JP2006257350A - 接着剤組成物、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐薬品性、耐インク性が高く、室温付近で硬化可能な接着剤組成物と溶剤インクを用いても耐久性、吐出性能の良好なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】硬化剤としてピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールを含有し、主剤として3つ以上のエポキシ基を有する化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物、及びチャンネル基板と披接着部材とが上記接着剤を用いて接着されているインクジェットヘッド。
【選択図】 図1

Description

本発明は接着剤組成物、該接着剤組成物用いて作製されたインクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
現在、液晶のカラーフイルターの製造、液晶配向膜の塗布、有機EL等の各種精密電子部品の製造などにスクリーン印刷法が使用されている。また、屋外看板はスクリーン印刷法により塩ビシートの上に印刷されている。このように、業務用の印刷は一般にスクリーン印刷法で行われている。
ここで、スクリーン印刷法とは、メッシュを持つスクリーンに所望のパターンを形成して、このパターンを通過したインクを媒体に印刷する方法である。スクリーンは印刷する前に設計して製造しなければならず、製造工程及び製造コストの増大につながっていた。また、パターンを変更する度に、そのパターンに合わせてスクリーンを作り直さねばならないという問題もあった。さらに、スクリーンはステンレスのメッシュ等で作られているので、細かなパターンは製造できないなどの問題もあった。
そこで、近年においては、インクジェット記録装置の進歩により超微小インク滴を任意の場所に印刷できる様になったため、従来のスクリーン印刷法に代えて用いられるようになっている。インクジェット記録装置による印刷は、従来のスクリーン印刷法と異なりパターンを必要とせず、かつスクリーン印刷法より微細な印刷ができ、装置が安価である等の利点がある。
インクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドには、インク流路内にヒーターを設けてインクを発泡させて吐出するサーマル方式と、インク流路に圧電素子を設けて圧電素子でインクを加圧するピエゾ方式とがある。サーマル方式は、有機溶剤インクや油系インクは発泡しないので水系インクに限られる。これに対し、ピエゾ方式は水系、溶剤系、油系、いずれのインクでも吐出できるので好ましい。
ピエゾ方式には圧電素子の分極方向に電場を掛けたときに生じる伸縮により加圧室を変形させる方式と、分極方向に垂直な方向に電場を掛けたときに生じるせん断変形により加圧室を変形させる方式とがある。このせん断変形を用いる方式には、圧力室の壁の二面が圧電素子からなる方式、及び一面のみが圧電素子からなる方式がある。
このようなインクジェットヘッドは、圧電素子に接するようにインク流路が形成されており、圧電素子の変動に伴いインク流路の内部容積も変動してインク滴が吐出されるようになっている。前記インク流路には、蓋部材やノズル孔が備えられたノズルプレートなど各部材が接着されている。
ここで、一般に、インクジェット記録装置に用いられるインクには、水系インクと溶剤インクとがある。水系インクとは、水と染料と水溶性有機溶剤と活性剤とからなるインクである。水溶性有機溶剤とは高沸点グリコールエーテルであり、吐出休止中にインク吐出口からの水分の蒸発を防ぐためのものである。一方、溶剤インクとは、樹脂溶解力の強い溶剤を用いるものである。このような溶剤を用いることにより、画像記録後に溶剤インクが記録媒体に浸透しその耐久性が向上するので、耐久性を重視する業務用印刷に用いられる。
スクリーン印刷法代替としてのインクジェット記録装置では、溶剤インク、油系インクやUV硬化インクなど様々な溶剤インクが使用され、これらのインクに使用される溶剤がインクジェットヘッドの接着剤を膨潤又は溶解させる恐れがある。この様な溶剤としては、例えば、n−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、2−ピロリジノン、酪酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、ブトキシエチルアセテートなどが使用される。
しかしながら、樹脂類の溶解力の極めて強い有機溶剤中でも信頼性高く用いることができる接着剤組成物は今まで知られていなかった。
ところで、インクジェットヘッドの製造工程において各部材の接着の際には、インクジェットヘッドを加熱する温度は低いほうが好ましく、理想的には室温が望ましい。より低温で接着させることにより、圧電素子の脱分極を防ぐことと、接着させる部材間の線膨張係数の差により発生する応力を低減させることが可能である。線膨張係数が大きく異なる部材を加熱硬化により接着させると、室温に戻した時、前記応力により接着部に歪み、剥がれや割れ等が発生する。
溶剤インクに耐溶剤性を有する接着剤の一例としては、特許文献1〜特許文献3に記載の接着剤が挙げられる。特許文献1又は特許文献2に記載の接着剤は、炭素数15〜18の飽和炭化水素、または炭素数15〜18の一価アルコールを含む油系インク中に浸漬して、質量増加が5%以下であるアミン硬化エポキシ接着剤である。またさらに、特許文献3には、アミン硬化剤を用いることにより60℃で硬化されるエポキシ樹脂からなる接着剤が開示されている。
また、耐溶剤性を向上させる接着剤の硬化方法としては、特許文献4及び特許文献5に記載の方法が挙げられる。特許文献4には、エポキシ樹脂をジアンジアミド硬化剤で硬化させる時、室温から100℃までは昇温速度を遅くして、架橋密度を高くして耐溶剤性を改良する方法が開示されている。さらに、特許文献5には、多官能エポキシ樹脂をイミダゾール変性物で150℃で1分間加熱して硬化させて、電子デバイスを組み立てる方法が開示されている。
特開2001−301160号公報 特開2001−301178号公報 特開2002−302591号公報 特開2003−266708号公報 特開2000−68294号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載の接着剤組成物においては、溶剤インクに対する耐性は不十分であった。また、特許文献3に記載の接着剤組成物においても、耐アルカリ性には優れるが、樹脂溶解剤を含む溶剤インクに対しては耐久性が低いという問題があった。さらに、特許文献4は高い硬化温度を必要とするため熱膨張率の異なる部材を装着したときに生じる応力により、反り、割れ、出射性能の低下が起こるという問題があった。またさらに、特許文献5に記載の接着剤の硬化方法においては、硬化温度が高すぎて圧電素子の脱分極が生じるため、圧電素子を用いるインクジェットヘッドには適用できないという問題があった。
ここで、一般に、耐溶剤性の高い接着剤としては、上述の通り、エポキシ接着剤が挙げられる。エポキシ接着剤は用いる硬化剤によりその性質が異なることが知られている。常温から60℃程度までの比較的低い温度で硬化させる硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミンやポリアミドが知られている。しかし、これらのアミン硬化剤でエポキシ樹脂を室温で硬化させると中間に極性基が生成することと、架橋点距離が長いことにより水や溶剤に弱いという欠点を持っている。室温で硬化するエポキシ接着剤は、水系インクを使用する限り室温から中温加熱で使用可能である。しかし、強力な樹脂溶解力を持つ溶剤インクに対しては、耐溶剤性が不十分な為、使用中にインク漏れを起し易い。
アミン硬化剤によるエポキシ接着剤の硬化について説明する。アミン硬化剤中にある1級アミンは活性が高いので、室温でエポキシ基を開環させて付加し、2級アミンと水酸基を生成する。これを繰り返し、鎖が線状に成長する。この2級アミンが更にエポキシ基と反応すると3級アミンと水酸基を生成し、これを繰り返して3次元構造を形成する。しかし、この架橋構造にはアミン硬化剤が中に取り込まれ、且つ水酸基が含まれるので、溶剤を吸収して膨潤が起こり易い。この3次元構造中に残留するアミン硬化剤や水酸基を、残留するエポキシ基と反応させればよいが、この時点では既に架橋構造が形成され、ガラス転移点が高くなっているので、ガラス転移温度以上に加熱しなければ、これらの基が接触して反応できない。この為、150〜200℃以上の加熱が必要であり、圧電素子の分極を劣化させてしまう。
イミダゾール類を硬化剤として用いた場合、耐久性の大きな接着剤が得られるが、従来の技術では硬化に約150℃の加熱が必要である。イミダゾールは2級アミンと3級アミンを含むので、1級アミンを含む硬化剤より少し活性が劣り、室温では反応が遅く、150℃程度に加熱する必要がある。しかし、1級アミンとは硬化反応機構が異なり、イミダゾールは硬化反応を開始する触媒として働き、硬化反応が開始するとエポキシ樹脂同士がエーテル結合により架橋するので、硬化体中に極性基が含まれず、且つ架橋点間距離が短いため耐溶剤性が優れる。また、1級アミンは活性が高いので皮膚に触れると反応してカブレや痒みを引き起こすが、イミダゾールはそのようなことは起こらない。
1級アミンで硬化させた硬化物の構造は、典型的には水酸基とアミノ結合が含まれるが、イミダゾールで硬化させるとエーテル結合が含まれるだけである。ベンゼン環やメチル基を構成する炭素−炭素結合は化学耐久性が最も高く、エーテル結合がこれに次ぐ。これに対して、水酸基やアミノ結合は化学耐久性が低く、有機溶剤で膨潤したり溶解し易い。
上記より、イミダゾール類を硬化剤として用いた場合、耐溶剤性の優れた接着剤層が形成されるが、従来の技術では硬化に約150℃の加熱が必要であり、前記熱膨張の差による理由でピエゾ型のインクジェットヘッドの製造に用いることは困難であった。
また、近年用いられているインクジェットヘッドは、ノズルプレートにおけるノズル孔の密度が180〜600dpi(dpiとは、1インチ即ち2.54cmあたりのドット数を表す)と高密度化されているので、各インク流路の間隔が40〜70μmと非常にせまくなるように形成されている。また、インク流路の数が、シリアルヘッドの場合100〜1000個、ラインヘッドの場合1000〜8000個と非常に多くなるように形成されている。即ち、幅40〜70μm程度の微小な接着個所が一つのインクジェットヘッドに数千箇所あり、ノズルプレートの接着がヘッドを製造する上で最も難しい技術となっている。
例えば、インクジェットヘッドの製造の際、接着剤組成物がインク流路内に流れ出して固まると、インク流路を塞いでしまう虞があるので、数千もある接着個所の一箇所でも接着剤が漏れると、そのノズル孔からインク滴を吐出することができなくなる。また、常にインクに触れる接着部に用いる接着剤には耐溶剤性が要求される。もし、接着剤がインクを吸収して膨潤・溶解したりすると、インクが漏れたり、接着剤に添加したフイラー等の微粒子がインク流路に流れだしノズル孔を詰まらせるおそれがある。
そこで、インクジェットヘッドに用いられる接着剤は、接着(特に加熱硬化)の際に、インク流路に流れ出ないよう高粘度のものが使用されている。また、常温〜60℃のインクに長時間浸漬試験して、膨潤や溶解を起こさない耐溶剤性が高い接着剤が使用されている。
ところで、インクジェットヘッドの製造の際に、接着剤を加熱硬化させる場合、加熱させる温度は低ければ低いほうが好ましく、理想的には室温で硬化させることが望ましい。その理由は、圧電素子の脱分極を防ぐ為と線膨張係数の差による反り、割れ、出射性能の低下を防ぐ為である。
圧電素子の脱分極とは、圧電素子を高温に加熱した際に、圧電特性が失われる現象のことである。このような特性を有するため、圧電素子は100〜150℃以上の温度になるように加熱させることができないという問題があった。
ここで、従来のエポキシ接着剤を完全に硬化させるには、150℃以上に加熱させることが必要であり、150℃以下では硬化が不十分であるという問題があった。そのため、水系インクを使用する場合、100℃以下で硬化させても接着剤の溶解などの問題は起こらないが、溶剤インクを使用する場合、接着剤の溶解が起こってしまうという問題があった。
線膨張係数の差による破損とは、被接着部材同士の線膨張係数が異なる場合、加熱硬化後に冷却された際の部材の収縮率が異なり、接着部に発生するゆがみによって生じる剥がれや割れなどの破損のことである。
このように線膨張係数の異なる部材同士でも室温付近で接着すれば全く問題は起こらないが、線膨張係数の異なる部材同士を加熱接着したときの問題について、さらに詳しく説明する。
加熱硬化後に室温に冷却させたとき、接着剤と被接着部材との間に生じる熱収縮による応力Pは、一般に次式で求められる。
P≒EΔα(t2−t1
(式中、E:接着剤の弾性率、α:線膨張係数の差、t2:硬化温度、t1:室温)
例えば、圧電素子PZTの線膨張係数が2×10-6ppm/K、エポキシ接着剤の線膨張係数が8×10-5ppm/K、弾性率がE=3430MPa/ppmの場合、100℃で硬化させて25℃に戻すと、接着部に生じる応力はP=20.07MPaとなる。この為、接着部に反りが生じ、PZT内部に圧縮ストレスが発生してPZTを部分的に脱分極させ吐出変動の原因になる。硬化温度を60℃に下げると、内部応力は9.3MPaとなり、接着部の反りは小さくなるものの、まだPZTの両末端に反りが残りPZTの末端付近に形成したインク流路が変形して、わずかに画像ムラが生じる。
一般に、PZTの線膨張係数は2×10-6=2ppm/Kであるが、PZTを接着させる被接着部材としての樹脂部材の線膨張係数は8×10-5〜2×10-4(80〜200ppm/K)程度なので、例えば、2ppm/KのPZTと140ppm/Kの樹脂部材を、100℃で硬化するとき、長さ100mm当たりPZTは15μm伸び、樹脂部材は1050μm伸び、その間に1mmのずれが生じる。180dpiのインクジェットヘッドの場合、インク流路の間が70μmなので、この1mmのずれが大きく影響する。
ここで、エポキシ接着剤に微粒子のフイラーを添加すると、添加量にほぼ比例して線膨張係数を低下させることができる。例えば、エポキシ接着剤にフイラーを50質量%以上添加するとPZTの線膨張係数に一致させることができる。しかしながら、インクジェットヘッドにおいては、PZTと樹脂部材とをエポキシ接着剤を用いて接着させるので、PZTとエポキシ接着剤の線膨張係数を一致させても、樹脂部材とエポキシ接着剤との線膨張係数の差が大きいと、接着部に破損が発生する。破損部が大きい場合、最初からインクが漏れるため、そのようなインクジェットヘッドは排除できるが、破損部が極く微小な場合、使用中にインクが漏れ始めるのでインクジェットヘッドの信頼性が低下する。この為、線膨張係数が異なる部材を精密にかつ信頼性高く接着することは難しいという問題があった。
また、樹脂部材にフイラーを添加して線膨張係数を低下させる事も可能である。そのため、従来より、樹脂部材及びエポキシ接着剤の線膨張係数を低下させ、熱収縮による影響を低減させている。しかしながら、微小な歪みにより、PZTが部分的に脱分極して、インクジェットヘッドの一部、特に両端からの吐出量が変動して、画像ムラを引き起こす。また、製造メーカーの異なる各種部材の線膨張係数をフイラー添加量で正確に調整するのは難しいという点からも、硬化温度をできるだけ低下させることが好ましい。例えば、硬化温度を100℃から60℃に下げると、熱収縮の影響を半減させることができる。
フイラーは樹脂部材の線膨張係数を低下させるのみならず、樹脂部材の耐溶剤性を向上させる作用を持つので好ましい。フイラーとしてはシリカやアルミナが挙げられる。その添加量は樹脂に対して30〜50質量%が好ましい。
一方、本願のもう一つの目的である耐溶剤性の高い接着剤としては、エポキシ接着剤が挙げられる。前述の通り、エポキシ接着剤は硬化剤によりその性質が異なることが知られている。しかし、前記硬化剤を用いてエポキシ接着剤を硬化させると、エポキシ樹脂と硬化剤との反応が進行して極性基が生成するので、溶解し易いという欠点がある。低温での硬化が可能なエポキシ接着剤はこのような問題を有するので、水系インクを使用する限りでは問題はないが、強力な樹脂溶解力を持つ溶剤インクを使用する場合、使用中に接着部が溶解したり強度が低下し易い。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、耐薬品性、耐溶剤性が高く、室温〜中温で硬化可能な接着剤組成物と溶剤インクを用いても耐久性や吐出性能の良好なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とした。
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
請求項1に記載の発明は、接着剤組成物であって、硬化剤としてピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールを5〜50重量%含有し、主剤として3つ以上のエポキシ基を有する化合物を含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の接着剤組成物であって、更に2つのエポキシ基を有する化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の接着剤組成物であって、前記イミダゾールの2位が未置換であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物であって、前記3つ以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ当量が120以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物であって、前記3つ以上のエポキシ基を有する化合物が下記一般式(1)の化合物であることを特徴とする。
Figure 2006257350
(式中、R1、R2は水素またはアルキル基を表す。)
請求項6に記載の発明は、インクジェットヘッドであって、インクのチャネルを有するチャネル基板と、前記チャネル基板に対し接着される被接着部材と、前記被接着部材に対し更に接着される第2の被接着部材と、を備えるインクジェットヘッドであって、
前記チャネル基板と前記被接着部材とが、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材とが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて接着されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットヘッドであって、前記チャネル基板と前記被接着部材との間で、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材との間で、線膨張係数の差が12ppm/Kを超えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のインクジェットヘッドであって、吐出するインクが溶剤インクであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドであって、前記溶剤インクの溶剤として、SP値が9.5〜15.0、且つ双極子能率が2.0〜5.0の溶剤を全溶剤に対して3%以上含有することを特徴とする。
ここで、前記溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(SP=12.1、双極子能率=3.86)、N−メチル−2−ピロリジノン(SP=11.3、双極子能率=4.09)、乳酸エチル(SP=10.0、双極子能率=2.14)、シクロヘキサノン(SP=9.9、双極子能率=3.01)、2−ピロリジノン(SP=14.7、双極子能率=3.83)等が挙げられる。SP(Solubility Parameter)値((cal/cm)1/2)については、Bicerano法(Prediction of Polymer Properties (Plastics Engineering, 65)Jozef Bicerano (著)参照)により算出したものである。双極子能率については、MOPACのAM1により算出したものである。
請求項10に記載の発明は、インクジェットヘッドの製造方法であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物で線膨張係数が12ppm/Kを超える差を有する部材を60℃以下で接着することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、インクのチャネルを有するチャネル基板と、前記チャネル基板に対し接着される被接着部材と、前記被接着部材に対し更に接着される第2の被接着部材と、を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記チャネル基板と前記被接着部材との間で、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材との間で、12ppm/Kを超える線膨張係数の差があり、
前記チャネル基板と前記被接着部材とが、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材とが、平均粒子径0.1μm以下の微粒子を0.2〜10%添加して粘度を高めた請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて接着されていることを特徴とする。
本発明によって、耐薬品性、耐溶剤性が高く、低温で硬化可能な接着剤と溶剤インクを用いても耐久性、吐出性能の良好なインクジェットヘッドを提供することができた。
[第一の実施形態]
はじめに、本発明にかかる接着剤組成物の実施形態について説明する。
本発明に係る接着剤組成物は、硬化剤としてピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールを含有し、主剤として3つ以上のエポキシ基を有する化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基、ペンタデシル基等の分岐、直鎖アルキル基、及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基を表し、これらは置換基を有することができる。該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。アラルキル基としては、アリール基が置換したアルキル基であり、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられ、これらはアルキル基のところで挙げた置換基で置換してもよい。
また、ピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールにおいては、4位以外の位置に置換基を有していてもよく、該置換基としては前記アルキル基の置換基として挙げられたものが挙げられる。具体的には、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。さらに、ピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールの中でも、2位未置換のイミダゾールが好ましい。
ピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールの他に、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリアミド、更に特開平7−137265号公報に記載の脂肪族アミン系、芳香族アミン系等の硬化剤を併用してもよい。
硬化剤としてのピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールの配合量は、主剤としての3つ以上のエポキシ基を有する化合物100質量部に対して、5〜50重量部であり、4〜20質量部が好ましく、6〜15質量部が更に好ましい。
3つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、具体的にはトリグリシジル−p−アミノフェノール(92.3)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(105.5)、トリグリシジルイソシアヌレート(99)、トリグリシジルウラゾール(89.7)、トリグリシジルアミノクレゾール(97)、テトラグリシジル−1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン(91.5)、グリセロールトリグリシジルエーテル(86.7)が挙げられる。なお、括弧内の数値はそれぞれのエポキシ当量を表す。ここで、エポキシ当量とはエポキシ樹脂の分子量をエポキシ基の数で割った値で、この値が小さい程架橋点間距離が短くなる。
さらに、3つ以上のエポキシ基を有する化合物として、ノボラックエポキシ樹脂を用いることとしてもよい。ノボラックエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とが適用可能である。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、EPPN201(日本化薬株式会社製)、EPPN202(日本化薬株式会社製)、エピコート154(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、DEN−438(ダウケミカル製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、EOCN102(日本化薬株式会社製)、EOCN103S(日本化薬株式会社製)、EOCN104S(日本化薬株式会社製)、EOCN1020(日本化薬株式会社製)、EOCN1025(日本化薬株式会社製)、EOCN1027(日本化薬株式会社製)、エピコート180S(ジャパンエポキシレジン株式会社製)等が挙げられる。
また、3つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、特開2002−210985号公報に記載のものが挙げられる。ここで、3つ以上のエポキシ基を有する化合物はエポキシ当量が120以下のものが好ましいが、100以下のものがさらに好ましい。
3つ以上のエポキシ基を有する化合物として、より好ましくは前記一般式(1)の化合物である。一般式(1)におけるR1、R2が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基、ペンタデシル基等の分岐、直鎖アルキル基、及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基を表し、これらは置換基を有することができる。該置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
3つ以上のエポキシ基を有する化合物として、具体的には、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール等が挙げられる。
これら3つ以上のエポキシ基を有する化合物に対して、2つのエポキシ基を有する化合物を混合して用いてもよい。2つのエポキシ基を有する化合物のエポキシ当量は150以下であることが好ましい。2つのエポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(184〜194)(エピコート828;ジャパンエポキシレジン株式会社製)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(160〜170)(エピコート806;ジャパンエポキシレジン株式会社製)、更には特開2002−210985号公報に記載のものが挙げられる。また、その配合は、2つのエポキシ基を有する化合物100質量部に対して3つ以上のエポキシ基を有する化合物が10〜100質量部となるのが好ましく、20〜50質量部がさらに好ましい。
本発明に係る主剤としては、これら3つ以上のエポキシ基を有する化合物のいずれか一つと2つのエポキシ基を有する化合物とを組み合わせて用いるだけでなく、3つ以上のエポキシ基を有する化合物を数種類と2つのエポキシ基を有する化合物とを組み合わせて用いることとしてもよい。
硬化後の耐性向上のために接着剤組成物の架橋密度を向上させる方法としては、主剤の官能数を増大する方法が挙げられる。エポキシ基を3つ以上有するノボラックエポキシ樹脂を主剤に用いる方法がその1つであるが、室温での流動性が低く室温硬化で十分な接着力が得られにくく、さらに低温硬化では充分な耐溶剤性が得られないという問題がある。しかし、3つ以上のエポキシ基を有する化合物としてエポキシ当量が120以下、さらには100以下のものを用いることにより、前記性能を改善できる。
硬化後の前記接着剤組成物からは、熱分解GCマススペクトルによりイミダゾール環含有化合物と、3つ以上のエポキシ基を有する化合物がそのエポキシ基が脱離した形で検出される。また固体NMRによりイミダゾール環含有化合物が検出される。
また、本発明の接着剤組成物には無機充填剤が用いられている。該無機充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸塩;酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物;カオリン、タルク、アスベスト粉、石英粉、雲母、ガラス繊維等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中で、種々の点から酸化チタンやシリカを一種または二種以上併用することが好ましい。
無機充填剤を使用する際には、無機微粒子と接着剤組成物に含まれる有機材料とをカップリングさせるため、カップリング剤としてシランカップリング剤やチタンカップリング剤などを使用することが望ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤が挙げられる。
チタンカップリング剤の具体例としては、例えば、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらのカップリング剤の添加量は、本発明の接着剤組成物の種類により大きく変化するが、無機充填剤を添加した接着剤組成物の合計を100質量部とした場合に、5質量部以下とするのが好ましく、5質量部を超えると有機材料の凝集力が低下し、結果として接着剤組成物の接着力や信頼性が低下する。
また、本発明の接着剤組成物には、平均粒子径0.1μm以下の微粒子を0.2〜10%添加して粘度を高めて接着することが好ましく、平均粒子径0.1μm以下の微粒子としては、具体的には日本アエロジル社製のアエロジルR202が挙げられる。
本実施形態における接着剤組成物を用いることにより、常温〜60℃での硬化が可能となり、被接着部材間の線膨張係数の差としては12ppm/K〜100ppm/Kの範囲で適用可能である。特に、常温〜40℃で硬化を行った場合、耐溶剤性を低下させず、かつ線膨張係数の差による反り、割れ、剥離が低減されて出射性能が改善するので好ましい。
本発明に係るイミダゾール系硬化剤は、アミンと同じくエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合、スクリーン印刷インクに含まれる様な強力な樹脂溶解剤に十分耐えられることを本発明者は発見した。これによって、今まで開発された膨大なインクジエット技術を改良して、これまで不可能であった、あるいは問題点があったスクリーン印刷へのインクジェット応用を可能にしたものである。
次に、上述の接着剤組成物を適用する本発明に係るインクジェットヘッドの構造について、図面を参照して説明する。図1は本実施形態にかかるインクジェットヘッド1aの縦断面図である。インクジェットヘッド1aは、ピエゾ方式のインクジェットヘッドであり、図1と略直交する方向に延在するように形成されている。ここで、図1に示すように、記録媒体と略平行でかつインクジェットヘッド1aと略直交する方向を前後方向とするとともにインクジェットヘッド1aの幅方向を左右方向とし、記録媒体と略直交する方向を上下方向とする。
インクジェットヘッド1aには、インクジェットヘッド1aの全体を覆うカバー10が備えられている。カバー10の内部には、内部容積が変形してインク滴Dを吐出させるインクチャンバ3が、その一端をカバー10から突出させて備えられている。インクチャンバ3の下面は、後述するインク流路5の開口部を含む接着面であり、記録媒体に対向する平板状のノズルプレート50が接着されている。ノズルプレート50は接着部bを介してインクチャンバ3に接着されており、接着部bは本発明に係る接着剤組成物が硬化した部位である。ノズルプレート50には、インク滴Dを吐出するノズル孔51がインクチャンバ3に対向するように備えられている。
図2に示すのは、インクチャンバ3、ノズルプレート50及び後述する蓋部材2の分解斜視図である。図3に示すのは、図1及び図2のI―I線における断面図である。
インクチャンバ3には、基体となる圧電性セラミックス基体11が備えられている。圧電性セラミックス基体11には、インクチャンバ3の基体となる圧電素子11Aが備えられている。圧電素子11Aの前面には圧電素子11Aと逆方向に分極された圧電素子11Bが貼着されている。圧電素子11Aと圧電素子11Bとは接着部80を介して接着されており、接着部80は本発明に係る接着剤組成物が硬化した部位である。
圧電性セラミックス基体11の前面には、上下方向に延在する複数の凹部31がインクジェットヘッドの幅方向(左右方向)に所定間隔を空けて形成されている。図2に示すように、凹部31の深さ寸法は、圧電性セラミックス基体11の接着部80よりも深くなるように形成されている。また、凹部31の上端は、側面視略円弧状になるように形成されている。さらに、凹部31の前面には、画像情報に基づく電圧が伝達される電極膜3aが貼着されている。
図1に示すように、電極膜3aの上端には画像情報が入力されるFPC40が電気的に接続されている。電極膜3aとFPC40との接着部位には本発明に係る接着剤組成物からなる接着部cが形成されている。また、FPC40は接着部iを介して圧電性セラミックス基体11に補強接着されている。FPC40の前面にはFPC40に入力された画像情報に基づいて電圧を発生させる駆動IC45が接着されている。駆動IC45の接着部位には本発明に係る接着剤組成物からなる接着部dが形成されている。
電極膜3aの内側には、インクが図1記載の矢印の方向に流れるインク流路5が備えられている。図2に示すように、インク流路5は凹部31の形状にあわせて形成されており、インクチャンバ3の前面は略均一となっている。また、インク流路5の外面には、電極膜3aの変形による損傷を防止するための外膜としての保護膜4が備えられている。
インクチャンバ3の前面には、上下方向における長さ寸法が凹部31の長さ寸法よりも短くなるように形成された平板状の蓋部材2が接着されている。蓋部材2は、例えば、ガラス、セラミックス、金属或いはプラスチック製の平板などから形成される。また、図3に示すように、インクチャンバ3と蓋部材2との間には本発明に係る接着剤組成物からなる接着部aが介在している。
図1に示すように、蓋部材2の前面には、凹部31の開口部を被覆するように後述するマニホールド部材20が接着されている。これらは、本発明に係る接着剤組成物を用いて接着されており、蓋部材2とマニホールド部材20との間には接着部fが、圧電性セラミックス基体11とマニホールド部材20との間には接着部eが形成されている。
マニホールド部材20には、インクチューブ30が接着部hを介して備えられている。インクチューブ30には、図示しないインク貯蔵部が連結されており、マニホールド部材20にインクを供給するようになっている。また、マニホールド部材20の内部には、供給されたインク中の異物を取り除くフィルタ35が接着部gを介して備えられている。接着部gも他の接着部と同様に、本発明に係る接着剤組成物が硬化したものである。
本実施形態のインクジェットヘッド1aにおいては、接着部a、接着部b及び接着部e〜接着部hが直接インクに触れる部位である。
次に本実施形態に用いられるインクについて説明する。
本発明のインクジェットヘッドに用いるインクは、SP値が9.5〜15.0、且つ双極子能率が2.0〜4.5の溶剤を全溶剤に対して3%以上含有しており、特に本発明の効果が顕著である。
ここで、SP値とは、樹脂部材の有機溶剤に対する溶解性を判断するのに用いるソルビリティーパラメーターの値のことである。溶剤のSPとは、その溶剤の凝集エネルギー密度の平方根を言い、樹脂のSPとは、その樹脂を最も良く溶解させる溶剤のSPのことである。SPは、極性を持たない物質に対して提案されたコンセプトであるので、極性を持たない物質同士であれば、SPが一致するか、その差が1.35以内であれば溶解する。しかし、極性を持つ場合はこの差が拡がり、広範囲の溶剤に広範囲の樹脂が溶解する。インクジェットヘッドやインクに使用する材料は極性をもつものが多いので、これらの溶解性を判断するには、SPと溶剤の極性を表す双極子能率を同時に考慮することが好ましい。
塩化ビニルの溶剤に使用されるN−メチルピロリドンはSP=11.3であるので、SP=10〜13程度の樹脂を良く溶解する。更にN−メチルピロリドンは双極子能率が4.09と極性が高いので、SP値がこの範囲から外れる樹脂でも、極性のあるものは溶解する。このようにN−メチルピロリドンの樹脂溶解力は極めて強く、フッ素樹脂や完全に硬化した熱硬化樹脂を除けば、殆どの樹脂を膨潤、溶解させる。
インクジェットヘッドに使用される有機樹脂は、エポキシ樹脂も含めSPは9〜11程度であり、殆ど全てN−メチルピロリドンに溶解する。N−メチルピロリドンは極めて強い溶剤であり、多くの樹脂を溶解する。液晶配向膜の塗布装置はステンレスで製造され、N−メチルピロリドンにポリイミドを溶解させたインクはステンレス容器に入れて使用される。インクジェットヘッドをステンレスで作り、ステンレス部材を共晶合金で接合すれば、耐溶剤性は完全になるが、加工性の悪いステンレスで微細な構造を持つインクジェットヘッドを製造するのは困難である。また、製造できたとしても価格が高価になる。微細な構造を持つ、高性能インクジェットヘッドを安価な価格で製造するには、圧電素子と樹脂部材を接着して製造するのが好ましい。樹脂は射出成型できるので、複雑な構造を持つマニホールドを簡単に製造できる。しかし、耐溶剤性のある良い接着剤がなく、製造できないか、あるいは小さいヘッドなら製造できるが、その寿命が短かく信頼性が十分ではなかった。
ここで、インクジェットヘッド1aにおいて、接着部a及び接着部bは可能な限り薄く、不必要な部分にはみ出さない事が必要であり、最も接着精度が要求される部分である。接着部cはFPC40が剥がれないように、硬化の際の熱収縮が小さい接着剤を用いることが好ましい。接着部dは駆動ICとの接点周囲であるので、ストレスに強い接着剤を用いることが好ましい。接着部gはフィルタの目を詰まらせない様に接着剤の量を少量とすることが好ましい。
また、接着部a〜接着部h、及び接着部80においては、圧電性セラミックス基体11の圧電性が消失しない100℃以下の低温・短時間で接着工程が行われることと、硬化途中に接着剤が接着部以外に流れ出さないことが好ましい。
本実施形態においては、接着部a〜接着部h,及び接着部80に本発明にかかる接着剤組成物を用いることにより、上述したような問題点が解決された。また、線膨張係数が12ppm/Kを越える差を有する部材を接着させることが可能である。また、溶剤インクを用いることができ、その溶剤としてSP値が9.5〜15.0、かつ双極子能率が2.0〜4.5の溶剤を全溶剤に対して3%以上含有するものを用いることができる。
次に、本発明に係る接着剤組成物を用いたインクジェットヘッド1aの製造方法について説明する。
まず、インクチャンバ3の製造方法について説明する。本実施形態のインクチャンバ3は、圧電性セラミックス基体11と蓋部材2とを接着させてから、インクチャンバ3の前後方向に切断して二つのインクチャンバ3を形成させるようになっている。
はじめに、圧電素子11Aの前面に本発明に係る接着剤組成物を用いて圧電素子11Bを接着させて、圧電性セラミックス基体11を形成させる。この際、圧電素子11Aと圧電素子11Bとの分極方向が逆になるように接着させ、両者の間には本発明にかかる接着剤組成物からなる接着部80が形成される。
続いて、圧電性セラミックス基体11の前面に、ダイシングなどにより凹部31を形成させる。この際、図4(a)に示すように、凹部31の側面視の形状は両端が円弧状になるとともに中央部は圧電性セラミックス基体11の前面と略平行になるように形成されている。
そして、各凹部31の内側に蒸着法などの膜形成方法によりにより電極膜3aを形成させる。その後、同様にして電極膜3aの内側に保護膜4を形成させる。電極膜3aの上端には、FPC40を電気的に接続させて、本発明にかかる接着剤組成物を用いて接着部cを形成させる。さらに、FPC40は圧電性セラミックス基体11に補強接着され、本発明にかかる接着剤組成物からなる接着部iが形成される。
次いで、圧電性セラミックス基体11の前面に、本発明に係る接着剤組成物を用いて蓋部材2を接着させ、接着部aを形成させる。蓋部材2の上下方向における長さ寸法は凹部31の長さ寸法よりも短くなるように形成されているので、図4(a)に示すように、凹部31の前面の一部は開放されたままとなる。また、蓋部材2の左右方向における長さ寸法はインクチャンバ3の長さ寸法と略同等になるように形成されているので、図4(b)に示すように、凹部31の前面の下方は全て被覆される。このようにして、圧電性セラミックス基体11に蓋部材2を接着させることで、圧電性セラミックス基体11の保護膜4の内側はインク流路5となる。ここで、図4(b)は、図4(a)のII−II線における断面図である。なお、図示簡略化のため、図4において、電極膜3a及び保護膜4は省略する。
そして、圧電性セラミックス基体11と蓋部材2とが接着された状態で、インクチャンバ3の左右方向に沿って対称になるように二つに切断する。切断後の状態を図5に示す。
切断後、図6に示すように、凹部31の前面の開放部を覆うようにして、マニホールド部材20を本発明に係る接着剤組成物を用いて接着させる。この際、マニホールド部材20の一端は圧電性セラミックス基体11の前面に接着されて接着部eが形成される。また、マニホールド部材20の他端は蓋部材2の前面に接着されて接着部fが形成される。マニホールド部材20にはインクチューブ30を介してインク貯蔵部に連結されているので、インクチャンバ3にはマニホールド部材20からのインクが凹部31の開放部を通過して流れ込む。
また、切断後のインクチャンバ3の下面には、ノズルプレート50を本発明に係る接着剤組成物を用いて接着させる。この際、インクチャンバ3のインク流路5に対向する位置にノズル孔51が対向するように接着させ、接着部bが形成される。
このようにして製造したインクチャンバ3を、カバー10に取り付けてインクジェットヘッド1aとする。
次に、インクジェットヘッド1aの作用について図7及び図8を用いて説明する。なお、図7及び図8において各接着部及び保護膜4は省略する。
図7に示すのは、インクチャンバ3の変形の一例である。本実施形態においては、インクチャンバ3は入力された画像信号に基づいて図7における左右方向に変動し、インク流路5の内部容積を変動させてインク滴Dを吐出させるようになっている。
まず、インクジェットヘッド1aに画像信号が入力されると、その画像信号はFPC40に伝達される。FPC40には駆動IC45が接着されているので、伝達された画像信号に基づいて駆動IC45は所定の電圧値の電圧を発生させる。発生した電圧は、接着部iを介してインクチャンバ3の電極膜3aに通電される。
電極膜3aは圧電性セラミックス基体11に貼着されているので、電極膜3aに電圧が印加されると、圧電性セラミックス基体11にも電圧が印加される。ここで、圧電性セラミックス基体11はそれぞれ逆方向に分極された圧電素子11A及び圧電素子11Bからなるので、圧電性セラミックス基体11の分極部位は電圧が印加されると、図7に示すように、屈曲されるようにせん断変形する。
本実施形態においては、凹部31の側面に対向するインク流路5の二つの壁面が変動する。図7に示すように、隣接する分極部位は左右方向において反対側に屈曲するように変形し、インク流路5の内部容積が変動する。インク流路5の内部容積が変動すると、それに伴い内部容積が縮小したインク流路5からはインク滴Dが吐出される。
このようにして、本発明に係る接着剤組成物を用いることにより、線膨張係数が12ppm/Kを越える差を有する部材を60℃以下の温度条件で接着させることができるので、インクジェットヘッド1aを容易に製造することができるとともに、耐溶剤性の高いインクジェットヘッド1aが製造される。また、本発明に係る接着剤組成物を用いることにより、接着部a〜接着部h及び接着部80と、チャネル基板としての圧電性セラミックス基体11、圧電性セラミックス基体11に接着される被接着部材(蓋部材2、ノズルプレート50、マニホールド20等)又は当該被接着部材に接着される第2の被接着部材(マニホールド20、インクチューブ30、フィルタ35等)との間に作用する応力は緩和される。
特に、マニホールド20が熱可塑性樹脂で成形される場合には、その成形が容易ではあるが、当該マニホールド20は線膨張係数が大きくて圧電性セラミックス基体11や蓋部材2との間において線膨張整数の差が12ppm/Kを超えやすく、更に、断面積が大きいために圧電性セラミックス基体11や蓋部材2から受ける応力が大きい(逆に、圧電性セラミックス基体11や蓋部材2も当該マニホールド20から受ける応力が大きい)。そのため、この場合には、圧電性セラミックス基体11、カバープレート2及びマニホールド20はひび割れ、歪み、剥離等を生じやすいが、本実施形態ではこれら部材が上記接着剤で接着されているから、当該部材のひび割れ、歪み、剥離等を有効に防止することができる。
例えば、接着部eを介して接着されている圧電性セラミックス基体1とマニホールド20とを例に挙げれば、両者の線膨張係数の差は12ppm/Kを超えている。
また、ポリイミドからなるノズルプレート50を用いる場合、ノズルプレート50の線膨張係数と圧電性セラミックス基体11の線膨張係数との差も12ppm/Kを超えている。従来では、このようなノズプレートとチャネル基板(本実施形態においては圧電性セラミックス基体)とを接着させた場合、ノズルプレートの位置がずれた状態で接着されてしまったり、ノズル孔に接着剤組成物が流れ込んでしまい出射性を低下させるという問題もあったが、本発明に係る接着剤組成物を用いてこれらを接着させることによって前記の問題を解消することができる。
具体的には、インクチャンバ3の端面に線膨張係数が12ppm/Kを越える差を有するノズルプレートを接着するにあたって、本発明にかかる接着剤組成物に平均粒子径0.1μm以下の微粒子を0.2〜10%添加して粘度を高めて接着することにより、接着剤組成物の硬化時に接着部以外の箇所に流れることを防止することができる。
なお、本実施形態においては、圧電性セラミックス基体11は圧電素子11A及び圧電素子11Bを備えるものとしているが、図8に示すように、圧電性セラミックス基体11は一枚の圧電素子11Cからなるものとしてもよい。この場合、圧電素子11Cの変動量は限られてしまうが、図8に示すように、圧電性セラミックス基体11の凹部31の側面の上半分に電極膜3aを備えると、電極膜3aに電圧が印加されたときのインク流路5の変動が大きくなり好ましい。
また、本実施形態の圧電性セラミックス基体11の全てのインク流路5にはインクが供給されるようになっているが、凹部31にはインクが供給されるインク流路5とインクが供給されないインク流路5とを交互に備えるものとしてもよい。この場合、全てのインク流路5を用いてインクを吐出させる場合に比べて、圧電素子11A及び圧電素子11Bの変動の影響をその隣のインクが供給されないインク流路5により吸収することができるので、各インク流路5の内部容積を正確に変動させることができる。
[第二の実施の形態]
図9はインク流路の外面に設けた圧電素子の伸縮変形によってインク流路の内部容積を変化させるタイプのインクジェットヘッド1bの縦断面図である。
インクジェットヘッド1bには、ノズル孔51が形成されたノズルプレート50が記録媒体に対向するように備えられている。ノズルプレート50の上面には、流路プレート12aが接着部jを介して接着されている。流路プレート12aには、上下方向に延在しノズル孔51より所定寸法大きい内径になるように形成された第一インク流路5aが、ノズル孔51に対向するように形成されている。また、流路プレート12aのノズル孔51に対向しない位置には、上下方向に延在する第二インク流路5bが形成されている。
流路プレート12aの上面には、供給プレート16が接着部kを介して接着されている。供給プレート16には、第一インク流路5aと略同一断面形状の第一孔部16bが第一インク流路5aに対向する形成されている。また、供給プレート16の第二インク流路5bに対向する位置には、断面テーパ状のインク導入口16aが後述する加圧室Aに対向するように形成されており、後述する接続プレート12bに対向しない位置には第二孔部16cが形成されている。第二孔部16cには図示しないインク貯蔵部が連結されており、第二孔部16cを介して第二インク流路5bにインクを供給するようになっている。
供給プレート16の上面には、供給プレート16より幅方向の長さ寸法が短くなるように形成された接続プレート12bが接着されている。接続プレート12bと供給プレートとは接着部lを介して接着されている。ここで、接着部j〜接着部lは本発明に係る接着剤組成物が硬化したものである。
接続プレート12bにおいて第一孔部16b及びインク導入口16aに対向する位置には、それぞれ孔部12e,12eが形成されている。
接続プレート12bの上面には、孔部12eを被覆する内部空間を備えるスペーサプレート12cが接着されている。また、スペーサプレート12cの上面には、平板状の閉塞プレート12dが接着されている。ここで、スペーサプレート12cの内部空間は上下方向を閉塞プレート12d及び接続プレート12bに囲まれて、加圧室Aを形成するようになっている。また、閉塞プレート12dは上下方向に変形自在な素材からなり、閉塞プレート12dの変形に応じて加圧室Aはその内部容積を変動させるようになっている。
このようにして、各プレートを重ねることにより、インク貯蔵部、第二インク流路5b、加圧室A、第一インク流路5a及びノズル孔51がこの順に接続され、図9に記載した矢印の方向にインクが流れてインク滴Dが吐出されるようになっている。
閉塞プレート12dの上面には、画像信号に基づいて変動する圧電素子13が備えられている。圧電素子13は従来より公知のものを用いており、電極13a、圧電素子膜13b及び電極13aをこの順に備えている。
なお、各プレート15,16,12aは、ノズル孔15a及びインク導入口16aを高い寸法精度で形成するうえで、一般にプラスチックやニッケル乃至ステンレスといった金属やシリコンなどのセラミックスを使用することが好ましい。また、インク導入口16aは図示されているように、インク流通方向に向って小径化するテーパ形状をもって、形成することが望ましい。
閉塞プレート12d、スペーサプレート12c及び接続プレート12bは、セラミックスで構成されることが好ましい。このセラミックスの材質は成形性等の点から、アルミナ、ジルコニア等を使用することが好ましい。閉塞プレート12dの板厚は、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜12μm程度、接続プレート12bの板厚は好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、スペーサプレート12cの板厚は好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上である。
加圧室Aは、セラミックスの一体焼成品として形成することもできるが、各プレートを接着剤で接着することが加工精度の点から好ましい。
圧電素子11Bは、膜形成法によって各構成を形成することによって形成されたものである。この場合には閉塞プレート12dとして、酸化ジルコニウムを主成分とするセラミック基板を使用することが好ましい。圧電作動部を構成する圧電素子膜13bの材料として好ましくは、PZTが用いられる。
[第三の実施の形態]
図10は加圧室Aの外に設けた圧電素子の伸縮変形によって加圧室Aの内部容積を変化させる第二の実施の形態と同様のタイプで、構造が異なるインクジェットヘッド1cの断面図である。
インクジェット1cには、ノズル孔51が形成されたノズルプレート50が記録媒体に対向するように備えられている。ノズルプレート50の上面には、スペーサ部材22が接着部mを介して接着されている。スペーサ部材22には、弾性素材からなるインク流路5がその一端がノズル孔51に接続するように備えられている。また、インク流路5の他端には、図示しないインク貯蔵部に連結されているインク供給部27が備えられている。
スペーサ部材22の上面には、弾性素材からなる振動板24が接着されており、その間には接着部nが形成されている。ここで、接着部m,nは、本発明にかかる接着剤組成物により形成されたものである。
振動板24の上面には、両側面に左右方向に延在する凸部を備える基台21bが備えられている。基台21bの側面であるとともに振動板24の上面には、圧電素子23がその電極部に電圧を印加されると上下方向に伸縮するように備えられている。圧電素子23は振動板24を介してインク流路5を変形させるようになっており、圧電素子23がインクジェットヘッド1cの下方に向けて伸張するとインク流路5の内部容積を縮小させる圧力を加えるようになっている。
振動板24の上端面には、圧電素子23及び基台21bの上面を被覆して固定する固定部材21aが備えられている。
このようにしてインクジェットヘッド1cを形成することにより、圧電素子23に画像情報に基づいて電圧を印加させて、インク流路5を変形させてノズル孔51からインク滴Dを吐出させるようになっている。
なお、図10においては、インク流路5はその内径が均一になっているものとしたが、圧電素子23からの圧力を効率的に伝達させてインク滴Dを吐出させるために、その内径がノズル孔51に近付くにつれて小さくなるものとしてもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、種々の組成からなる接着剤組成物(以下、「接着剤」)を作製し、その耐溶剤性を調べた。
表1に記載の主剤と硬化剤を混合した後、テフロン(登録商標)シート上に一滴が0.1〜0.2gとなるように滴下し、これを35℃で表1記載の通り最長で36時間かけて硬化して接着剤の錠剤を作製した。
Figure 2006257350
ここで、表1中の化合物は以下の通りである。
〈主剤〉
E1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量184〜194)(エピコート828;ジャパンエポキシレジン株式会社製)
E2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量160〜170)(エピコート806;ジャパンエポキシレジン株式会社製)
E3:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量172〜178)(エピコート152;ジャパンエポキシレジン株式会社製)
TGAP:トリグリシジル−p−アミノフェノール
ノボラック:フェノールノボラック型エポキシ樹脂
TGDADPM:テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
イソシアヌル:トリグリシジルイソシアヌレート
グリセロール:グリセロールトリグリシジルエーテル
〈イミダゾール系硬化剤〉
4MZ:4−メチルイミダゾール
2MZ:2−メチルイミダゾール(メタノール溶液にして添加)
2Ph4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール
〈イミダゾール系以外の硬化剤〉
TETA:トリエチレンテトラミン
また、表1中のphrは硬化剤質量/主剤質量×100で求めた値である。
作製した接着剤の錠剤の質量を測定した後、表1記載の溶剤(N−メチルピロリドン又は乳酸エチル)に浸漬し、60℃で7日間放置した。そして、錠剤を溶剤から取出し、洗瓶のイソプロピルアルコールにより洗浄後、表面のイソプロピルアルコールをぬぐって質量を測定した。なお、質量増加率は下記式により求めた。
質量増加率=100×(浸漬後の質量−浸漬前の質量)/浸漬前の質量
表1より、本発明に係る主剤、硬化剤の組み合わせの接着剤(本発明)は、低温でも硬化が速く、また、質量増加率が比較例に比べて小さく、耐溶剤性に優れていることが分かる。
[実施例2]
PZT(厚さ700μm、キューリー温度210℃、線膨張係数4ppm/K)とPZT(厚さ150μm、キューリー温度210℃、線膨張係数4ppm/K)を、分極方向が反対向きになるように、以下に示すような本発明に係る接着剤Aを用いて接着させて圧電性セラミックス基体とする。次いで、図3のように薄い方のPZT側から深さ300μm、幅70μmの凹部を形成させ、凹部の側面にアルミを蒸着させて電極膜を形成する。前記圧電性セラミックス基体とPZTとの接合部材に対して図4(a)のように、蓋部材(厚さ700μmのAlN、線膨張係数4ppm/K)を接着剤Aを用いて接合し、CVD法により絶縁膜ポリ−p−キシリレン処理する。その後、凹部の長さ方向と直交する方向に沿って切断してヘッドチャンバを形成する(図5参照)。前記ヘッドチャンバに対し、ノズルプレート(100μm厚のポリイミドに、直径30μmのノズル孔を形成したもの)を接着剤Aを用いて接合する(図6参照)。その後、図6のように電極の取り出しとマニホールド(PBT製、線膨張係数100ppm/K)の接着を接着剤Aを用いて行い、接着して硬化し、インクジェットヘッドを構成した。
〈接着剤Aの組成〉
エピコート807(ビスフェノールF;エポキシ当量165、ジャパンエポキシレジン株式会社製) 70質量部
トリグシシジル−p−アミノフェノール(エポキシ当量95) 30質量部
4−メチルイミダゾール 10質量部
気相法球形シリカ(平均粒子径15nm) 3質量部
〈接合時の接着剤Aの加熱条件〉
加熱温度:35℃
加熱時間:13時間
〈出射試験〉
構成したインクジェットヘッドにおいて、色材を含まない出射評価用のダミーインクを用いて出射試験を行った。ダミーインクの組成は以下の通りである。
ブトキシエチルアセテート 50質量部
ジメチルホルムアミド(SP=12.1、双極子能率=3.86) 50質量部
出射速度はノズル間で最大と最小との差が7%であり、均一性はほぼ満足できるものであった。また、インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で一週間放置した後出射したが、インクのモレは無かった。
次に、比較例として、接着剤Aを下記接着剤Bに代えて、同様の加熱条件で硬化したところインクのモレが生じた。そこで温度を70℃にして硬化したところ、出射試験で速度は最大と最小の差が18%であり、均一性に問題がある。
〈接着剤Bの組成〉
4−メチルイミダゾールの代わりに、2−メチルイミダゾールを用いた他は、接着剤Aと同様に作製した。
[実施例3]
PZT(厚さ700μm、キューリー温度210℃、線膨張係数4ppm/K)とPZT(厚さ150μm、キューリー温度210℃、線膨張係数4ppm/K)を、分極方向が反対向きになるように以下に示すような本発明に係る接着剤Cを用いて接合し、圧電性セラミックス基体とする。次いで、図3のように150μmのPZTの側から深さ300μm、幅70μmの凹部を形成し、電極膜を成膜する。この圧電性セラミックス基体とPZTとの接合部材に対して図4(a)の様に、蓋部材(厚さ700μmのAlN、線膨張係数4ppm/K)を、接着剤Cを用いて接合し、パリレン処理する。その後、凹部の長さ方向と直交する方向に沿って切断してヘッドチャンバを形成する(図5参照)。前記ヘッドチャンバに対し、ノズルプレート(100μm厚のポリイミドに、直径30μmのノズル孔を形成したもの)を接着剤Cを用いて接合する(図6参照)。その後、図6のように電極の取出しとマニホールド(ポリアミド製、線膨張係数50ppm/K)を接着剤Cを用いて行い、接着して硬化し、インクジェットヘッドを構成した。
〈接着剤C(本発明)の組成〉
エピコート807(ビスフェノールF;エポキシ当量165;ジャパンエポキシレジン株式会社製) 35質量部
エピコート154(ジャパンエポキシレジン株式会社製) 35重量部
トリグシシジル−p−アミノフェノール 30質量部
4−メチルイミダゾール 10質量部
アエロジル200シリカ粒子(日本アエロジル製;シリカ粒子;1次粒子径14nm)
2質量部
〈接合時の接着剤Cの加熱条件〉
加熱温度:35℃
加熱時間:13時間
〈出射試験〉
構成したインクジェットヘッドにおいて、色材を含まない出射評価用のダミーインクを用いて出射試験を行った。ダミーインクの組成は以下の通りである。
ブトキシエチルアセテート 50質量部
ジメチルホルムアミド(SP=12.1、双極子能率=3.86) 50質量部
出射速度はノズル間で最大と最小の差が7%であり、均一性はほぼ満足できるものであった。また、構成したインクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で1週間、60℃で2週間、60℃で3週間、及び60℃で1月間放置した後出射したが、いずれもインクのモレは無かった。
次に、接着剤Cを下記の接着剤D〜Hに代えてインクジェットヘッドを構成して出射試験を行った。
〈接着剤D(比較例)の組成〉
エピコート807(ビスフェノールF;エポキシ当量165、ジャパンエポキシレジン株式会社製) 100質量部
2−エチル−4−メチルイミダゾール 10質量部
接着剤Cと同様の加熱条件で硬化したところ、60℃で1週間放置した後出射試験したところインクのモレが生じた。そこで、温度を100℃にして硬化したところ、出射試験で速度は最大と最小の差が18%であり均一性が問題となった。
〈接着剤E(本発明)の組成〉
エピコート807(ビスフェノールF;エポキシ当量165;ジャパンエポキシレジン株式会社製) 50質量部
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン;エポキシ当量105.5
50質量部
4−メチルイミダゾール 10質量部
アエロジル200シリカ粒子(日本アエロジル製;シリカ粒子;1次粒子径14nm)
2質量部
〈接合時の接着剤Eの加熱条件〉
加熱温度:35℃
加熱時間:13時間
接着剤Cと同様に出射試験を行った。出射速度はノズル間で最大と最小の差が8%であ
り、均一性はほぼ満足できるものであった。また、インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で3週間放置した後に出射したところでモレが生じた。
〈接着剤F(比較例)の組成〉
エピコート807(ビスフェノールF;エポキシ当量165;ジャパンエポキシレジン株式会社製) 70質量部
トリグシシジル−p−アミノフェノール 30質量部
1−フェニルイミダゾール 10質量部
アエロジル200シリカ粒子(日本アエロジル製;シリカ粒子;1次粒子径14nm)
2質量部
〈接合時の接着剤Fの加熱条件〉
加熱温度:35℃
加熱時間:13時間
接着剤Cと同様に出射試験を行った。インクジェットヘッドにインクを満たし、出射したところでモレが生じた。また、同じ接着剤Fで加熱温度を70℃に変えて硬化したが、出射試験の際にモレが生じた。
〈接着剤G(比較例)の組成〉
エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポキシ当量190;ジャパンエポキシレジン株式会社製) 70質量部
トリグシジル−p−アミノフェノール 30質量部
トリエチレンテトラミン 9質量部
アエロジル200シリカ粒子(日本アエロジル製;シリカ粒子;1次粒子径14nm)
2質量部
〈接合時の接着剤Gの加熱条件〉
加熱温度:35℃
加熱時間:13時間
加熱後接着部分に触れたところまだベタツキが残っていて硬化がしきれていなかった。次に70℃で13時間の加熱を行ったところ、出射速度はノズル間で最大と最小の差が15%あり均一性が問題となった。さらに、インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で2週間放置した後に出射したところでモレが生じた。
[実施例4]
インクはN−メチルピロリジノン(SP=11.3、双極子能率=4.09)のみからなるインクを調製して用いた以外は、実施例3と同様に試験を行った。但し、加熱条件は加熱温度を45℃、加熱時間を10時間とした。
接着剤C:本発明
出射速度はノズル間で最大と最小の差が8%であり、均一性はほぼ満足できるものであった。インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で1月間放置した後出射したがインクのモレは無かった。
接着剤D:比較例
インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で1週間放置した後出射したところインクのモレが生じた。
接着剤E:本発明
インクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で2週間放置までは出射に際しインクのモレはなかったが、3週間放置した後出射したところインクのモレが生じた。
接着剤F:比較例
インクジェットヘッドにインクを満たし、出射したところインクのモレが生じた。
接着剤G:比較例
加熱後接着部分に触れたところまだベタツキが残っていて硬化がしきれていなかったが、そのままインクジェットヘッドにインクを満たし、60℃で1週間放置した後出射したところインクのモレが生じた。
第一の実施形態におけるインクジェットヘッドの縦断面図である。 第一の実施形態におけるインクチャンバの分解斜視図である。 図1及び図2のI−I線における断面図である。 第一の実施形態におけるインクジェットヘッドの製造方法の説明図であり、(a)は二枚の圧電性セラミックス基体と蓋部材とを接着した状態を示す断面図、(b)は(a)のII−II線における断面図である。 インクジェットヘッドの製造方法の説明図である。 インクジェットヘッドの製造方法の説明図である。 インク流路の変形の説明図である。 インク流路の変形の説明図である。 第二の実施形態にかかるインクジェットヘッドの縦断面図である。 第三の実施形態にかかるインクジェットヘッドの縦断面図である。
符号の説明
1a,1b,1c インクジェットヘッド
2 蓋部材(被接着部材)
3 インクチャンバ
3a 電極膜
4 保護膜
5 インク流路
10 カバー
11 圧電性セラミックス基体(チャネル基板)
11A,11B,11C,13,23 圧電素子
20 マニホールド(被接着部材、第2の被接着部材)
30 インクチューブ(第2の被接着部材)
31 凹部
35 フィルタ(第2の被接着部材)
40 FPC(被接着部材)
45 駆動IC(第2の被接着部材)
50 ノズルプレート(被接着部材)
A 加圧室
D インク滴

Claims (11)

  1. 硬化剤としてピロール型窒素原子とピリジン型窒素原子とを有し4位をアルキル基またはアラルキル基で置換したイミダゾールを5〜50重量%含有し、主剤として3つ以上のエポキシ基を有する化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 更に2つのエポキシ基を有する化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記イミダゾールの2位が未置換であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記3つ以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ当量が120以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記3つ以上のエポキシ基を有する化合物が下記一般式(1)の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
    Figure 2006257350
    (式中、R1、R2は水素またはアルキル基を表す。)
  6. インクのチャネルを有するチャネル基板と、前記チャネル基板に対し接着される被接着部材と、前記被接着部材に対し更に接着される第2の被接着部材と、を備えるインクジェットヘッドであって、
    前記チャネル基板と前記被接着部材とが、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材とが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて接着されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 前記チャネル基板と前記被接着部材との間で、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材との間で、線膨張係数の差が12ppm/Kを超えることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 吐出するインクが溶剤インクであることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記溶剤インクの溶剤として、SP値が9.5〜15.0、且つ双極子能率が2.0〜5.0の溶剤を全溶剤に対して3%以上含有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物で線膨張係数が12ppm/Kを超える差を有する部材を60℃以下で接着することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  11. インクのチャネルを有するチャネル基板と、前記チャネル基板に対し接着される被接着部材と、前記被接着部材に対し更に接着される第2の被接着部材と、を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記チャネル基板と前記被接着部材との間で、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材との間で、12ppm/Kを超える線膨張係数の差があり、
    前記チャネル基板と前記被接着部材とが、又は前記被接着部材と前記第2の被接着部材とが、平均粒子径0.1μm以下の微粒子を0.2〜10%添加して粘度を高めた請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて接着されていることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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