JP2002210985A - インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法

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JP2002210985A JP2001006864A JP2001006864A JP2002210985A JP 2002210985 A JP2002210985 A JP 2002210985A JP 2001006864 A JP2001006864 A JP 2001006864A JP 2001006864 A JP2001006864 A JP 2001006864A JP 2002210985 A JP2002210985 A JP 2002210985A
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】作業性がよく、接着後の性能に優れた接着剤を
用いたインクジェットヘッド及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】2つの部材を接合する接着剤に、エポキシ
樹脂と、ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジア
ミドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシアダクトとを含
有する接着剤を用いたので、未使用時の保存性に優れた
1液性で、接着しようとする部材への濡れ性が良く、低
温で安定なBステージ状態を作ることができ、低い温度
で硬化させることが出来る。又、接着強度が大きく、か
つそのバラツキが小さく、接着剤のはみ出しや流れ出し
がなく、高い位置精度のインクジェットヘッドを効率よ
く提供することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】小液滴のインクを飛翔させ、対象物に付
着させるインクジェット技術は、紙、フィルム、布に文
字や画像をプリントするプリンタ、FAX、コピー機な
ど広い分野に応用されている。
【0003】インクを小液滴にして飛翔させるインクジ
ェットヘッドの製造にはしばしば接着剤が用いられる。
インクジェットに使用される接着剤に必要とされる性能
には以下のようなものがある。
【0004】製造上の性能として未硬化時の保存安定性
が高いこと、硬化温度が低いこと、塗設時の粘度が一定
の範囲にあること、塗設方法への適性があることなどが
挙げられる。
【0005】接着作業前または作業中に意図しない硬化
が進行して接着後の性能を低下させないために未硬化時
の保存安定性が高いことが必要である。主剤と硬化剤を
接着前に混合する2液性の接着剤は保存安定性にすぐれ
るが、硬化を均一に進ませるための2液の均一な混合が
必要で、作業性に劣り、また作業中に硬化が進み、接着
剤の物性値が経時で変化するために塗設条件が変化して
しまう。常温で硬化が進行しない潜在形の硬化剤を使用
した1液性の接着剤が好ましいが、常温での硬化を完全
に阻止することが難しく、通常は低温で保存する必要が
ある。
【0006】インクジェットヘッドの接着は10μm以
下のきわめて高い寸法精度が要求されるが、接着時の硬
化温度が高いと接着される部材間の熱膨張率の違いで、
位置精度を保つことが困難となる。
【0007】また圧電素子は通常100〜150℃以上
に温度をあげると分極が消失して圧電効果が見られなく
なったり、効率が低下したりする。このために硬化温度
は低いほどよい。しかし、単に低い温度で硬化させる
と、架橋密度が上がらず、硬化後の接着強度、弾性率、
耐インク性が低下する。
【0008】インクジェットヘッドは100μm以下の
ノズルやインク流路から成り立っており、接着面以外へ
の接着剤のはみ出しは数μm以下にする必要がある。こ
のため、接着剤の塗設は転写、スクリーン印刷、フレキ
ソ印刷などで行われ、特にスクリーン印刷、フレキソ印
刷が好ましいが、このような印刷適性が要求させる。特
に粘度は高すぎると塗設できないし、低すぎるとはみ出
し、流れ出しが生じるので、一定の範囲にあることが必
要である。
【0009】はみ出し、流れ出し防止や位置精度に効果
がある方法として接着剤を接着させる少なくとも一方の
部材に塗設した後に、Bステージ化させて接着すること
が好ましい。Bステージとは硬化(重合反応)がある程
度進行したところで一旦重合反応の進行を停止させ、常
温ではほとんど硬化が進まなくなる安定な状態となるこ
とをいう。
【0010】硬化後の性能として、接着強度が高いこ
と、耐インク性があること、弾性率が高いことなどが挙
げられる。接着部分がヘッドの他の部分の耐久時間以内
にはがれてしまわないだけの接着強度とその耐久性が必
要である。特にインクに触れる部分は、インクに触れる
部分がインクで膨潤すると接着強度が低下したり、イン
ク漏れを起こしたりするために、インクで膨潤しない耐
インク性が必要である。接着後の弾性率は、圧力発生部
材の接着では、弾性率が低いと圧力が逃げて効率が低下
するために、特に高いことが要求される。
【0011】接着剤として、通常は溶剤を含まない、エ
ポキシ系接着剤、シリコ−ン系接着剤などが使用され
る。シリコ−ン系接着剤は接着力が小さいためにヘッド
の主要機能部分にはエポキシ系接着剤が多く使われる。
【0012】
【問題を解決しようとする課題】これまでに知られてい
る接着剤ではインクジェットに用いられる接着剤として
必要な性能を充分に満たすものはなかった。たとえばエ
ポキシ系接着剤であるエポキシテクノロジー社製のエポ
テック353NDは主剤と硬化剤を混合して使用する2
液性の接着剤のために、均一に混合するための作業が難
しく、バラツキのない製造をすることが難しかった。ま
たBステージが安定でないために1段階加熱による接着
を行わなくてはならないので、接着剤のはみ出しや流れ
出し、熱膨張による接着位置精度の低下などの問題があ
った。同様にエポキシ系接着剤である田岡化学社製のテ
クノダインAH3041Wは濡れ性が悪く、接着する部
材の材質によっては接着しなかったり、部材の前処理が
必要だったりする問題があった。また同様にエポキシ系
接着剤である日立化成社製ハイボン3000、セメダイ
ン社製セメダイン1500、EP−007、アルファ技
研社製R−2007、H−1004などは水などの溶媒
で膨潤し、接着強度が低下したり、インクの漏れをおこ
したりするために使用できなかった。
【0013】そこで、作業性を犠牲にしたり、接着する
場所によって使用する接着剤を使い分けたり、二つの部
材の接着に2種類の接着剤を積層して使ったり、接着剤
の上にインクから接着剤を保護する保護膜をつけたりす
るなどの方法が取られていた。しかしいずれも接着工程
の工数の増加、コストの上昇、製品のバラツキの増大な
どの問題があった。本発明は、作業性がよく、接着後の
性能に優れた接着剤を用いたインクジェットヘッド及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェットヘッド及びその製造方法は、
以下のように構成した。
【0015】請求項1に記載の発明は、少なくとも2つ
の部材を接着剤で接合したインクジェットヘッドにおい
て、接合部分の接着剤の少なくとも一部に、エポキシ樹
脂と、ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジアミ
ドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシアダクトとを含有
する接着剤を用いたことを特徴とするインクジェットヘ
ッドである。
【0016】請求項1に記載の発明によると、未使用時
の保存性に優れた1液性で、接着しようとする部材への
濡れ性が良く、低温で安定なBステージ状態を作ること
ができ、低い温度で硬化させることのできる接着剤を使
用して製造するために、接着強度が大きく、かつそのバ
ラツキが小さく、接着剤のはみ出しや流れ出しがなく、
高い位置精度のインクジェットヘッドを提供することが
できる。
【0017】請求項2に記載の発明は、前記ジシアンジ
アミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体が、下
記条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のイン
クジェットヘッドである。 0.1≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
エポキシ基の数≦1.0
【0018】請求項2に記載の発明によると、接着後の
硬度を高くすることができるので吐出圧力の損失が小さ
く、硬化後のインクによる膨潤を小さくすることができ
るのでさまざまな種類のインクを吐出することができる
インクジェットヘッドを提供することができる。
【0019】請求項3に記載の発明は、前記ジシアンジ
アミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体が、下
記条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のイン
クジェットヘッドである。 0.6≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
エポキシ基の数≦0.9
【0020】請求項3に記載の発明によると、さらに吐
出のための圧力の損失が小さく、耐インク性が高いイン
クジェットヘッドを提供することができる。
【0021】請求項4に記載の発明は、前記接着剤が、
硬化後にインクに浸漬したときの重量変化率が4%以下
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
のインクジェトヘッドである。
【0022】請求項4に記載の発明によると、接着剤が
インクにより膨潤して接着強度が低下したり、インク漏
れを起こしたりすることがないインクジェットヘッドを
提供することができる。
【0023】請求項5に記載の発明は、インクジェット
ヘッドを構成する少なくとも2つの部材を接着剤で接合
するインクジェットヘッドの製造方法において、2つの
部材を接合するために少なくとも一方の部材に、エポキ
シ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
アミドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシアダクトとを
含有する接着剤を塗設する工程と、前記塗設した接着剤
を加熱してBステージ化させる工程と、前記2つの部材
を加圧しつつ前記接着剤を加熱し硬化させて前記2つの
部材を接合する工程とを有することを特徴とするインク
ジェットヘッドの製造方法である。
【0024】請求項5に記載の発明によると、硬化後の
特性に優れたエポキシ樹脂接着剤を用いて、接着剤のは
み出しや流れ出しがなく、高い位置精度のインクジェッ
トヘッドを効率よく製造する方法を提供することができ
る。
【0025】請求項6に記載の発明は、前記ジシアンジ
アミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体が、下
記条件を満たすことを特徴とする請求項5に記載のイン
クジェットヘッドの製造方法である。 0.1≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
エポキシ基の数≦1.0
【0026】請求項6に記載の発明によると、吐出のた
めの圧力の損失が小さく、耐インク性が高いインクジェ
ットヘッドの製造方法を提供することができる。
【0027】請求項7に記載の発明は、前記ジシアンジ
アミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体が、下
記条件を満たすことを特徴とする請求項5に記載のイン
クジェットヘッドの製造方法である。 0.6≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
エポキシ基の数≦0.9
【0028】請求項7に記載の発明によると、さらに吐
出のための圧力の損失が小さく、耐インク性が高いイン
クジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
【0029】請求項8に記載の発明は、前記接着剤の硬
化温度が120℃以下であることを特徴とする請求項5
〜7に記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
【0030】請求項8に記載の発明によると、熱膨張に
よる接着位置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発
生させる圧電素子の劣化をおこさないインクジェットヘ
ッドの製造方法を提供することができる。
【0031】請求項9に記載の発明は、前記接着剤を1
00℃以下の温度でBステージ化することを特徴とする
請求項5〜7に記載のインクジェットヘッドの製造方法
である。
【0032】請求項9に記載の発明によると、Bステー
ジが安定で、熱膨張による接着位置精度の低下やインク
の吐出エネルギーを発生させる圧電素子の劣化をおこさ
ないインクジェットヘッドの製造方法を提供することが
できる。
【0033】請求項10に記載の発明は、前記接着剤の
初期粘度が25℃において3ラ103〜2ラ105センチポ
イズであることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに
記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
【0034】請求項10に記載の発明によると、接着剤
の塗設の容易なインクジェットヘッドの製造方法を提供
することができる。
【0035】請求項11に記載の発明は、前記接着剤の
塗設をスクリーン印刷もしくはフレキソ印刷で行うこと
を特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載のインク
ジェットヘッドの製造方法である。
【0036】請求項11に記載の発明によると、接着剤
の厚みのバラツキがなく、製造効率の高いインクジェッ
トヘッドの製造方法を提供することができる。
【0037】本発明の接着剤は、好ましくは、圧電素子
を用いたインクジェットヘッドや発熱体を用いたサーマ
ルタイプのインクジェットヘッド等のインクジェットヘ
ッドを構成する部材の少なくとも2つの部材を接合する
のに適用可能な接着剤である。本発明の接着剤に含まれ
る代表的なエポキシ樹脂は、例えば、下記構造式(1)
に示されるようなビスフェノール型エポキシ樹脂、下記
構造式(2)に示されるようなフェノールノボラック型
エポキシ樹脂、または下記構造式(3)に示されるよう
なクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である(ただし
n=0〜10)。
【0038】
【化1】
【化2】
【化3】
【0039】構造式(1)のエポキシ樹脂の骨格部分
は、その構造式(1)に示したビスフェノールA(1−
1)のほか、テトラブロムビスフェノールA(1−
2)、ビスフェノールF(1−3)、ビスフェノールA
D(1−4)、ビスフェノールZ(1−5)、(1−
6)、(1−7)、(1−8)、(1−9)など、従来
のエポキシ樹脂接着剤の主剤として知られている構造で
もよい。
【0040】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0041】本発明の接着剤に含まれるエポキシ樹脂と
しては、上記に例示した代表的なエポキシ樹脂以外に、
例えば、下記構造式(4)〜(16)に示されるような
エポキシ樹脂であってもよい。下記構造式では、n=0
での単純表現で示したが、nが正の整数である重合され
たエポキシ樹脂であってもよい。
【0042】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】 尚、l、mは0を含む正の整数である。
【0043】本発明の接着剤に含まれるジシアンジアミ
ドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体は、硬化剤
として機能し、例えば、ジシアンジアミド(H2N−C
(NH)−NH−CN)、および/またはその誘導体
(代表的なものにo−トリルビグアニド、α−2,5−
ジメチルビグアニド、α,ω−ジフェニルビグアニド、
5−ヒドロキシナフチル−1−ビグアニド、α,α’−
ビスグラニルグアニジノジフェニルエーテル、フェニル
ビグアニド、p−クロルフェニルビグアニド、α−バン
ジルビグアニド、α,α’−ヘキサメチレン[ω−(p
−クロルフェニル)]ビグアニド、o−トリルビグアニ
ド亜鉛塩、ジフェニルビグアニド鉄塩、フェニルビグア
ニド銅塩、ビグアニドニッケル塩、エチレンビスビグア
ニド塩酸塩、ラウリルビグアニド塩酸塩、フェニルビグ
アニドオキサレート)などが使用できる。ジシアンジア
ミドおよび/またはその誘導体を用いると、常温で硬化
反応がほとんど進行せず、あらかじめ主剤と硬化剤を混
合した状態で保存できる一液型の安定な接着剤として使
用できるために作業性に優れ、またBステージを安定に
得ることができる。
【0044】本明細書中、ジシアンジアミドおよび/ま
たはジシアンジアミドの誘導体の特定水素の原子数と
は、窒素原子に結合している水素原子の数を指すもので
ある。例えば、ジシアンジアミドの構造は種々の異性
体、共役が考えられるが、最も一般的な例は、下記構造
式(a)で表される。このとき、特定水素は窒素原子に
結合した4個の水素原子となり、特定水素の原子数は4
となる。また、ジシアンジアミドの誘導体の一例である
o−トリルビグアニドは、例えば、下記構造式(b)で
表される。このとき、特定水素は窒素原子に結合した6
個の水素原子となり、ベンゼン環の炭素原子やメチル基
の炭素原子等の窒素以外の原子に結合した水素原子は含
まれず、特定水素の原子数は6となる。
【0045】
【化26】
【化27】
【0046】これらエポキシ樹脂の主剤および硬化剤に
加えて、ポリアミンをエポキシ樹脂、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドのアダクトとして添加すると、
反応促進剤としてはたらき、硬化温度を低下させること
ができる。特に脂肪族アミンエポキシアダクトを反応促
進剤として用いることにより100℃以下で硬化反応が
開始するので、熱膨張による接着位置精度の低下やイン
クの吐出エネルギーを発生させる圧電素子の劣化をおこ
さない温度で硬化させても接着後に十分な接着強度、弾
性率、耐インク性、耐久性を得ることができる。また脂
肪族アミンエポキシアダクトを添加すると接着面への濡
れ性が改善され、接着強度が高くなる。
【0047】その他に、微粒子を分散添加することによ
り、接着剤の粘度、接着後の厚さを制御することができ
る。アルミナ、シリカなどを、径が0.01〜10μm
の範囲で単独もしくは2種類以上添加することが好まし
い。また、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などを
分散添加することにより接着後の弾性率を増すことがで
きる。
【0048】次に、本発明の接着剤をインクに接する接
合部分に用いたインクジェットヘッドに使用可能なイン
クについて説明する。
【0049】本発明のインクジェットヘッドで吐出させ
ることのできるインクには、例えば、水性溶媒に水溶性
染料を溶解させた水性染料インク、油性溶媒に油溶性染
料を溶解させた油性染料インク、水性溶媒に水に不溶ま
たは難溶の染料を分散させた分散染料インク、水性溶媒
または油性溶媒に顔料を分散させた水性または油性の顔
料インクなどが挙げられる。溶媒として使用される代表
的な化合物としては、例えば、水、アルコール類(例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール)、脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素、オレフ
ィン系炭化水素、脂肪酸及び脂肪酸エステル、安息香酸
エステル、フタル酸エステル、アミド類(例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ケトン
あるいはケトアルコール類(例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコー
ル等)、ポリアルキレングリコール類(例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ア
ルキレングリコール類(例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1、2、6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等)、グリセリン、エーテル類(例えばアニソ
ール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレング
リコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(またはエチル)エーテル等)等が挙げられ、
通常は、それら幾つかの混合物が用いられる。
【0050】顔料は、水、油などに不溶の白色または有
色の粉体である。染料には、直接染料、酸性染料、反応
性染料、塩基性染料、分散染料などがあり、単独で、あ
るいは、複数種類を併用して溶媒中に溶解または分散さ
れて使用される。分散染料とは油には可溶であるが、水
に不溶または難溶で、水中に分散した系での染色に用い
られる染料を指す。
【0051】これらの顔料及び分散染料は、分散剤及び
その他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に混合
して分散機により分散して用いられる。分散剤として
は、例えば界面活性剤が用いられ、この界面活性剤とし
ては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のい
ずれも用いることができる。また、インクジェットヘッ
ド用のインクには、インク液滴のメディア中への浸透を
加速するために、分散剤とは別に界面活性剤を添加する
ことが好ましい。この界面活性剤としては、インクに対
して保存安定性等に悪影響を及ぼさないものであれば特
に限定されるものではなく、例えば、分散剤として用い
られる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
【0052】本発明のインクジェットヘッドに用いられ
るインクには、電気伝導度調節剤を添加することもでき
る。電気伝導度調節剤としては、例えば、塩化カリウ
ム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウムなどの無機塩やトリエタノールアミ
ンなどの水溶性アミンが用いられる。また、吐出安定
性、プリントヘッドやインクカートリッジとの適合性、
保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上を目的と
して、必要に応じて、更に、粘度調整剤、比抵抗調整
剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止
剤、防錆剤等を添加することもできる。
【0053】本発明のインクジェットヘッドは、通常の
印字用のインク以外にもさまざまな化合物をそのまま、
または溶媒に溶解又は分散させて吐出することができ、
液晶用カラーフィルターの製造、有機ELディスプレイ
の製造などに応用することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、この発明のインクジェット
ヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法に係る実施
の形態を説明するが、この発明の態様はこれに限定され
るものではない。
【0055】(第1の実施の形態)図1はせん断モード
型のインクジェットヘッドの斜視図であり、図2は圧電
素子の変形を示す図であり、図3は接着剤層を含めた部
分断面図である。
【0056】インクジェットヘッド1は、基材2上に、
分極した圧電素子2bを取り付けて溝2aを複数形成
し、この溝2aの両隔壁となる圧電素子2bの内側に電
極3(図2、図3参照)を設け、カバー基板4(図3参
照)を取り付けて溝2aの天井を塞ぎ、さらに溝2aの
出口側をノズルプレート5で覆い、入口側をインクの流
動を制限する部材である供給プレート6で覆い、インク
を吐出させるためのエネルギーを発生させる圧力室Aと
空気室Bを交互に複数形成し、供給プレート6側にイン
ク供給部7を接続している。
【0057】ノズルプレート5には、圧力室Aに対応す
る部分にノズル孔5aが形成される。このノズル孔5a
を吐出方向に細くなるように形成すると、インクの流動
抵抗が低くなり、また気泡が排出されやすいので好まし
い。供給プレート6には、圧力室Aに対応する部分にイ
ンク導入口6aが形成される。インク導入口6aの大き
さは、圧力室断面と同じ大きさにすると、ここに気泡が
停滞しないので好ましいが、インク導入口6aを絞るこ
とにより圧力室内のインクの圧力波の振動や、ノズル孔
内のインクメニスカスの振動を抑制することができ、イ
ンク吐出後の圧力室内やノズル孔内のインクの状態が早
く初期状態に復帰するので、高速駆動を行う場合には、
たとえばインク導入口6aの大きさをノズル孔と同じ大
きさにすると駆動が安定するので好ましい。
【0058】溝2aは、長さ0.5〜10.0mm、深
さ50〜1000μm、幅10〜1000μm程度にす
るのが好ましく、印刷密度の倍の密度で設ける。例え
ば、180DPIで印刷したければ、25400/36
0=70μmおきに設ける。空気室Bの溝幅は、圧力室
Aの溝幅より狭い方が、ノズル密度を高めることができ
るので好ましい。しかし、必要に応じて空気室の溝幅を
適宜選択することが好ましい。
【0059】このように、基材2、分極した圧電素子2
b、カバー基板4、ノズルプレート5及び供給プレート
6によりヘッド本体が構成され、ヘッド本体に圧力室A
と空気室Bを圧電素子2bからなる隔壁で区画して交互
に複数形成されている。ヘッド本体は、圧力室Aの出口
側にインクを吐出するノズル孔5aを有するとともに、
圧力室Aの入口側にノズル孔5aと対向する位置にイン
ク導入口6aを有し、このインク導入口6aからノズル
孔5aへインクを供給する圧力室A兼インク流路が形成
されている。
【0060】インクジェットヘッドの電極3の形成は、
例えば、基材2に圧電素子2aを取り付け、その頭頂部
に保護膜を設けた後、溝隔壁の延長面と一定の角度をな
す面内にある蒸発源から、電極となる金属を蒸発させて
圧電素子全面に金属を蒸着し、この金属の蒸着後に保護
膜を除去して電極3を形成する。このようにすることに
より、簡単に溝隔壁に電極3を形成することができる。
電極となる金属には、例えば、金、銀、アルミニウム、
パラジウム、ニッケル、クロム、タンタル、チタン等を
用いることができる。特に、電気的特性、耐蝕性、加工
性の点から、金、アルミニウム、ニッケルクロム合金が
好ましい。また、無電解メッキにより金、銀、銅、ニッ
ケルの電極を形成してもよい。
【0061】圧力室A及び空気室Bの左右隔壁(圧電素
子)に別々に形成した電極3を互に繋ぐ接続電極の形成
には、例えば、圧電素子2bにカバー基板4を接合した
後にインク供給側端面とカバー基板4の上面を感光性樹
脂層でマスクし、基材2の溝底壁部の一端を蒸着して各
溝内部の両隔壁に設けた電極3と連通する接続電極を形
成することにより、簡単に各溝内部の両隔壁に設置され
た電極3,3と連通する接続電極を形成することができ
る。
【0062】そして、各溝内部の両隔壁に設けられた電
極3,3と接続電極を含む面にポリパラキシリレン被膜
(以下、パリレン膜という)を被着して、電極3,3及
び接続電極を絶縁することができる。これは、圧力室A
の電極に電圧を掛け、導電性のインクを使用する場合
に、短絡して、吐出できなくなったり、インクを電気分
解して、気泡を発生させたり、電極を腐蝕させたりする
ことを防止するためである。
【0063】この絶縁膜として、パリレン膜を用いるこ
とが好ましい。このパリレン膜は、固体のジパラキシリ
レンダイマーを蒸着源とするCVD(chemical
vapour Deposition)法により形成す
る。即ち、ジパラキシリレンダイマーが気化、熱分解し
て発生したジラジカルパラキシリレンが、ヘッド基体上
に吸着し重合反応して被膜を形成するものである。
【0064】パリレン膜を設けた圧力室に気泡が混入す
ると、パリレン膜面に付着してこびりつき、抜けにく
い。このためパリレン膜の表面を酸素プラズマ処理し
て、親水化することが好ましい。
【0065】本実施の形態では、ヘッド本体に圧力室A
と空気室Bを隔壁で区画して交互に複数形成されてお
り、圧電素子2aの変形の影響が、空気室Bで遮断さ
れ、他の圧力室Aに及ばないので、全圧力室Aから同時
に吐出でき、高い周波数で駆動できるようになってい
る。しかし、空気室Bを設けずに隣り合う圧力室Aを同
時に吐出しないように位相をずらして駆動することも可
能である。更に、圧力室Aにインク導入口6aからノズ
ル孔5aへインクを供給するストレートなインク流路を
形成することにより、インク流路に屈曲部を持たないの
で、ここに、気泡が停滞しないようにしているが、カバ
ー基板や基材にインク導入口を設ける構成も可能であ
る。
【0066】本実施の形態のインクジェットヘッド1に
使用する圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(商品名P
ZT)が、充填密度が大きく、圧電定数が大きく、加工
性が良いので好ましい。PZTは、焼成後、温度を下げ
ると、急に結晶構造が変化して、原子がズレ、片側がプ
ラス、反対側がマイナスという双極子の形の細かい結晶
の集まりになる。こうした自発分極は方向がランダム
で、極性を互いに打ち消しあっているので、更に分極処
理が必要となる。
【0067】分極処理は、PZTの薄板を電極で挟み、
シリコン油中に漬けて、10〜35kv/cm程度の高
電界を掛けて分極する。分極したPZTに、図3に示す
ように分極方向に直角に電圧を掛けると、圧電素子(P
ZT)の隔壁が圧電滑り効果により、斜め方向にくの字
形に剪断変形して、圧力室Aの容積が膨張して、インク
供給部7からインクが圧力室Aに供給される。この時、
圧力室内に負の圧力波が発生して、インク中を伝わり、
時間L/v(L:圧力室の長さ、vインク中の音速)経
過すると、圧力波が圧力室末端に到達して反射され、位
相が反転して正の圧力波になる。この時、電極に印加し
た電圧をグランドに落とすと、圧電素子の隔壁の変形が
無くなり、圧力室Aの容積が縮小してインクに圧力が掛
かる。反転した正の圧力波と、壁からの圧力が加え合わ
さって、高い圧力がインクに掛かり、ノズル孔5aから
インクが吐出される。圧電素子の変形量が大きい程、イ
ンクに掛かる力が大きくなり、インク滴の吐出速度が早
くなり、吐出の直進性が高くなり、画像の解像度が向上
する。
【0068】圧電素子の変形を大きくするためには、1
枚のPZTを使用して、図2(a)に示すように、その
上半分に電極を設けて、上半分を変形させるよりも、図
2(b)に示すように2枚のPZTを、分極方向が反対
になるように接合して、全面に電極を設け、2枚のPZ
Tに電圧を掛けて使用することが好ましい。これはシェ
ブロン型として特公平6−61936号公報、特公平6
−6375号公報に開示されている。2枚のPZTを分
極方向が反対になるように接合して使用すると、1枚の
PZTの場合よりせん断変形量が倍になるので、同じ変
形量を得るには、駆動電圧が1/2ですむ。反対方向に
分極した2枚のPZTを接合し、それを基材に接合して
隔壁を形成し、圧力室の電極に電圧を掛ける場合には、
隔壁の全面に電極を設け、溝の底部には設けないように
することが好ましい。
【0069】本実施の形態では、図3に示すように、こ
の分極した2枚の圧電素子を接着剤80で接合した圧電
素子2bを用い、それを基材2に接着剤8で接合するこ
とによって、隔壁により区切られるインク流路を備えた
ヘッド本体を形成し、隔壁の側面に金属を蒸着させて電
極を形成した後、このヘッド本体にカバー基板4を接着
剤8で接合して覆っている。
【0070】圧電素子と圧電素子間の接着剤80による
接合では、接着剤層の硬化後の厚みを10〜15μm以
下にすることが好ましく、これにより2枚の圧電素子間
の接着の信頼性が十分となり、インクもれを起こし難
く、電極の接続が阻害される虞を少なくできる。また、
基材と圧電素子間の接着剤8による接合、及びカバー基
板とヘッド本体間の接着剤8による接合では、接着剤層
の硬化後の厚みを2μm以下にすることが好ましく、こ
れにより圧電素子隔壁の変形を吸収してしまう虞を少な
くできる。
【0071】このようにして、2枚の圧電素子を分極方
向が反対になるように接着剤で接合した圧電素子2b
を、基材2に接着剤で接合して溝2aを形成して、溝2
aの両隔壁に電極3を設けてから、溝2aの天井をカバ
ー基板4で塞ぐように接着剤で接合し、溝2aの入口、
出口を、インク導入口を持つ供給プレート6とノズル孔
を持つノズルプレート5で塞ぐようにそれぞれ接着剤で
接合する。
【0072】基材2及びカバー基板4には、例えば、脱
分極したPZT、フォルステライト(2MgO・SiO
2)、ホトベール(住金ホトンセラミックス社製のホウ
ケ酸ガラスを主成分にフッ素金雲母及びジルコニアを含
む特殊セラミック)、MgO−TiO2−CaOの3成
分系セラミック、BaTiO3、焼結アルミナ、石英ガ
ラス類、焼結コーデュライト、焼結ムライトのいずれ
か、またはジルコニア、安定化ジルコニア、部分安定化
ジルコニア、ジルコニア強化セラミックス、正方晶ジル
コニア多結晶体等を使用することが好ましい。
【0073】また、ノズルプレート5及び供給プレート
6は、例えば、ステンレス、ポリイミド、ポリサルホ
ン、ポリリエーテルサルホンなどの金属や樹脂が使用さ
れる。ノズルプレート5および供給プレート6は接着前
にレーザー穿孔、機械穿孔によりノズル孔またはインク
導入口を形成してもよいし、接着後にレーザー穿孔によ
りノズル孔またはインク導入口を形成してもよい。また
ノズルプレート5の吐出側の面は撥インク処理されるこ
とが多いが、接着前の接着面に撥インク処理させると接
着剤による十分な接合が行われなくなる可能性があるの
で、接着前に撥インク処理を行う場合は、接着面が撥イ
ンク処理されないようにすることが好ましい。
【0074】いずれの場合においても、接着剤による接
合を行う際には、接着剤の塗設面は親水化処理をして濡
れ性を増しておくことが好ましい。濡れ性を増す処理と
しては界面活性剤や、酸又はアルカリによる洗浄や、オ
ゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましい。
【0075】本実施の形態では、基材と圧電素子間の接
合、及びカバー基板とヘッド本体間の接合を行う接着剤
8に、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/また
はジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシ
アダクトとを含有する接着剤を用いるとともに、ノズル
プレート5の接合、および供給プレート6の接合を行う
接着剤にもエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/
またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポ
キシアダクトとを含有する接着剤を用いて、インクジェ
ットヘッドを製造した。基材とカバー基板には脱分極し
たPZT、ノズルプレート5にはポリイミドを用いた。
このエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/または
ジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシア
ダクトとを含有する接着剤の処方の具体例を次に説明す
る。
【0076】構造式(1)(n=0を主とした混合物)
のエポキシ樹脂を主剤とし、ジエチレントリアミンのフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂のアダクトを反応促
進剤として4重量%加えたものに、添加する硬化剤のジ
シアンジアミドの量を変化させたときのBステージの安
定性、及び100℃での硬化後の特性(耐インク性、引
っ張り弾性率)の結果を表1に示す。
【0077】ここで、圧力室は、圧電素子によって発生
させる圧力でインクを吐出させるものなので、圧力室が
その圧力で変形してしまうとインクを吐出させる圧力が
逃げてしまい、効率よくインクを吐出させることが難し
くなる。圧力室を構成する複数の部材の接合に使用する
接着剤の弾性率が低いと、圧力室が変形し、インクジェ
ットヘッドの効率が低下する。従って圧力室を構成する
部材の接合に使用する接着剤は、硬化後の弾性率が高い
ことが好ましく、引っ張り弾性率が100kg/cm2
以上であることが好ましい。より好ましくは、200k
g/cm2以上である。耐インク性は、接着剤がインク
中の溶媒で膨潤することによる重量変化を測定したとき
のその変化率から評価した。水に60℃で1週間(16
8時間)浸漬する加速試験をおこなった。重量変化が4
%以下であれば長期に渡って充分実用に耐え得るため好
ましく、小さいほどより好ましい。表1において、Bス
テージは何れも安定で、Bステージを形成しないものは
なかったが、Bステージ化後、室温にもどしても多少反
応が緩やかに進行した場合を△、そのような進行も見受
けられず、Bステージが非常に安定であった場合を○で
示した。
【0078】
【表1】
【0079】表1に示すように、0.1≦ジシアンジア
ミドの特定水素の原子数/エポキシ樹脂のエポキシ基の
数≦1.0では、耐インク性が4%以下、引っ張り弾性
率が100kg/cm2以上を満たし、Bステージも安
定であるためにより好ましいものであった。また、0.
6≦ジシアンジアミドの特定水素の原子数/エポキシ樹
脂のエポキシ基の数≦0.9では、耐インク性、引っ張
り弾性率、Bステージの安定性とも極めて良好であり更
に好ましいものであった。尚、ジシアンジアミドの誘導
体、または、ジシアンジアミドおよびジシアンジアミド
の誘導体を添加した場合にも同様の結果が得られた。
【0080】次に、構造式(1)(n=0を主とした混
合物)の主剤にジシアンジアミドを硬化剤として、ジシ
アンジアミドの特定水素の原子数/エポキシ樹脂のエポ
キシ基の数=0.8、となる量、およびジエチレントリ
アミンのフェノールノボラック型エポキシ樹脂のアダク
トを反応促進剤として4重量%加えたものを用意した。
粘度は25℃で30000センチポイズであった。粘度
が小さいと接着剤が接着する部分以外に流れ出し、イン
ク流路をふさいだり狭隘化させたりするので、3000
センチポイズ以上であることが好ましい。特に接着剤の
塗設部分の近傍にアルミニウムを蒸着して形成した電極
があると、アルミニウムの表面エネルギーがきわめて高
く、接着剤が流れ込みやすい。また、接着剤を接着面に
うすく伸ばして塗設するためには、粘度が200000
センチポイズ以下であることが好ましい。
【0081】この接着剤を接合する一方の部材にスクリ
ーン印刷法で塗設し、2℃/分の昇温速度で80℃に昇
温した後に30分間この温度を維持して硬化してBステ
ージ化させた。その後室温に冷却した後に、もう一方の
部材と重ね合わせ、1kg/cm2の圧力をかけながら
1℃/分の昇温速度で100℃に昇温した後に30分間
この温度を維持して硬化させた。硬化後に冷却し、寸法
を測定すると、それぞれの部材の室温での寸法を維持し
たまま接着され、そりやずれがなかった。また接着剤の
はみ出しも見られなかった。接着剤の変形による圧力損
失が小さく、吐出効率が高いインクジェットヘッドを得
ることができた。
【0082】こうして製造したインクジェットヘッド
を、従来から知られている接着剤である田岡化学社製テ
クノダインAH3041Wを使用して製造したヘッドと
比較した。耐インク性は接着剤を各種の溶媒に60℃で
1週間(168時間)浸漬し、溶媒で膨潤することによ
る重量の変化率から評価した。
【0083】また、ヘッドを実際に駆動し、吐出速度が
7m/sとなる駆動電圧を測定した。同じ吐出速度を得
るための駆動電圧は低い方が出射効率が高いことにな
る。
【0084】また、ヘッドを実際に駆動し、耐久試験を
行った。108ショット以上射出できれば実用に耐え得
るものであり、1010ショット以上射出できればヘッド
の交換がほとんど不要となり好ましいものである。
【0085】インク浸漬試験と耐久試験の結果と製造上
の特性を以下の表2に示す。なお、比較例の接着剤は、
部材への濡れ性が悪く、部材をプラズマ処理で前処理す
る必要があったので×とした。
【0086】
【表2】
【0087】ノズルプレートのノズル孔の径5〜50μ
m程度であり、接着剤がノズル孔内に付着すると吐出し
なくなったり、吐出されるインク滴が小さくなったりし
て性能に重大な影響を及ぼす。また、ノズルプレートに
は複数の圧力室に対応して複数のノズル孔が開けられて
いる。したがって、ノズルプレートの接着剤による接合
に要求される位置精度は、ノズル孔の径、ノズルプレー
トを接合する面のインク流路または圧力室の大きさなど
によって異なるが、通常のインクジェットヘッドではノ
ズル径以下の精度であることが好ましい。ノズル孔の間
隔は10〜1000μmで、64〜1024程度のノズ
ル孔が開けられているものが多いが、更にノズルの数は
多くなる傾向にある。プリントしようとする紙幅全体を
一度にプリントする方式のものでは、例えば7000ノ
ズル、全幅が30cmのものが知られており、この場合
30cmの範囲で10μm程度の位置精度であることが
好ましく、これは33ppmに相当する。
【0088】また更に、ノズルプレートに使用されるス
テンレスなどの熱膨張率は、小さいものでも1℃あたり
10ppm程度以上であることを考慮すると、熱膨張率
が異なる部材間の接合では、接着時の加熱で、いかに接
着の位置精度を維持することが難しいかがわかる。そこ
で、本実施の形態では、エポキシ樹脂と、ジシアンジア
ミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪
族アミンエポキシアダクトとを含有する接着剤を用いて
Bステージ化工程を経て接合を行っている。一方の部材
に接着剤を塗設し、加熱して半硬化させてBステージ化
することで、接着剤の流動性が失われ、また粘着性のあ
る状態となる。これを室温まで冷却し、もう一方の部材
と重ねるとBステージ化した接着剤の粘着力により二つ
の部材の相対的な位置が固定される。このとき、Bステ
ージ化した接着剤は流動性がないのではみ出したり、流
れ出したりすることがない。その後、重ね合わせた2つ
の部材を加圧しながら加熱することにより接着剤を硬化
させて接合を完了している。
【0089】本実施の形態では、接合する圧電素子の温
度が上がると、圧電素子の圧電効果が失われるために、
硬化温度を一定の温度より高い温度にすることは好まし
くない。圧電効果が失われる温度は圧電素子の種類、成
分や製造方法によっても異なるが、一般的に圧電効果の
効率の高い圧電素子ほどこの温度が低い。本実施の形態
のインクジェットヘッドに好ましいインク吐出効率が得
られる圧電素子では120℃を超えると圧電効果の効率
が低下するので、接着剤のBステージ化、硬化は120
℃以下で行うことが好ましい。またBステージとは硬化
(重合反応)がある程度進行したところで一旦重合反応
の進行が停止し、硬化が進まなくなる状態であり、最終
的な硬化が120℃以下で進行する場合は、Bステージ
化は100℃以下で行われないと安定なBステージ状態
とはならない。本実施の形態のエポキシ樹脂と、ジシア
ンジアミドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体
と、脂肪族アミンエポキシアダクトとを含有する接着剤
は、このような低温でのBステージ化および硬化を実現
できるものである。
【0090】なお、本実施の形態では、基材2と圧電素
子2bを別部材で構成し、両者を接着剤で接合した例を
示したが、例えば、分極した2枚のPZT基板を貼り合
わせた圧電素子のヘッド基板を用意し、ダイヤモンド砥
石等により溝2aを形成する構成を採用することもでき
る。この場合にはヘッド構造が単純になる。
【0091】(第2の実施の形態)図4は圧力室壁に設
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せるタイプのインクジェットヘッドの概略断面図であ
る。
【0092】具体的には、例えば、複数のノズル孔15
aが設けられた金属製のノズルプレート15と、圧力室
Aのインク導入側に設けられてインクの流動を制限する
部材である、複数のインク導入口16aが設けられた金
属製の供給プレート16とを、流路プレート12aを挟
んで積層、接合することにより、前記ノズル孔15aに
インクを導くインク流路と、前記インク導入口16aに
インクを導くインク供給流路とを、それぞれ内部に形成
せしめ、これに金属や合成樹脂製のプレート12b,1
2c,12dの積層体にて形成された、前記各ノズル孔
15aおよびインク導入口16aに対応する複数の開口
を有する部材を重ね合わせて接着一体化することによ
り、前記ノズル孔15aおよびインク導入口16aの背
後に、それぞれ、圧力室Aを形成すると共に、圧力室A
の壁部に圧電素子13を固着することによって形成され
る。
【0093】インクジェットヘッド10は、圧力室Aに
供給されたインクが、ノズルプレート15に設けられた
ノズル孔15aを通じて、吐出されるようになってい
る。より詳細には、ノズルプレート15と、圧力室のイ
ンク導入側に開口を有しインクの流動を制限する部材で
ある供給プレート16が、それらの間に流路プレート1
2aを挟んで重ね合わされ、接着剤によって一体的に接
合されてなる構造とされている。
【0094】また、ノズルプレート15には、インク吐
出用のノズル孔15aが、複数個(図示せず)、形成さ
れていると共に、供給プレート16および流路プレート
12aには、各ノズル孔15aに対応する位置におい
て、板厚方向に貫通する通孔が、該ノズル孔15aより
も所定寸法大きな内径をもって形成されている。
【0095】さらに、供給プレート16には、インク導
入口16a(オリフィス孔)が、複数個(図示せず)、
形成されていると共に、流路プレート12aに設けられ
た窓部が、ノズルプレート15および供給プレート16
にて、両側から覆蓋されることにより、それらノズルプ
レート15と供給プレート16との間に、各インク導入
口16aに連通せしめられたインク供給流路が形成され
ている。また、供給プレート16には、インク供給流路
に対して、インクタンクから導かれるインクを供給する
供給口が設けられている。
【0096】なお、各プレート15,16,12aは、
ノズル孔15aおよびインク導入口16aを高い寸法精
度で形成するうえで、一般にプラスチックや、ニッケル
乃至ステンレスといった金属を使用することが好まし
い。また、インク導入口16aは図示されているよう
に、インク流通方向に向って小径化するテーパ形状をも
って、形成することが望ましい。
【0097】一方、供給プレート16の反対側には、閉
塞プレート12dと接続プレート12bが、スペーサプ
レート12cを挟んで重ね合わされてなる構造をもっ
て、一体的に形成されている。
【0098】接続プレート12bには、供給プレート1
6に形成された通孔およびインク導入口16aに対応す
る位置に、連通用開口部がそれぞれ形成されている。
【0099】また、スペーサプレート12cには、長手
矩形状の窓部が、複数個形成される。そして、それら各
窓部に対して、接続プレート12bに設けられた各連通
用開口部が開口するように、スペーサプレート12c
が、接続プレート12bに対して重ね合わされている。
【0100】このスペーサプレート12cの、接続プレ
ート12bが重ね合わされた側とは反対側の面には、閉
塞プレート12dが重ね合わされていて、この閉塞プレ
ート12dで、窓部の開口が覆蓋されている。それによ
って、各連通用開口部を通じて外部に連通されたインク
の圧力室Aが形成されている。
【0101】閉塞プレート12d、スペーサプレート1
2cおよび接続プレート12bは、セラミックスで構成
されることが好ましい。このセラミックスの材質は、成
形性等の点から、アルミナ、ジルコニア等を使用するこ
とが好ましい。閉塞プレート12dの板厚は好ましくは
50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度、接続
プレート12bの板厚は好ましくは10μm以上、より
好ましくは50μm以上、スペーサプレート12cの板
厚は好ましくは50μm以上、より好ましくは100μ
m以上である。
【0102】このようにして形成された圧力室Aは、セ
ラミックスの一体焼成品として形成することもできる
が、各プレートを接着剤で接着して用いてもよい。
【0103】閉塞プレート12dの外面上の、各インク
の圧力室Aに対応する部位に、それぞれ、圧電素子13
が設けられている。この圧電素子13は、閉塞プレート
12d上に、下部電極13a,圧電素子膜13bおよび
上部電極13aからなる圧電作動部を、膜形成法によっ
て形成することによって形成されたものである。
【0104】この場合には閉塞プレート12dとして、
酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック基板を使用
することが好ましい。
【0105】酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウムのうちの一つの化合物を単
体で若しくは組み合わせて添加、含有することにより、
酸化ジルコニウムは部分的に或いは完全に安定化され
る。それぞれの化合物の添加含有量は、酸化イットリウ
ムは2モル%〜7モル%、酸化セリウムは6モル%〜1
5モル%、酸化マグネシウム、酸化カルシウムは5モル
%〜12モル%とすることが好ましいが、その中でも、
特に酸化イットリウムを部分安定化剤として用いること
が好ましく、その場合は2モル%〜7モル%、更に好ま
しくは2モル%〜4モル%とすることが望ましい。その
ような範囲で酸化イットリウムを添加・含有した酸化ジ
ルコニウムは、その主たる結晶相が正方晶若しくは主と
して立方晶と正方晶からなる混晶において部分安定化さ
れ、優れた基板特性を与えることとなる。
【0106】圧電作動部を構成する電極膜13a,13
aの材料としては、熱処理温度並びに焼成温度程度の高
温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に規制され
るものではなく、例えば金属単体であっても、合金であ
っても良く、また絶縁性セラミックスやガラス等と、金
属や合金との混合物であっても、更には導電性セラミッ
クスであってもよい。好ましくは、白金、パラジウム、
ロジウム等の高融点貴金属類、或いは銀―パラジウム、
銀―白金、白金―パラジウム等の合金を主成分とする電
極材料が用いられる。
【0107】圧電作動部を構成する圧電素子膜13bの
材料として好ましくは、PZTが用いられる。
【0108】圧電素子13が一体的に設けられた、閉塞
プレート12d、スペーサプレート12cおよび接続プ
レート12bは、その接続プレート12bが、図5に示
されているように、供給プレート16に対して重ね合わ
され、接着剤を用いて一体化されている。圧電素子13
の作動により、インク供給流路を通じて導かれたインク
が、インク導入口16aより圧力室Aに供給され通孔を
通じ、ノズル孔15aより吐出されるインクジェットヘ
ッド10が形成される。
【0109】本実施の形態では、ノズルプレート15の
流路プレート12aへの接合、供給プレート16の流路
プレート12aへの接合、及び供給プレート16の接続
プレート12bへの接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/
またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポ
キシアダクトとを含有する接着剤を用い、第1の実施の
形態と同様にしてインクジェットヘッドを製造した。こ
うして製造されたインクジェットヘッドは、それぞれの
部材の室温での寸法を維持したまま接合され、そりやず
れの発生もなかった。また接着剤のはみ出しも見られな
かった。更に、耐インク性の評価結果も第1の実施の形
態と同様であった。
【0110】本実施の形態では、圧力室内に電極がない
ので、第1の実施の形態のようにパリレン膜等の保護膜
を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤に
よる接合には、寧ろ耐インク性が高い接着剤を用いるこ
とが好ましく、本実施の形態はこれを実現したものであ
る。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させる
圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしまう
ことがなく、効率よくインクを吐出させることができ
た。また、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで
圧力室をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化する
と、インクの流れが変化したりインクにかかる圧力が変
化してインクの吐出に影響を与えることもなかった。
【0111】更に、接着時の温度による圧電素子への影
響もなく、圧電素子の圧電効果を失わせることもなかっ
た。ここで、圧電素子を施した閉塞プレート12dを、
同じくエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/また
はジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポキシ
アダクトとを含有する接着剤を用いて、スペーサプレー
ト12cに接合し、接続プレート12bに接合した場合
でも、同様な結果を得ることができた。
【0112】(第3の実施の形態)図5は圧力室壁に設
けた圧電素子の伸縮変形によって圧力室の体積を変化さ
せる第2の実施の形態と同様のタイプで、構造が異なる
インクジェットヘッドの概略断面図である。
【0113】基台21bは一端部、図では下方に後述す
る圧電素子23を固定するための側方に、突出した突部
が形成されており、上端面には圧力室Aと圧電素子23
とを隔離する振動板24が固定される。振動板24は、
圧電素子23と当接する近傍に凹部を形成して圧電素子
23の振動に応答しやすく形成される。振動板24の表
面には流路形成部材及びインク導入口26aを有する供
給板を兼ねたスペーサ部材22が固定されており、圧電
素子23に対向する領域は振動板24と協同して圧力室
を形成するよう構成され、またインク供給側のインク導
入口26aは、図示しないがインクの流動を制限するよ
う圧力室Aの方向に流路が狭くなる形状とされる。スペ
ーサ部材22の表面にはノズルプレート25が固定され
ており、圧電材料と導電材料とをそれぞれ層状に交互に
積層した圧電素子23の配列形態に合せて複数のノズル
孔25aが設けられている。また、インク供給側も、ノ
ズルプレート25のノズル孔25aが設けられていない
部分より開口部が封止されてインク供給部27が形成さ
れている。
【0114】圧電素子23は、一端を振動板24に固定
され、また他端の側方を基台21bの突部に固定され
る。基台21bは、その下端を固定部材21aに固定さ
れている。固定部材21aは、振動板24、スペーサ部
材22、及びノズルプレート25を支持し、また基台2
1bを介して圧電素子23の自由端(図中、上端)を振
動板24に当接させている。そして図から明らかなよう
に、基台21bは、一端が、圧電素子23の自由端側の
端面とほぼ一致し、また他端が圧電素子23の固定端側
よりも突出する大きさに構成される。このような構造を
したインクジェットヘッド20は、圧電素子23に設け
た電極に電圧を印加すると圧電素子23が軸方向に伸張
し、圧電素子23の先端に固定された振動板24が伸張
しノズルプレート25の方向に変位して圧力室Aを圧縮
する。この圧力室Aの容積減少により圧力を受けたイン
クは、ノズル孔25aからからインク滴となって飛翔す
る。
【0115】本実施の形態では、ノズルプレート25
と、インク導入口を設けたインクの流動を規制する部材
を兼用したスペーサ22との接合、及びそのスペーサ2
2と振動板24との接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/
またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポ
キシアダクトとを含有する接着剤を用い、第1の実施の
形態と同様にしてインクジェットヘッドを製造した。こ
うして製造されたインクジェットヘッドは、それぞれの
部材の室温での寸法を維持したまま接合され、そりやず
れの発生もなかった。また接着剤のはみ出しも見られな
かった。更に、耐インク性の評価結果も第1の実施の形
態と同様であった。
【0116】本実施の形態では、第2の実施の形態と同
様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等の保護
膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の接着剤
による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いたもので
ある。これにより、圧力室は圧電素子によって発生させ
る圧力で変形してインクを吐出させる圧力が逃げてしま
うことがなく、効率よくインクを吐出させることがで
き、接着剤が圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室
をふさいだり、狭隘化させたり、体積が変化して、イン
クの流れが変化したりインクにかかる圧力が変化してイ
ンクの吐出に影響を与えることもなかった。
【0117】また、本実施の形態では、圧電材料と導電
材料とをそれぞれ層状に交互に積層した圧電素子23を
用いているので、エネルギー効率が極めて高く、更に、
圧電素子23が基台21bに固着されているため、基台
21bの強度により圧電素子23に大きな強度を必要と
することがなく、また振動板24と基台21bとを固定
部材21aを介して固定したので、基台21bを固定部
材21aに相対的に位置調整することにより圧電素子2
3を振動板24に高い位置精度で当接可能となり、イン
クに接する接着剤にエポキシ樹脂と、ジシアンジアミド
および/またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族ア
ミンエポキシアダクトとを含有する接着剤を用いたこと
と共に、インクジェットヘッドの性能向上と、コスト削
減を図ることができるものである。
【0118】(第4の実施の形態)図6はサーマルタイ
プのインクジェットヘッドの概略斜視図である。
【0119】本実施の形態のインクジェットヘッドは、
例えば、インク供給部47を形成する部分と圧力室を形
成する溝42aと設けた天板44に、インク導入口46
aを有する供給プレート46を接合し、吐出ヒータ49
を設けたヒータボード42と、供給プレート46を接合
された天板44とを接合してインク供給部47及び圧力
室Aを形成し、その後、圧力室Aのインク供給部47の
側と反対側の開口を塞ぐように、ノズル孔45aを有す
るノズルプレート45を接合して、インクジェットヘッ
ド40を構成する。このような構成を有するインクジェ
ットヘッド40は、発熱体である吐出ヒータ49に通電
して発熱体を急激に発熱させることにより、インクを気
化させ或いは気泡を発生させてノズル孔45aからイン
クを吐出させるものであり、熱エネルギーを利用してイ
ンク滴を飛翔させるものである。
【0120】本実施の形態では、供給プレート46の天
板44への接合、天板44とヒータボード42との接
合、及びそれら天板44およびヒータボード42へのノ
ズルプレート45の接合を行う接着剤に、第1の実施の
形態と同じエポキシ樹脂と、ジシアンジアミドおよび/
またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミンエポ
キシアダクトとを含有する接着剤を用い、第1の実施の
形態と同様にしてインクジェットヘッドを製造した。こ
うして製造されたインクジェットヘッドは、それぞれの
部材の室温での寸法を維持したまま接合され、そりやず
れの発生もなかった。また接着剤のはみ出しも見られな
かった。更に、耐インク性の評価結果も第1の実施の形
態と同様であった。
【0121】本実施の形態では、第2、第3の実施の形
態と同様に、圧力室内に電極がないので、パリレン膜等
の保護膜を設ける必要性はなく、インクに接する部分の
接着剤による接合に、耐インク性が高い接着剤を用いた
ものである。これにより、圧力室の変形もなく、安定し
たインクの吐出を長期に渡り実現でき、また、接着剤が
圧力室内にはみ出したり流れ込んで圧力室をふさいだ
り、狭隘化させたり、体積が変化して、インクの流れが
変化したりしてインクの吐出に悪影響を与えることもな
かった。更に、Bステージ化により接着位置精度も簡易
に高精度にでき、位置決め工程や組み立て工程を簡略化
できて製造コストの低減が可能である。以上のように、
本実施の形態では、吐出のための発生圧力が高く、安価
で製造の容易なインクジェットヘッドが得られた。
【0122】なお、第1乃至第3の実施の形態では、圧
力室内に配置したヒータの加熱で微細な泡を発生させる
タイプのものに比べて、原理的に消費電力が低いという
効果を奏するものである。
【0123】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、未使用
時の保存性に優れた1液性で、接着しようとする部材へ
の濡れ性が良く、低温で安定なBステージ状態を作るこ
とができ、低い温度で硬化させることのできる接着剤を
使用して製造するために、接着強度が大きく、かつその
バラツキが小さく、接着剤のはみ出しや流れ出しがな
く、高い位置精度のインクジェットヘッドを提供するこ
とができる。
【0124】請求項2に記載の発明によると、接着後の
硬度を高くすることができるので吐出圧力の損失が小さ
く、硬化後のインクによる膨潤を小さくすることができ
るのでさまざまな種類のインクを吐出することができる
インクジェットヘッドを提供することができる。
【0125】請求項3に記載の発明によると、さらに吐
出のための圧力の損失が小さく、耐インク性が高いイン
クジェットヘッドを提供することができる。
【0126】請求項4に記載の発明によると、接着剤が
インクにより膨潤して接着強度が低下したり、インク漏
れを起こしたりすることがないインクジェットヘッドを
提供することができる。
【0127】請求項5に記載の発明によると、硬化後の
特性に優れたエポキシ樹脂接着剤を用いて、接着剤のは
み出しや流れ出しがなく、高い位置精度のインクジェッ
トヘッドを効率よく製造する方法を提供することができ
る。
【0128】請求項6に記載の発明によると、吐出のた
めの圧力の損失が小さく、耐インク性が高いインクジェ
ットヘッドの製造方法を提供することができる。
【0129】請求項7に記載の発明によると、さらに吐
出のための圧力の損失が小さく、耐インク性が高いイン
クジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
【0130】請求項8に記載の発明によると、熱膨張に
よる接着位置精度の低下やインクの吐出エネルギーを発
生させる圧電素子の劣化をおこさないインクジェットヘ
ッドの製造方法を提供することができる。
【0131】請求項9に記載の発明によると、Bステー
ジが安定で、熱膨張による接着位置精度の低下やインク
の吐出エネルギーを発生させる圧電素子の劣化をおこさ
ないインクジェットヘッドの製造方法を提供することが
できる。
【0132】請求項10に記載の発明によると、接着剤
の塗設の容易なインクジェットヘッドの製造方法を提供
することができる。
【0133】請求項11に記載の発明によると、接着剤
の厚みのバラツキがなく、製造効率の高いインクジェッ
トヘッドの製造方法を提供することができる。請求項1
に記載の発明によると、他の特性を犠牲にすることな
く、さまざまなインクに対して耐性をもつインクジェッ
トヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】せん断モード型インクジェットヘッドの斜視図
である。
【図2】せん断モード型インクジェットヘッドの圧電素
子の変形を示す図である。
【図3】せん断モード型インクジェットヘッドの接着剤
層を示す部分断面図である。
【図4】圧力室壁に設けた圧電素子の伸縮変形によって
圧力室の体積を変化させるタイプのインクジェットヘッ
ドの概略断面図である。
【図5】圧力室壁に設けた圧電素子の伸縮変形によって
圧力室の体積を変化させる他のインクジェットヘッドの
概略断面図である。
【図6】サーマルタイプのインクジェットヘッドの概略
斜視図である。
【符号の説明】
1、10、20、40 インクジェットヘッド 2 基材 2a、42a 溝 2b、13、23 圧電素子 3、13a 電極 4 カバー基板 5、15、25、45 ノズルプレート 5a、15a、25a、45a ノズル孔 6、16、46 供給プレート 6a、16a、26a、46a インク導入口 7、27、47 インク供給部 8、80 接着剤 21a 固定部材 21b 基台 22 スペーサ部材 24 振動板 42 ヒータボード 44 天板 49 吐出ヒータ A 圧力室 B 空気室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF65 AF93 AP25 AP57 4J040 EC001 HC16 KA16 NA21 PA30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つの部材を接着剤で接合した
    インクジェットヘッドにおいて、接合部分の接着剤の少
    なくとも一部に、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドお
    よび/またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族アミ
    ンエポキシアダクトとを含有する接着剤を用いたことを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記ジシアンジアミドおよび/またはジシ
    アンジアミドの誘導体が、下記条件を満たすことを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。 0.1≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
    アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
    エポキシ基の数≦1.0
  3. 【請求項3】前記ジシアンジアミドおよび/またはジシ
    アンジアミドの誘導体が、下記条件を満たすことを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。 0.6≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
    アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
    エポキシ基の数≦0.9
  4. 【請求項4】前記接着剤が、硬化後にインクに浸漬した
    ときの重量変化率が4%以下であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のインクジェトヘッド。
  5. 【請求項5】インクジェットヘッドを構成する少なくと
    も2つの部材を接着剤で接合するインクジェットヘッド
    の製造方法において、2つの部材を接合するために少な
    くとも一方の部材に、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミ
    ドおよび/またはジシアンジアミドの誘導体と、脂肪族
    アミンエポキシアダクトとを含有する接着剤を塗設する
    工程と、前記塗設した接着剤を加熱してBステージ化さ
    せる工程と、前記2つの部材を加圧しつつ前記接着剤を
    加熱し硬化させて前記2つの部材を接合する工程とを有
    することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記ジシアンジアミドおよび/またはジシ
    アンジアミドの誘導体が、下記条件を満たすことを特徴
    とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。 0.1≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
    アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
    エポキシ基の数≦1.0
  7. 【請求項7】前記ジシアンジアミドおよび/またはジシ
    アンジアミドの誘導体が、下記条件を満たすことを特徴
    とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。 0.6≦〔ジシアンジアミドおよび/またはジシアンジ
    アミドの誘導体の特定水素の原子数〕/エポキシ樹脂の
    エポキシ基の数≦0.9
  8. 【請求項8】前記接着剤の硬化温度が120℃以下であ
    ることを特徴とする請求項5〜7に記載のインクジェッ
    トヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】前記接着剤を100℃以下の温度でBステ
    ージ化することを特徴とする請求項5〜7に記載のイン
    クジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】前記接着剤の初期粘度が25℃において
    3ラ103〜2ラ105センチポイズであることを特徴とす
    る請求項5〜9のいずれかに記載のインクジェットヘッ
    ドの製造方法。
  11. 【請求項11】前記接着剤の塗設をスクリーン印刷もし
    くはフレキソ印刷で行うことを特徴とする請求項5〜1
    0のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
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