JP2002212367A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2002212367A
JP2002212367A JP2001014170A JP2001014170A JP2002212367A JP 2002212367 A JP2002212367 A JP 2002212367A JP 2001014170 A JP2001014170 A JP 2001014170A JP 2001014170 A JP2001014170 A JP 2001014170A JP 2002212367 A JP2002212367 A JP 2002212367A
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flame
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resin
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JP2001014170A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Yamanaka
克浩 山中
Yutaka Takeya
竹谷  豊
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着火溶融滴下型の難燃性、すなわちUL94
規格のV−2レベル以上の難燃性を達成することがで
き、かつ耐熱性に優れたポリスチレン樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 (A)耐衝撃性ポリスチレンを少なくと
も50重量%含有する樹脂成分(a成分)100重量
部、(B)特定の有機環状リン化合物(b成分)1〜7
0重量部および(C)金属酸化物(c成分)0.1〜7
0重量部よりなる難燃性樹脂組成物およびそれからの成
形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性のポリスチレ
ン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は耐熱
性に優れ且つ耐衝撃性が良好な高度な難燃性を有するポ
リスチレン樹脂組成物およびそれからの成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン樹脂は耐衝撃性に優れ、さ
らに成形性も優れていることから、オフィスオートメー
ション機器部品、家電製品部品、自動車部品など多岐の
分野で使用されているが、ポリスチレン樹脂の易燃性の
ために、その用途は制限されている。ポリスチレン樹脂
の難燃化の方法としてはハロゲン系、リン系、無機系の
難燃剤を添加することが知られており、それによりある
程度難燃化が達成されている。しかしながら、製品の安
全性を高める為にオフィスオートメーション機器や、家
電製品の成形品には、アメリカの規格であるアンダーラ
イターズラボラトリー(UL)社のサブジェクト94に
もとづく難燃試験の規制が年々厳しくなっており、より
高度の難燃化が要求されている。
【0003】従来、ポリスチレン樹脂の難燃性を向上さ
せる方法として、例えばポリスチレン樹脂、メラミン等
の窒素化合物、ポリオールおよび有機リン酸エステルか
らなる樹脂組成物(特開平4−117442号公報)や
特定平均ゴム粒子径のゴム変性スチレン樹脂とハロゲン
系難燃剤からなる着火溶融滴下型自己消炎性ポリスチレ
ン樹脂組成物(特公平6−43542号公報)が知られ
ている。しかしながら、これらの公報の樹脂組成物は難
燃性が十分ではなく、その使用範囲が限られるという問
題があった。
【0004】さらに、近年、ハロゲンを含有する有機化
合物が、環境に悪影響を及ぼすという報告がなされ、欧
州を中心としてノンハロゲン化の動きが盛んになってき
た。難燃剤においてもノンハロゲン系の需要が高まり、
各樹脂に対するノンハロゲン系難燃剤の開発が盛んに行
われるようになった。ところが、ポリスチレン樹脂のノ
ンハロゲン難燃化に関しては、これまでは、その易燃性
から困難とされてきた。
【0005】かかる分野の公知技術として、特開平8−
176396号公報や特開平8−120152号公報で
は特定のゴム変性スチレン系樹脂とリン系難燃剤との樹
脂組成物が開示され、具体的には、リン系難燃剤として
トリフェニルホスフェート及びその誘導体や赤リンが使
用され、溶融滴下自己消火性の難燃性が発現することが
示されている。しかしながら、トリフェニルホスフェー
ト及びその誘導体は、その可塑効果によって流動性を上
げ、着火溶融滴下を容易にし、難燃性を発現したもので
あり、かかる樹脂組成物は、耐熱性が著しく低下し、実
用性に乏しいという欠点がある。赤リンを用いた場合
は、樹脂組成物の押出成形時に有毒なホスフィンガスが
発生し易く、赤リンの取り扱いが難しい等の問題があ
り、また得られる樹脂組成物が赤リン特有の褐色にな
り、その使用範囲が限られるという欠点がある。
【0006】また、特開平8−311278号公報で
は、ゴム変性スチレン系樹脂、有機リン化合物単量体と
有機リン化合物縮合体およびシリコーンオイルからな
り、該有機リン化合物中に上記単量体を50〜100重
量%含むことを特徴とする溶融滴下自己消火性スチレン
系難燃樹脂組成物が開示されている。具体的には、ゴム
変性ポリスチレンの還元粘度は0.53dl/gのもの
が使用されており、かかる樹脂組成物も耐熱性および耐
衝撃性に劣り、実用性に乏しいという欠点がある。
【0007】また、特開2000−273269号公報
は、ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)に、スピロジ
ホスフェート化合物を配合した難燃性樹脂組成物が示さ
れている。この公報は、ゴム変性スチレン系樹脂にスピ
ロジホスフェート化合物を配合することにより、V−2
レベルの難燃性と優れた耐熱性を有している。しかしな
がら、殊にOA機器ハウジング等の高い難燃性を要求さ
れる用途においては、より高度な難燃性を有することが
求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、着火溶融滴下型の難燃性、すなわちUL94規格の
V−2レベル以上の難燃性を達成することができるのみ
ならず、溶融滴下物の消炎秒数が30秒以内である高度
な難燃性に優れたポリスチレン樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の第2の目的は、耐衝撃性が高水準
を維持し、荷重たわみ温度の低下が少なくかつ難燃性の
ゴム変性ポリスチレン樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0010】本発明の第3の目的は、荷重たわみ温度、
耐衝撃性および難燃性がいずれもバランスよく高水準で
あって、実質的にハロゲンを含有しないゴム変性ポリス
チレン樹脂組成物を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、OA機器のハウジン
グおよび容器などに有利に利用できる難燃性のゴム変性
ポリスチレン樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記本発明の目的は、(A)耐衝撃性ポリスチレン
を少なくとも50重量%含有する樹脂成分(a成分)1
00重量部、(B)下記式(1)で表されるリン含有化
合物(b成分)1〜70重量部および(C)金属酸化物
(c成分)0.1〜70重量部よりなる難燃性樹脂組成
物によって達成される。
【0013】
【化2】
【0014】(但し式中R1およびR2は同一もしくは異
なり、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基また
は炭素数6〜15のアリール基を示す。) 本発明の樹脂組成物においてa成分としての耐衝撃性ポ
リスチレン樹脂は、通常“HIPS”と称される衝撃性
の改良されたポリスチレン樹脂である。一般的には、H
IPSはゴム変性されたポリスチレン樹脂を意味する。
【0015】このゴム変性スチレン樹脂は主に芳香族ビ
ニル重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒
子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在
下に芳香族ビニル単量体を必須成分とする単量体混合物
を加えて公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合また
は乳化重合することにより得られる。
【0016】前記ゴム状重合体の例としては、ポリブタ
ジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリ
ロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴムおよび上記
ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、
クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル
系ゴム、およびエチレン−プロピレン−ジエンモノマー
三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特に
ジエン系ゴムが好ましい。
【0017】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト共重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香
族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好
ましい。
【0018】上記ゴム変性ポリスチレン樹脂中のゴム状
重合体成分の含有量は、好ましくは1〜10重量%、よ
り好ましくは2〜8重量%であり、芳香族ビニル重合体
成分の含有量は、好ましくは99〜90重量%、より好
ましくは98〜92重量%である。この範囲内では得ら
れる樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性および剛性のバラン
スが向上し、不飽和結合が少なく酸化され難くなり熱安
定性に優れるため好ましい。また、本発明で使用される
金属酸化物の効果が顕著となり易く好ましく用いられ
る。
【0019】また、上記ゴム変性ポリスチレン樹脂のM
FR値は1〜20g/10minが好ましく、2〜10
g/10minがより好ましい。かかる範囲のMFR値
を有するゴム変性スチレン系樹脂を使用することにより
得られる樹脂組成物の耐熱性が良好となり好ましい。ま
た、本発明で使用される金属酸化物の効果が顕著となり
易く好ましく用いられる。このMFR値はJIS−K7
210で規定される測定法に準じて、230℃、3.8
kg荷重の条件で求めたものである。
【0020】本発明におけるゴム変性ポリスチレン樹脂
の分子量の尺度である還元粘度ηsp/C(0.5g/d
lのトルエン溶液を30℃で測定)は、0.2〜1.5
dl/gであり、好ましくは0.4〜1.3dl/gで
あり、より好ましくは0.6〜1.1dl/gである。
ゴム変性ポリスチレン樹脂の還元粘度ηsp/Cに関する
上記条件を満たすための手段としては、重合開始剤、重
合温度、連鎖移動剤の調整等を挙げられる。還元粘度が
低くなると耐熱性および耐衝撃性に劣る樹脂組成物とな
る。
【0021】本発明の難燃性樹脂組成物において、樹脂
成分(a成分)は、樹脂成分を100重量%としたと
き、前記耐衝撃性ポリスチレン(a−1成分)を50〜
100重量%、好ましくは60〜100重量%、特に好
ましくは70〜100重量%含有している。樹脂成分中
の耐衝撃性ポリスチレン以外の樹脂(a−2成分)とし
ては、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、A
BS樹脂、ポリエステルおよびフェノール樹脂よりなる
群から選ばれた少なくとも一種が挙げられる。これらa
−2成分としては、ポリフェニレンエーテル、ポリカー
ボネートまたはフェノール樹脂が好適である。a−2成
分は、樹脂成分(a成分)を100重量%としたとき0
〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、特に好まし
くは0〜30重量%の範囲で使用される。
【0022】本発明の難燃性樹脂組成物における難燃剤
としてのリン含有化合物(b成分)は下記式(1)で表
される。
【0023】
【化3】
【0024】(但し式中R1およびR2は同一もしくは異
なり、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基また
は炭素数6〜15のアリール基を示す。) 前記式(1)中のR1およびR2におけるアルキル基は、
炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜9であり、具対
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ネオペンチルおよびノニルが挙げられる。シクロアルキ
ル基としては炭素数5〜10、好ましくは炭素数6〜8
であり、具対例としてはシクロヘキシルおよびシクロオ
クチルが挙げられる。アラルキル基としては炭素数7〜
20、好ましくは炭素数7〜11であり、具体的にはベ
ンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチ
ルおよび2−フェニルイソプロピルが挙げられる。また
アリール基としては、炭素数6〜15、好ましくは炭素
数6〜10であり、具体的にはフェニル、ナフチル、ア
ントラニル、キシリル、トリメチルフェニル、ジ−te
rt−ブチルフェニル、ジ−tert−ブチル−メチル
フェニルおよびトリ−tert−ブチルフェニルが挙げ
られる。
【0025】前記リン化合物は、基本的に隣接ジオール
骨格にオキシ3塩化リンを反応させしかる後に、適宜フ
ェノール性水酸基を反応させることによって得られる。
かかる反応は、例えば、特開平9−183786号公報
に開示されている手法、或いは、R.M.McConn
ell等、J.Org.Chem.,24巻、630〜
635ページ(1959)に記載されている手法が採用
される。
【0026】具体的に、本発明で使用されるかかるリン
化合物は、ペンタエリスリトールにオキシ3塩化リンを
反応させた後、例えばフェノール、2,5−ジメチルフ
ェノール、クレゾール等を反応させる事によって得られ
る。或いは、事前に、オキシ3塩化リンの塩素の一部を
これらのフェノール類で変成した後に、同じように反応
させることも可能である。
【0027】上記b成分のリン化合物において、上記式
(1)で表わされる有機環状リン化合物以外の他の成分
として、赤りん、トリフェニルホスフェート、ビス(ノ
ニルフェニル)フェニルホスフェート、ノニルフェニル
ジフェニルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホ
スフェートおよび縮合リン酸エステルよりなる群から選
ばれた少なくとも1種の化合物が好ましく使用される。
縮合リン酸エステルとしては、例えば、大八化学(株)
製CR−733S、CR−741、旭電化工業(株)製
FP−500などが市販されている。
【0028】上記樹脂成分100重量部(a成分)に対
して、上記有機リン化合物(b成分)の配合量は1〜7
0重量部であり、より好ましくは2〜55重量部、さら
に好ましくは3〜40重量部である。1重量部より少な
いと得られる樹脂組成物は難燃性に劣り好ましくなく、
70重量部より多く配合すると樹脂組成物の耐熱性、耐
衝撃性が低下し、またコスト的に不利でもあり好ましく
ない。
【0029】一般に、ゴム変性スチレン系樹脂に有機リ
ン化合物を配合することにより、耐熱性(荷重たわみ温
度)が大幅に低下することが知られている。
【0030】ところが、本発明のリン含有化合物(b成
分)をポリスチレン樹脂に配合すると、荷重たわみ温度
(HDT)の保持率は少なくとも80%を維持し、低下
する割合は極めて少ない。好適条件下においては、本発
明の樹脂組成物からの成形品は、荷重たわみ温度(HD
T)の保持率は、85%以上の高い率を有し、さらに9
0%以上を示すこともある。このようにポリスチレン樹
脂に難燃剤としてリン含有化合物を配合した場合、ポリ
スチレン樹脂自体の荷重たわみ温度(HDT)がほとん
ど低下しないで、ある場合にはその樹脂と同じ水準乃至
それ以上の水準を示す組成物は従来全く知れていなかっ
た。
【0031】本発明の樹脂組成物は、使用する耐衝撃性
ポリスチレン樹脂からの荷重たわみ温度の保持率が少な
くとも80%、好ましくは85%以上であり、特に好ま
しくは90%以上である。かかる保持率の範囲では実用
上大きな価値を有し、耐衝撃性ポリスチレン樹脂の本来
の高い耐熱性を保持することを意味する。ここで、かか
る荷重たわみ温度保持率は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(a成分)の荷重たわみ温度x(℃)と、これにリン含
有化合物(b成分)および金属酸化物(c成分)を配合
した樹脂組成物の荷重たわみ温度y(℃)との関係にお
いて、(y/x)×100%の計算式で算出される。ま
た、本発明の樹脂組成物は、a成分が実質的に耐衝撃性
ポリスチレン樹脂(HIPS)である場合、ASTM−
D648に準拠した方法で6.35mm(1/4イン
チ)試験片を用いて荷重1.81MPa(18.5Kg
f/cm2)で測定した荷重たわみ温度の値が、好まし
くは70〜85℃の範囲であり、より好ましくは75〜
85℃の範囲である。
【0032】本発明において、c成分の金属酸化物は、
難燃助剤として用いられる。金属酸化物を用いることに
より、驚くべきことに着火溶融滴下型の難燃性、すなわ
ちUL94規格のV−2レベル以上の難燃性を達成する
ことができるのみならず、その溶融滴下物の消炎秒数が
30秒以内である高度な難燃性に優れたポリスチレン樹
脂組成物を提供することができる。金属酸化物は、特に
限定されるものではないが、TiO2、SiO2、Zn
O、CuO、Cu2O、Fe23、Al23、CaO、
MgOからなる群より選択された少なくとも1種の金属
酸化物である。また、前記金属酸化物の重量平均粒子径
としては、好ましくは1mm以下、より好ましくは50
0μm以下、特に好ましくは100μm以下で、1μm
以上のものが望ましい。かかる範囲内の平均粒子径を有
する金属酸化物を用いた場合には、分散性が良好で、難
燃性及び物性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0033】上記樹脂成分100重量部(a成分)に対
して、上記金属酸化物(c成分)の配合量は0.1〜7
0重量部であり、より好ましくは0.5〜50重量部、
さらに好ましくは1〜20重量部である。0.1重量部
より少ないと難燃性に劣る結果となり、70重量部より
多く添加すると樹脂の物性低下の原因、及びコスト的に
不利となる。
【0034】本発明の難燃性樹脂組成物には、種々の難
燃助剤、例えばシリコーンオイル、ラジカル発生剤など
を添加しても良い。本発明において使用するシリコーン
オイルは、ポリジオルガノシロキサンを骨格とし、好ま
しくは、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニ
ルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、あるいはそれ
らの任意の共重合物、混合物であり、特に好ましいの
は、ポリジメチルシロキサンである。その粘度は0.8
〜5000センチポイズ(25℃)、好ましくは10〜
1000センチポイズ(25℃)、さらに好ましくは5
0〜500センチポイズ(25℃)である。一般に、粘
度が低いほど、着火溶融滴下性が向上し好ましい結果に
なるが、粘度が低すぎると逆に難燃性が抑制される。
【0035】本発明において使用するラジカル発生剤と
しては、樹脂混練温度ではラジカル発生せず、ベース樹
脂燃焼温度においてラジカル発生するものが好ましく、
例えばジクミル等が好ましい。
【0036】本発明の難燃性樹脂組成物には、種々の添
加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤
などの劣化防止剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、可塑
剤、ガラス繊維、炭素繊維などの補強繊維、タルク、マ
イカ、ワラストナイトなどの充填剤、顔料などの着色剤
などを添加しても良い。前記添加剤の使用量は、耐熱
性、耐衝撃性、機械的強度などを損なわない範囲で、添
加剤の種類に応じて適当に選択できる。
【0037】本発明の難燃性樹脂組成物の調整は、a〜
c成分および必要に応じてその他成分を、V型ブレンダ
ー、スーパーミキサー、スーパーフローター、ヘンシェ
ルミキサーなどの混合機を用いて予備混合した組成物で
あっても良いが、通常、前記予備混合物を均一に溶融混
合した混合物である場合が多い。このような混合物は、
前記予備混合物を混練手段を用い、例えば、150〜2
50℃、好ましくは180〜220℃程度の温度で溶融
混練し、ペレット化することより得ることができる。混
練手段としては、種々の溶融混合機、例えば、ニーダ
ー、単軸または二軸押出機などが使用できるが、二軸押
出機などを用いて樹脂組成物を溶融して、サイドフィー
ダーにより液体成分を注入し、押出し、ペレタイザーに
よりペレット化する場合が多い。
【0038】本発明の難燃性樹脂組成物は、オフィスオ
ートメーション機器部品、家電製品部品、自動車部品な
どの種々の成形品を成形する材料として有用である。こ
のような成形品は慣用の方法、例えば、ペレット状難燃
性樹脂組成物を射出成形機を用いて、例えば、160〜
220℃程度のシリンダー温度で射出成形することによ
り製造できる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、評価は下記の方法で行った。
【0040】(1)難燃性(UL−94評価) 難燃性は厚さ3.18mm(1/8インチ)のテストピ
ースを5本用い、難燃性の評価尺度として、米国UL規
格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に準じて
評価を行った。どの試験片も炎を取り去った後の燃焼が
30秒以内で、滴下して消火するものがV−2であり、
この評価基準以下のものをnotVとした。また、10
回の着炎後消炎までの秒数の平均を平均消炎秒数として
示した。
【0041】更に、滴下物の燃焼秒数を測定し、すべて
30秒未満のものを○、30秒以上のあったものを×と
した。
【0042】(2)還元粘度(ηsp/C) ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振とうし、5℃、4000rpmで30分間遠心分
離する。上澄み液を取り出し、メタノールで樹脂分を析
出させた後、乾燥した。このようにして得られた樹脂
0.1gをトルエンに溶解し、0.5g/dlの溶液と
し、この溶液10mlを毛細管径約0.3mmであるオ
ストワルド型粘度計に入れ、30℃でこの溶液の流下秒
数t1を測定した。一方、同じ粘度計でトルエンの流下
秒数t0を測定し、以下の数式により算出した。このと
きトルエンの流下秒数t0は240秒程度になる。 ηsp/C=(t1/t0−1)/C (C:ポリマー濃
度g/dl)
【0043】(3)ゴム変性ポリスチレン系樹脂中のゴ
ム状重合体成分量 核磁気共鳴測定装置(バリアン製、UNITY300)
により水素原子の核磁気共鳴を測定し、スチレンユニッ
トと、ブタジエンユニットのモル比よりゴム状重合体成
分量を算出した。
【0044】(4)荷重たわみ温度(HDT)、荷重た
わみ温度保持率 荷重たわみ温度は、ASTM−D648に準拠した方法
により6.35mm(1/4インチ)試験片を用いて
1.81MPa(18.5Kg荷重)で測定した。ま
た、荷重たわみ温度保持率は、使用したゴム変性スチレ
ン系樹脂の荷重たわみ温度x(℃)とスチレン系樹脂組
成物の荷重たわみ温度y(℃)を測定し、(y/x)×
100(%)の計算式により算出した。
【0045】(5)MFR値 JIS−K7210で規定される測定法に準じて、23
0℃、3.8kg荷重の条件で求めた。実施例、比較例
で用いる各成分は以下のものを用いた。 (イ)ゴム変性スチレン系樹脂 還元粘度ηsp/C=0.96dl/g、ゴム状重合体
成分7.9重量%、MFR7.9g/10分であるゴム
変性スチレン系樹脂(以下HIPS−1と称する) 還元粘度ηsp/C=0.83dl/g、ゴム状重合体
成分2.3重量%、MFR16.5g/10分であるゴ
ム変性スチレン系樹脂(以下HIPS−2と称する) (ロ)有機リン化合物 前記式(1)でR1、R2がともにフェニル基である環
状リン酸エステル化合物(以下FR−1と称する) (ハ)金属酸化物 酸化チタン(以下M−1と称する) ルチル型酸化チタン(和光純薬工業(株)製、特級品) 酸化亜鉛(以下M−2と称する) 酸化亜鉛(和光純薬工業(株)製、特級品) を用いた。
【0046】[実施例1〜5、比較例1〜5]表1記載
の各成分を表記載の量(重量部で表示)でタンブラーに
て配合し、15mmφ二軸押出機(テクノベル製、KZ
W15)にて樹脂温180℃でペレット化し、得られた
ペレットを65℃の熱風乾燥機にて4時間乾燥を行っ
た。該ペレットを射出成形機((株)日本製鋼所、J7
5Si)にてシリンダー温度200℃で成形した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明は、難燃性および耐熱性に優れた
樹脂組成物を提供するものであり、この樹脂組成物はオ
フィスオートメーション機器部品、家電製品部品、自動
車部品等の種々の成形品を成形する材料として有用であ
り、その奏する工業的効果は格別である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12X AA22 AA22X AA77X AB18 AC15 AH07 AH12 AH15 BC07 4J002 BC031 BN141 DE077 DE087 DE097 DE107 DE117 DE137 DE147 DJ017 EW046 FD130 GN00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)耐衝撃性ポリスチレンを少なくと
    も50重量%含有する樹脂成分(a成分)100重量
    部、(B)下記式(1)で表されるリン含有化合物(b
    成分)1〜70重量部および(C)金属酸化物(c成
    分)0.1〜70重量部よりなる難燃性樹脂組成物。 【化1】 (但し式中R1およびR2は同一もしくは異なり、炭素数
    1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキ
    ル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数6〜
    15のアリール基を示す。)
  2. 【請求項2】 前記耐衝撃性ポリスチレン樹脂中のゴム
    状重合体成分が、1〜10重量%である請求項1記載の
    難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記耐衝撃性ポリスチレン樹脂のMFR
    値が、1〜20g/10minである請求項1記載の難
    燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 c成分が、TiO2、SiO2、ZnO、
    CuO、Cu2O、Fe23、Al23、CaO、Mg
    Oからなる群より選択された少なくとも1種の金属酸化
    物である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 下記式で表される荷重たわみ温度保持率
    (M)が少なくとも80%を達成することができる請求
    項1記載の難燃性樹脂組成物。 M(%)=(y/x)×100 但しxは樹脂成分(a成分)自体からの成形品の荷重た
    わみ温度(℃)を示し、yは樹脂成分(a成分)、リン
    含有化合物(b成分)および金属酸化物(c成分)より
    なる樹脂組成物からの成形品の荷重たわみ温度(℃)を
    示す。
  6. 【請求項6】 UL−94規格の燃焼試験において、難
    燃レベルV−2を少なくとも達成し、且つ、溶融滴下物
    の消炎秒数が30秒以内である請求項1記載の難燃性樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の樹脂組成物より形成され
    た成形品。
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