JP4335059B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、低重心化を図り得るゴルフクラブヘッドに関する。
従来より、ゴルフクラブヘッドの低重心化が行われている。例えば図3に示されるように、ヘッド重心Gが低い位置にあるゴルフクラブヘッドは、該ヘッド重心Gからフェース面2に立てた法線N がフェース面2と交わる点で表されるスイートスポットSSの位置が低くなる。このようなヘッド1は、フェース面2のスイートスポットSSよりも上方の領域が広くなり、プレーヤはこの領域でボールを打撃する機会が増す。このような領域での打撃は、よく知られているギヤ効果によって打球のバックスピン量の減少と打ち出し角度の増大という作用が得られる。これは、打球の飛距離を向上するのに役立つ。
ヘッドの低重心化を図るための技術として、例えばヘッド底面をなすソール部の厚さを大とする一方、ヘッド上面をなすクラウン部の厚さを小とする等、各部の肉厚設計手法が知られている。しかしながら、近年ではチタン合金等の比強度の大きい材料が開発されたことに伴い、ヘッド体積の大型化が著しく進み、ヘッド各部の厚さは非常に小さくなっている。このため、ヘッド体積の大型化を維持しつつヘッド各部の厚さを調節することが難しく、このような手法ではヘッド重心を効率良く移動させることが難しい。
また近年では、クラウン部の少なくとも一部を構成する低比重材料からなるクラウン部材と、このクラウン部材が固着されるチタン合金製のヘッド本体とからなる中空構造のゴルフクラブヘッドが提案されている(下記特許文献1参照)。前記低比重材料には、例えば繊維強化樹脂、アルミ合金、マグネシウム合金などが用いられる。ところが、上述のようなヘッドは、クラウン部材とヘッド本体とを溶接することができないため、接着剤又はロウ付けといった固着方法を採用せざるを得ない。このような固着方法は、溶接に比べると接合強度に劣るため、使用につれてクラウン部材とヘッド本体との接合部において剥離や外れ等の損傷が生じるなど耐久性において改善の余地があった。
特開2003−250933号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、クラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン部材を、Tiを55重量%以上85重量%未満かつAlを15重量%以上45重量%未満でそれぞれ含有する第1のチタン合金で形成するとともに、ヘッド本体を第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金から形成し、しかもクラウン部材とヘッド本体とを溶接により固着することを基本として、低重心化を図りつつ耐久性をも向上しうるゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ヘッド上面をなすクラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン部材と、このクラウン部材が固着されたヘッド本体とからなる中空構造のゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部材が、Tiを55重量%以上85重量%未満かつAlを15重量%以上45重量%未満でそれぞれ含有する第1のチタン合金からなり、前記ヘッド本体が、前記第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金からなるとともに、前記クラウン部材と前記ヘッド本体とが溶接により固着されていることを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記クラウン部材は、鋳造成形された鋳造品又は圧延材をプレス加工したプレス成形品からなる請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記第1のチタン合金は比重が4.30以下であり、かつ前記第2のチタン合金の比重が5.00以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記クラウン部材と前記ヘッド本体とが溶接された溶接部は、ヘッド本体に設けた開口部の内縁と、この内縁と突き合わされたクラウン部材の外縁との間の開先部に満たされた溶接金属を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記クラウン部材の前記外縁の先端厚さが1.1mm以上であることを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッドである。
本発明では、クラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン部材が、Tiを55重量%以上85重量%未満かつAlを15重量%以上45重量%未満でそれぞれ含有する第1のチタン合金から形成される。このような第1のチタン合金は、低比重元素であるAlの含有量が多いため、クラウン部材の重量を相対的に小としうる。またヘッド本体は、第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金から形成されるため、クラウン部材よりも下方の重量を相対的に大としうる。これらにより、ヘッド重心をより低い位置に設定できる。またクラウン部材とヘッド本体とは溶接により固着されているため、接着剤を用いたものに比して接合強度の低下を抑制できる。このように、本発明のゴルフクラブヘッドは、低重心化を図りつつ耐久性の悪化を防止しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1を規定のライ角及びロフト角に保持して水平面に接地させた基準状態の斜視図、図2はその平面図、図3は図2のA−A拡大断面図、図4はヘッドの分解斜視図をそれぞれ示している。
本実施形態のヘッド1は、ボールを打球する面であるフェース面2を有するフェース部3と、前記フェース部3に連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース部3に連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間を継ぎかつ前記フェース部3のトウ3aからバックフェースを通りヒール3bに至ってのびるサイド部6と、クラウン部4のヒール側に設けられかつシャフト(図示せず)の一端が装着されるネック部7とを具え、内部に中空部iが設けられた中空構造のドライバー(#1)又はフェアウェイウッドといったウッド型のものが例示されている。
またヘッド1は、前記クラウン部4の少なくとも一部を構成する第1のチタン合金からなるクラウン部材1Bと、前記第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金からなるヘッド本体1Aとが溶接により固着されて構成されている。
前記ヘッド本体1Aは、図4に示されるように、クラウン部4に少なくとも一つ(この例では一つ)の開口部Oが設けられたものが例示される。即ち、ヘッド本体1Aは、前記フェース部3、前記ソール部5、前記サイド部6、前記ネック部7及び前記開口部Oを囲みかつクラウン部4の周縁部を形成するクラウン縁部10を含んで構成される。この例では、クラウン縁部10が開口部Oの周りに連続して設けられているが、このような態様に限定されるものではない。また図2に示されるヘッド1の基準状態における平面視において、破線で描かれている開口部Oは、ヘッド重心Gを囲む輪郭形状を持っている。
また本実施形態のヘッド本体1Aは、鋳造により前記各部が一体に形成されたものが例示される。このようなヘッド本体1Aは、ネック部7とフェース部3とが一体に成形されるため、フェースアングルを精度良く仕上げるのに役立つ。また、ヘッド本体1Aは、鍛造、鋳造、プレス又は圧延等の加工法により2つ以上に分けて形成されたパーツを、溶接等により一体に接合して形成することもできる。
本実施形態のヘッド本体1Aは、前記第2のチタン合金としてTi−6Alー4V(以下、単に6−4チタンと言うことがある。)が用いられてたものが例示される。この6−4チタンの比重は4.40である。6−4チタンは、湯流れが比較的良好であるため、前記鋳造による一体成形に好適であり、また実用上の十分な強度を持つ点で好ましい。
特に限定はされないが、ヘッド本体1Aの各部の厚さは概ね次のように設定することができる。先ずフェース部3は、ボールと直接接触する部分であるため、その厚さが小さすぎると耐久性が低下しやすく、逆に大きすぎても反発性能が低下して飛距離を損ねやすい。このような観点より、フェース部3の最大厚さtfは、好ましくは2.3mm以上、より好ましくは2.5mm以上、さらに好ましくは2.7mm以上であり、上限については好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.2mm以下、さらに好ましくは3.0mm以下が望ましい。なお慣例に従い、フェース部3において、その中央部の厚さを大としかつその周辺部の厚さを小とした周辺薄肉構造とすることにより、耐久性を維持しつつ反発性を向上しうる。
また前記サイド部6は、ボールと直接接触する部分ではないため、フェース部3よりも厚さを減じることができ、かつヘッド1の反発性を向上するためには極力薄く形成することが望ましい。一方、前記ソール部5は、スイング時において地面と接触し易いため、サイド部6よりも強度を高めることが望ましい。このような観点より、ソール部5の厚さはtsは、好ましくは0.8mm以上、より好ましくは1.0mm以上が望ましく、上限については好ましくは5.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、特に好ましくは2.5mm以下が望ましい。またサイド部の6の厚さはtpは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上が望ましく、上限については好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.0mm以下が望ましい。
またクラウン縁部10の厚さtd(図5(A)に示す)も特に限定はされないが、この部分はフェース部3に近い部分を含むとともに、クラウン部材1Bと溶接されるため、その厚さが小さすぎると金属材料の溶け込みによる厚さの減少により耐久性を損ねるおそれがあるし、逆に大きすぎるとクラウン部4の剛性が過度に高められてしまい、ヘッドの反発性能を低下させる傾向がある。このような観点より、クラウン縁部10の端部を除いた厚さtdは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上であり、上限については好ましくは1.3mm以下、より好ましくは1.1mm以下が望ましい。
前記クラウン部材1Bは、図4に示されるように、ヘッド本体1Aに溶接する前の状態において、クラウン部4の曲面に沿って滑らかに湾曲した板状で形成されたものが例示される。またこの例では、クラウン部材1Bは、ヘッド本体1Aの前記開口部Oよりも僅かに小さい輪郭で形成されている。該クラウン部材1Bは、例えば第1のチタン合金を用いて一体に鋳造成形した鋳造品又は第1のチタン合金の圧延材をプレス加工したプレス成形品を好適に用いることができ、本実施形態では前者の鋳造品が用いられる。
クラウン部材1Bの厚さtcは、特に限定はされないが、小さすぎると耐久性が低下し、逆に大きすぎるとヘッド上部の相対的な重量が増すため、低重心化には適さない。このような観点より、外縁部を除いたクラウン部材1Bの厚さは、好ましくは0.4mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、かつ上限については1.4mm以下、より好ましくは1.1mm以下が望ましい。
前記第1のチタン合金は、Tiを55重量%以上85重量%未満かつAlを15重量%以上45重量%未満で含有する。このような第1のチタン合金は、比重が約2.71と小さいAlの含有量が多いため、従来知られているチタン合金よりも比重が小さく、ひいてはヘッド上部に位置するクラウン部材1Bの重量を相対的に小にできる。第1のチタン合金の比重は、特に限定されるわけではないが、好ましくは4.30以下、より好ましくは4.20以下、さらに好ましくは4.00以下であるのが望ましい。このような比重の調整は、Alの含有量を調整することによって容易に実現できる。また第1のチタン合金の比重は、小さいほど好ましいためその下限値も特に限定はされないが、前記構成元素の配合によって自ずと制約され、概ね3.0以上とすることができる。
第1のチタン合金において、Alの含有量は15重量%以上45重量%未満であることが必要である。Alは合金の比重を小とするのみみならず、時効処理によって析出するα相を強化するのに有効な元素であり、合金の引張強度を向上させるのに役立つ。そして、Alの含有量が15重量%を下回ると、合金の比重を従来に比して小(例えば4.30以下)とすることが困難になり、ひいてはヘッド上部の重量を実質的に軽減する効果が得られない。逆にAlの含有量が45重量%を超えると、金属間化合物が析出されやすくなって靱性が低下し、ヘッド1の耐久性を悪化させるおそれがある。特に好ましくは、第1のチタン合金において、Alの含有量を20重量%以上、より好ましくは30重量%以上とするのが望ましい。
また第1のチタン合金は、Tiを55重量%以上85重量%未満で含有することが必要である。Tiの含有量が55重量%を下回る場合、十分な強度を得ることができず、逆に85重量%以上になると、Alを十分に添加することができなくなる。
また第1のチタン合金は、Ti及びAl以外に不可避不純物を含むことができる。不可避不純物としては、例えばC、O、N、P及び/又はS等が挙げられる。これらの元素以外の場合もあり得る。これらの不可避不純物は、5重量%以下にとどめることが望ましく、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下に止めるのが望ましい。
また、本発明のヘッド1は、クラウン部材1Bとヘッド本体1Aとが溶接により固着される。クラウン部材1B及びヘッド本体1Aは、いずれもチタンをベースとしたチタン合金からなるため、母材のチタン同士を直接ないしはチタンを含む溶加材を介して連続性を持つように接合できる。このような溶接継手は、母材間に明りょうな界面を残した接着継手に比して接合強度が高い。従って、本発明のヘッド1は耐久性を向上できる。なおここでいう「溶接」には、母材を溶融させないロウ付けは含まないものとする。
クラウン部材1Bとヘッド本体1Aとの溶接は、ヘッド本体1Aの開口部Oにクラウン部材1Bを仮固定して行われる。前記「仮固定」とは、例えば水平面HP(図3に示す)に対してライ角通りに置かれたヘッド本体1Aの開口部Oに、クラウン部材1Bが位置決めして載置された状態を含む。
本実施形態では、ヘッド本体1A又はクラウン部材1Bの少なくとも一方の部材には、他方の部材と当接することによって両部材の位置を保持し前記仮固定をなしうる少なくとも一つの係止片13が設けられている。この例ではクラウン部材1Bに第1の係止片13Aが設けられている。該第1の係止片13Aは、図4に示されるように、クラウン部材1Bの外縁部に間欠的に設けられ、この例では複数個(4個)、より具体的にはフェース面寄りの位置、トウ寄りの位置、バックフェース寄りの位置及びヒール寄りの位置に各1個の第1の係止片13Aが設けられたものが例示される。
第1の係止片13Aは、図5(A)で仮想線で示されるように、例えばクラウン部材1Bに一体に固着され、かつ該クラウン部材1Bの外縁e1から外方へ突出する爪状の突片から構成されている。第1の係止片の13Aは、その下面13Aiがヘッド本体1Aのクラウン縁部10の外面に当接しうるように前記突出長さが定められている。これにより、クラウン部材1Bは、その第1の係止片13Aをヘッド本体1aのクラウン縁部10に載置させることにより、クラウン部材1Bの外縁e1と前記開口部Oの内縁e2とを開先部12を介して突き合わせ保持(仮固定)することができる。なお係止片13は、図7に示されるように、ヘッド本体1Aの開口部Oの内縁e2側に設けられかつクラウン部材1Bの下面を支持する爪状の第2の係止片13Bとししても良く、さらには第1、第2の係止片13A、13Bの双方を用いることもできる。また図示していないが、係止片13が当接する他方側の部材に、係止片13との位置ズレを防ぐ凹部などを設けることもできる。
前記開先部12は、クラウン部材1Bの0外縁e1及びヘッド本体1Aの開口部Oの内縁e2の断面形状を適宜加工することによって形成しうる。本実施形態の開先部12は、ヘッド外面に向かって間隙が徐々に拡がるテーパ状の拡幅部12aと、その内方に連なり実質的に小さい間隙が連続するルート部12bとを含み、いわゆるV型又はY型の開先をなすものが例示されている。このようなV型又はY型の開先は、ヘッド外面側からの開先溶接に際して、溶加材を精度良く盛りやすいため溶接精度が向上する。また、開先部12は、例えば図6に示されるように、種々の形状に変更することができる。例えば同図(A)のようなX型、同図(B)のようなU型、同図(C)のようなH型、同図(D)の逆V型、同図(E)のようなレ型又は同図(F)のようなK型など、拡幅部12aを含むものが特に望ましい。ただし、拡幅部12aを含まないI型(図示せず)でも良い。
また本実施形態では、開先部12が開口部Oに沿って環状に連続して形成された最も好ましい態様が示されている。ただし、拡幅部12aなどは接合部の全てに設けられる必要はなく、例えば図2に領域Yで示されるように、特に接合強度が要求されるフェース面側の接合部だけに設けおくこともできる。拡幅部12aの加工は生産工程を増加させる傾向があるため、このような実施形態では生産性を損ねることなく接合強度を効率良く高めうる点で好ましいものとなる。
また開先部12において、最も接近したルート部12bの間隔であるルート間隔wは特に限定されないが、好ましくは0.5〜1.5mm程度が望ましい。前記ルート間隔wが1.5mmを超えると、溶融金属が例えばヘッド1の中空部i側へと落ちるいわゆる溶落ちが生じやすく接合不良が生じたりまた十分な肉盛りが困難な傾向がある。逆にルート間隔wが0.5mm未満にになると、ルート部12bに十分に溶融金属を満たすことができず接合強度が低下しやすい。このようなルート間隔wは、例えばヘッド本体1A又はクラウン部材1Bを機械加工によって精度良く切削することにより適切に設定できる。また開先部12において、ルート部12bの深さtiは1.1mm以上であることが望ましい。前記深さtiが1.1mm未満になると、溶接時の熱によって前記先端部が変形し、ヘッド形状を損ねたり溶接不良を招くおそれがあるため好ましくない。
図5(B)に示されるように、ヘッド本体1Aとクラウン部材1Bとがなす開先部12に、例えばTIG溶接を行う。TIG溶接では、開先部周辺の母材をアーク熱で熔解するとともに、溶加材としてチタン(この例では6−4チタン)棒を用いて母材及び溶加材を一体に溶融させた溶接金属13が開先部12に肉盛りされる。そして、この溶接金属が凝固することによって、ヘッド本体1Aとクラウン部材1Bとの間に溶接部(溶接継手部)14が形成され、両者が強固に固着される。溶接は、例えばTIG溶接以外にもレーザ溶接など種々の方法で行うことができる。なお図5(C)に示されるように、ヘッド外面からはみ出した溶接金属13や前記第1の係止辺13Aなどは、溶接後の研磨加工等によって除去することができる。
以上のように構成されたヘッド1は、低比重の第1のチタン合金からなるクラウン部材1Bによってヘッド上部側の重量を相対的に軽減し、かつこのクラウン部材1Bよりも実質的に下方に位置するヘッド本体1Aに第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金を用いることによって、ヘッド下方の重量を大きくできる。従って、これらの相乗作用により、本発明のヘッド1はヘッド重心Gをより低く設定することが可能になる。またクラウン部材1Bとヘッド本体1Aとは溶接により固着されているため、接着剤を用いたものに比してより強固な接合強度を得ることができる。このように、本発明のゴルフクラブヘッドは、低重心化を図りつつ耐久性の悪化を防止しうる。
上述のような作用をより効果的に発揮させるためには、クラウン部材1Bは、適度の大きさを持つことが望ましい。即ち、ヘッド1において、クラウン部材1Bが占める面積が小さすぎるとヘッド重心Gが十分に低くならず、逆に大きすぎると溶接部14が打球時の応力が大きいフェース部3側に接近する傾向がある。このため、好ましくは図2に示した前記基準状態の平面図において、クラウン部材の表面積S1と、ヘッド輪郭線で囲まれる面積Sとの比(S1/S)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上が望ましく、上限については例えば0.9以下、好ましくは0.8以下が望ましい。なおクラウン部材1Bは、本実施形態のように、クラウン部4に内包される形状に限定されるものではなく、例えば図8に示されるように、実質的にネック部7を除いてクラウン部4の全域を構成する態様でも良く、さらにはクラウン部材の一部がフェース部3以外の部分(例えばサイド部6)にはみ出すような形状でも良い。
また本実施形態のヘッド1は、ヘッド体積を好ましくは390cm3 以上、より好ましくは410cm3 以上、さらに好ましくは420cm3 以上で形成することが望ましい。これにより、構えた際の安心感が増し、かつスイートエリア及び慣性モーメントを増大させることができる。なおヘッド体積の上限は特に規制されないが、例えば470cm3 以下に抑えるのが良い。ヘッド体積が470cm3 を超えるような大型ヘッドでは、各部の強度を持たせるために十分な肉厚が必要となり、本発明を適用したとしても低重心化が難しい。
また特に好ましくは、基準状態において、図3に示されるように、水平面HPからスイートスポットSSまでの高さであるスイートスポット高さHは、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下、さらに好ましくは27mm以下であるのが望ましい。なおスイートスポット高さHが過度に小さすぎると、ヘッドのギヤ効果が過大に作用して十分なバックスピン量が得られなかったり、また打ち出し角度が過度に大きくなる傾向がある。このような観点より、スイートスポット高さHは好ましくは15mm以上、より好ましくは18mm以上が望ましい。
以下、本発明をより具現化した実施例について説明する。
表1の仕様に基づいて、ヘッド体積400cm3 のウッド型ゴルフクラブヘッドを試作した。そして、各ヘッドのスイートスポット高さ及び耐久性をテストした。ヘッド本体は、いずれも6−4チタンを用いてロストワックス精密鋳造された鋳造品とし、全ての例において同じものが採用された。また実施例のヘッドは、クラウン部材が、第1のチタン合金を用いて鋳造成形された鋳造品からなる。そして、ヘッド本体とクラウン部材とを6−4チタンからなる溶接棒を用いてTIG溶接により接合した。
また比較例は、いずれもクラウン部材が本発明の構成外のもので、比較例1及び2は第1のチタン合金からAlの含有量を減らしたもの、比較例3は6−4チタンからなるもの、比較例4はアルミニウム合金(7075ジュラルミン)からなるもの、比較例5はマグネシウム合金(AZ61)からなるもの、比較例6は炭素繊維強化樹脂からなるものをそれぞれ用いた。またクラウン部材とヘッド本体との固着方法については、比較例1ないし3が溶接、比較例4ないし6は接着剤による接着とした。
またヘッドの耐久性については、先ず各供試ヘッドに繊維強化樹脂製のシャフト(SRIスポーツ(株)社製のMP−200、フレックスR)を装着して全長45インチ、バランスD2のウッド型ゴルフクラブを試作した。そして、各供試クラブをツルーテンパー社製のスイングロボットに取り付け、ヘッドスピードが54m/sとなるように調節してゴルフボール(SRIスポーツ(株)製「MAXFRI HI−BRID EVRIO」)を打撃し、ヘッドが破損するまでの打球数を測定した。評価は、比較例4の打球数を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。テストの結果などを表1に示す。
Figure 0004335059
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて耐久性を向上しつつ低重心化を図っていることが確認できた。特にヘッド本体とクラウン部材とを接着剤により接着した比較例4ないし6は、接合部において破損が生じており、スイートスポット高さを小さくできるものの耐久性において難点がある。
本発明の一実施形態を示す正規状態のヘッドの斜視図である。 その平面図である。 図2のA−A断面図である。 図1の分解斜視図である。 (A)〜(C)は、クラウン部材とヘッド本体との固着方法を説明する断面略図である。 (A)〜(F)は、固着方法の他の実施形態を示す断面略図である。 本発明の他の実施形態として、第2の係止片を示すヘッド本体の平面図である。 本発明の他の実施形態を示すヘッドの分解斜視図である。

Claims (5)

  1. ヘッド上面をなすクラウン部の少なくとも一部を構成するクラウン部材と、このクラウン部材が固着されたヘッド本体とからなる中空構造のゴルフクラブヘッドであって、
    前記クラウン部材が、Tiを55重量%以上85重量%未満かつAlを15重量%以上45重量%未満でそれぞれ含有する第1のチタン合金からなり、
    前記ヘッド本体が、前記第1のチタン合金よりも比重が大きい第2のチタン合金からなるとともに、
    前記クラウン部材と前記ヘッド本体とが溶接により固着されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記クラウン部材は、鋳造成形された鋳造品又は圧延材をプレス加工したプレス成形品からなる請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記第1のチタン合金は比重が4.30以下であり、かつ前記第2のチタン合金の比重が5.00以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記クラウン部材と前記ヘッド本体とが溶接された溶接部は、ヘッド本体に設けた開口部の内縁と、この内縁と突き合わされたクラウン部材の外縁との間の開先部に満たされた溶接金属を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記クラウン部材の前記外縁の先端厚さが1.1mm以上であることを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
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