JP2002210398A - 散布作業機の散布量制御装置 - Google Patents

散布作業機の散布量制御装置

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JP2002210398A
JP2002210398A JP2001008439A JP2001008439A JP2002210398A JP 2002210398 A JP2002210398 A JP 2002210398A JP 2001008439 A JP2001008439 A JP 2001008439A JP 2001008439 A JP2001008439 A JP 2001008439A JP 2002210398 A JP2002210398 A JP 2002210398A
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opening
flow control
valve
spraying
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Toshiaki Kasahara
敏章 笠原
Akihiro Kubo
昭博 久保
Susumu Yamamoto
進 山本
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 散布作業機の散布量制御装置において、二個
の流量制御弁が開口部を対向配置し、該開口部にニード
ルを押し込んで流量を制御していたが、栓が摩耗すると
流量制御弁の締まりが悪くなって薬液が漏れたり、噴出
量の制御精度が悪化したりすることがあった。 【解決手段】 乗用型の走行機体22に、ノズル23・
23・・・、薬液タンク24及び噴霧ポンプ4を装備し
た散布作業機において、二個の流量制御弁91・90を
上下に並列配置し、夫々にトルクリミッタ48を具備す
る開閉操作部91a・90aを構成して、これらを連動
して開閉駆動するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型の走行機体
に薬液タンク、ノズルを配置したブーム、噴霧ポンプ及
び散布量制御装置等を搭載した散布作業機の噴霧ポンプ
から吐出される薬液の量や圧を制御する散布量制御装置
の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用型の走行機体上に薬液タンク
を搭載し、該薬液タンク内に薬液を充填して、該薬液タ
ンク内の薬液を噴霧ポンプによってブームに設けたノズ
ルに圧送して噴霧し、前記噴霧ポンプの吐出量は散布量
制御装置によって調整するようにした散布作業機は知ら
れている。そして、噴霧ポンプは走行機体後部に、ブー
ムは走行機体の前部または後部に配置され、エンジンか
らの動力により該噴霧ポンプを駆動して、前記ブームに
設けられたノズルに薬液を圧送して防除作業をできるよ
うにしていた。また、本出願人からは前記噴霧ポンプか
らノズルに圧送される薬液の量を、流量制御弁を設け
て、該流量制御弁の開閉度を調節することにより制御
し、噴霧ポンプからの吐出量を調整する流量制御弁、薬
液タンクへ戻す量を調整する流量制御弁等複数設けたも
のが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、本出願人
が提案したものは図12に示す如く、前記流量制御弁1
90・191の弁体はニードル166・166により構
成して、二つの流量制御弁190・191のニードル1
66・166を同一の回転軸161上で相対配置させ、
モータ130で回転駆動するギヤ130aと噛合する回
転軸161上のギヤ160によって動力が伝達されて、
複数のニードル166・166を一体的に操作する構成
としていたので、ニードル166・166の芯ずれが生
じやすく、流量制御弁操作時においてこじれが発生する
という不具合があった。また流量制御弁190・191
には調整機構等がなかったために、ニードル166・1
66の位置調節が不適切な場合は、閉操作時にニードル
166・166が開口部にかみ込んでしまい操作不能と
なる不具合や、開口部やニードル166・166が摩耗
した際に薬液の漏れが発生し、散布精度が悪化するとい
う不具合が生じていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。
【0005】即ち、請求項1に示す如く、走行機体に薬
液タンク、ノズル、薬液を圧送する噴霧ポンプ及び吐出
量を調整する散布量制御装置等を搭載した散布作業機に
おいて、噴霧ポンプからの吐出量を制御する流量制御弁
を複数配置し、この複数の流量制御弁を別体的に駆動し
た。
【0006】請求項2に示す如く、前記複数の流量制御
弁の開閉度を調整する開閉操作部を遊びを設けた伝動機
構によって連動連結した。
【0007】請求項3に示す如く、前記伝動機構は同一
歯数の開閉駆動ギヤを前記複数の流量制御弁の開閉度を
調整する開閉操作部材に設けた。
【0008】請求項4に示す如く、前記開閉駆動ギヤの
一つをモータの出力軸に固設した出力ギヤと噛合させ
た。
【0009】請求項5に示す如く、前記各流量制御弁の
開閉操作部にトルクリミッタを設け、該トルクリミッタ
の作動をリミットスイッチで検出するように構成した。
【0010】請求項6に示す如く、走行機体に薬液タン
ク、ノズル、薬液を圧送する噴霧ポンプ及び吐出量を調
整する散布量制御装置等を搭載した散布作業機におい
て、噴霧ポンプの吐出側に二個の流量制御弁を設け、該
二個の流量制御弁の弁体を一方は開側、他方は閉側へと
互いに逆方向に駆動するように構成し、一方の流量制御
弁が「全閉」位置のとき、他方は「全開」以外の位置と
なるように構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る実施の形態につ
いて説明する。図1は本発明に係る散布作業機の全体側
面図であり、図2は同じく全体平面図であり、図3は同
じく動力伝達展開図であり、図4はポンプ部を示す側面
図であり、図5は同じく背面図であり、図6は同じく平
面図であり、図7は薬液タンクを示す背面図である。図
8は散布量制御装置を示す平面図であり、図9は同じく
流量制御弁の開閉を制御する開閉操作部を示す側面一部
断面図であり、図10はギヤの噛合を示す図8における
Y−Y矢視図であり、図11は薬液タンクからノズルま
での薬液の流路を示す図である。また、図12は従来の
散布量制御装置を示す図である。
【0012】図1及び図2において、散布作業機は乗用
型の走行機体22と、薬液を散布するための複数のノズ
ル23・23・・・を有するブーム40及び該ブーム4
0の昇降や展開を行うための機構よりなるブーム駆動部
35と、エンジン9から動力を得て薬液タンク24内の
薬液をノズル23・23・・・へ圧送する噴霧ポンプ4
及び該噴霧ポンプ4から吐出される薬液の制御に関わる
散布量制御装置3等よりなるポンプ部36等で構成され
る。なお、本実施例では、ブーム駆動部35は走行機体
22の前部及び側部に配設され、ポンプ部36は後部に
配設されている。走行機体22の機体前端より後方へ向
けて、左右一対の機体フレーム6L・6Rが平行に水平
方向に延設されている。該機体フレーム6L・6Rの前
部下方には前車輪7・7が支承され、後部下方に後車輪
8・8が支承されている。
【0013】また、走行機体22前部の機体フレーム6
L・6R上にはエンジン9を被覆するボンネット10が
配設されている。該ボンネット10後方のカバー上に操
作パネル11が設けられており、該操作パネル11の上
方には運転ハンドル12が設けられて、操作パネル11
及び運転ハンドル12等で散布作業機の操縦部を構成し
ている。前記操作パネル11下方より後方に向けて、機
体フレーム6L・6R上にはステップ13を設けてい
る。また機体フレーム6L・6R後部上には薬液タンク
24が配設されており、該薬液タンク24の前部中央に
は運転席14が形成されて、該薬液タンク24によって
側部と後部を取り囲まれるように載置されている。ま
た、散布作業機のフレームの各構成部材である機体フレ
ーム6L・6R、サブフレーム52L・52Rは夫々中
空の四角または丸型のパイプまたはL型やH型等の鋼材
を用いて、軽量かつ高剛性に構成されている。
【0014】前記ブーム駆動部35は、薬液散布用のブ
ーム40と、昇降リンク機構37とから構成される。ブ
ーム40は走行機体22の前方の前方ブーム41及び、
該前方ブーム41の両端に枢支して、折畳み可能に側方
に延設される左右の側方ブーム42L・42Rから構成
されている。そして、該ブーム40には薬液を散布する
ための複数のノズル23・23・・・が一定間隔をおい
て配設されている。前記前方ブーム41と側方ブーム4
2L・42Rの間には、それぞれシリンダ43・43が
介装され、該シリンダ43・43を伸縮させることによ
って、側方ブーム42L・42Rを左右水平方向へ延設
した作業位置と、前後方向で後ろ上がりに位置させた収
納位置に回動可能としている。
【0015】また、昇降リンク機構37は平行リンクに
より前方ブーム41と機体フレーム6L・6Rの前部の
間を連結し、該平行リンクの一方と機体フレーム6L・
6Rの間にシリンダ38・38を介装して、該シリンダ
38・38を伸縮させることによってブーム40を上下
昇降可能としている。そして、前方ブーム41の左右中
央が昇降リンク機構37に対して枢支されて左右傾倒可
能に支持され、該前方ブーム41と昇降リンク機構37
の間にシリンダ39を介装して、ブーム40を水平制御
する構成としている。
【0016】ここで、本実施例に係る散布作業機の動力
伝達構成について説明する。動力伝達展開図である図3
に示す如く、走行機体22の前部に配設されるエンジン
9より、後方へ向けてエンジン出力軸15が延出し、エ
ンジン出力軸15は、伝達軸16と軸間をユニバーサル
ジョイントによって連結されて、さらに、後方のCVT
入力軸27に接続されている。
【0017】走行機体22略中央下部に配設されるCV
Tケース20には、CVT(割プーリ式の無段変速装
置)21が内装されている。またCVTケース20後端
の機体外方からはCVT入力軸27後端が延出してお
り、他方からはCVT出力軸29が延出している。該C
VT入力軸27に伝えられた動力はCVT21により無
段変速されてCVT出力軸29に伝えられる。
【0018】前記CVT入力軸27後端には二連プーリ
17が固設され、該二連プーリ17下方には二連プーリ
28が配設され、該二連プーリ28は後方に向けて延出
する第二PTO軸68上に固着している。二連プーリ1
7・28間にはベルト69を巻回しており、該ベルト6
9によってCVT入力軸27より第二PTO軸68へ駆
動力を伝達可能としている。第二PTO軸68の後端に
は第二PTO出力軸83が連結されて、該第二PTO出
力軸83からは、ギヤ等でその回転を調整されて噴霧ポ
ンプ4のクランクケース26へ伝達軸19を介して動力
が伝達されている。
【0019】前記CVTケース20後方にはクラッチ8
4を内装するクラッチケース76が配設されている。前
記CVT出力軸29はクラッチケース76に挿入されて
おり、該CVT出力軸29と同軸方向には入力軸85が
配設されている。そして、CVT出力軸29と入力軸8
5とは、走行クラッチ84によって駆動力伝達の断接が
可能に構成されている。
【0020】また、走行クラッチ84後方にはミッショ
ンケース86が配設されており、入力軸85後部はミッ
ションケース86へ挿入されている。前記ミッションケ
ース86内では、前記クラッチケース76より突出した
入力軸85の動力が複数のギヤを介して走行駆動軸82
に伝達される。そして、該走行駆動軸82はミッション
ケース86の前後に突出した前輪駆動軸87及び後輪駆
動軸89に連結して動力を伝達している。従って、CV
T21により無段変速された後の回転力が前輪駆動軸8
7及び後輪駆動軸89に伝達され前輪7・7及び後輪8
・8が回転駆動することになる。
【0021】また、ミッションケース86より後方に向
けて、第一PTO軸81が延出され、該第一PTO軸8
1は前記入力軸85よりミッションケース86に内装さ
れるギヤ等よりなるPTO変速機構を介して駆動力が伝
達されている。
【0022】図4に示す如く、前記第二PTO出力軸8
3後方に位置する伝達軸19は、ユニバーサルジョイン
ト64を介して入力軸65の前端と接続しており、第二
PTO軸68からの駆動力を該入力軸65に伝達可能と
している。そして、入力軸65により噴霧ポンプ4の図
示せぬクランク軸と連結する駆動軸18に動力が伝達さ
れて噴霧ポンプ4のクランクケース26に入力され、該
クランクケース26内に収納されているピストン(また
はプランジャ)を往復動させて薬液を圧送できるように
している。
【0023】次に、前記ポンプ部36について説明す
る。図5及び図6に示す如く、ポンプ部36は、走行機
体22の後部に延設したサブフレーム52L・52R上
に支持部材を介して噴霧ポンプ4のクランク軸が機体前
後方向に位置するよう配設されている。ポンプ部36は
主に噴霧ポンプ4及び散布量制御装置3より構成され、
該噴霧ポンプ4のクランクケース26の右上部にエアチ
ャンバ25や安全弁79等が設けられている。そして、
散布量制御装置3は流量制御弁90・91及び該流量制
御弁90・91の開閉に関わるモータ30等より構成さ
れる。
【0024】ポンプ部36の支持構成は、前記機体フレ
ーム6L後端にプレート50Lが、同じく機体フレーム
6R後端にはプレート50Rがそれぞれボルト51・5
1・・・により締結固定されている(図4)。また、該
プレート50L・50Rにはそれぞれサブフレーム52
L・52Rが溶接固定されており、該サブフレーム52
L・52Rは後方へ向けて延設されている。
【0025】そして、前記左右のプレート50L・50
Rは上端の取付位置が同一であるのに対し、そのうち右
側のプレート50Rは左側のプレート50Lよりも下方
に延設され、右側のサブフレーム52Rは右側のプレー
ト50Rの下端に固設して、左側のサブフレーム52L
よりも下方位置に配設されている。つまり、左右のサブ
フレーム52L・52Rは平面視で機体フレーム6L・
6Rの延長上に配置しているが、側面視では、左側のサ
ブフレーム52Lは機体フレーム6Lの延長上に配置
し、右側のサブフレーム52Rは左側のサブフレーム5
2Lよりも低い位置で後方に延出して上下平行で段違い
に配設されているのである。また、左右のサブフレーム
52L・52Rの前後方向中途部には、平面視U字形
状、正面視L字形状の橋架部材53が配設されて、該サ
ブフレーム52L・52R間を橋架連結している。
【0026】噴霧ポンプ4のクランクケース26は支持
プレート54を介して橋架部材53上に載置されてお
り、下方より図示せぬボルトにより橋架部材53と締結
固定されている。そして、クランクケース26は側面視
で左側のサブフレーム52Lと重複するよう配置して、
左側方からの障害物に対して保護する構成としている。
また、噴霧ポンプ4の上端位置は機体フレーム6L・6
R上端よりも下方に位置させ、下端位置は右側のサブフ
レーム52R下端よりも上方に位置させて最低地上高が
低くならないようにし、従って、全体として噴霧ポンプ
4がサブフレーム52L・52Rで保護されるようにし
ている。
【0027】次に、ポンプ部36の薬液の流路について
説明する。図7に示す如く、薬液タンク24後部下面の
左右略中央には該薬液タンク24から薬液を送り出す吸
水口24aが設けられていて、該吸水口24aから噴霧
ポンプ4の薬液流入口55まではホース46(図6)を
介して連通接続されている。そして、同じく薬液タンク
24の背面下部には、ポンプ部36から薬液タンク24
へ還流される薬液の戻り口97a・95a・94a・9
6aが前記吸水口24aを中心として左右に二つずつ設
けられている。これらの戻り口97a・95a・94a
・96aは薬液タンク24の下部に設けられて、該戻り
口97a・95a・94a・96aより薬液タンク24
へ還流される薬液の流圧を利用して薬液タンク24内の
薬液を撹拌する構成とされている。
【0028】図5及び図6に示す如く、前記薬液タンク
24の吸水口24aからホース46を介して噴霧ポンプ
4右後方に位置する該薬液流入口55へ流入した薬液
は、三方切換コック77を通ってストレーナ78へ流入
し、該ストレーナ78で異物を除去されて、噴霧ポンプ
4後部に位置する薬液吸入口49より噴霧ポンプ4のク
ランクケース26内に流入する。
【0029】前記クランクケース26の右上部には、エ
アチャンバ25及び安全弁79が前後に配されており、
ピストンの往復動で圧送された薬液を蓄圧して吐出口7
5・75より一定圧力で吐出できるようにしている。ま
た、前記噴霧ポンプ4より右側方に向かって設けられた
吐出口75・75から吐出された薬液のうち設定圧力以
上の余水は安全弁79を通過してホース94を経て、薬
液タンク24背面に設けられた戻り口95a・94a・
96a・97aのうちの一つ(94a)に還流される。
【0030】一方、設定圧力以下の薬液はホース45を
通じて散布量制御装置3へと導かれる。着脱自在なカバ
ー58で覆われた散布量制御装置3は、二つの流量制御
弁(噴霧側バルブ91、戻し側バルブ90)によって、
各ブーム40のノズル23・23・・・に圧送する薬液
の量を制御している。噴霧ポンプ4からホース45を介
して分岐管32に流入した薬液は、ここで、噴霧側と薬
液タンク戻り側に分岐される。該分岐管32の左側方に
は戻し側バルブ90が配設されていて、該戻し側バルブ
90が開いているときは、バルブ90と薬液タンク24
の背面下部に設けられた戻り口95aとを繋ぐホース9
5を通って薬液が薬液タンク24へ還流する。後述の噴
霧側バルブ91近傍には圧力センサ57や吐出バルブ3
1等が設けられるため、上述の如く分岐管32と戻し側
バルブ90を近接させて配設することは、戻し側バルブ
90と噴霧側バルブ91をバランス良く配管するために
都合が良く、散布量制御装置3をコンパクトに構成する
ことができるのである。
【0031】一方、分岐管32から噴霧側へ送られた薬
液は、ホース99を通って噴霧側バルブ91へ導かれ
る。噴霧側バルブ91は、防除作業時に開かれて、該噴
霧側バルブ91の開放具合によって、ブーム40に設け
られたノズル23・23・・・より噴出する薬液の量を
制御している。
【0032】噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90の
二つの流量制御弁は、クランクケース26後方で上下に
並置されている。このように噴霧側バルブ91、戻し側
バルブ90及びこれらの配管をレイアウトすることで、
噴霧ポンプ4上方の空間を利用して散布量制御装置3を
配設し、ポンプ部36を簡単な構成でコンパクトにまと
めて、そして、配管長が短いので管内を通る液体の圧力
損失を削減することができるのである。
【0033】噴霧側バルブ91を通過した薬液は、さら
に、撹拌分岐管33に流入する。該撹拌分岐管33には
上方に二つの撹拌排出口96・97が開口していて、夫
々の撹拌排出口96・97には薬液タンク後下部に設け
られた戻り口96a・97aへ繋がれるホースが連結さ
れている。撹拌排出口96・97から圧送された薬液
は、薬液タンク24へ還流して該薬液タンク24内の薬
液を撹拌する。従って、前述の二つのタンク戻り口94
a・95aと合わせて、合計四つの戻り口94a・95
a・96a・97aから薬液タンク24内へ送られる薬
液の流れを利用して、薬液は防除作業中は常に撹拌さ
れ、薬液の濃度に偏りが発生したり、沈殿等が生じない
ようにしている。
【0034】また、前記撹拌分岐管33には管を通過す
る薬液の液圧を検出する流量センサ57が設けられてい
る。従って、散布量制御装置3の終盤に設けられた流量
センサ57によって、ブーム40のノズル23・23・
・・に圧送される薬液の量を知ることができる。また、
流量センサ57に替わり、圧力センサを設けることも可
能である。前記撹拌分岐管33を通過した薬液は吐出バ
ルブ31に到達し、該吐出バルブ31が開放されている
ときはブーム40に設けられたノズル23・23・・・
へ連絡ホース93を通って送られる。
【0035】図11に示す如く、吐出バルブ31から連
絡ホース93を通って圧送された薬液は、ブーム40に
到達する前に、一旦、走行機体22前方に配設された配
送管80を通過する。該配送管80では、入口に散布コ
ック74が設けられて、さらに、該配送管80から各ブ
ーム40へ配送される配送口にも夫々コックが設けられ
ている。そして、前記散布コック74は前述のクラッチ
ケース76に設けられた走行クラッチ84を操作する走
行クラッチ操作具84aと連動して開閉する構造となっ
ている。
【0036】従来機では、薬液防除作業時に走行クラッ
チ84を「切」の状態にして機体の走行を停止させたと
きに、噴霧側バルブ91が「全閉」の状態となるように
構成していた。しかし、走行クラッチ84を「切」の状
態としても、モータ30が作動し噴霧側バルブ91が
「全閉」の状態になるまでタイムラグがあり、同様に走
行クラッチ84を「入」の状態にしたときも、噴霧側バ
ルブ91が適切な開度に到達するまでにタイムラグがあ
る。このため散布の開始時、及び停止時に散布のむらが
生じる不具合があった。
【0037】そこで、本発明では走行クラッチ操作具8
4aで走行クラッチ84を「切」の状態とすると、流量
制御装置3は作動させず、前記散布コック74のみが閉
じられるように構成している。即ち、クラッチ操作具8
4aにセンサスイッチ70を設けて、散布コック74に
モータまたはシリンダ等のアクチュエータ71を連結
し、該クラッチ操作具84aをクラッチ84が「切」と
なるよう操作するとセンサスイッチ70がONとなりア
クチュエータ71が作動されて、散布コック74が閉ま
り、そして、クラッチ操作具84aをクラッチ84が
「入」となるよう操作すると同時に散布コック74が開
くように構成している。散布コック74が閉じると、噴
霧側バルブ91が開いた状態であっても、薬液がノズル
23・23・・・へ圧送されずに、安全弁79を通って
薬液タンク24内へ還流される。なお、センサスイッチ
70によって散布コック74の開閉を制御するのではな
く、クラッチ操作具84aと散布コック74を操作ワイ
ヤによって連結し連動するよう構成してもよい。
【0038】上述の如く、クラッチ操作具84aの操作
に連動して散布コック74が開閉されるように構成した
ので、クラッチ84が「入」の状態となって機体の走行
が停止すると、散布コック74が閉じられ、その他の散
布制御装置3は走行停止直前の散布制御状態を維持する
ので、機体の走行を再開したときの散布量の復帰が早
く、噴霧側バルブ91を全閉にするための時間を必要と
しないので、走行停止と同時に噴霧が停止し、走行停止
時に瞬時に噴霧停止可能である。また、噴霧側バルブ9
1を全閉にして散布量制御装置3を停止させる場合で
は、該噴霧側バルブ91より下流の管に残留する薬液が
ノズル23・23・・・から漏れ落ちてしまうことがあ
るが、このような薬液の無駄を削減し、また、上述の如
く噴霧タイムラグを削減することができるので、より精
密な薬液の散布が可能となるのである。
【0039】ここで、前記散布量制御装置3について説
明する。図4に示す如く、噴霧ポンプ4上面に側面視U
字形状の支持プレート63がボルト締結により固定して
いる。該支持プレート63により、平面視噴霧ポンプ4
上方に設けられた流量制御弁(噴霧側バルブ91及び戻
し側バルブ90)、該流量調節弁を駆動するためのモー
タ30等より成る散布量制御装置3が支持固定されてい
る。
【0040】前記散布量制御装置3は、流量制御弁であ
る噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90の開閉を調節
して、ブーム40に設けられたノズル23・23・・・
へ圧送する薬液の量を制御している。図8に示す如く、
噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90は弁体となるニ
ードル66・66の挿入具合によって夫々の開口部73
・73の開閉量を調節して、噴霧側バルブ91及び戻し
側バルブ90を通過する薬液の量を制御する仕組みとな
っている。噴霧側バルブ91が開放しているときは戻し
側バルブ90は閉塞され、逆もまた同様である。前記ニ
ードル66の前後摺動を制御する開閉操作部90a・9
1aは、噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90におい
て略同様であるので、以下に噴霧側バルブ91の開閉操
作部91aについて、詳しく説明する。
【0041】図9に示す如く、側面視U字状の支持プレ
ート63には、前後方向に駆動する開閉操作部91aが
架設され支持されている。ニードルバルブである噴霧側
バルブ91には、その開口部73が弁座となり、ニード
ル66の先端が弁部となって嵌入するように前後方向に
設けられ、該ニードル66の中途部の側面外周には螺子
が切られていて、支持プレート63に固定されたナット
に螺装され、ニードル66を回動させることによりニー
ドル66が前後に摺動し、開口部73が開閉するように
している。
【0042】前記ニードル66の前部にはピン66aが
該ニードル66と直交する方向に貫入固定され、該ピン
66aを係合する溝61bを後端部に設けたロッド61
がニードル66と同一軸心延長上に配置されている。該
ロッド61のニードル嵌入部61eに設けられた溝61
bの後端は、一側において斜めに切り欠いた傾斜部61
cとなっていて、ニードル66が噴霧側バルブ91を閉
める方向に回転し続けるとニードル66は後方へ摺動し
ていき、やがて開口部73が全開となる位置に達する。
【0043】また、前記ロッド61の後部には回動ブラ
ケット56が嵌装され、該回動ブラケット56は支承部
材を介して支持プレート63に回動自在に支承されてい
る。そして、ロッド61のニードル嵌入部61eは該ロ
ッド61のその他の部分と比較して大径となっており、
これによって形成される段差面と、回動ブラケット56
後部に設けられたバネ受け44aとで弾性力を受けるよ
うロッド61にバネ44が嵌装されており、該バネ44
はロッド61を後方、即ち、ニードル66を開口部73
に押し込む方向に付勢している。従って、ニードル66
が全開の位置に達した後もニードル66を開口部73に
摺動させる負荷が掛かれば、ニードル66に対してロッ
ド61は傾斜部61cで逃げてバネ44に抗して前方へ
移動して空回りし、開口部73にニードル66が必要以
上に押し込まれることを防ぐトルクリミッタ48として
の機構が作動することになる。つまり、ニードル66を
回転させるための一連の部材に過度の負荷をかけずに済
むようにしてニードル66を著しく破損してしまうこと
を防いでいる。
【0044】前記回動ブラケット56の前部は外周が正
面視四角形に成形されていて、同じく内輪が前記回動ブ
ラケット56前部の外周の形状に合わせた四角形状に形
成した開閉駆動ギヤ59を嵌装している。開閉駆動ギヤ
59は、後部は回動ブラケット56に形成された段差面
によって、前部は回動ブラケット56に嵌装されたワッ
シャ67によって抜け止めが為されていて、開閉駆動ギ
ヤ59を回動させると一体的に回動ブラケット56が回
動する。前記ロッド61の前部には該ロッド61に対し
て直角にピン61aが貫入固定されていて、回動ブラケ
ット56の前部に形成された嵌合溝56aに、該ピン6
1aが係入している。従って、開閉駆動ギヤ59が回動
すると回動ブラケット56が一体となって回動し、該回
動ブラケット56の嵌合溝56aに嵌入したピン61a
によって、ロッド61も連動して回動するのである。
【0045】走行機体22後部に固定されたサブフレー
ム52L・52Rに支持アーム62を介して固定された
前記支持プレート63に対して、回動ブラケット56及
び開閉駆動ギヤ59は前後方向に位置が固定されてあっ
て、ニードル66及びロッド61は前後に摺動可能であ
る。ロッド61が前方に摺動、即ち、ニードル66が全
閉の位置に達した後も、該ニードル66を開口部73に
摺動させる一定以上の負荷が掛かり、前述のトルクリミ
ッタ48が作動したときには、ロッド61の前端がリミ
ットスイッチ47の作動板47aに当接して、リミット
スイッチ47が作動するように構成している。つまり、
全閉位置でロッド61の端部がリミットスイッチ47に
当接して作動し、開閉駆動ギヤ59に回転動力を伝達す
る出力ギヤ30aを回転駆動させるモータ30が停止す
るように構成されている。よって、ニードル66が全閉
位置に達した際には速やかに駆動を停止させ、流量制御
弁90・91が破損することを防止し、また、高い精度
で流量制御弁90・91の開閉を行うことができる。
【0046】上述の如く構成した噴霧側バルブ91及び
戻し側バルブ90の開閉操作部91a・90aを、図
5、図8及び図10に示す如く、噴霧側バルブ91の開
閉操作部91aを背面視において戻し側バルブ90の開
閉操作部90aの右斜め上に並列配置し、そして、噴霧
側バルブ91の開閉操作部91aの開閉駆動ギヤ59
が、モータ30で回転する出力ギヤ30aと噛合するよ
うに配設している。また、夫々の開閉操作部91a・9
0aに具備される開閉駆動ギヤ59・60は互いに噛合
しており、夫々同じ歯数に構成してあるので、夫々の開
閉操作部91a・90aに具備されるニードル66・6
6は互いに反対方向に回転し、略同一距離で夫々前後反
対方向に摺動するようにしている。
【0047】また、開閉駆動ギヤ59・60の噛合部に
は遊びが存在するため、夫々の開閉操作部91a・90
aに具備されるニードル66・66の位置が互いに影響
を及ぼすことがなく、流量制御の精度を向上させるとが
できる。従って、モータ30の出力ギヤ30a→噴霧側
バルブ91の開閉駆動ギヤ59→戻し側バルブ90の開
閉駆動ギヤ60と、モータ30の回転動力が夫々の開閉
操作部91a・90aに順に伝達されて、ロッド61・
61の正逆回転によりニードル66・66が夫々前後摺
動して、噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90を通過
する薬液の流量の調整が行われるのである。
【0048】噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90の
開閉操作部91a・90a及びモータ30を、上述の如
く、噴霧側バルブ91、戻し側バルブ90の二つの流量
制御弁と出力ギヤ30aが背面視三角形に配置し、噴霧
側バルブ91と戻し側バルブ90の開閉駆動ギヤ59・
60及び噴霧側バルブ91の開閉駆動ギヤ59と出力ギ
ヤ30aを夫々直接に噛合させているので、嵩張るギヤ
を最小限に小さく配置することができて、これらで構成
される散布量制御装置3をコンパクトに構成することが
でき、また、出力ギヤ30aに対して噴霧側バルブ91
と戻し側バルブ90を同様に前後方向に配置することが
できるため、これらの散布量制御装置3を支持する支持
フレーム63やカバー58の構成が簡易化され、コスト
ダウン及び重量低減に寄与している。
【0049】さらに、モータ30を交換するときには、
噛合している噴霧側バルブ91の開閉駆動ギヤ59と戻
し側バルブ90の開閉駆動ギヤ60を外すことなく、出
力ギヤ30aと噴霧側バルブ91の開閉駆動ギヤ59と
の噛合を解いてモータ30を交換すればよいので、その
都度ギヤの噛合具合を調節することなく噴霧側バルブ9
1と戻し側バルブ90の適当な開閉位相が保持されるの
である。
【0050】上述の如く配置した噴霧側バルブ91の開
閉駆動ギヤ59と戻し側バルブ90の開閉駆動ギヤ60
は、互いに逆方向に回動して、即ち、噴霧側バルブ91
が閉じるときは戻し側バルブ90は開き、逆もまた同様
に作動する。また、噴霧側バルブ91の開閉駆動ギヤ5
9と戻し側バルブ90の開閉駆動ギヤ60の歯数は等し
く、また、開閉動作をする夫々の開閉操作部91a・9
0aは等しい構成であるので、噴霧側バルブ91及び戻
し側バルブ90に挿入されているニードル66・66は
同一距離で、一方は前方へ摺動し、他方は後方へ摺動す
るので、噴霧側バルブ91及び戻し側バルブ90の開閉
位相は一定に保たれるのである。
【0051】前述の如く、噴霧側バルブ91と戻し側バ
ルブ90を調整するニードル66・66は同期して互い
に前後逆方向へ摺動し、従って、二つの流量制御弁90
・91は片方が開くと他方が閉まるように開閉位相が一
定に保たれている。このとき、片方が「全閉」しても他
方は「全開から半回転戻し」の状態となるようにニード
ル66・66の位置を決定し、流量制御弁90・91の
開閉位相を調整している。これは、二つの流量制御弁9
0・91が同時に「全開」及び「全閉」したときに、出
力ギヤ30aを回転させるモータ30に、二組の開閉操
作部90a・91aの操作負荷と、「全開」及び「全
閉」の状態でのトルク負荷とが一度に掛かること防止す
るためである。従って、二つの流量制御弁90・91の
うち片方が「全閉」しても、他方は「全開から半回転戻
し」の状態とすることで、モータ30に掛かる負荷を軽
減させているのである。
【0052】そして、流量制御弁90・91の全閉部に
おいて摩耗が進行したときに、一方の流量制御弁90・
91が完全に閉まる前に、他方の流量制御弁90・91
が全開となって固定され、流量制御弁90・91の開閉
が不完全になってしまうことを防止するために、全閉部
が摩耗したとしても流量制御弁90・91の全閉精度を
失うことの無いよう構成されているのである。本実施例
においては流量制御弁90・91の全閉位置の摩耗の進
行、組立性、流量制御弁90・91の効率等を考慮して
開閉操作部91a・90aの開閉位相を半回転ずらした
ものとしたが、二つの流量制御弁90・91が同時に全
閉、全開とならない位相であれば問題無い。
【0053】ここで、前記トルクリミッタ48とリミッ
トスイッチ47について説明する。従来の散布量調整装
置では、流量制御弁をモータの動力によって操作してい
るものであったが、流量制御弁とモータの間には緩衝体
を介していないため、流量制御弁を全開にしたり全閉に
したりするときに、ニードルが限界まで押し込んだ状態
にあるときに更にニードルを押し込む荷重が作用して、
流量制御弁及びモータに過大な負荷が掛かり耐久性を損
ねていた。そこで本発明では、流量制御弁90・91が
全閉した状態で、ニードル66・66がさらに押し込ま
れる方向に回転動力が伝達されないように、噴霧側バル
ブ91及び戻し側バルブ90の開閉操作部90a・91
a夫々にトルクリミッタ48・48及びリミットスイッ
チ47・47を設けている。
【0054】前記トルクリミッタ48・48と、流量制
御弁90・91を操作するニードル66・66は同軸上
に設けられており、また、トルクリミッタ48・48は
ニードル66・66を操作するロッド61・61と一体
的に構成されているので、コンパクトにまとまって部品
点数を削減し、コストダウンや組立作業の簡易化に寄与
している。
【0055】ニードル66・66が後方へ、即ち、流量
制御弁90・91が閉まる方へ摺動したときには、トル
クリミッタ48・48によって摺動規制される。また、
噴霧側バルブ91のニードル66と戻り側のバルブ90
のニードル66は互いに背反的に作動するため、一方の
全閉側のリミットスイッチ48が他方の全開側のリミッ
トスイッチ48として作用し、別途全開側のリミットス
イッチが不要となり、機構の簡易化及びコストダウンが
図れる。
【0056】さらに、ニードル66・66が後方へ摺動
した状態であってトルクリミッタ48・48が作動した
ときは、これをリミットスイッチ47・47が検知して
作動し、モータ30の回転駆動を停止するよう構成され
ており、従って、ニードル66・66が一定幅以上に前
方及び後方に摺動したときには、リミットスイッチ47
・47が作動してモータ30を自動的に停止させるの
で、ニードル66・66が前後に摺動しすぎることな
く、また、噴霧側バルブ91と戻し側バルブ90の開閉
位相を一定に保持することができるのである。
【0057】上述の如く、トルクリミッタ48・48の
作動をリミットスイッチ47・47で検知して、流量制
御弁90・91の全閉を検出するよう構成したので、流
量制御弁90・91そのものでなく、トルクリミッタ4
8・48の作動を被検出体としたため、被検出体の動き
が大きくなるよう構成できるので、リミットスイッチ4
7・47は微少な動きを検知するのではなく比較的大き
な動作を検知するので、より正確に流量制御弁90・9
1の開閉を検出することができるのである。
【0058】また、流量制御弁90・91を操作するニ
ードル66・66の最大操作荷重が、トルクリミッタ4
8で決定され、ニードル66・66に最大操作荷重以上
の負荷が掛かれば、自動的に該ニードル66・66への
動力の伝達が断絶されるため、流量制御弁90・91の
開口部73・73にニードル66・66を過度に押し込
んだり、ニードル66・66が開口部73・73に限界
まで押し込まれて固定された状態で更にニードル66・
66を押し込む動力が作用したりしないので、流量制御
弁90・91及びバルブ操作系の耐久性を必要以上に低
下させないのである。
【0059】そして、噴霧側バルブ91と戻し側バルブ
90を別体的に駆動しているので、互いのニードル66
・66は夫々独立しており、さらに、上述のトルクリミ
ッタ48・48及びリミットスイッチ47・47を夫々
に設けることで、流量制御弁90・91に挿入されるニ
ードル66・66の位置等は精密でなくとも、ニードル
66・66の芯ずれにより双方の開閉操作部90a・9
1aにわたる支障を来すことはない。従って、ニードル
66・66等の開閉操作部90a・91aの取付作業に
高精度を必要としないので、組立が簡易となって組立性
が向上し、夫々の開閉操作部90a・91aに具備され
る部品精度を下げることができるため、コストダウンに
寄与している。
【0060】上述の如く、ピストンの往復動をさせる第
二PTO軸68の駆動回転力を変化させることなく、ブ
ーム40への薬液吐出量をモータ30の駆動回転によっ
て自由に変更することを可能とする二つのニードル66
・66を連結連動することで、簡単な構造で一つのアク
チュエータで複数のニードル66・66を軸方向に移動
すべく駆動することを可能にしている。従って、ニード
ル66・66夫々にアクチュエータを設けるときと比し
てコンパクトにまとめることができ、且つ、コストダウ
ンにも寄与している。
【0061】
【発明の効果】本発明は以上のように構成するので次の
ような効果を奏するのである。
【0062】即ち、請求項1に示す如く、走行機体に薬
液タンク、ノズル、薬液を圧送する噴霧ポンプ及び吐出
量を調整する散布量制御装置等を搭載した散布作業機に
おいて、噴霧ポンプからの吐出量を制御する流量制御弁
を複数配置し、この複数の流量制御弁を別体的に駆動し
たので、夫々の流量制御弁の取付け位置が精密でなくと
も双方の開閉操作に支障を来すことがない。従って、流
量制御弁の開閉操作部の取付作業に高精度を必要としな
いので、組立が簡易となって組立性が向上し、夫々の開
閉操作部に具備される部品精度を下げることができるた
め、コストダウンに寄与している。
【0063】請求項2に示す如く、前記複数の流量制御
弁の開閉度を調整する開閉操作部を、遊びを設けた連動
機構によって連動連結したので、開閉操作の位置が互い
に影響を及ぼすことがなく、流量制御の精度を向上させ
ることができる。
【0064】請求項3に示す如く、同一歯数の開閉駆動
ギヤを前記複数の流量制御弁の開閉度を調整する開閉操
作部材に設けたので、夫々の開閉操作部は略同一幅移動
し、複数の流量制御弁の適当な開閉位相を保持できるの
である。
【0065】請求項4に示す如く、前記開閉駆動ギヤの
一つをモータの出力軸に固設した出力ギヤと噛合させた
ので、モータを交換するときには、噛合している流量制
御弁の開閉操作部の開閉駆動ギヤを外すことなく、出力
ギヤを外してモータを交換すればよく、開閉駆動ギヤの
噛合具合を調節することなく複数の流量制御弁の適当な
開閉位相が保持されるのである。また、流量制御弁の開
閉駆動ギヤとモータの出力ギヤを夫々直接に噛合させて
いるので、嵩張るギヤを最小限に小さく配置することが
できて、散布量制御装置をコンパクトに構成することが
できる。
【0066】請求項5に示す如く、前記各流量制御弁の
開閉操作部にトルクリミッタを設け、該トルクリミッタ
の作動をリミットスイッチで検出するように構成したの
で、流量制御弁の開閉操作部が一定幅以上作動し、流量
制御弁が破損することを防止することができる。また、
連動した複数の流量制御弁の開閉位相を一定に保持する
ことができるのである。
【0067】請求項6に示す如く、走行機体に薬液タン
ク、ノズル、薬液を圧送する噴霧ポンプ及び吐出量を調
整する散布量制御装置等を搭載した散布作業機におい
て、噴霧ポンプの吐出側に二個の流量制御弁を設け、該
二個の流量制御弁の弁体を一方は開側、他方は閉側へと
互いに逆方向に駆動するように構成し、一方の流量制御
弁が「全閉」位置のとき、他方は「全開」以外の位置と
なるように構成したので、二つの流量制御弁が同時に
「全開」及び「全閉」となることがなく、二つの流量制
御弁が「全開」または「全閉」としたときに、出力ギヤ
を回転させるモータに、二組の開閉操作部の操作負荷
と、「全開」及び「全閉」の状態でのトルク負荷とが一
度に掛かること防止して、モータに掛かる負荷を軽減さ
せているのである。そして、流量制御弁の全閉部におい
て摩耗が進行したときに、一方の流量制御弁が完全に全
閉する前に、他方の流量制御弁が全開となって固定さ
れ、流量制御弁の開閉が不完全になってしまうことがな
く、全閉部が摩耗したとしても流量制御弁の全閉精度を
失うことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る散布作業機の全体側面図である。
【図2】同じく全体平面図である。
【図3】同じく動力伝達展開図である。
【図4】ポンプ部を示す側面図である。
【図5】同じく背面図である。
【図6】同じく平面図である。
【図7】薬液タンクを示す背面図である。
【図8】散布量制御装置を示す平面図である。
【図9】同じく流量制御弁の開閉を制御する開閉操作部
を示す側面一部断面図である。
【図10】ギヤの噛合を示す図8におけるY−Y矢視図
である。
【図11】薬液タンクからノズルまでの薬液の流路を示
す図である。
【図12】従来の散布量制御装置を示す図である。
【符号の説明】
3 散布量制御装置 4 噴霧ポンプ 22 走行機体 23 ノズル 24 薬液タンク 30 モータ 30a 出力ギヤ 40 ブーム 47 リミットスイッチ 48 トルクリミッタ 59・60 開閉駆動ギヤ 66 ニードル 90 戻し側バルブ(流量制御弁) 91 噴霧側バルブ(流量制御弁) 90a・91a 開閉操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 進 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 2B121 CB02 CB24 CB33 CB43 CB47 CB53 CB55 CB61 4D074 AA05 BB06 CC04 CC26 CC57

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に薬液タンク、ノズル、薬液を
    圧送する噴霧ポンプ及び吐出量を調整する散布量制御装
    置等を搭載した散布作業機において、噴霧ポンプからの
    吐出量を制御する流量制御弁を複数配置し、この複数の
    流量制御弁を別体的に駆動したことを特徴とする散布作
    業機の散布量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の流量制御弁の開閉度を調整す
    る開閉操作部を、遊びを設けた伝動機構によって連結連
    動したことを特徴とする請求項1記載の散布作業機の散
    布量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記伝動機構は、同一歯数の開閉駆動ギ
    ヤを前記複数の流量制御弁の開閉度を調整する開閉操作
    部材に設けたことを特徴とする請求項2に記載の散布作
    業機の散布量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉駆動ギヤの一つをモータの出力
    軸に固設した出力ギヤと噛合させたことを特徴とする請
    求項2又は請求項3に記載の散布作業機の散布量制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記各流量制御弁の開閉操作部にトルク
    リミッタを設け、該トルクリミッタの作動をリミットス
    イッチで検出するように構成したことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の散布作業機の散布量制御装
    置。
  6. 【請求項6】 走行機体に薬液タンク、ノズル、薬液を
    圧送する噴霧ポンプ及び吐出量を調整する散布量制御装
    置等を搭載した散布作業機において、噴霧ポンプの吐出
    側に二個の流量制御弁を設け、該二個の流量制御弁の弁
    体を一方は開側、他方は閉側へと互いに逆方向に駆動す
    るように構成し、一方の流量制御弁が「全閉」位置のと
    き、他方は「全開」以外の位置となるように構成したこ
    とを特徴とする散布作業機の散布量制御装置。
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