JPH1149026A - 作業機における操向制御装置 - Google Patents

作業機における操向制御装置

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JPH1149026A
JPH1149026A JP20817897A JP20817897A JPH1149026A JP H1149026 A JPH1149026 A JP H1149026A JP 20817897 A JP20817897 A JP 20817897A JP 20817897 A JP20817897 A JP 20817897A JP H1149026 A JPH1149026 A JP H1149026A
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JP
Japan
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turning
rotation
steering
hydraulic
traveling
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Application number
JP20817897A
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English (en)
Inventor
Teruyoshi Tonami
照喜 戸波
Wataru Nakagawa
渉 中川
Taiji Mizukura
泰治 水倉
Ritsuko Kajioka
律子 梶岡
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンバインを、丸ハンドル12の回動操作に
て微小旋回させることを確実且つ安定して実行できるよ
うにする。 【解決手段】 丸ハンドル12と一体的に回動する回動
位置検出カム板200に突起部200aを形成し、右位
置検出センサ202にて前記突起部200aを検知する
と、右微小旋回を実行すべく旋回用制御弁80の右旋回
用電磁ソレノイド80aを所定のデューティ比で駆動さ
せる。左位置検出センサ203にて前記突起部200a
を検知すると、左微小旋回を実行すべく左旋回用電磁ソ
レノイド80bを所定のデューティ比で駆動させる。こ
れらにより旋回用の第2油圧ポンプ36の出力を小さく
して、左右走行クローラ2a,2bの速度差を小さく保
持し、微小旋回させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稲、麦、大豆等の
収穫のためのスレッシャやコンバイン等の収穫機等の農
作業機、または地面の土砂を削り、蓄積したのち他の運
搬車に放出するためのブルドーザやモータスクレーパー
等の土木用作業機等のように、左右一対の走行クローラ
を備えた作業機における操向制御する装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平9−39827号
公報等に開示されているように、コンバイン等の収穫機
において、走行機体に搭載したガソリンエンジンやデイ
ーゼルエンジン等の一つのエンジンからの動力を、油圧
ポンプと油圧モータとからなる走行用HST式無段階変
速機構と左右一対の遊星歯車機構とを介して一対の走行
クローラへの動力輪に伝達する一方、油圧ポンプと油圧
モータとからなる旋回用HST式無段階変速機構を介し
て前記一方の遊星歯車変速機構と他方の遊星歯車変速機
構とに互いに逆方向の回転を付与するよう伝達したもの
が開示されている。
【0003】そして、主変速レバーを、前記走行用HS
T式無段階変速機構における油圧ポンプの操作部にワイ
ヤを介して連結して、主変速レバーを中立位置以外の前
進位置もしくは後退位置でその傾動角度を大きくする
と、前進もしくは後退の速度が増大し、中立位置では、
前進も後退もしない。他方、操向ハンドルを中立位置か
ら左右に回動することにより、旋回用HST式無段階変
速機構における油圧ポンプを作動させて左右への旋回を
実行するように構成することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、操向ハ
ンドルを中立位置から少しでも回動すると、旋回動作が
始まり、且つ操向ハンドルの回動角度に比例して旋回半
径が小さくなる(急旋回できる)という比例制御を実行
すると、前記操向ハンドルによる微小な旋回動作はかえ
ってやりにくいという問題があった。
【0005】本発明では、操向ハンドルの操作によって
も、微小旋回動作を確実且つ簡単に実行できるようにし
た作業機における操向制御装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の作業機における操向制御装
置は、エンジンからの動力を、第1油圧ポンプと第1油
圧モータとからなる走行用油圧式無段階変速機構と、左
右一対の遊星歯車変速機構とを介して走行作業機におけ
る左右一対の走行クローラへの出力軸に伝達させるよう
に構成する一方、エンジンからの動力を、第2油圧ポン
プと第2油圧モータとからなる旋回用油圧式無段階変速
機構を介して、前記一方の遊星歯車変速機構と他方の遊
星歯車変速機構とに互いに逆方向の回転を付与するよう
伝達し、主変速レバーの操作にて前記走行用油圧式無段
階変速機構の出力を調節する一方、操向丸ハンドルの操
作にて前記旋回用油圧式無段階変速機構の出力を調節す
るように構成し、前記操向丸ハンドルの回動位置を検出
する回動検出手段を設け、当該丸ハンドルの中立位置か
ら左右に所定回動角度の範囲内にあると判断されると、
前記旋回用油圧式無段階変速機構の出力を微小にする制
御手段を備えたものである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の作業機における操向制御装置において、前記回
動検出手段は、前記操向丸ハンドルの回動と一体的に回
動する回動位置検出カムと、該回動位置検出カムに関連
させて複数の位置検出センサとにより構成し、該位置検
出センサによる検知により、当該丸ハンドルの中立位置
領域、及び中立位置領域から左右に所定回動角度の微小
操作領域、及び該微小操作領域より左右回動角度の大き
い通常旋回領域を各々判別するように構成したものであ
る。
【0008】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1に記載の作業機における操向制御装置において、前記
回動検出手段は、前記操向丸ハンドルの回動に連動する
回動位置センサにより構成し、該回動位置センサの検出
値に対応させて、前記丸ハンドルの中立位置領域、及び
中立位置領域から左右に所定回動角度の微小操作領域、
及び該微小操作領域より左右回動角度の大きい通常旋回
領域を設定するように構成したものである。
【0009】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
2または請求項3に記載の作業機における操向制御装置
おいて、前記微小操作領域では、前記旋回用油圧式無段
階変速機構の出力を微小にするための制御用電磁弁をパ
ルス幅変調作動させるためのコントローラを備えたもの
である。
【0010】
【発明の作用・効果】このように、請求項1に記載の発
明によれば、主変速レバーの操作にて走行用油圧式無段
階変速機構の出力を調節すると、走行速度を任意に変更
調節できる一方、操向丸ハンドルの操作により、旋回用
油圧式無段階変速機構の出力を調節して、左右への旋回
操作を実行することかできる。従って、主変速レバーと
操向丸ハンドルとの両者を操作すると、機体が前進もし
くは後退しながら左右に旋回する動作を実行する。
【0011】ところで、本発明では、操向丸ハンドルの
回動位置を検出する回動検出手段を設け、当該丸ハンド
ルの中立位置から左右に所定回動角度の範囲内にあると
判断されると、前記旋回用油圧式無段階変速機構の出力
を微小にする制御手段を備えたものであるから、操作丸
ハンドルを中立位置から少しだけ左右に回動した範囲内
では微小旋回することに限定される結果、オペレータは
丸ハンドルによる微小旋回操作を安定且つ確実に実行で
きるという効果を奏する。
【0012】また、請求項2に記載の発明のように、前
記回動検出手段を、前記操向丸ハンドルの回動と一体的
に回動する回動位置検出カムと、該回動位置検出カムに
関連させて複数の位置検出センサとにより構成し、該位
置検出センサによる検知により、当該丸ハンドルの中立
位置領域、及び中立領域から左右に所定回動角度の微小
操作領域、及び該微小操作領域より左右回動角度の大き
い通常旋回領域を各々判別するように構成したものや、
請求項3に記載の発明のように、前記回動検出手段を、
前記操向丸ハンドルの回動に連動する回動位置センサに
より構成し、該回動位置センサの検出値に対応させて、
前記丸ハンドルの中立位置領域、及び中立領域から左右
に所定回動角度の微小操作領域、及び該微小操作領域よ
り左右回動角度の大きい通常旋回領域を設定するように
構成したものでは、前記中立位置領域では左右にふらつ
かない直進性を確保できる一方、微小操作領域での微小
旋回操作の実行、通常旋回領域における丸ハンドルの回
動量に比例して旋回半径を小さくする比例旋回操作とい
う操作の区別を、確実に行えという効果を奏する。
【0013】また、請求項2に記載の発明では、回動位
置検出カムと複数の位置検出センサという機械的構成に
より達成できる一方、請求項3に記載の発明のように回
動位置センサによる検出値に応じて前記領域を設定する
場合には、領域の位相及び範囲を任意に調節変更するこ
とが至極容易にできる。さらに、請求項4に記載の発明
は、請求項2または請求項3に記載の作業機における操
向制御装置おいて、前記微小操作領域では、前記旋回用
油圧式無段階変速機構の出力を微小にするための制御用
電磁弁をパルス幅変調作動させるためのコントローラを
備えたものである。
【0014】油圧の制御を、制御用電磁弁のパルス幅変
調作動により実行すると、迅速且つ無段階的に出力調節
できるという効果を奏する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を収穫機であるコン
バインに適用した実施形態について説明する。図1は左
右一対の走行クローラ2a,2bを有する走行車両であ
るコンバインの走行機体1の側面図であり、該走行機体
1上の一側には脱穀装置3を搭載し、該脱穀装置3の前
部には、刈取前処理装置4が図示しない油圧シリンダに
て昇降可能に装着されており、該刈取前処理装置4は、
その下部フレームの下面側にバリカン式の刈取装置5
を、前方には六条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈
引起装置6と脱穀装置3におけるフイードチェン7との
間には穀稈搬送装置が配置れ、穀稈引起装置6の下部前
方には分草体8が突出している。
【0016】脱穀装置3における扱室内の扱胴をその軸
線が走行機体1の進行方向に沿うように配設し、扱室の
一側に配置された前記フイードチェン7にて根元部を挟
持しつつ搬送される穀稈の穂先部が扱室内の扱胴3aに
て脱穀される。扱室の下方には受け網とシーブ等による
揺動選別装置と唐箕フアンの風による風選別装置とを備
え、脱穀装置3の側方に脱穀済みの穀粒を貯留する籾タ
ンク9が搭載されている。また、走行機体1の後部から
突出する穀粒放出オーガ10は、籾タンク9から機体外
の図示しない運搬車に脱穀した穀粒を放出するための水
平回動可能及び俯仰回動可能に構成されている。走行機
体1の前部一側に設けた運転室11内には、図2及び図
3に示すように、運転座席15の前方に、走行機体1を
操向するための丸ハンドル12及び速度変更のための主
変速レバー13と副変速レバー14、さらには各種操作
用のスイッチ(図示せず)が配置されている。
【0017】次に、図4〜図10を参照しながら、2ポ
ンプ2モータ型のHST式無段階変速機構からなる動力
伝達装置20の構成について説明する。図4のスケルト
ン図に示す動力伝達装置20の左右の出力軸21a,2
1bから出力される動力にて回転駆動する駆動輪22,
22により、左右の走行クローラ2a,2bは、それぞ
れ駆動される。
【0018】図4に示す実施例は、ミッションケース3
0内に、後述する左右一対の遊星歯車変速機構31,3
1等からなる差動歯車機構と、第1油圧ポンプ33及び
第1油圧モータ34からなる走行用油圧式無段階変速機
構と、第2油圧ポンプ36及び第2油圧モータ37から
なる旋回用油圧式無段階変速機構と、歯車列よりなり、
中立位置、低速、中速、高速の各変速段を有する副変速
機構50とを備える。
【0019】走行機体1に搭載したエンジン17からの
回転力は、チェンスプロケットと無端チェン60、もし
くはベルト及びプリーとを介して、ミッションケース3
0の外側にて両方の油圧ポンプ33,36の入力軸(共
通軸)33aに伝達し、各油圧ポンプ33,36から7
の吐出油は、伝達ケース61内の油圧路を介してそれぞ
れの油圧モータ34,37に送られる。なお、前記共通
軸33aの一端部には、後述する油圧サーボ手段に圧油
を供給するためのチャージポンプ71が装着されている
(図4、図5(油圧回路図)参照)。
【0020】図4に示すように、左右一対の遊星歯車変
速機構31,31は左右対称状であって、同一半径上に
複数(実施例では3つ)の遊星歯車39,39,39が
それぞれ回転自在に軸支された左右一対の腕輪38,3
8をミッションケース30内にて同軸線上にて適宜隔て
て相対向させて配置する。前記各遊星歯車39にそれぞ
れ噛み合う太陽歯車40,40を固着した太陽軸41の
左右両端は、両腕輪38,38の内側にてその回転中心
部に位置する軸受に回転自在に軸支されている。内周面
の内歯と外周面の外歯とを備えたリングギヤ42は、そ
の内歯が前記3つの遊星歯車39,39,39にそれぞ
れ噛み合うように、太陽軸41と同心状に配置されてお
り、このリングギヤ42は、前記太陽軸41上または、
前記腕輪38の外側面から外向きに突出する中心軸43
上に軸受を介して回転自在に軸支されている。
【0021】前記走行用油圧式無段階変速機構における
容量可変式の第1油圧ポンプ33の回転斜板の傾斜角度
を変更調節することにて、第1油圧モータ34への圧油
の吐出方向と吐出量を変更して、当該第1油圧モータ3
4の出力軸の回転方向及び回転数が調節可能に構成され
ている。そして、第1油圧モータ34の入力軸からの回
転動力は、歯車44,45,46,47を介して従来か
ら周知の歯車機構にて構成された副変速機構50に伝達
され、その出力歯車48を介して太陽軸41に固定した
センター歯車49に伝達される。
【0022】なお、歯車44の軸44aに関連させた歯
車機構51を介して作業機等への回転力を伝達するPT
O軸52に出力する。この場合、PTO軸52の中途部
にはクラッチ手段52aが備えられている。また、前記
副変速機構50等の出力軸に回転数センサ62を連結し
て、前記走行クローラの駆動輪22,22への走行速度
を検出できるようにしている。
【0023】従って、前記走行用油圧式無段階変速機構
からの回転動力は、伝動歯車機構51及び副変速機構5
0を介してセンター歯車49に伝達され、次いで、前記
左右一対の遊星歯車変速機構31,31に伝達され、前
記左側の腕輪38の中心軸43に固着した伝動歯車53
を、左側の出力軸21aに固着した伝動歯車54に噛み
合わせて出力する。同様に、右側の腕輪38の中心軸4
3に固着した伝動歯車53を、右側の出力軸21bに固
着した伝動歯車54に噛み合わせて出力する。
【0024】他方、旋回用油圧式無段階変速機構におけ
る容量可変式の第2油圧ポンプ36の回転斜板の傾斜角
度を変更調節する等にて、第2油圧モータ37への圧油
の吐出方向及び吐出量を変更して、当該第2油圧モータ
37の出力軸の回転方向及び回転数を調節可能に構成さ
れている。そして、第2油圧モータ37からの回転動力
は、歯車機構55を介して一対の伝動歯車56,57に
伝達される。次いで、図4に示すように左側のリングギ
ヤ42の外歯に対しては伝動歯車56と直接噛み合い、
右側の伝動歯車57が逆転軸58に取付く逆転歯車59
に噛み合い、この逆転歯車59と右側のリングギヤ42
の外歯とが噛み合う。
【0025】従って、第2油圧モータ37の正回転に
て、左側のリングギヤ42が所定回転数にて逆回転する
と、右側のリングギヤ42が前記と同一回転数にて正回
転することになる。この構成により、例えば、旋回用油
圧式無段階変速機構を停止させておけば、左右両側のリ
ングギヤ42,42の回転は停止した状態となる。この
場合、図5の油圧回路に示す湿式多板ディスク等の旋回
中立時ブレーキ手段64を作動させて第2油圧モータ3
7の出力軸を停止(固定)させるのが好ましい。この状
態で走行用油圧式無段階変速機構を駆動すると、第1油
圧モータ34からの回転力は、太陽軸41のセンター歯
車49に入力され、その回転力は、左右両側の太陽歯車
40,40に同一回転数にて伝達され、左右両側の遊星
歯車変速機構の遊星歯車39、腕歯車38を介して左右
両側の出力軸21a,21bに平等に同方向の同一回転
数にて出力されるので、直進走行ができる。従って、走
行用油圧式無段階変速機構のみを正回転駆動すると、走
行機体1は直進前進し、逆回転駆動したときには直進後
退する。
【0026】反対に、走行用油圧式無段階変速機構を停
止した状態では、前記太陽軸41及び左右両側の太陽歯
車40,40は固定される。この場合、図5の油圧回路
70に示す湿式多板ディスク等の走行中立時ブレーキ手
段63を作動させて第1油圧モータ34の出力軸を停止
(固定)させるのが好ましい。この状態にて、旋回用の
油圧式無段階変速機構(第2油圧モータ37)を例えば
正回転駆動させると、左の遊星歯車39、腕歯車38か
らなる遊星歯車変速機構は逆回転する一方、右の遊星歯
車39、腕歯車38からなる遊星歯車変速機構は正回転
することになる。従って、左走行クローラ2aは後進す
る一方、右走行クローラ2bは前進するので、走行機体
1はその場で、左にスピンターンすることになる。
【0027】同様にして、旋回用油圧式無段階変速機構
(第2油圧モータ37)を逆回転駆動させると、左の遊
星歯車変速機構31は正回転し、右の遊星歯車変速機構
31は逆回転して、左走行クローラ2aは前進する一
方、右走行クローラ2bは後退するので、走行機体1は
その場で、右にスピンターンすることになる。そして、
走行用油圧式無段階変速機構を駆動しつつ旋回用油圧式
無段階変速機構を駆動した場合には、前進時及び後退時
において、前記スピンターン旋回半径より大きい旋回半
径で右また左に旋回できることになり、その旋回半径は
左右走行クローラ2a,2bの速度に応じて決定される
ことになる。
【0028】図5は、前記走行用油圧式無段階変速機構
及び旋回用油圧式無段階変速機構の油圧回路70を示
し、前記エンジン17にて別途チャージポンプ71を駆
動し、ここからの圧油は、走行用油圧式無段階変速機構
の閉回路及び旋回用油圧式無段階変速機構の閉回路に送
ると共に、走行用の油圧サーボ手段72及び旋回用の油
圧サーボ手段73とに送り、さらに、前記走行中立時ブ
レーキ手段63の電磁制御弁74及び旋回中立時ブレー
キ手段64の電磁制御弁75にそれぞれ送る。
【0029】前記チャージポンプ71からのチャージ圧
油が走行用油圧式無段階変速機構の閉回路に供給される
バイパス回路部分には、チェック弁76a,絞り弁付き
チェック弁76bが配置され、また、旋回用油圧式無段
階変速機構の閉回路に供給されるバイパス回路部分に
も、一対の絞り弁付きチェック弁77a,77bが配置
されている。
【0030】旋回用である第2油圧ポンプ36の上面に
は、自動旋回制御電磁弁80が付設されており、該自動
旋回制御電磁弁80と、前記丸ハンドル12により、後
述の機械的連動機構82を介して操作される手動旋回制
御弁81とにより、旋回用のサーボ手段73が構成され
る。即ち、図10に示すように、ミッションケース30
内に設けられたスプール83をピストン84に対して相
対的に移動させ、このスプール83の動きに応じて、連
動機構としての連結ピン79を介して第2油圧ポンプ3
6の斜板の傾斜角度を変更し、以て丸ハンドル12の左
右回動角度に応じた旋回を実行できるように構成されて
いる(図7参照)。
【0031】また、走行用の油圧サーボ手段72は、主
変速レバー13の手動操作に基づいて、前記旋回用のサ
ーボ手段73における構成と略左右対称状に形成された
手動変速操作弁78を切り換え、該手動変速操作弁78
におけるスプール86をピストン85に対して相対的に
移動させ、このスプール86の動きに応じて、連動機構
としての連結ピン87を介して第1油圧ポンプ33の斜
板の斜板の傾斜角度を変更し、以て主変速レバー13の
セット位置に応じた車速に保持できるように構成されて
いる(図10参照)。
【0032】次に、前記丸ハンドル12と主変速レバー
13との両方の手動操作にて、走行用油圧式無段階変速
機構の第1油圧ポンプ33及び旋回用油圧式無段階変速
機構の第2油圧ポンプ36を操作する機械的連動機構8
2について、図7〜図21を参照しながら説明する。こ
の機械的連動機構82は、 主変速レバー13を中立位置以外の位置(前進・後
退)に回動させた状態で、丸ハンドル12を中立位置
(直進操向)以外の位置(右旋回・左旋回)に回動させ
ると、その丸ハンドル12の回動量に応じて旋回半径が
小となり、且つ旋回半径が小となる程、前進速度或いは
後退速度を減速されるように連動すること。 主変速レバー13を前進方向及び後退方向のいずれの
方向に回動させた状態であっても、丸ハンドル12を右
に回すと右旋回し、丸ハンドル12を左に回すと左旋回
すること。 主変速レバー13を中立位置(前進・後退)の速度0
の位置で、丸ハンドル12を右旋回操作あるいは左旋回
操作させると、その場でスピンターンする、いわゆる超
芯地旋回を実行すること。 を実現できるようにしたものである。
【0033】また、前記機械的連動機構82には、主変
速レバー13及び丸ハンドル12が各々中立位置で、前
記走行用のサーボ手段72の手動変速操作弁78及び旋
回用のサーボ手段73の手動旋回制御弁81をふらつか
ないようにする中立位置保持のための走行デテント手段
90及び旋回デテント手段91を備える(図9参照)。
【0034】図7は2ポンプ2モータ型のHST式無段
階変速機構からなる動力伝達装置20の平面図(一部仮
想線)を示し、図7の右側に走行用の第1油圧ポンプ3
3を、左側に旋回用の第2油圧ポンプ36を入力軸33
aにて駆動させるように配置し、図7の左側にチャージ
ポンプ71を配置し、図7の上側に走行用の第1油圧モ
ータ34を配置する。なお、旋回用の第2油圧モータ3
7は前記第2油圧ポンプ36の下方側に配置されている
(図8参照)。第1油圧ポンプ33の近傍には、同じミ
ッションケース30内に走行用の油圧サーボ手段72と
して、ピストン85と該ピストン85の内径部に摺動可
能に嵌挿されたスプール86とを配置する。同様に、図
10に示すごとく、第2油圧ポンプ36の近傍には旋回
用のサーボ手段73としての前記同様の構成のピストン
84及びスプール83を備える。
【0035】図7〜図9に示すように、走行デテント手
段90と旋回デテント手段91とは、略左右対称形状で
ある。前記走行デテント手段91では、走行用の油圧サ
ーボ手段72のスプール86を摺動移動させるクランク
の回動枢軸92を、ミッションケース30の外面側(図
7の下方側)に突出するボス93の内径に回動可能に嵌
合し、該回動枢軸92には、走行デテント体94の中途
部をナットにて固定し、該デテント体94の先端面に形
成された中立保持カム面94aに対して当接する中立保
持ローラ95aが中立保持アーム95の先端に回動自在
に設けられている。中立保持アーム95は、前記ミッシ
ョンケース30から突設する支軸95bに回動自在に枢
支され、付勢ばね96の付勢力にて中立保持ローラ95
aが中立保持カム面94aに常時押圧するように構成さ
れている(図8及び図9参照)。
【0036】前記ボス93に回動自在に被嵌した筒軸9
7には、ストッパー板98及び主変速レバー13と後述
する機械的連動機構82を介して回動する変速操作アー
ム99の基端を各々固定連結し、筒軸97に被嵌した衝
撃吸収用の捩じりばね100の両端部を前記走行デテン
ト体94に係止する。なお、走行デテント体94の他端
に設けた係合部94bとストッパー板98の係合切欠き
部98aとが係合して、前記変速操作アーム99が所定
角度以上に回動しないよう規制されている。
【0037】旋回デテント手段91では、旋回用の油圧
サーボ手段73のスプール83を摺動移動させるクラン
クの回動枢軸104を、ミッションケース30の外面側
(図7の下方側)に突出するボス103の内径に回動可
能に嵌合し、該回動枢軸104には、旋回デテント体1
05の中途部をナットにて固定し、該デテント体105
の先端面に形成された中立保持カム面105aに対して
当接する中立保持ローラ106aが中立保持アーム10
6の先端に回動自在に設けられている。中立保持アーム
106は、前記ミッションケース30から突設する支軸
106bに回動自在に枢支され、付勢ばね96の付勢力
にて中立保持ローラ106aが中立保持カム面105a
に常時押圧するように構成されている(図9及び図10
参照)。
【0038】前記ボス103に回動自在に被嵌した筒軸
109には、ストッパー板111及び丸ハンドル12と
後述する機械的連動機構82を介して回動させる旋回操
作アーム102の基端を各々固定連結し、筒軸109に
被嵌した衝撃吸収用の捩じりばね112の両端部を前記
走行デテント体105に係止する(図9及び図10参
照)。走行デテント体105の他端に設けた係合部10
5bとストッパー板111の係合切欠き部111aとが
係合して、前記旋回操作アーム102が所定角度以上に
回動しないよう規制されている(図10参照)。
【0039】図9、図11〜図13は機械的連動機構8
2の構成を示し、図9は走行操作アーム99と旋回操作
アーム102の要部拡大正面図、図11は走行変速操作
部及び操向操作部を側面から見た図、図12は正面図、
図13は丸ハンドル12を仮想線で示し機械的連動機構
82を平面で見た図、図14は変速用及び操向用の操作
部材の側面図、図15は変速用及び操向用の操作部材の
正面図、図16は丸ハンドルを仮想線で示す操向部の平
面図、図17は主変速レバー13及び丸ハンドル12の
両者が中立位置の状態の機械的連動機構82の俯瞰図、
図18は主変速レバー13が前進側に30度傾動され、
丸ハンドル12が右旋回方向に135度(最大回動角
度)回動された状態の機械的連動機構82の俯瞰図、図
19は主変速レバー13が後退側に25度傾動され、丸
ハンドル12が左旋回方向に135度(最大回動角度)
回動された状態の機械的連動機構82の俯瞰図、図20
は主変速レバー13が後退側に25度傾動され、丸ハン
ドル12が右旋回方向に135度(最大回動角度)回動
された状態の機械的連動機構82の俯瞰図、図21は前
記機械的連動機構82の模式説明図である。
【0040】機械的連動機構82は、主変速レバー13
と丸ハンドル12とに連結させた変速及び操向連動機構
112と、該連動機構112に連結し、且つ前記変速操
作アーム99と旋回操作アーム102とに連結させた一
対のリンク機構113,114とから構成されている。
変速及び操向連動機構112は次の如くに構成されてい
る。即ち、図14に示すように、前進F(図14の反時
計方向回動)及び後退R(図14の時計方向回動)の各
方向に回動可能な主変速レバー13の基端屈曲部13a
を筒軸115に揺動自在に枢支させる。筒軸115を固
設した回動板116は、コンバインの機体側の機体フレ
ーム117と一体化した固定取付け板117aに軸受を
介して支持された第1枢軸118に枢支されている(図
14及び図15参照)。また、前記回動板116には、
第1枢軸118の軸線と直交してコンバインの前後方向
に延びる第2枢軸119を固設している。
【0041】従って、主変速レバー13の前進F方向
(後退R方向)への回動に応じて、図11及び図14に
おいて、回動板116は、第1枢軸118を中心にして
反時計方向回動(時計方向回動)することになり、第2
枢軸119は図14において前後に俯仰回動することに
なる。第2枢軸119には、変速操作部材120と操向
操作部材121とを別々に回動可能に枢支させ、変速操
作部材120の操作出力部120aは前記一方のリンク
機構113に連動連結し、操向操作部材121の操作出
力部121aは前記他方のリンク機構114に連動連結
させる。
【0042】この一対のリンク機構113,114は、
図11及び図13に示すように、機体フレーム117側
に支持させた揺動軸122の位置及び中間軸124の位
置で前記操向連動機構112と連動される。即ち、変速
操作部材120の操作出力部120aに連結した操作出
力軸125は自在継手126bを介して継手軸126に
連結され、該継手軸126の他端の自在継手126a
は、前記揺動軸122に回動可能に被嵌した揺動筒軸1
27に取付くアーム128に連結される。また、操向操
作部材121の操作出力部121aに連結した操作出力
軸129には、継手軸130の一端の自在継手130b
を連結し、該継手軸130の他端の自在継手130aは
前記揺動軸122に固設したアーム131に連結される
(図13、図14、図15及び図21参照)。
【0043】前記揺動軸122に他端に固設した出力ア
ーム132には、自在継手を介して旋回用第1ロッド1
33を連結する。そして、運転室11を前後回動させる
ための回動支点軸123の近傍位置であって、機体フレ
ーム117側に枢支された中間軸124に回動可能に被
嵌した旋回用第1揺動アーム134に、前記旋回用第1
ロッド133の他端を自在継手を介して連結する(図1
3参照)。
【0044】また、揺動筒軸127の他端に固設した出
力アーム135には、自在継手を介して変速用第1ロッ
ド136を連結し、前記中間軸124に回動可能に被嵌
した変速用第1揺動アーム137には、前記変速用第1
ロッド136の他端を自在継手を介して連結する(図1
3参照)。前記旋回用第1揺動アーム134と一体的に
回動する旋回用第2揺動アーム138に回動可能に連結
された旋回用第2ロッド139の他端は、ミッションケ
ース30の外側(上側)に固定したブラケット140に
固定した支軸141に回動可能に被嵌した旋回用筒軸1
42から突設するアーム143に、自在継手を介して連
結する(図9及び図12参照)。
【0045】前記変速用第1揺動アーム137と一体的
に回動する変速用第2揺動アーム144に回動可能に連
結された変速用第2ロッド145の他端は、前記旋回用
筒軸142とは別個に回動可能となるように支軸141
に被嵌された変速用筒軸146から突設するアーム14
7に自在継手を介して連結される(図12参照)。該変
速用筒軸146から突設するアームブラケット148に
は、変速用サーボロッド149を自在継手を介して連結
し、該変速用サーボロッド149の下端の取付け板15
0に穿設された長溝孔151に、前述した変速操作アー
ム99に突設した係合ピン152を嵌合させ、主変速レ
バー13から変速操作アーム99までの機械的ガタを吸
収させている(図9、図12参照)。
【0046】他方、前記旋回用筒軸142から突出する
アームブラケット153には、旋回用サーボロッド15
4を自在継手を介して連結し、該旋回用サーボロッド1
54の下端の取付け板155に穿設された上下長手の長
溝孔156に、前述した旋回操作アーム102に突設し
た係合ピン157を上下摺動可能に嵌合させる。また、
この取付け板155と係合ピン157との係合を切離し
可能とする連動切離し手段を設ける。この連動切離し手
段の第1実施例として、前記長溝孔156の上下中途部
(主変速レバー13及び副変速レバー14が中立位置
で、且つ丸ハンドル12も中立位置の状態に対応する位
置)には、前記係合ピン157が係合する係合凹所15
8を形成し、さらに、前記取付け板155から下向きに
突設した丸棒アーム159を、規制体161における一
対のガイドコロ160で挟み、該規制体161を電磁ソ
レノイド等のアクチュエータ162にて図12の左右方
向に移動可能とする。前記副変速レバー14が中立位置
以外の位置にあるときにはリミットスイッチ163にて
位置検出して信号を出して、アクチュエータ162を作
動させ、規制体161を図9及び図12の左方向に押し
て、係合ピン157が前記係合凹所158に嵌まり込ん
で係合保持させる。この状態では、旋回用サーボロッド
154が上下動すると、前記係合凹所158及び係合ピ
ン157を介して旋回操作アーム102を上下回動さ
せ、旋回操作することができる。
【0047】逆に、副変速レバー14が中立位置のと
き、リミットスイッチ163の検出信号にて、アクチュ
エータ162を作動させ、規制体161を図9及び図1
2の右方向に戻して、係合ピン157と前記係合凹所1
58との係合を解除させる。このように、アクチュエー
タ162の作動に応じて前記係合ピン157が係合凹所
158に係脱するように選択させ、係合ピン157が係
合凹所158に係合しているときには、丸ハンドル12
の左右旋回操作に応じて旋回操作アーム102を操作可
能に連結し、逆に、前記係合ピン157が係合凹所15
8から係合解除されると、丸ハンドル12の左右旋回操
作に拘らず、旋回操作アーム102は操作しないように
連動連結を解除する(連動切離し)構成とする。
【0048】次に、丸ハンドル12と前記機械的連動機
構82との連動機構について説明すると、主として図1
2、図13及び図16に示すように、丸ハンドル12と
一体的に左右回動するハンドル軸170に歯車171を
設ける一方、後方の回転軸172に取付けられたセクタ
ギヤ173を前記歯車171に噛み合わせる。主変速レ
バー13の下方に配置された操向軸174に取付けした
第1揺動アーム175と、前記セクタギヤ173と一体
的に水平回動する出力アーム176とを、操向リンク機
構としての自在継手付きの操向第1ロッド177にて連
結する。前記第1揺動アーム175と一体的に回動する
第2揺動アーム178と、前記自在継手軸130の前端
側とを、自在継手型の操向第2ロッド179を介して連
結する(図11及び図12参照)。
【0049】従って、丸ハンドル12の左右への回動操
作に応じて、前記第2枢軸119を中心にして操向操作
部材121を回動させ、もって、旋回用第1ロッド13
3を介して旋回操作アーム102を回動操作せる構成で
ある。また、図13及び図16に示すように、前記ハン
ドル軸171と一体的に回動する中立位置決め板180
に、操向検出リンク181の一端を連結し、該操向検出
リンク181の他端の長孔182に摺動自在に係合する
ピン183が取付けられた減速リンク184の中途部を
縦軸185回りに回動可能に支持させ、該減速リンク1
84の他端と、前記操向軸174に回動可能に被嵌した
筒軸188に突設の減速アーム186とを、減速リンク
機構としての自在継手型第1減速ロッド187にて連結
する。また、前記筒軸188から突設したブラケット
と、前記変速操作部材120における連結片189とを
自在継手型の第2減速ロッド190にて連結する(図1
5参照)。これにより、前進・後退状態において、丸ハ
ンドル12の操向量(回動量)を大きくする程、減速第
2ロッド190の下向き移動量(下向き引張量)を大き
くして、直進時に比べて走行速度を減速させるように構
成する。
【0050】なお、図21に示すように、第2枢軸11
9と、操向操作部材121における自在継手軸130の
自在継手部130aとを、前後方向の水平ラインL1上
に位置させると共に、前記2つの自在継手126b,1
30bと第1枢軸118との三者を、前記水平ラインL
1と直交方向の水平ラインL2上に位置させる。さら
に、前記アーム128と継手軸126との自在継手部1
26aと、アーム131と自在継手軸130との自在継
手部130aとを、前記水平ラインL1と並行な左右水
平ラインL3上に位置させるように構成すれば、主変速
レバー13及び丸ハンドル12の中立保持位置におい
て、そのいずれか一方を操作しても、変速操作部材12
0と操向操作部材121とを、第1枢軸118及び第2
枢軸119の回りに回動するのみとし、継手軸126、
自在継手軸130には操作力が作用しないようにするこ
とができる。
【0051】次に、上記構成による、主変速レバー13
及び丸ハンドル12の操作による変速及び旋回の作用に
ついて説明すると、図14に示すように、主変速レバー
13の前進(F)操作で第1枢軸118を中心として変
速操作部材120を前方向に角度α1傾けて継手軸12
6を引張り、後退(R)操作で変速操作部材120を後
方向に角度α2傾けて継手軸126を押す。これによ
り、アーム128を回動作動させて前進・後退時の走行
速度を変速させる。主変速レバー13の前後傾動角度を
大きくする程、走行速度は大きくなる。
【0052】また、主変速レバー13が中立以外の位置
にセットしている場合において、丸ハンドル12を左も
しくは右に旋回操作を実行すると、図15に示すよう
に、第2枢軸119を中心にして、操向操作部材121
を上下に角度β1あるいは角度β2傾けて、自在継手軸
130を引張もしくは押して操向アーム131を回動さ
せ、コンバインを左旋回もしくは右旋回を実行できる。
【0053】なお、図16に示すように、丸ハンドル1
2を左右いずれの方向に回動操作しても、同一方向に角
度θの範囲で減速リンク184を回動させるように、操
向検出リンク181と連結され、且つ丸ハンドル12の
中立位置以外では減速ロッド187及び減速第2ロッド
190を常時引っ張るように構成されているから、前進
操作時の変速操作部材120が図14の角度α1の側に
傾いて、継手軸126を継手部126a側に押して減速
させる。逆に、後退操作時においては、変速操作部材1
20が図14の角度α2の側に傾いて、継手軸126を
継手部126b側に引っ張って、いずれの場合も、旋回
量に比例して減速量が増大するようになる。
【0054】但し、主変速レバー13が中立位置である
ときに、丸ハンドル12を左右方向に回動操作しても、
自在継手軸130は、継手部13aを頂点とし、水平ラ
インL1と直交するラインL2上で円を描くように継手
部130bが移動するように、円錐面状に移動するだけ
であるので、操向アーム131は回動せず、旋回用の油
圧式無段階変速機構が停止状態となる。
【0055】また、前記連動切離し手段によれば、前記
副変速レバー14が中立位置以外の位置にあることをリ
ミットスイッチ163にて検出して制御信号を出して、
アクチュエータ162を作動させ、規制体161を図9
及び図12の左方向に押して、係合ピン157が前記係
合凹所158に嵌まり込む位置を保持させ、前記旋回用
サーボロッド154と旋回操作アーム102とを連結状
態とするので、主変速レバー13の前進・後退の各位置
で副変速レバー14を高速・低速等の任意の変速段にセ
ットし、丸ハンドル12が中立位置では機体を直進操向
させることができ、丸ハンドル12を左右に回動してそ
の方向に旋回させることができる。また、副変速レバー
14を高速・低速等の任意の変速段にセットし、主変速
レバー13を中立位置にセットした状態で丸ハンドル1
2を左右に回動すると、その場で機体を旋回させるスピ
ンターン(超芯地旋回)を実行することができる。
【0056】逆に、副変速レバー14が中立位置のと
き、リミットスイッチ163の検出信号にて、アクチュ
エータ162を作動させ、規制体161を図9及び図1
2の右方向に戻して、係合ピン157と前記係合凹所1
58との係合を解除させるから、この状態では丸ハンド
ル12を左右に回動しても旋回動作をしない。従って、
例えば、副変速レバー14を中立位置にセットして、機
体の前進・後退を停止した状態で、刈取前処理部4や脱
穀部3のみを作動させるべく、主変速レバー13を前進
位置に回動させた場合に、不用意に丸ハンドル12に接
触して、これを回動させても、旋回操作アーム102を
回動させることがなく、前述のいわゆるスピンターンは
起こらないから作業者は安全である。
【0057】このように、アクチュエータ162の作動
に応じて前記係合ピン157が係合凹所158に係脱す
るように選択させ、係合ピン157が係合凹所158に
係合しているときには、丸ハンドル12の左右旋回操作
に応じて旋回操作アーム102を操作可能に連結し、逆
に、前記係合ピン157が係合凹所158から係合解除
されると、丸ハンドル12の左右旋回操作に拘らず、旋
回操作アーム102は操作しないように連動連結を解除
する図22は、前記丸ハンドル12を中立位置から若干
左右に旋回させた範囲内(微小旋回領域)では、前記旋
回用の第2油圧ポンプ36の出力を微小として、旋回半
径が大きく且つその旋回速度も小さい微小旋回(いわゆ
るフィット旋回)を実行できるようにするための、丸ハ
ンドル12の回動角度検出手段と制御手段との第1実施
形態を示す。
【0058】丸ハンドル12の回動角度検出手段は、ハ
ンドル軸170の下端等に固着されて一体的に回動する
回動位置検出カム板200と、該回動位置検出カム板2
00における適宜中心角度θ(実施例では、θ=2度〜
5度程度)を有する突起部200aに当接したときON
信号を出す位置検出センサ(リミットスイッチ)20
1、202,203とからなる。中立位置検出センサ2
01は突起部200a(丸ハンドル12も)が中立位置
を挟んだ位置あるときを検出できるものであり、右位置
検出センサ202及び左位置検出センサ203も適宜中
心角度を挟んで配置されている。
【0059】そして、運転室11等の任意の箇所にはマ
イクロコンピュータ式等の電子式のコントローラ204
を備え、このコントローラ204には、前記位置検出セ
ンサ201、202、203の信号を入力すべく接続す
る。このコントローラ204の出力側には、旋回用油圧
式無段階変速機構の出力制御用電磁弁としての自動旋回
制御弁80(図5参照)の右旋回用電磁ソレノイド80
a及び左旋回用電磁ソレノイド80bを接続する。この
制御弁80の第1実施例は、高速応答制御弁であり、前
記各電磁ソレノイド80a,80bは、コントローラ2
01からのON・OFFのデューティパルス信号に応答
して追従する。
【0060】図23は丸ハンドル12の回動範囲と、そ
れに対応する3つの領域と、旋回の出力制御態様との関
係を示す。丸ハンドルの中立位置領域aは、前記中立位
置検出センサ201が突起部200aを検知(検出信号
ON)することで判別できる。そして、この中立位置領
域aでは、第2油圧モータ36を作動させないようにし
て直進を保持する。前記中立位置領域aから右に所定回
動角度の右微小操作領域cは、回動した突起部200a
を右位置検出センサ202にて検知(検出信号ON)で
きる範囲であり、また、前記中立位置領域aから左に所
定回動角度の左微小操作領域bは、回動した突起部20
0aを左位置検出センサ203にて検知(検出信号O
N)できる範囲である。これらの右微小操作領域c、左
微小操作領域bでは、各電磁ソレノイド80a,80b
は、コントローラ201からのON・OFFのデューテ
ィパルス信号のデューティ比を数%〜1数%とすること
で、出力を微小とする。これにより、第2油圧ポンプ3
6の出力は微小となって、左右の走行クローラ2a,2
bの速度差を少なくし、大きい旋回半径(緩い速度)で
の微小旋回が実行される。
【0061】他方、右通常旋回領域e及び左通常旋回領
域dでは、自動旋回制御弁80は作動させず、丸ハンド
ル12により手動旋回制御弁81を作動させて、丸ハン
ドル12の回動量に比例して旋回半径を小さくする比例
旋回操作を実行するのである。なお、前記デューティ比
は、オペレータが設定するための可変ボリューム等のデ
ューティ比設定器(図示せず)をコントローラ204に
接続すると共に、前記設定されたデューティ比を車速に
応じて自動的に変更調節するため、車速センサ205を
接続する。そして、コントローラ204には、図24に
示すようなマップデータを予め記憶させたRAM(随時
読み書き可能メモリ)もしくはROM(読み出し専用メ
モリ)を有する。前記マップデータのうち曲線Aは、デ
ューティ比設定器により設定されたデューティ比が中程
度の場合、曲線Bはデューティ比が小さい場合、曲線C
はデューティ比が大きい場合を各々示し、横軸に車速、
縦軸にデューティ比が採られている。
【0062】このような構成によれば、オペレータは予
めデューティ比を設定しておき、通常の旋回動作、即
ち、前進(後退)しながら旋回する場合(走行旋回動
作)において、前記マップデータを使用した旋回制御を
実行するとき、例えば、デューティ比設定器により中程
度のデューティ比に設定すると、曲線Aを選択すること
になり、前進(後退)時の車速が速い状態から旋回動作
に入ると、車速が遅い場合に比べてデューティ比が小さ
い方にシフトされ、逆に前進(後退)時の車速が遅い状
態から旋回動作に入ると、車速が速い場合に比べてデュ
ーティ比が大きい方にシフトされるというようにして、
車速(旋回トルク)を略一定状態にして走行旋回を実行
することができるのである。
【0063】図25及び図26は第2実施形態を示し、
丸ハンドル12のハンドル軸170の回動量と比例して
回動するロータリエンコーダ、ロータリポテンショメー
タ等の回動位置センサ206をマイクロコンピュータ等
のコントローラ207の入力側に接続し、このコントロ
ーラ207の出力側には、旋回用油圧式無段階変速機構
の出力制御用電磁弁としての自動旋回制御弁80(図5
参照)の右旋回用電磁ソレノイド80a及び左旋回用電
磁ソレノイド80bを接続する。この制御弁80の第1
実施例は、高速応答制御弁であり、前記各電磁ソレノイ
ド80a,80bは、コントローラ201からのON・
OFFのデューティパルス信号に応答して追従する。
【0064】そして、図26(a)及び図26(b)に
示すように、回動位置センサ206の検出値(出力電
圧)に応じて、f〜g区間は左通常旋回領域、g〜h区
間は左微小操作領域、h〜i区間は中立位置領域、i〜
j区間は右微小操作領域、j〜k区間は右通常旋回領域
であると、コントローラ207にて判別する。次に、図
26(c)に示すように、コントローラ207は、前記
各電磁ソレノイド80a,80bにデューティパルス信
号を出力して、第2油圧ポンプ36の出力を微小にして
いわゆる微小旋回を実行するにあたり、左微小操作領域
で、回動角度が増大する(h→g)につれて、デューテ
ィ比を比例的に増大させると共に、右微小操作領域で、
回動角度が増大する(i→j)につれて、デューティ比
を比例的に増大させるという制御を実行するのである。
なお、中立位置領域(h〜i区間)では、前記両電磁ソ
レノイド80a,80bへの出力は零であり、右及び左
の通常旋回領域では、自動旋回制御弁80は作動させ
ず、丸ハンドル12により手動旋回制御弁81を作動さ
せて、丸ハンドル12の回動量に比例して旋回半径を小
さくする比例旋回操作を実行するのである。
【0065】なお、デューティ比が大きいと、前記自動
旋回制御弁80における右旋回用電磁ソレノイド80a
又は左旋回用電磁ソレノイド80bの単位時間当たりの
ONパルス時間が大きくなるから、旋回用である第2油
圧ポンプ36の出力が大きくなり、早い速度(もしくは
大きくトルク)により走行機体を旋回させる。従って、
緩い速度(小さいトルク)で旋回を実行したいときに
は、前記デューティ比を予め小さくなるようにセットす
ることが好ましい。
【0066】次に、図27〜図29を参照しながら、旋
回用の油圧サーボ手段73における微小旋回作用の機構
について説明すると、図27に示すように、ケースブロ
ック30内に油圧サーボ手段73として、旋回用ピスト
ン84と該旋回用ピストン84の内径部に摺動可能に嵌
挿されたスプール83とを配置する。このケースブロッ
ク30の外面側(図27の下方側)に突出するボス10
3の内径に回動枢軸104を回動可能に嵌合し、該回動
枢軸104には、旋回デテント体105の中途部をナッ
ト108にて固定し、該旋回デテント体105の先端面
に形成された中立保持カム面105aに対して当接する
中立保持ローラ106aが中立保持アーム106の先端
に回動自在に設けられている。中立保持アーム106
は、前記ケースブロック30から突設する支軸に回動自
在に枢支され、付勢ばね107の付勢力にて中立保持ロ
ーラ106aが中立保持カム面105aに常時押圧する
ように構成されている(図9及び図27参照)。
【0067】前記ボス103に回動自在に被嵌した筒軸
109には、ストッパー板111及び主変速レバー13
と図示しない連動機構を介して回動する操作アーム10
2の基端を各々固定連結し、筒軸109に被嵌した衝撃
吸収用の捩じりばね112の両端部を前記旋回デテント
体105に係止する。なお、旋回デテント体105の他
端に設けた係合部105bとストッパー板111の係合
切欠き部111aとが係合して、前記旋回操作アーム1
02が所定角度以上に回動しないよう規制されている。
【0068】前記回動枢軸104の内端に固定したクラ
ンクアーム104aの自由端から突設したピン104b
は、スプール83における下部凹溝210に係合してい
る。従って、操作アーム102の回動角度に応じてクラ
ンクアーム113の自由端側を回動させ、スプール83
が旋回用ピストン84の内径部84aに対して相対的に
上下(軸線方向)に移動できるように構成されている。
これにより手動切換弁73が構成されている。
【0069】図28(a)はピストン84の縦断面図、
図28(b)は図28(a)のXXVIIIB−XXVIIIB線矢
視図、図28(c)は右側面図、図28(d)は図28
(c)の右端面図、図28(e)は図28(a)のXXVI
IIE−XXVIIIE線矢視図、図28(f)は図28(e)
のXXVIIIF−XXVIIIF線矢視断面図である。これらの図
から理解できるように、ピストン84の内径部84aに
はスプール83が軸線に沿って移動可能な内径部84a
を有し、外周の中途部に切欠き形成した凹所の一側面に
は、前記ピン104bが遊嵌できる挿通孔84bが穿設
されている。ケースブロック30に穿設したシリンダ2
11の一側周面には、チャージポンプ71から圧油が供
給されるための圧油孔212を穿設し、ピストン84の
外周一側面には、軸線方向に長手のポンプポート213
を凹み形成し、該ポンプポート213からピストン84
の内径部84aに向かって穿設油路213aが形成され
ている。また、ピストン84の内径部84aには、前記
穿設油路213aの部位を軸線方向に挟んだ位置に第1
ポート214、第2ポート215が形成されている(図
28(a)及び図28(e)参照)。そして、ピストン
84の内径部84aより外側には、軸線方向に沿い且つ
ピストン84の各端面に開放される2本の油路216,
217が穿設され、油路216は、第1ポート214と
シリンダ211の第1端室218とに連通するように形
成され、他方の油路217は第2ポート215とシリン
ダ211の第2端室219とに連通するように形成され
ている(図8及び図28(a)参照)。
【0070】図29(a)はスプール83の縦断面図、
図29(b)はスプール83の外周側面図を示し、スプ
ール83の内径部には軸線方向に沿いスプール83の両
端面に貫通する内径通路220を備え、また、スプール
83の外周面には、前記下部凹溝210の位置よりも上
位置に、第1外周油路221、第2外周油路222、第
3外周油路223が各々所定の間隔にて形成されてお
り、第1外周油路221及び第3外周油路223には各
々前記内径通路220に連通する排出通路224,22
5が穿設されている。
【0071】さらに、第1外周油路221と第2外周油
路222との間のランド部には、軸線方向に所定寸法の
矩形状の平行切欠き部226、227を形成し、第2外
周油路222と第3外周油路223との間のランド部に
は、軸線方向に所定寸法の矩形状の平行切欠き部22
8、229を形成する(図29(b)参照)。この平行
切欠き部226と227とは、電磁制御弁80もしくは
丸ハンドル12操作によりスプール83に対して相対的
に上移動又は下移動したピストン84における第1内径
通路214と各々オーバラップし得る。平行切欠き部2
28と229とは、同じくスプール83に対して相対的
に上移動又は下移動したピストン84における第2内径
通路215と各々オーバラップし得る。
【0072】従って、スプール83とピストン84との
上下方向の相対移動により、スプール83の第3外周通
路223(及び平行切欠き部229)がピストン84の
第2ポート215と連通するとき、ピスト84における
油路217とスプール83の内径通路220とが連通す
る。同様に、スプール83の第1外周通路221(及び
平行切欠き部226)がピストン84の第1ポート21
4と連通するとき、ピスト84における油路216とス
プール83の内径通路220とが連通する。
【0073】そして、前記上下移動するピストン84の
外周凹所230に係合した連動機構としての連結ピン7
9は、第2油圧ポンプ36の斜板に連結し、ピストン8
4の移動に応じて斜板の傾斜角度変更すべく当該斜板を
回動させ、もって左右旋回を制御するように構成する。
電磁制御弁80の右旋回用ソレノイド80a及び左旋回
用ソレノイド80bに指令信号が入力されていない状態
では、シリンダ211の第1端室218及び第2端室2
19のいずれにもチャージポンプ71からの圧油は作用
しない。
【0074】他方、丸ハンドル12を中立位置に位置さ
せると、旋回操作アーム102及び中立保持アーム10
6を介して旋回デデント体105の中立保持カム面10
5aの中立位置に前記中立保持ローラ106aが位置す
る一方、ストッパ杆105、回動枢軸104及びクラン
クアーム113を介してその先端のピン114、下部凹
溝210にてスプール83を前記ピストン84に対して
所定位置で停止する。この状態では、チャージポンプ7
1からの圧油が圧油孔212を介してピストン84外周
面のポンプポート213に供給されるが、スプール83
が中立位となり、当該スプール83における第1外周油
路221と第2外周油路222との間のランド部に圧油
が入るだけで、他のランド部がピストン84の内周にお
ける第1ポート214及び第2ポート215を塞ぐので
油圧カットされ、従って、ピストン84は上下移動しな
い。従って、コンバインは前進・後退において直進す
る。
【0075】通常旋回操作では、電磁制御弁80がOF
Fの状態であって、丸ハンドル12を中立位置よりも右
方向に回動させると、その回動角度の大きさに応じて旋
回半径が小さくなる(急旋回できる)操向を実行する。
このとき、丸ハンドル12の動きに連動する連動機構を
介して前記操作アーム102が所定方向に回動し、この
動きをデデント体105、回動枢軸104を介してクラ
ンクアーム113を所定方向に所定角度だけ回動させ
る。このクランクアーム113先端のピン114がスプ
ール83の下部凹溝210に嵌合しているので、当該ス
プール83は上又は下位置に所定量だけ移動する。そし
て、例えば、スプール83がピストン84に対して相対
的に上移動し、第2外周油路222がピストン110に
おける第2ポート215に連通する位置に来たときに
は、チャージポンプ71からの圧油が圧油孔212→ポ
ンプポート213→第2外周油路222→第2ポート2
15→油路217を介してピストン84の下端側の第2
端室219に送られ、当該ピストン84を上向きに移動
させるから、連結ピン79を介して第1油圧ポンプ33
の斜板を所定角度回動して、第2油圧モータ37を所定
速度にて回転駆動させるように圧油を送ることになる。
なお、第1端室218からの戻り油は、油路216→第
1ポート214→第1外周路221→排出通路224→
内径通路220を経てドレンに戻される。
【0076】逆に、中立位置よりも左方向に丸ハンドル
12を回動させると、その回動角度が大きくなると旋回
半径小さくなる操向を実行するのであって、前記スプー
ル83が下降移動し、第2外周油路222がピストン1
10における第1ポート214に連通する位置に来るこ
とにより、チャージポンプ71からの圧油が圧油孔21
2→ポンプポート213→第2外周油路222→第1ポ
ート214→油路216を介してピストン84の上端側
の第1端室218に送られ、当該ピストン84を下向き
に移動させ、斜板を回動させてコンバインを左旋回させ
るべく第2油圧モータ37に圧油を送る。このとき、第
2端室219からの戻り油は、油路217→第2ポート
215→第3外周路223→排出通路225→内径通路
220を経てドレンに戻される。しかして、この構成が
手動切換弁73に対応することは以上の説明にて容易に
理解できるであろう。
【0077】そして、前記丸ハンドル12が前述の右微
小操作領域、左微小操作領域にあるときには、電磁制御
弁80の右旋回用ソレノイド80aもしくは左旋回用ソ
レノイド80bに所定の信号が入り、ピストン84をス
プール83に対して相対的に上移動または下移動させる
ことで、前記旋回用の第2油圧ポンプ36における斜板
の回動角度を変更制御すべく連結ピン79を上または下
に所定量移動させることができる。
【0078】例えば、左側に微小旋回操作するときに
は、左旋回用ソレノイド80bに所定のデューティ比の
パルス信号を付与し、図27に示すように、第1端室2
18にチャージポンプ71からの圧油が電磁制御弁80
を介して送られ始めると、ピストン84の上端に油圧が
作用して当該ピストン84を下降させる。そして、スプ
ール83の第1外周通路221とピストン84内径の第
1ポート214とが連通すると、余剰の油は排出通路2
24から内径通路220を介してドレンに戻される。な
お、スプール83の第1外周通路221に連通する平行
切欠き部226が第1ポート214と連通すると、平行
切欠き部226の絞り効果により流量制御を行う。さら
に、ピストン84が下降すると、第2外周通路222と
第2ポート215とが連通し、チャージポンプ71から
の圧油がポンプポート213→第2外周通路222→第
2ポート215→油路217を介してピストン84の下
端側に対する第2端室219に供給されるが、電磁制御
弁80側の戻り油回路を介してドレンに戻され、旋回用
の第2油圧ポンプ36の斜板の傾斜角度を低速領域に抑
えることにより、設定されたデューティ比のみで第2油
圧ポンプ36の出力を抑制する以上に当該第2油圧ポン
プの出力を低減させて、左右走行クローラに大きな速度
差が発生せず、微小旋回操作が一層確実にできるという
効果を奏する。
【0079】なお、本発明は、前記コンバインばかりで
なく、他の種類の農作業機や土木作業機にも適用できる
ことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】コンバインの正面図である。
【図4】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のス
ケルトン図である。
【図5】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構の油
圧回路図である。
【図6】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のミ
ッションの後面図である。
【図7】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のミ
ッションの一部破断で示す平面図である。
【図8】2ポンプ2モータ型油圧式無段階変速機構のミ
ッションの一部破断で示す正面図である。
【図9】走行操作アームと旋回操作アームの要部拡大正
面図である。
【図10】図7のX−X線矢視で示すミッションの側面
図である。
【図11】走行変速操作部及び操向操作部の側面図であ
る。
【図12】走行変速操作部及び操向操作部の正面図であ
る。
【図13】図12のXIII −XIII 線矢視で示す機械的
連動機構の平面図である。
【図14】変速用及び操向用の操作部材の側面図であ
る。
【図15】変速用及び操向用の操作部材の正面図であ
る。
【図16】丸ハンドルを仮想線で示す操向部の要部拡大
平面図である。
【図17】主変速レバー及び丸ハンドルの両者が中立位
置の状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図18】主変速レバーが前進側に30度傾動され、丸
ハンドルが右旋回方向に135度(最大回動角度)回動
された状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図19】主変速レバーが後退側に25度傾動され、丸
ハンドルが左旋回方向に135度(最大回動角度)回動
された状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図20】主変速レバーが後退側に25度傾動され、丸
ハンドルが右旋回方向に135度(最大回動角度)回動
された状態の機械的連動機構の俯瞰図である。
【図21】前記機械的連動機構の模式説明図である。
【図22】微小旋回操向制御装置の第1実施例を示すブ
ロック図である。
【図23】中立位置領域、左右微小操作領域、通常旋回
領域の別を示す説明図である。
【図24】デューティ比を自動的に変更調節するための
デューティマップである。
【図25】微小旋回操向制御装置の第2実施例を示すブ
ロック図である。
【図26】(a)は前記第2実施例における 中立位置
領域、左右微小操作領域、通常旋回領域の別を示す説明
図、(b)は回動位置センサの出力値(検出値)と前記
各領域との関係を示す図、(c)は左右微小操作領域に
おける回動角度と増減すべきデューティ比との関係を示
す図である。
【図27】旋回サーボ手段73と旋回用電磁制御弁80
とを利用した微小旋回操作の作用説明図である。
【図28】(a)は旋回サーボ手段73におけるピスト
ンの縦断面図、(b)は図28(a)のXXVIIIB−XXVI
IIB線矢視図、(c)は右側面図、(d)は図28
(c)の右端面図、(e)は図28(a)のXXVIIIE−
XXVIIIE線矢視図、(f)は図28(e)のXXVIIIF−
XXVIIIF線矢視図である。
【図29】(a)はスプールの縦断面図、(b)はスプ
ールの側面図である。
【符号の説明】
1 走行機体 2a,2b 走行クローラ 3 脱穀装置 4 刈取前処理装置 12 丸ハンドル 13 主変速レバー 17 エンジン 33 第1(走行用)油圧ポンプ 34 第1(走行用)油圧モータ 36 第2(走行用)油圧ポンプ 37 第7(走行用)油圧モータ 80 自動旋回制御弁 80a 右旋回電磁ソレノイド 80b 左旋回電磁ソレノイド 99 変速操作アーム 102 旋回操作アーム 200 回動位置検出カム板 200a 突起部 201 中立位置検出センサ 202 右位置検出センサ 203 左位置検出センサ 204 コントローラ 205 車速センサ
フロントページの続き (72)発明者 梶岡 律子 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を、第1油圧ポンプ
    と第1油圧モータとからなる走行用油圧式無段階変速機
    構と、左右一対の遊星歯車変速機構とを介して走行作業
    機における左右一対の走行クローラへの出力軸に伝達さ
    せるように構成する一方、エンジンからの動力を、第2
    油圧ポンプと第2油圧モータとからなる旋回用油圧式無
    段階変速機構を介して、前記一方の遊星歯車変速機構と
    他方の遊星歯車変速機構とに互いに逆方向の回転を付与
    するよう伝達し、 主変速レバーの操作にて前記走行用油圧式無段階変速機
    構の出力を調節する一方、 操向丸ハンドルの操作にて前記旋回用油圧式無段階変速
    機構の出力を調節するように構成し、 前記操向丸ハンドルの回動位置を検出する回動検出手段
    を設け、当該丸ハンドルの中立位置から左右に所定回動
    角度の範囲内にあると判断されると、前記旋回用油圧式
    無段階変速機構の出力を微小にする制御手段を備えたこ
    とを特徴とする作業機における操向制御装置。
  2. 【請求項2】 前記回動検出手段は、前記操向丸ハンド
    ルの回動と一体的に回動する回動位置検出カムと、該回
    動位置検出カムに関連させて複数の位置検出センサとに
    より構成し、該位置検出センサによる検知により、当該
    丸ハンドルの中立位置領域、及び中立位置領域から左右
    に所定回動角度の微小操作領域、及び該微小操作領域よ
    り左右回動角度の大きい通常旋回領域を各々判別するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業機
    における操向制御装置。
  3. 【請求項3】 前記回動検出手段は、前記操向丸ハンド
    ルの回動に連動する回動位置センサにより構成し、該回
    動位置センサの検出値に対応させて、前記丸ハンドルの
    中立位置領域、及び中立位置領域から左右に所定回動角
    度の微小操作領域、及び該微小操作領域より左右回動角
    度の大きい通常旋回領域を設定するように構成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の作業機における操向制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記微小操作領域では、前記旋回用油圧
    式無段階変速機構の出力を微小にするための制御用電磁
    弁をパルス幅変調作動させるためのコントローラを備え
    たことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の作
    業機における操向制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001056864A1 (fr) * 2000-02-03 2001-08-09 Yanmar Diesel Engine Co., Ltd. Vehicule terrestre a propulsion hydraulique
KR20020074948A (ko) * 2001-03-23 2002-10-04 기아자동차주식회사 차량 조향장치
JP2012065575A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd 移植機
JP2012130303A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Yanmar Co Ltd コンバイン

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