JP2002212321A - シート、およびシートの製造方法 - Google Patents

シート、およびシートの製造方法

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JP2002212321A
JP2002212321A JP2001013278A JP2001013278A JP2002212321A JP 2002212321 A JP2002212321 A JP 2002212321A JP 2001013278 A JP2001013278 A JP 2001013278A JP 2001013278 A JP2001013278 A JP 2001013278A JP 2002212321 A JP2002212321 A JP 2002212321A
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美紀 鹿野
Akifumi Kuwabara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強靱で、且つ伸張性、柔軟性を有し、成形加工
性、耐候性、耐薬品性に優れ、表示、包装用に好適な多
層シート、及びその製造方法の提供。 【解決手段】イソシアネート基と反応可能な官能基を有
する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシア
ネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
ブタジエンから選ばれる少なくとも1種(B)、及び2
個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
化合物(C)を含む樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹
脂層を、プラスチック基材上に有する多層シート、およ
びプラスチック基材上に前記樹脂組成物を塗布し、硬化
させる多層シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強靱で、且つ伸張
性、柔軟性を有し、成形加工性、耐候性、耐薬品性に優
れ、表示、包装用に好適な多層シート、及び前記シート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車、二輪車、モーターボー
ト、スノーモービル、家電、電子機器等の成形体や外装
板、内装材、建材、各種案内板、交通標識、屋内・屋外
広告、看板、シャッター、ウインドウなどに、着色、装
飾、表示を施したり、さらには、耐候性や、防汚性、各
種耐性等、種々の表面機能を付与する際に、様々なプラ
スチックシートが使用されている。また、各種の物品の
品質低下を防いだり、各機能を保護するための包装材料
としても、様々なプラスチックシートが使用されてい
る。
【0003】多くの場合、これらのプラスチックシート
用材料には、半硬質もしくは軟質の塩化ビニル樹脂が用
いられている。しかし、半硬質もしくは軟質の塩化ビニ
ル樹脂には、成形加工性、伸張性、柔軟性等の物性を付
与するために、低分子量化合物、例えば、フタル酸系の
可塑剤などが多量に添加されている。これらの可塑剤は
移行性が大きいため、経時的に表面に移行して外観を損
ねたり、被着体に移行して接着力を低下させたり、基材
の膨張によるふくれ、しわを発生させたりするという問
題を有している。また、可塑剤が表面や被着体に移行す
ることにより、塩化ビニル樹脂の伸張性が失われ、成形
加工時の状態が保持できなくなるという問題も有してい
る。また、軟質の塩化ビニル樹脂は、硬度が低く、耐摩
耗性、耐擦傷性に劣るという問題も有している。
【0004】プラスチックシート用材料としては、その
他に、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等が一般に知られている。しかし、ポリメチルメ
タクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレートは、強靱性は有しているが、伸張性に劣るた
め、シートにした場合、特に常温では成形加工しにく
く、軟質化するためには塩化ビニル樹脂と同様に、低分
子量の可塑剤を添加しなければならない。また、ポリメ
チルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンは、高
分子量の場合には、顔料などの着色剤の分散性が低く、
着色が困難となり、装飾性が著しく損なわれるという問
題を有しており、低分子量の場合には、シートにした時
の強靱性に劣るという問題を有している。また、伸張性
を有するプラスチックシート用材料としては、ウレタン
樹脂などが知られているが、これは、強靱性に劣る、耐
候性が低い等の問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強靱
で、且つ伸張性、柔軟性を有し、成形加工性、耐候性、
耐薬品性に優れ、表示、包装用に好適な多層シート、及
び前記シートの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、伸張性、
柔軟性を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカー
ボネート、またはポリブタジエン構造を、強靱性と高耐
候性を有するビニル系重合体の側鎖に導入した樹脂と、
顔料分散性に優れ、且つ伸張性、柔軟性を有するポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
ブタジエンを混合し、強靱な主鎖骨格につながった柔軟
な側鎖部分どうしを直接に、または、他の柔軟な成分を
介して、ポリイソシアネートで三次元架橋させ、強靱な
高分子鎖を柔軟な高分子鎖でつないだ形の網目構造を形
成させた硬化樹脂層を、プラスチック基材上に形成させ
ることにより、強靱で且つ伸張性、柔軟性を有し、成形
加工性、耐候性、耐薬品性に優れ、着色も容易なシート
を作成し得ることを見出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、イソシアネート基と
反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ば
れる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合
体(A)、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個
以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも
1種(B)、及び2個以上のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネート化合物(C)を含む樹脂組成物の硬
化物からなる硬化樹脂層を、プラスチック基材上に有す
る多層シートに関する。
【0008】また、本発明は、重合体(A)が、不飽和
二塩基酸とエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量
体との共重合体(a)と、カルボキシル基と反応可能な
官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有
する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
(b)との縮合反応により得られるグラフト重合体であ
る上記の多層シートに関する。
【0009】また、本発明は、樹脂組成物が、更に着色
剤を含む上記いずれかの多層シートに関する。また、本
発明は、片面または両面に粘着剤層を有する上記いずれ
かの多層シートに関する。また、本発明は、プラスチッ
ク基材がポリオレフィンである上記いずれかの多層シー
トに関する。
【0010】また、本発明は、プラスチック基材上に、
イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
ブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に
有するビニル系重合体(A)、イソシアネート基と反応
可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから
選ばれる少なくとも1種(B)、及び2個以上のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネート化合物(C)を
含む樹脂組成物を塗布し、硬化させる多層シートの製造
方法に関する。
【0011】また、本発明は、剥離シート上に、イソシ
アネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテ
ル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタ
ジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有す
るビニル系重合体(A)、イソシアネート基と反応可能
な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ば
れる少なくとも1種(B)、及び2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物(C)を含む
樹脂組成物を塗布し、硬化させた後、プラスチック基材
に積層する多層シートの製造方法に関する。
【0012】
【発明実施の形態】本発明を構成する、イソシアネート
基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから
選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系
重合体(A)は、シートに強靱性、伸張性、柔軟性、成
形加工性、耐候性、耐薬品性を付与するために用いられ
る。重合体(A)とは、エチレン性不飽和二重結合を有
する単量体を重合させて得られるビニル系共重合体の主
鎖に、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、
ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、また
はポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を
側鎖として導入した、ポリエーテル、ポリエステル、ポ
リカーボネート、またはポリブタジエングラフトビニル
系重合体をいう。イソシアネート基と反応可能な官能基
としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキ
シ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が
挙げられるが、反応性および得られるシートの成形加工
性の点で水酸基が好適である。
【0013】側鎖の導入方法は、特に限定されることは
ないが、例えば、不飽和二塩基酸とエチレン性不飽和二
重結合を有する他の単量体との共重合体(a)を合成
し、共重合体(a)のカルボン酸、もしくは無水カルボ
ン酸部分と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イ
ソシアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
ブタジエンから選ばれる少なくとも1種(b)のカルボ
キシル基と反応可能な官能基とを縮合反応させることに
より導入することができる。
【0014】共重合体(a)の合成に使用可能な不飽和
二塩基酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、ジフェニルメタン- ジ- γ- ケトクロトン酸
等が挙げられる。不飽和二塩基酸は、要求性能に応じ
て、1種、または2種以上を混合して用いることができ
る。また、共重合体(a)中の不飽和二塩基酸の割合
は、好ましくは0.01〜30重量%、更に好ましくは
0.05〜10重量%である。不飽和二塩基酸の割合が
30重量%を越える場合には得られる重合体(A)の安
定性が低下し、0.01重量%未満の場合には最終的に
得られるシートの伸張性、柔軟性が不充分となる。
【0015】エチレン性不飽和二重結合を有する他の単
量体としては、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニ
ル単量体、オレフィン系炭化水素単量体、ビニルエーテ
ル単量体等を用いることができる。他の単量体は、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N−メチ
ロール基、N−アルコキシメチル基等の官能基を有して
いてもよい。水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量
体としては、メチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、tブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のモノアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。カルボキ
シル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。エポキシ基を
有する(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】N−メチロール基を有する(メタ)アクリ
ル系単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド等が挙げられる。N−アルコキシメチル基を有す
る(メタ)アクリル系単量体としては、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド等のN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルコキシメチ
ル基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0018】上記以外の(メタ)アクリル系単量体とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙
げられる。オレフィン系炭化水素単量体としては、エチ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプ
レン、1,4−ペンタジエン等が挙げられる。ビニルエ
ーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテルが挙
げられる。エチレン性不飽和二重結合を有する他の単量
体は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合
して用いることができる。
【0019】共重合体(a)は、公知の方法、例えば、
溶液重合で得ることができる。溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチ
ルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶
剤は2種以上を混合して使用してもよい。
【0020】合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80
重量%が好ましい。重合開始剤としては、過酸化物また
はアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブ
チルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエー
ト、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペ
ルオキシド等を使用することができ、重合温度は、50
〜200℃、特に70〜140℃が好ましい。
【0021】共重合体(a)のポリスチレン換算の重量
平均分子量は、好ましくは5,000〜500,00
0、更に好ましくは10,000〜100,000であ
る。共重合体(a)の重量平均分子量が500,000
を越える場合には得られるシートの伸張性が低下し、
5,000未満の場合には得られるシートの強靱性、耐
薬品性が低くなる。共重合体(a)のガラス転移温度
は、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは10〜1
00℃である。共重合体(a)のガラス転移温度が15
0℃を越える場合には得られるシートの伸張性が低下
し、0℃未満の場合には得られるシートの耐薬品性、表
面硬度が低下する。
【0022】化合物(b)としては、例えば、直鎖の末
端または分岐した末端に、カルボキシル基と反応可能な
官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とをそ
れぞれ1個以上ずつ有するポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリカーボネイト、またはポリブタジエンを用いる
ことができる。中でも、得られるシートの伸張性、強靱
性のバランスおよび成形加工性の点からポリエステルが
好適である。化合物(b)のカルボキシル基と反応可能
な官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イ
ソシアネート基等が挙げられるが、反応性および得られ
るシートの成形加工性の点で水酸基が好適である。ま
た、化合物(b)のイソシアネート基と反応可能な官能
基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポ
キシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等
が挙げられるが、反応性および得られるシートの成形加
工性の点で水酸基が好適である。化合物(b)のカルボ
キシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反
応可能な官能基とは、同一の官能基でも構わないし、異
なる官能基でも構わない。
【0023】ポリエステルとして具体的には、ジカルボ
ン酸の少なくとも1種と、多価アルコール、多価フェノ
ール、またはこれらのアルコキシ変性物等のポリオール
の少なくとも1種とをエステル化して得られる末端水酸
基含有エステル化合物、及び末端の水酸基をアミノ基、
カルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、また
はN−アルコキシメチル基に変性したエステル化合物な
どが挙げられる。ジカルボン酸の例としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタ
ル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ)安息香
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、アゼライ酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
【0024】多価アルコールの例としては、1,3−プ
ロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブ
タンジオール、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジオ
ール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−
エチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3
−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタ
ンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、
3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、2−メチル1,8−オクタンジオール、2−エチル
−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オ
クタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールプ
ロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリトー
ル、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙
げられる。
【0025】多価フェノールの例としては、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、
トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が
挙げられる。市販品の水酸基を2個以上有するポリエス
テル(ポリエステルポリオール)としては、例えば、株
式会社クラレ製のクラレポリオールP−510、P−1
010、P−1510、P−2010、P−3010、
P−4010、P−5010、P−6010、P−20
11、P−2013、P−520、P−1020、P−
2020、P−1012、P−2012、P−530、
P−1030、P−2030、PMHC−2050、P
MHC−2050R、PMHC−2070、PMHC−
2090、PMSA−1000、PMSA−2000、
PMSA−3000、PMSA−4000、F−201
0、F−3010、N−2010、PNOA−101
0、PNOA−2014、O−2010、住友バイエル
ウレタン株式会社製のデスモフェン650MPA、65
1MPA/X、670、670BA、680X、680
MPA、800、800MPA、850、1100、1
140、1145、1150、1155、1200、1
300X、1652、1700、1800、RD18
1、RD181X、C200、東洋紡績株式会社製のバ
イロン200、560、600、GK130、GK86
0、GK870、290、GK590、GK780、G
K790等が挙げられる。
【0026】また、ポリエーテルの例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エ
ポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチ
ル基に変性したエーテル化合物が挙げられる。市販の水
酸基を2個以上有するポリエーテル(ポリエーテルポリ
オール)としては、例えば、住友バイエルウレタン株式
会社製のデスモフェン250U、550U、1600
U、1900U、1915U、1920D等が挙げられ
る。
【0027】また、ポリカーボネートの例としては、下
記一般式で表されるポリカーボネートジオール、及び末
端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、
N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性
したカーボネート化合物が挙げられる。 H−(O−R−OCO−)nR−OH (R:アルキレン鎖、ジエチレングリコール等) 市販の水酸基を2個以上有するポリカーボネートとして
は、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPN
OC−1000、PNOC−2000、PMHC−20
50、PMHC−2050R、PMHC−2070、P
MHC−2070R、PMHC−2090R、C−20
90等が挙げられる。
【0028】また、ポリブタジエンの例としては、α,
ω−ポリブタジエングリコール、α、β−ポリブタジエ
ングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキ
シル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アル
コキシメチル基に変性したブタジエン化合物が挙げられ
る。市販の水酸基を2個以上有するポリブタジエンとし
ては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB
G−1000、G−2000、G−3000、GI−
1000、GI−2000、GI−3000、GQ−1
000、GQ−2000等が挙げられる。市販のエポキ
シ基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例え
ば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BF−1
000、EPB−13、EPB−1054等が挙げられ
る。
【0029】化合物(b)のポリスチレン換算の重量平
均分子量は、好ましくは500〜25,000、更に好
ましくは1,000〜10,000である。化合物
(b)の重量平均分子量が25,000を越える場合に
は、溶剤への溶解性、共重合体(a)との相溶性、共重
合体(a)との反応性が低下し、また得られるシートの
強靱性が低下する。また、500未満の場合には、シー
トに充分な伸張性、柔軟性を付与することができない。
【0030】重合体(A)は、共重合体(a)のカルボ
ン酸、もしくは無水カルボン酸部分と、化合物(b)の
カルボキシル基と反応可能な官能基とを、公知の方法、
例えば、化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官
能基が水酸基、エポキシ基の場合はエステル化、アミノ
基の場合はアミド化、イソシアネート基の場合はイミド
化して得ることができる。溶剤としては、共重合体
(a)合成時の溶媒をそのまま用いることができ、更
に、合成時の条件、塗工時の条件などに応じて、他の溶
媒を加えたり、脱溶媒したりしても構わない。反応触媒
としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、エチレンジアミンなどの3級アミンなどが用い
られ、反応温度は、50〜300℃が好ましい。
【0031】共重合体(a)と化合物(b)との反応比
率は、共重合体(a)のカルボン酸、もしくは無水カル
ボン酸1モル等量に対して、化合物(b)のカルボキシ
ル基と反応可能な官能基が、0.2〜5モル等量となる
のが好ましく、0.5〜2モル等量となるのが更に好ま
しい。化合物(b)の反応比率が5モル等量を越える場
合には、樹脂組成物の塗工性、シートの強靱性が損なわ
れ、0.2未満の場合には、得られるシートの伸張性、
柔軟性が低下する。また、共重合体(a)、化合物
(b)は、それぞれ1種類ずつを用いる必要はなく、目
的、必要物性に応じて、それぞれ複数種を用いても構わ
ない。
【0032】重合体(A)が水酸基を有する場合、その
水酸基価は、固形分換算で好ましくは1〜300KOH
mg/g、更に好ましくは10〜100KOHmg/g
である。重合体(A)の水酸基価が300KOHmg/
gを越える場合には重合体(A)の保存安定性が低下
し、1KOHmg/g未満の場合には得られるシートの
強靱性、伸張性、耐薬品性が低くなる。また、重合体
(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好まし
くは5,000〜500,000、更に好ましくは1
0,000〜100,000である。重合体(A)の重
量平均分子量が500,000を越える場合には、溶剤
への溶解性、シートの伸張性が低下し、5,000未満
の場合には、得られるシートの強靱性、耐薬品性が低下
する。
【0033】本発明を構成する、イソシアネート基と反
応可能な官能基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリ
エステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンか
ら選ばれる少なくとも1種(B)は、シートに柔軟性、
伸張性を、樹脂組成物に顔料分散性を付与するために用
いられる。また、化合物(B)は、重合体(A)の側鎖
どうしをつなぎ、シートの架橋密度を増加させ、シート
の強靱性、伸張性、柔軟性をより向上させるためにも用
いられる。化合物(B)は、例えば、直鎖の末端または
分岐した末端にイソシアネート基と反応可能な官能基を
2個以上有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカー
ボネ−ト、またはポリブタジエンである。中でも、得ら
れるシートの伸張性、強靱性のバランスおよび成形加工
性の点からポリエステルが好適である。
【0034】イソシアネート基と反応可能な官能基とし
ては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙
げられるが、反応性および得られるシートの成形加工性
の点で水酸基が好適である。また、イソシアネート基と
反応可能な官能基数は、2個の場合と比べて少量で伸張
性が得られ、塗膜の強靱性も損なわれないため、3個が
特に好ましい。
【0035】化合物(B)としては、上記化合物(b)
と同様の化合物を用いることができる。化合物(B)の
ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは50
0〜25,000、更に好ましくは1,000〜10,
000である。化合物(B)の重量平均分子量が25,
000を越える場合には、溶剤への溶解性が低下し、ま
た得られるシートの伸張性が低下する。また、500未
満の場合には、他の成分との相溶性が低下し、均一かつ
平滑なシートの作成が困難となり、また得られるシート
の強靱性が低下する。化合物(B)は、要求性能に応じ
て、1種、または2種以上を混合して用いることができ
る。得られるシートを外装用途に用いる場合には、シー
トが経時で黄色から褐色に変色することを防ぐために、
脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好まし
い。
【0036】重合体(A)と化合物(B)との混合比
(重量比)は、好ましくは(A):(B)=99:1〜
10:90、更に好ましくは(A):(B)=95:5
〜30:70、特に好ましくは(A):(B)=95:
5〜50:50である。重合体(A)の比率が上記範囲
より多い場合には、顔料分散性、得られるシートの伸張
性、柔軟性、成形加工性が低下し、上記範囲より少ない
場合には、得られるシートの強靱性、耐薬品性が低くな
る。
【0037】本発明を構成する、2個以上のイソシアネ
ート基を有するポリイソシアネート化合物(C)は、重
合体(A)と化合物(B)、重合体(A)と重合体
(A)、化合物(B)と化合物(B)をそれぞれ架橋さ
せ、強靱で且つ伸張性、柔軟性、成形加工性、耐薬品性
を有するシートを形成するために用いられる。得られる
シートを外装用途に用いる場合には、シートが経時で黄
色から褐色に変色することを防ぐために、脂環族または
脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
【0038】脂環族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレ
ンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメタン
ジイソシアネートなどが挙げられる。脂肪族ポリイソシ
アネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0039】芳香族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トル
イレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシ
レンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。ポ
リイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコ
ール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダ
クト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を
用いても構わない。
【0040】特に、ポリイソシアネート化合物(C)が
イソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有
トリイソシアネートを含む場合には、より強靱、且つ伸
張性を有するシートを得ることができるため好ましい。
イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして具体
的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネ
ート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデス
モジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサ
メチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレ
タン株式会社製のスミジュールン3300)、イソシア
ヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住
友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL−
2、FL−3、FL−4、HL BA)が挙げられる。
【0041】また、上記ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基を、例えば、メタノール、エタノール、
n−ペンタノール、エチレンクロルヒドリン、イソプロ
ピルアルコール、フェノール、p−ニトロフェノール、
mクレゾール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、
ε- カプロラクタムなどのブロック剤と反応させてブロ
ック化した、ブロック変性体を用いても構わない。
【0042】更に、ポリイソシアネート化合物(C)と
して、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上
有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
(c)と両末端にイソシアネート基を有するジイソシア
ネート化合物(d)とを反応させてなる、両末端イソシ
アネートプレポリマーを用いても構わない。化合物
(C)が上記両末端イソシアネートプレポリマーを含む
場合には、少量で伸張性が得られ、塗膜の強靱性も損な
われない。また、重合体(A)と化合物(B)の相溶性
を向上させる効果も有している。
【0043】化合物(c)としては、化合物(b)と同
様の化合物を用いることができる。化合物(d)として
は、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン
−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレ
ンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメ
タンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート
等が挙げられる。
【0044】両末端イソシアネートプレポリマーは、化
合物(c)のイソシアネート基と反応可能な官能基数1
に対して、化合物(d)のイソシアネート基数が1より
大きくなるような比率で化合物(c)と化合物(d)を
混合し、加熱撹拌して反応させることにより得られる。
プレポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は、
好ましくは1 ,000〜50,000、更に好ましくは
1,000〜10,000である。プレポリマーの重量
平均分子量が50,000を越える場合には溶剤への溶
解性、他成分との相溶性が低下し、1 ,000未満の場
合には、得られるシートの強靱性、及び伸張性が不足す
る。
【0045】ポリイソシアネート化合物(C)は、要求
性能に応じて、重合体(A)の官能基と化合物(B)の
官能基との総数に対して、イソシアネート基の総数が、
好ましくは0.1倍〜5.0倍、更に好ましくは0.5
倍〜3.0倍となるような比率で、1種、または2種以
上を混合して用いることができる。なお、上記化合物
(B)と化合物(C)とは、あらかじめ反応させて末端
イソシアネートプレポリマーとしてもよい。この場合、
樹脂組成物は、上記重合体(A)、及び化合物(B)と
化合物(C)とを反応させてなる末端イソシアネートプ
レポリマーを含む組成物となる。
【0046】本発明の樹脂組成物には、重合体(A)及
び化合物(B)と化合物(C)との架橋反応を促進させ
るために、それぞれの官能基に応じて、種々の架橋触媒
を含有させることができる。代表的な架橋触媒として
は、有機金属化合物、酸及びそれらのアンモニウム塩、
低級アミン塩、多価金属塩、アミン類、有機過酸化物な
どが挙げられる。有機金属化合物として具体的には、酢
酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル
酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、
ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオク
テート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート
ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)、ジエチル亜
鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタンなどが挙げられる。
【0047】酸として具体的には、トリクロロ酢酸、リ
ン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステ
ル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸、p−
トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸
などが挙げられる。アミン類として具体的には、ジシク
ロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、N,N,N' ,N' −テトラメチル
−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどが
挙げられる。
【0048】有機過酸化物としては、ヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシ−2-エチルヘキサノエート、
t- ブチルペルオキシラウレートなどが挙げられる。
【0049】これらの架橋触媒の中で、重合体(A)な
いし化合物(B)の官能基が水酸基の場合は、酸及びそ
れらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩など
の使用が好ましい。アミノ基の場合は、有機過酸化物、
酸無水物、カルボン酸、酸化亜鉛−マグネシウムなどの
使用が好ましい。カルボキシル基の場合は、酸及びそれ
らのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの
使用が好ましい。エポキシ基の場合は、有機金属化合
物、アミン類などの使用が好ましい。N−メチロール基
または、N−アルコキシメチル基の場合は、酸、そのア
ンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が
好ましい。これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよ
く、その総使用量は重合体(A)、化合物(B)及び化
合物(C)の総量100重量%に対して0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0050】本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、本
発明の効果を妨げない範囲で、顔料や染料等の各種の着
色剤を含有させてもよい。顔料としては、従来公知のも
のを用いることができるが、なかでも、耐光性、耐候性
の高いものが好ましい。具体的には、例えば、キナクリ
ドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、
ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合ア
ゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ
系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミ
ジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン
系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジ
ン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有機顔
料や、ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチンイエ
ロー等の金属錯体、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の
金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属
塩、カーボンブラック、アルミニウム、雲母などの無機
顔料、アルミニウムなどの金属微粉やマイカ微粉等が挙
げられる。染料としては、例えば、アゾ系、キノリン
系、スチルベン系、チアゾール系、インジゴイド系、ア
ントラキノン系、オキサジン系等が挙げられる。着色剤
は、粉体をそのまま用いても構わないし、あらかじめ着
色ペースト、着色ペレット等に加工してから用いても構
わない。
【0051】また、本発明の樹脂組成物には、シートの
強度を上げるために、本発明の効果を妨げない範囲で、
重合体(A)及び化合物(B)以外の各種の熱可塑性樹
脂を含有させてもよい。かかる熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペン
テン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リアミド樹脂、ポリアセタール、ポリエステル等が挙げ
られる。
【0052】重合体(A)及び化合物(B)以外の熱可
塑性樹脂の添加量は、重合体(A)及び化合物(B)の
合計重量の50重量%以下が好ましく、30重量%以下
が更に好ましい。この上限を越えると、他成分との相溶
性が低下する場合がある。また、本発明の樹脂組成物に
は、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲
で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ラジカル補足剤、充
填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダ
レ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリン
グ剤、ブロッキング防止剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散
剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加して
もよい。
【0053】本発明の樹脂組成物は、重合体(A)、化
合物(B)、化合物(C)、必要に応じて着色剤、架橋
触媒、添加剤、及び溶剤を混合して得られる。溶剤は、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類などの内から樹脂組成物の組
成に応じ適当なものを使用する。溶剤は2種以上用いて
もよい。
【0054】混合方法に特に限定はないが、通常は、重
合体(A)の重合時に得られる重合体溶液に、化合物
(B)、化合物(C)及び他の成分を混合し、攪拌羽
根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。
また、サンドミル、3本ロール、2本ロールなどを用い
て混合してもよい。塗工性などの向上のために、さらに
溶剤を追加したり、濃縮してもよい。
【0055】また、着色剤、特に顔料を添加する場合
は、まず、着色剤、分散樹脂、必要に応じて分散剤、及
び溶剤を混合した顔料ペーストを作成した後、他の成分
と混合するのが好ましい。分散樹脂としては、化合物
(B)を用いるのが好ましいが、特に限定はなく、顔料
分散性に優れた極性基、例えば水酸基、カルボキシル
基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等を有
する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹
脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。分散剤
としては、例えば、顔料誘導体、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、チタンカ
ップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、金属キレート、樹脂コートなどにより、顔料表面
の改質を行うこともできる。
【0056】こうして得られた樹脂組成物をプラスチッ
ク基材上に塗布し、硬化して成膜させ、プラスチック基
材上に本発明の樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層
を形成させてシートとすることができる。プラスチック
基材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレ
ン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリメチルペンテン、アイオノマー、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン、アクリル系樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポ
リエステル等を材料とするシート状、板状、ブロック状
の基材が挙げられる。より優れた成形加工性を得るため
には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ンの基材が好ましい。
【0057】また、本発明の樹脂組成物を剥離シート上
に塗布し、硬化して成膜させた硬化樹脂層を、プラスチ
ック基材に積層して、シートとすることもできる。剥離
シートとしては、例えば、紙、またはポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、セルロースアセテート等
のプラスチックフィルムや、アルミ、ステンレスなどの
金属箔等を用いることができ、厚みが10〜250μm
のものが好適に使用される。
【0058】塗布は、従来公知の方法、例えば、グラビ
アコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リッ
プコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方
式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコ
ート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方
式、バーコート方式等により行うことができる。樹脂組
成物は、数回に分けて塗布してもよいし、1回で塗布し
てもよい。また、異なる方式を複数組み合わせてもよ
い。樹脂組成物の塗布膜厚は、通常、10〜200μm
程度であるが、この範囲内に限定されるものではなく、
用途、要求性能に適した膜厚となるように塗布すればよ
い。樹脂組成物の硬化は、樹脂組成物の種類、剥離シー
ト、プラスチック基材の種類、膜厚、及び用途に応じた
温度、時間で行えばよく、通常、室温〜350℃で行わ
れるが、硬化の効率化および生産性の向上の点から、3
0〜350℃で行うことが好ましい。
【0059】上記方法で得られるシートの片面または両
面には、必要に応じて、粘着剤層を設けることができ
る。その際、樹脂組成物の硬化物からなる層に被着した
剥離シートは、そのままにしても、剥がしてもよいが、
両面に粘着剤層を設ける場合には、剥離シートを剥が
す。粘着剤としては、例えば、一般的な天然ゴム、合成
イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチ
レンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤や、(メタ)ア
クリル酸エステル(C2〜C12)を主体にアクリル
酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチ
レン等の単量体を共重合した重合体を主成分とするアク
リル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤等
を用いることができ、用途、被着体の材質に応じた適当
な接着力を有する物を選択することができる。
【0060】粘着剤層は、粘着剤の種類、塗工適性に応
じ、従来公知の方法、例えば、キスコート方式、ダイコ
ート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレ
ードコート方式、バーコート方式等の種々の方式を利用
して、プラスチック基材上または硬化樹脂層上に直接塗
工して積層させてもよいし、一旦工程紙上に塗工した粘
着剤をプラスチック基材上または硬化樹脂層上にラミネ
ートして積層させてもよい。
【0061】また、プラスチック基材には、硬化樹脂
層、または必要に応じて積層する接着剤層との接着性を
向上させる目的で、プラズマ処理、コロナ処理、フレー
ム処理、電子線照射処理、粗面化処理、オゾン処理等の
表面処理、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング等のドライプレーティング処理が施されていても
よい。また、プラスチック基材には、基材、硬化樹脂
層、粘着材層に応じ、例えば、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを無水マレ
イン酸などの酸含有化合物で変性したもの、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ヒ
ドラジン系化合物などにより変性したもの、シランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、フォスファイトカ
ップリング剤等のカップリング剤、水酸基を有するポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、もしくはアクリル樹
脂と多官能イソシアネート化合物とを組み合わせたも
の、合成ゴム系化合物、ポリエチレンイミン等の少なく
とも1種からなる接着層を1層、もしくは2層以上設け
てもよい。
【0062】更に、シートの硬化樹脂層上またはプラス
チック基材上に、硬度、耐候性、防汚性などの表面機能
の付与、向上を目的として、本発明の効果を妨げない範
囲で、トップコート層を設けても構わない。トップコー
ト層は、例えば、紫外線遮断効果のある透明フィルムの
ラミネートや、透明樹脂の塗工、さらには硬化型樹脂を
塗工し熱や活性放射線により硬化させる等の方法で形成
される。透明フィルム、透明樹脂材料としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、
アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、ポリフッ化ビ
ニリデン等が挙げられる。
【0063】こうして得られたシートは、自動車、二輪
車、モーターボート、スノーモービル、家電、電子機器
等の成形体や外装板、内装材、建材、各種案内板、交通
標識、屋内・屋外広告、看板、シャッター、ウインドウ
などの、各種装飾、着色、表示材料として、さらには、
耐候性や、防汚性、各種耐性等の様々な表面機能を付与
するシートとして、また、各種の物品の品質低下を防い
だり、各機能を保護するための包装材料として使用され
る。
【0064】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の部および%は、すべて重量部およ
び重量%を示している。また、得られた重合体等のポリ
スチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミネーショ
ンクロマトグラフィー装置を用いて測定した。
【0065】(合成例a1〜a8)冷却管、撹拌装置、
温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、表1に
示す不飽和二塩基酸、エチレン性不飽和二重結合を有す
る他の単量体および溶媒を表1に示す配合比(重量比)
に基づいて仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃
まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを表1に示す
配合比の70%加えて2時間重合反応を行い、次に、ア
ゾビスイソブチロニトリルを表1に示す配合比(重量
比)の15%加えてさらに2時間重合反応を行い、更に
アゾビスイソブチロニトリルを表1に示す配合比(重量
比)の15%量を加えてさらに2時間重合反応を行い共
重合体(a)の溶液を得た。得られた共重合体(a)の
重量平均分子量、ガラス転移温度を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】 MAH:無水マレイン酸 MA:メタクリル酸 FA :フマル酸 Tol :トルエン ST:スチレン BuAc:酢酸ブチル MMA:メチルメタクリレート AIBN:アゾビスイソブチロニトリル BMA:n-ブチルメタクリレート Mw:重量平均分子量 HA :ヘキシルアクリレート Tg:ガラス転移温度
【0068】(合成例A1〜A14)共重合体(a)を
重合した後、共重合体(a)を重合したフラスコに、表
2に示す化合物(b)を表2に示す配合比(固形分重量
比)となるよう添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら8
0℃まで昇温し、トリエチルアミンを表2に示す配合比
に基づいて加え、6時間加熱撹拌を行い、重合体(A)
溶液を得た。得られた重合体(A)の重量平均分子量、
水酸基価を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】P-3010:ポリエステルポリオール(株式会
社クラレ製「クラレポリオールP-3010」、Mw=3000 ) 1900U :ポリエーテルポリオール(住友バイエルウレタ
ン株式会社製「デスモフェン1900U 」、Mw=2000 )PM HC-2050 :ポリカーボネートポリオール(株式会社クラ
レ製「クラレポリオールPMHC-2050 」、Mw=2000 ) G-2000:ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社
製「NISSO-PB G-2000」、Mw=2000 ) P-510 :ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製
「クラレポリオールP-510 」、Mw=500) GK870 :ポリエステルポリオール(東洋紡績株式会社製
「バイロン GK870」、Mw=10000〜15000 ) BF-1000 :エポキシ変性ポリブタジエン(日本曹達株式
会社製「NISSO-PB BF-1000 」、Mw=1000 ) TEA :トリエチルアミン Mw:重量平均分子量 OHV :水酸基価
【0071】(合成例C1)冷却管、撹拌装置、温度
計、窒素導入管、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ
に、水酸基を2個以上有するポリエステル(株式会社ク
ラレ製「クラレポリオールP−2010」)100部、
イソホロンジイソシアネート22部、メチルエチルケト
ン(MEK)122部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌し
ながら80℃まで昇温した後、1時間加熱撹拌を行い、
重量平均分子量2500の両末端イソシアネートプレポ
リマーC1を得た。
【0072】(実施例1〜33、比較例1〜3)表3に
示す重合体(A)、化合物(B)、化合物(C)、及び
添加剤を、固形分換算で表3に示す割合となるように混
合し、トルエン/酢酸ブチル=50/50(重量比)の
混合溶媒で固形分濃度が60%となるよう希釈して樹脂
組成物を作成した。
【0073】
【表3】
【0074】NCO 当量:イソシアネート基総数/重合体
(A)と化合物(B)の官能基総数F- 3010:ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製「ク
ラレポリオールF-3010」、Mw=3000 ) Z4470 :イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネ
ート(住友バイエルウレタン株式会社製「デスモジュー
ル Z4470」) N3300 :イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシ
アネート(住友バイエルウレタン株式会社製「スミジュ
ール N3300」 HT:トリメチロールプロパンアダクト変性ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(住友バイエルウレタン株式会社製
「スミジュール HT 」) BL3175:ブロック変性ヘキサメチレンジイソシアネート
(住友バイエルウレタン株式会社製「デスモジュール B
L3175 」) 触媒:エステルアミン(住友バイエルウレタン株式会社
製「デスモラピッPP」) 樹脂:アクリル系樹脂(大成化工株式会社製「アクリッ
ト1422TM」) 赤:赤色顔料(チバスペシャリティケミカルズ株式会社
製「シンカシア マゼンタ BRT343D」) 黒:カーボンブラック顔料(デグサ社製「プリンテック
ス85」) 白:酸化チタン顔料(石原産業株式会社製「タイペーク
CR97 」)
【0075】得られた樹脂組成物を、膜厚60μm のポ
リプロピレンシート(出光石油株式会社製「ピュアソフ
ティ」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時の膜厚
が約30〜50μm となるように塗布し、80℃のガス
オーブン中で2分間加熱して乾燥、硬化させ、シートを
作成した。乾燥、硬化後の膜厚を表4に示す。得られた
シートについて、各種の試験を行った。試験方法、及び
評価方法は以下の通りである。試験結果を表4に示す。
【0076】塗工性試験:硬化樹脂層の表面平滑性を目
視にて、表面のべたつきを指触覚にて、5段階(5:
優、4:良、3:可、2:不良、1:著しく不良)で評
価した。 引張強度試験:シートから、幅1cm×長さ5cmの試
験片を切り抜き、引張試験機(不動工業株式会社製「R
EO METER NRM−2010J−CW」)に取
り付け、レンジ10kg、速度30cm/分の条件で引
っ張り、試験片の破断に至るまでの最大荷重と試験片の
断面積から引張強度(破断応力×レンジ/サンプルの断
面積)を測定し、5段階(5:400kg/cm2以上、4:
300kg/cm2以上400kg/cm2未満、3:200kg/cm2
以上300kg/cm2未満、2:100kg/cm2以上200kg
/cm2未満、1:100kg/cm2未満)で評価した。
【0077】伸張性試験:引張強度試験と同様の方法で
試験を行い、試験片が破断に至るまでの伸張率を測定
し、5段階(伸張前を0%として、5:200%以上、
4:150%以上200%未満、3:100%以上15
0%未満、2:50%以上100%未満、1:50%未
満)で評価した。 引裂強度試験:シートから、JIS K6301 引裂
B型で試験片を打ち抜き、引張試験機(不動工業株式会
社製「REO METER NRM−2010J−C
W」)に取り付け、レンジ10kg、速度30cm/分
の条件で引っ張り、試験片の引裂時の最大荷重から引裂
強度(破断応力×レンジ)を測定し、5段階(5:40
0g以上、4:300g以上400g未満、3:200
g以上300g未満、2:100g以上200g未満、
1:100g未満)で評価した。
【0078】成形加工性試験1:JIS Z2247
に準拠したエリクセン試験A方法で、シートに10mm
押し付けたときの、シートの外観上の変化を目視にて5
段階(5:変化無し、4:僅かに変化有り、3:変化有
り、2:劣化、1:著しく劣化)で評価した。 成形加工性試験2:カッティング試験機(ローランド社
製「CM24」)を用いて、シートを各種パターンの形
状にカッティングし、カッティングの精度を目視にて5
段階(5:優、4:良、3:可、2:不良、1:著しく
不良)で評価した。
【0079】密着性試験:樹脂組成物硬化剤面を、JI
S K5400 6.15碁盤目試験に準拠した方法
で、碁盤目状にカットした。カットの切削を行った面上
に、接着テープ(幅24mm、ニチバン製「セロテープ
Lパック24」)を、気泡を含まないように指先で均一
に圧着し、接着テープの一方の端を持ち、塗膜に対して
上方45°の角度で急激に引っ張って剥がした。この
時、ポリプロピレンシート基材上から50%以上剥離した
ものの数を測定し、5段階(剥離した数が、5:0/1
00〜20/100、4:21/100〜40/10
0、3:41/100〜60/100、2:61/10
0〜80/100、1:81/100〜100/10
0)で評価した。 促進耐候性試験:JIS B7750規定の紫外線カー
ボンアーク燈式耐候性試験機(スガ試験機株式会社製)
で、JIS K5400 6.17に準拠した試験を行
い、1000時間経過後の外観の変化を目視にて5段階
(5:変化無し、4:僅かに変化有り、3:変化有り、
2:劣化、1:著しく劣化)で評価した。
【0080】耐薬品性試験:下記の薬品を、下記の条件
で浸漬した後の外観上の変化を目視にて5段階(5:変
化無し、4:僅かに変化有り、3:変化有り、2:劣
化、1:著しく劣化)で評価した。 番号 薬品 条件 1 沸騰水 98℃沸騰水中に5分間浸漬 2 イソプロピルアルコール 標準状態下で1時間浸漬 3 キシレン 標準状態下で1時間浸漬 4 ガソリン 標準状態下で1時間浸漬 5 5%食塩水 標準状態下で240時間浸漬 6 5%硫酸水溶液 標準状態下で7時間浸漬 7 5%水酸化ナトリウム水溶液 標準状態下で7時間浸漬
【0081】(実施例34)粘着剤溶液(2液硬化型ア
クリル系粘着剤/硬化剤=100/8.7)を、膜厚1
00μm の剥離シート(カイト化学株式会社製「TSM
−110K」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時
の膜厚が約10〜20μm となるように塗布し、80℃
のガスオーブン中で2分間加熱して乾燥、硬化させ粘着
剤シートを作成した。作成した粘着剤シートと実施例1
で作成したシートをそれぞれ、粘着剤塗布面と硬化樹脂
層面とを貼り合わせるかたちでラミネート接着して、粘
着シートを作成した。得られた粘着シートについて、実
施例1と同様の試験を行った。試験結果を表4に示す。
【0082】(実施例35〜36)下記のアンカーコー
ト剤(固形分濃度20%)を、膜厚60μm のポリプロ
ピレンシート(出光石油株式会社製「ピュアソフテ
ィ」)上に、バーコーター(R.D.specialt
ies,U.S.A.ラボラトリー・コーティング・ロ
ッド No.10)を用いて、乾燥時の膜厚が約5〜1
0μm となるように塗布し、下記の条件で乾燥、硬化さ
せた上に、実施例1と同様の樹脂組成物を、コンマコー
ターを用いて、乾燥時の膜厚が約30〜50μm となる
ように塗布し、80℃のガスオーブン中で2分間加熱し
て乾燥、硬化させ、シートを作成した。乾燥、硬化後の
膜厚を表4に示す。 アンカーコート剤 乾燥、硬化条件 実施例35 バイロン63SS(東洋紡株式会社)/硬化剤 80℃−10分 実施例36 オルガチックスTA−25(松本公商株式会社)80℃− 5分
【0083】(実施例37〜39)実施例1で作成した
シートの硬化樹脂層上に、下記のトップコートを下記の
方法で積層してシートを作成し、実施例1と同様の試験
を行った。試験結果を表4に示す。 トップコート / 積層方法 実施例37 PET フィルム / 接着剤層を介してラミネート 実施例38 アクリルポリマー系トップコート剤 /バーコーター(No.10 )で塗工後、80℃−3分加熱硬化 実施例39 MMA-HEMA共重合体(Mw=100000)/UF-1003LN/イルガキュア6907 =85/15/2(重量比) /バーコーター(No.10 )で塗工、80℃−1分加熱乾燥後、 UV照射 * PET :ポリエチレンテレフタレート * MMA :メチルメタクリレート、HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート * Mw:重量平均分子量 * UF-1003LN :共栄社化学株式会社製ウレタンアクリレート * イルガキュア6907:チバスペシャリティケミカルズ株式会社製光重合開始剤
【0084】(比較例4〜6)膜厚80μmの軟質ポリ
塩化ビニルシート(比較例4)、膜厚80μmのポリエ
チレンテレフタレートシート(比較例5)、膜厚80μ
mのポリプロピレンシート(比較例6)について、実施
例1と同様の試験を行った。試験結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】本発明により、強靱で、且つ伸張性、柔
軟性を有し、成形加工性、耐候性、耐薬品性に優れ、表
示、包装用に好適な多層シートを得ることができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 81/02 C08G 81/02 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA04 AA12 AA13 AA15 AA19 AA32 AA35 AA36 AA38 AB37 AB52 AB54 BA00 BA03 BA16 CA07 DA04 EA05 4F100 AK01B AK03B AK07 AK21A AK41A AK45A AK51A AK54A AL04A AL05A AR00C AR00D BA02 BA10B BA10C BA10D CA13A EH462 GB15 JB12A JL11C JL11D 4J031 AA12 AA13 AA16 AA20 AA22 AA29 AA49 AA52 AA53 AB01 AC03 AD01 AE11 AF11 AF30 4J034 BA07 DA01 DA03 DA05 DA08 DA10 DB04 DB05 DF01 DF02 DF16 DF17 DF20 DF21 DF22 DG03 DG04 DG06 DP02 DP19 GA06 HA01 HA02 HA06 HA07 HC12 HC13 HC35 HC63 HC65 HD02 HD04 HD05 HD15 JA14 JA44 MA01 MA11 MA29 QC05 QD06 RA06 RA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基と反応可能な官能基を有
    する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
    ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
    の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、イソシア
    ネート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエ
    ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
    ブタジエンから選ばれる少なくとも1種(B)、及び2
    個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート
    化合物(C)を含む樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹
    脂層を、プラスチック基材上に有する多層シート。
  2. 【請求項2】重合体(A)が、不飽和二塩基酸とエチレ
    ン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体
    (a)と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソ
    シアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエー
    テル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブ
    タジエンから選ばれる少なくとも1種(b)との縮合反
    応により得られるグラフト重合体である請求項1記載の
    多層シート。
  3. 【請求項3】樹脂組成物が、更に着色剤を含むことを特
    徴とする請求項1または2記載の多層シート。
  4. 【請求項4】片面または両面に粘着剤層を有する請求項
    1ないし3いずれか記載の多層シート。
  5. 【請求項5】プラスチック基材がポリオレフィンである
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の多層
    シート。
  6. 【請求項6】プラスチック基材上に、イソシアネート基
    と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエス
    テル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選
    ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重
    合体(A)、イソシアネート基と反応可能な官能基を2
    個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカー
    ボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくと
    も1種(B)、及び2個以上のイソシアネート基を有す
    るポリイソシアネート化合物(C)を含む樹脂組成物を
    塗布し、硬化させることを特徴とする多層シートの製造
    方法。
  7. 【請求項7】剥離シート上に、イソシアネート基と反応
    可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、
    ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる
    少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体
    (A)、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以
    上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
    ート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1
    種(B)、及び2個以上のイソシアネート基を有するポ
    リイソシアネート化合物(C)を含む樹脂組成物を塗布
    し、硬化させた後、プラスチック基材に積層することを
    特徴とする多層シートの製造方法。
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