JP2002212215A - オレフィン重合用触媒成分及びそれを用いた触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分及びそれを用いた触媒

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JP2002212215A
JP2002212215A JP2001006897A JP2001006897A JP2002212215A JP 2002212215 A JP2002212215 A JP 2002212215A JP 2001006897 A JP2001006897 A JP 2001006897A JP 2001006897 A JP2001006897 A JP 2001006897A JP 2002212215 A JP2002212215 A JP 2002212215A
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silicate
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olefin polymerization
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Kazuhiro Yamamoto
和弘 山本
Fumihiko Shimizu
史彦 清水
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高活性でポリマー性状の優れた重合体を低コス
トで得ることが出来るオレフィン重合用触媒成分及びオ
レフィン重合用触媒の提供。 【解決手段】X線回折において、2θ=61.70°〜
2θ=61.97°にピークを有するイオン交換性層状
珪酸塩からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒
成分。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合用触
媒成分ならびに該触媒成分を用いたオレフィン重合用触
媒に存し、更に詳しくは、特定の構造を有するイオン交
換性層状珪酸塩を用いることにより、触媒性能の向上、
特にオレフィン重合において高活性な性能を示し、粒子
性状が良好なポリマーが得られる触媒成分を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】オレフィンを重合触媒の存在下に重合し
てオレフィン重合体を製造する方法として、従来、触媒
系としてメタロセン及びアルミノキサンからなるものを
用いる方法は既に提案されている(特開昭60−350
07号公報、特公平4−12283号公報等)。
【0003】しかし、これら触媒系の多くは重合反応媒
体に可溶であり、得られる重合体の粒子形状が不定形で
あり嵩密度が小さく微粉が多い等、粒子性状が十分なレ
ベルではなく、スラリー重合あるいは気相重合に適用し
た場合、連続安定運転が困難になる等の製造工程上の問
題点と商業生産をするためには高価なアルミノキサンの
使用量が多く触媒コストに課題を残している。
【0004】一方、これら問題を解決するために遷移金
属化合物及び有機アルミニウムの一方あるいは両方をシ
リカ、アルミナ等の無機酸化物もしくは有機物に担持さ
せた触媒系を用いてオレフィンの重合を行う方法も提案
されている(特開昭61−108610号公報、同60
−135408号公報、同61−296008号公報、
特開平3−74412号公報、同3−74415号公報
等)。
【0005】しかし、これらの方法によって得られた重
合体でも、微粉、粗粒が依然として多く見られ、嵩密度
も低い等、粒子性状が不良なものが多く、また、単位触
媒あるいは共触媒あたりの重合活性が低い等、ポリマー
を安定して、商業的なコストで製造するためには不十分
なレベルであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高活性でポ
リマー性状の優れた重合体を低コストで得ることが出来
るオレフィン重合用触媒成分及びオレフィン重合用触媒
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を行った結果、特定の構造を有すイオン交換性層状珪酸
塩をオレフィン重合用の触媒成分として使用すると、ポ
リマーの製造安定性、及び、経済性に優れた性能を示す
との知見を得た。
【0008】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その第一は、X線回折において、2θ=6
1.70°〜2θ=61.97°にピークが存在するイ
オン交換性層状珪酸塩を使用することを特徴をするオレ
フィン重合用触媒成分を提供するものであり、第二は、
下記成分[A]と成分[B]、及び必要に応じて成分
[C]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒
を提供するものである。
【0009】[A]周期律表4〜10族の遷移金属化合
物、[B]上記の触媒成分、[C]有機アルミニウム化
合物、
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、X線回折において、2
θ=61.70°〜2θ=61.97°にピークが存在
するイオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と称す
ることがある)を使用することを特徴とするオレフィン
重合用触媒成分である。
【0011】X線回折の測定について以下に述べる。X
線回折は珪酸塩の同定には最も有力な手段である。測定
は多くの方法があるが、一般的には粉末法が使用される
ことが多い。珪酸塩の結晶内部は原子が規則正しく繰り
返して並んでおり、配列の周期はX線の波長と同じ程度
である。そのためにX線が結晶にあたって回折が起こ
り、この現象を3次元的な原子配列がつくる空間格子の
格子面からのX線と言い換えることができる。
【0012】これらの挙動は、一般に知られているBr
aggの条件を満足していると仮定し、それに従い格子
面の指数を予想することが可能となる。一方、回折によ
り得られた、多数の反射の面間隔と強度のデータより、
反射の指数は不明なままでも、既知物質のデータと比較
することにより、結晶性物質の同定を行うことが可能で
ある。
【0013】本発明においては、粉末法により測定を行
ない、得られた特定のピーク(060反射に対応)の位
置の比較を行った。このX線回折のピークは、珪酸塩を
構成する原子の組成と密接な関係があり、珪酸塩の同定
にも用いられる。本発明においては、前述の特定の位置
にピークを持つ珪酸塩が高い触媒活性を与えることを見
いだした。
【0014】本発明において、原料として使用する珪酸
塩は、イオン結合などの結合力によって構成される面が
互いに平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有
されるイオンが交換可能であるイオン交換性層状珪酸塩
化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱
物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪
酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含ま
れることが多いが、それらを含んでいてもよい。なお、
本発明の原料珪酸塩とは、後述する本発明の化学処理を
行う前段階の珪酸塩をさす。また、本発明で使用する珪
酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であっても
よい。珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著
「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されてい
る次のような層状珪酸塩が挙げられる。
【0015】(1) 1:1層が主要な構成層であるデ
ィッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイ
ト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、
クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋
石族。 (2) 2:1層が主要な構成層であるモンモリロナイ
ト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメク
タイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、
雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタ
パルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベン
トナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群。
【0016】本発明で使用する原料珪酸塩は、上記
(1)、(2)の混合層を形成した層状珪酸塩であって
もよい。本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型
構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイ
ト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトが特
に好ましい。層間カチオンの種類は、特に限定されない
が、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る
観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を層
間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
【0017】本発明で使用する珪酸塩は、特に処理を行
うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を
施すことが好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着
している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響
を与える処理のいずれをも用いることができる。
【0018】具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純
物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽
イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。
アルカリ処理では珪酸塩の結晶構造が破壊され、構造の
変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イ
オン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面
積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を利
用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと
置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を
得ることもできる。
【0019】これら処理に用いる酸処理剤、アルカリ処
理剤及び塩類処理剤は、それぞれ同時に2種類以上使用
してもよい。また、酸処理剤と塩類処理剤、又は、アル
カリ処理剤と塩類処理剤を同時に使用してもよい。これ
らの組み合わせは処理開始時に添加する処理剤について
組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処
理剤について組み合わせて用いてもよい。さらに、化学
処理は複数回行なってもよく、任意の組合せが可能であ
る。また、アルカリ処理や有機物処理などの化学処理を
併用してもよい。
【0020】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸、安息香酸、
ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、フタル酸から選択される。さらに好まし
くは、塩酸、硫酸、硝酸である。
【0021】塩類処理で用いられる塩類は、1〜14族
原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含
む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは1〜1
4族原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子
を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸及び有機酸か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから
なる化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子か
らなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イ
オンと、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3
CO3、C24、ClO4、OOCCH3、CH3COCH
COCH3、OCl2、O(NO32、O(ClO42
O(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OOCH、O
OCCH2CH3、C244及びC657からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物
である。
【0022】具体的には、LiCl、Li2SO4、Li
224、LiNO3、Li3(C6 57)、NaCl、
Na2SO4、Na224、NaNO3、Na3(C65
7)、KCl、K2SO4、K224、KNO3、K
3(C657)、CaCl2、CaSO4、CaC24
Ca(NO32、Ca3(C6572、MgCl2
MgBr2、MgSO4、Mg(PO42、Mg(ClO
42、MgC24、Mg(NO32、Mg(OCOCH
32、MgC444、Sc(OCOCH32、Sc
2(CO33、Sc2(C243、Sc(NO33、S
2(SO43、ScF3、ScCl3、ScBr3、Sc
3、Y(OCOCH33、Y(CH3COCHCOCH
33、Y2(CO33、Y2(C243、Y(N
33、Y(ClO43、YPO4、Y2(SO43、Y
3、YCl3、La(OOCH33、La(CH3CO
CHCOCH33、La2(CO33、La(N
33、La(ClO 43、La2(C243、LaP
4、La2(SO43、LaF3、LaCl3、LaBr
3、Lal3、Sm(OCOCH33、Sm(CH3CO
CHCOCH3 3、Sm2(CO33、Sm(N
33、Sm(ClCO43、Sm2(C243、Sm
PO4、Sm2(SO43、SmF3、SmCl3、SmB
3、SmI3、Yb(OCOCH33、Yb(N
33、Yb(ClO43、Yb(C243、Yb
(SO43、YbF3、YbCl3、Ti(OCOC
34、Ti(CO32、Ti(NO34、Ti(SO
42、TiF4、TiCl4、TiBr4、TiI4、Zr
(OCOCH34、Zr(CO32、Zr(NO34
Zr(SO42、ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、Z
rl4、ZrOCl2、ZrO(NO32、ZrO(Cl
42、ZrO(SO4)、Hf(OCOCH34、H
f(CO3 2、Hf(NO34、Hf(SO42、Hf
OCl2、HfF4、HfCl4、HfBr4、HfI4
V(CH3COCHCOCH33、VOSO4、VOCl
3、VCl3、VCl4、VBr3、Nb(CH3COCH
COCH35、Nb2(CO3 5、Nb(NO35、N
2(SO45、ZrF5、ZrCl5、NbBr5、Nb
5、Ta(OCOCH35、Ta2(CO35、Ta
(NO35、Ta2(SO45、TaF5、TaCl5
TaBr5、TaI5、Cr(OOCH32OH、Cr
(CH3COCHCOCH33、Cr(NO33、Cr
(ClO43、CrPO4、Cr2(SO43、CrO2
Cl2、CrF3、CrCl3、CrBr3、CrL3、M
oOCl4、MoCl3、MoCl4、MoCl5、MoF
6、MoI2、WCI4、WCl6、WF6、WBr5、Mn
(OOCH32、Mn(CH3COCHCOCH32
MnCO3、Mn(NO32、MnO、Mn(ClO4
2、MnF2、MnCl2、MnBr2、MnI2、Fe
(OCOCH32、Fe(CH3COCHCOC
33、FeCO3、Fe(NO33、Fe(ClO4
3、FePO4、FeSO4、Fe2(SO43、Fe
3、FeCl3、FeBr3、FeI2、FeC6
57、Co(OCOCH32、Co(CH3COCHC
OCH33、CoCO3、Co(NO32、CoC
24、Co(ClO42、Co3(PO42、CoS
4、CoF2、CoCl2、CoBr2、CoI2、Ni
CO3、Ni(NO32、NiC24、Ni(ClO4
2、NiSO4、NiCl2、NiBr2、Pb(OCOC
34、Pb(OOCH32、PbCO3、Pb(N
32、PbSO4、PbHPO4、Pb(ClO42
PbF2、PbCl2、PbBr2、PbI2、CuI2
CuBr2、Cu(NO32、CuC24、Cu(Cl
4 2、CuSO4、Cu(OCOCH32、Zn(O
OCH32、Zn(CH3COCHCOCH32、Zn
CO3、Zn(NO32、Zn(ClO42、Zn3(P
42、ZnSO4、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2
ZnI2、Cd(OCOCH32、Cd(CH3COCH
COCH32、Cd(OCOCH2CH32、Cd(N
32、Cd(ClO42、CdSO4、CdF2、Cd
Cl2、CdBr2、CdI2、AlF3、AlCl3、A
lBr3、AlI3、Al2(SO43、Al 2(C24
3、Al(CH3COCHCOCH33、Al(N
33、AlPO4、GeCl4、GeBr4、GeI4
Sn(OCOCH34、Sn(SO42、SnF4、S
nCl4、SnBr4、SnI4等が挙げられる。
【0023】また有機陽イオンの例としてはトリメチル
アンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピル
アンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリドデシル
アンモニウム、N,N−ジメチルオクタデシルアンモニ
ウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチ
ルアニリニウム、N,N−ジメチル−2,5−ジメチル
アニリニウム、N,N−ジメチル−p−n−ブチルアニ
リニウム、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルア
ニリニウム、N,N−ジメチル−2−(1−ナフチル)
アニリニウム、N,N,2−トリメチルアニリニウム、
2,6−ジメチルアニリニウムなどのアンモニウムイオ
ン、ピリジニウム、2,6−ジメチルピリジニウム、キ
ノリニウム、N−メチルピペリジニウム、2,2,6,
6−テトラメチルピペリジニウム等の含窒素芳香族化合
物陽イオン、トリフェニルホスホニウム、トリ(o−ト
リル)ホスホニウム、トリ(p−トリル)ホスホニウ
ム、トリ(メシチル)ホスホニウム、等の含リン化合物
陽イオン、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウ
ム、ジフェニルオキソニウム、フラニウム、オキソラニ
ウム等のオキソニウムイオンなどの陽イオンを例示する
こともできる。
【0024】また陰イオンの例としては、上に例示した
陰イオン以外にも、例えばヘキサフルオロフォスフェー
ト、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0025】アルカリ処理で用いられる処理剤として
は、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、C
a(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2等が例示
される。
【0026】上述した各種処理剤は、適当な溶剤に溶解
させて処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を
溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、
水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、
エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フ
ラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類
やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。処理条件
は、特には制限されないが、通常、塩類及び酸濃度は、
0.1〜50重量%、処理温度は室温〜150℃、処理
時間は、5分〜24時間の条件を選択して、珪酸塩から
なる群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成して
いる物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが
好ましい。
【0027】本発明の化学処理により、化学処理をする
前の珪酸塩が含有する交換可能な周期律表1族、あるい
は2族金属陽イオンの40%以上、好ましくは60%以
上を、先に示す酸あるいは塩類より解離した陽イオン
と、イオン交換することが好ましい。
【0028】本発明の化学処理において、少なくとも一
回以上、上記酸処理、上記塩類処理、あるいは酸と塩類
を共存させて処理を行なうことが好ましい。さらに、こ
れら化学処理により、表面の不純物を除く他、結晶構造
のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部を溶出させるこ
とができ、珪素を除く各構成成分元素の溶出量は、好ま
しくは90%以下、さらに好ましくは85%以下であ
る。
【0029】本発明の方法により化学処理されて得られ
る珪酸塩には、原料のイオン交換性層状珪酸塩と同様に
イオン交換性を有する層状の珪酸塩、及び、該処理を加
えることによって物理的、化学的な性質が変化し、イオ
ン交換性や層構造がなくなった珪酸塩も含まれる。
【0030】これら珪酸塩には、通常吸着水及び層間水
が含まれる。本発明においては、これらの吸着水及び層
間水を除去して使用するのが好ましい。
【0031】ここで吸着水とは、珪酸塩化合物粒子の表
面あるいは結晶破面に吸着された水で、層間水は結晶の
層間に存在する水である。本発明では、加熱処理により
これらの吸着水及び/又は層間水を除去して使用するこ
とができる。
【0032】珪酸塩の吸着水及び層間水の加熱処理方法
は特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱
水、減圧下の加熱脱水及び有機溶媒との共沸脱水等の方
法が用いられる。加熱の際の温度は、珪酸塩の種類にも
より一概に規定できないが、層間水が残存しないよう
に、100℃以上、好ましくは150℃以上であるが、
構造破壊を生じるような高温条件(加熱時間にもよるが
例えば800℃以上)は好ましくない。また、気体流通
下の加熱脱水の場合、不活性ガスあるいは空気を通常用
いる。加熱時間は1分以上、好ましくは5分以上であ
る。その際、除去した後の珪酸塩の水分含有率が、温度
200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場
合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好
ましくは1重量%以下であることが好ましい。
【0033】また、珪酸塩は、平均粒径が5μm以上の
球状粒子を用いるのが好ましい。より好ましくは、平均
粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。更に好ましく
は平均粒径が10μm以上100μm以下の球状粒子を
用いる。ここでいう平均粒径は、レーザー散乱・回折に
よる粒径測定装置により測定したメジアン径を表す。
【0034】また、珪酸塩は、粒子の形状が球状であれ
ば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよいし、
造粒、分粒、分別等により粒子の形状及び粒径を制御し
たものを用いてもよい。
【0035】本発明では、化学処理前、処理間、処理後
に粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。ここで用い
られる造粒法は例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造
粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒
法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型
造粒法等が挙げられるが珪酸塩を造粒することが可能な
方法であれば特に限定されない。
【0036】造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、噴
霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げられ、特に好
ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。なお、
噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として水あ
るいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メ
チレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キ
シレン等の有機溶媒を用いる。
【0037】造粒において粒子強度の高い担体を得るた
めには、珪酸塩を必要に応じ微細化する。珪酸塩は、如
何なる方法において微細化してもよい。微細化する方法
としては、乾式粉砕、湿式粉砕いずれの方法でも可能で
ある。好ましくは、水を分散媒として使用し珪酸塩の膨
潤性を利用した湿式粉砕であり、例えばポリトロン等を
使用した強制撹拌による方法やダイノーミル、パールミ
ル等による方法がある。粒径及び1μm未満粒子の体積
分率は、平均粒径が0.01〜5μm、かつ1μm未満
の粒子分率が5%以上、好ましくは、平均粒子径が0.
1〜3μm、かつ1μm未満の粒子分率が10%以上で
ある。
【0038】球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリ
ー液の珪酸塩の濃度は0.1〜70%、好ましくは1〜
50%、特に好ましくは2〜30%である。球状粒子が
得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒によ
り異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましく
は100〜220℃で行う。
【0039】上記のように得られた球状粒子は、重合工
程での破砕や微粉の抑制をするためには0.2MPa以
上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。
【0040】なお、化学的処理した珪酸塩造粒体の好ま
しい構造は、水銀圧入法で測定した半径40オングスト
ローム(Å)以上の細孔の容積が0.01cc/gより
大きく、好ましくは0.03cc/g以上、特に好まし
くは0.07〜2cc/gのものである。また、平均細
孔径(モード値)については、通常分析下限の40Å〜
1000Å、好ましくは40Å〜600Åである。表面
積は、酸類あるいは酸性を示す塩類処理により大きくな
るのは前述の通りであり、一般的なBET法による分析
値が、50m2/g以上、500m2/g以下が好まし
い。
【0041】本発明範囲のX線回折ピークの珪酸塩は、
原料珪酸塩の性質あるいは化学処理方法を選択すること
によって経験的に得ることができる。
【0042】本発明のオレフィン重合用触媒は、[A]
周期律表4〜10族の遷移金属化合物と、[B]上記の
イオン交換性層状珪酸塩、及び必要に応じて[C]有機
アルミニウム化合物から構成される。
【0043】本発明で使用する成分[A]は、周期律表
4〜6族のメタロセン化合物、また、窒素、酸素、イオ
ウ、リン等のヘテロ原子が周期律表4〜10族の遷移金
属と結合した化合物、例えば、4族のビスアミド、ビス
アルコキシド化合物あるいは10族のビスイミド化合物
であり、好ましくは、メタロセン化合物である。
【0044】本発明で使用するメタロセン化合物は、共
役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表4〜6
族の遷移金属化合物である。かかる遷移金属化合物とし
て好ましいものは、下記一般式(1)、(2)、
(3)、(4)で表される化合物である。
【0045】
【化1】
【0046】(式中、A及びA’は置換基を有してもよ
い共役五員環配位子(同一化合物内においてA及びA’
は同一でも異なっていてもよい)を示し、Qは二つの共
役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示
し、Zは窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子又は
イオウ原子を含む配位子を示し、Q’は共役五員環配位
子の任意の位置とZを架橋する結合性基を示し、Mは周
期律表4〜6族から選ばれる金属原子を示し、X及びY
は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ
基、アミノ基、リン含有炭化水素基又は珪素含有炭化水
素基を示す。)
【0047】A及びA’は共役五員環配位子であり、こ
れらは同一化合物内において同一でも異なってもよいこ
とは前記した通りである。この共役五員環配位子(A及
びA’)の具体例としては、共役炭素五員環配位子、即
ちシクロペンタジエニル基を挙げることができる。シク
ロペンタジエニル基は水素原子を五個有するもの[C 5
5−]であってもよく、また、その誘導体、即ちその
水素原子のいくつかが置換基で置換されているものであ
ってもよい。この置換基の例としては、炭素数1〜4
0、好ましくは1〜30、の炭化水素基である。この炭
化水素基は一価の基としてシクロペンタジエニル基と結
合していても、またこれが複数存在するときにその内の
2個がそれぞれ他端(ω−端)で結合してシクロペンタ
ジエニルの一部と共に環を形成していてもよい。後者の
例としては、2個の置換基がそれぞれω−端で結合して
該シクロペンタジエニル基中の隣接した2個の炭素原子
を共有して縮合六員環を形成しているもの、即ちインデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、
及び縮合七員環を形成していているもの、即ちアズレニ
ル基、テトラヒドロアズレニル基が挙げられる。
【0048】即ち、A及びA’で示される共役五員環配
位子の具体的例としては、置換又は非置換のシクロペン
タジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、又はア
ズレニル基等が挙げられる。この中で、好ましいもの
は、アズレニル基である。
【0049】シクロペンタジエニル基上の置換基として
は、前記の炭素数1〜40、好ましくは1〜30、の炭
化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば−Si(R
1)(R2)(R3)で示される炭素数1〜24の珪素含
有炭化水素基、−P(R1)(R2)で示される炭素数1
〜18のリン含有炭化水素基、又は−B(R1)(R2
で示される炭素数1〜18のホウ素含有炭化水素基が挙
げらる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置
換基は同一でも異なっていてもよい。上述のR1〜R
3は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜20
のアルキル基を示す。
【0050】Qは二つの共役五員環配位子間を任意の位
置で架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子の任
意の位置とZで示される基を架橋する結合性基を表す。
【0051】Q及びQ’の具体例としては、(イ)メチ
レン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチ
ルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレ
ン基等のアルキレン基類、(ロ)ジメチルシリレン基、
ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニ
ルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリ
レン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基、
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアル
ミニウムを含む炭化水素基、さらに具体的には、(CH
32Ge、(C652Ge、(CH3)P、(C65
P、(C49)N、(C65)N、(C49)B、(C
65)B、(C 65)Al(C65O)Alで示される
基等である。好ましいものは、アルキレン基類、シリレ
ン基類及びゲルミレン基類である。
【0052】Mは周期律表第4〜6族から選ばれる金属
原子遷移金属を、好ましくは周期律表4属金属原子、具
体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム等である。
特には、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
【0053】Zは窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リ
ン原子又はイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲ
ン原子又は炭化水素基を示す。好ましいものの具体例と
しては、酸素原子、イオウ原子、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、
好ましくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1
〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭
素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素
基、水素原子、塩素、臭素、炭素数1〜20の炭化水素
基である。
【0054】X及びYは、各々水素、ハロゲン原子、炭
素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素
数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミ
ノ基、ジフェニルフォスフィノ基等の炭素数1〜20、
好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、又はトリメ
チルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の
炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化
水素基である。XとYは同一でも異なってもよい。これ
らのうちハロゲン原子、炭化水素基、特に炭素数1〜8
のもの、及びアミノ基が好ましい。
【0055】本発明によるオレフィン重合用触媒におい
て、成分[A]として一般式(1)、(2)、(3)又
は(4)で表される化合物のうち、特に好ましいものは
以下の置換基を有するものである。
【0056】A、A’=シクロペンタジエニル、n−ブ
チルシクロペンタジエニル、インデニル、2−メチル−
インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テ
トラヒドロインデニル、2−メチル−テトラヒドロイン
デニル、2−メチルベンゾインデニル、2,4−ジメチ
ル−4H−アズレニル、2−メチル−4−フェニル−4
H−アズレニル、2−メチル−4−(2−ナフチル)−
4H−アズレニル、2−メチル−4−(4−t−ブチル
フェニル)−4H−アズレニル、2−エチル−4−(2
−フルオロ−4−ビフェニル)−4H−アズレニル、2
−エチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−ア
ズレニル、2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフ
ェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレ
ニル Q,Q’=エチレン、ジメチルシリレン、イソプロピリ
デン、ジメチルゲルミレン Z=t−ブチルアミド、フェニルアミド、シクロヘキシ
ルアミド、 M=4族遷移金属、 X、Y=塩素、メチル、ジエチルアミノ。
【0057】一般式(1)ないし(4)で示される部分
[A]は、同一の一般式で示される化合物及び/又は異
なる一般式で表される化合物の二種以上の混合物として
用いることができる。
【0058】本発明のα−オレフィン重合用触媒におい
て、任意成分[C]としての有機アルミニウム化合物の
一例は、次の一般式(6)で表される。
【0059】AlRa3-a (6)
【0060】本発明ではこの式で表される化合物を単独
で、複数種混合してあるいは併用して使用することがで
きることは言うまでもない。また、この使用は触媒調製
時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも使用可能で
ある。この式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示
し、Pは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基又
はシロキシ基を示す。aは0より大きく3以下の数を示
す。Rとしてはアルキル基が好ましく、またPは、それ
がハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には
炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭
素数1〜8のアミノ基が、好ましい。したがって、好ま
しい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルア
ルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニ
ウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマ
ルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチル
アルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチ
ルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、
a=3のトリアルキルアルミニウム及びジアルキルアル
ミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素
数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
【0061】本発明による触媒は、上記の各成分を重合
槽外であるいは重合槽内で、同時にもしくは連続的に、
あるいは一度にもしくは複数回にわたって、接触させる
ことによって形成させることができる。各成分の接触
は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒中で行
うのが普通である。接触温度は特に限定されないが、−
20℃から150℃の間で行うのが好ましい。接触順序
としては合目的的な任意の組み合わせが可能である。す
なわち、成分[A]と成分[B]を接触させた後、成分
[C]を接触、成分[A]と成分[C]を接触させた
後、成分[B]を接触、成分[B]と成分[C]を接触
させた後、成分[A]を接触、成分[A]、成分
[B]、成分[C]を同時に接触、が可能である。
【0062】各成分を接触させた後は、脂肪族炭化水素
あるいは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能で
ある。
【0063】本発明で使用する成分[A]、[B]及び
[C]の使用量は任意である。一般には、成分[B]に
対する成分[A]の使用量は、成分[B]1gに対し、
好ましくは0.1μmol〜1000μmol、特に好
ましくは0.5μmol〜500μmolの範囲であ
る。成分[B]に対する成分[C]の使用量は、成分
[B]1gに対し、好ましくは遷移金属の量が0.00
1〜100mmol、特に好ましくは0.005〜50
mmolの範囲である。したがって、成分[A]に対す
る成分[C]の量は、遷移金属のモル比で、好ましくは
10-5〜1000、特に好ましくは10-4〜100、の
範囲内が好ましい。
【0064】本発明の触媒は、これに重合性モノマーを
接触させてこのモノマーを少量重合されることからなる
予備重合処理に付すことも可能であり、かつ好ましい。
予備重合を行う段階は、任意であり、本発明のすべての
触媒成分を接触させた後、あるいは予備重合を行った後
に成分[C]を接触させる等の方法も可能である。その
ときの重合条件は、本重合のそれよりも温和であるのが
普通である。予備重合モノマ−としては、α−オレフィ
ンが使用でき、好ましくはエチレン又はプロピレンであ
る。予備重合量は、通常0.01〜100、好ましくは
0.1〜50、である。
【0065】上記の各成分の接触の際もしくは接触の後
に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリ
カ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させるか、又
は、接触させてもよい。
【0066】<触媒の使用/オレフィンの重合>重合し
うるα−オレフィンとしては炭素数2〜20程度のもの
が好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、等が挙げられる。
共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記α
−オレフィンとして挙げられるもののなかから、主成分
となるもの以外のα−オレフィンを選択して用いること
ができる。
【0067】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体
的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を
実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるスラリー
法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モ
ノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、
連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用
される。スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキ
サン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独
又は混合物が用いられる。重合温度は0℃〜200℃で
あり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いるこ
とができる。重合圧力は0〜2000kg/cm2Gの
範囲で実施可能である。
【0068】
【実施例】本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら実施
例によって制約を受けるものではない。
【0069】本発明に用いたサンプルのX線回折測定
は、Philips社製PW1700mp装置を使用
し、以下に記す条件で行った。
【0070】 CuKα(40kV:30mA) スリット:Divergence 1/2° Receiving 0.1mm Scatter 1/2° Step Scan:Scan Width 0.02° Time per step 1sec=1.2°/min
【0071】<実施例−1> (1)イオン交換性層状珪酸塩 市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレ
イSL、平均粒径16.2μm)を原料として用いた。
X線回折測定の結果、2θ=61.86°にピークが存
在した。
【0072】(2)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理 硫酸10gと脱塩水90gを混合した硫酸水溶液中に、
ベンクレイSLを10gを分散させ、還流を4時間行っ
た。その後、ろ液が中性になるまで、脱塩水で洗浄を行
った。回収したベンクレイSLを110℃の乾燥機で3
時間乾燥した。蛍光X線により組成分析を行ったとこ
ろ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、
Al/Si=0.198 Mg/Si=0.043 F
e/Si=0.027 であった。各々の元素の溶出率
は、Alが36%、Mgが70%、Feが35%であっ
た。(溶出率は、原料から溶出した各元素の量を組成分
析値より計算したものである。)また、X線回折測定の
結果、2θ=61.94°にピークが存在した。
【0073】(3)触媒成分の調製 (2)で得られた化学処理したベンクレイSLを、20
0℃で2時間減圧乾燥した。次いで、その珪酸塩を10
0mlのフラスコに300mg分取し、トリエチアルミ
ニウムのトルエン溶液(0.4mmolAl/ml)を
1.5ml加え、室温で30分撹拌した。その後、トル
エン20mlによる洗浄(撹拌を止めて上澄みを抜き出
す)を2回行った。最後にトルエンを添加して、ベンク
レイSLのトルエンスラリー(33mg/ml)を得
た。
【0074】あらかじめ窒素置換50mlフラスコに、
トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.03
mmolAl/ml)1.0ml、ジクロロ[1,1’
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル)
−4H−アズレニル]ハフニウムのトルエン溶液(1.
0μmol/ml)を3ml、ベンクレイSLのトルエ
ンスラリー(33mg/ml)を100mlを添加し、
室温で30分接触させて触媒スラリーを得た。
【0075】(4)プロピレンの重合 2Lオートクレーブに(3)で得られた触媒スラリーを
全量導入した。これとは別に、オートクレーブに設置し
た破裂板付き触媒導入管にトリイソブチルアルミニウム
のトルエン溶液(0.5mmolAl/ml)を1.0
ml導入した。プロピレンを100ml導入し、室温で
5分間撹拌し、その後窒素により触媒導入管の破裂板を
破裂させ、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液
を導入した。さらに5分間室温にて撹拌した。プロピレ
ンを1200ml追加し、75℃昇温後23分間重合を
行った。その後、未反応のプロピレンをパージして反応
を停止し、358gのポリマーを得た。1時間あたりの
触媒活性は9340gPP/g固体・hrであった。
【0076】<実施例−2> (1)イオン交換性層状珪酸塩 実施例−1の(1)と同一の珪酸塩(ベンクレイSL)
を使用した。
【0077】(2)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理 硫酸10gと脱塩水90gを混合した硫酸水溶液中に、
ベンクレイSLを10gを分散させ、還流を2時間行っ
た。その後、ろ液が中性になるまで、脱塩水で洗浄を行
った。回収したベンクレイSLを110℃の乾燥機で3
時間乾燥した。蛍光X線により組成分析を行ったとこ
ろ、主成分であるケイ素に対する構成元素のモル比は、
Al/Si=0.240 Mg/Si=0.053 F
e/Si=0.032 であった。各々の元素の溶出率
は、Alが23%、Mgが63%、Feが22%であっ
た。(溶出率は、原料から溶出した各元素の量を組成分
析値より計算したものである。)また、X線回折測定の
結果、2θ=61.90°にピークが存在した。
【0078】(3)触媒成分の調製 実施例−1.(3)で用いた珪酸塩の代わりに、実施例
−2.(2)で調製した珪酸塩を用いる以外は、実施例
−1.(3)と同様に行った。
【0079】(4)プロピレンの重合 実施例−1.(4)で用いた触媒成分の代わりに、実施
例−2.(3)で調製した触媒成分を用い、重合を33
分で終了した以外は、実施例−1.(4)と同様に行っ
た。その結果373gのポリマーが得られた。1時間あ
たりの触媒活性は6780gPP/g固体・hrであっ
た。
【0080】<比較例−1> (1)イオン交換性層状珪酸塩 市販のモンモリロナイト(クニミネ工業製、クミピアー
F、未造粒品)を原料として用いた。X線回折測定の結
果、2θ=62.01°にピークが存在した。
【0081】(2)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理 硫酸10gと脱塩水90gを混合した硫酸水溶液中に、
クニピアーF10gを分散させ、還流を3時間行った。
その後、ろ液が中性になるまで、脱塩水で洗浄を行っ
た。回収した化学処理モンモリロナイトを110℃の乾
燥機で3時間乾燥した。蛍光X線により組成分析を行っ
たところ、主成分であるケイ素に対する構成元素もモル
比は、Al/Si=0.313 Mg/Si=0.06
6 Fe/Si=0.019 であった。各々の元素の
溶出率は、Alが28%、Mgが25%、Feが28%
であった。(溶出率は、原料から溶出した各元素の量を
組成分析値より計算したものである。)
【0082】(3)触媒成分の調製 (2)で得られた化学処理したクニピアーFを、200
℃で2時間減圧乾燥した。次いで、そのクニピアーFを
100mlのフラスコに300mg分取し、トリエチア
ルミニウムのトルエン溶液(0.4mmolAl/m
l)を1.5ml加え、室温で30分撹拌した。その
後、トルエン20mlによる洗浄(撹拌を止めて上澄み
を抜き出す)を2回行った。最後にトルエンを添加し
て、クニピアーFのトルエンスラリー(33mg/m
l)を得た。
【0083】あらかじめ窒素置換50mlフラスコに、
トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.03
mmolAl/ml)1.0ml、ジクロロ[1,1’
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル)
−4H−アズレニル]ハフニウムのトルエン溶液(1.
0μmol/ml)を3ml、クニピアーFのトルエン
スラリー(33mg/ml)を100mlを添加し、室
温で30分接触させて触媒スラリーを得た。
【0084】(4)プロピレンの重合 2Lオートクレーブに(3)で得られた触媒スラリーを
全量導入した。これとは別に、オートクレーブに設置し
た破裂板付き触媒導入管にトリイソブチルアルミニウム
のトルエン溶液(0.5mmolAl/ml)を1.0
ml導入した。プロピレンを100ml導入し、室温で
5分間撹拌し、その後窒素により触媒導入管の破裂板を
破裂させ、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液
を導入した。さらに5分間室温にて撹拌した。プロピレ
ンを1200ml追加し、75℃昇温後35分間重合を
行った。その後、未反応のプロピレンをパージして反応
を停止し、332gのポリマーを得た。1時間あたりの
触媒活性は5700gPP/g固体・hrであった。
【0085】<実施例3> (1)イオン交換性層状化合物 実施例−1の(1)と同一の珪酸塩(ベンクレイSL)
を使用した。
【0086】(2)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理 実施例−1(2)と同様に行った。
【0087】(3)触媒成分の調製 実施例−1、(3)で用いた錯体溶液、ジクロロ[1,
1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニ
ル)−4H−アズレニル]ハフニウムのトルエン溶液
(1.0μmol/ml)を3ml使用する代わりに、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチ
ル−4−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,
8−テトラヒドロアズレニル}]ハフニウムのトルエン
溶液(1.0μmol/ml)を3ml使用する以外は
同様に行った。
【0088】(4)プロピレンの重合 実施例−1.(4)で用いた触媒スラリーの代わりに、
実施例−3.(3)で調製した触媒スラリーを用い、1
時間重合したこと以外は、実施例−1.(4)と同様に
行った結果、375gのポリマーを得た。1時間当たり
の触媒活性は3750gPP/g固体・hrであった。
【0089】<比較例−2> (1)イオン交換性層状化合物 比較例−1の(1)と同一の珪酸塩(クニピアーF)を
使用した。
【0090】(2)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理 比較例−1.(2)と同様に行った。
【0091】(3)触媒成分の調製 比較例−1.(3)で用いた錯体溶液、ジクロロ[1,
1’−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニ
ル)−4H−アズレニル]ハフニウムのトルエン溶液
(1.0μmol/ml)を3ml使用する代わりに、
ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチ
ル−4−(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,
8−テトラヒドロアズレニル}]ハフニウムのトルエン
溶液(1.0μmol/ml)を3ml使用する以外は
同様に行った。
【0092】(4)プロピレンの重合 比較例−1.(4)で用いた触媒スラリーの代わりに、
比較例−2.(3)で調製した触媒スラリーを用い、1
時間重合したこと以外は、比較例−1.(4)と同様に
行った結果、70gのポリマーを得た。1時間当たりの
触媒活性は700gPP/g固体・hrであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の理解を助けるためのフローチャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G073 CM07 CM14 CM15 GA03 UA01 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC28A BA00A BA00B BA01B BB00B BB01B BC15B BC16B BC19B BC24B BC27B BC28B CA30C EA01 EB04 GB01 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC10 AC28 AD00 BA00A BA00B BA01B BB00B BB01B BC15B BC16B BC19B BC24B BC27B BC28B CA30C EA01 EB04 GB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折において、2θ=61.70°〜
    2θ=61.97°にピークを有するイオン交換性層状
    珪酸塩からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒
    成分。
  2. 【請求項2】イオン交換性層状珪酸塩がスメクタイト族
    である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  3. 【請求項3】イオン交換性層状珪酸塩がモンモリロナイ
    トである請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  4. 【請求項4】下記成分[A]と成分[B]、及び必要に
    応じて成分[C]からなることを特徴とするオレフィン
    重合用触媒。 [A]周期律表4〜10族の遷移金属化合物、 [B]請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合
    用触媒成分、 [C]有機アルミニウム化合物、
JP2001006897A 2001-01-15 2001-01-15 オレフィン重合用触媒成分及びそれを用いた触媒 Pending JP2002212215A (ja)

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JP2008532911A (ja) * 2005-03-18 2008-08-21 ジュート−ヒェミー アクチェンゲゼルシャフト 天然の層状鉱物からなる粒質材ならびにその製造方法
JP2009280443A (ja) * 2008-05-22 2009-12-03 Tosoh Corp 変性粘土鉱物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法

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