JP2004244524A - 電子デバイス用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップ等の電子デバイスと基板との接着に用いられる電子デバイス用接着剤において、従来と同等の硬化速度等を維持しつつ、電子デバイスと基板との接着強度を向上させること。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする電子デバイス用接着剤。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする電子デバイス用接着剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体チップ等の電子デバイスを基板へ接着する際に用いられる電子デバイス用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップをより簡便な方法で基板に搭載するために、樹脂モールド実装方式からフリップチップ実装のような反転したベアチップを直接基板に接続し、チップと基板との隙間のみを封止する方式が用いられるようになっている。その中でも異方性導電材料のような接着剤でベアチップを基板に熱圧着により搭載する方式は、最も工程が少なく短時間でベアチップを搭載できる。
【0003】
フリップチップ実装用の基板としてはガラスエポキシ樹脂基板やポリイミド基板等があるが、中でもポリイミドFPC基板へ半導体チップを接着させた場合、その引き剥がし方向における接着強度が弱く、引き剥がし強度の向上が求められている。
【0004】
このような引き剥がし強度の向上ため、これらの接着に用いられる電子デバイス用接着剤の構成成分の種類あるいは量について検討が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−61088号公報
【特許文献2】
特開2002−294199号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、フリップチップ実装用の基板にはガラスエポキシ樹脂やポリイミド基板などがあるが、中でもポリイミドFPC基板と半導体チップとの接着についてはその引き剥がし方向における接着強度が弱く、その向上のために検討も行われているが、従来と同等の硬化速度を維持しつつ十分な接着強度を得るには至っていない。
【0007】
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、従来と同等の硬化速度等を維持しつつ、電子デバイスと基板との接着強度に優れた電子デバイス用接着剤を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする。
【0009】
本発明の電子デバイス用接着剤では、前記(A)エポキシ樹脂および(B)イミダゾール系化合物100重量部に対して、前記(C)エポキシ化ポリブタジエンを2〜20重量部含有することが好ましい。
【0010】
また、本発明の電子デバイス用接着剤では、前記(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンに加えて、例えば導電性粒子を含有させてもよい。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする。
【0013】
本発明に用いられる(A)エポキシ樹脂としては、1分子に2個以上のエポキシ基を有する硬化可能なエポキシ樹脂であれば特に制限されるものではなく、このようなものとしては例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0014】
上記エポキシ樹脂は、単独または2種以上混合して用いることができる。本発明においては、上記エポキシ樹脂の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールAD型エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を用いることがその特性上好ましい。
【0015】
本発明に用いられる(B)イミダゾール系化合物としては、例えば1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシルメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールおよび2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらイミダゾール系化合物は単独または2種以上混合して用いることができる。
【0016】
本発明に用いられる(C)エポキシ化ポリブタジエンは、ポリブタジエンの内部2重構造の一部をエポキシ化したものであればよく、例えば下記化学式(1)に示されるようなポリブタジエンの内部2重構造の一部をエポキシ化したものである。
【0017】
【化1】
【0018】
(C)エポキシ化ポリブタジエンの骨格(鎖状あるいは枝分かれ状)および分子量等は特に制限されるものではないが、例えば数平均分子量500〜4000、エポキシ当量100〜600(g/eq)、粘度20〜5000(poiseat 25℃)程度のものを用いることが好ましい。より好ましくは、数平均分子量1000〜2000、エポキシ当量150〜300(g/eq)、粘度200〜5000(poise at 25℃)のものである。
【0019】
このような(C)エポキシ化ポリブタジエンとしては、例えばE−700−6.5、E−1000−6.5およびE−1000−8.0(いずれも日石ポリブタジエン社製、商品名)などが挙げられる。
【0020】
本発明における(C)エポキシ化ポリブタジエンは、(A)エポキシ樹脂および(B)イミダゾール系化合物100重量部に対して、2〜20重量部配合することが好ましい。(C)エポキシ化ポリブタジエンを2〜20重量部配合することで、従来と同等の硬化時間を有し、かつ接着強度に優れた電子デバイス用接着剤とすることができる。(C)エポキシ化ポリブタジエンのより好ましい配合量は5〜10重量部である。
【0021】
また、(A)エポキシ樹脂と(B)イミダゾール系化合物とは、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、(B)イミダゾール系化合物を10〜200重量部とすることが好ましく、より好ましくは20〜150重量部である。
【0022】
本発明の電子デバイス用接着剤では、上記した(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンの他に、本発明の目的に反しない範囲において粘度を調整するための溶剤、カップリング剤、消泡剤、顔料、染料、無機充填剤その他の成分を配合することができる。
【0023】
溶剤としては、例えば酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0024】
さらに、カップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0025】
また、本発明の電子デバイス用接着剤では、異方導電材料のような用途に用いるために導電性粒子を配合してもよい。導電性粒子としては、例えば金、銀、銅あるいはニッケル等からなる金属粉末または高分子粒子に金やニッケル等をコートした導電性粒子等を用いることができる。
【0026】
導電性粒子の粒径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。粒径が0.1μm未満では製造が困難となり、10μmを超える場合にはファインピッチ回路の接続が困難となるためである。
【0027】
導電性粒子の配合量は、電子デバイス用接着剤全体の20体積%以下とすることが好ましい。導電性粒子の配合量が20体積%を超えると、不必要な部分まで電気的に接合されたり、また接着力が低下することがあるためである。
【0028】
上述したような本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンならびに必要に応じて他の成分を添加し、十分に混合することにより得られる。
【0029】
このようにして得られた本発明の電子デバイス用接着剤は、例えばベアチップ等の電子デバイスを基板に接続した後、電子デバイスと基板との接着あるいは空隙の封止のために、電子デバイスと基板との空隙に流し込むようにして用いられる。そして、このような流し込みの後、所定の温度、時間で熱処理を行うことにより接着あるいは封止を行う。接着あるいは封止の際の熱処理は、例えば120〜200℃で1〜2時間行うことが好ましい。
【0030】
また、本発明の電子デバイス用接着剤は基板に塗布した後、この塗布された電子デバイス用接着剤上にベアチップ等の電子デバイスを押圧し、その後所定の温度、時間で熱処理を行うことにより、基板とベアチップとの接着を行うように用いてもよい。この場合も上述したものと同様に、例えば120〜200℃で1〜2時間熱処理を行うことが好ましい。このような押圧による接着方法によっても、基板とベアチップとの電気的接合は可能となる。
【0031】
本発明の電子デバイス用接着剤により接着あるいは封止を行う基板は特に制限されるものではないが、ポリイミド基板、特にポリイミドFPC基板との接着に用いることで、電子デバイスと基板との引き剥がし方向における接着強度(引き剥がし強度)を向上させることができる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0033】
(実施例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0034】
(実施例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)10重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0035】
(実施例3)
3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0036】
(実施例4)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)20重量部、3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)60重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0037】
(比較例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0038】
(比較例2)
3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)80重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0039】
(比較例3)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)20重量部、3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル、商品名)60重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0040】
次に、上記実施例1〜4および比較例1〜3の電子デバイス用接着剤を用いて6mm×6mmのSiチップとポリイミドテープカプトン(デュポン社製、商品名)とを180℃で加熱圧着させ、その引き剥がし強度を測定し、さらに150℃での硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1から明らかなように、実施例1〜4の電子デバイス用接着剤は、比較例1〜3の電子デバイス用接着剤に比較して引き剥がし強度(接着強度)が大幅に向上していることがわかる。また硬化時間についても、実施例1〜4の電子デバイス用接着剤は比較例1〜3の電子デバイス用接着剤とほぼ同等の硬化時間であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の電子デバイス用接着剤では、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することで、従来と同等の硬化速度等を維持しつつ、容易かつ確実に半導体チップ等の電子デバイスと基板とを接着することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体チップ等の電子デバイスを基板へ接着する際に用いられる電子デバイス用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップをより簡便な方法で基板に搭載するために、樹脂モールド実装方式からフリップチップ実装のような反転したベアチップを直接基板に接続し、チップと基板との隙間のみを封止する方式が用いられるようになっている。その中でも異方性導電材料のような接着剤でベアチップを基板に熱圧着により搭載する方式は、最も工程が少なく短時間でベアチップを搭載できる。
【0003】
フリップチップ実装用の基板としてはガラスエポキシ樹脂基板やポリイミド基板等があるが、中でもポリイミドFPC基板へ半導体チップを接着させた場合、その引き剥がし方向における接着強度が弱く、引き剥がし強度の向上が求められている。
【0004】
このような引き剥がし強度の向上ため、これらの接着に用いられる電子デバイス用接着剤の構成成分の種類あるいは量について検討が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−61088号公報
【特許文献2】
特開2002−294199号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、フリップチップ実装用の基板にはガラスエポキシ樹脂やポリイミド基板などがあるが、中でもポリイミドFPC基板と半導体チップとの接着についてはその引き剥がし方向における接着強度が弱く、その向上のために検討も行われているが、従来と同等の硬化速度を維持しつつ十分な接着強度を得るには至っていない。
【0007】
本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであって、従来と同等の硬化速度等を維持しつつ、電子デバイスと基板との接着強度に優れた電子デバイス用接着剤を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする。
【0009】
本発明の電子デバイス用接着剤では、前記(A)エポキシ樹脂および(B)イミダゾール系化合物100重量部に対して、前記(C)エポキシ化ポリブタジエンを2〜20重量部含有することが好ましい。
【0010】
また、本発明の電子デバイス用接着剤では、前記(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンに加えて、例えば導電性粒子を含有させてもよい。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする。
【0013】
本発明に用いられる(A)エポキシ樹脂としては、1分子に2個以上のエポキシ基を有する硬化可能なエポキシ樹脂であれば特に制限されるものではなく、このようなものとしては例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、多官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0014】
上記エポキシ樹脂は、単独または2種以上混合して用いることができる。本発明においては、上記エポキシ樹脂の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールAD型エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂を用いることがその特性上好ましい。
【0015】
本発明に用いられる(B)イミダゾール系化合物としては、例えば1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシルメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールおよび2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらイミダゾール系化合物は単独または2種以上混合して用いることができる。
【0016】
本発明に用いられる(C)エポキシ化ポリブタジエンは、ポリブタジエンの内部2重構造の一部をエポキシ化したものであればよく、例えば下記化学式(1)に示されるようなポリブタジエンの内部2重構造の一部をエポキシ化したものである。
【0017】
【化1】
【0018】
(C)エポキシ化ポリブタジエンの骨格(鎖状あるいは枝分かれ状)および分子量等は特に制限されるものではないが、例えば数平均分子量500〜4000、エポキシ当量100〜600(g/eq)、粘度20〜5000(poiseat 25℃)程度のものを用いることが好ましい。より好ましくは、数平均分子量1000〜2000、エポキシ当量150〜300(g/eq)、粘度200〜5000(poise at 25℃)のものである。
【0019】
このような(C)エポキシ化ポリブタジエンとしては、例えばE−700−6.5、E−1000−6.5およびE−1000−8.0(いずれも日石ポリブタジエン社製、商品名)などが挙げられる。
【0020】
本発明における(C)エポキシ化ポリブタジエンは、(A)エポキシ樹脂および(B)イミダゾール系化合物100重量部に対して、2〜20重量部配合することが好ましい。(C)エポキシ化ポリブタジエンを2〜20重量部配合することで、従来と同等の硬化時間を有し、かつ接着強度に優れた電子デバイス用接着剤とすることができる。(C)エポキシ化ポリブタジエンのより好ましい配合量は5〜10重量部である。
【0021】
また、(A)エポキシ樹脂と(B)イミダゾール系化合物とは、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、(B)イミダゾール系化合物を10〜200重量部とすることが好ましく、より好ましくは20〜150重量部である。
【0022】
本発明の電子デバイス用接着剤では、上記した(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンの他に、本発明の目的に反しない範囲において粘度を調整するための溶剤、カップリング剤、消泡剤、顔料、染料、無機充填剤その他の成分を配合することができる。
【0023】
溶剤としては、例えば酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0024】
さらに、カップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0025】
また、本発明の電子デバイス用接着剤では、異方導電材料のような用途に用いるために導電性粒子を配合してもよい。導電性粒子としては、例えば金、銀、銅あるいはニッケル等からなる金属粉末または高分子粒子に金やニッケル等をコートした導電性粒子等を用いることができる。
【0026】
導電性粒子の粒径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。粒径が0.1μm未満では製造が困難となり、10μmを超える場合にはファインピッチ回路の接続が困難となるためである。
【0027】
導電性粒子の配合量は、電子デバイス用接着剤全体の20体積%以下とすることが好ましい。導電性粒子の配合量が20体積%を超えると、不必要な部分まで電気的に接合されたり、また接着力が低下することがあるためである。
【0028】
上述したような本発明の電子デバイス用接着剤は、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンならびに必要に応じて他の成分を添加し、十分に混合することにより得られる。
【0029】
このようにして得られた本発明の電子デバイス用接着剤は、例えばベアチップ等の電子デバイスを基板に接続した後、電子デバイスと基板との接着あるいは空隙の封止のために、電子デバイスと基板との空隙に流し込むようにして用いられる。そして、このような流し込みの後、所定の温度、時間で熱処理を行うことにより接着あるいは封止を行う。接着あるいは封止の際の熱処理は、例えば120〜200℃で1〜2時間行うことが好ましい。
【0030】
また、本発明の電子デバイス用接着剤は基板に塗布した後、この塗布された電子デバイス用接着剤上にベアチップ等の電子デバイスを押圧し、その後所定の温度、時間で熱処理を行うことにより、基板とベアチップとの接着を行うように用いてもよい。この場合も上述したものと同様に、例えば120〜200℃で1〜2時間熱処理を行うことが好ましい。このような押圧による接着方法によっても、基板とベアチップとの電気的接合は可能となる。
【0031】
本発明の電子デバイス用接着剤により接着あるいは封止を行う基板は特に制限されるものではないが、ポリイミド基板、特にポリイミドFPC基板との接着に用いることで、電子デバイスと基板との引き剥がし方向における接着強度(引き剥がし強度)を向上させることができる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0033】
(実施例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0034】
(実施例2)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)10重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0035】
(実施例3)
3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)80重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0036】
(実施例4)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)20重量部、3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)60重量部、イミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部およびポリブタジエングリシジルエーテルE−1000−8.0(日石ポリブタジエン社製、商品名)5重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0037】
(比較例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)80重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0038】
(比較例2)
3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル社製、商品名)80重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0039】
(比較例3)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂YL983U(油化シェル社製、商品名)20重量部、3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂EP630(油化シェル、商品名)60重量部およびイミダゾール系化合物2E4MZ(四国化成工業社製、商品名)20重量部を混合して電子デバイス用接着剤を得た。
【0040】
次に、上記実施例1〜4および比較例1〜3の電子デバイス用接着剤を用いて6mm×6mmのSiチップとポリイミドテープカプトン(デュポン社製、商品名)とを180℃で加熱圧着させ、その引き剥がし強度を測定し、さらに150℃での硬化時間を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1から明らかなように、実施例1〜4の電子デバイス用接着剤は、比較例1〜3の電子デバイス用接着剤に比較して引き剥がし強度(接着強度)が大幅に向上していることがわかる。また硬化時間についても、実施例1〜4の電子デバイス用接着剤は比較例1〜3の電子デバイス用接着剤とほぼ同等の硬化時間であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の電子デバイス用接着剤では、(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することで、従来と同等の硬化速度等を維持しつつ、容易かつ確実に半導体チップ等の電子デバイスと基板とを接着することが可能となる。
Claims (3)
- (A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンを必須成分として含有することを特徴とする電子デバイス用接着剤。
- 前記(A)エポキシ樹脂および(B)イミダゾール系化合物100重量部に対して、前記(C)エポキシ化ポリブタジエンを2〜20重量部含有することを特徴とする請求項1記載の電子デバイス用接着剤。
- 前記(A)エポキシ樹脂、(B)イミダゾール系化合物および(C)エポキシ化ポリブタジエンに加えて、導電性粒子を含有することを特徴とする請求項1または2記載の電子デバイス用接着剤。
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JP2003036519A JP2004244524A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 電子デバイス用接着剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257350A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Konica Minolta Holdings Inc | 接着剤組成物、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036519A patent/JP2004244524A/ja not_active Withdrawn
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