JP3782205B2 - 収穫機における車速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、稲、麦、大豆等の収穫のためのコンバイン等の収穫機における車速を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脱穀等の処理部が搭載された走行機体の前部に刈取前処理装置を備えたスレッシャやコンバイン等の収穫機においては、走行機体に搭載したガソリンエンジンやデイーゼルエンジン等の一つのエンジンからの動力を、走行駆動部や前記刈取前処理装置、並びに脱穀等の作業部に各々伝達して各箇所に所定の仕事を成さしめる。
【0003】
この場合、湿田走行時には走行負荷が大きい状態で低速走行するので、刈取速度が遅く脱穀部等の負荷はあまり大きくない。反対に乾田における雨濡れ穀稈を刈取るときには、走行負荷がそれ程大きくなくても、雨濡れ穀稈の脱穀のため脱穀部での負荷が大きくなるというように、走行部の負荷の変動と、作業部の負荷の変動とは必ずしも連動しない。
【0004】
従って、先行技術の特公平2−2573号公報に開示されているように、エンジンからの動力を変速制御可能な油圧駆動手段を介して走行部に伝達する一方、前記油圧駆動手段と並列的にエンジンからの動力を作業部に伝達するように構成し、走行部と作業部との変速操作を別系統にしていることが多い。
ところで、特公昭49−34494号公報では、油圧ポンプと油圧モータとからなるHST式無段階変速機構の油圧回路中にチャージポンプと、制御弁とを設け、該制御弁をエンジンの負荷に応じて作動するガバナーに連動させることにより、油圧ポンプの斜板の傾斜角度を変更するように作動させて、作業機の負荷に応じて最適な車速にて走行させるように制御するコンバインの車速制御手段が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車速制御では、ガバナーによる負荷設定値を基準とし、負荷設定値より少しでも過負荷状態になれば減速し、逆に負荷設定値より少しでも大きくなれば増速させ、コンバインの扱胴の回転速度が常時一定となるように車速制御するものであるから、車速制御にハンチング現象が発生し易いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決して、車速制御にハンチング現象発生させず、且つ制御も簡単な、収穫機における車速制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の収穫機における車速制御装置は、刈取前処理装置及び脱穀部等の作業部を備えた走行機体に搭載したエンジンからの動力を変速制御可能な油圧ポンプと油圧モータとからなる油圧駆動手段を介して走行部及び前記作業部に伝達する一方、エンジンの負荷を電子ガバナー装置等の燃料供給量の検知にて検出し、過負荷時には車速を減速方向に制御する車速制御手段を備えてなる収穫機において、主変速レバーの操作に関連させて前記油圧駆動手段における油圧ポンプの斜板を操作して圧油の吐出量を増減制御するように構成し、前記車速制御手段は、自動車速制御モードにおいては、前記主変速レバーの操作位置に対応する車速を保持するように制御する一方、前記油圧ポンプの斜板を操作するための油圧サーボ手段を設け、車速制御手段は、前記エンジンの負荷率が一定値以上になったことを検知して、前記保持車速に対して一定比率もしくは一定量だけ車速を減速すべく油圧サーボ手段に減速指令信号を送り、前記エンジンの負荷が適正値に戻ると、所定時間を要して前記保持車速に復帰させるように制御し、さらに、前記減速指令信号がONの状態では前記主変速レバーの回動位置の如何に拘らず、前記保持車速の一定割合だけ減速するように制御するものである。
【0008】
【発明の作用・効果】
以上のように、車速制御手段は、自動車速制御モードにおいては、前記主変速レバーの操作位置に対応する車速を保持するように制御する一方、前記油圧ポンプの斜板を操作するための油圧サーボ手段を設け、車速制御手段は、前記エンジンの負荷率が一定値以上になったことを検知して、前記保持車速に対して一定比率もしくは一定量だけ車速を減速すべく油圧サーボ手段に減速指令信号を送り、前記エンジンの負荷が適正値に戻ると、前記保持車速に復帰させるように制御するから構成しているから、従来のような車速制御にハンチング現象が発生することがない。
【0009】
また、車速制御を油圧ポンプと油圧モータの閉油圧回路とは別の油圧系の油圧サーボ手段により実行するので、信頼性が高く且つ制御も簡単となるという効果を奏する。さらに、所定時間を要して車速を次第に増加させるのであるから、コンバインに搭乗しているオペレータが安全に操縦できるし、動力伝達機構部にも悪影響を及ぼすことがないという効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明を収穫機であるコンバインに適用した実施形態について説明する。図1は左右一対の走行クローラ2a,2bを有する走行車両であるコンバインの走行機体1の側面図であり、該走行機体1上の一側には脱穀装置3を搭載し、該脱穀装置3の前部には、刈取前処理装置4が図示しない油圧シリンダにて昇降可能に装着されており、該刈取前処理装置4は、その下部フレームの下面側にバリカン式の刈取装置5を、前方には六条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置3におけるフイードチェン7との間には穀稈搬送装置が配置れ、穀稈引起装置6の下部前方には分草体8が突出している。
【0011】
脱穀装置3における扱室内の扱胴をその軸線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、扱室の一側に配置された前記フイードチェン7にて根元部を挟持しつつ搬送される穀稈の穂先部が扱室内の扱胴3aにて脱穀される。扱室の下方には受け網とシーブ等による揺動選別装置と唐箕フアンの風による風選別装置とを備え、脱穀装置3の側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タンク9が搭載されている。また、走行機体1の後部から突出する穀粒放出オーガ10は、籾タンク9から機体外の図示しない運搬車に脱穀した穀粒を放出するための水平回動可能及び俯仰回動可能に構成されている。走行機体1の前部一側に設けた運転室11内には、図2に示すように、走行機体1を操向するための丸ハンドル12及び速度変更のための主変速レバー13と副変速レバー14、さらには各種操作用のスイッチ(図示せず)が配置されている。
【0012】
左右の走行クローラ2a,2bは、それぞれ、図3に示す動力伝達装置20の左右の出力軸21a,21bから出力される動力にて回転駆動する起動輪22,22と、走行機体1の後端側に後向き付勢された誘導輪23,23とに巻掛けられた履帯24,24と、各履帯24の下側内周面を支持する下部転輪25等からなる。
【0013】
次に、2ポンプ2モータ型のHST式無段階変速機構からなる動力伝達装置20の構成について説明する。図3に示す実施例は、ミッションケース30内に、後述する左右一対の遊星歯車機構31,31等からなる差動歯車機構と、第1油圧ポンプ33及び第1油圧モータ34からなる走行用油圧式駆動手段と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37からなる旋回用油圧式駆動手段と動力伝達用歯車機構等を内装する。なお、走行機体1に搭載したエンジン17からの回転力は、チェンスプロケットと無端チェン60とを介して、ミッションケース30の外側にて両方の油圧ポンプ33,36の入力軸に伝達し、伝達ケース61内の油圧路を介してそれぞれの油圧モータ34,37に油圧動力伝達する。
【0014】
左右一対の遊星歯車機構31,31は左右対称状であって、同一半径上に複数(実施例では3つ)の遊星歯車39,39,39がそれぞれ回転自在に軸支された左右一対の腕輪38,38をミッションケース30内にて同軸線上にて適宜隔てて相対向させて配置する。前記各遊星歯車39にそれぞれ噛み合う太陽歯車40,40を固着した太陽軸41の左右両端は、両腕輪38,38の内側にてその回転中心部に位置する軸受に回転自在に軸支されている。内周面の内歯と外周面の外歯とを備えたリングギヤ42は、その内歯が前記3つの遊星歯車39,39,39にそれぞれ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配置されており、このリングギヤ42は、前記太陽軸41上または、前記腕輪38の外側面から外向きに突出する中心軸43上に軸受を介して回転自在に軸支されている。
【0015】
前記走行用油圧式駆動手段における容量可変式の第1油圧ポンプ33の回転斜板の傾斜角度を変更調節する等にて、第1油圧モータ34への圧油の吐出方向と吐出量を変更して、当該第1油圧モータ34の出力軸の回転方向及び回転数が調節可能に構成されている。そして、第1油圧モータ34の入力軸からの回転動力は、歯車44,45,46,47を介して従来から周知の歯車機構にて構成された副変速機構50に伝達され、その出力歯車48を介して太陽軸41に固定したセンター歯車49に伝達される。
【0016】
なお、歯車44の軸44aに関連させた歯車機構51を介して前記刈取前処理装置4や脱穀装置3などの作業部への回転力を伝達するPTO軸52に出力する。この場合、PTO軸52の中途部にはクラッチ手段52aが備えられている。
従って、前記走行用油圧式駆動手段からの回転動力は、伝動歯車機構及び副変速機構50を介してセンター歯車49に伝達され、次いで、前記左右一対の遊星歯車機構31,31に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、右側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、右側の出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。
【0017】
他方、旋回用油圧式駆動手段における容量可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の傾斜角度を変更調節する等にて、第2油圧モータ37への圧油の吐出方向及び吐出量を変更して、当該第2油圧モータ37の出力軸の回転方向及び回転数を調節可能に構成されている。そして、第2油圧モータ37からの回転動力は、歯車機構55を介して一対の伝動歯車56,57に伝達される。次いで、図3に示すように左側のリングギヤ42の外歯に対しては伝動歯車56と直接噛み合い、右側の伝動歯車57が逆転軸58に取付く逆転歯車59に噛み合い、この逆転歯車59と右側のリングギヤ42の外歯とが噛み合う。
【0018】
従って、第2油圧モータ37の正回転にて、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転すると、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回転することになる。
この構成により、例えば、旋回用油圧式駆動手段を停止させておけば、左右両側のリングギヤ42,42の回転は停止した固定状態である。この状態で走行用油圧式駆動手段を駆動すると、第1油圧モータ34からの回転力は、太陽軸41のセンター歯車49に入力され、その回転力は、左右両側の太陽歯車40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星歯車機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21a,21bに平等に同方向の同一回転数にて出力されるので、直進走行ができる。従って、走行用油圧式駆動手段のみを正回転駆動すると、走行機体1は直進前進し、逆回転駆動したときには直進後退する。
【0019】
反対に、走行用油圧式駆動手段を停止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯車40,40は固定される。この場合、図示しないブレーキ手段を作動させるのが好ましい。この状態にて、旋回用の油圧式駆動手段(第2油圧モータ37)を例えば正回転駆動させると、左の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車機構は逆回転する一方、右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車機構は正回転することになる。従って、左走行クローラ2aは後進する一方、右走行クローラ2bは前進するので、走行機体1はその場で、左にスピンターンすることになる。
【0020】
同様にして、旋回用油圧式駆動手段(第2油圧モータ37)を逆回転駆動させると、左の遊星歯車機構31は正回転し、右の遊星歯車機構31は逆回転して、左走行クローラ2aは前進する一方、右走行クローラ2bは後退するので、走行機体1はその場で、右にスピンターンすることになる。
そして、走行用油圧式駆動手段を駆動しつつ旋回用油圧式駆動手段を駆動した場合には、前進時及び後退時において、前記スピンターン旋回半径より大きい旋回半径で右また左に旋回できることになり、その旋回半径は左右走行クローラ2a,2bの速度に応じて決定されることになる。
【0021】
前記各場合、副変速レバー14を移動させて、路上走行モード、農作業モード、超低速モード等にセットする。この状態で、主変速レバー13を直立姿勢にすれば、中立位置(N位置)となり、主変速レバー13を前傾させると走行車両は前進し、その前傾角度が大きいと、その前進速度が増大する。逆に、主変速レバー13を後傾させると走行車両は後退し、その後傾角度が大きいと、その後退速度が増大するというように構成するのである。また、ハンドル12を右または左に回動することより、走行車両は所定方向に旋回できるのである。
【0022】
図5は、前記走行用油圧式駆動手段における油圧回路70を示し、前記エンジン17からの駆動軸にて別途チャージポンプ71を駆動し、ここからの圧油を後述する機能油圧サーボ手段72に送る。走行用の第1油圧ポンプ33から第1油圧モータ34への閉回路からなる油圧通路中にはその下流側にて油圧モータ34に作用する慣性を吸収するためのブレーキバルブとしての一対の油圧調整弁73が接続されている。各油圧調整弁73は図示するように、チェック弁とリリーフ弁との対からなる。また、この一対の油圧調整弁73より上流側には、チェック弁と絞り弁とからなり、主の油圧回路70(閉回路)の圧油を少しずつ入替えるための一対の圧油調整弁74,74が接続され、前記チャージポンプ71からの圧油通路76を一対の圧油調整弁74,74間に接続する一方、ドレンに圧油を逃がすためのリリーフ弁75に接続している。
【0023】
また、前記圧油通路76の延長部には、4ポート3位置の電磁制御弁77と、手動切換弁79とが並列状に接続されている。手動切換弁79は、前記主変速レバー13と図示しない連動機構を介して連結され、主変速レバー13の操作位置に基づいて手動切換弁79を切り換えすることができ、その切換操作に応じて切油圧サーボ用シリンダ78におけるピストン78aを移動させて、この動きに応じて、油圧を通路80を介して第1油圧ポンプ33の斜板の操作部(シリンダ)に送り、当該斜板の傾斜角度を変更し、以て主変速レバーのセット位置に応じた車速に保持できるように構成されている。他方、電磁制御弁77からの出力ポートを前記手動切換弁79の出力ポートから油圧サーボ用シリンダ78への通路に並列に接続する。この電磁制御弁77は後述するコンピュータ式のコントローラからの所定の指令信号(エンジンの負荷の程度に応じた信号)を、減速用ソレノイド77aまたは増速用ソレノイド77bに送り、前記手動切換弁79の操作とは無関係に前記油圧サーボ用シリンダ78におけるピストン78aを移動させて、上述のように第1油圧ポンプ33の斜板の傾斜角度を変更して、車速を増減変速制御することができる。
【0024】
図6に示す符号81は、走行機体の車速制御やエンジンへの燃料供給量調節制御を実行する制御手段としての制御装置であって、少なくとも、エンジンの負荷率が一定値以上になると、前記油圧サーボ用シリンダ78を介して第1油圧ポンプ33の斜板の傾斜角度を変更調節し、圧油吐出量を調整して、最終的には、前記第1油圧モータ34の回転速度、ひいては車速を減速制御することができる。該制御装置81は、マイクロコンピュータ等の電子制御による中央処理装置(CPU)と、中央処理装置で演算処理するのに必要な制御プログラム、初期値、後述の換算の演算に必要な演算マップ等を予め記憶しておく読み取り専用メモリ(ROM)と、演算処理するのに用いられる各種入力データを一時的に記憶するための読み書き可能メモリ(RAM)と、入出力インターフェイス等から成り、以下のような入出力部を接続する。
【0025】
即ち、自動車速制御モードをON・OFFするための車速自動スイッチ82、走行部における車速センサ83、エンジン17の回転数を検出するために当該エンジン17の出力軸またはミッションケースの出力軸等に設けたパルスエンコーダ等のエンジン回転数センサ84、エンジンの負荷状態を検知することができる負荷センサとしての、燃料供給装置における燃料供給量を検知する負荷センサ85、刈取前処理装置4をONにより動力接続作動させる刈取りクラッチ装置のON・OFFスイッチ86、脱穀部3をONにより動力接続作動させる脱穀クラッチ装置のON・OFFスイッチ87、及び主変速レバー13の操作位置を検知するためのレバー位置センサ88等は制御装置81の入力ポートに接続する。
【0026】
また、制御装置81の出力ポートには、走行クローラ2a,2bの走行用の第1油圧ポンプ33の斜板の角度を変更調節する前記電磁制御弁77の減速用ソレノイド77aと増速用ソレノイド77b、さらには旋回用の第2油圧ポンプ36の斜板の角度を変更調節する電磁制御弁の右旋回用ソレノイド89a及び左旋回用ソレノイド89b、自動操作中であることを表示する表示ランプ90と、エンジンの負荷状態を液晶等の文字にて表示したり、作業部の過負荷など負荷状態を警告表示ランプにて示すことができる表示装置91を制御装置28の出力ポートに各々接続している。
【0027】
なお、図示しないが、刈取クラッチ装置の電磁ソレノイド、籾タンクから外に穀物を排出する排出オーガ10のオーガクラッチ装置の電磁ソレノイド、走行クラッチ装置の電磁ソレノイド、脱穀クラッチ装置の電磁ソレノイド等も制御装置28の出力ポートに各々接続している。
前記燃料供給装置は、エンジン17がガソリンエンジンであるときには吸気系のキャブレタのスロットル弁やエアフローメータ等の箇所に設置する燃料噴射ポンプであり、エンジン17がデイーゼルエンジンであるときはシリンダ内に直接噴射する燃料噴射ポンプであり、これらの燃料供給量の調節位置駆動手段としては、前記スロットル弁の場合にはその弁の開閉度を操作する弁操作軸を回動するソレノイド等のアクチェータであり、燃料噴射ポンプの場合にはその噴射量を調節するプランジャの位置を調節するラックに取付いてこれを移動させるステップモータ等のアクチェータ等である。
【0028】
また、負荷センサ85はスロットル弁の回動角度を検出するポテンショメータ、または前記ラックと並行状に取付き当該ラックの移動位置を検出できる直線差動トランス形変位センサなどがある。
次に、自動車速制御モードにおける車速制御の態様について説明する。車速自動スイッチ82を押下してONし、主変速レバー13を中立位置(停止位置)から前方に回動すると、その回動角度に応じた車速Vsにて前進走行できる。なお、主変速レバー13を中立位置から後方に回動するとその角度に応じて後退走行する。このコンバインの走行速度は、主変速レバー13のセット位置に対応した速度に保持される。
【0029】
そして、エンジン負荷が図7(a)に示すように、定格値の95%以上になれば、減速指令信号をOFFからONとし、逆に定格値の85%以下になればONからOFFに切り替わるように制御装置81から信号を出す。
減速指令信号がONの状態では、前記主変速レバー13の回動位置の如何に拘らず、前記電磁制御弁77の減速用ソレノイド77aに連続駆動信号もしくはパルス幅変調制御用のパルス信号を出力して、前記保持速度Vsの一定割合だけ減速する(図7(b)参照)。
【0030】
次いで、エンジン負荷が適正値(実施例の場合、定格値の85%以下)に戻れば、減速指令信号がONからOFFに切り替わり、図7(b)に示すように、元の保持速度Vsに復帰するが、その場合、急激に増速するのではなく、所定時間t(例えば数秒)を要して順次増大させるのである。このように車速を次第に増加させると、コンバインに搭乗しているオペレータが安全に操縦できるし、動力伝達機構部にも悪影響を及ぼすことがないからである。
【0031】
なお、本発明は、前記コンバインばかりでなく、他の種類の農作業機や土木作業機にも適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面図である。
【図2】 コンバインの正面図である。
【図3】 2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のスケルトン図である。
【図4】 一対の遊星歯車機構部の一部断面図である。
【図5】 油圧回路図である。
【図6】 車速制御手段の機能ブロック図である。
【図7】 (a)はエンジン負荷と減速指令信号のON・OFFとの関係を示す説明図、(b)は減速指令信号のON・OFFに伴う車速の変動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 走行機体
2a,2b 走行装置
3 脱穀装置
4 刈取前処理装置
17 エンジン
33 第1(走行用)油圧ポンプ
34 第1(走行用)油圧モータ
70 油圧回路
71 チャージポンプ
77 電磁制御弁
78 サーボ用油圧シリンダ
79 手動切換弁
80 通路
81 制御装置
Claims (1)
- 刈取前処理装置及び脱穀部等の作業部を備えた走行機体に搭載したエンジンからの動力を変速制御可能な油圧ポンプと油圧モータとからなる油圧駆動手段を介して走行部及び前記作業部に伝達する一方、エンジンの負荷を電子ガバナー装置等の燃料供給量の検知にて検出し、過負荷時には車速を減速方向に制御する車速制御手段を備えてなる収穫機において、主変速レバーの操作に関連させて前記油圧駆動手段における油圧ポンプの斜板を操作して圧油の吐出量を増減制御するように構成し、前記車速制御手段は、自動車速制御モードにおいては、前記主変速レバーの操作位置に対応する車速を保持するように制御する一方、前記油圧ポンプの斜板を操作するための油圧サーボ手段を設け、車速制御手段は、前記エンジンの負荷率が一定値以上になったことを検知して、前記保持車速に対して一定比率もしくは一定量だけ車速を減速すべく油圧サーボ手段に減速指令信号を送り、前記エンジンの負荷が適正値に戻ると、所定時間を要して前記保持車速に復帰させるように制御し、さらに、前記減速指令信号がONの状態では前記主変速レバーの回動位置の如何に拘らず、前記保持車速の一定割合だけ減速するように制御することを特徴とする収穫機における車速制御装置。
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