてもよい。なかでも、硬化性及び流動性の
観点からは、ホスフィン化合物及びホスフィン化合物と
キノン化合物との付加物が好ましく、トリフェニルホス
フィン等の第三ホスフィン化合物及びトリフェニルホス
フィンとキノン化合物との付加物がより好ましい。第三
ホスフィン化合物を用いる場合にはキノン化合物をさら
に含有することが好ましい。また、保存安定性の観点か
らは、シクロアミジン化合物とフェノール樹脂との付加
物が好ましく、ジアザビシクロウンデセンのフェノール
ノボラック樹脂塩がより好ましい。
【0021】(C)成分の硬化促進剤の配合量は、硬化
促進効果が達成される量であれば特に制限されるもので
はないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.0
05〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%が
より好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬
化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が
速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向があ
る。
【0022】本発明において用いられる(D)無機充填
剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度
向上のために成形材料に配合されるものであり、たとえ
ば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪
酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭
化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリ
ア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタ
イト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこ
れらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、
これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いて
もよい。なかでも、線膨張係数低減の観点からは溶融シ
リカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、
充填剤形状は成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球
形が好ましい。 (D)無機充填剤の配合量は、難燃性、成形性、吸湿
性、線膨張係数低減及び強度向上の観点から、封止用エ
ポキシ樹脂成形材料に対して60重量%以上が好まし
く、70〜95重量%がより好ましく、75〜92重量
%がさらに好ましい。60重量%未満では難燃性及び耐
リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超える
と流動性が不足する傾向がある。
【0023】本発明において用いられる(E)複合金属
水酸化物は難燃剤として作用するもので、本発明の効果
が得られれば特に制限はないが、下記組成式(I)で示
される化合物が好ましい。
【化14】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。) 上記組成式(I)中のM1及びM2は互いに異なる金属元
素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、M
1とM2が同一とならないようにM1が第3周期の金属元
素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、
VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素
から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選
ばれることが好ましく、M1がマグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M 2が鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。
流動性の観点からは、M1がマグネシウム、M2が亜鉛又
はニッケルであることが好ましく、M1がマグネシウム
でM2が亜鉛であることがより好ましい。m及びnのモ
ル比は本発明の効果が得られれば特に制限はないが、m
/nが99/1〜50/50であることが好ましい。な
お、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素を
B亜族とする長周期型の周期率表(出典:共立出版株式
会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版
第30刷)に基づいて行った。
【0024】(E)複合金属水酸化物の形状は特に制限
はないが、流動性の観点からは、平板状より、適度の厚
みを有する多面体形状が好ましい。複合金属水酸化物
は、金属水酸化物と比較して多面体状の結晶が得られや
すい。 (E)複合金属水酸化物の配合量は特に制限はないが、
封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.5〜20重量
%が好ましく、0.7〜15重量%がより好ましく、
1.4〜12重量%がさらに好ましい。0.5重量%未
満では難燃性が不十分となる傾向があり、20重量%を
超えると流動性及び耐リフロー性が低下する傾向があ
る。
【0025】本発明において用いられる(F)赤リンは
難燃剤として作用するもので、本発明の効果が得られれ
ば特に制限はないが、熱硬化性樹脂で被覆された赤リ
ン、無機化合物及び有機化合物で被覆された赤リン等の
被覆赤リンが好ましい。熱硬化性樹脂で被覆された赤リ
ンに用いられる熱硬化性樹脂としては特に制限はない
が、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂、シアナート樹脂、尿素−ホルマ
リン樹脂、アニリン−ホルマリン樹脂、フラン樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂
等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上
組み合わせて用いてもよい。また、これらの樹脂のモノ
マー又はオリゴマーを用いて被覆と重合を同時に行い、
重合によって製造された熱硬化樹脂が被覆されるもので
もよく、熱硬化性樹脂は、被覆後に硬化されていてもよ
い。なかでも、封止用エポキシ樹脂成形材料に配合され
るベース樹脂との相溶性の観点からは、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂及びメラミン樹脂が好ましい。無機化合
物及び有機化合物で被覆された赤リンに用いられる無機
化合物としては特に制限はないが、たとえば、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、水酸化ビスマス、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化ニッケル、酸化鉄等が挙げられ、これらの1種
を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
なかでも、リン酸イオン補足効果に優れる水酸化アルミ
ニウム及び酸化亜鉛が好ましい。また、無機化合物及び
有機化合物で被覆された赤リンに用いられる有機化合物
としては特に制限はないが、たとえば、カップリング剤
やキレート剤など表面処理に用いられる低分子量の化合
物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の比較的高分子量の
化合物などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても
2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、被覆効
果の観点から熱硬化性樹脂が好ましく、封止用エポキシ
樹脂成形材料に配合されるベース樹脂との相溶性の観点
からエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂が
より好ましい。
【0026】赤リンを無機化合物及び有機化合物で被覆
する場合、その被覆処理の順序は特に制限はなく、無機
化合物で被覆した後に有機化合物で被覆しても、有機化
合物で被覆した後に無機化合物で被覆しても、両者の混
合物を用いて両者を同時に被覆してもよい。また、被覆
形態は特に制限はなく、物理的に吸着したものでも、化
学的に結合したものでも、その他の形態であってもよ
い。また、無機化合物と有機化合物は、被覆後に別個に
存在していても、両者の一部又は全部が結合した状態で
あってもよい。無機化合物及び有機化合物の量は、本発
明の効果が得られれば特に制限はないが、無機化合物と
有機化合物の重量比(無機化合物/有機化合物)は、1
/99〜99/1が好ましく、10/90〜95/5が
より好ましく、30/70〜90/10がさらに好まし
く、このような重量比となるように無機化合物及び有機
化合物又はその原料となるモノマー、オリゴマーの使用
量を調整することが好ましい。熱硬化性樹脂で被覆され
た赤リン、無機化合物及び有機化合物で被覆された赤リ
ン等の被覆赤リンの製造方法は特に制限はなく、たとえ
ば、特開昭62−21704号公報、特開昭52−13
1695号公報等に記載された公知の被覆方法を用いる
ことができる。また、被覆膜の厚さは本発明の効果が得
られれば特に制限はなく、被覆は、赤リン表面に均一に
被覆されたものでも、不均一であってもよい。
【0027】(F)赤リンの粒径は本発明の効果が得ら
れれば特に制限はないが、平均粒径(粒度分布で累積5
0重量%となる粒径)が10〜100μmが好ましく、
15〜70μmがより好ましい。平均粒径が10μm未
満では、成形品のリン酸イオン濃度が高くなって耐湿性
に劣る傾向があり、100μmを超えると、狭いパッド
ピッチの高集積・高密度化半導体装置の用いた場合、ワ
イヤの変形、短絡、切断等による不良が生じやすくなる
傾向がある。 (F)赤リンの配合量は本発明の効果が得られれば特に
制限はないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して
0.01〜3重量%でが好ましく、0.03〜2重量%
がより好ましく、0.05〜1.5重量%がさらに好ま
しい。配合量が0.01重量%未満では難燃性が不十分
となる傾向があり、3重量%を超えると耐湿性が低下す
る傾向がある。
【0028】(F)赤リンの配合順序は特に制限はな
く、その他の配合成分全てと同時に配合しても、一部の
配合成分と予め混合してから配合してもよい。(F)赤
リンの着火性低減の観点からは、(E)複合金属水酸化
物と(F)赤リンとを予め混合したものを用いることが
好ましく、硬化剤として用いるフェノール樹脂の一部又
は全部、若しくは硬化剤以外のフェノール樹脂と(E)
複合金属水酸化物及び(F)赤リンを予め混合したもの
を用いてもよい。
【0029】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、(E)複合金属水酸化物及び(F)赤リンに加えて
従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を必
要に応じて配合することができる。たとえば、リン酸エ
ステル等のリン化合物、メラミン、メラミン誘導体、メ
ラミン変性フェノール樹脂、トリアジン環を有する化合
物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素
含有化合物、シクロホスファゼン等のリン及び窒素含有
化合物、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化
モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニ
ル鉄等の金属元素を含む化合物などが挙げられ、これら
の1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いても
よい。
【0030】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、IC等の半導体素子の耐湿性及び高温放置特性を向
上させる観点から、必要に応じて(G)イオントラップ
剤をさらに配合することができる。(G)イオントラッ
プ剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いる
ことができるが、たとえば、ハイドロタルサイト類や、
マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及
びビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げら
れ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。なかでも、下記組成式(XIII)で示されるハ
イドロタルサイトが好ましい。
【化15】 Mg1-XAlX(OH)2(CO3X/2・mH2O ……(XIII) (0<X≦0.5、mは正の数) (G)イオントラップ剤の配合量は、ハロゲンイオンな
どの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はな
いが、成形性、耐湿性及び高温放置特性の観点から、
(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ま
しく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜5重量
%がさらに好ましい。
【0031】また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材
料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるため
に、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラ
ン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、
ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合
物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニ
ウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加すること
ができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメト
キシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピ
ル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリル
イソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング
剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミ
ノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデ
シルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピ
ルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピ
ルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチ
タネート系カップリング剤などが挙げられ、これらを単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上
記カップリング剤の配合量は、(D)成分の無機充填剤
に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、
0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%
未満ではフレームとの接着性が低下する傾向があり、5
重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向が
ある。
【0032】さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形
材料には、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高級脂
肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワ
ックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型剤、
カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリ
コーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合
することができる。
【0033】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に含
まれるリン酸イオン濃度は、耐湿性の観点から、成形後
に500ppm以下であることが好ましい。すなわち封
止用エポキシ樹脂成形材料の成形品のリン酸イオン濃度
が500ppm以下であることが好ましく、200pp
m以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ま
しい。リン酸イオン濃度の測定は、封止用エポキシ樹脂
成形材料を成形した成形品を純粋な水好ましくは電気伝
導率2μS/cm以下の蒸留水又はイオン交換水に浸漬
して、リン酸イオン(PO4 3-)の量が飽和するまで抽出
して定量する。定量方法としては、イオンクロマトグラ
ムによって定量する方法、リン酸イオン(PO4 3-)と反
応して沈殿を発生する化合物を加えて、沈殿物の重量か
ら定量する方法等の公知の方法が使用できる。湿度管理
がなされない屋外等で使用される電子機器、車載機器等
に適用する場合は、リン酸イオン濃度がさらに低いこと
が好ましく、80ppm以下が特に好ましい。本発明に
おいては、必須成分として用いられる(A)エポキシ樹
脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)無機充填
剤及び(E)酸化亜鉛及び熱硬化性樹脂で被覆された赤
リン、並びに必要に応じて配合される(G)イオントラ
ップ剤、(E)複合金属水酸化物及びその他の添加剤と
して用いる成分の組み合わせ及び配合量を調整すること
によって、成形品のリン酸イオン濃度が500ppm以
下である封止用エポキシ樹脂成形材料を得ることができ
る。特に(E)酸化亜鉛及び熱硬化性樹脂で被覆された
赤リン、(G)イオントラップ剤、(E)複合金属水酸
化物及びその他の添加剤として配合される難燃剤の選定
とその組合わせ、これらの配合量が重要である。成形性
の観点からは、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
含まれるリン酸イオン以外の不純物イオンの量も少ない
方が好ましく、塩素イオン及びナトリウムイオンの濃度
がそれぞれ500ppm以下がより好ましい。これらの
不純物イオン量の低減には、(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤、(E)酸化亜鉛及び熱硬化性樹脂で被覆
された赤リン、(G)イオントラップ剤、(E)複合金
属水酸化物及びその他の添加剤として配合される難燃剤
等の選定とその組合わせ、これらの配合量が特に重要で
ある。
【0034】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、
各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかな
る手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、
所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合し
た後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し
た後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形
条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使
いやすい。
【0035】本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形
材料により封止した素子を備えた電子部品装置として
は、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線
板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チ
ップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動
素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素
子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂
成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。
このような電子部品装置としては、たとえば、リードフ
レーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等
の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバン
プで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料
を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DI
P(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leade
d Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、S
OP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outli
ne J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline
Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の
一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接
続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成
形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配
線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディン
グ、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した
半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ
等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等
の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で
封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブ
リッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接
続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、
バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板
に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキ
シ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Ar
ray)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられ
る。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ
樹脂成形材料は有効に使用できる。
【0036】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用
いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成
形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、
圧縮成形法等を用いてもよい。
【0037】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】実施例1〜2、比較例1〜5 エポキシ樹脂としてエポキシ当量192、融点105℃
のビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1:油化シ
ェルエポキシ株式会社製商品名エピコートYX−400
0H)、エポキシ当量210、軟化点130℃のスチル
ベン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2:住友化学工業株
式会社製商品名ESLV−210)、エポキシ当量19
5、軟化点65℃のo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポキシ樹脂3:住友化学工業株式会社製商品
名ESCN−190)、硬化剤として水酸基当量17
2、軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(硬化
剤1:三井化学株式会社製商品名ミレックスXL−22
5)、水酸基当量199、軟化点80℃のビフェニル型
フェノール樹脂(硬化剤2:明和化成株式会社製商品名
MEH−7851)、硬化促進剤としてトリフェニルホ
スフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進
剤1)、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノ
ンとの混合物(硬化促進剤2、トリフェニルホスフィン
/1,4−ベンゾキノンのモル比1/1.2)、無機充
填剤として平均粒子径17.5μm、比表面積3.8m
2/gの球状溶融シリカ、複合金属水酸化物として下記
組成式(I)中のM1がマグネシウム、M2が亜鉛で、m
が0.8、nが0.2、lが1で、a、b、c及びdが1で
ある水酸化マグネシウム・亜鉛固溶体(タテホ化学工業
株式会社製商品名エコーマグZ10)、赤リンとして熱
硬化性樹脂で被覆された赤リン(赤リン1:燐化学工業
株式会社製商品名ノーバレッド120)、水酸化アルミ
ニウム及び熱硬化性樹脂で被覆された赤リン(赤リン
2:燐化学工業株式会社製商品名ノーバエクセル14
0)、その他の難燃剤として水酸化マグネシウム(協和
化学工業株式会社製商品名キスマ5A)、メラミン(三
菱化学株式会社製)、三酸化アンチモン及びエポキシ当
量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフ
ェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式
会社製商品名ESB−400T)、イオントラップ剤と
してハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製商品
名DHT−4A)、その他の添加剤としてエポキシシラ
ンカップリング剤(信越化学工業株式会社製商品名KB
M403)、カルナバワックス(クラリアント社製)及
びカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−
100)をそれぞれ表1に示す重量部で配合し、混練温
度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、
実施例1〜2及び比較例1〜5の封止用エポキシ樹脂成
形材料を作製した。
【化16】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I)
【0039】
【表1】
【0040】作製した実施例及び比較例の封止用エポキ
シ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。結果を
表2に示す。なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形
は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成
形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。
また、後硬化は180℃で5時間行った。 (1)難燃性 厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を用いて、
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形して後硬
化を行い、UL−94試験法に従って難燃性を評価し
た。 (2)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で
成形し、流動距離(cm)を求めた。 (3)熱時硬度 封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm
×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型
硬度計を用いて測定した。 (4)耐リフロー性 8mm×10mm×0.4mmのシリコーンチップを搭
載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピン
フラットパッケージ(QFP)を、封止用エポキシ樹脂
成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製し、
85℃、85%RHの条件で加湿して所定時間毎に24
0℃、10秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの
有無を観察し、試験パッケージ数(5)に対するクラッ
ク発生パッケージ数で評価した。 (5)耐湿性 5μm厚の酸化膜上に線幅10μm、厚さ1μmのアル
ミ配線を施した6mm×6mm×0.4mmのテスト用
シリコーンチップを搭載した外形寸法20mm×14m
m×2.7mmの80ピンフラットパッケージ(QF
P)を、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件
で成形、後硬化して作製し、前処理を行った後、加湿し
て所定時間毎にアルミ配線腐食による断線不良を調べ、
試験パッケージ数(10)に対する不良パッケージ数で
評価した。なお、前処理は85℃、85%RH、72時
間の条件でフラットパッケージを加湿後、215℃、9
0秒間のベーパーフェーズリフロー処理を行った。その
後の加湿は0.2MPa、121℃の条件で行った。 (6)高温放置特性 5μm厚の酸化膜上に線幅10μm、厚さ1μmのアル
ミ配線を施した5mm×9mm×0.4mmのテスト用
シリコーンチップを、部分銀メッキを施した42アロイ
のリードフレーム上に銀ペーストを用いて搭載し、サー
モニック型ワイヤボンダにより、200℃でチップのボ
ンディングパッドとインナリードをAu線にて接続した
16ピン型DIP(Dual Inline Package)を、封止用
エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化
して作製して、200℃の高温槽中に保管し、所定時間
毎に取り出して導通試験を行い、試験パッケージ数(1
0)に対する導通不良パッケージ数で、高温放置特性を
評価した。
【0041】
【表2】
【0042】本発明における(E)複合金属水酸化物及
び(F)赤リンのいずれかを含まない比較例1〜4では
いずれも耐リフロー性に劣り、ブロム化エポキシ樹脂及
びアンチモン化合物を用いた比較例5は高温放置特性に
劣る。これに対して、本発明の(A)〜(F)成分を全
て含む実施例1〜2は、流動性、熱時硬度、耐リフロー
性、耐湿性及び高温放置特性のいずれも低下せずに良好
であり、かつ、UL-94試験でV−0を達成し良好な
難燃性を示す。
【0043】
【発明の効果】本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材
料は実施例で示したようにノンハロゲンかつノンアンチ
モンで難燃化を達成でき、これを用いてIC、LSI等
の電子部品を封止すれば成形性が良好であり、耐リフロ
ー性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性が良好な製品
を得ることができ、その工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/22 C08K 3/22 9/00 9/00 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 片寄 光雄 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC06X CD00W CD02W CD03W CD05W CD06W CD07W CD11W DA050 DE019 DE108 DE148 FB260 FD018 FD14X FD146 FD157 GQ05 4J036 AA01 AC02 AD07 AD10 AD20 AF06 AJ08 DA04 DB28 DD07 FB08 JA07 4M109 AA01 EA03 EB03 EB04 EB07 EB12 EB18

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、(E)複合金属
    水酸化物及び(F)赤リンを必須成分とする封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】(E)複合金属水酸化物が下記組成式
    (I)で示される化合物である請求項1記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。 【化1】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
    a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。)
  3. 【請求項3】組成式(I)中のM1とM2が同一とならな
    いようにM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ
    土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、III
    A族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIII
    B〜IIB族の遷移金属元素から選ばれる請求項2記載の
    封止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. 【請求項4】組成式(I)中のM1とM2が同一とならな
    いようにM1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウ
    ム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜
    鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び
    亜鉛から選ばれる請求項3記載の封止用エポキシ樹脂成
    形材料。
  5. 【請求項5】組成式(I)中のM1がマグネシウムで、
    2が亜鉛又はニッケルである請求項4記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】組成式(I)中のm及びnのモル比m/n
    が99/1〜50/50である請求項2〜5のいずれか
    に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】(F)赤リンが熱硬化性樹脂で被覆された
    赤リンである請求項1〜6のいずれかに記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。
  8. 【請求項8】熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、フェノール
    樹脂及びメラミン樹脂の少なくとも1種である請求項7
    記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  9. 【請求項9】(F)赤リンが無機化合物及び有機化合物
    で被覆された赤リンである請求項1〜6のいずれかに記
    載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  10. 【請求項10】有機化合物がエポキシ樹脂、フェノール
    樹脂及びメラミン樹脂の少なくとも1種である請求項9
    記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  11. 【請求項11】無機化合物が水酸化アルミニウム及び/
    又は酸化亜鉛である請求項9又は請求項10記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料。
  12. 【請求項12】(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポ
    キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エ
    ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペン
    タジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及
    びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なくとも1種
    を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。
  13. 【請求項13】(B)硬化剤がビフェニル型フェノール
    樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジ
    エン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノー
    ル樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の少なくとも1
    種を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の封止用
    エポキシ樹脂成形材料。
  14. 【請求項14】(C)硬化促進剤がホスフィン化合物と
    キノン化合物との付加物及び/又はシクロアミジン化合
    物とフェノール樹脂との付加物を含有する請求項1〜1
    3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  15. 【請求項15】(C)硬化促進剤が第三ホスフィン化合
    物を含有し、キノン化合物をさらに含有する請求項1〜
    13のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  16. 【請求項16】(G)イオントラップ剤をさらに含有す
    る請求項1〜15のいずれかに記載の封止用エポキシ樹
    脂成形材料。
  17. 【請求項17】請求項1〜16のいずれかに記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子
    部品装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012158651A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び硬化物

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