JP2000069838A - 農作業機における車速制御装置 - Google Patents

農作業機における車速制御装置

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JP2000069838A
JP2000069838A JP10248751A JP24875198A JP2000069838A JP 2000069838 A JP2000069838 A JP 2000069838A JP 10248751 A JP10248751 A JP 10248751A JP 24875198 A JP24875198 A JP 24875198A JP 2000069838 A JP2000069838 A JP 2000069838A
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speed
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traveling
speed control
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Taiji Mizukura
泰治 水倉
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン負荷に余裕があっても、圃場の条件
が変わったとき、オペレータの習熟度に応じてコンバイ
ンの車速を適宜減速させる。 【解決手段】 マイクロコンピュータの制御装置210
に、エンジン回転数センサ214、エンジン負荷センサ
215、主変速レバーのレバー位置センサ218、HS
T式無断変速機構と主変速レバーとの機械的連動機構中
に介在させて主変速レバーのレバー位置を保持したまま
HST式無断変速機構を減速し元の速度に復元増速させ
る車速モータ201とを接続し、エンジン負荷率とエン
ジン負荷率の変化率とに応じてファジィ推論に従って、
車速モータ201を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稲、麦、大豆等の
収穫のためのスレッシャやコンバイン等の収穫機や耕耘
機等の作業機を牽引するトラクタ等の農作業機における
車速制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平7−303414
号公報には、コンバイン等の収穫機において、走行機体
に搭載したガソリンエンジンやデイーゼルエンジン等の
一つのエンジンからの動力を、油圧ポンプと油圧モータ
とからなるHST(油圧)式無段階変速機構を介して一
対の走行クローラへの動力輪に伝達する一方、前記エン
ジンからの動力を別の伝動経路(ベルト伝達等)を介し
て脱穀部等の作業部に伝達するように構成し、走行部及
び作業部の負荷の変動があっても、略一定のエンジン回
転数で出力できる制御(アイソクロナス制御)の技術が
開示されている。
【0003】また、特開平10−113045号公報に
は、油圧ポンプと油圧モータとからなる走行用HST
(油圧)式無段階変速機構を介して一対の走行クローラ
への動力輪に伝達する一方、油圧ポンプと油圧モータと
からなる旋回用HST式無段階変速機構を介して前記一
方の遊星歯車変速機構と他方の遊星歯車変速機構とに互
いに逆方向の回転を付与するよう伝達する走行部のミッ
ションを備え、コンバインの操縦座席に設けた主変速レ
バー及び操向用の丸ハンドルと前記両無段階変速機構と
を機械的連動機構にて連結し、主変速レバーの操作位置
に応じて走行速度を調節すると共に丸ハンドルの旋回操
作にて直進時よりも走行速度を減速させ、さらに、脱穀
部等の作業部の負荷の増大によって走行速度を減速させ
る技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、刈取脱穀作
業中に圃場条件が変わると、例えば、倒伏穀稈のある場
所に来ると、オペレータは刈取前処理装置を下げる操作
をしなければならない。湿田にて左右いずれかの走行ク
ローラが地面に沈み込んで走行機体が左右に傾斜する
と、下方に傾いた側の刈取前処理装置の下端が圃場面に
衝突するので、刈取前処理装置もしくは走行機体の左右
傾斜姿勢を建て直す操作を実行したり、ハンドルを切っ
て直進走行に努める等の操作が加わる。
【0005】コンバインの操作に熟練したオペレータ
は、前述のような操作をしながらも、コンバインの持つ
刈取脱穀能力の限界一杯まで走行速度を上げるように主
変速レバーの操作位置をセットすることができる。しか
しながら、未熟なオペレータは、走行速度が速い状態で
刈取脱穀左右を実行している途次に、前述のような圃場
条件が変わった位置に来ると、前述の余分な操作に注意
力が取られ、それに要する時間のため、刈り残し部分が
でき、農作業が完全にできなくなるという問題があっ
た。即ち、オペレータの習熟度が少ない(低い)場合に
は、コンバインのエンジンの出力に余裕があっても、車
速を減速させないと、農作業が完全にできなくなるとい
う問題があった。
【0006】この問題は、作業負荷の増大によって車速
を減速させる技術や、走行部及び作業部の負荷の変動が
あっても、略一定のエンジン回転数で出力できる制御
(アイソクロナス制御)の技術であっても解決すること
ができないのであった。また、上記の問題(不都合)
は、コンバインだけでなく、トラクタ等の他の農作業機
についても言えるのであった。
【0007】本発明は、上記の従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、エンジンの負荷に余裕があって
も、オペレータの習熟度に合わせて、自動的に農作業機
の車速を減速できるようにする車速制御装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の農作業機における車速制御
装置は、エンジンからの動力を、農作業機の走行部と作
業部とに別別の動力伝達系により動力伝達するように構
成し、主変速レバーの操作位置に応じて変速可能な走行
部のミッションを介して車速制御を実行できる車速制御
手段を備えた農作業機において、エンジンの負荷を検出
する負荷センサを備え、前記車速制御手段は、エンジン
負荷率とエンジン負荷率の変化に応じて、前記主変速レ
バーの操作位置に対応する車速よりも、適宜車速を減速
させるように制御するものである。また、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の農作業機における車速制
御装置において、前記車速制御手段は、車速を減速させ
るための速さ〔減速方向への変速度(減速変速度)〕
が、車速を元の車速に復元増速させるための速さ〔復元
速度に戻すための復元変速度〕より大きくなるように
し、且つ車速を復元増速させるための速さの変化率を初
期では遅く、時間経過に従って大きくなるように制御す
るものである。
【0009】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載の農作業機における車速制御装
置において、主変速レバーの操作位置をミッションに伝
達するための連動機構中には、第1アクチュエータを介
在させ、前記車速制御手段からの指令により、主変速レ
バーの操作位置に拘らず車速を減速し、復元増速すべく
前記第1アクチュエータを作動させるように構成したも
のである。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
3に記載の農作業機における車速制御装置において、エ
ンジンからの動力を、前記走行部における走行用油圧式
無段階変速機構と、旋回用油圧式無段階変速機構と左右
一対の遊星歯車変速機構とを介して左右一対の走行クロ
ーラへの出力軸に伝達させるように構成し、主変速レバ
ーと操向ハンドルとを機械的連動機構を介して前記走行
用油圧式無段階変速機構及び前記旋回用油圧式無段階変
速機構に連動連結して、これらの出力を調節するように
構成する一方、前記機械的連動機構には第1アクチュエ
ータとしての減速用駆動モータを連結したものである。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の農作業機における車速制御装置において、エンジンの
回転数を検出するエンジン回転数センサと、エンジンへ
の燃料供給量にてエンジンの負荷を検出する負荷センサ
とを備え、前記車速制御手段は、アイソクロナス制御を
実行しているとき、エンジン負荷の急上昇にて所定のエ
ンジン回転数以下になれば、車速を一定量減速させ、エ
ンジンの負荷が定格に戻ると、車速を徐々に元の値に戻
すように制御するものである。
【0012】
【発明の作用・効果】このように、請求項1に記載の発
明によれば、負荷センサにて検出したエンジンの負荷
と、それから演算されるエンジン負荷率の変化(時間的
変動)とから、前記車速制御手段は、エンジン負荷率と
エンジン負荷率の変化に応じて、前記主変速レバーの操
作位置に対応する車速よりも、適宜車速を減速させるよ
うに制御すると、エンジンの負荷に余裕があっても、圃
場の条件が変わったとき、オペレータの習熟度に応じて
農作業機の車速を減速することができ、完全な農作業を
実行することができるという効果を奏する。
【0013】そして、請求項2に記載の発明によれば、
車速を減速させるための速さ(減速変化率)が車速を増
速させるための速さ(復元増速変化率)より大きいか
ら、農作業に不都合が発生したとき、急速に車速を減少
させて、この不都合が解消した時点でゆっくりと増速さ
せることで、微小のエンジン負荷変動に対して車速制御
のハンチング現象を起こさずに車速を増速することがで
きる。そして、復元増速の作動開始(初期)ではゆっく
りと増速を始め、後半には復元増速の変化率が順次大き
くなるので、急激な速度で車速が復元しないから、オペ
レータに急加速の衝撃を与えず、乗り心地が快適となる
という効果を奏する。
【0014】また、請求項3に記載の発明によれば、前
記車速制御手段からの指令により、主変速レバーの操作
位置をミッションに伝達するための連動機構中に介在さ
せた第1アクチュエータを作動させて、主変速レバーの
操作位置に拘らず車速を減速し、復元増速するので、主
変速レバーの操作のセット位置を変更することなく、車
速の減速と、主変速レバーの操作のセット位置に対応す
る車速への復元増速とを実行することができ、補助の条
件が変わる毎に、オペレータが主変速レバーを操作して
車速変更する必要がなく農作業機の操作が簡単になり、
未熟なオペレータとって操作し易い農作業機を提供する
ことができるという効果を奏する。
【0015】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
走行部のミッションを、走行用油圧式無段階変速機構
と、旋回用油圧式無段階変速機構と左右一対の遊星歯車
変速機構とを介して左右一対の走行クローラへの出力軸
にエンジンからの動力を伝達させるように構成し、さら
に、主変速レバーと操向ハンドルとを機械的連動機構を
介して前記走行用油圧式無段階変速機構及び前記旋回用
油圧式無段階変速機構に連動連結して、これらの出力を
調節するように構成する一方、前記第1アクチュエータ
としての減速用の駆動モータを機械的連動機構に連結し
たものであるので、車速を無段階的に減速し、また元の
速度に復元増速させることが至極容易にできるという効
果を奏する。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、エンジン
の負荷率が一定値を越えると減速し、且つエンジンの負
荷率が一定値以下なら増速することによって、エンジン
の回転数を定格回転数等の一定値に維持したまま、エン
ジン負荷を適正に保持するいわゆるアイソクロナス制御
を実行するので、エンジン負荷を略一定に保持した高精
度の農作業を行うことができると共に、急激なエンジン
負荷変動に対して車速減速とエンジン出力アップにて農
作業の効率の低下する時間を最小限に押さえることがで
きるという効果を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を収穫機であるコン
バインに適用した実施形態について説明する。図1は左
右一対の走行クローラ2a,2bを有する走行部2を備
えた汎用コンバインの走行機体1の側面図、図2は平面
図である。該走行機体1上には脱穀装置3を搭載し、該
脱穀装置3の前部には、左右長手の刈取前処理装置4が
図示しない油圧シリンダにて昇降可能な角筒状のフイー
ダハウス5を介して装着されており、該刈取前処理装置
4は、フイーダハウス5の前端に連設した横長のプラッ
トホーム6と該プラットホーム6内に配置した横長筒状
の掻込みオーガ7と、その前方上部のタインバー付きリ
ール8と、プラットホーム6の下端に配置されたバリカ
ン式の刈刃9等とからなる。
【0018】脱穀装置3における扱室3a内の大小2つ
の扱胴3b、3cをその軸線が走行機体1の進行方向と
平面視で直交するように、走行機体1の前後に隣接させ
て配設する。刈取前処理装置4にて刈り取られた穀稈の
全量を、フイーダハウス5内の穀稈搬送チェン5a及び
穀稈搬送用ビータ5bを介して扱室3a内に投入する。
各扱胴3b、3cの外周にはスクリュー羽根が所定ピッ
チで巻回突設され、スクリュー羽根には適宜間隔にて、
先端が山形状の切歯が突設されており、穀稈を効果的に
切断する。
【0019】扱室3aの下方には各扱胴3b、3cの外
周下方側に受け網3dが配置される一方、その下方に
は、選別網10aとチャフシーブ10bと第1受け樋1
0c、第2受け樋10d等を備えた揺動選別装置10と
唐箕フアン11の風による風選別装置とを備え、脱穀装
置3の上方から一側までを跨ぐように脱穀済みの穀粒を
貯留する籾タンク14が搭載されている。
【0020】また、走行機体1の後部から突出する穀粒
放出オーガ15は、籾タンク14から機体外の図示しな
い運搬車に脱穀した穀粒を放出するための水平回動可能
及び俯仰回動可能に構成されている。走行機体1の前部
一側に設けた運転室16内には、図1及び図2に示すよ
うに、運転座席16aの前方に、走行機体1を操向する
ための丸ハンドル12及び速度変更のための主変速レバ
ー13と副変速レバー13a、さらには各種操作用のス
イッチ(図示せず)が配置されている。
【0021】次に、図5を参照しながら、2ポンプ2モ
ータ型のHST式無段階変速機構からなる動力伝達装置
20の構成について説明する。図4のスケルトン図に示
す動力伝達装置20の左右の出力軸21a,21bから
出力される動力にて回転駆動する駆動輪22,22によ
り、左右の走行クローラ2a,2bは、それぞれ駆動さ
れる。
【0022】図5に示す実施例は、ミッションケース3
0内に、後述する左右一対の遊星歯車変速機構31,3
1等からなる差動歯車機構と、第1油圧ポンプ33及び
第1油圧モータ34からなる走行用油圧式無段階変速機
構と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37から
なる旋回用油圧式無段階変速機構と、歯車列よりなり、
中立位置、低速、中速、高速の各変速段を有する副変速
機構50とを備える。
【0023】走行機体1に搭載したエンジン17からの
回転力は、チェンスプロケットと無端チェン60、もし
くはベルト及びプリーとを介して、ミッションケース3
0の外側にて両方の油圧ポンプ33,36の入力軸(共
通軸)33aに伝達し、各油圧ポンプ33,36から7
の吐出油は、伝達ケース61内の油圧路を介してそれぞ
れの油圧モータ34,37に送られる。なお、前記共通
軸33aの一端部には、後述する油圧サーボ手段に圧油
を供給するためのチャージポンプ71が装着されてい
る。
【0024】図5に示すように、左右一対の遊星歯車変
速機構31,31は左右対称状であって、同一半径上に
複数(実施例では3つ)の遊星歯車39,39,39が
それぞれ回転自在に軸支された左右一対の腕輪38,3
8をミッションケース30内にて同軸線上にて適宜隔て
て相対向させて配置する。前記各遊星歯車39にそれぞ
れ噛み合う太陽歯車40,40を固着した太陽軸41の
左右両端は、両腕輪38,38の内側にてその回転中心
部に位置する軸受に回転自在に軸支されている。内周面
の内歯と外周面の外歯とを備えたリングギヤ42は、そ
の内歯が前記3つの遊星歯車39,39,39にそれぞ
れ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配置されてお
り、このリングギヤ42は、前記太陽軸41上または、
前記腕輪38の外側面から外向きに突出する中心軸43
上に軸受を介して回転自在に軸支されている。
【0025】前記走行用油圧式無段階変速機構における
容量可変式の第1油圧ポンプ33の回転斜板の傾斜角度
を変更調節することにて、第1油圧モータ34への圧油
の吐出方向と吐出量を変更して、当該第1油圧モータ3
4の出力軸の回転方向及び回転数が調節可能に構成され
ている。そして、第1油圧モータ34の入力軸からの回
転動力は、歯車44,45,46,47を介して従来か
ら周知の歯車機構にて構成された副変速機構50に伝達
され、その出力歯車48を介して太陽軸41に固定した
センター歯車49に伝達される。
【0026】なお、歯車44の軸44aに関連させた歯
車機構51を介して油圧ポンプやその他の作業部等への
回転力を伝達するPTO軸52に出力する。この場合、
PTO軸52の中途部にはクラッチ手段52aが備えら
れている。また、前記副変速機構50等の出力軸に回転
数センサ62を連結して、前記走行クローラの駆動輪2
2,22の走行速度(車速)を検出できるようにしてい
る。
【0027】従って、前記走行用油圧式無段階変速機構
からの回転動力は、伝動歯車機構51及び副変速レバー
にて高速、中速、低速、その各間の中立位置にシフトで
きる副変速機構50を介してセンター歯車49に伝達さ
れ、次いで、前記左右一対の遊星歯車変速機構31,3
1に伝達され、前記左側の腕輪38の中心軸43に固着
した伝動歯車53を、左側の出力軸21aに固着した伝
動歯車54に噛み合わせて出力する。同様に、右側の腕
輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53を、右側の
出力軸21bに固着した伝動歯車54に噛み合わせて出
力する。
【0028】他方、旋回用油圧式無段階変速機構におけ
る容量可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の傾斜角
度を変更調節する等にて、第2油圧モータ37への圧油
の吐出方向及び吐出量を変更して、当該第2油圧モータ
37の出力軸の回転方向及び回転数を調節可能に構成さ
れている。そして、第2油圧モータ37からの回転動力
は、歯車機構55を介して一対の伝動歯車56,57に
伝達される。次いで、図5に示すように左側のリングギ
ヤ42の外歯に対しては伝動歯車56と直接噛み合い、
右側の伝動歯車57が逆転軸58に取付く逆転歯車59
に噛み合い、この逆転歯車59と右側のリングギヤ42
の外歯とが噛み合う。
【0029】従って、第2油圧モータ37の正回転に
て、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転する
と、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回
転することになる。この構成により、例えば、旋回用油
圧式無段階変速機構を停止させておけば、左右両側のリ
ングギヤ42,42の回転は停止した状態となる。この
場合、湿式多板ディスク等の旋回中立時ブレーキ手段を
作動させて第2油圧モータ37の出力軸を停止(固定)
させるのが好ましい。この状態で走行用油圧式無段階変
速機構を駆動すると、第1油圧モータ34からの回転力
は、太陽軸41のセンター歯車49に入力され、その回
転力は、左右両側の太陽歯車40,40に同一回転数に
て伝達され、左右両側の遊星歯車変速機構の遊星歯車3
9、腕歯車38を介して左右両側の出力軸21a,21
bに平等に同方向の同一回転数にて出力されるので、直
進走行ができる。従って、走行用油圧式無段階変速機構
のみを正回転駆動すると、走行機体1は直進前進し、逆
回転駆動したときには直進後退する。
【0030】反対に、走行用油圧式無段階変速機構を停
止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯
車40,40は固定される。この場合、湿式多板ディス
ク等の走行中立時ブレーキ手段を作動させて第1油圧モ
ータ34の出力軸を停止(固定)させるのが好ましい。
この状態にて、旋回用の油圧式無段階変速機構(第2油
圧モータ37)を例えば正回転駆動させると、左の遊星
歯車39、腕歯車38からなる遊星歯車変速機構は逆回
転する一方、右の遊星歯車39、腕歯車38からなる遊
星歯車変速機構は正回転することになる。従って、左走
行クローラ2aは後進する一方、右走行クローラ2bは
前進するので、走行機体1はその場で、左にスピンター
ンすることになる。
【0031】同様にして、旋回用油圧式無段階変速機構
(第2油圧モータ37)を逆回転駆動させると、左の遊
星歯車変速機構31は正回転し、右の遊星歯車変速機構
31は逆回転して、左走行クローラ2aは前進する一
方、右走行クローラ2bは後退するので、走行機体1は
その場で、右にスピンターンすることになる。そして、
走行用油圧式無段階変速機構を駆動しつつ旋回用油圧式
無段階変速機構を駆動した場合には、前進時及び後退時
において、前記スピンターン旋回半径より大きい旋回半
径で右また左に旋回できることになり、その旋回半径は
左右走行クローラ2a,2bの速度に応じて決定される
ことになる。
【0032】前記各場合、副変速レバーを移動させて、
路上走行モード、農作業モード、超低速モード等にセッ
トすることにより、副変速機構50を介して所定の速度
レンジ(速度領域)に変更され、この状態で、この状態
で、主変速レバー13を直立姿勢にすれば、中立位置
(N位置)となり、主変速レバー13を前傾させると走
行車両は前進し、その前傾角度が大きいと、その前進速
度が増大する。逆に、主変速レバー13を後傾させると
走行車両は後退し、その後傾角度が大きいと、その後退
速度が増大するというように構成するのである。また、
ハンドル12を右または左に回動することより、走行車
両は所定方向に旋回できるのである。
【0033】図6は、前記走行用油圧式駆動手段におけ
る車速制御のための油圧回路70を示し、前記エンジン
17にて別途チャージポンプ71を駆動し、ここからの
圧油を後述する油圧サーボ手段72に送る。走行用の第
1油圧ポンプ33から第1油圧モータ34への閉回路か
らなる油圧通路中にはその下流側バイパス通路にて油圧
モータ34に作用する慣性を吸収するためのブレーキバ
ルブとしての一対の油圧調整弁73が接続されている。
各油圧調整弁73は図示するように、チェック弁とリリ
ーフ弁との対からなる。また、この一対の油圧調整弁7
3より上流側バイパス通路には、チェック弁と絞り弁と
からなり、主の油圧回路70(閉回路)の圧油を少しず
つ入替えるための一対の圧油調整弁74,74が接続さ
れ、前記チャージポンプ71からの圧油通路76を一対
の圧油調整弁74,74間に接続する一方、ドレンに圧
油を逃がすためのリリーフ弁75に接続している。
【0034】また、前記圧油通路76の延長部に設けた
油圧サーボ手段78は、ピストン78aを直進的に移動
(実施例では上下方向に移動)させることによりクレイ
ドル型の第1油圧ポンプ33の斜板(図示せず)の傾斜
角度を変更させて、車速を変速するように構成するもの
であって、車速自動制御のための4ポート3位置の電磁
制御弁77と、手動切換弁79とが並列状に接続されて
いる。手動切換弁79は、前記主変速レバー13と後述
する機械的連動機構82を介して連結され、主変速レバ
ー13の手動操作(操作位置)に基づいて、油圧サーボ
手段78におけるピストン78aを駆動させ、この動き
に応じて、機械的連動機構82を介して第1油圧ポンプ
33の斜板の斜板の傾斜角度を変更し、以て主変速レバ
ー13のセット位置に応じた車速に保持できるように構
成されている。
【0035】他方、電磁制御弁77からの出力ポートを
前記手動切換弁79の出力ポートからピストン78aへ
の通路に並列に接続する。この電磁制御弁77は後述す
るコンピュータ式のコントローラからの所定の指令信号
(エンジンの負荷の程度に応じた信号)を、減速用ソレ
ノイド77aまたは増速用ソレノイド77bに送り、前
記手動切換弁79が前進位置にある場合のみ、前記油圧
サーボ手段78におけるピストン78aを移動させて、
上述のように第1油圧ポンプ33の斜板の傾斜角度を変
更して、車速を増減変速制御することができる。なお、
主変速レーバー13ひいては手動切換弁79が中立位置
及び後退位置にあるときには、電磁制御弁77への増減
速の指令信号は出さない(禁止される)。
【0036】次に、前記丸ハンドル12と主変速レバー
13との両方の手動操作にて、走行用油圧式無段階変速
機構の第1油圧ポンプ33及び旋回用油圧式無段階変速
機構の第2油圧ポンプ36を操作する機械的連動機構8
2について、図7〜図19を参照しながら説明する。こ
の機械的連動機構82は、 主変速レバー13を中立位置以外の位置(前進・後
退)に回動させた状態で、丸ハンドル12を中立位置
(直進操向)以外の位置(右旋回・左旋回)に回動させ
ると、その丸ハンドル12の回動量に応じて旋回半径が
小となり、且つ旋回半径が小となる程、前進速度或いは
後退速度を減速されるように連動すること。 主変速レバー13を前進方向及び後退方向のいずれの
方向に回動させた状態であっても、丸ハンドル12を右
に回すと右旋回し、丸ハンドル12を左に回すと左旋回
すること。 主変速レバー13を中立位置(前進・後退)の速度0
の位置で、丸ハンドル12を右旋回操作あるいは左旋回
操作させると、その場でスピンターンする、いわゆる超
芯地旋回を実行すること。を実現できるようにしたもの
である。
【0037】図7は2ポンプ2モータ型のHST式無段
階変速機構からなる動力伝達装置20の正面図で、該動
力伝達装置20の平面視の右側に走行用の第1油圧ポン
プ33を、左側に旋回用の第2油圧ポンプ36を入力軸
33aにて駆動させるように配置し、左側にチャージポ
ンプ71を配置し、上側に走行用の第1油圧モータ34
を配置する。なお、旋回用の第2油圧モータ37は前記
第2油圧ポンプ36の下方側に配置されている。
【0038】前記機械的連動機構82には、主変速レバ
ー13及び丸ハンドル12が各々中立位置で、前記走行
用のサーボ手段78の手動変速操作弁79及び旋回用の
サーボ手段の手動旋回制御弁(図示せず)をふらつかな
いようにする中立位置保持のための走行デテント手段9
0及び旋回デテント手段91を備える(図7参照)。図
7に示すように、走行デテント手段90と旋回デテント
手段91とは、略左右対称形状である。前記走行デテン
ト手段91では、走行用の油圧サーボ手段78スプール
を摺動移動させるクランクの回動枢軸92を、ミッショ
ンケース30の外面側(図7の下方側)に突出するボス
の内径に回動可能に嵌合し、該回動枢軸92には、走行
デテント体94の中途部をナットにて固定し、該デテン
ト体94の先端面に形成された中立保持カム面94aに
対して当接する中立保持ローラ95aが中立保持アーム
95の先端に回動自在に設けられている。中立保持アー
ム95は、前記ミッションケース30から突設する支軸
95bに回動自在に枢支され、付勢ばね96の付勢力に
て中立保持ローラ95aが中立保持カム面94aに常時
押圧するように構成されている。
【0039】前記ボスに回動自在に被嵌した筒軸には、
ストッパー板及び主変速レバー13と後述する機械的連
動機構82を介して回動する変速操作アーム99の基端
を各々固定連結し、筒軸に被嵌した衝撃吸収用の捩じり
ばねの両端部を前記走行デテント体94に係止する。な
お、走行デテント体94の他端に設けた係合部94bと
ストッパー板98の係合切欠き部98aとが係合して、
前記変速操作アーム99が所定角度以上に回動しないよ
う規制されている。
【0040】旋回デテント手段91では、旋回用の油圧
サーボ手段のスプールを摺動移動させるクランクの回動
枢軸104を、ミッションケース30の外面側(図7の
下方側)に突出するボスの内径に回動可能に嵌合し、該
回動枢軸104には、旋回デテント体105の中途部を
ナットにて固定し、該デテント体105の先端面に形成
された中立保持カム面105aに対して当接する中立保
持ローラ106aが中立保持アーム106の先端に回動
自在に設けられている。中立保持アーム106は、前記
ミッションケース30から突設する支軸106bに回動
自在に枢支され、付勢ばね96の付勢力にて中立保持ロ
ーラ106aが中立保持カム面105aに常時押圧する
ように構成されている。
【0041】図8〜図18は機械的連動機構82の構成
を示し、図8は走行変速操作部及び操向操作部を側面か
ら見た図、図9は正面図、図10は図9のX−X線矢視
で示す丸ハンドル12を仮想線で示し機械的連動機構8
2を平面で見た図、図11は変速用及び操向用の操作部
材の図9のXI−XI線矢視側面図、図12は図11のXII
−XII 線矢視図、図13図12のXIII−XIII線矢視図、
図14は丸ハンドルを仮想線で示す操向部の平面図、図
15は操向部の要部正面図、図16は図15のXV−XV線
矢視図、図17は主変速レバー13及び丸ハンドル12
の両者が中立位置の状態の機械的連動機構82の俯瞰
図、図18は主変速レバー13が前進側に30度傾動さ
れ、丸ハンドル12が右旋回方向に135度(最大回動
角度)回動された状態の機械的連動機構82の俯瞰図で
ある。
【0042】機械的連動機構82は、主変速レバー13
と丸ハンドル12とに連結させた変速及び操向連動機構
112と、該連動機構112に連結し、且つ前記変速操
作アーム99と旋回操作アーム102とに連結させた一
対のリンク機構113,114とから構成されている。
変速及び操向連動機構112は次の如くに構成されてい
る。即ち、図11に示すように、前進F(図11の反時
計方向回動)及び後退R(図11の時計方向回動)の各
方向に回動可能な主変速レバー13の基端屈曲部13a
を筒軸115に揺動自在に枢支させる。筒軸115を固
設した回動板116は、コンバインの機体側の機体フレ
ーム117と一体化した固定取付け板117aに軸受を
介して支持された第1枢軸118に枢支されている(図
11及び図12参照)。また、前記回動板116には、
第1枢軸118の軸線と直交してコンバインの前後方向
に延びる第2枢軸119を固設している。
【0043】従って、主変速レバー13の前進F方向
(後退R方向)への回動に応じて、図8及び図11にお
いて、回動板116は、第1枢軸118を中心にして反
時計方向回動(時計方向回動)することになり、第2枢
軸119は図11において前後に俯仰回動することにな
る。第2枢軸119には、変速操作部材120と操向操
作部材121とを別々に回動可能に枢支させ、変速操作
部材120の操作出力部120aは前記一方のリンク機
構113に連動連結し、操向操作部材121の操作出力
部121aは前記他方のリンク機構114に連動連結さ
せる。
【0044】この一対のリンク機構113,114は、
図8、図9及び図10に示すように、機体フレーム11
7側に支持させた揺動軸122の位置及び中間軸124
の位置で前記操向連動機構112と連動される。即ち、
変速操作部材120の操作出力部120aに連結した操
作出力軸125は自在継手126bを介して継手軸12
6に連結され、該継手軸126の他端の自在継手126
aは、前記揺動軸122に回動可能に被嵌した揺動筒軸
127に取付くアーム128に連結される。また、操向
操作部材121の操作出力部121aに連結した操作出
力軸129には、継手軸130の一端の自在継手130
bを連結し、該継手軸130の他端の自在継手130a
は前記揺動軸122に固設したアーム131に連結され
る。
【0045】前記揺動軸122に他端に固設した出力ア
ーム132には、自在継手を介して旋回用第1ロッド1
33を連結する。また、揺動筒軸127の他端に固設し
た出力アーム135には、自在継手を介して変速用第1
ロッド136を連結し、前記中間軸124に回動可能に
被嵌した変速用第1揺動アーム137には、前記変速用
第1ロッド136の他端を自在継手を介して連結する
(図10参照)。
【0046】前記旋回用第1揺動アーム134と一体的
に回動する旋回用第2揺動アーム138に回動可能に連
結された旋回用第2ロッド139の他端は、ミッション
ケース30の外側(上側)に固定したブラケット140
に固定した支軸141に回動可能に被嵌した旋回用筒軸
142から突設するアーム143に、自在継手を介して
連結する(図7及び図9参照)。
【0047】前記変速用第1揺動アーム137と一体的
に回動する変速用第2揺動アーム144に回動可能に連
結された変速用第2ロッド145の他端は、前記旋回用
筒軸142とは別個に回動可能となるように支軸141
に被嵌された変速用筒軸146から突設するアーム14
7に自在継手を介して連結される(図9参照)。該変速
用筒軸146から突設するアームブラケット148に
は、変速用サーボロッド149を自在継手を介して連結
し、該変速用サーボロッド149の下端の取付け板15
0に穿設された長溝孔151に、前述した変速操作アー
ム99に突設した係合ピン152を嵌合させ、主変速レ
バー13から変速操作アーム99までの機械的ガタを吸
収させている(図7、図9参照)。
【0048】他方、前記旋回用筒軸142から突出する
アームブラケット153には、旋回用サーボロッド15
4を自在継手を介して連結し、該旋回用サーボロッド1
54の下端の取付け板155に穿設された上下長手の長
溝孔156に、前述した旋回操作アーム102に突設し
た係合ピン157を上下摺動可能に嵌合させる。また、
この取付け板155と係合ピン157との係合を切離し
可能とする連動切離し手段を設ける。この連動切離し手
段の第1実施例として、前記長溝孔156の上下中途部
(主変速レバー13及び副変速レバー13aが中立位置
で、且つ丸ハンドル12も中立位置の状態に対応する位
置)には、前記係合ピン157が係合する係合凹所15
8を形成し、さらに、前記取付け板155から下向きに
突設した丸棒アーム159を、規制体161における一
対のガイドコロ160で挟み、該規制体161を電磁ソ
レノイド等のアクチュエータ162にて図9の左右方向
に移動可能とする。前記副変速レバー13aが中立位置
以外の位置にあるときにはリミットスイッチ163にて
位置検出して信号を出して、アクチュエータ162を作
動させ、規制体161を図7及び図9の左方向に押し
て、係合ピン157が前記係合凹所158に嵌まり込ん
で係合保持させる。この状態では、旋回用サーボロッド
154が上下動すると、前記係合凹所158及び係合ピ
ン157を介して旋回操作アーム102を上下回動さ
せ、旋回操作することができる。
【0049】逆に、副変速レバー13aが中立位置のと
き、リミットスイッチ163の検出信号にて、アクチュ
エータ162を作動させ、規制体161を図7及び図9
の右方向に戻して、係合ピン157と前記係合凹所15
8との係合を解除させる。このように、アクチュエータ
162の作動に応じて前記係合ピン157が係合凹所1
58に係脱するように選択させ、係合ピン157が係合
凹所158に係合しているときには、丸ハンドル12の
左右旋回操作に応じて旋回操作アーム102を操作可能
に連結し、逆に、前記係合ピン157が係合凹所158
から係合解除されると、丸ハンドル12の左右旋回操作
に拘らず、旋回操作アーム102は操作しないように連
動連結を解除する(連動切離し)構成とする。
【0050】次に、丸ハンドル12と前記機械的連動機
構82との連動機構について説明すると、主として図
9、図10、図14及び図16に示すように、丸ハンド
ル12と一体的に左右回動するハンドル軸170に歯車
171を設ける一方、後方の回転軸172に取付けられ
たセクタギヤ173を前記歯車171に噛み合わせる。
主変速レバー13の下方に配置された操向軸174に取
付けした第1揺動アーム175と、前記セクタギヤ17
3と一体的に水平回動する出力アーム176とを、操向
リンク機構としての自在継手付きの操向第1ロッド17
7にて連結する。前記第1揺動アーム175と一体的に
回動する第2揺動アーム178と、前記自在継手軸13
0の前端側とを、自在継手型の操向第2ロッド179を
介して連結する(図8及び図9参照)。
【0051】従って、丸ハンドル12の左右への回動操
作に応じて、前記第2枢軸119を中心にして操向操作
部材121を回動させ、もって、旋回用第1ロッド13
3を介して旋回操作アーム102を回動操作せる構成で
ある。また、図14及び図16に示すように、前記ハン
ドル軸171と一体的に回動する中立位置決め板180
に、操向検出リンク181の一端を連結し、該操向検出
リンク181の他端の長孔182に摺動自在に係合する
ピン183が取付けられた減速リンク184の中途部を
縦軸185回りに回動可能に支持させ、該減速リンク1
84の他端と、前記操向軸174に回動可能に被嵌した
筒軸188に突設の減速アーム186とを、減速リンク
機構としての自在継手型第1減速ロッド187にて連結
する。前記筒軸188から突設したブラケットと、前記
変速操作部材120における連結片189とを自在継手
型の第2減速ロッド190にて連結する(図10、図1
2参照)。これにより、前進・後退状態において、丸ハ
ンドル12の操向量(回動量)を大きくする程、減速第
2ロッド190の下向き移動量(下向き引張量)を大き
くして、直進時に比べて走行速度を減速させるように構
成する。
【0052】なお、図19に示すように、第2枢軸11
9と、操向操作部材121における自在継手軸130の
自在継手部130aとを、前後方向の水平ラインL1上
に位置させると共に、前記2つの自在継手126b,1
30bと第1枢軸118との三者を、前記水平ラインL
1と直交方向の水平ラインL2上に位置させる。さら
に、前記アーム128と継手軸126との自在継手部1
26aと、アーム131と自在継手軸130との自在継
手部130aとを、前記水平ラインL1と並行な左右水
平ラインL3上に位置させるように構成すれば、主変速
レバー13及び丸ハンドル12の中立保持位置におい
て、そのいずれか一方を操作しても、変速操作部材12
0と操向操作部材121とを、第1枢軸118及び第2
枢軸119の回りに回動するのみとし、継手軸126、
自在継手軸130には操作力が作用しないようにするこ
とができる。
【0053】次に、上記構成による、主変速レバー13
及び丸ハンドル12の操作による変速及び旋回の作用に
ついて説明すると、図11に示すように、主変速レバー
13の前進(F)操作で第1枢軸118を中心として変
速操作部材120を前方向に角度α1傾けて継手軸12
6を引張り、後退(R)操作で変速操作部材120を後
方向に角度α2傾けて継手軸126を押す。これによ
り、アーム128を回動作動させて前進・後退時の走行
速度を変速させる。主変速レバー13の前後傾動角度を
大きくする程、走行速度は大きくなる。
【0054】また、主変速レバー13が中立以外の位置
にセットしている場合において、丸ハンドル12を左も
しくは右に旋回操作を実行すると、図12に示すよう
に、第2枢軸119を中心にして、操向操作部材121
を上下に角度β1あるいは角度β2傾けて、自在継手軸
130を引張もしくは押して操向アーム131を回動さ
せ、コンバインを左旋回もしくは右旋回を実行できる。
【0055】なお、図14に示すように、丸ハンドル1
2を左右いずれの方向に回動操作しても、同一方向に角
度θの範囲で減速リンク184を回動させるように、操
向検出リンク181と連結され、且つ丸ハンドル12の
中立位置以外では減速ロッド187及び減速第2ロッド
190を常時引っ張るように構成されているから、前進
操作時の変速操作部材120が図11の角度α1の側に
傾いて、継手軸126を継手部126a側に押して減速
させる。逆に、後退操作時においては、変速操作部材1
20が図11の角度α2の側に傾いて、継手軸126を
継手部126b側に引っ張って、いずれの場合も、旋回
量に比例して減速量が増大するようになる。
【0056】但し、主変速レバー13が中立位置である
ときに、丸ハンドル12を左右方向に回動操作しても、
自在継手軸130は、継手部13aを頂点とし、水平ラ
インL1と直交するラインL2上で円を描くように継手
部130bが移動するように、円錐面状に移動するだけ
であるので、操向アーム131は回動せず、旋回用の油
圧式無段階変速機構が停止状態となる。
【0057】また、前記連動切離し手段によれば、前記
副変速レバー13aが中立位置以外の位置にあることを
リミットスイッチ163にて検出して制御信号を出し
て、アクチュエータ162を作動させ、規制体161を
図7及び図9の左方向に押して、係合ピン157が前記
係合凹所158に嵌まり込む位置を保持させ、前記旋回
用サーボロッド154と旋回操作アーム102とを連結
状態とするので、主変速レバー13の前進・後退の各位
置で副変速レバー13aを高速・低速等の任意の変速段
にセットし、丸ハンドル12が中立位置では機体を直進
走行させることができ、丸ハンドル12を左右に回動し
てその方向に旋回させることができる。また、副変速レ
バー13aを高速・低速等の任意の変速段にセットし、
主変速レバー13を中立位置にセットした状態で丸ハン
ドル12を左右に回動すると、その場で機体を旋回させ
るスピンターン(超芯地旋回)を実行することができ
る。
【0058】逆に、副変速レバー13aが中立位置のと
き、リミットスイッチ163の検出信号にて、アクチュ
エータ162を作動させ、規制体161を図9及び図1
2の右方向に戻して、係合ピン157と前記係合凹所1
58との係合を解除させるから、この状態では丸ハンド
ル12を左右に回動しても旋回動作をしない。従って、
例えば、副変速レバー13aを中立位置にセットして、
機体の前進・後退を停止した状態で、刈取前処理部4や
脱穀部3のみを作動させるべく、主変速レバー13を前
進位置に回動させた場合に、不用意に丸ハンドル12に
接触して、これを回動させても、旋回操作アーム102
を回動させることがなく、前述のいわゆるスピンターン
は起こらないから作業者は安全である。
【0059】このように、アクチュエータ162の作動
に応じて前記係合ピン157が係合凹所158に係脱す
るように選択させ、係合ピン157が係合凹所158に
係合しているときには、丸ハンドル12の左右旋回操作
に応じて旋回操作アーム102を操作可能に連結し、逆
に、前記係合ピン157が係合凹所158から係合解除
されると、丸ハンドル12の左右旋回操作に拘らず、旋
回操作アーム102は操作しないように連動連結を解除
するなお、図15及び図16に示すように、運転室16
の床板16bの下面にブラケット200を固定し、該ブ
ラケット200に固定した第1アクチュエータとしての
正逆回転可能な電動の車速モータ201を取付け、該車
速モータ201の減速歯車機構201bを介して回転さ
れる出力軸201aには偏心ローラ202を固定する。
なお、車速モータ201の減速歯車機構201b内に
は、減速リミットスイッチ203と復帰リミットスイッ
チ204とが設けられている。
【0060】他方、前記自在継手型の第1減速ロッド1
87が取付く側の減速リンク184の先端のブラケット
205には、前記偏心ローラ202の円周面に当接させ
るための従動ローラ206が支軸207にて回転可能に
軸支されている。この構成により、丸ハンドル12を略
中立位置に保持させて直進走行しながら刈取脱穀作業を
行っているとき、後述の車速制御として第1アクチュエ
ータである車速モータ201を介して偏心ローラ202
を回動させると、従動ローラ206が押されて、図16
の矢印方向に減速リンク184が回動し、第1減速ロッ
ド187を引っ張って車速を減速作動させる。このと
き、減速リンク184の他端のピン183が操向検出リ
ンク181に形成された長孔182を箇所を移動するの
で、丸ハンドル12は略中立位置に保持させることがで
きる。なお、車速モータ201の回転により減速歯車機
構201b内の減速リミットスイッチ203がOFF作
動された位置で車速モータ201の回転は停止する。
【0061】次に、本発明における車速制御モードにつ
いて説明する。即ち、エンジン負荷に余裕があっても、
予め操作された主変速レバーの位置に拘らず、オペレー
タの習熟度に応じて、コンバインの車速を減速方向に制
御するものであって、オペレータの習熟度を判断する方
式として、エンジンの負荷率の大小と、そのエンジン負
荷率の変化の方向及び度合いの組合せによるものとす
る。
【0062】また、予め操作された主変速レバーの位置
に対応する速度から減速させ、所定の条件にて前記主変
速レバーの位置に対応する速度に復元するように増速さ
せるが、その減速方向への変速度(車速を減速させるた
めの速さの変化率)は復元速度に戻す復元変速度(=車
速を復元速度まで増速させるための速さの変化率)より
大きくし、復元変速度は、始め(初期)は遅く、時間経
過に従って大きくなるように制御する。
【0063】図20に示す符号210は、前記車速制御
モードを実行する制御手段としての制御装置であって、
マイクロコンピュータ等の電子制御による中央処理装置
(CPU)211と、該中央処理装置211で演算処理
するのに必要な制御プログラム、初期値、後述の演算に
必要な演算マップ等を予め記憶しておく読み取り専用メ
モリ(ROM)212と、演算処理するのに用いられる
各種入力データを一時的に記憶するための読み書き可能
メモリ(RAM)213と、入出力インターフェイス等
から成り、以下のような入出力部を接続する。
【0064】即ち、走行部における車速を検出するため
の回転数センサ62、エンジン17の回転数を検出する
ために当該エンジン17の出力軸またはミッションケー
スの出力軸等に設けたパルスエンコーダ等のエンジン回
転数センサ214、エンジンの負荷状態を検知すること
ができる負荷センサとしての、燃料供給装置における燃
料供給量を検知する負荷センサ215、刈取前処理装置
4をONにより動力接続作動させる刈取りクラッチ装置
の刈取クラッチスイッチ216、脱穀装置3をONによ
り動力接続作動させる脱穀クラッチスイッチ217、及
び主変速レバー13の操作位置を検知するためのレバー
位置センサ218、前記車速モータ201のための減速
リミットスイッチ203、復帰リミットスイッチ204
等は制御装置210の入力ポートに接続する。
【0065】また、制御装置210の出力ポートには、
走行クローラ2a,2bの走行用の第1油圧ポンプ33
の斜板の角度を変更調節する前記電磁制御弁77の減速
用ソレノイド77aと増速用ソレノイド77b、さらに
は旋回用の第2油圧ポンプ36の斜板の角度を変更調節
する電磁制御弁の右旋回用ソレノイド及び左旋回用ソレ
ノイド、燃料供給装置219、エンジンの負荷状態を液
晶等の文字にて表示したり、作業部の過負荷など負荷状
態を警告表示ランプにて示すことができる表示装置22
0を制御装置210の出力ポートに各々接続している。
【0066】前記燃料供給装置219は、エンジン17
がガソリンエンジンであるときには吸気系のキャブレタ
のスロットル弁やエアフローメータ等の箇所に設置する
燃料噴射ポンプであり、エンジン17がデイーゼルエン
ジンであるときはシリンダ内に直接噴射する燃料噴射ポ
ンプであり、これらの燃料供給量の調節位置駆動手段と
しては、前記スロットル弁の場合にはその弁の開閉度を
操作する弁操作軸を回動するソレノイド等のアクチェー
タであり、燃料噴射ポンプの場合にはその噴射量を調節
するプランジャの位置を調節するラックに取付いてこれ
を移動させるステップモータ等のアクチェータ等であ
る。
【0067】また、負荷センサ215はスロットル弁の
回動角度を検出するポテンショメータ、または前記ラッ
クと並行状に取付き当該ラックの移動位置を検出できる
直線差動トランス形変位センサなどがある。次に、車速
制御モードにおける車速制御の第1の実施態様はファジ
ィ制御であって、状態評価ファジィ制御を設計するに際
して、熟練オペレータの運転状況を観察して、検出及び
制御可能なフアクタを選択し、例えば、前件部は、エン
ジン負荷率ELFと、エンジン負荷率の変動率(変化
率)CVELFであり、後件部は第1アクチュエータと
しての車速モータ201の減速量VRとする。図21
(a)は前記2つの前件部に対する後件部のファジィル
ールを示し、 エンジン負荷率ELFが大きく、エンジン負荷率の変
化率CVELFが減少方向であるとき、車速モータ20
1の減速量VRは零とする。 ELFが大きく、CVELFが増加方向であるとき、
VRは大とする。 ELFが中程度で、CVELFが減少方向であると
き、VRは零とする。 ELFが中程度で、CVELFが零であるとき、VR
は小とする。 ELFが小で、CVELFが零であるとき、VRは零
とする。 という5個のルールを作成する。
【0068】そして、図21(b)に示すような、縦軸
にグレード(0から1まで)、横軸にエンジン負荷率E
LFを採ったメンバーシップ関数(連続型ファジィ変数
であって三角型ファジィ変数)と、図21(c)に示す
ような、同じく縦軸にグレード(0から1まで)、横軸
にエンジン負荷率の変化率CVELFを採ったメンバー
シップ関数(三角型ファジィ変数)を使う。ここで、図
21(b)のエンジン負荷率ELFは0から100%ま
での区間であり、エンジン負荷率が小さいとは、ELF
0%からELF90%までの区間でグレードが1で、且
つELF90%から95%までの区間でグレードが1か
ら0まで変化するZ型関数、エンジン負荷率が中程度と
は、ELF90%から95%までの区間でグレードが0
から1まで増大し、且つELF95%から100%まで
の区間でグレードが1から0まで減少する上凸型(三角
型)関数、エンジン負荷率が大きいとは、ELF95%
から100%までの区間でグレードが0から1まで変化
するS型関数とする。
【0069】同様に、図21(c)のエンジン負荷率の
変化率CVELFは、変化率無し(0%)を中心に正逆
対称状で、変化率CVELFが減少とは、CVELF−
5%以下でグレード1、且つCVELF−5%から0%
までの区間でグレード1から0まで減少するZ型関数で
ある。変化率CVELFが0(エンジン負荷率が変動し
ない)とは、CVELF−5%から0%までの区間でグ
レード0から1まで増大し、且つCVELF0%から+
5%までの区間でグレード1から0まで減少する上凸型
(三角型)関数となり、変化率CVELFが増加すると
は、CVELF0%から+5%までの区間でグレード0
から1まで増大し、且つCVELF+5%以上でグレー
ド1となるS型関数とする。
【0070】他方、後件部の車速モータ201の減速量
VRのメンバーシップ関数は、図21(d)に示し、縦
軸にグレード、横軸に減速量VRのパーセント0〜40
を採る。減速量VRが零とは、減速量VR0%以下でグ
レード1、且つ減速量VR0%から20%の区間でグレ
ードが1から0に減少するZ型関数である。減速量VR
が小とは、減速量VR0%から20%の区間でグレード
が0から1に増大し、且つ減速量VR20%から40%
の区間でグレードが1から0に減少する三角型関数とな
り、減速量が大きいとは、減速量VR20%から40%
の区間でグレードが0から1に増大し、且つ減速量VR
40%以上でグレード1となるS型関数とする。
【0071】そして、前記エンジン負荷センサ215か
ら適宜時間間隔毎(例えば、0.1秒毎)にエンジン負
荷率(ELF)を検出してサンプリングし、CPU21
1にて0.5秒間におけるエンジン負荷率の変化率(C
VELF)を演算して求める。それぞれの規則の前件部
の条件に前記2つの入力値ELF=x1、CVELF=x2
がどの程度適合するかの適合度を前記各メンバーシップ
の関数値から求める。
【0072】前件部が2次元であるので、適合度ωi=
Ai1(x1)*Ai2(x2) とする第1のファジィ演算を実
行する。但し、iは規則の番号、*はmin.演算(理論積
演算)をいう。次に、後件部におけるi番目の規則によ
り第2のファジィ演算を実行して各ルール(規則)の操
作指令(実施例では減速量VR)の候補値を求め、さら
に、複数の制御規則より求まった操作指令の候補値を第
3のファジィ演算(理論積演算等)により統合化し、操
作指令の推論結果を得るのである。
【0073】この操作指令の値(減速量VR)に応じ
て、前記車速モータ201を減速方向に作動させたり、
元位置に戻したりする。この場合、パルス幅制御等によ
り、車速モータ201を駆動する速さVsを図22に示
すように制御する。即ち、図22では、横軸の零点を基
準にして、右方向は車速モータ201を減速方向に作動
する駆動時間、左方向は車速モータ201を復元増速方
向に作動する駆動時間を採り、縦軸に車速モータ201
を駆動する速さVsに採る。
【0074】図22から理解できるように、右側(減速
側)では、速さVsが上向き凸湾曲状の作動曲線A1で
あるので、迅速に車速が減少することがわかる。これに
て、コンバインの操作に熟練したオペレータは、前述の
ような操作をしながらも、コンバインの持つ刈取脱穀能
力の限界一杯まで走行速度を上げるように主変速レバー
の操作位置をセットすることができる一方、未熟なオペ
レータは、走行速度が速い状態で刈取脱穀左右を実行し
ている途次に、圃場条件が変わった位置に来て前述の余
分な操作に注意力が取られる場合に、エンジン負荷に余
裕があっても自動的に車速が減速されるので、未熟なオ
ペレータは戸惑うことなく、刈り残し部分ができないよ
うに刈取脱穀作業を完全にすることができる。
【0075】また、減速変化率が復元増速側の変化率よ
り大きいから、脱穀装置3の箇所での穀稈の詰まり時に
急速に車速を減少させて穀稈詰まりを解消した時点でゆ
っくりと増速させることで、微小のエンジン負荷変動に
対して車速制御のハンチング現象を起こさずに車速を増
速することができる。そして、左側(復元増速側)で
は、最初下向き凸湾曲で、次に変曲点を介して速さVs
が上向き凸湾曲状となる作動曲線B1とする。これによ
れば、復元増速の作動開始(初期)ではゆっくりと増速
を始め、後半には復元増速の変化率が順次大きくなるの
で、急激な速度で車速が復元しないから、オペレータに
急加速の衝撃を与えず、乗り心地が快適となる。
【0076】なお、前記のファジィ制御に加えて、エン
ジン17の負荷率が一定値を越えると減速し、且つエン
ジンの負荷率が一定値以下なら増速することによって、
エンジンの回転数を定格回転数等の一定値に維持したま
ま、エンジン負荷を適正に保持するいわゆるアイソクロ
ナス制御を実行するにあたり、定格回転数が2400rpmの
とき、実際のエンジン回転数が2300rpm より低い状態で
エンジン出力が定格値の状態にて10秒以上継続すると、
エンジン出力を増大させるように、電子ガバナはアクチ
ュエータにより燃料噴射ポンプのラックを移動させるこ
とより燃料供給量を調節する。他方、エンジン負荷率E
LFが80パーセント以下もしくはエンジン出力アップ
(増大)の継続時間が10秒以上継続すると、定格値ま
でエンジン出力を減少させる。さらに、エンジン出力ア
ップ(増大)の継続時間が5秒以上継続すると、エンジ
ン出力が定格値に戻るまで、オーバーロード警報を行
う。これらの制御によれば、エンジン負荷を略一定に保
持した高精度の農作業を行い、且つ急激なエンジン負荷
変動に対して車速減速とエンジン出力アップにて脱穀部
の詰まりによる、作業効率の低下する時間を最小限に押
さえることもできる。
【0077】しかも、オーバーロード警報の発令と、エ
ンジン出力アップの継続時間の制限があるため、エンジ
ン部品や作業機の構成部品に無理な力が作用せず、耐久
性も向上する。なお、前記ファジィ制御に加えて、エン
ジン回転数が2200rpm 以下のとき(定格値より200rpm減
少とき)、前記走行用油圧式変速機構の第1油圧ポンプ
33に対する電磁制御弁77の減速用ソレノイド77a
にて一定量だけ車速減速するように制御しても良い。こ
の場合、前記電磁制御弁77の減速用ソレノイド77a
に対して減速用の連続駆動信号もしくはパルス幅変調制
御用のパルス信号を出力して、前記保持速度の一定割合
だけ減速する。そして、エンジン出力が定格値に戻る
と、徐々に車速が元に復元するように、電磁制御弁77
を作動させることができる。
【0078】なお、主変速レバー13の回動位置は、前
記レバー位置センサ218にて検知され、主変速レバー
13が前進位置にあると検知されるときにはコントロー
ラ(制御装置)210から電磁制御弁77への指令信号
の出力を許容するが、主変速レバー13が中立位置(停
止位置)及び後退位置にあると検知されるときには、コ
ントローラ(制御装置)210から電磁制御弁77への
指令信号の出力を禁止し、不用意にコンバインが動き、
または後退時に増速する等の事態が発生しないようにし
て安全性を確保している。
【0079】なお、本発明は、前記コンバインばかりで
なく、他の種類の農作業機や土木作業機にも適用できる
ことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】脱穀装置の側断面図である。
【図4】コンバインの動力伝達系のスケルトン図であ
る。
【図5】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のス
ケルトン図である。
【図6】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構の油
圧回路図である。
【図7】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のミ
ッションの正面図である。
【図8】走行変速操作部及び操向操作部の側面図であ
る。
【図9】走行変速操作部及び操向操作部の正面図であ
る。
【図10】図9のX−X線矢視で示す機械的連動機構の
平面図である。
【図11】図9のXI−XI線矢視で示す変速用及び操向用
の操作部材の側面図である。
【図12】図11のXII −XII 線矢視で示す変速用及び
操向用の操作部材の正面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線矢視図である。
【図14】操向用のハンドルの操作に伴う作用説明図で
ある。
【図15】操向用の操作部材の要部拡大正面図である。
【図16】図15のXV−XV線矢視で示す操向部の要部拡
大平面図である。
【図17】主変速レバー及び丸ハンドルの両者が中立位
置の状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図18】主変速レバーが前進側に30度傾動され、丸
ハンドルが右旋回方向に135度(最大回動角度)回動
された状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図19】前記機械的連動機構の模式説明図である。
【図20】制御装置の機能ブロック図である。
【図21】(a)は車速の減速量のファジィ規則を示す
図、(b)はエンジン負荷率(ELF)のメンバーシッ
プ関数を示す図、(c)はエンジン負荷率の変化率(C
VELF)のメンバーシップ関数を示す図、(d)は車
速の減速量のメンバーシップ関数を示す図である。
【図22】車速減速用駆動モータの駆動速度の変化を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 走行機体 2a,2b 走行クローラ 3 脱穀装置 4 刈取前処理装置 12 丸ハンドル 13 主変速レバー 13a 副変速レバー 17 エンジン 33 第1(走行用)油圧ポンプ 34 第1(走行用)油圧モータ 36 第2(走行用)油圧ポンプ 37 第7(走行用)油圧モータ 62 回転数(車速)センサ 77a 減速ソレノイド 77b 増速ソレノイド 102 旋回操作アーム 113 変速用リンク機構 114 旋回用リンク機構 120 変速操作部材 121 操向操作部材 201 車速モータ 210 制御装置 211 CPU 214 エンジン回転数センサ 215 エンジン負荷センサ 218 レバー位置センサ 219 燃料供給装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2B076 AA04 DC01 DC03 DD02 EC02 EC17 EC23 ED01 3D041 AA32 AA33 AA76 AB04 AC22 AD02 AD07 AD31 AD36 AD39 AD51 AE07 AE31 AE45 AF05 3G093 AA06 AA09 BA07 BA15 CA05 CB02 DA01 DB05 DB11 DB22 EA06 EB03 EC01 FA00 FB01 FB02 3J067 AA02 AB11 AC12 AC42 AC51 AC53 BB07 CA02 CA03 CA07 CA21 CA32 DB18 DB34 FB61 GA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を、農作業機の走行
    部と作業部とに別別の動力伝達系により動力伝達するよ
    うに構成し、主変速レバーの操作位置に応じて変速可能
    な走行部のミッションを介して車速制御を実行できる車
    速制御手段を備えた農作業機において、 エンジンの負荷を検出する負荷センサを備え、前記車速
    制御手段は、エンジン負荷率とエンジン負荷率の変化に
    応じて、前記主変速レバーの操作位置に対応する車速よ
    りも、適宜車速を減速させるように制御することを特徴
    とする農作業機における車速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車速制御手段は、車速を減速させる
    ための速さが、車速を元の車速に復元増速させるための
    速さより大きくなるようにし、且つ車速を復元増速させ
    るための速さの変化率を初期では遅く、時間経過に従っ
    て大きくなるように制御することを特徴とする請求項1
    に記載の農作業機における車速制御装置。
  3. 【請求項3】 主変速レバーの操作位置をミッションに
    伝達するための連動機構中には、第1アクチュエータを
    介在させ、前記車速制御手段からの指令により、主変速
    レバーの操作位置に拘らず車速を減速し、復元増速すべ
    く前記第1アクチュエータを作動させるように構成した
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の農作
    業機における車速制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンからの動力を、前記走行部にお
    ける走行用油圧式無段階変速機構と、旋回用油圧式無段
    階変速機構と左右一対の遊星歯車変速機構とを介して左
    右一対の走行クローラへの出力軸に伝達させるように構
    成し、主変速レバーと操向ハンドルとを機械的連動機構
    を介して前記走行用油圧式無段階変速機構及び前記旋回
    用油圧式無段階変速機構に連動連結して、これらの出力
    を調節するように構成する一方、前記機械的連動機構に
    は第1アクチュエータとしての減速用駆動モータを連結
    したことを特徴とする請求項3に記載の農作業機におけ
    る車速制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの回転数を検出するエンジン回
    転数センサと、エンジンへの燃料供給量にてエンジンの
    負荷を検出する負荷センサとを備え、前記車速制御手段
    は、アイソクロナス制御を実行しているとき、エンジン
    負荷の急上昇にて所定のエンジン回転数以下になれば、
    車速を一定量減速させ、エンジンの負荷が定格に戻る
    と、車速を徐々に元の値に戻すように制御することを特
    徴とする請求項1に記載の農作業機における車速制御装
    置。
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