JP2002208433A - 電解質組成物および非水二次電池 - Google Patents

電解質組成物および非水二次電池

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JP2002208433A
JP2002208433A JP2001325587A JP2001325587A JP2002208433A JP 2002208433 A JP2002208433 A JP 2002208433A JP 2001325587 A JP2001325587 A JP 2001325587A JP 2001325587 A JP2001325587 A JP 2001325587A JP 2002208433 A JP2002208433 A JP 2002208433A
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JP2001325587A
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English (en)
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Koji Wariishi
幸司 割石
Shoichi Sen
昌一 千
Michio Ono
三千夫 小野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高いイオン伝導性とイオン輸率を示す、優れ
た新規電解質組成物を提供し、さらには耐久性に優れた
高容量非水二次電池を提供する。 【解決手段】 一般式(1)〜(3)で表される化合物のうち
少なくとも1つ、および周期律表IaまたはIIa族に属す
る金属イオンの塩を含む電解質組成物。 (ただし、Qは窒素原子と共に5または6員環の芳香族
カチオンを形成しうる原子団を表し、L11及びL12
は置換もしくは無置換のアルキレン基、アルケニレン基
等を表し、R11、R12は水素原子または置換基を表
し、n1は0、または1以上の整数を表し、Xはアニ
オンを表す。L21〜L24およびL31〜L36は、
11と同義である。R21〜R24およびR31〜R
36は水素原子または置換基を表す。R21〜R24
うち少なくとも1つは−OM(OR)で表される置換
基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解質組成物に関す
るものであり、特に帯電防止剤や電池及び他の電気化学
デバイス用材料として好適な電解質組成物および当該電
解質組成物を用いた高容量でサイクル安定性に優れた非
水二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水二次電池などの電気化学電池の電解
質としては、目的に応じたイオンを含み(例えば、非水
二次電池の代表であるリチウム二次電池では、リチウム
イオン)、そのイオンを電極間で輸送する機能(イオン
伝導という)が用いられる。
【0003】これら電池においては、一般に、イオン伝
導性が高い溶液系が電解質として多く用いられている
が、溶液系電解質を電池に組み込んだ際の溶媒の枯渇や
漏れが電池の耐久性を低下させるなどの問題があった。
また、溶液を密閉するために金属容器を用いなければな
らないので、電池質量が重くなり、電池形状に自由度を
持たせることが困難であった。
【0004】このような溶液系電解質の欠点を克服する
ため、近年、ゲル電解質、ポリマー電解質、室温溶融塩
等の種々の電解質が提案されている。ゲル電解質は、溶
液電解質をポリマーマトリックスに浸潤させたものであ
り(例えば、R. Koksbang etal., Solid State Ionics,
69, 320 (1994))、溶液系電解質と比べても、イオン
伝導度の低下が小さく電池性能を落とさないという特徴
を有するが、やはり溶媒の揮発を完全に抑止することは
できず、耐久性に問題が残る。
【0005】一方、ポリマー電解質は、塩をポリエチレ
ンオキシドなどのポリマーに溶解したものであり、溶液
系電解質の問題を解決するものとして期待されるが、イ
オン伝導度は未だ十分ではない。
【0006】これに対し、対アニオンがBF4 -、(CF3SO2)
2N-などのイミダゾリウム塩やピリジニウム塩などの室
温で液状の室温溶融塩は高いイオン伝導度は示すもの
の、電解質のもうひとつの重要な特性であるリチウムイ
オン輸率が低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
イオン伝導性とイオン輸率を示す、優れた新規電解質を
提供し、さらには耐久性に優れた高容量非水二次電池を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は下記一般式(1)〜(3)により表される
化合物および周期律表IaまたはIIa族に属する金属イオ
ンの塩を含む電解質組成物が優れた電荷輸送能および耐
久性を示すことを発見し、本発明に想到した。
【0009】
【化5】
【0010】ただし、Qは窒素原子と共に5または6員
環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表し、L11
びL12は置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もし
くは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のア
ルキレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価連結
基、置換もしくは無置換のアルケニレンオキシ基又はそ
の繰り返しからなる2価連結基、或いはこれらを複数組
み合わせてなる2価連結基を表し、R11は水素原子また
は置換基を表し、R12は水素原子または置換基を表し、n
1は0、または1以上Q上に置換可能な(L12−R12)の数の
最大値以下の整数を表し、X-はアニオンを表す。n1が2
以上のとき(L12−R12)は同じでも異なっていてもよく、
R11及びR12のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形
成してもよい。R11およびR12のうち少なくとも1つは−
OM(OR)nで表される置換基を表す(ここで、Rは置換また
は無置換のアルキル基あるいは、置換もしくは無置換の
アリール基を表し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのいず
れかを表し、nはMに結合できる整数を表す。nが2以上の
ときORは同じでも異なってもよい)。L21〜L24およびL
31〜L36は、L11と同義である。R21〜R24およびR31〜R36
は水素原子または置換基を表す。R21〜R24のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよく、R21〜R24
のうち少なくとも1つは−OM(OR)nで表される置換基を
表す。R31〜R36のうち2つ以上が互いに連結して環構造
を形成してもよく、R31〜R36のうち少なくとも1つは−
OM(OR)nで表される置換基を表す。Aは、窒素原子または
リン原子を表す。
【0011】他の実施態様による本発明の電解質組成物
は、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物を
分子内に少なくとも2つ以上の求核性基を有する化合物
と反応させて得られる架橋化合物、および周期律表Iaま
たはIIa族に属する金属イオンの塩を含み、固体化され
ていることを特徴とする。
【0012】また、もう1つの本発明である非水二次電
池は、上記電解質組成物を含有することを特徴とする。
【0013】本発明の電解質組成物、非水二次電池にお
いては、下記条件を満たすことにより一層優れた電荷輸
送能、および耐久性が得られる。
【0014】(1)MがSiであるのが好ましい。 (2)Qは炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫
黄原子からなる群から選ばれる原子により構成されるの
が好ましい。 (3)Qが窒素原子と共に形成する5または6員環の芳香族
カチオンがイミダゾリウムカチオン又はピリジニウムカ
チオンが好ましい。
【0015】(4)一般式(1)により表される化合物は、下
記一般式(4)または一般式(5)により表されることが好ま
しい。
【化6】 ただし、L41〜L43それぞれ独立に置換もしくは無置換の
アルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、
置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基又はその繰り
返しからなる2価連結基、置換もしくは無置換のアルケ
ニレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価連結基、
或いはこれらを複数組み合わせてなる2価連結基を表
し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表
し、n4は0〜3の整数を表し、X-はアニオンを表す。n4
が2又は3のとき(L43−R43)は同じでも異なっていても
よく、R41〜R43のうち2つ以上が互いに連結して環構造
を形成してもよい。R41〜R43のうち少なくとも1つは−
OM(OR)nで表される置換基を表す(ここで、Rは置換また
は無置換のアルキル基あるいは、置換もしくは無置換の
アリール基を表し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのいず
れかを表し、nはMに結合できる整数を表す。nが2以上
のときORは同じでも異なってもよい)。
【0016】
【化7】 ただし、L51及びL52はそれぞれ独立に置換もしくは無置
換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン
基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基又はその
繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは無置換のア
ルケニレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価連結
基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2価連結基を
表し、R51及びR52はそれぞれ独立に水素原子又は置換基
を表し、n5は0〜5の整数を表し、X-はアニオンを表す。
n5が2以上のとき(L52−R52)は同じでも異なっていても
よい。R51及びR52のうち2つ以上が互いに連結して環構
造を形成してもよく、R51及びR52のうち少なくとも1つ
は−OM(OR)nで表される置換基を表す(ここで、Rは置換
または無置換のアルキル基あるいは、置換もしくは無置
換のアリール基を表し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snの
いずれかを表し、nはMに結合できる整数を表す。nが2以
上のときORは同じでも異なってもよい)。
【0017】(5)上記電解質組成物は固体化されてよ
い。 (6)上記求核性基は水酸基であるのが特に好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】[1]電解質組成物 本発明の電解質組成物は化学反応、金属メッキ等の反応
溶媒、種々の電池、光電変換素子、光センサー、イメー
ジセンサー(たとえば電子カメラ)等に用いることがで
きるが、これらの中では、非水二次電池、特にリチウム
イオン二次電池に用いるのが好ましい。
【0019】以下、本発明の電解質組成物の各構成成分
について詳述する。
【0020】(A) 一般式(1)〜(3)の化合物 本発明の電解質組成物は、下記一般式(1)〜(3)により表
される化合物のうち少なくとも1種を含む。
【0021】
【化8】
【0022】一般式(1)〜(3)の化合物は低融点の塩、い
わゆる溶融塩であることが好ましく、常温(25℃付近)で
液体である化合物、いわゆる室温溶融塩であることがよ
り好ましい。一般式(1)〜(3)により表される化合物の融
点は100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるの
がより好ましく、60℃以下であるのが特に好ましく、30
℃以下であるのが最も好ましい。
【0023】一般式(1)〜(3)の化合物は、溶媒をほとん
ど用いずに電解質として使用できることが多く、単独で
電解質として使用できる場合も多い。常温(25℃付近)
で固体であっても少量の溶媒、その他の添加剤等を添加
することで液体状態として電解質として使用できる。ま
た何も添加しなくても、加熱溶解して電極上に浸透させ
る方法、低沸点溶媒(メタノール、アセトニトリル、塩
化メチレン等)等を用いて電極上に浸透させ、その後溶
媒を加熱により除去する方法等により電池に組み込むこ
とが可能である。
【0024】一般式(1)中、Qは窒素原子と共に5又は6
員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表す。Qは
炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子
からなる群から選ばれる1種以上の原子により構成され
るのが好ましい。Qにより形成される5員環は、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジ
アゾール環又はトリアゾール環であるのが好ましく、チ
アゾール環、イミダゾール環又はトリアゾール環である
のがより好ましく、イミダゾール環であるのが特に好ま
しい。Qにより形成される6員環は、ピリジン環、ピリ
ミジン環、ピリダジン環、ピラジン環又はトリアジン環
であるのが好ましく、ピリジン環であるのがより好まし
い。
【0025】一般式(1)中、L11及びL12は置換もしくは
無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニ
レン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基又は
その繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは無置換
のアルケニレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価
連結基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2価連結
基を表す。L11の例としてはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ビニレン基、プロペニレン基、−(CH2CH
2O)n−、−(CH2CH2O)n−CH2−、−(C3H6O)n−、−(C3H6
O)n−CH2−、これらの組み合わせ等が挙げられる。nは
それぞれ1〜20の整数を表す。L11は、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、−(CH2CH2O)n−、−(CH2CH2O)n
−CH2−、−(C3H6O)n−、−(C3H6O)n−CH2−であるのが
好ましい。特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基などのアルキレン基である。
【0026】一般式(1)中、R11及びR12は水素原子又は
置換基を表す。R11及びR12が表す置換基の例としては、
アリール基(例えばフェニル基、メトキシフェニル基
等)、シリル基(好ましくは炭素原子数3〜30、置換され
ていても無置換でもよく、例えばトリメチルシリル基、
t-ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル
基、−(Si(CH3)2O)nSi(CH3)3等)、シリルオキシ基(好ま
しくは炭素原子数3〜20、例えばトリメチルシリルオキ
シ基、t−ブチルシリルオキシ基等)、アミノ基(例えば
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、アミド基(例
えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、グア
ニジノ基、カルバモイル基(例えばN,N−ジメチルカルバ
モイル基、N-フェニルカルバモイル基等)、シアノ基、
アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基
等)、複素環基(例えばピリジル基、イミダゾリル基
等)、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等)等が挙げられる。中でも、アリール基、シリル
基、シリルオキシ基、アミノ基、グアニジノ基、シアノ
基、複素環基及びハロゲン原子が好ましい。これらの置
換基は更に置換基を有していてもよい。なお上記nはそ
れぞれ1〜20の整数を表す。
【0027】一般式(1)中、(L12−R12)の数を表すn1は
0、又は1以上Q上に置換可能な(L12−R12)の数の最大
値以下の整数を表し、0〜2の整数であるのが好まし
い。n1が2以上の時(L12−R12)は同じでも異なっていて
もよい。また、R11及びR12のうち2つ以上が互いに連結
して環構造を形成してもよい。この環構造は5〜7員環
であるのが好ましく、5〜6員環であるのがより好まし
い。
【0028】一般式(1)において、R11及びR12のうち少
なくとも一つは、−OM(OR)nで表される置換基を表す。
ここで、Rはアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチ
ル基、オクチル基等)、あるいは、アリール基(例えば
フェニル基等)を表す。これらのアルキル基あるいはア
リール基は置換基を有していてもよい。置換基の例とし
ては、R11で示されるものが挙げられる。
【0029】Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのいずれかを
表す。Mは、SiまたはBであるのが好ましく、Siであるの
がより好ましい。nはMに結合できる整数を表す。nが2
以上のときORは同じでも異なっていてもよい。また、OR
同士が連結して環を形成してもよい。
【0030】一般式(1)により表される化合物はR11及び
/又はR12を介して多量体を形成していてもよい。形成す
る多量体は2〜4量体が好ましく、2量体がより好まし
い。
【0031】一般式(1)中、X-はアニオンを表す。X-
好ましい例としては、ハロゲン化物イオン(I-、Cl-、Br
-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、SbF6 -、(CF3SO2)
2N-、(CF 3CF2SO2)2N-、Ph4B-、(C2H4O2)2B-、(CF3SO2)3
C-、CF3COO-、CF3SO3 -、C6F5SO3 -等が挙げられる。X
-は、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、SbF6 -、(CF3SO2)2N-
(CF3CF2SO2)2N-、(CF3SO2)3C-、CF3SO3 -がより好まし
い。
【0032】一般式(1)により表される化合物は、更に
下記一般式(4)または一般式(5)で表されるのが好まし
い。
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】一般式(4)及び(5)中、L41〜L43、L51及びL
52はそれぞれ上記L11と同義であり、好ましい態様もL11
と同様である。R41〜R43、R51及びR52はそれぞれ上記R
11と同義であり、好ましい態様もR11と同様である。n4
は、0〜3の整数を表し、n2が2又は3のとき(L43-
R43)は同じでも異なっていてもよい。n5は0〜5の整数
を表し、n5が2以上のとき(L52-R52)は同じでも異なっ
ていてもよい。一般式(4)及び(5)中のX-はそれぞれ上記
一般式(1)中のX-と同義であり、好ましい態様も同様で
ある。
【0036】一般式(4)においてはR41〜R43のうち2つ以
上、一般式(5)においてはR51およびR52のうち2つ以上
がそれぞれ互いに連結して環構造を形成してもよい。こ
の環構造は5〜7員環であるのが好ましく、5〜6員環
であるのがより好ましい。また、一般式(4)中のR41〜R
43のうち少なくとも1つ、一般式(5)中のR51及びR52
うち少なくとも1つがそれぞれ、−OM(OR)nで表される
置換基を表す。M、Rおよびnは、上記一般式(1)中のM、R
およびnと同義であり、好ましい態様も同様である。
【0037】一般式(2)及び(3)中、L21〜L24及びL31〜L
36はそれぞれ上記L11と同義であり、好ましい態様もL11
と同様である。R21〜R24及びR31〜R36はそれぞれ上記R
11と同義であり、好ましい態様もR11と同様である。一
般式(2)及び(3)中のX-はそれぞれ上記一般式(1)中のX-
と同義であり、好ましい態様も同様である。
【0038】一般式(2)においてはR21〜R24のうち2つ
以上、一般式(3)においてはL31〜L36のうち2つ以上が
それぞれ互いに連結して環構造を形成してもよい。この
環構造は5〜7員環であるのが好ましく、5〜6員環で
あるのがより好ましい。また、一般式(2)中のR21〜R24
のうち少なくとも1つ、一般式(3)中のL31〜L36のうち
少なくとも1つはそれぞれ、−OM(OR)nで表される置換
基を表す。M、Rおよびnは、上記一般式(1)中のM、Rおよ
びnと同義であり、好ましい態様も同様である。
【0039】以下、本発明の一般式(1)〜(3)により表さ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】本発明の電解質組成物は、一般式(1)〜(3)
で表される化合物を少なくとも1種含有するが、2種以
上併用してもよく、また、さらに他の電解質塩を添加し
てもよい。
【0047】(B) 金属イオンの塩 本発明の電解質組成物には、周期律表Ia族又はIIa族に
属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族又は
IIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩の
アニオンとしては、前記のX-で述べたものが挙げられ
る。
【0048】代表的な塩として、LiCF3SO3、LiPF6、LiC
lO4、LiI、LiBF4、LiCF3CO2、LiSCN、LiN(SO2CF3)2、Na
I、NaCF3SO3、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO3、KSC
N、KPF 6、KClO4、KAsF6などが挙げられる。更に好まし
くは、上記Li塩である。これらは一種又は二種以上を混
合してもよい。
【0049】これらの塩の濃度としては、一般式(1)〜
(3)の化合物に対して0.1モル当量から2モル当量が好ま
しく、0.3モル当量から1.5モル当量が更に好ましい。
【0050】(C) 溶媒 本発明では、一般式(1)〜(3)の化合物とともに、好まし
くは最大でこの化合物と同質量まで溶媒を使用すること
ができる。保存安定性の観点からは、溶媒を用いないの
がより好ましい。
【0051】本発明の電解質に使用する溶媒は、粘度が
低くイオン易動度を向上したり、または誘電率が高く有
効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導
性を発現できる化合物であることが望ましい。このよう
な溶媒ととしては、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートなどのカーボネート化合物、3-メチル-2-
オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジ
エチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコ
ールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアル
キルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルな
どの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレ
ングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸
エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチ
ルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物
質、水などを用いることができる。この中でも、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボ
ネート化合物、3-メチル-2-オキサゾリジノンなどの複
素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メ
トキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト
リルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好まし
い。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。
【0052】溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上
の観点にて常圧(1気圧)における沸点は200℃以上が
好ましく、250℃以上がより好ましく、270℃以上がさら
に好ましい。
【0053】(D) その他 本発明の電解質組成物は、分子内に少なくとも2つ以上
の求核性基を有する化合物(以下「求核剤」と称する場
合がある)と反応させることにより架橋し、固体化して
使用することができる。液漏れや揮発を防止する観点か
らは、本発明の電解質組成物は固体化させて使用するの
が好ましい。
【0054】上記求核剤が有する求核性基は水酸基、ア
ミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基又
はスルフィナト基であるのが好ましい。中でも水酸基が
特に好ましい。求核剤の具体例を以下に示すが、本発明
はこれらにより限定されるものではない。
【0055】
【化17】
【0056】上記求核剤の添加量は、電解質組成物全体
に対して0.1〜70%質量%が好ましく、0.3〜50質量%が
より好ましく、0.5〜30質量%が特に好ましい。求核剤
を添加した際の反応温度は0〜150℃とするのが好まし
く、10〜100℃とするのがより好ましい。また、求核剤
の反応時間は好ましくは5分から2日、より好ましくは
10分から1日である。なお、反応温度及び反応時間は特
に限定されることはなく、所望の反応速度に応じて適宜
選択できる。
【0057】本発明の電解質組成物は、ポリマー添加、
オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポ
リマーの架橋反応等の手法により、ゲル化(固体化)さ
せて使用することもできる。ポリマー添加によりゲル化
させる場合は、Polymer Electrolyte Reviews, 1及び
2(J. R. MacCallumとC. A. Vincentの共編、ELSEVIER
APPLIED SCIENCE)に記載の化合物等を使用することが
できる。特に、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリエチレンオキサイド、ポリシロキサン等が
好適に用いられる。オイルゲル化剤添加によりゲル化さ
せる場合は、工業科学雑誌(J. Chem Soc.Japan, Ind.
Chem. Sec.), 46, 779 (1943)、J. Am. Chem. Soc., 1
11, 5542(1989)、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 199
3, 390、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35, 1949 (199
6)、Chem. Lett., 1996, 885、J. Chem. Soc., Chem. C
ommun., 1997, 545等に記載されている化合物を好適に
用いることができる。中でも分子構造中にアミド構造を
有する化合物がより好ましい。
【0058】[2] 非水二次電池 次に、本発明の電解質が好ましく用いられる二次電池つ
いて説明する。本発明の二次電池は、正極シートと負極
シートを隙間を設けて積層し、当該隙間に本発明の電解
質組成物を充填したものである。
【0059】正極シートは、集電体上に正極活物質を含
む電極合剤を塗布したものであり、負極シートは、集電
体上に負極活物質を含む電極合剤を塗布したものであ
る。以下、正極シート及び負極シートの材料について詳
細に説明する。
【0060】(A) 集電体 正極シート・負極シートの集電体としては、構成された
電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いら
れる。
【0061】正極シートの集電体としては、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミ
ニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チ
タンあるいは銀を処理させたものが好ましく、特に好ま
しいのはアルミニウム、アルミニウム合金である。
【0062】負極シートの集電体としては、銅、ステン
レス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、特に好ましいの
は銅あるいは銅合金である。
【0063】集電体の形状は、通常フィルムシート状の
ものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス
体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いるこ
とができる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μ
mである。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を
付けることも望ましい。
【0064】(B) 電極合剤 本発明の電極合剤(正極合剤及び負極合剤)は、正極活
物質(負極活物質)を必須成分として含む他、導電剤、
結着剤、フィラー、非プロトン性有機溶媒が添加され
る。電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧
縮されて用いられる。以下電極合剤の構成成分について
詳細に説明する。
【0065】(1)正極活物質 正極シート用の電極合剤には、必須成分として正極活物
質が含まれる。正極活物質としては可逆的にリチウムイ
オンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることが
できるが、特にリチウム含有遷移金属酸化物が好まし
い。本発明で用いられる好ましいリチウム含有遷移金属
酸化物正極活物質としては、リチウム含有Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物が挙げられる。
またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第1(Ia)
族、第2(IIa)族の元素)、および/またはAl、Ga、In、
Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B等を混合してもよい。こ
れらの元素の混合量は遷移金属に対して0〜30mol%が好
ましい。
【0066】より好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極活物質としては、リチウム化合物/遷移金属化合物
(ここで遷移金属とは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、M
o、Wから選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3
〜2.2になるように混合して合成することが好ましい。
【0067】更に好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極活物質としては、リチウム化合物/遷移金属化合物
(ここで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ば
れる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になる
ように混合して合成することが好ましい。
【0068】特に好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極活物質は、LigM3O2(M3はCo、Ni、Fe 、Mnから選ば
れる1種以上、g=0〜1.2)を含む材料、またはLihM4 2O4
(M4はMn、h=0〜2)で表されるスピネル構造を有す
る材料である。M3、M4として、遷移金属以外にAl、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、B等を混合してもよ
い。これらの元素の混合量は遷移金属に対して0〜30mol
%が好ましい。
【0069】最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物
正極活物質としては、LigCoO2、LigNiO2、LigMnO2、Lig
CojNi1-jO2、LihMn2O4 (ここでg=0.02〜1.2、j=0.
1〜0.9、h=0〜2)が挙げられる。ここで、上記のg
値、h値は、充放電開始前の値であり、充放電により増
減する。
【0070】正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属
化合物を混合、焼成する方法や溶液反応など、公知の方
法により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。
【0071】正極活物質の平均粒子サイズは特に限定さ
れないが、0.1〜50μmが好ましい。比表面積としては
特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2/gが好まし
い。また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上
澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
【0072】正極活物質を所定の粒子サイズにするに
は、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例え
ば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミル、衛
星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミ
ルや篩などが用いられる。
【0073】焼成によって得られた正極活物質は水、酸
性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後
使用してもよい。
【0074】(2)負極活物質 負極シート用の電極合剤には、必須成分として負極活物
質が含まれる。本発明の二次電池に用いられる負極活物
質としては、(i)リチウムの吸蔵放出が可能な炭素質材
料、(ii)酸化物および/またはカルコゲナイド等が挙げ
られる。
【0075】(i)炭素質材料 炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例
えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒
鉛、及びPAN 系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の
各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることがで
きる。さらに、PAN 系炭素繊維、セルロース系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA 系
炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性
炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、
グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げること
もできる。
【0076】これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度によ
り難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることがで
きる。また炭素質材料は、特開昭62-22066号公報、特開
平2-6856号公報、同3-45473 号公報に記載される面間隔
や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。
【0077】炭素質材料は、単一の材料である必要はな
く、特開平5-90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の
混合物、特開平6-4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛
等を用いることもできる。
【0078】(ii) 酸化物、カルコゲナイド 本発明の二次電池の負極活物質としては、酸化物および
/またはカルコゲナイドを用いることができるが、特に
非晶質酸化物および/またはカルコゲナイドが好まし
い。ここで言う非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法
において2θ値で20°から40°の領域に頂点を有するブ
ロードな散乱帯を有するものであり、結晶性の回折線を
有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に
見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で
20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の
回折線強度の100倍以下であり、さらに好ましくは5倍
以下であり、特に好ましくは、結晶性の回折線を有さな
いことである。
【0079】本発明では中でも半金属元素の非晶質酸化
物および/またはカルコゲナイドが好ましく、周期律表
第13(IIIb)族〜15(Vb)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、
Pb、Sb、Biの単独あるいはそれらの2種以上の組み合わ
せからなる酸化物、カルコゲナイドが選ばれる。
【0080】例えば、Ga2O3、SiO、GeO、SnO、SnO2、Pb
O、PbO2、Pb2O3、Pb2O4、Pb3O4、Sb 2O3、Sb2O4、Sb
2O5、Bi2O3、Bi2O4、SnSiO3、GeS、SnS、SnS2、PbS、Pb
S2、Sb2S 3、Sb2S5、SnSiS3などが好ましい。また、これ
らは酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、Li2SnO2
あってもよい。
【0081】本発明の負極材料においてはSn、Si、Geを
中心とする非晶質酸化物がさらに好ましく、中でも一般
式(6) SnM1 dM2 eOf ・・・(6) (一般式(6)中、M1は、Al、B、P、Si、Geから選ばれる
少なくとも一種以上の元素、M2は周期律表第1(Ia)族元
素、第2(IIa)族元素、第3(IIIa)族元素、ハロゲン元
素から選ばれる少なくとも一種以上の元素を表し、dは
0.2以上2以下の数字、eは0.01以上1以下の数字で0.2<
d+e<2、fは1以上6以下の数字を表す)で示される非晶
質酸化物であることが好ましい。
【0082】Snを主体とする非晶質酸化物としては、た
とえば次の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限
定されるわけではない。 C-1 SnSiO3 C-2 SnAl0.2B0.4P0.2Si0.6O3.6 C-3 SnAl0.4B0.5Cs0.1P0.5O3.65 C-4 SnAl0.4B0.5Mg0.1P0.5O3.7 C-5 SnAl0.4B0.4Ba0.08P0.4O3.28 C-6 SnAl0.4B0.5Ba0.08Mg0.08P0.3O3.26 C-7 SnAl0.1B0.2Ca0.1P0.1Si0.5O3.1 C-8 SnAl0.2B0.4Si0.4O2.7 C-9 SnAl0.2B0.1Mg0.1P0.1Si0.5O2.6 C-10 SnAl0.3B0.4P0.2Si0.5O3.55 C-11 SnAl0.3B0.4P0.5Si0.5O4.3 C-12 SnAl0.1B0.1P0.3Si0.6O3.25 C-13 SnAl0.1B0.1Ba0.2P0.1Si0.6O2.95 C-14 SnAl0.1B0.1Ca0.2P0.1Si0.6O2.95 C-15 SnAl0.4B0.2Mg0.1Si0.6O3.2 C-16 SnAl0.1B0.3P0.1Si0.5O3.05 C-17 SnB0.1K0.5P0.1SiO3.65 C-18 SnB0.5F0.1Mg0.1P0.5O3.05
【0083】本発明の非晶質酸化物、および/またはカ
ルコゲナイトは、焼成法、溶液法のいずれの方法も採用
することができるが、焼成法がより好ましい。焼成法で
は、それぞれ対応する元素の酸化物、カルコゲナイトあ
るいは化合物をよく混合した後、焼成して非晶質酸化物
および/またはカルコゲナイトを得るのが好ましい。こ
れらは、既に公知の方法により作製できる。
【0084】本発明に用いられる負極材料の平均粒子サ
イズは0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サイズにする
には、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例え
ば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、
衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェット
ミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメ
タノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応
じて行うことが出来る。所望の粒径とするためには分級
を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はな
く、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることがで
きる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0085】本発明のSn、Si、Geを中心とする非晶質酸
化物負極材料に併せて用いることができる負極材料とし
ては、リチウムイオンまたはリチウム金属を吸蔵・放出
できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウム
と合金可能な金属が挙げられる。
【0086】(3)導電剤 電極合剤に用いる導電剤は、構成された電池において、
化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよ
い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛
など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニ
ッケル、アルミニウム、銀(特開昭63-148554号)など)、
金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59-2097
1号)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物とし
て含ませることができる。黒鉛とアセチレンブラックの
併用がとくに好ましい。その添加量は、1〜50質量%が
好ましく、特に2〜30質量%が好ましい。カーボンや黒
鉛では、2〜15質量%が特に好ましい。
【0087】(4)結着剤 本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いる。
結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹脂およびゴム
弾性を有するポリマーなどが挙げられる。好ましい結着
剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、
セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエ
ーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ
ヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸
共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テ
トラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合
体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘ
キサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー
(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、
メチルメタアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニ
ルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フ
ッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウ
レタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)
あるいはサスペンジョンを挙げることができる。特にポ
リアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化
ビニリデンが挙げられる。
【0088】これらの結着剤は単独または混合して用い
ることができる。結着剤の添加量が少ないと電極合剤の
保持力・凝集力が弱い。多すぎると電極体積が増加し電
極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。
このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ま
しく、特に2〜10質量%が好ましい。
【0089】(5)フィラー フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こ
さない繊維状材料であれば何でも用いることができる。
通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン
系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フ
ィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が
好ましい。
【0090】(C)正・負極シートの作成方法 上述の電極合剤を集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧
縮することにより正極シート及び負極シートを作成する
ことができる。
【0091】塗布方法としては、例えば、リバースロー
ル法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エ
クストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー
法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができ
る。その中でもブレード法、ナイフ法及びエクストルー
ジョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で
実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、
乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することによ
り、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布
は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。
【0092】また、塗布は連続でも間欠でもストライプ
でもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の形状
や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、
ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好まし
い。
【0093】電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法は、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥
温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の
範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が
好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ50
0ppm以下にすることが好ましい。シートのプレス法は、
一般に採用されている方法を用いることができるが、特
にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限
定されないが、0.2〜3t/cm2が好ましい。カレンダー
プレス法のプレス速度は0.1〜50m/分が好ましく、プレ
ス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する
負極シート幅の比は、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0
が特に好ましい。正極活物質と負極活性物質の含有量比
は、化合物種類や合剤処方により異なる。
【0094】(D)二次電池の組立方法 本発明の二次電池は、正極シートと負極シートを隙間を
設けて積層し、当該隙間に本発明の電解質組成物を充填
したものである。好ましくは、図1に示すようなシリン
ダー型電池または図2に示すようなシート型電池を形成
する。図1のシリンダー型電池では、正極シートと負極
シートの間に不織布又はセパレーターを挟んで巻回した
巻回電極群2に本発明の電解質組成物を注入する。図2
のシート型電池では、正極シート11と負極シート13
の間に不織布12を挟んで積層し、減圧下で不織布12
に本発明の電解質組成物を注入する。
【0095】セパレーターとしては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜が用
いられる。安全性確保のため、80℃以上でセパレーター
の孔を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つ
ことが必要であり、閉塞温度が90℃以上、180℃以下で
あることが好ましい。
【0096】セパレーターの孔の形状は通常円形や楕円
形で、大きさは0.05〜30μmであり、0.1〜20μmが好ま
しい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、
棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占め
る比率すなわち気孔率は20〜90%であり、35〜80%が好
ましい。
【0097】これらのセパレーターは、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどの単一の材料であっても、2種以上
の複合化材料であってもよい。特に孔径、気孔率や孔の
閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層
したものが特に好ましい。
【0098】正・負の電極シートをセパレーターを介し
て重ね合わせた後、そのままシート型電池に加工した
り、折りまげた後角形缶に挿入し、缶とシートを電気的
に接続した後、本発明の電解質組成物を注入し、封口板
を用いて角形電池を形成する。また、正・負の電極シー
トをセパレーターを介して重ね合わせ巻いた後、シリン
ダー状缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続した後、
本発明の電解質組成物を注入し、封口板を用いてシリン
ダー電池を形成する。この時、安全弁を封口板として用
いることができる。安全弁の他、従来から知られている
種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防
止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが
用いられる。
【0099】また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の
対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀
裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切
断方法を利用することができる。また、充電器に過充電
や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あ
るいは独立に接続させてもよい。
【0100】また、過充電対策として、電池内圧の上昇
により電流を遮断する方式を具備することができる。こ
のとき、内圧を上げる化合物を合剤あるいは電解質に含
ませることができる。内圧を上げる為に用いられる化合
物の例としては、Li2CO3、LiHCO3、Na2CO3、NaHCO3、Ca
C3、MgCO3などの炭酸塩などを挙げることが出来る。
【0101】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や
合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チ
タン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金
属あるいはそれらの合金が用いられる。
【0102】キャップ、缶、シート、リード板の溶接法
は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザ
ー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シ
ール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化
合物や混合物を用いることができる。
【0103】(E)二次電池の内部構造の具体例 好ましい態様によれば、図1に示すように、本発明の二
次電池は、不織布またはセパレーターと共に巻回した正
極シートと負極シートからなる巻回電極群2を電池缶1
に挿入し、電池缶1と負極シートを電気的に接続し、本
発明の電解質組成物を注入し封口することにより形成さ
れる。電池蓋6は正極端子を兼ね、ガスケット5を介し
て電池缶1の上部口に嵌合される。正極シートは、正極
リード4を介して電池蓋6に電気的に接続される。
【0104】封口体は、上から順に電池蓋6、リング状
のPTC素子63、電流遮断素子62、圧力感応弁体6
1が重ねられ、ガスケット5に嵌入支持される。電池蓋
6は、電池の表面露出部分であり、圧力感応弁体61は
電池内側である。絶縁カバー61aは、圧力感応弁体6
1の上側の表面を覆う。
【0105】巻回電極群2は、例えば正極シート/セパ
レーター/負極シート/セパレーターの順の積層体を作
成し、これを巻回したものである。その巻回電極群2と
圧力感応弁体61の間に、上部絶縁板3が配置される。
上部絶縁板3は、電極群2と封口体を絶縁すると共に、
電極群2と電池缶1を絶縁する。また電極群と電池缶1
の間に下部絶縁板7を配置し、電極群と電池缶1を絶縁
する。
【0106】PTC素子63は電池内温度が上昇すると
抵抗が増大して電流を遮断する機能をもつ。電流遮断素
子62は、第一導通体62aと絶縁リング62cと第二
導通体62bの積層構造体であり、第一導通体62aは
圧力感応弁体61側に配置され貫通孔を有し、第二導通
体62bはPTC素子63側すなわち電池蓋6側に配置
され貫通孔を有する構造である。第一導通体62aと第
二導通体62bとは中央部で電気的に接続され、該第一
導通体62aの該接続部の周囲に肉薄部を有している。
圧力感応弁体61は、内圧上昇時に電極群側とは反対側
へ変形できるもので、上記した第一導通体62aの中央
接続部を押し上げることができるものであれば良い。電
池内の異常反応により、内圧が上昇すると圧力感応弁体
61が変形して電流遮断素子62の第一導通体62aと
第二導通体62bの接続部分を破断して電流を遮断し、
さらに圧力が増加すると圧力感応弁体61の肉薄部が破
壊して圧力を放出する。この時電流遮断素子62を圧力
感応弁体61の電極群側とは反対側に配置しているの
で、遮断部においてスパークが生じても、電解液蒸気へ
の引火を原因とする電池の破裂が防止される。
【0107】図1では、シリンダー型電池の例を挙げた
が、電池の形状はシリンダー、角のいずれにも適用でき
る。巻芯をシリンダー形にすれば、シリンダー型電池を
製造することができ、巻芯を角形にすれば、角型電池を
製造することができる。
【0108】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノート
パソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子
ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、
ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、
携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、
ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、
ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トラ
ンシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テ
ープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリー
カードなどが挙げられる。その他民生用として、自動
車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機
器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメ
ラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)
などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用
いることができる。また、太陽電池と組み合わせること
もできる。
【0109】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (1) 化合物の合成 式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物1-1-a、1-1-b、
2-1-d、3-1-aの合成例を示す。なお、これ以外の化合物
についても、下記の合成例に準拠して合成することがで
きる。
【0110】1-1.中間体M-1-1aの合成 トリエトキシシラン8.2gに(化合物A)5.6gを50℃以下で
添加した。添加後、反応液を室温で2日間撹拌した。反
応後、シリカゲルカラムクロマトで精製し、中間体M-1-
1a(1.7g)を無色液状物として得た。
【0111】
【化18】
【0112】1-2.中間体M-1-1bの合成 上記で得た(M-1-1)1.5gを酢酸エチル5mlに溶解し、ヨウ
化メチル0.5mlを加え、室温で1日撹拌した。溶媒を減圧
下留去し、M-1-1b(2.2g)を淡黄色油状物として得た。
【0113】
【化19】
【0114】1-3.1-1-aの合成 上記で得た(M-1-1b)2.2gを塩化メチレン(10ml)/水(10m
l)に溶解し、N-リチオトリフルオロメタンスルホンイミ
ド1.6gを加え、攪拌した。塩化メチレン相を分液し、濃
縮後、シリカゲルカラムクロマトにて精製し、1-1-a(0.
3g)を無色の油状物として得た。
【0115】1.4.1-1-bの合成 上記で得た(M-1-1b)1.0gを塩化メチレン10mlに溶解し、
テトラフルオロほう酸銀0.47gを加え撹拌した。2時間
後、不溶物をろ過し、ろ液濃縮物をシリカゲルカラムク
ロマトにて精製し、1-1-b(0.2g)を無色油状物として得
た。
【0116】2-1.中間体M-2-1aの合成 トリエトキシシラン82.0gにN-メチルジエタノールアミ
ン29.8gを50℃以下で滴下した。滴下後、反応液を室温
で1日間撹拌した。反応後、減圧蒸留し、中間体M-2-1a
(13.6g、142〜143℃/5mmHg)を無色液体として得た。
【0117】
【化20】
【0118】2-2.中間体M-2-1bの合成 上記で得た(M-2-1a)2.2gを酢酸エチル20mlに溶解し、ヨ
ウ化メチル0.55mlを加え、室温で2時間撹拌した。溶媒
を減圧下留去し、M-2-1b(2.9g)を淡黄色油状物として得
た。
【0119】
【化21】
【0120】2-3.2-1-dの合成 上記で得た(M-2-1b)1.17 gを塩化メチレン10mlに溶解
し、過塩素酸銀0.41gを加え撹拌した。2時間後、不溶
物をろ過し、ろ液を濃縮し、2-1-d(1.1g)を無色油状物
として得た。
【0121】3-1.中間体M-3-1aの合成 トリエトキシシラン16.4gとヨードエタノール17.1gの混
合物にトリエチルアミン1mlを滴下し、1日間室温で撹拌
した。その後、反応液を減圧蒸留し、中間体M-3-1a(5.5
g、80〜83℃/5mmHg)を無色液体として得た。
【0122】
【化22】
【0123】3-2.中間体M-3-1bの合成 上記で得た(M-3-1a)3.3gおよびペンタメチルグアニジン
1.2gを酢酸エチル20mlに溶解し、2時間加熱還流した。
溶媒を減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトで精製
し、M-3-1b(0.2g)を淡黄色油状物として得た。
【0124】
【化23】
【0125】3-3.3-1-aの合成 上記で得た(M-3-1b)0.2gを塩化メチレン5mlに溶解し、
テトラフルオロほう酸銀84mgを加え撹拌した。2時間
後、不溶物をろ過し、ろ液を濃縮し、3-1-a(0.18g)を無
色油状物として得た。
【0126】(2) 電解質組成物の調製 化合物1-1-a(569mg)及びN-リチオトリフルオロメタン
スルホンイミド(287mg)の等モル混合物をアセトニト
リル溶液(10ml)に溶解した後、アセトニトリルを減圧
留去して電解質組成物E-1を調製した。また、化合物及
び金属イオンの塩を下記表1に示すものに変更したこと
以外は上記と同様の方法により電解質組成物E-2〜E-19
をそれぞれ調製した。
【0127】(3) 固体電解質の作成 上記電解質組成物E-1(10g)に、0.5gの上記例示求核剤
dを混合した。得られた混合液をテフロン(登録商標)
上にキャスティングし、アルゴンガス雰囲気下、100℃
で4時間加熱し、固体電解質薄膜SPE-1を得た。電解質組
成物E-1及び求核剤を下記表2に示すものに変更したこ
と以外は上記と同様の方法により固体電解質薄膜SPE-2
〜SPE-14をそれぞれ得た。
【0128】(4) イオン伝導度及び輸率の測定 上記(2)及び(3)で作製した電解質組成物及び固体電解質
薄膜を、それぞれ0.5mmのポリプロピレンをスペーサー
とした2枚のリチウム電極に挟み、複素インピーダンス
測定法及び直流分極法との併用によって、イオン伝導度
及びLiイオン輸率を測定した。結果を表1及び表2に示
す。表1及び表2に示したように、本発明の電解質組成
物は、比較例の電解質組成物に比べ高いイオン伝導度及
び高いLiイオン輸率を示し、リチウムイオン伝導材料と
して有用であることがわかった。
【0129】
【表1】
【0130】
【化24】
【0131】
【表2】
【0132】(5) 2次電池の作製−1 (正極合剤ペーストの作成)正極活物質として、LiCoO2
を200質量部とアセチレンブラック10gとを、ホモジナ
イザーで混合し、続いて結着剤として2-エチルヘキシル
アクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合
体の水分散物(固形分濃度50質量%)を8g、濃度2質量
%のカルボキシメチルセルロース水溶液を60g加え混練
混合し、さらに水を50g加え、ホモジナイザーで撹拌混
合し、正極合剤ペーストを作成した。
【0133】(負極合剤ペーストの作成)負極活物質とし
て、SnGe0.1B0.5P0.58Mg0.1K0.1O3.35を200g、導電剤
(人造黒鉛)30gとホモジナイザーで混合し、さらに結着
剤として濃度2質量%のカルボキシメチルセルロース水
溶液50g、ポリフッ化ビニリデン10gとを加え混合したも
のと水を30g加えさらに混練混合し、負極合剤ペースト
を作成した。
【0134】(正極および負極電極シートの作成)上記で
作成した正極合剤ペーストをブレードコーターで厚さ30
μmのアルミニウム箔集電体の両面に、塗布量400g/
m2、圧縮後のシート厚みが280μmになるように塗布し、
乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成形し所定の大き
さに裁断し、帯状の正極シートを作成した。さらにドラ
イボックス(露点;−50℃以下の乾燥空気)中で遠赤外線
ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極シートを作成した。
【0135】同様に、負極合剤ペーストを20μmの銅箔
集電体に塗布し、上記正極シート作成と同様の方法で、
塗布量70g/m2、圧縮後のシートの厚みが90μmである負
極シートを作成した。
【0136】(シリンダー電池の作成)図1に従い電池の
作り方を説明する。上記で作成した正極シート、厚さ30
μmの東燃タピルス(株)性不織布TAPYRUS P22FW-OCS 、
負極シートさらに厚さ30μmの東燃タピルス(株)性不織
布TAPYRUS P22FW-OCSを順に積層し、これを渦巻き状に
巻回した。この巻回した電極群2を負極端子を兼ねるニ
ッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶1に収納
し、70℃、減圧下で、上記電解質E-1を注入した。その
後、上部絶縁板(3)を更に挿入した。正極端子(6)、絶
縁リング、PTC素子(63)、電流遮断素子(62)、圧力
感応弁体(61)を積層したものをガスケット(5)を介し
てかしめて円筒型電池(実施例1)を作成した。同様に
して表3に示した電解質を用いた実施例2〜14、比較例
1、2の電池を作成した。電池はそれぞれ10個ずつ作成
した。
【0137】(6) 2次電池の作製−2 負極活物質として黒鉛粉末を用いる以外は(5)と同様の
方法で円筒型電池(実施例15〜23、比較例3)を作成し
た。
【0138】(電池特性の評価)(5)及び(6)の方法で作成
した電池について、0.2C、充電終止電圧4.1V、放電終止
電圧2.7Vの条件で充放電を10回繰り返し、10サイクル目
における放電容量を求めた。これを同一処方の10個の電
池について調べ、その平均をその電池の容量とした。こ
のようにして各々の電池の容量を求め、この値を実施例
1の電池の容量で割って相対容量を求めた。また、それ
ぞれの電池の0.5C(充電終止電圧4.1V、放電終止電圧2.7
V)、100サイクル目の放電容量を求め、10サイクル目の
放電容量に対する比を計算しサイクル容量として表わし
た。それぞれの値を表3に示した。
【0139】
【表3】
【0140】上記の結果より、本発明の化合物を電解質
として用いた場合、容量の低下が見られずにサイクル性
を向上させていることがわかる。また、サイクル安定化
効果は、負極に炭素材料を用いたときよりも、非晶質の
複合酸化物を用いたときの方が大きいこともわかる。一
方、従来の電解質組成物では、容量低下およびサイクル
性が劣ることもわかった。
【0141】正極活物質が、LiNiO2やLiMnO2の場合に
も、以上の結果と同様であった。
【0142】(7) 2次電池の作製−3 (正極シートの作成1)正極活物質として、LiCoO2を43質
量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量
部、さらに結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部
を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練
して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に
エクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カ
レンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミ
ニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長
さ49mmの正極シート(CA-1)を作成した。
【0143】(正極シートの作成2)正極活物質として、
LiMn2O4 を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレン
ブラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニ
トリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒
体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアル
ミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設
し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、
端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ114μ
m、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製した(CA-2)。
【0144】(正極シートの作成3)正極活物質として、
LiNiO2 を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブ
ラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニト
リル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体
として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミ
ニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設
し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、
端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ75μ
m、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製した(CA-3)。
【0145】(負極シートの作成1)負極活物質としてSn
SiO3を43質量部、導電剤としてアセチレンブラック2質
量部とグラファイト2質量部の割合で混合し、さらに結
着剤としてポリアクリロニトリルを3質量部を加え、N-
メチルピロリドン100質量部を媒体として混練して負極
合剤スラリーを得た。
【0146】次にα−アルミナ45質量部、グラファイト
7質量部、ポリアクリロニトリル3質量部、N-メチルピロ
リドン100質量部の割合で混合し、補助層スラリーを得
た。
【0147】負極合剤スラリーを下層、補助層スラリー
を上層として厚さ10μmの銅箔にエクストルージョン式
塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機によ
り圧縮成形して厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの負極シ
ートを作成した。負極シートの端部にニッケル製のリー
ド板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で230
℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを用
いて行った。熱処理後の負極シート全面に4mm×55mmに
裁断した厚さ35μmのリチウム箔(純度99.8%)をシート
の長さ方向に対して直角に10mm間隔で貼り付けした(AN-
1)。
【0148】(負極シートの作成2)負極シートの作成1
にて、SnSiO3をSnAl0.2B0.4P0.2Si0.6O3.6、SnAl0.4B
0.5Cs0.1P0.5O3.65とした以外は同様にして、端部にニ
ッケル製のリード板を溶接したリチウム箔を貼り付けた
幅55mm×長さ50mmの負極シート(AN-2)、(AN-3)を作成し
た。
【0149】(負極シートの作成3)負極活物質としてメ
ソフェースピッチ系炭素材料(ペトカ社)を43質量部、導
電剤としてアセチレンブラック2質量部とグラファイト
2質量部の割合で混合し、さらに結着剤としてポリアク
リロニトリルを3質量部を加え、N-メチルピロリドン100
質量部を媒体として混練して負極合剤スラリーを得た。
負極合剤スラリーを厚さ10μmの銅箔にエクストルージ
ョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス
機により圧縮成形して厚さ46μm、幅55mm×長さ50mmの
負極シートを作成した。負極シートの端部にニッケル製
のリード板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中
で230℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒータ
ーを用いて行った。(AN-4)。
【0150】(シート電池の作製-1)負極シート,正極
シートはそれぞれ露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃
で30分脱水乾燥した。ドライ雰囲気中で、幅54mm×長さ
49mmの脱水乾燥済み正極シート(CA-1)(11)、幅60mm×
長さ60mmに裁断した厚さ30μmの東燃タピルス(株)製不
織布TAPYRUS P22FW-OCS (12)、幅55mm×長さ50mmの脱
水乾燥済み負極シート(AN-1)(13)の順で積層し、70
℃、減圧下で電解質E-5を注入した。その後、ポリエチ
レン(50μm)‐ポリエチレンテレフタレート(50μm)の
ラミネートフイルムよりなる外装材を使用し4縁を真空
下で熱融着して密閉し、シート型電池(実施例24)を作製
した。同様にして表4に示すような構成のシート型電池
を実施例25〜33、比較例4〜9を作製した。
【0151】(電池性能の評価)上記の方法で作成したシ
ート型電池について、0.2C、充電終止電圧4.2V、放電終
止電圧2.6V、の条件で充放電を10回繰り返し、10サイク
ル目における放電容量を求めた。これを同一処方の10個
の電池について調べ、その平均をその電池の容量とし
た。このようにして各々の電池の容量を求め、実施例25
〜28及び比較例4は実施例24で、比較例5は実施例29
で、比較例6は実施例30で、比較例7は実施例31で、比
較例8は実施例32で、比較例9は実施例33でそれぞれ割
って、同じ電極組成同士の相対容量を求めた。また、そ
れぞれの電池の0.5C(充電終止電圧4.2V、放電終止電圧
2.6V)、300サイクル目の放電容量を求め、10サイクル
目の放電容量に対する比を計算しサイクル容量として表
わした。それぞれの値を表4に示した。
【0152】
【表4】
【0153】上記の結果より、本発明の化合物を電解質
として用いた場合、容量の低下が見られずにサイクル性
を向上させていることがわかる。
【0154】(シート電池の作製−2)負極シート及び
正極シートをそれぞれ露点−40℃以下の乾燥空気中、23
0℃で30分脱水乾燥した。ドライ雰囲気中で、幅54mm×
長さ49mmの脱水乾燥済み正極シートCA-1(11)、幅60mm
×長さ60mmに裁断した固体電解質薄膜(12)、幅55mm×
長さ50mmの脱水乾燥済み負極シートAN-1(13)の順で積
層し、ポリエチレン(50μm)‐ポリエチレンテレフタ
レート(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装材
を使用し4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電
池(実施例34)を作製した。同様にして、下記表5に示
す構成の実施例35〜44及び比較例10〜15のシート型電池
をそれぞれ作製した。
【0155】(電池性能の評価)上記の方法で作成した
シート型電池について、0.2C、充電終止電圧4.2V、放電
終止電圧2.6V、の条件で充放電を10回繰り返し、10サイ
クル目における放電容量を求めた。これを同一処方の10
個の電池について調べ、その平均をその電池の容量とし
た。このようにして各々の電池の容量を求め、この値を
実施例35〜39及び比較例10は実施例34で、比較例11は実
施例40で、比較例12は実施例41で、比較例13は実施例42
で、比較例14は実施例43で、比較例15は実施例44でそれ
ぞれ割って、同じ電極組成同士の相対容量を求めた。そ
れぞれの値を表5に示した。
【0156】
【表5】
【0157】上記の結果より、本発明の電解質組成物を
固体電解質として用いた場合、従来の固体電解質を用い
た比較例に比べ電池容量が大きいことが確認された。
【0158】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の電解質組
成物は、高いイオン伝導性及びイオン輸率を示す。ま
た、かかる電解質組成物を用いた本発明の非水二次電池
は、耐久性に優れるとともに、容量を損なうことなく、
サイクル安定性を向上させることができるため、リチウ
ム二次電池等の用途に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に使用したシリンダー型電池の断面図
を示す。
【図2】 実施例に使用したシート型電池の概念図を示
す。
【符号の説明】
1・・・負極を兼ねる電池缶 2・・・巻回電極群 3・・・上部絶縁板 4・・・正極リード 5・・・ガスケット 6・・・正極端子を兼ねる電池蓋 61・・・圧力感応弁体 61a・・・絶縁カバー 62・・・電流遮断素子(スイッチ) 62a・・・第一導通体 62b・・・第二導通体 63c・・・絶縁リング 63・・・PTC素子 7・・・下部絶縁板 11・・・正極シート 12・・・不織布 13・・・負極シート 14・・・正極端子 15・・・負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/06 H01B 1/06 A (72)発明者 小野 三千夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5G301 CA30 CD01 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL02 AL03 AL04 AL06 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM06 AM07 AM11 AM16 BJ02 BJ14 DJ09 EJ04 EJ12 HJ02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〜(3)で表される化合物のうち
    少なくとも1つ、および周期律表IaまたはIIa族に属す
    る金属イオンの塩を含むことを特徴とする電解質組成
    物。 【化1】 (ただし、Qは窒素原子と共に5または6員環の芳香族カ
    チオンを形成しうる原子団を表し、L11及びL12は置換も
    しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のア
    ルケニレン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ
    基又はその繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは
    無置換のアルケニレンオキシ基又はその繰り返しからな
    る2価連結基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2
    価連結基を表し、R11は水素原子または置換基を表し、R
    12は水素原子または置換基を表し、n1は0、または1以
    上Q上に置換可能な(L12−R12)の数の最大値以下の整数
    を表し、X-はアニオンを表す。n1が2以上のとき(L12−R
    12)は同じでも異なっていてもよく、R11及びR12のうち
    2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。R
    11およびR12のうち少なくとも1つは−OM(OR)nで表され
    る置換基を表す(ここで、Rは置換または無置換のアル
    キル基あるいは、置換もしくは無置換のアリール基を表
    し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのいずれかを表し、n
    はMに結合できる整数を表す。nが2以上のときORは同じ
    でも異なってもよい)。L21〜L24およびL31〜L36は、L
    11と同義である。R21〜R24およびR31〜R36は水素原子ま
    たは置換基を表す。R21〜R24のうち2つ以上が互いに連
    結して環構造を形成してもよく、R21〜R24のうち少なく
    とも1つは−OM(OR)nで表される置換基を表す。R31〜R
    36のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形成しても
    よく、R31〜R36のうち少なくとも1つは−OM(OR)nで表
    される置換基を表す。Aは、窒素原子またはリン原子を
    表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電解質組成物におい
    て、前記MがSiであることを特徴とする電解質組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電解質組成物におい
    て、前記Qが炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子
    及び硫黄原子からなる群から選ばれる原子により構成さ
    れることを特徴とする電解質組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電解質
    組成物において、前記Qが形成する5または6員環の芳
    香族カチオンがイミダゾリウムカチオン又はピリジニウ
    ムカチオンであることを特徴とする電解質組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電解質
    組成物において、前記一般式(1)により表される化合物
    が下記一般式(4)により表されることを特徴とする電解
    質組成物。 【化2】 (ただし、L41〜L43はそれぞれ独立に置換もしくは無置
    換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン
    基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基又はその
    繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは無置換のア
    ルケニレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価連結
    基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2価連結基を
    表し、R41〜R43はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を
    表し、n4は0〜3の整数を表し、X-はアニオンを表す。
    n4が2又は3のとき(L43−R43)は同じでも異なっていて
    もよく、R41〜R43のうち2つ以上が互いに連結して環構
    造を形成してもよい。R41〜R43のうち少なくとも1つは
    −OM(OR)nで表される置換基を表す(ここで、Rは置換ま
    たは無置換のアルキル基あるいは、置換もしくは無置換
    のアリール基を表し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのい
    ずれかを表し、nはMに結合できる整数を表す。nが2以上
    のときORは同じでも異なってもよい)。)
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の電解質
    組成物において、前記一般式(1)により表される化合物
    が下記一般式(5)により表されることを特徴とする電解
    質組成物。 【化3】 (ただし、L51及びL52はそれぞれ独立に置換もしくは無
    置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレ
    ン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ基又はそ
    の繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは無置換の
    アルケニレンオキシ基又はその繰り返しからなる2価連
    結基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2価連結基
    を表し、R51及びR52はそれぞれ独立に水素原子又は置換
    基を表し、n5は0〜5の整数を表し、X-はアニオンを表
    す。n5が2以上のとき(L52−R52)は同じでも異なってい
    てもよい。R51及びR52のうち2つ以上が互いに連結して
    環構造を形成してもよく、R51及びR52のうち少なくとも
    1つは−OM(OR)nで表される置換基を表す(ここで、Rは
    置換または無置換のアルキル基あるいは、置換もしくは
    無置換のアリール基を表し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、
    Snのいずれかを表し、nはMに結合できる整数を表す。n
    が2以上のときORは同じでも異なってもよい)。)
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の電解質
    組成物において、前記電解質組成物が固体化されている
    ことを特徴とする電解質組成物。
  8. 【請求項8】 正極及び負極を有する非水電解質二次電
    池において、請求項1〜7のいずれかに記載の電解質組
    成物を含有することを特徴とする非水電解質二次電池。
  9. 【請求項9】 一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化
    合物を分子内に少なくとも2つ以上の求核性基を有する
    化合物と反応させて得られる架橋化合物、および周期律
    表IaまたはIIa族に属する金属イオンの塩を含み、固体
    化されていることを特徴とする電解質組成物。 【化4】 (ただし、Qは窒素原子と共に5または6員環の芳香族カ
    チオンを形成しうる原子団を表し、L11及びL12は置換も
    しくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のア
    ルケニレン基、置換もしくは無置換のアルキレンオキシ
    基又はその繰り返しからなる2価連結基、置換もしくは
    無置換のアルケニレンオキシ基又はその繰り返しからな
    る2価連結基、或いはこれらを複数組み合わせてなる2
    価連結基を表し、R11は水素原子または置換基を表し、R
    12は水素原子または置換基を表し、n1は0、または1以
    上Q上に置換可能な(L12−R12)の数の最大値以下の整数
    を表し、X-はアニオンを表す。n1が2以上のとき(L12−R
    12)は同じでも異なっていてもよく、R11及びR12のうち
    2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。R
    11およびR12のうち少なくとも1つは−OM(OR)nで表され
    る置換基を表す(ここで、Rは置換または無置換のアル
    キル基あるいは、置換もしくは無置換のアリール基を表
    し、Mは、Si、B、Ti、Al、Ge、Snのいずれかを表し、n
    はMに結合できる整数を表す。nが2以上のときORは同じ
    でも異なってもよい)。L21〜L24およびL31〜L36は、L
    11と同義である。R21〜R24およびR31〜R36は水素原子ま
    たは置換基を表す。R21〜R24のうち2つ以上が互いに連
    結して環構造を形成してもよく、R21〜R24のうち少なく
    とも1つは−OM(OR)nで表される置換基を表す。R31〜R
    36のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形成しても
    よく、R31〜R36のうち少なくとも1つは−OM(OR)nで表
    される置換基を表す。Aは、窒素原子またはリン原子を
    表す。)
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電解質組成物におい
    て、前記求核性基が水酸基であることを特徴とする電解
    質組成物。
  11. 【請求項11】 正極及び負極を有する非水電解質二次電
    池において、請求項9又は10に記載の電解質組成物を含
    有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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