JP2002211885A - ウインチ - Google Patents

ウインチ

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JP2002211885A
JP2002211885A JP2001012522A JP2001012522A JP2002211885A JP 2002211885 A JP2002211885 A JP 2002211885A JP 2001012522 A JP2001012522 A JP 2001012522A JP 2001012522 A JP2001012522 A JP 2001012522A JP 2002211885 A JP2002211885 A JP 2002211885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作でクラッチを連結状態と解除する
状態とに切り換えする。 【解決手段】 ウインチは、減速歯車2が、クラッチ内
歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bとからなる内歯歯車組4
と、内歯歯車組4の内側を転動する遊星歯車5と、クラ
ッチ内歯歯車4Aを停止させるクラッチ機構7とを備え
る。クラッチ機構7は、クラッチ内歯歯車4Aのキー溝
15にカム14が出し入れされるのをリセット機構24
で制御している。リセット機構24は、カム14を制御
するリセットカム25を連結しているリセット軸26
と、このリセット軸26の回転を制御する第1ストッパ
機構27と第2ストッパ機構28とを備える。第1スト
ッパ機構27は、カム14をキー溝15から押し出した
状態に保持してクラッチ機構7を切る状態とする。第2
ストッパ機構28は、遊星歯車5を回転させるクランク
軸6が回転される状態で、クラッチ機構7を連結する状
態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モーターの回転を
減速して巻取ドラムを回転させ、巻取ドラムにワイヤー
を巻き取るウインチに関する。
【0002】
【従来の技術】巻取ドラムにワイヤーを巻き取るウイン
チは、たとえば、貨物自動車の荷台等に装着される。ウ
インチは、油圧モーターや電動モーターの回転を減速歯
車で減速して巻取ドラムを回転させる。巻取ドラムが、
ワイヤーを強い力で引っ張って巻き取りできるように、
モーターの回転は減速歯車で相当に減速される。
【0003】本発明者は、図1の斜視図と図2の断面図
に示す構造のウインチを開発した。このウインチは、ワ
イヤーを巻き取る巻取ドラム1と、この巻取ドラム1を
減速歯車2を介して回転させるモーター3と、レバー2
1で操作するクラッチ機構17を備えており、減速歯車
2は、以下の構成を備える。 (a) 減速歯車2は、互いに接近して、独立して回転
できるように同軸に配設されているクラッチ内歯歯車4
Aと出力内歯歯車4Bとからなる内歯歯車組4と、この
内歯歯車組4の内側に沿って転動する遊星歯車5と、ク
ラッチ内歯歯車4Aの回転を停止させるクラッチ機構1
7とを備える。 (b) 出力内歯歯車4Bはクラッチ内歯歯車4Aと歯
数が異なり、歯数が異なる出力内歯歯車4Bとクラッチ
内歯歯車4Aは、単一の部分で遊星歯車5に噛み合って
いる。 (c) 遊星歯車5は、モーター3で回転されるクラン
ク軸6のクランクピン6Aに回転できるように連結され
ており、クランク軸6が回転されると、内歯歯車組4の
内面に沿って転動する。 (d) 出力内歯歯車4Bは、巻取ドラム1に連結され
ており、レバー21を操作して、クラッチ機構17がク
ラッチ内歯歯車4Aの回転を停止させる状態で、モータ
ー3がクランク軸6を回転させると、出力内歯歯車4B
がクランク軸6に対して減速して回転されて、出力内歯
歯車4Bが巻取ドラム1を回転させるように構成されて
いる。
【0004】この構造のウインチは、巻取ドラム1がワ
イヤーを巻き取るときに、クラッチ機構17のレバー2
1を図1に示すように水平に倒し、巻取ドラム1を自由
に回転させるときは、クラッチ機構17のレバー21を
垂直に起こす。レバー21を水平にすると、レバー21
のクラッチ軸22に固定しているカム14がクラッチ内
歯歯車4Aの外周に設けているキー溝15に入れられ
る。この状態になると、クラッチ内歯歯車4Aが回転で
きない状態となり、モーター3で遊星歯車5を偏心させ
ながら回転させて出力内歯歯車4Bを駆動して巻取ドラ
ム1を回転させる。したがって、この状態でクラッチ機
構17は、モーター3の回転を巻取ドラム1に伝達する
連結状態となる。レバー21を垂直に起こして、カム1
4をキー溝15の外部に移動させると、クラッチ内歯歯
車4Aが自由に回転できる状態となり、クラッチ内歯歯
車4Aと遊星歯車5が自由に回転して、巻取ドラム1を
自由に回転できる状態となる。この状態でクラッチ機構
17が解除された状態となって、巻取ドラム1を自由に
回転できる状態とする。
【0005】この構造のウインチは、レバー21を起こ
す状態としてクラッチ機構17を解除する。この状態
で、巻取ドラム1は自由を回転できるので、巻取ドラム
に巻き取っているワイヤーを引き出すことができる。引
き出したワイヤーを、引っ張られるものに連結した後、
クラッチ機構17を連結してモーター3を回転させる
と、巻取ドラム1が駆動されてワイヤーが巻き取られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の構造のウインチ
は、図3の分解斜視図に示すように、レバー21を倒し
てクラッチ機構17を連結する状態に保持するために、
コイルバネ18をレバー21のクラッチ軸22に挿通し
ている。さらに、レバー21を立ててクラッチ機構17
を解除した状態に保持するために、水平面内で回動する
フック19を設けている。フック19は、リターンスプ
リング20でレバー21を引っかける位置に停止する。
このクラッチ機構17は、クラッチを解除された状態か
ら連結する状態に切り換えるとき、レバー21をフック
19から外して、水平に倒す必要がある。フック19を
外さないかぎり、レバー21を倒すことはできない。こ
のため、クラッチ機構17を解除された状態から連結す
る状態に操作するために、フック19の係止状態を解除
する必要があり、この操作に手間がかかる欠点がある。
【0007】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、ク
ラッチ機構のレバーを、フック等で解除位置に停止させ
ることがなく、レバーを傾動させて連結状態から解除す
る状態にでき、また、モーターを駆動して、クラッチを
解除した状態から連結状態に切り換えして、クラッチ機
構の操作を簡単にできるウインチを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のウインチは、ワ
イヤーを巻き取る巻取ドラム1と、この巻取ドラム1を
減速歯車2を介して回転させるモーター3とを備える。
さらに、本発明のウインチは、減速歯車2が、以下の独
特の構成を有することを特徴とする。 (a) 減速歯車2は、互いに接近して、独立して回転
できるように同軸に配設されているクラッチ内歯歯車4
Aと出力内歯歯車4Bとからなる内歯歯車組4と、この
内歯歯車組4の内側に沿って転動する遊星歯車5と、ク
ラッチ内歯歯車4Aの回転を停止させるクラッチ機構7
とを備える。 (b) 出力内歯歯車4Bはクラッチ内歯歯車4Aと歯
数が異なり、歯数が異なる出力内歯歯車4Bとクラッチ
内歯歯車4Aは、単一の部分で遊星歯車5に噛み合って
いる。 (c) 遊星歯車5は、モーター3で回転されるクラン
ク軸6のクランクピン6Aに回転できるように連結され
ており、クランク軸6が回転されると、内歯歯車組4の
内面に沿って転動する。 (d) 出力内歯歯車4Bは、巻取ドラム1に連結され
ており、クラッチ機構7がクラッチ内歯歯車4Aの回転
を停止させる状態で、モーター3がクランク軸6を回転
させると、出力内歯歯車4Bがクランク軸6に対して減
速して回転されて、出力内歯歯車4Bが巻取ドラム1を
回転させるように構成されている。 (e) クラッチ内歯歯車4Aは、外周にキー溝15を
設けている。 (f) クラッチ機構7は、クラッチ内歯歯車4Aのキ
ー溝15に出し入れされるカム14と、このカム14を
固定しているクラッチ軸22と、このクラッチ軸22に
連結されてクラッチ軸22を回転させるレバー21と、
クラッチ軸22を”クラッチ入”の位置に弾性的に移動
させる弾性体23と、カム14がキー溝15に入るのを
制御するリセット機構24とを備える。 (g) リセット機構24は、クラッチ軸22に固定し
ているカム14に当接して、このカム14がクラッチ内
歯歯車4Aのキー溝5に入るのを制御するリセットカム
25を連結しているリセット軸26と、このリセット軸
26の回転を”クラッチ切”位置に停止させる第1スト
ッパ機構27と、リセット軸26を”クラッチ入”の位
置に停止させる第2ストッパ機構28とを備える。 (h) 第1ストッパ機構27は、クラッチ軸22がク
ラッチを切る位置に回動されると、クラッチ軸22のカ
ム14をキー溝15から押し出した状態にリセットカム
25が保持する位置にリセット軸26を回動して、クラ
ッチ機構7を切る状態とする。第2ストッパ機構28
は、遊星歯車5を回転させるクランク軸6が回転される
状態で、クラッチ軸22がクラッチを入れる位置に回動
されると、クラッチ軸22のカム14がキー溝15に入
るのをリセットカム25が阻止しない位置にリセット軸
26を回転して、クラッチ機構7を連結する状態とす
る。
【0009】第1ストッパ機構27は、リセット弾性体
29を設けて、リセット軸26を”クラッチ切”の位置
に弾性的に回動させることができる。さらに、第2スト
ッパ機構28は、リセット軸26に設けた凹部35に弾
性的に挿入されて、リセット軸26を”クラッチ入”の
位置に停止させる弾性挿入部32と、リセット軸26に
固定している傾動カム33と、クランク軸6に固定され
て傾動カム33を回動させる駆動カム34とで構成する
ことができる。この第2ストッパ機構28は、遊星歯車
5のクランク軸6が回転されると、駆動カム34が、傾
動カム33を介してリセット軸26を”クラッチ入”の
位置に回動させる。
【0010】弾性挿入部32は、好ましくは、リセット
軸26の凹部35に弾性的に挿入される鋼球38を有す
る。さらに、弾性挿入部32は、好ましくは、傾動でき
るようにフレームに連結されると共に、クラッチ軸22
のカムで傾動されるリセットアーム36と、このリセッ
トアーム36に連結されて、直接にあるいは鋼球38を
リセット軸26の凹部35に弾性的に挿入する挿入ロッ
ド37とを備える。この弾性挿入部32は、クラッチ軸
22が”クラッチ切”の位置に回動されると、クラッチ
軸22のカム14が、挿入ロッド37または鋼球38を
リセット軸26の凹部35から引き出す位置にリセット
アーム36を傾動させる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのウインチを例示するもの
であって、本発明はウインチを下記のものに特定しな
い。
【0012】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0013】図4の斜視図と図5の断面図に示すウイン
チは、ワイヤーを巻き取る巻取ドラム1と、この巻取ド
ラム1を、減速歯車2を介して回転させるモーター3と
を備える。
【0014】巻取ドラム1は、ワイヤーを巻き取ること
ができるように、両側に鍔1Aのある円筒状に成形され
ている。この巻取ドラム1は、図4ないし図6に示すよ
うに、フレーム8の上部に設けられた開口部8Aに配設
されて、フレーム8に回転できるように連結されてい
る。
【0015】巻取ドラム1の筒部1Bは、図5に示すよ
うに、減速歯車2の反対側で、軸受筒10を介して、フ
レーム8に連結されている。軸受筒10は、フレーム8
を貫通して筒部1Bに挿入されており、巻取ドラム1を
回転できるように支承している。さらに、巻取ドラム1
は、減速歯車2側の鍔1Aに、出力内歯歯車4Bを連結
している。巻取ドラム1は、この出力内歯歯車4Bを介
して、フレーム8の内面に連結されている。巻取ドラム
1は、鍔1Aに固定された出力内歯歯車4Bの外周が、
回転できるようにフレーム8に支承されている。このよ
うに、フレーム8の内面を軸受として巻取ドラム1を支
承する構造は、大きな荷重を受ける巻取ドラム1を、広
い面積で受け止めることができる。このため、曲げや捻
れに対する剛性を増して、巻取ドラム1を、強く支承で
きる特長がある。
【0016】さらに、巻取ドラム1は、筒部1Bと軸受
筒10の連結部分、および、出力内歯歯車4Bとフレー
ム8の連結部分に、ドライメタル16を配設している。
ドライメタル16は、たとえば、図7に示すように、リ
ング状に成形した金属筒をフッ素コーティングしたもの
で、接触面での抵抗を少なくして滑らかに回転させるこ
とができる。ドライメタルには、焼結金属等を使用する
こともできる。ドライメタル16を介して、巻取ドラム
1をフレーム8に連結するウインチは、巻取ドラム1を
滑らかに回転できると共に、巻取ドラム1やフレーム8
の外径を小さくして、ウインチ全体をコンパクトにでき
る特長がある。ただ、これ等の連結部分は、ベアリング
を介して回転できるように連結することもできる。
【0017】モーター3は、フレーム8の外部に水平の
姿勢で固定されている。モーター3は、たとえば、油圧
モーターが使用される。ただ、モーターには、電動モー
ターを使用することもできる。モーター3の回転軸3A
は、フレームカバー8Bを貫通してフレーム8の内部に
挿入されており、フレーム8内に水平に配設されたクラ
ンク軸6の後端の連結部6Bに連結されている。モータ
ー3の回転軸3Aとクランク軸6の連結部6Bは、図8
に示すように、たとえば、キーとキー溝を設けて連結で
きる。
【0018】クランク軸6は、図5に示すように、巻取
ドラム1の中心を貫く状態で延長されており、先端が軸
受筒10に、回転できるように挿入されている。クラン
ク軸の先端は、前述のドライメタル16を介して軸受筒
10の内面に連結されている。クランク軸6の後端は、
連結部6Bの外周が、ベアリング11を介して回転でき
るようにフレームカバー8Bに連結されている。さら
に、クランク軸6は、中間を、ベアリング9を介して巻
取ドラム1の筒部1Bに連結している。このようにして
配設されるクランク軸6は、モーター3に駆動されて、
独立して回転できると共に、安定して回転できる特長が
ある。
【0019】減速歯車2は、図5と図9に示すように、
クラッチ内歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bとからなる内
歯歯車組4と、この内歯歯車組4の内側に沿って転動す
る遊星歯車5と、クラッチ内歯歯車4Aの回転を停止さ
せるクラッチ機構7とを備える。
【0020】内歯歯車組4であるクラッチ内歯歯車4A
と出力内歯歯車4Bは、ピッチ円半径の等しい内歯車
で、互いに接近して同軸に配設されている。さらに、ク
ラッチ内歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bは、フレーム8
の内面に沿って独立して回転できるように配設されてい
る。クラッチ内歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bは、外径
をフレーム8の内径とほぼ等しく設計している。
【0021】さらに、クラッチ内歯歯車4Aと出力内歯
歯車4Bは、内歯が異なる歯数に設計されている。クラ
ッチ内歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bの歯数の差を利用
して、出力を減速させるためである。歯数が異なるクラ
ッチ内歯歯車4Aと出力内歯歯車4Bは、単一の部分で
遊星歯車5と噛み合うように設計されている。
【0022】さらに、出力内歯歯車4Bは、巻取ドラム
1に連結されている。出力内歯歯車4Bは、ボルト等の
連結具12を介して、巻取ドラム1の鍔1Aに固定され
ている。このように、巻取ドラム1の鍔1Aに出力内歯
歯車4Bを直接連結する構造は、簡単な構造で、しか
も、強靭に巻取ドラム1を減速歯車2に連結できる特長
がある。さらに、巻取ドラム1に連結された出力内歯歯
車4Bは、遊星歯車5から伝達される出力を、直接に巻
取ドラム1に伝達して出力する。とくに、出力内歯歯車
4Bは、外周面がフレーム8に支承された状態で回転す
るので、安定して巻取ドラム1を回転できる特長があ
る。
【0023】遊星歯車5は、内歯歯車組4よりもピッチ
円半径の小さい外歯車で、内歯歯車組4の内側に配設さ
れている。遊星歯車5は、クラッチ内歯歯車4Aと出力
内歯歯車4Bの両方にかみあうように、幅を広く設計し
ている。さらに、遊星歯車5は、モーター3で回転され
るクランク軸6のクランクピン6Aに、ベアリング13
を介して、回転できるように連結されている。
【0024】クランクピン6Aは、クランク軸6の後端
部に設けられており、クランク軸6より太く成形されて
いる。さらに、クランクピン6Aは、中心軸である偏心
軸S2が、クランク軸6の中心軸S1から偏心して設けら
れている。このため、クランクピン6Aは、回転するク
ランク軸6に対して、偏心して回転する。
【0025】この構造の遊星歯車5は、モーター3がク
ランク軸6を回転させると、偏心して回転するクランク
ピン6Aによって、クランク軸6に対して偏心された状
態で内歯歯車組4の内側を回転する。このとき、遊星歯
車5は、クランクピン6Aに対して自転しながら回転
し、クラッチ内歯歯車4A及び出力内歯歯車4Bと単一
の部分で噛み合いながら、内歯歯車組4の内面を転動す
る。このことを実現するために、クランク軸6の中心軸
S1とクランクピン6Aの偏心軸S2との距離をd、遊星
歯車5のピッチ円半径をr、内歯歯車組4のピッチ円半
径をRとすると、これ等の関係が、d+r=Rとなるよ
うに設計している。
【0026】クラッチ機構7は、クラッチ内歯歯車4A
の回転を制御する。クラッチ機構7は、クラッチ内歯歯
車4Aの回転を停止して”クラッチ入”の状態となる。
この状態でモーター3は、巻取ドラム1を回転させる。
クラッチ内歯歯車4Aを自由に回転できる状態にする
と、巻取ドラム1が自由に回転できる”クラッチ切”の
状態となる。
【0027】クラッチ機構7は、図10の概略斜視図に
示すように、クラッチ内歯歯車4Aのキー溝15に出し
入れされるカム14と、このカム14を固定しているク
ラッチ軸22と、このクラッチ軸22に連結されてクラ
ッチ軸22を回転させるレバー21と、クラッチ軸22
を”クラッチ入”の位置に弾性的に移動させる弾性体2
3と、カム14がキー溝15に入るのを制御するリセッ
ト機構24とを備える。
【0028】クラッチ軸22は、クランク軸6に直交
し、かつ図において水平方向に延長する姿勢で、回転で
きるようにフレーム8に装着される。クラッチ軸22が
回転されて、これに固定しているカム14は、クラッチ
内歯歯車4Aのキー溝15に出入りする。クラッチ軸2
2を回転させるために、クラッチ軸22の一端にレバー
21を固定している。レバー21には弾性体23を連結
しており、弾性体23はレバー21を水平方向に弾性的
に付勢している。
【0029】リセット機構24は、クラッチ軸22に固
定しているカム14に当接して、カム14がクラッチ内
歯歯車4Aのキー溝15に入るのを制御するリセットカ
ム25を連結しているリセット軸26と、このリセット
軸26の回転を”クラッチ切”位置に停止させる第1ス
トッパ機構27と、リセット軸26を”クラッチ入”の
位置に停止させる第2ストッパ機構28とを備える。
【0030】第1ストッパ機構27は、図において、レ
バー21を垂直方向に回動させて、クラッチ軸22を”
クラッチ切”の位置に移動させるとき、カム14をキー
溝15から押し出された位置に保持して、クラッチ内歯
歯車4Aを自由に回転できる状態に保持する。レバー2
1を”クラッチ切”の位置に移動して手を離すと、クラ
ッチ軸22は、弾性体23でもって”クラッチ入”の位
置に移動しようとするが、第1ストッパ機構27は、ク
ランク軸6が回転されるまで、”クラッチ切”の状態を
保持する。
【0031】第1ストッパ機構27は、カム14をキー
溝15から押し出された位置に保持するリセットカム2
5を固定しているリセット軸26を”クラッチ切”の位
置に移動させるリセット弾性体29を備える。リセット
軸26は、端部に直径方向に延長する凸条30を突出し
て設けている。リセット弾性体29は、この凸条30を
弾性的に挟着して、”クラッチ切”の位置にリセット軸
26を回動させる。したがって、リセット弾性体29
は、中間をコイル状に巻いて両端を平行に配設して凸条
30の挟着部としている。このリセット弾性体29は、
図8に示すように、コイル状に巻いている部分にピン3
1を挿通し、このピン31をフレーム8に固定して、ピ
ン31を介してフレーム8に固定している。リセット弾
性体29は、凸条30を弾性的に挟着して、リセット軸
26を回動させる。リセット軸26は、リセットカム2
5がクラッチ軸22に固定しているカム14をキー溝1
5から押し出した状態に保持する位置まで回動される。
図11に示すように、リセット弾性体29が凸条30を
挟着する状態で、リセットカム25は、図12に示す位
置に回動されて、カム14をキー溝15から押し出した
位置に保持する。
【0032】第2ストッパ機構28は、遊星歯車5を回
転させるクランク軸6が回転される状態で、クラッチ軸
22のカム14がキー溝15に入るのをリセットカム2
5が阻止しない”クラッチ入”の位置にリセット軸26
を回動させて、クラッチ機構7を連結できる状態とす
る。さらに、この状態で、クラッチ軸22が弾性体23
でもってクラッチを入れる位置に回動されると、第2ス
トッパ機構28は、リセット軸26を”クラッチ入”の
位置に保持して、カム14がキー溝15から出るのをリ
セットカム25が阻止しないようにする。
【0033】第2ストッパ機構28は、リセット軸26
を”クラッチ入”の位置に停止させる弾性挿入部32
と、リセット軸26に固定している傾動カム33と、ク
ランク軸6に固定されて傾動カム33を回動させる駆動
カム34とを備える。この第2ストッパ機構28は、遊
星歯車5のクランク軸6が回転されると、駆動カム34
で傾動カム33を回動させる。駆動カム34と傾動カム
33は、リセット軸26を”クラッチ入”の位置、すな
わち、図10に示すように、カム14がキー溝15に挿
入されるのを、リセットカム25で阻止しない位置まで
回動させる。
【0034】弾性挿入部32は、リセットアーム36
と、このリセットアーム36に連結している挿入ロッド
37と、挿入ロッド37でリセット軸26の凹部35に
弾性的に押し込まれる鋼球38とを備える。図の弾性挿
入部32は、鋼球38をリセット軸26の凹部35に入
れているが、挿入ロッド37の先端を直接に凹部35に
入れることもできる。
【0035】リセットアーム36は、傾動できるよう
に、止ネジ39を介してフレーム8に連結している。止
ネジ39は丸さらネジで、リセットアーム36には止ネ
ジ39の外径よりも大きな貫通孔を設け、さらに、リセ
ットアーム36とフレーム8との間に、弾性変形できる
プラスチック等のカラー40を入れている。
【0036】挿入ロッド37は、上端と下端に鍔を有
し、リセットアーム36の先端に多少は上下に移動でき
るように連結している。挿入ロッド37の下部には、鋼
球38を弾性的にリセット軸26の凹部35に押し込む
ために、鋼球押圧バネ41を設けている。鋼球押圧バネ
41は、リセットアーム36が降下する位置で、図13
に示すように、鋼球38をリセット軸26の凹部35に
弾性的に押し込んで、リセット軸26の回転を阻止す
る。ただ、リセットアーム36が上昇されるとき、挿入
ロッド37は上端の鍔で引き上げられて、鋼球38をリ
セット軸26の凹部35に弾性的に押圧しない。図5の
挿入ロッド37は、上端に雄ネジを設け、ここにふたつ
のナットをねじ込んで、すなわちダブルナットで鍔とし
ている。
【0037】この構造の弾性挿入部32は、クラッチ軸
22を”クラッチ入”の位置としてクラッチ機構7を連
結する状態では、挿入ロッド37または鋼球38をリセ
ット軸26の凹部35に押し込んで、リセット軸26
を”クラッチ入”の位置に停止させる。さらに、弾性挿
入部32は、レバー21でクラッチ軸22を”クラッチ
切”の位置に回動させるとき、リセット軸26の回動を
阻止する状態が解除されて、リセット弾性体29でリセ
ット軸26をスムーズに回動できる状態とする。このこ
とを実現するために、リセットアーム36は、クラッチ
軸22のカム14で上下されるコントロールピン42で
もって傾動されるようにフレーム8に連結されている。
【0038】コントロールピン42は、図5に示すよう
に、挿入ロッド37と止ネジ39の中間に位置して、リ
セットアーム36とカム14の間に、上下に移動できる
ように配設している。コントロールピン42は、上端が
リセットアーム36の下面に、下端がカム14の回動軌
跡に位置するように配設している。クラッチ軸22を”
クラッチ切”の位置に回動させると、カム14がコント
ロールピン42の下面を押し上げて、リセットアーム3
6を傾動させる。傾動するリセットアーム36は、先端
に連結された挿入ロッド37を引き上げて、挿入ロッド
37または鋼球38を、リセット軸26の凹部35から
引き出す位置とする。逆に、クラッチ軸22を”クラッ
チ入”の位置に回動させると、コントロールピン42が
降下してリセットアーム36を傾動させて、挿入ロッド
37または鋼球38をリセット軸26の凹部35に押し
込む位置とする。
【0039】以上の構造のクラッチ機構は、以下のよう
にしてクラッチの連結状態を切り換える。 [クラッチを解除するとき] モーター3を停止させる。このとき、リセット軸2
6は、第2ストッパ機構28によって、図10に示すよ
うに、リセットカム25がカム14の回動を阻止しない
位置にある。 図10の矢印Aで示すように、レバー21を垂直方
向に回動させる。回動するレバー21は、クラッチ軸2
2を回動させて、クラッチ軸22に固定されたカム14
を図10の矢印Bで示す方向に回動させる。 クラッチ軸22が、図5に示すように、”クラッチ
切”の位置まで回動されると、カム14は、クラッチ内
歯歯車4Aの外周面に設けられたキー溝15から押し出
されて、クラッチ内歯歯車4Aを自由に回転できる状態
とする。 キー溝15から押し出されたカム14は、コントロ
ールピン42を押し上げて、リセットアーム36を押し
上げる。 コントロールピン42で押し上げられるリセットア
ーム36は、挿入ロッド37を引き上げて、鋼球38が
リセット軸26の凹部35に圧入されない状態とする。
この状態で、弾性挿入部32のロック状態が解除され
る。 弾性挿入部32によるロック状態が解除されたリセ
ット軸26は、第1ストッパ機構27で”クラッチ切”
の位置まで回動される。第1ストッパ機構27は、リセ
ット弾性体29が凸条30を挟着する弾性力で、クラッ
チ軸26を図10の矢印Cで示す方向に回動させる。 ”クラッチ切”の位置まで回動されたクラッチ軸2
6は、図12に示すように、リセットカム25が、キー
溝15の開口部に位置して、カム14がキー溝15に挿
入されるのを阻止する。すなわち、カム14は、”クラ
ッチ切”の位置に保持される。
【0040】[クラッチを連結するとき] モーター3を回転させて、クランク軸6を回転させ
る。 クランク軸6に固定された駆動カム34が回転し
て、駆動カム34の先端がクラッチ軸26に設けられた
傾動カム33に当接し、クラッチ軸26を”クラッチ
入”の位置に回動させる。 クラッチ軸26が”クラッチ入”の位置に回動され
ると、リセットカム25は、図13に示す位置となっ
て、カム14がキー溝15に挿入されるのを阻止しない
状態となる。 クラッチ軸22が弾性体23でもってクラッチを入
れる方向に回動されて、カム14がキー溝15に挿入さ
れる。この状態で、クラッチは連結された状態となる。 キー溝15に挿入されるカム14は、コントロール
ピン42を押し上げなくなる。このため、リセットアー
ム36が降下されて、挿入ロッド37も降下する。
降下する挿入ロッド37は、鋼球38をリセット軸26
の凹部35に圧入する状態とする。この状態で、弾性挿
入部32はロック状態となって、リセット軸26を”ク
ラッチ入”の位置に保持する。
【0041】このように、クランク軸6が回転してクラ
ッチ軸26を”クラッチ入”の位置に回動させると、カ
ム14がキー溝15に挿入されてクラッチを連結すると
共に、弾性挿入部32がロック状態となって、リセット
軸26を”クラッチ入”の位置に保持する。すなわち、
クランク軸6が最初の1回転するときに、駆動カム34
が傾動カム33に当接してクラッチ軸26を”クラッチ
入”の位置に回動させた後は、クラッチ軸26が”クラ
ッチ入”の位置に保持されるので、その後クランク軸6
が回転しても、駆動カム34と傾動カム33が接触する
ことがない。したがって、この構造のクラッチ機構7
は、クラッチが連結された状態では、クランク軸6を高
速回転させても駆動カム34と傾動カム33が接触する
ことなく、この部分の磨耗を極減できると共に、駆動カ
ム34と傾動カム33の接触による騒音や振動等の弊害
を皆無にできる特長がある。
【0042】以上のクラッチ機構7は、クラッチ内歯歯
車4Aの外周面に設けられたキー溝15にカム14を出
し入れして、”クラッチ切”と”クラッチ入”の状態を
切り換える。カム14がキー溝15に入れられるとクラ
ッチ内歯歯車4Aの回転は停止され、カム14がキー溝
15が出るとクラッチ内歯歯車4Aを自由に回転できる
状態とする。
【0043】図9に示すクラッチ内歯歯車4Aは、外周
面にキー溝15を一カ所設けている。キー溝15は、図
7に示すように、クラッチ内歯歯車4Aの外周面に、複
数カ所設けることもできる。この図に示すクラッチ内歯
歯車4Aは、外周面の3カ所に、等間隔でキー溝15を
設けている。ただ、キー溝は、クラッチ内歯歯車の外周
面に等間隔で、2カ所あるいは4カ所以上に設けること
もできる。このように、複数のキー溝15を有するクラ
ッチ内歯歯車4Aは、クラッチ内歯歯車4Aをロックさ
せるとき、カム14を最も近い位置のキー溝15に挿入
し、クラッチ内歯歯車4Aを最適な位置で停止できる特
長がある。
【0044】以上の構造の減速歯車2は、以下のように
作用して、クランク軸6の回転を減速して巻取ドラム1
に伝達する。ただし、クラッチ内歯歯車4Aの歯数をZ
1、出力内歯歯車4Bの歯数をZ2、遊星歯車5の歯数を
Z3とする。
【0045】クラッチ機構7がクラッチ内歯歯車4Aの
回転を停止させた状態で、モーター3を駆動してクラン
ク軸6を回転させる。クランク軸6が回転してクランク
ピン6Aが1回転する間に、すなわち、遊星歯車5がク
ラッチ内歯歯車4Aの内側を転動して1周する間に、遊
星歯車5は、クラッチ内歯歯車4Aの内歯と噛み合っ
て、クランクピン6Aを中心にZ1/Z3回自転する。こ
のように、遊星歯車5は、クランクピン6Aに固定され
ていないので、クランク軸6の回転数に対して極めて少
ない回転数で自転しながら転動する。
【0046】さらに、転動する遊星歯車5は、出力内歯
歯車4Bとも噛み合い、遊星歯車5が1周転動する間
に、出力内歯歯車4Bとの噛み合い部分で(Z1/Z3)
×Z3、すなわちZ1個の歯と噛み合う。出力内歯歯車4
Bは、クラッチ内歯歯車4Aと異なる歯数に設計されて
いるので、クラッチ機構7で固定されたクラッチ内歯歯
車4Aに対して、歯数Z2−Z1個分だけ回転する。出力
内歯歯車4Bの回転数は、クランク軸6の回転数を1と
すると、(Z2−Z1)/Z2、すなわち1−Z1/Z2と
なり、減速されて出力される。
【0047】このとき、Z1<Z2とすると、減速歯車2
は、クランク軸6の回転方向に対して、同方向に減速し
て出力する。Z1>Z2とすると、減速歯車2は、クラン
ク軸6の回転方向に対して、逆方向に減速して出力す
る。したがって、Z1とZ2の歯数は、目的に応じて最適
値に設計される。
【0048】減速歯車2は、クラッチ内歯歯車4Aの歯
数Z1と出力内歯歯車4Bの歯数Z2を、好ましくは、差
が±1となるように、すなわち、Z1=Z2±1となるよ
うに設計して理想の状態で減速できる。減速歯車2は、
たとえば、クラッチ内歯歯車4Aの歯数Z1を43、出
力内歯歯車4Bの歯数Z2を44、遊星歯車5の歯数Z3
を38とする。この構造の減速歯車2は、クラッチ機構
7でクラッチ内歯歯車4Aを固定した状態で、モーター
3を駆動させると、モーター3の回転数に対して、巻取
ドラム1の回転数を1/44に減速できる。
【0049】さらに、減速歯車2は、クラッチ機構7を
解除すると、巻取ドラム1を空転させてワイヤーを繰り
出しできる。クラッチ機構7が解除されて、キー溝15
からカム14が抜き取られたクラッチ内歯歯車4Aは、
フリーとなって回転できるからである。この状態でワイ
ヤーを繰り出すと、巻取ドラム1に連結された出力内歯
歯車4Bと、出力内歯歯車4Bに噛み合う遊星歯車5
と、遊星歯車5と噛み合うクラッチ内歯歯車4Aが、ク
ランク軸6やフレーム8に負荷を及ぼすことなく空転す
る。このため、巻取ドラム1は、空転してワイヤーを自
由に繰り出しできる。
【0050】以上の構造のウインチは、下記のように作
用して巻取ドラムにワイヤーを巻き取り、また、ワイヤ
ーを繰り出す。 [モーターの回転を減速して巻取ドラムでワイヤーを巻
き取るとき] モーター3を駆動させて、モーター3の回転軸3A
に連結されたクランク軸6を回転させる。このとき、ク
ランク軸6に固定されている駆動カム34が回転して傾
動カム33に当接し、リセット軸26を”クラッチ入”
の位置に回動させる。この状態で、クラッチ機構7は、
クラッチを連結できる状態となる。 クラッチ機構7でクラッチ内歯歯車4Aをロック状
態とする。クラッチ機構7は、レバー21を介して、ク
ラッチ内歯歯車4Aのキー溝15にカム14を挿入す
る。 クランク軸6が回転すると、クランクピン6Aがク
ランク軸6の中心軸S1に対して偏心された状態で回転
する。 遊星歯車5は、回転するクランクピン6Aを中心と
して自転しながら、クラッチ内歯歯車4Aの内面に沿っ
て転動する。このとき、遊星歯車5は、出力内歯歯車4
Bにも噛み合いながら、出力内歯歯車4Bの内面に沿っ
て転動する。 遊星歯車5がクラッチ内歯歯車4Aの内面に沿って
1周転動すると、出力内歯歯車4Bは、クラッチ内歯歯
車4Aとの歯数の差だけ回転する。すなわち、出力内歯
歯車4Bは、モーター3の回転数に対して減速されて回
転する。 モーター3に対して減速された出力内歯歯車4Bの
出力が、巻取ドラム1に伝達されて、巻取ドラム1が回
転する。回転する巻取ドラム1は、ワイヤーを巻き取
る。
【0051】[モーターを停止した状態で巻取ドラムを
空転させてワイヤーを繰り出すとき] モーター3を停止して、クラッチ機構7を解除す
る。クラッチ機構7は、レバー21を傾動させて、カム
14がキー溝15から押し出されて解除される。このと
き、クラッチ内歯歯車4Aは、フリーとなって回転でき
る状態となる。 この状態で、ワイヤーを繰り出すと、巻取ドラム1
が回転して出力内歯歯車4Bを回転させる。回転する出
力内歯歯車4Bは、遊星歯車5と噛み合って、遊星歯車
5を回転させる。遊星歯車5は、クランクピン6Aを回
転させることなく空転する。 さらに、回転する遊星歯車5は、クラッチ内歯歯車
4Aと噛み合って、クラッチ内歯歯車4Aを回転させ
る。クラッチ内歯歯車4Aは、ロックが解除されて回転
できる状態となっているので、フレーム8内で空転す
る。 巻取ドラム1を空転させて、ワイヤーを繰り出した
後、モーター3が回転されてクランク軸6が回転される
と、クラッチ機構7でクラッチ内歯歯車4Aをロックし
て回転を停止できる状態となる。
【0052】以上のように、本発明のウインチは、クラ
ッチ内歯歯車4Aの回転を停止させた状態でモーター3
を駆動させると、巻取ドラム1を減速して回転させて、
ワイヤーを巻き取ることができ、クラッチ機構7を解除
して、クラッチ内歯歯車4Aが回転できる状態とする
と、クランク軸6を回転させることなく巻取ドラム1を
空転させてワイヤーを繰り出しできる。
【0053】
【発明の効果】本発明のウインチは、クラッチ機構のレ
バーを、フック等で解除位置に停止させることなく、レ
バーを傾動させて連結状態から解除する状態にでき、ま
た、モーターを駆動して、クラッチを解除した状態から
連結状態に切り換えして、クラッチ機構の操作を簡単に
できる特長がある。それは、本発明のウインチに使用す
る減速歯車が、互いに接近して、独立して回転できるよ
うに同軸に配設されている歯数の異なるクラッチ内歯歯
車と出力内歯歯車とからなる内歯歯車組と、モーターで
回転されるクランク軸のクランクピンに回転できるよう
に連結されて、内歯歯車組の内側に沿って転動する遊星
歯車と、クラッチ内歯歯車の回転を停止させるクラッチ
機構を備えており、このクラッチ機構を独特の構造とし
て、クラッチを連結した状態と解除した状態とに切り換
えできるようにしているからである。
【0054】このクラッチ機構は、クラッチ軸をレバー
で回転させて、クラッチ軸に固定されたカムを、クラッ
チ内歯歯車のキー溝に出し入れしてクラッチの連結状態
と解除状態とを切り換えており、カムがキー溝に入るの
をリセット機構で制御している。リセット機構は、カム
がキー溝に入るのを制御するリセット軸の回転を、第1
ストッパ機構と第2ストッパ機構とで制御しており、こ
のリセット軸を”クラッチ切”の位置と”クラッチ入”
の位置に停止できるようにしている。すなわち、第1ス
トッパ機構は、クラッチ軸がクラッチを切る位置に回動
されると、カムをキー溝から押し出した解除状態に保持
し、第2ストッパ機構は、クランク軸が回転される状態
で、クラッチ軸がクラッチを入れる位置に回動される
と、クラッチ機構を連結できる状態としている。このた
め、本発明のウインチは、クラッチ機構のレバーをフッ
ク等で停止させることなく、極めて簡単に解除位置と連
結位置とに停止させて、クラッチ機構の操作を簡単かつ
安全にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が先に開発したウインチの斜視図
【図2】図1に示すウインチの断面図
【図3】図1に示すウインチのフレーム部分を示す分解
斜視図
【図4】本発明の実施例のウインチの斜視図
【図5】図4に示すウインチの断面図
【図6】図4に示すウインチのフレーム部分を示す分解
斜視図
【図7】図4に示すウインチの巻取ドラム及び内歯歯車
組を示す分解斜視図
【図8】図4に示すウインチのクランク軸及び遊星歯車
を示す分解斜視図
【図9】図4に示すウインチの減速歯車を示す一部断面
斜視図
【図10】図4に示すウインチのクラッチ機構を示す概
略斜視図
【図11】第1ストッパ機構がリセット軸を”クラッチ
切”の位置に保持する状態を示す概略正面図
【図12】”クラッチ切”の位置にあるリセット軸の概
略正面図
【図13】”クラッチ入”の位置にあるリセット軸の概
略正面図
【符号の説明】
1…巻取ドラム 1A…鍔 1B
…筒部 2…減速歯車 3…モーター 3A…回転軸 4…内歯歯車組 4A…クラッチ内歯歯車 4B
…出力内歯歯車 5…遊星歯車 6…クランク軸 6A…クランクピン 6B
…連結部 7…クラッチ機構 8…フレーム 8A…開口部 8B
…フレームカバー 9…ベアリング 10…軸受筒 11…ベアリング 12…連結具 13…ベアリング 14…カム 15…キー溝 16…ドライメタル 17…クラッチ機構 18…コイルバネ 19…フック 20…リターンスプリング 21…レバー 22…クラッチ軸 23…弾性体 24…リセット機構 25…リセットカム 26…リセット軸 27…第1ストッパ機構 28…第2ストッパ機構 29…リセット弾性体 30…凸条 31…ピン 32…弾性挿入部 33…傾動カム 34…駆動カム 35…凹部 36…リセットアーム 37…挿入ロッド 38…鋼球 39…止ネジ 40…カラー 41…鋼球押圧バネ 42…コントロールピン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤーを巻き取る巻取ドラム(1)と、
    この巻取ドラム(1)を減速歯車(2)を介して回転させるモ
    ーター(3)とを備えるウインチにおいて、減速歯車(2)が
    以下の全ての構成を有することを特徴とするウインチ。 (a) 減速歯車(2)は、互いに接近して、独立して回
    転できるように同軸に配設されているクラッチ内歯歯車
    (4A)と出力内歯歯車(4B)とからなる内歯歯車組(4)と、
    この内歯歯車組(4)の内側に沿って転動する遊星歯車(5)
    と、クラッチ内歯歯車(4A)の回転を停止させるクラッチ
    機構(7)とを備える。 (b) 出力内歯歯車(4B)はクラッチ内歯歯車(4A)と歯
    数が異なり、歯数が異なる出力内歯歯車(4B)とクラッチ
    内歯歯車(4A)は、単一の部分で遊星歯車(5)に噛み合っ
    ている。 (c) 遊星歯車(5)は、モーター(3)で回転されるクラ
    ンク軸(6)のクランクピン(6A)に回転できるように連結
    されており、クランク軸(6)が回転されると、内歯歯車
    組(4)の内面に沿って転動する。 (d) 出力内歯歯車(4B)は巻取ドラム(1)に連結され
    ており、クラッチ機構(7)がクラッチ内歯歯車(4A)の回
    転を停止させる状態で、モーター(3)がクランク軸(6)を
    回転させると、出力内歯歯車(4B)がクランク軸(6)に対
    して減速して回転されて、出力内歯歯車(4B)が巻取ドラ
    ム(1)を回転させるように構成されてなる。 (e) クラッチ内歯歯車(4A)は、外周にキー溝(15)を
    設けている。 (f) クラッチ機構(7)は、クラッチ内歯歯車(4A)の
    キー溝(15)に出し入れされるカム(14)と、このカム(14)
    を固定しているクラッチ軸(22)と、このクラッチ軸(22)
    に連結されてクラッチ軸(22)を回転させるレバー(21)
    と、クラッチ軸(22)を”クラッチ入”の位置に弾性的に
    移動させる弾性体(23)と、カム(14)がキー溝(15)に入る
    のを制御するリセット機構(24)とを備える。 (g) リセット機構(24)は、クラッチ軸(22)に固定し
    ているカム(14)に当接して、このカム(14)がクラッチ内
    歯歯車(4A)のキー溝(15)に入るのを制御するリセットカ
    ム(25)を連結しているリセット軸(26)と、このリセット
    軸(26)の回転を”クラッチ切”の位置に停止させる第1
    ストッパ機構(27)と、リセット軸(26)を”クラッチ入”
    の位置に停止させる第2ストッパ機構(28)とを備える。 (h) 第1ストッパ機構(27)は、クラッチ軸(22)がク
    ラッチを切る位置に回動されると、クラッチ軸(22)のカ
    ム(14)をキー溝(15)から押し出した状態にリセットカム
    (25)が保持する位置にリセット軸(26)を回動して、クラ
    ッチ機構(7)を切る状態とし、第2ストッパ機構(28)
    は、遊星歯車(5)を回転させるクランク軸(6)が回転され
    る状態で、クラッチ軸(22)がクラッチを入れる位置に回
    動されると、クラッチ軸(22)のカム(14)がキー溝(15)に
    入るのをリセットカム(25)が阻止しない位置にリセット
    軸(26)を回転して、クラッチ機構(7)を連結する状態と
    する。
  2. 【請求項2】 第1ストッパ機構(27)が、リセット軸(2
    6)を”クラッチ切”の位置に弾性的に回動させるリセッ
    ト弾性体(29)を備える請求項1に記載されるウインチ。
  3. 【請求項3】 第2ストッパ機構(28)が、リセット軸(2
    6)に設けた凹部(35)に弾性的に挿入されて、リセット軸
    (26)を”クラッチ入”の位置に停止させる弾性挿入部(3
    2)と、リセット軸(26)に固定している傾動カム(33)と、
    クランク軸(6)に固定されて傾動カム(33)を回動させる
    駆動カム(34)とを備え、遊星歯車(5)のクランク軸(6)が
    回転されると、駆動カム(34)が傾動カム(33)でリセット
    軸(26)を”クラッチ入”の位置に回動させるようにして
    なる請求項1に記載されるウインチ。
  4. 【請求項4】 弾性挿入部(32)が、リセット軸(26)の凹
    部(35)に弾性的に挿入される鋼球(38)を有する請求項3
    に記載されるウインチ。
  5. 【請求項5】 弾性挿入部(32)が、傾動できるようにフ
    レーム(8)に連結されると共に、クラッチ軸(22)のカム
    (14)で傾動されるリセットアーム(36)と、このリセット
    アーム(36)に連結されて、直接にあるいは鋼球(38)をリ
    セット軸(26)の凹部(35)に弾性的に挿入する挿入ロッド
    (37)とを備え、クラッチ軸(22)が”クラッチ切”の位置
    に回動されると、クラッチ軸(22)のカム(14)が、挿入ロ
    ッド(37)または鋼球(38)をリセット軸(26)の凹部(35)か
    ら引き出す位置にリセットアーム(36)を傾動させる請求
    項3に記載されるウインチ。
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