JP2002210047A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッドInfo
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Abstract
フェース角など安定した形状のゴルフクラブヘッドを提
供する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッド1は、中空殻体形状
のヘッド本体2と、該ヘッド本体2の上面部2aの開口
3をソール部2bの開口4に上方から差込まれ、溶接さ
れた筒状体5とを備えている。この筒状体5のうち、該
上面部2aの開口3から上方に突出した部分がホゼル部
Hである。筒状体5の凸部6が開口3の鍔部3aの上面
の平坦面に重ね合わされ、溶接される。筒状体5の下端
が厚肉部8となっている。
Description
ラブヘッドに関するものであり、特に中空形状のヘッド
本体に筒状体を挿入して溶接することによりホゼル部を
形成したゴルフクラブヘッドに関するものである。
ゴルフクラブヘッドにあっては、内部を中空とした金属
製中空ゴルフクラブヘッドが広く用いられている。第4
図は、ウッド型ゴルフクラブの正面図、第5図はその側
面図である。周知の通り、このウッド型等のゴルフクラ
ブヘッドにあっては、上面部のプレーヤーに近い側から
筒状のホゼル部が上方に突設され、このホゼル部にシャ
フトが挿入され、接着剤によって接着されている。
ヘッド、特にウッド型のゴルフクラブヘッドにおいて
は、ロストワックスを用いた鋳造方法によりゴルフクラ
ブヘッドを製造することが多い。このロストワックス鋳
造法によりホゼル部もヘッド本体と一体に鋳造する場
合、割り中子の脱型抜き勾配の関係上、該ホゼル部に引
き続くヘッド本体内のシャフト挿入部が全体としてヘッ
ド本体に連なったものとなり、ヘッドのヒール側の重量
が徒に大きくなってしまう。
ド本体の上面部及びソール部にそれぞれ開口を設け、こ
れらの開口を通してパイプを該ヘッド本体に差込み、該
上面部及びソール部の各開口の縁部に溶接することがあ
る。このパイプの上部がヘッド本体の上面部から上方に
突出することによりホゼル部を構成する。
プとしては、一様な肉厚の円筒形パイプが用いられてお
り、この肉厚は、溶接が十分に効く比較的大きなものと
されている。このような比較的大きな肉厚のパイプは重
量が大きく、ヘッド重心Gがヒール側に偏り易い。即
ち、第4図のXG及びDXGが大きい。
トウ側(プレーヤーから遠い側)に配置することができ
るゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
ド本体に差し込んで溶接する場合、ヘッド本体の開口と
パイプとの間にクリアランスが存在するので、溶接する
前の段階ではパイプの動き得る範囲が大きく、(即ち、
パイプがぐらつき易く、)パイプとヘッド本体との位置
合わせ誤差が大きい。
わせ誤差を小さくすることが可能なゴルフクラブヘッド
を提供することを第2の目的とする。
ルフクラブヘッドは、ホゼル部がヘッド本体から上方に
突設されたゴルフクラブヘッドにおいて、該ホゼル部
は、中空形状の該ヘッド本体に挿入されて固着された筒
状体の上部よりなり、該ヘッド本体のソール部と上面部
にそれぞれ該筒状体の挿入用の開口が設けられ、該筒状
体は、各開口の縁部にそれぞれ溶接されており、該筒状
体は、該ヘッド本体に溶接された部分がその他の部分よ
りも厚肉とされていることを特徴とするものである。
ッド本体に筒状体を差込んで溶接したものであり、ロス
トワックス鋳造法により製造されたゴルフクラブヘッド
に比べ、重心がフェースセンター側に位置する。即ち、
XG及びDXGが小さい。
状体のうちヘッド本体に溶接される部分を厚肉とし、そ
の他の部分よりも薄肉としているので、筒状体の重量
は、一様な肉厚のパイプに比べて小さい。このため、一
様な肉厚のパイプを用いたゴルフクラブヘッドよりも重
心をさらにフェースセンター側に位置させることができ
る。なお、筒状体のうち溶接される部分の肉厚は大きく
とってあるから、筒状体の溶接強度も十分に高く、ゴル
フクラブヘッドの耐久性も良好である。
下部の外周に凸部が周設され、該凸部が該ヘッド本体に
溶接されている構成(請求項2)としてもよい。
部をヘッド本体の上面部の開口に係合させて溶接するこ
とができ、筒状体とヘッド本体との溶接強度が著しく高
くなる。
縁部に平坦面が形成されており、前記筒状体の凸部が該
平坦面に上方から係合している構成(請求項3)とする
ことが好ましい。
溶接前の段階での筒状体のぐらつきが防止され、筒状体
とヘッド本体との位置合わせ誤差が著しく小さくなる。
せる場合、筒状体はヘッド本体の開口に上方から差込ま
れる。この際、筒状体と開口とのクリアランスを小さく
するために、筒状体の凸部よりも下側の外径は各開口よ
りもごくわずかだけ小さいことが好ましい。そして、筒
状体の下部の肉厚を大きくするには、筒状体の下部の内
径を小さくする(請求項4)のが好ましい。
について説明する。第1図は実施の形態に係るゴルフク
ラブヘッドの製造途中を示す正面図であり、ヘッド本体
は縦断面とされている。第2図は実施の形態に係るゴル
フクラブヘッドのヘッド本体と筒状体との係合状態(溶
接前)を示す正面断面の要部拡大図である。図3は実施
の形態に係るゴルフクラブヘッドの正面断面図である。
1は、中空殻体形状のヘッド本体2と、該ヘッド本体2
の上面部2aの開口3及びソール部2bの開口4に上方
から差込まれ、溶接された筒状体5とを備えている。こ
の筒状体5のうち、該上面部2aの開口3から上方に突
出した部分がホゼル部Hである。
縁からは、該開口3の中心側に鍔部3aが突設されてお
り、該鍔部3aの上面は、筒状体5の軸心線方向と直交
する平坦面となっている。
工して製作したものであり、該鍔部3aの平坦面に上方
から重なるように、凸部6がホゼル部Hの下部外周面か
ら突設されている。この凸部6は該外周面の全周にわた
り鍔状に周設されている。この凸部6の上部は、筒状体
5の上方に向って次第に小径となる傘状部6aとなって
いる。この傘状部6aに引きつづく部分は、円環形の等
径部6bである。この等径部6bの下側の段差面6cが
前記鍔部3aの上面に重ね合わされる。この段差面6c
は、筒状体5の軸心線方向と直交する。
面の外径は該等径部6bよりも大きい。そして、この平
坦面と該等径部6bとの交叉部が隅角を形成するので、
隅肉溶接を施すことにより凸部6と開口3の縁部とを強
固にしかも容易に溶接することができる。また、それぞ
れ筒状体5の軸心線方向と直交する段差面6cと鍔部3
aの上面の平坦面とを突き合わせることにより、筒状体
5をぐらつかせることなくヘッド本体2に位置合わせし
て溶接することができ、筒状体5の位置合わせ誤差もき
わめて小さいものとなる。なお、種々の実験の結果、こ
のぐらつき角度は、従来では±1°程度であったが、本
発明によると±0.5°以下にできることが認められ
た。
等径であり、内周面もほぼ等径であるが、内周面の上端
近傍は、上端ほど径が大きくなるテーパ部7となってい
る。このテーパ部は、ホゼル部Hに差込まれたシャフト
に対しホゼル部上端の角縁付近から加えられる局部的な
曲げ応力を緩和するためのものである。
が略等径であるが、下端近傍は若干、外径が大きくなっ
ている。筒状体5の下端近傍の内径は、それよりも上側
に比べて小さくなっており、これにより、厚肉部8が形
成されている。この厚肉部8を設けたことにより、開口
4の縁部と筒状体5とを強固に溶接することができる。
なお、厚肉部8の上側の内径は、前記テーパ部7に到る
まで等径であることが好ましい。これは、金属製ゴルフ
ヘッドのホゼル部に挿入されるシャフトの先端部は等径
であることが多いためである。
状体5内に挿入したシャフトの位置決め用段差面に利用
することもできる。
後、筒状体5の下端部分及び余分な溶接肉をグラインダ
ー等によって除去し、滑らかに仕上げる。その後、必要
に応じメッキや塗装を施してゴルフクラブヘッドが完成
する。
端から下端まで貫通しているが、筒状体5の下端は封じ
られていてもよい。
説明する。
中空部を有するゴルフクラブヘッドに係るもので、ウッ
ド型ゴルフクラブヘッド、ユーティリティゴルフクラブ
ヘッド、アイアン型ゴルフクラブヘッド等に利用でき、
ウッド型ゴルフクラブヘッドに好適である。中でも、ヘ
ッド体積が大きいドライバー用のゴルフクラブヘッドに
特に好適である。
ドとしては、ヘッド体積220cc以上、好ましくは2
50cc以上450cc以下、特に好ましくは、300
cc以上400cc以下で、ヘッド重量が205g以
下、好ましくは170g以上195g以下、特に好まし
くは、175g以上190g以下のものが好適である。
鋼、マルエージング鋼、銅合金、チタニウム合金、アル
ミニウム合金などを主な原料とすることが好ましい。ま
た、例えばタングステンやタングステン合金などのヘッ
ド本体より比重の大きい材料を、ウェイト材として、重
心位置や、ヘッド重量の調整に用いても良い。
型ゴルフクラブヘッドの場合クラウン部)及びソール部
を構成しており、ウッド型ゴルフクラブヘッドの場合
は、さらにサイド部を有している。これら、各部は、鍛
造やプレス加工によりそれぞれ別々に、または、一部別
体で形成され、溶接によりヘッド本体を形成しても良
く、また、鋳造により一体的に形成されていても良い。
ヘッド本体を鋳造にて成形した方が、各部の分割が少な
く、溶接部分が少なくなるので、重量が安定するので好
ましい。
体で作成しても良い。特にフェース部には、弾性率の低
い金属や硬度または引っ張り強度の高い金属を用いても
良い。
された時に、たわむので、鍛造や板材をプレス加工した
ものが、鬆等の内部欠陥が無く強度上好ましく、フェー
ス面の厚さを薄肉に設計できる。
金を用いると、ヤング率はおよそ10900kg/mm
となり、フェース部材にβチタニウム合金を用いるとお
よそ10300kg/mm以下となり、フェース部材の
方がたわみやすくなるので、好ましい。具体的には、ヘ
ッド本体をTi−6Al−4Vで作成し、フェース部材
をTi−15Mo−3Cr−3Al−3Snなどで作る
ことが好ましい。また、Ti−4.5Al−3V−2M
o−2Feは、成形時に塑性変形し易く、非常に作りや
すく好ましいホゼル部を構成するための筒状体は、ヘッ
ド本体より柔らかい金属材料や、快削鋼、快削チタン合
金などの切削性の良い金属材料が好ましい。例えば、ヘ
ッド本体をチタニウム合金であるTi−6Al−4Vを
用い、筒状体に、Ti−3Al−2Vや、純チタン(J
IS1種、JIS2種)等を用いることができる。チタ
ニウム合金の切削性を向上させるために硫黄(S)及び
希土類元素(REM,Ce,La等)をチタニウム合金
に添加すると、粉破砕性が向上し、切削抵抗が減少し好
ましい。しかし、Ti−6Al−4Vは、切削加工も可
能であるので、同一の材料を使用することは、可能であ
る。
形成用筒状体に用いる場合、以下の点に注意する必要が
ある。チタン合金は、熱伝導性が低く蓄熱しやすい。ま
た、工具と反応しやすく、焼き付けや溶着しやすい。更
に、鋼材に比べヤング率が低いので、たわみやすい。そ
の為、切削用工具は、高速度鋼工具(Mo系ハイスカー
等)や大量に切削を行う場合には、超硬工具(WC−C
o系の単一カーバイト工具等)特にダイヤモンド工具を
用いるのが好ましい。切削油剤は、低速重切削時等の場
合は、不水溶性切削油剤が良く、高速時には水溶性切削
油剤を使用する方が好ましい。チタニウム及びチタニウ
ム合金は鋼より高温になり蓄熱するので、水溶性切削油
剤の方が素早く冷却するためである。
ば、ヘッド本体にSUS630を用い、ホゼル用筒状体
にSUS304を用いることが好ましい。
にあることが好ましく、特に好ましくは、55mm以上
90mm以下である。アイアンヘッドであれば、シャフ
トとの接着代が25mm以上、ウッドヘッドでも接着代
が35mm以上あれば実用上問題ない。逆に接着代を長
くし過ぎるとゴルフクラブヘッドのヒール寄りに重心が
寄ってきてしまうので好ましくない。
6〜10mm、とくに、直径7.5〜9.5mmが好ま
しい。
部分の内径よりも0.5〜2.5mm小さいことが好ま
しい。
ても構わないときには、筒状体5の下端の外径を大きく
することにより厚肉部を形成してもよい。
すゴルフクラブヘッドを製造した。
製法により鋳造でTi−6Al−4Vを用いて作成し、
フェース部は丸棒より鍛造にてTi−4.5Al−3V
−2Mo−2Fe(SP700)を塑性加工により形作
り、筒状体は円柱状の丸棒より切削加工により快削性の
良いTi−3Al−2Vを用い製造した。筒状体は、円
柱の中心にシャフトを通す穴が直径8.7mmで設けて
あり、下端部は、内径6.5mmの厚肉部8とした。厚
肉部8の筒状体長手方向の長さは18mmとした。
してテーパ部7を形成した。
るように凸部を設け、凸部の最大直径は15mmとし
た。
用してボールの初速が上がるように、また内部欠陥が少
なくなるよう1000トンプレス成形機を用い鍛造によ
り成形した。フェース部の厚さは、フェースセンターは
3.0mmとし、その周縁部を2.5mmとした。実施
例1では、成形性の良い材料を使用した。
り弾性率の低いTi−15Mo−3Cr−3Al−3S
n材料を用いることによって、フェース部をたわみ易く
し、ゴルフボールの反発が上がる様、ヘッド本体より弾
性率の低い材料を選択した。その他は実施例1と同じで
ある。
ル部とを溶接により固着させ、通常の研磨工程、塗装工
程を経てゴルフクラブヘッドとした。
c)で、質量188gであった。
(フェース部を除く。)Ti−6Al−4V材料にて一
体鋳造した。
ラブヘッドについて、重心軸基準の慣性モーメントI
Y、重心深さZGおよびフェースセンターからのフェー
ス上の重心位置とのずれDXGを測定し、比較を行っ
た。結果を表2に示す。なお、表2中のXGは、第4図
の通り、ゴルフクラブヘッドを通常のライ角にセットし
た時のトウ先端部から重心位置までのヘッド長さ方向の
距離を示す。また、フェースセンターは、通常のライ角
にセットした時のソール部と測定器底面との接地点を基
準として、ヘッド長さ方向のフェースセンター位置とし
た。
してクラブ長さ45インチのゴルフクラブを組み立て、
プロゴルファーとアマチュアゴルファーによる試打評価
を行った。結果を表3,4に示す。
部に余分な重量が無くなり、重心位置がフェースセンタ
ー位置に近づくゴルフクラブヘッドが出来た。その結
果、シャフト軸上の重心距離がのび、リストターン(ス
イング中の手首の返し)が容易となり、ヘッド軌道が安
定すると共に、ヘッドの重心軸周りの慣性モーメントが
大きくなり、ひいては、飛距離が延びるゴルフクラブヘ
ッドを提供することができた。
通り、本発明によると、ゴルフクラブヘッドの重心位置
を適正化し、フェース角など安定した形状のゴルフクラ
ブヘッドを提供することができる。
中を示す正面図である。
本体と筒状体との係合状態(溶接前)を示す正面断面の
要部拡大図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ホゼル部がヘッド本体から上方に突設さ
れたゴルフクラブヘッドにおいて、 該ホゼル部は、中空形状の該ヘッド本体に挿入されて固
着された筒状体の上部よりなり、 該ヘッド本体のソール部と上面部にそれぞれ該筒状体の
挿入用の開口が設けられ、該筒状体は、各開口の縁部に
それぞれ溶接されており、 該筒状体は、該ヘッド本体に溶接された部分がその他の
部分よりも厚肉とされていることを特徴とするゴルフク
ラブヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、該筒状体のうち該ホ
ゼル部の下部の外周に凸部が周設され、該凸部が該ヘッ
ド本体に溶接されていることを特徴とするゴルフクラブ
ヘッド。 - 【請求項3】 請求項2において、該ヘッド本体の上面
部の開口の縁部に平坦面が形成されており、 前記筒状体の凸部が該平坦面に上方から係合しているこ
とを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 【請求項4】 請求項3において、該筒状体の下部の内
径がそれよりも上方部分の内径よりも小さくなっている
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
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