JP2000182602A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JP2000182602A
JP2000182602A JP10354879A JP35487998A JP2000182602A JP 2000182602 A JP2000182602 A JP 2000182602A JP 10354879 A JP10354879 A JP 10354879A JP 35487998 A JP35487998 A JP 35487998A JP 2000182602 A JP2000182602 A JP 2000182602A
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Japan
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secondary battery
negative electrode
aqueous secondary
lithium
group
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JP10354879A
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English (en)
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Yukio Maekawa
幸雄 前川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストと過充電安全性に優れた高容量の非水
二次電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質がマンガンを含み、充放電に
関与するリチウムを予め実質的に含有しない金属酸化物
であり、かつ、負極シートが、リチウムを吸蔵、放出可
能な負極材料を主体とした層と少なくとも1層の水不溶
性の粒子を含む補助層からなる多層構成であり、負極シ
ートにリチウムを主体とした金属箔が予め貼付されたこ
とを特徴とする非水二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水二次電池に関す
るものであり、特に過充電安全性に優れた新規非水二次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯型のパソコンや携帯電話の普
及に伴い、二次電池の高エネルギー密度化に対する要望
が強まり、高エネルギー密度が可能なシリンダー型や角
型のリチウムイオン非水二次電池の開発が広範に行われ
小型二次電池の主役の座を占めるに至っている。現在、
市販されているシリンダー型や角型のリチウムイオン非
水二次電池の主要構成は、正極活物質:LiCoO2
LiMn2 4 などのリチウム含有金属酸化物/電解
液:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ジエチルカーボネートなどの低分子溶剤、リチウム塩/
負極活物質:リチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料とな
っている。
【0003】この内、スピネル型のLiMn24を正極
材料に用いてリチウムを吸蔵、放出可能な炭素材料を組
み合わせたリチウムイオン非水二次電池は、LiCoO
2を正極材料に用いたリチウムイオン非水二次電池と比
べ、コスト低減と過充電安全性確保の面が評価されてい
る。LiCoO2に含まれるCoは稀少な金属で高価で
あるため、LiCoO2のコストは電池の構成材料の中
で最も高価である。更に、Coは産出国が限定され供給
に不安のある材料でもある。これに対し、Mnは豊富に
存在し供給の不安もないため、LiCoO2のLiMn2
4への切り替えは電池構成材料コストの大幅な低減を
可能とする。コスト低減は電池構成材料だけではなく、
正極にスピネル型LiMn24、負極に炭素材料を組み
合わせたリチウムイオン非水二次電池を使用して電池パ
ックを組んだ場合には、二次電池が過充電安全性を確保
する特性を有するため、保護回路や電子機器本体が内蔵
する充電器のコスト低減にも関連する。現在、リチウム
イオン非水二次電池の充電方式として一定電流で充電し
電池に端子電圧が上昇したら定電圧充電に切り替える低
電流低電圧方式が採用されているが、LiCoO2を正
極材料に用いた二次電池では、電池メーカーが仕様とし
て定めた最大充電電圧を超えて充電されると、結晶構造
が破壊されるため充放電サイクル寿命の劣化をもたら
し、さらに、発煙や発火など安全性に問題が生じる可能
性がある。このため、充電器には充電終止電圧を超えな
いように精密な充電最終電圧制御回路が組み込まれてい
る。これに対して、スピネル型LiMn24を正極材料
に用いた二次電池では、最大充電電圧を多少超えて充電
されても充放電サイクル寿命の劣化が少なく、安全性へ
の問題も少ない。更に電池パックに内蔵される安全回路
も短絡防止回路と大電流保護回路、PTC素子、温度ヒ
ューズが具備されておれば過充電防止回路は不要とでき
るなど、安全回路の簡素化が可能となり、電池システム
全体としてのコストの低減化が可能となる。このような
LiCoO2に対するスピネル型LiMn2 4正極材料
の特徴にも拘わらず、リチウムイオン非水二次電池の主
役の座を占めることができない理由は、LiCoO2
正極材料とした電池と比べ電池容量が低い点にある。
【0004】また、電解液の溶媒としてエチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネー
トなどの低分子溶剤を主に使用する電池では、液漏れの
問題が避けられない。液漏れの問題をゲルポリマー電解
質を使用して根本的に克服し、高容量を確保する非水二
次電池として、正極活物質:金属酸化物材料/ゲルポリ
マー電解質/負極材料:リチウム金属、リチウム合金の
構成(特開平8‐287,949号、同8‐306,3
89号、同9‐97,618号、同9‐45,340
号、同9‐147,863号)が提案されている。更に
高容量のポテンシャルを持つ次世代非水二次電池とし
て、正極材料をこれまでの金属酸化物に代替してイオウ
含有化合物を用い、正極材料:イオウ含有化合物/ゲル
ポリマー電解質/負極活物質:リチウム金属、リチウム
合金の構成の非水二次電池の構成(米国特許第5,46
0,905号、同第5,462,566号、同第5,5
29,860号、同第5,601,947号、同第5,
648,187号)が提案されている。しかし、これら
に使用されている負極材料のLi金属は、単位体積当た
りの比容量、単位重量当たりの比容量が現在実用中の炭
素質材料に比べ著しく大きく、高容量を確保するための
利点を持っている半面、充放電中にリチウム金属の樹枝
状の成長による内部ショートの危険性を持っており、安
全性の十分な補償が必要な材料である。これまでの経緯
は「Li金属負極の安全性を補償するために炭素質材料
負極を選択」であり、Li金属負極の非水二次電池には
充放電によるリチウム金属の樹枝状成長の抑制が必要で
ある。
【0005】リチウム金属やリチウム合金からなる負極
材料を真性ポリマー電解質(低分子溶剤を含まないポリ
マー電解質)と組合わせ、充放電中のリチウム金属の樹
枝状の成長を抑制する非水二次電池(ジャーナル オブ
エレクトロケミカルソサエティ 132,6,133
3(1985)、ジャーナル オブ パワー ソーシ
ズ、54,163(1995)、同43,89(199
3)、欧州特許第213,985号、同第357,85
9号)が提案されている。しかし、この非水二次電池に
は低分子溶剤を含まない真性ポリマー電解質が使用され
ているため、低温から常温ではイオン伝導度が劣ること
によって良好な電池特性が得られず、良好な電池特性を
得るにはイオン伝導度を確保するために60℃程度以上
の温度領域で作動することが必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、過充
電安全性に優れ、高容量であり、かつ低コストの非水二
次電池を提供することである。さらには、液漏れの少な
い安全な非水二次電池を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、正極活
物質を含有する正極シート、リチウムを吸蔵・放出可能
な負極材料を含有する負極シートおよびリチウム塩を含
む非水電解質を有する非水二次電池において、 a)主たる正極活物質がマンガンを含み、かつ、充放電
に関与するリチウムを予め実質的に含有しない金属酸化
物であり、かつ、 b)負極シートが、リチウムを吸蔵、放出可能な負極材
料を主体とした層と少なくとも1層の水不溶性の粒子を
含む補助層からなる多層構成であり、かつ、 c)負極シートにリチウムを主体とした金属箔が予め貼
付されたことを特徴とする非水二次電池により達成する
ことができた。さらに、液漏れの少ない安全性の付与
は、該非水二次電池において、非水電解質を有機ポリマ
ー、非プロトン性溶媒およびアンモニウム塩またはアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属塩を含むゲル電解質
とすることにより達成された。
【0008】以下本発明の非水二次電池について詳述す
る。本発明の非水二次電池は、これまでの正極活物質に
LiCoO2、LiNiO2、LiMn24 の如き充放
電に関与するリチウムを予め含有している金属酸化物を
用いて充放電に必要なリチウムを正極から供給するシス
テムに換えて、充放電に必要なリチウムを負極から供給
するシステムとすることにより実質的に達成される。充
放電に必要なリチウムを負極から供給するシステムは、
具体的には、少なくともマンガンを含み充放電に関与す
るリチウムを予め含有しない金属酸化物を含有する正極
シート、リチウムを吸蔵、放出可能な負極材料を含有す
る負極シートにリチウムを主体とした金属箔をあらかじ
め貼付することによって充放電に必要なリチウムを供給
することによって実現される。
【0009】本発明で正極活物質として用いられる可逆
的にリチウムイオンを挿入・放出可能な少なくともマン
ガンを含んでおり、スピネル型LiMn24のリチウム
ような充放電に関与するリチウムを予め含有しない金属
酸化物からなる正極活物質としては、基本ユニットとし
てのMnO6八面体の連結したα−二酸化マンガン、β
−二酸化マンガン、γ−二酸化マンガン、γ/β−二酸
化マンガン、λ−二酸化マンガン、ラムズデライト型二
酸化マンガン、トドロカイト型二酸化マンガン、ビルネ
サイト型二酸化マンガン、層間に各種アルカリイオン
(Li+ 、K+ 、Na+ )などを含有した二酸化マンガ
ン、CDMO(γ/β−MnO2 とLi2MnO3 の複
合体,水酸化リチウムと電解二酸化マンガンを混合し熱
処理)、および、これらの処理品、他の材料との混合
物、固溶体などであり、好ましいものとしては、特開昭
54−56,137号、同54−75,535号、同5
4−113,030号、同54−118,534号、同
56−73,865号、同57−50,768号、同5
7−101,347号、同57−105,963号、同
57−126,072号、同57−126,073号、
同59−132,568号、同59−158,073
号、同60−131,768号、同60−225,35
8号、同61−16,473号、同62−126,55
5号、同62−256,371号、同62−285,3
62号、同62−290,058号)、同63−12
1,249号、同63−121,250号、同63−1
48,550号、同63−218,156号、同63−
228,573号、特開平1−67,809号、同1−
120,767号、同1−264,171号、同1−2
64,172号、同1−320,779号、同1−20
0,557号、同2−30,070号、同2−33,8
56号、同2−54,870号、同2−65,061
号、同2−90,463号、同2−106,873号、
同2−144,849号、同2−139,863号、同
2−175,886号、同2−220,357号、同2
−220,358号、同3−40,367号、同3−6
7,463号、同3−112,068号、同3−11
6,656号、同3−119,655号、同3−14
5,059号、同3−192,664号、同3−19
4,865号、同3−219,556号、同4−33,
259号等が挙げられるが、これらの混合物でもよい。
【0010】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。比表面積としては特に限定されないが、BET法で
0.01〜50m2 /gが好ましい。また正極活物質5
gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHと
しては7以上12以下が好ましい。所定の粒子サイズに
するには、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。
例えば、乳鉢、ボールミル、振動ボールミル、振動ミ
ル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェ
ットミルや篩などが用いられる。焼成によって得られた
正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機
溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
【0011】スピネル型LiMn24は作動電圧が約4
Vと高いものの、充放電容量と可逆電極機能の維持との
間にトレードオフの関係があるため、約100〜120
mAh/gの充放電容量であるのに対し、本発明で正極
活物質として用いられる可逆的にリチウムイオンを挿入
・放出可能な少なくともマンガンを含んでおり充放電に
関与するリチウムを予め含有しない金属酸化物であるC
DMOは作動電圧が約3Vながら約200mAh/gの
容量が報告されている(ジャーナル オブ パワーソー
セズ、39巻,51頁,1992年)。また、α、β、
γ/β、ラムズデライト型二酸化マンガンなども約18
0mAh/gの可逆容量を有していることが報告されて
いる(ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサエ
ティ 、137巻,40頁,1990年)。
【0012】充放電に関与するリチウムを予め含有しな
いマンガン含有金属酸化物は、負極にリチウム金属ある
いはリチウム合金を使用すると充放電時のデンドライト
生成の問題が避けられないが、本発明においてはリチウ
ムを主体とした金属箔を負極材料を主体とした合剤層単
層構成または、負極材料を主体とした合剤層と補助層と
の多層構成の負極シートと組み合わせ、放電とエージン
グによって電極材料に吸蔵されるため、デンドライトの
抑制が実質的に達成される。好ましいリチウムを主体と
した金属箔の量は負極材料と正極材料の種類によって選
択される。
【0013】リチウムを主体とした金属箔は負極シート
に重ね合わされ、正極シート、電解質(電解液またはゲ
ル電解質)、そして必要によりセパレーターと共に非水
二次電池を組立てた後、放電することにより、正極にリ
チウムが吸蔵される。この後、必要によりエージングを
行う。エージングは0〜80℃の間で1時間から10日
間が好ましいが、10〜60℃の間で4時間から2日間
が特に好ましい。本発明の電池は組立後すぐに充放電も
可能であるが、エージングした後、充放電することが好
ましい。
【0014】リチウムを主体とした金属箔を圧着する部
分は、負極シート上であれば任意の位置でよいが、好ま
しくは負極材料の塗布されている負極合剤層上である。
シート型の電池においては正極シートに対向していない
負極の集電体上であることも好ましい。重ね合わせパタ
ーンは厚さ一定の金属箔を負極シート全面に重ね合わせ
ることが好ましいが、負極シート全面でなくストライプ
(縦・横)、枠状、円板状など部分的に重ね合わせも用
いられ得る。トライプの重ね合わせの間隔は一定である
ことが好ましいが、一定でなくともよい。また、縦方向
と横方向とを組み合わせた格子状のパターンを用いるこ
ともできる。リチウムを主体とした金属箔を負極材料に
重ね合わせる方法としては、ロール転写法あるいはボー
ド転写法が用いられる。
【0015】ロール転写法とは任意の大きさに切断した
金属箔をロールにいったん張り付けた後、カレンダープ
レスしながら連続的に負極シート上に貼り付ける方法で
ある。ロールは双ローラーを用いることが張り付き性向
上の観点から好ましい。ロールの大きさは任意でよい
が、直径0.5〜100cmのものを用いることが好ま
しく、より好ましくは1〜50cmのものである。ロー
ル材質はリチウムと反応しにくい材質が好ましく、ポリ
オレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポ
リイミド、ポリカーボネートなどのポリマーやステンレ
ス、モリブデン等の金属製のものが好ましい。ボード転
写法とは任意の大きさに切断した金属箔を平面上にいっ
たん張り付けた後、プレスしながら負極シート上に貼り
付ける方法である。ボードの材質はロール材質と同様の
ものが好ましい。
【0016】リチウムを主体とした金属箔として好まし
いものは、例えば、Li−Al、Li−Al−Mn、L
i−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−I
n、Li−Al−Cdなどであり、リチウムと合金可能
な金属として好ましいものは、例えば、Al、Al−M
n、Al−Mg、Al−Sn、Al−Inなどである。
金属箔のリチウム含量は90%以上であることが好まし
く、98%以上であることが最も好ましい。リチウム箔
の厚さは均一性の観点から重要であり、1〜100μm
であることが好ましく、5〜50μm以下であれば更に
好ましく、10〜40μm程度が最も好ましい。
【0017】リチウムを主体とした金属箔は負極材料を
含む合剤層上に直接圧着してもよいが、リチウムと負極
材料とが発熱を伴って急激に反応することを避けるため
に、合剤層上にさらに少なくとももう一層の水不溶性の
粒子を含み、負極材料を実質的に含有しない補助層を設
け、その上にリチウムを主体とした金属箔圧着すること
がさらに好ましい。
【0018】本発明に於いて、負極シートに設けられた
補助層は少なくとも一層からなり、同種又は異種の複数
層により構成されていてもよい。これらの補助層は実質
的に電子伝導性を持たない絶縁性の層であってもよい
し、導電性の層であってもよい。更に、導電性の層と絶
縁性の層とが積層した形態であってもよい。補助層の厚
みは、0.2μm以上40μm以下が好ましく、0.3
μm以上20μm以下がより好ましい。補助層は、水不
溶性の絶縁性粒子や水不溶性の導電性粒子のほか、有機
ポリマー材料から構成される。本発明の水不溶性の絶縁
性粒子としては、無機物粒子、有機物粒子を挙げること
ができる。
【0019】無機物粒子としては金属および非金属元素
のカルコゲナイト(例えば、硫化物、酸化物)、炭化
物、ケイ化物、窒化物を挙げることができる。カルコゲ
ナイトでは酸化物が好ましく、還元されにくい酸化物が
好ましい。
【0020】これらの酸化物としては、例えば、Al2
3 、As4 6 、B2 3 、BaO、BeO、Ca
O、Li2O、K2O、Na2 O、In2 3 、MgO、
Sb25 、SiO2 、SrO、ZrO4 が挙げられ
る。これらの中で、Al2 3 、BaO、BeO、Ca
O、K2 O、Na2 O、MgO、SiO2 、SrO、Z
rO4 が特に好ましい。これらの酸化物は、単独であっ
ても、複合酸化物であっても良い。複合酸化物として好
ましい化合物としては、ムライト(3Al2 3 、2S
iO2 )、ステアタイト(MgO、SiO2 )、フォル
ステライト(2MgO、SiO2 )、コージェライト
(2MgO、2Al2 3 、5SiO2 )等を挙げるこ
とが出来る。炭化物、珪化物、窒化物のなかでは、Si
C、窒化アルミニウム(AlN)、BN、BPが絶縁性
が高くかつ化学的に安定で好ましく、特にBeO、B
e、BNを燒結助剤として用いたSiCが特に好まし
い。これらの絶縁性の無機化合物粒子は、生成条件の制
御や粉砕等の方法により、0.1μm以上、20μm以
下、特に好ましくは0.2μm以上、15μm以下の粒
子にして用いる。
【0021】有機物粒子としては架橋されたラテックス
又はフッ素樹脂の粉状体が好ましく、300℃以下で分
解したり皮膜を形成しないものが好ましい。より好まし
いのはテフロンの微粉末である。
【0022】水不溶性の導電性粒子としては、カーボン
ブラックや黒鉛等の炭素粒子、炭素繊維や、金属、金属
酸化物、金属繊維を挙げることが出来るが、リチウムと
の反応性の低い炭素粒子、金属粒子が好ましい。
【0023】炭素粒子としては従来電極活物質が導電性
でない場合に併用する導電材料として用いられる公知の
炭素材料を用いることが出来る。
【0024】これらの材料としてはサーマルブラック、
ファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラ
ックなどのカーボンブラック、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、
土状黒鉛などの天然黒鉛、人工黒鉛、炭素繊維等があげ
られる。これらの炭素粒子を有機ポリマー材料と混合分
散するためには、カーボンブラックと黒鉛を併用するの
が好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブ
ラック、ケッチェンブラックが好ましい。炭素粒子は、
0.01μm以上、20μm以下が好ましく、0.02
μm以上、10μm以下の粒子がより好ましい。
【0025】金属粉末としては、リチウムとの反応性が
低く合金を形成しにくい、銅、ニッケル、鉄、モリブデ
ン、チタン、タングステン、タンタルが好ましい。これ
らの金属粉末の形は、針状、柱状、板状、塊状のいずれ
でもよく、最大径が0.02μm以上、20μm以下が
好ましく、0.1μm以上、10μm以下がより好まし
い。これらの金属粉末は、表面が過度に酸化されていな
いものが好ましく、酸化されているときには還元雰囲気
で熱処理することが好ましい。
【0026】補助層に含まれる導電性粒子の割合は2.
5重量%以上、96重量%以下が好ましく、5重量%以
上、95重量%以下がより好ましく、10重量%以上、
93重量%以下が特に好ましい。
【0027】本発明の補助層に実質的に導電性を持たな
い粒子および/または導電性の粒子とともに使用される
有機ポリマー材料としては、後で述べる電極合剤を形成
する時に用いる結着剤を挙げることができる。粒子と有
機ポリマーの比率は両者の総重量に対して、粒子が40
重量%以上96重量%以下が好ましく、50重量%以上
94重量%以下がより好ましい。
【0028】補助層の塗設方式は、集電体上に、リチウ
ムを可逆的に吸蔵放出可能な材料をである金属または半
金族酸化物を主体とした合剤を塗設した後に、補助層を
順次塗設する逐次方式でもよいし、合剤層と補助層を同
時に塗設する同時塗布方式であってもよい。
【0029】本発明に用いられる負極材料はリチウムを
吸蔵・放出可能な化合物であればよい。特に、ケイ素・
ゲルマニウム・錫・鉛などリチウムとリチウムがイオン
化された金属間化合物形成可能な非酸化物系材料、無機
酸化物、無機カルコゲナイド、炭素質化合物が好まし
い。
【0030】ケイ素・ゲルマニウム・錫・鉛の原子を含
有する材料は高容量であり好ましい。炭素材料はリチウ
ムイオン二次電池負極材料としての理論容量は372m
Ah/g(C6 Li)であるが、リチウムと金属間化合
物を形成するケイ素の理論容量は4000mAh/gを
こえ、カーボンのそれより大幅に大きく、単結晶のケイ
素(特開平5−74,463号)、非晶質ケイ素(特開
平7−29,602号)、ケイ素を含んだ合金(特開昭
63−66,369号:ケイ素が19重量%、同63−
174,275号:ケイ素が0.05〜1.0重量%、
同63−285,865号:ケイ素が1〜5重量%)が
開示されている。ゲルマニウム・錫・鉛もなどもリチウ
ムとの間にリチウムがイオン化された金属間化合物を形
成する。
【0031】周期律表第13(IIIB)族〜15(V
B)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、
Sb、Biの単独あるいはそれらの2種以上の組み合わ
せからなる酸化物、カルコゲナイドも高容量であり、実
用領域でデンドライトの発生がほとんどなく極めて安全
性が高い負極材料であることが知られている(特開平5
−174,818号、同6−60,867号、同6−2
75,267号、同6−325,765号、同6−33
8,324号、EP−615,295号)。例えば、G
2 3 、SiO、GeO、SnO、SnO2 、Pb
O、PbO2 、Pb2 3 、Pb2 4 、Pb3 4
Sb2 3 、Sb2 4 、Sb2 5 、Bi2 3 、B
2 4 、SnSiO3 、GeS、SnS、SnS2
PbS、PbS2 、Sb2 3 、Sb2 5 、SnSi
3 などが好ましい。また、これらは、酸化リチウムと
の複合酸化物、例えば、Li2 SnO2 であってもよ
い。
【0032】無機酸化物、無機硫化物は正極活物質と同
様に非晶質が好ましい。さらにSn、Si、Geを中心
とする非晶質酸化物がさらに好ましく、中でも一般式
(1) SnM1 d 2 e f (式中、M1は、Al、B、P、Si、Geから選ばれ
る少なくとも一種以上の元素、M2は周期律表第1(I
A)族元素、第2(IIA)族元素、第3(IIIA)
族元素、ハロゲン元素から選ばれる少なくとも一種以上
の元素を表し、dは0.2以上2以下の数字、eは0以
上1以下の数字で0.2≦d+e≦2であり、fは1以
上6以下の数字を表す)で示されるSnを主体とする非
晶質酸化物であることが好ましい。Snを主体とする非
晶質酸化物としてはたとえば次の化合物が挙げられる
が、本発明はこれらに限定されるわけではない。 C- 1 SnSiO3 C- 2 Sn0.8 Al0.2 0.3 0.2 Si0.5 3.6 C- 3 SnAl0.4 0.5 Cs0.1 0.5 3.65 C- 4 SnAl0.4 0.5 Mg0.1 0.5 3.7 C- 5 SnAl0.4 0.4 Ba0.080.4 3.28 C- 6 SnAl0.4 0.5 Ba0.08Mg0.080.3
3.26 C- 7 SnAl0.1 0.2 Ca0.1 0.1 Si0.5
3.1 C- 8 SnAl0.2 0.4 Si0.4 2.7 C- 9 SnAl0.2 0.1 Mg0.1 0.1 Si0.5
2.6 C-10 SnAl0.3 0.4 0.2 Si0.5 3.55 C-11 SnAl0.3 0.4 0.5 Si0.5 4.3 C-12 SnAl0.1 0.1 0.3 Si0.6 3.25 C-13 SnAl0.1 0.1 Ba0.2 0.1 Si0.6
2.95 C-14 SnAl0.1 0.1 Ca0.2 0.1 Si0.6
2.95 C-15 SnAl0.4 0.2 Mg0.1 Si0.6 3.2 C-16 SnAl0.1 0.3 0.1 Si0.5 3.05 C-17 SnB0.1 0.5 0.1 SiO3.65 C-18 SnB0.5 0.1 Mg0.1 0.5 3.05
【0033】本発明の非晶質酸化物、カルコゲナイド
は、焼成法、溶液法のいずれの方法も採用することがで
きるが、焼成法がより好ましい。焼成法では、それぞれ
対応する元素の酸化物、カルコゲナイトあるいは化合物
をよく混合した後、焼成して非晶質酸化物、カルコゲナ
イトを得るのが好ましい。
【0034】焼成温度としては500℃以上1500℃
以下であることが好ましく、かつ焼成時間としては1時
間以上100時間以下であることが好ましい。
【0035】降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼成
炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよ
い。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版19
87)217頁記載のgun法・Hammer−Anv
il法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプ
レー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急
冷法を用いることもできる。またニューガラスハンドブ
ック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、双
ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する材
料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続
的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合に
は融液を攪拌することが好ましい。
【0036】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。最も好ましい不活性ガスは純アルゴンである。
【0037】本発明の酸化物、カルコゲナイドの平均粒
子サイズは0.1〜60μmが好ましい。所定の粒子サ
イズにするには、良く知られた粉砕機や分級機が用いら
れる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボ
ールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流
型ジェットミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、
あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕
も必要に応じて行うことが出来る。所望の粒径とするた
めには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特
に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用い
ることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることが
できる。
【0038】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。
【0039】炭素材料として好ましいものは、難黒鉛化
炭素材料と黒鉛系炭素材料であり、面間隔、密度および
結晶子サイズの規定された炭素材料(特開昭62−12
2,066号、特開平2−66,856号、同3−24
5,473号)、天然黒鉛と人造黒鉛の混合物(特開平
5−290,844号)、気相成長炭素材料(特開昭6
3−24,555号、同63−13,282号、同63
−58,763号、特開平6−212,617号)、ピ
ッチ焼成により合成されたメゾフェース炭素材料(特開
平5−307,957号、同5−307,958号、同
7−85,862号、同8−315,820号)、被覆
層を有する黒鉛(特開平6−84,516号)、更に
は、フェノール樹脂、フルフリルアルコール樹脂の焼成
体、水素原子残存のポリアセン材料などの炭素材料を挙
げることができる。これらの炭素材料の形状は、粒状
体、微小球状体、平板状体繊維状体、ウィスカー状体な
どを用いることができる。
【0040】本発明では、充放電特性改善のため、負極
材料はケイ素、ゲルマニウム、錫または鉛の原子を含む
化合物、一般式(1)で表される非晶質複合酸化物およ
び炭素材料から選ばれる2種以上の材料を組合せて用い
ることができる。
【0041】本発明のもう一つの目的である液漏れがな
く常温作動可能な非水二次電池は、ゲルポリマー電解質
を用いることによって実質的に達成される。本発明のゲ
ルポリマー電解質は、ポリマーネットワーク、少なくと
も1種の非プロトン性有機溶媒、リチウム塩で構成され
る。
【0042】電解質に含まれる有機ポリマーとしては、
以下の(A)〜(G)のものが好ましい。 (A)活性水素を含まない極性基を含有する側鎖を持
ち、かつ架橋されている有機ポリマー。具体的には、ビ
ニル基を架橋基として有するポリアルキレンオキシド
や、ポリアルキレンオキシド基を側鎖に有するビニルモ
ノマーとビニル基を二個以上有するモノマーとの共重合
体などである。例として以下の物が挙げられる。
【0043】
【化4】
【0044】(B)ビニル基とオリゴ(オキシアルキレ
ン)基を含有する第一のモノマー、ビニル基とカーボネ
ート基、シアノ基から選ばれる極性基を含有する第二の
モノマー、複数のビニル基を含有する第三のモノマーの
共重合体で、好ましくは第一、第二のモノマーのビニル
基としてアクリロイル基、メタクリロイル基から選ばれ
る少なくとも1種の官能基から誘導されている。さらに
好ましくは、一般式(2)で表される構造を含有するポ
リマー。 一般式(2)
【0045】
【化5】
【0046】式中R1は水素原子,炭素数1以上10以
下のアルキル基,炭素数1以上10以下のフッ素化アル
キル基、R2は一般式(3)で表される構造を含有する
基を表す。 一般式(3)
【0047】
【化6】
【0048】式中、R4は炭素数1以上10以下のアル
キル基,炭素数1以上10以下のフッ素化アルキル基、
炭素数1以上10以下のアリール基又はアラルキル基,
炭素数1以上10以下のフッ素化アリール基を表す。R
5は水素原子または炭素数1以上3以下のアルキル基で
あり、R6はR5と同義である。
【0049】R3は−CN又は一般式(4)で表される
構造を含有する基を表す。 一般式(4)
【0050】
【化7】
【0051】x、y、zは同一もしくは異なる1以上2
0以下の整数であり、a、b、cはそれぞれ第一、第
二、第三のモノマーのモル分率(百分率)であり、nは
重合度を表す。
【0052】以下に本発明のゲルポリマー電解質の構成
に好ましいポリマーネットワークに含有される一般式
(2)で表されるポリアクリル酸エステル誘導体および
ポリメタクリル酸エステル誘導体を主体とした共重合体
を構成する第一、第二、第三のモノマー構造の具体例を
示すが、無論これらに限定されるものではない。 第一のモノマー
【0053】
【化8】
【0054】第二のモノマー
【0055】
【化9】
【0056】第三のモノマー
【0057】
【化10】
【0058】以下に加熱および、または放射線照射によ
る重合で形成される本発明の一般式(2)で表される構
造単位を主体とした共重合体の具体例を表1に示すが、
無論これらに限定されるものではない。
【0059】 表1 化合物No. 第一モノマー 第二モノマー 第三モノマー (A)/(B)/(C) (A) (B) (C) モル比 P-21 1-1 2-4 3-5 4 /3/1 P-22 1-2 2-2 3-3 4 /2/1 P-23 1-3 2-6 3-4 2 /5/1
【0060】(C)アクリロニトリルまたはメタクリロ
ニトリルの単独重合体または他の重合可能なモノマーと
の共重合体。具体的には以下のポリマーが例として挙げ
られる。
【0061】
【化11】
【0062】(D)エチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイドの単独重合体またはそれらの共重合体、ま
たは該単独重合体または共重合体に側鎖として -CH2O(CH2CH2O)2CH3 を有するポリマー。具体的には以下のポリマーが例とし
て挙げられる。
【0063】
【化12】
【0064】(E)フッ化ビニリデンの単独重合体また
は他の重合可能なモノマーとの共重合体で単独重合体ま
たは他の重合可能なモノマーとの共重合体。具体的には
以下のポリマーが例として挙げられる。
【0065】
【化13】
【0066】(F)ポリシロキサンまたはその誘導体。
具体的には以下のポリマーが例として挙げられる。
【0067】
【化14】
【0068】(G)ポリフォスファゼンまたはその誘導
体。具体的には以下のポリマーが例として挙げられる。
【0069】
【化15】
【0070】本発明で使用できる非プロトン性有機溶媒
は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,
2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチ
ル、アセトニトリル、1,3−ジオキソラン、ジメチル
スルフォキシド、リン酸トリエステル(特開昭60−2
3,973号)、ジオキソラン誘導体(特開昭62−1
5,771号、同62−22,372号、同62−10
8,474号、)、プロピレンカーボネート誘導体(特
開昭62−290,069号、同62−290,071
号)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭63−32,
872号)などの1種以上の非プロトン性有機溶媒を挙
げることができる。
【0071】本発明で使用できるリチウム塩は、例え
ば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3
3、LiC49SO3、Li(CF3SO22N、Li
(C2 5SO22N、LiCF3CO2、LiAsF6
LiSbF6などの1種以上の塩を挙げることができ
る。
【0072】本発明のゲルポリマー電解質は、 1.ポリマーネットワーク、リチウム塩、非プロトン性
有機溶媒の組合わせで用いる場合 2.ポリマーネットワーク、リチウム塩、非プロトン性
有機溶媒と多孔質膜の組合わせで用いる場合 があり、それぞれ目的によって使い分けられる。
【0073】本発明で用いられる多孔質膜としては、大
きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶
縁性の微多孔または隙間のある材料が用いられる。
【0074】本発明の多孔質膜の膜厚は、5μm以上1
00μm以下、より好ましくは10μm以上80μm以
下の微多孔性のフィルム、織布、不織布などの布であ
る。
【0075】本発明の多孔質膜は、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン、ポリフッ化エチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリロニトリルが挙げられ、エチレン
成分を少なくとも20重量%含むものが好ましく、特に
好ましいのは30%以上含むものである。さらにポリエ
チレンとポリプロピレンポリエチレンとポリ4フッ化エ
チレンを混合溶解して作ったものも好ましい。
【0076】不織布や織布は、糸の径が0.1μmから
5μmで、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー、エチレン
−メチルブテン共重合ポリマー、エチレン−メチルペン
テン共重合ポリマー、ポリプロピレン、ポリ4フッ化エ
チレン繊維からなるものが好ましい。
【0077】本発明の多孔質膜は、ガラス繊維、炭素繊
維などの無機繊維や、二酸化珪素、ゼオライト、アルミ
ナやタルクなどの無機物の粒子を含んでいてもよい。
【0078】本発明の電極合剤には、活物質の他に導電
剤や結着剤、フィラーが添加される。電解質にゲル電解
質を用いる場合は本発明のゲル電解質またはそのポリマ
ーも添加できる。
【0079】導電剤は、構成された電池において、化学
変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。
通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛な
ど)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッ
ケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554
号)など)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体
(特開昭59−20,971号)などの導電性材料を1
種またはこれらの混合物として含ませることができる。
黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。そ
の添加量は、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30
重量%が好ましい。カーボンや黒鉛では、2〜15重量
%が特に好ましい。
【0080】本発明では電極合剤を保持するための結着
剤として、電解液との親和性のあるフッ素ゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、ポ
リビニルピロリドン、エチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー(EPDM)、スチレンブタジエンゴム、ポ
リブタジエンなどのポリマーなどが1種またはこれらの
混合物として用いることができる。また、電解質にゲル
電解質を用いる場合は前述のゲル電解質を構成する有機
ポリマーを用いることができる。その結着剤の添加量
は、1〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が
好ましい。
【0081】フィラーは、構成された電池において、化
学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いるこ
とができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用
いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0
〜30重量%が好ましい。
【0082】正・負極の集電体としては、構成された電
池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられ
る。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス
鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステン
レス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀
を処理させたものが好ましく、特に好ましいのはアルミ
ニウム、アルミニウム合金である。負極の集電体として
は、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、
特に好ましいのは銅あるいは銅合金である。
【0083】集電体の形状は、通常フィルムシート状の
ものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス
体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いるこ
とができる。厚みは、特に限定されないが、1〜500
μmである。また、集電体表面は、表面処理により凹凸
を付けることも望ましい。
【0084】塗布方法としては、例えば、リバースロー
ル法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エ
クストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー
法、ディップ法及びスクイーズ法を挙げることができ
る。その中でもブレード法、ナイフ法及びエクストルー
ジョン法が好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の
速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液
物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定すること
により、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。
塗布は、片面ずつ逐時でも両面同時でもよい。
【0085】また、塗布は連続でも間欠でもストライプ
でもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電池の形状
や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、
ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好ま
しい。
【0086】電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法は、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥
温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜
250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で20
00ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解
質ではそれぞれ500ppm以下にすることが好まし
い。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を
用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ま
しい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t
/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度
は0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜
200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅
の比は、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0
が特に好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、
化合物種類や合剤処方により異なる。
【0087】本発明のセパレーターは、安全性確保のた
め80℃以上で上記の隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流
を遮断する機能を持つことが必要であり、閉塞温度が9
0℃以上、180℃以下であることが好ましい。本発明
のゲル電解質を用いる場合でも安全性確保のためにセパ
レータと併用して使用することができる。
【0088】セパレーターの孔の形状は通常円形や楕円
形で、大きさは0.05μmから30μmであり、0.
1μmから20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離
法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であっても
よい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は20
%から90%であり、35%から80%が好ましい。こ
れらのセパレーターは、ポリエチレン、ポリプロピレン
などの単一の材料であっても、2種以上複合化材料であ
ってもよい。特に孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変
えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが特に好
ましい。
【0089】電解質としてゲル電解質を用いない場合、
本発明で使用できる電解液の溶媒としては、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、
ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、
ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキ
サン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグラ
イム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオ
キソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサ
ゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒ
ドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパン
サルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることがで
き、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
これらのなかでは、カーボネート系の溶媒が好ましく、
環状カーボネートと非環状カーボネートを混合して用い
るのが特に好ましい。環状カーボネートとしてはエチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
また、非環状カーボネートとしては、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
トをが好ましい。本発明の電解液は、上記溶媒に前述の
リチウム塩を溶解したものが使用できるが、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ジメト
キシエタン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカ
ーボネートを適宜混合した溶媒にLiCF3SO3、Li
ClO4、LiBF4および/またはLiPF6を溶解し
た電解液が好ましい。特にプロピレンカーボネートもし
くはエチレンカーボネートの少なくとも一方とジメチル
カーボネートもしくはジエチルカーボネートの少なくと
も一方の混合溶媒に、LiCF3SO3、LiClO4
もしくはLiBF4の中から選ばれた少なくとも一種の
塩とLiPF6を含む電解液が好ましい。これら電解液
を電池内に添加する量は特に限定されず、正極材料や負
極材料の量や電池のサイズに応じて用いることができ
る。
【0090】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピ
リジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールア
ミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライ
ム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、
硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンと
N, N’−置換イミダリジノン、エチレングリコールジ
アルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、ポリエチレ
ングリコール、ピロール、2−メトキシエタノール、A
lCl3、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリ
エチレンホスホルアミド、トリアルキルホスフィン、モ
ルホリン、カルボニル基を持つアリール化合物、12−
クラウン−4のようなクラウンエーテル類、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルホリン、
二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニウム塩、三
級スルホニウム塩などを挙げることができる。
【0091】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
【0092】電解液は、全量を1回で注入してもよい
が、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力
や超音波をかけることを行ってもよい。
【0093】本発明で使用できる電池缶および電池蓋は
材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス
鋼板(SUS304、SUS304L、SUS304
N、SUS316、SUS316L、SUS430、S
US444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼
板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、
チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒
状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負
極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッ
キを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ね
る場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合
金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シー
ト、シリンダー、角などのいずれでも良い。
【0094】電池内での異常反応による内圧上昇や暴走
反応を防止するために、弁体と電流遮断素子を組み込む
ことが好ましい。特に、封口部に内圧上昇により弁が破
壊されて内圧を開放する弁体と、弁体の変位に対応して
作動する電流遮断スイッチを組み合わせて封口部に組み
込むとより好ましい。これらの圧力感応弁体と電流遮断
スイッチは、特開平2−112151号公開公報、同2
−288063号公開公報、同6−215760号公開
公報、同9−92334号公開公報等に記載されている
ものを用いることができる。この他、従来から知られて
いる種々の安全素子(例えば、ヒューズ、バイメタル、
PTC素子等)を備えつけても良い。
【0095】本発明で使用する缶やリード板には、電気
伝導性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、ク
ロム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合
金を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シー
ト、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交
流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いるこ
とが出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来
から知られている化合物や混合物を用いることが出来
る。
【0096】本発明で使用できるガスケットは、材質と
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
【0097】本発明の非水二次電池の用途は、特に限定
されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノート
パソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子
ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、
ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、
携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、
ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、
ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トラ
ンシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テ
ープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリー
カードなどが挙げられる。その他民生用として、モータ
ー、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショ
ナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメー
カー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更
に、太陽電池と組み合わせもできる。
【0098】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0099】〔酸化物負極材料の合成例〕一酸化錫8
0.8g、二酸化ケイ素30g、酸化アルミニウム5.
1g、酸化ホウ素10.4g、ピロリン酸錫41.4g
を乾式混合し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲
気下15℃/分で1100℃まで昇温した。1100℃
で12時間焼成した後、10℃/分で室温にまで降温
し、焼成炉より取り出して、Sn0.8 Al0.2 0.3
0.2 Si0.5 3.6 (AMO−1)を得た。該化合物を
粗粉砕し、さらにジェットミルで粉砕し、平均粒径7.
0μmの粉末を得た。これはCuKα線を用いたX線回
折法において2θ値で28°付近に頂点を有するブロー
ドなピークを有する物であり、2θ値で40°以上70
°以下には結晶性の回折線は見られなかった。
【0100】同様の方法でそれぞれ化学量論量の原料を
混合、焼成、粉砕し、SnAl0.40.5 Cs0.1
0.5 3.65(AMO−2)を得た。
【0101】〔正極シート作成例−1〕正極材料とし
て、ラムズデライト型MnO2 (CMO−1)を200
gとアセチレンブラック8.8gとをホモジナイザーで
混合し、続いて結着剤としてポリ弗化ビニリデン6.5
gを混合し、N−メチル2−ピロリドン500mlを加
え混練混合して得られたスラリーを厚さ20μm、幅5
3.5mmのアルミニウム箔の両面にブレードコーターを
使って塗設し、150℃乾燥後ローラープレス機により
圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶
接して、厚さ170μm、幅53.5mm×長さ450mm
の正極シートを作製した(CA−1、表2)。
【0102】〔正極シート作成例−2〕正極材料として
電解二酸化マンガン(EMD)とLiOHをモル比7:
3で混合し375℃で熱処理する事によって合成したC
DMO(CMO−2、γ/β−MnO2とLi2MnO3
の複合体)を使用し、正極電極作成例−1と同様の操作
で、厚さ170μm、幅53.5mm×長さ450mmの正
極シートを作製した(CA−2、表2)。
【0103】〔正極シート作成例−3〕正極材料として
スピネル型LiMn2 4 (CMO−3)を使用し、正
極電極作成例−1と同様の操作で、厚さ170μm、幅
53.5mm×長さ450mmの正極シートを作製した(C
AR−3、表2)。
【0104】
【表1】
【0105】〔Li箔貼付多層負極シート作成例−1〕
負極活物質としてSn0.8 Al0.2 0.3 0.2 Si
0.5 3.6 (AMO−1)を190g、導電剤としてア
セチレンブラック6.8gとグラファイト18gの割合
で混合し、さらに結着剤としてポリ弗化ビニリデンを9
gを加え、N−メチルピロリドン500mlを媒体とし
て混練して負極合剤スラリーを得た。次にα−アルミナ
45重量部、グラファイト7重量部、ポリ弗化ビニリデ
ン3重量部、N−メチルピロリドン100重量部の割合
で混合し、補助層スラリーを得た。負極合剤スラリーを
下層、補助層スラリーを上層として厚さ18μmの銅箔
の両面にブレードコーターを使って塗設し、150℃乾
燥後ローラープレス機により圧縮成形して厚さ134.
3μm×幅55mmの負極シート前駆体(AN−1)を作
成した。これを長さ495mmに切断後、端部にニッケル
製のリード板を溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空
気中で230℃で遠赤外線ヒーターを用いて1時間熱処
理を行った。熱処理後の負極シート前駆体の両面に43
7mm×52mmに裁断した厚さ35μmのリチウム箔(純
度99.8%)を貼り付け表3に示す負極シートANL
−1を作成した。
【0106】〔Li箔貼付多層負極シート作成例−2〕
負極活物質としてSnAl0.4 0.5 Cs0.1 0.5
3.65(AMO−2)を用いてLi箔貼付多層負極シート
作成例−1と同様に134.3μm×幅55mmの負極シ
ート前駆体(AN−2)を作成し、表3に示す厚さ35
μmのリチウム箔を貼り付け負極シートANL−2を作
成した。
【0107】〔Li箔貼付多層負極シート作成例−3〕
負極活物質としてペトカ社のメゾフェースピッチ系炭素
材料(材料番号MPC−1)を200g、導電剤として
人造黒鉛30gを混合し、さらに結着剤としてポリ弗化
ビニリデンを9gを加え、N−メチルピロリドン500
mlを媒体として混練して負極合剤スラリーを得た。次
にLi箔貼付多層負極シート作成例−1と同様に補助層
スラリーを作成し、負極合剤スラリーを下層、補助層ス
ラリーを上層として厚さ18μmの銅箔の両面にブレー
ドコーターを使って塗設し、150℃乾燥後ローラープ
レス機により圧縮成形して厚さ134.3μm×幅55
mmの負極シート前駆体(AN−3)を作成した。これを
長さ495mmに切断後、端部にニッケル製のリード板を
溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃
で遠赤外線ヒーターを用いて1時間熱処理を行った。熱
処理後の負極シート前駆体の両面に各々4.4mm×52
mmに裁断した厚さ35μmのリチウム箔(純度99.8
%)50枚を負極シート前駆体の長さ方向に対して直角
に8.5mmピッチで貼り付けし、負極シートANL−3
(表3)を作成した。
【0108】〔比較例用負極シート作成例−1〕露点−
40℃以下の乾燥空気中で厚さ100μmのリチウム箔
を幅52mm×長さ440mmに切断し、端部にニッケルの
リード板を溶接し負極シートとした(ANR−4、表
3)。
【0109】〔比較例用負極シート作成例−2〕露点−
40℃以下の乾燥空気中でLi箔貼付多層負極シート作
成例−3で作製した厚さ134.3μm×幅55mmの負
極シート前駆体(AN−3)を495mmに切断し、端部
にニッケルのリード板を溶接し負極シートとした(AN
R−5、表3)。
【0110】
【表2】
【0111】〔電解液質作成例〕アルゴン雰囲気で20
0ccの細口のポリプロピレン容器に65.3gの炭酸
ジエチルを秤取し、22.2gの炭酸エチレンを溶解
し、これに0.4gのLiBF4 と12.1gのLiP
6 を液温が30℃を越えないように注意しながら少量
ずつ溶解した。得られた電解液は比重1.135で無色
透明の液体であった。水分は18ppm(京都電子製
商品名MKC−210型カールフィシャー水分測定装置
で測定)、遊離酸分は24ppm(ブロムチモールブル
ーを指示薬とし、0.1規定NaOH水溶液を用いて中
和滴定して測定)であった。
【0112】図1は、18650サイズの円筒型電池の
概念図を示す。
【0113】〔実施例−1〕18650サイズの円筒型
電池の作り方を図1に従い説明する。Li箔貼付多層負
極シート、正極シートはそれぞれ露点−40℃以下の乾
燥空気中で230℃で30分脱水乾燥した。ドライ雰囲
気中で、脱水乾燥済みの正極シート(CA−1)
(1)、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレーター
(3)、脱水乾燥済みのLi箔貼付負極シート(ANL
−1)(2)さらにセパレーター(3)の順に積層し、
これを渦巻き状に巻回した。この巻回した電極群を負極
端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の18650
サイズ用有底円筒型電池缶(4)に収納した。さらに、
電解液質作成例で作成した電解液を電池缶に注入した。
正極端子を有する電池蓋(5)をガスケット(6)を介
してかしめて円筒型電池(B−1)を作製した。尚、正
極端子は正極シート(1)と、電池缶(4)は負極シー
ト(2)とあらかじめリード端子により接続した。尚、
(7)は安全弁である。
【0114】作成した18650サイズの円筒型電池
(B−1)は常温で1.2Aで2.0Vまで放電した
後、40℃で1日放置する。充電は3.8Vまで定電流
で充電し、充電開始から2.5時間経過するまで3.8
Vで一定に保つように定電電流を制御した。放電は常温
で1.2Aで1.0Vまで定電流で実施した。そのとき
の放電容量、平均放電電圧の結果、150サイクル後の
負極表面のリチウムデンドライト発生の目視観察結果を
表5に示す。
【0115】〔実施例−2〕実施例−1と同様に、正極
シート、Li箔貼付多層負極シートを表4のように組合
わせた18650サイズの円筒型電池B−2、3、4を
作成し、実施例−1と同様に、1.2Aで2.0Vまで
放電した後1日間放置してから充放電を実施し、それら
の放電容量,平均放電電圧の結果、150サイクル後の
負極表面の目視観察結果を表5に示す。
【0116】〔比較例−1〕露点−40℃以下の乾燥空
気中で、脱水乾燥済みの正極シート(CA−1)、微多
孔性ポリエチレンフィルム製セパレーター、脱水乾燥済
みの負極シートANR−4を使用し、実施例−1と同様
に、18650サイズの円筒型電池BR−1を作製し、
実施例−1と同様に、1.2Aで2.0Vまで放電した
後1日間放置してから充放電を実施し、それらの放電容
量,平均放電電圧の結果、150サイクル後の負極表面
のリチウムデンドライト発生の目視観察結果を表5に示
す。
【0117】〔比較例−2〕露点−40℃以下の乾燥空
気中で、脱水乾燥済みの正極シート(CAR−3)、微
多孔性ポリエチレンフィルム製セパレーター、脱水乾燥
済みのLiを貼付していない負極シートANR−5を使
用し、実施例−1と同様に、18650サイズの円筒型
電池BR−1を作製した。1.2Aで2.8Vまで放電
した後1日間放置する。充電は4.2Vまで定電流で充
電し、充電開始から2.5時間経過するまで4.2Vで
一定に保つように定電電流を制御した。放電は常温で
1.2Aで2.8Vまで定電流で実施した。そのときの
放電容量、平均放電電圧の結果、150サイクル後の負
極表面の目視観察結果を表5に示す。
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】実施例−1、2から、充放電に関与するリ
チウムを予め含有していないマンガン酸化物を含有する
正極シートと、充放電に関与するリチウムを主体とした
金属箔をあらかじめ貼付した負極シートとを組み合わせ
た非水二次電池を組立てた後、放電によって充放電に必
要なリチウムを正極シートに供給し、一日間40℃でエ
ージングしてから充放電を行うと、150サイクル後に
おいても、負極表面のリチウムデンドライトの発生は認
められず、比較例−1のLi金属負極と遜色ない高い放
電容量が得られることが明らかである。
【0121】比較例−1の結果は、実施例−1、2およ
び、比較例−1と同じ正極シートを、リチウム箔負極と
組み合わせることによって高い放電容量が得られるもの
の、充放電によってリチウムデンドライトが発生するた
め、安全性の懸念があることを示している。
【0122】比較例−2の結果は、スピネル型二酸化マ
ンガンを正極活物質とする正極シートCAR−3を使用
して、負極シートにLi箔を添付していない場合は、負
極表面のリチウムデンドライトの発生は認められない
が、放電容量が低下し、平均放電電圧の上昇を考慮して
も、電池のエネルギー量が低下することを示している。
【0123】〔正極シート作成例−4〕正極材料とし
て、ラムズデライト型MnO2(CMO−1)を42.
3重量部、鱗片状黒鉛1.4重量部、アセチレンブラッ
ク1.4重量部、さらに結着剤としてポリアクリロニト
リル2.0重量部を加え、N−メチルピロリドン100
重量部を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ2
0μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機
を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮
成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し
て、厚さ105μm、幅54mm×長さ45mmの正極シー
トを作製した(表6:CA−4)。
【0124】〔正極シート作成例−5〕正極材料として
CMO−2(γ/β−MnO2とLi2MnO3の複合
体)およびCMO−3(スピネル型LiMn24)を使
用し、正極電極作成例−4と同様の操作で、表6に示す
正極シートCA−5およびCAR−6を作成した。
【0125】
【表5】
【0126】〔Li貼付多層負極シート作成例−4〕負
極活物質としてAMO−1(Sn0.8 Al0.2 0.3
0.2 Si0.5 3.6)を43重量部、導電剤としてアセチ
レンブラック2重量部とグラファイト2重量部の割合で
混合し、さらに結着剤としてポリアクリロニトリルを3
重量部を加え、N−メチルピロリドン100重量部を媒
体として混練して負極合剤スラリーを得た。次にα−ア
ルミナ45重量部、グラファイト7重量部、ポリアクリ
ロニトリル3重量部、N−メチルピロリドン100重量
部の割合で混合し、補助層スラリーを得た。負極合剤ス
ラリーを下層、補助層スラリーを上層として厚さ18μ
mの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設
し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形して厚さ
76.2μm×幅55mmの負極シート前駆体(AN−6
V)を作成した。これを長さ46mmに切断後、端部にニ
ッケル製のリード板を溶接した後、露点−40℃以下の
乾燥空気中で230℃で遠赤外線ヒーターを用いて1時
間熱処理を行った。熱処理後の負極シート前駆体に44
mm×52mmに裁断した厚さ35μmのリチウム箔(純度
99.8%)を貼り付け表7に示す負極シートANL−
6を作成した。
【0127】〔Li貼付多層負極シート作成例−5〕負
極活物質としてAMO−2(SnAl0.4 0.5 Cs
0.1 0.5 3.65)を用いてLi貼付多層負極シート作
成例−4と同様に46mm×幅55mmの負極シート前駆体
(AN−7V)を作成し、表7に示す厚さ35μmのリ
チウム箔を貼り付け負極シートANL−7を作成した。
【0128】〔Li貼付多層負極シート作成例−6〕負
極活物質としてメゾフェースピッチ系炭素材料(MPC
−1)を43重量部、導電剤としてアセチレンブラック
2重量部とグラファイト2重量部の割合で混合し、さら
に結着剤としてポリアクリロニトリルを3重量部を加
え、N−メチルピロリドン100重量部を媒体として混
練して負極合剤スラリーを得た。次にLi貼付多層負極
シート作成例−4と同様に補助層スラリーを作成し、負
極合剤スラリーを下層、補助層スラリーを上層として厚
さ18μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使っ
て塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形し
て厚さ76.2μm×幅55mmの負極シート前駆体(A
N−8V)を作成した。これを長さ50mmに切断後、端
部にニッケル製のリード板を溶接した後、露点−40℃
以下の乾燥空気中で230℃で遠赤外線ヒーターを用い
て1時間熱処理を行った。厚さ35μmのリチウム箔
(純度99.8%)を4.5mm×54mmに切断し、5枚
を負極シート前駆体の長さ方向に対して直角に8mmピッ
チで貼り付けし、負極シートANL−8を作成した。
【0129】〔比較電池用負極シートの作成例−3〕後
述の比較例の電池用負極シートとして表7に示す次の2
種のシートを作製した。すなわち、負極シート作成例−
6で圧縮成形して作成した厚さ76.2μm×幅55mm
×長さ50mmの負極シート前駆体を露点−40℃以下の
乾燥空気中で、端部にニッケル製のリード板を溶接した
後、230℃で1時間熱処理し、これをリチウム箔を貼
付することなく負極シート(ANR−9)とした。ま
た、露点−40℃以下の乾燥空気中で厚さ100μmの
リチウム箔を幅52mm×長さ44mmに切断し、端部にニ
ッケルのリード板を溶接し負極シートとした(ANR−
10)。
【0130】
【表6】
【0131】〔ゲルポリマー電解質作成例−1〕4/3
/1(モル比)の前述の第一モノマー1-1、第二モノマ
ー2-4、第三モノマー3-5の混合物(P−21相当組成)
16.5重量部、LiPF611重量部、2,2’−ア
ゾビス(メチルイソブチレート)1.1重量部、エチレ
ンカーボネート:ジエチルカーボネート=2:8(重
量)71.4重量部を混合して均一溶液とした。本溶液
を厚さ30μmの東燃タピルス(株)製不織布TAPYRUS
P22FW-0CSを介して塗布した後、70℃にて5分加熱し
厚さ50μmのゲルポリマー電解質膜を得た(PE−
1)。
【0132】〔ゲルポリマー電解質作成例−2〕4/2
/1(モル比)の前述の第一モノマー1-2、第二モノマ
ー2-2、第三モノマー3-3の混合物(P―22相当組成)の
16.5重量部をゲルポリマー電解質作成例−1と同様
に、厚さ50μmのゲルポリマー電解質膜を得た(PE
−2)。
【0133】〔ゲルポリマー電解質作成例−3〕2/5
/1(モル比)の前述の第一モノマー1-3、第二モノマ
ー2-6、第三モノマー3-4の混合物(P―23相当組成)の
16.5重量部をゲルポリマー電解質作成例−1と同様
に、厚さ50μmのゲルポリマー電解質膜を得た(PE
−3)。
【0134】〔ゲルポリマー電解質作成例−4〕ポリア
クリロニトリル16.5重量部、LiPF611重量
部、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=
2:8(重量)71.4重量部を混合して均一溶液とし
た。本溶液を厚さ30μmの東燃タピルス(株)製不織
布TAPYRUS P22FW-0CSを介して塗布後、冷却し厚さ50
μmのゲルポリマー電解質膜を得た。これを幅60mm×
長さ54mmに裁断した(PE−4)。
【0135】〔ゲルポリマー電解質作成例−5〕フッ化
ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(88
/12、モル比)16.5重量部を用いて、作成例−4
と同様に、幅60mm×長さ54mm×厚さ50μmのゲル
ポリマー電解質膜を得た(PE−5)。
【0136】図2は、シート電池の概念図を示す。
【0137】〔実施例−3〕負極シート、正極シートは
それぞれ露点−40℃以下の乾燥空気中で230℃で3
0分脱水乾燥した。ドライ雰囲気中で、幅54mm×長さ
45mmの脱水乾燥済み正極シート(CA−4)、幅60
mm×長さ50mmに裁断したゲルポリマー電解質膜(PE
−1)、幅55mm×長さ46mmの脱水乾燥済みLi貼付
多層負極シート(ANL−6)の順で積層し、ポリエチ
レン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50
μm)のラミネートフイルムよりなる外装材を使用し、
縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池(BS−
1)を作成した。
【0138】作成したシート型電池(BS−1)は常温
で60mAで1.0Vまで放電した後、40℃で1日放
置する。充電は4.0Vまで定電流で充電し、充電開始
から2.5時間経過するまで4.0Vで一定に保つよう
に定電電流を制御した。放電は常温で60mAで1.0
Vまで定電流で実施した。そのときの放電容量および平
均放電電圧の結果、150サイクル後の負極表面のデン
ドライト発生の目視観察結果を表9に示す。
【0139】〔実施例−4〕実施例−3と同様に、正極
シート、Li貼付多層負極シート、ゲルポリマー電解質
膜を表8のように組合わせたシート電池BS−2、3、
4、5を作成し、実施例−3と同様に、60mAで1.
0Vまで放電した後1日間放置してから充放電を実施
し、それらの放電容量および平均放電電圧の結果、15
0サイクル後の負極表面のデンドライト発生の目視観察
結果を表9に示す。
【0140】〔比較例−3〕実施例3と同様にして、負
極シートANR−9、脱水乾燥済み正極シートCAR−
6およびゲルポリマー電解質膜PE−1を表8のように
組合せて積層した後、ポリエチレン(50μm)−ポリ
エチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフイ
ルムよりなる外装材を使用し、縁を真空下で熱融着して
密閉し、シート型電池(BSR−1)を作成して、実施
例−3と同条件で放電容量等を評価した結果を表9に示
す。 〔比較例−4〕負極シートANR−10および正極シー
トCA−4を使用して比較例−3と同様に表8の構成の
シート電池BSR−2を作成した後、実施例−3と同条
件で電池性能を評価した結果を表9に示す。
【0141】
【表7】
【0142】
【表8】
【0143】実施例−3、4から、本発明の電池は15
0サイクル後においても、負極表面のリチウムデンドラ
イトの発生は認められず、比較例−4のLi金属負極を
有する電池と遜色ない放電容量が得られることが明らか
である。
【0144】比較例−3の結果は、リチウムを含むスピ
ネル型二酸化マンガンを正極活物質とする正極シートC
AR−6を使用して、負極シートにLi箔を添付してい
ない場合は、負極表面のリチウムデンドライトの発生は
認められないが、放電容量が低下し、平均放電電圧の上
昇を考慮しても、電池のエネルギー量が低下することを
示している。比較例−4の結果は、実施例−3、4と同
じ正極シートを、リチウム箔負極と組み合わせることに
よって、放電容量は得られるものの、充放電によってリ
チウムデンドライトが発生するため、安全性の懸念があ
ることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用した円筒型電池の概念図を示した
ものである。
【符号の説明】
11 正極シート 12 負極シート 13 セパレーター 14 電池缶 15 電池蓋 16 ガスケット 17 安全弁
【図2】実施例に使用したシート型電池の概念図を示し
たものである。
【符号の説明】
21 正極シート 22 高分子固体電解質 23 負極シート 24 正極端子 25 負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA10 BA07 BB01 BB02 BB04 BB05 BB12 BC01 BC02 BD03 5H014 AA01 BB08 BB12 CC01 EE02 EE05 EE08 EE10 HH01 5H029 AJ12 AK03 AL06 AL07 AL12 BJ12 BJ14 CJ05 CJ16 CJ22 DJ08 DJ09 DJ15 DJ16 HJ02

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質を含有する正極シート、リチ
    ウムを吸蔵・放出可能な負極材料を含有する負極シート
    およびリチウム塩を含む非水電解質を有する非水二次電
    池において、 a)主たる正極活物質がマンガンを含み、かつ、充放電
    に関与するリチウムを予め実質的に含有しない金属酸化
    物であり、 b)負極シートが、リチウムを吸蔵、放出可能な負極材
    料を主体とした層と少なくとも1層の水不溶性の粒子を
    含む補助層からなる多層構成であり、かつ、 c)負極シートにリチウムを主体とした金属箔が予め貼
    付されたことを特徴とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 該補助層に含まれる水不溶性の粒子が導
    電性の粒子と実質的に導電性を持たない粒子の混合物で
    あることを特徴とする請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウムを主体とした金属箔を貼付する
    負極シートの部位が請求項1または2に記載の補助層上
    である請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. 【請求項4】 負極材料の少なくとも1種が、ケイ素、
    ゲルマニウム、錫または鉛の原子を含む化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水二
    次電池。
  5. 【請求項5】 負極材料の少なくとも1種が、一般式
    (1): SnM1 d 2 e f で示される非晶質酸化物であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の非水二次電池。(式中M
    1 は、Al、B、P、SiおよびGeから選ばれる少な
    くとも1種以上の元素、M2 は周期律表1族元素、第2
    族元素、第3族元素およびハロゲン元素から選ばれる少
    なくとも1種以上の元素を表し、dは0.2以上2以下
    の数字、eは0以上1以下の数字で、かつ、0.2≦d
    +e≦2であり、fは1以上6以下の数字を表す)
  6. 【請求項6】 負極材料の少なくとも1種が、炭素材料
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の非水二次電池。
  7. 【請求項7】 該炭素材料が少なくとも黒鉛構造を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の非水二次電池。
  8. 【請求項8】 該炭素材料が粒状体、微小球状体、平板
    状体、繊維状体またはウィスカー状体であることを特徴
    とする請求項6または7に記載の非水二次電池。
  9. 【請求項9】 負極材料として請求4記載の化合物材
    料、請求項5記載の一般式(1)で示される非晶質酸化
    物材料および請求項6または7記載の炭素材料から選ば
    れる材料を少なくとも2種組合せて用いることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
  10. 【請求項10】 非水電解質が有機ポリマー、非プロト
    ン性溶媒およびアンモニウム塩またはアルカリ金属もし
    くはアルカリ土類金属塩を含むゲル電解質であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の非水二次電
    池。
  11. 【請求項11】 有機ポリマーが活性水素を含まない極
    性基を含有する側鎖を持ち、かつ、架橋されていること
    を特徴とする請求項10に記載の非水二次電池。
  12. 【請求項12】 有機ポリマーがビニル基とオリゴ(オ
    キシアルキレン)基を含有する第一のモノマー、ビニル
    基とカーボネート基またはシアノ基のいずれかの極性基
    を含有する第二のモノマー、複数のビニル基を含有する
    第三のモノマーの共重合体であることを特徴とする請求
    項10〜11のいずれかに記載の非水二次電池。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の共重合体におい
    て、第一および第二のモノマーのビニル基がアクリロイ
    ル基、メタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種の
    官能基から誘導されていることを特徴とする請求項12
    に記載の非水二次電池。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の共重合体が、一般
    式(2)で表される構造を含有することを特徴とする請
    求項12記載の非水二次電池。 一般式(2) 【化1】 式中R1は水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル
    基、炭素数1以上10以下のフッ素化アルキル基、R2
    は一般式(3)で表される構造を含有する基を表す。 一般式(3) 【化2】 式中、R4は炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素
    数1以上10以下のフッ素化アルキル基、炭素数1以上
    10以下のアリール基もしくはアラルキル基または炭素
    数1以上10以下のフッ素化アリール基を表す。R5は
    水素原子または炭素数1以上3以下のアルキル基であ
    り、R6はR5と同義である。R3は−CN又は一般式
    (4)で表される構造を含有する基を表す。 一般式(4) 【化3】 x、y、zは同一もしくは異なる1以上20以下の整数
    であり、a、b、cはそれぞれ第一、第二、第三のモノ
    マーのモル分率(百分率)であり、nは重合度を表す。
  15. 【請求項15】 請求項14の共重合体が、第一のモノ
    マー:2‐エトキシエチルアクリレート、第二のモノマ
    ー:エチレングリコールエチルカーボネートメタクリレ
    ート、第三のモノマー:トリ(エチレングリコール)ジ
    メタクリレートの重合体で構成されている請求項14記
    載の非水二次電池。
  16. 【請求項16】 請求項14の共重合体が、第一のモノ
    マー:2‐エトキシエチルアクリレート、第二のモノマ
    ー:アクリロニトリル、第三のモノマー:トリ(エチレ
    ングリコール)ジメタクリレートの重合体で構成された
    架橋ポリマーネットワークである請求項14記載の非水
    二次電池。
  17. 【請求項17】 有機ポリマーがアクリロニトリルまた
    はメタクリロニトリルの単独重合体または他の重合可能
    なモノマーとの共重合体である請求項10に記載の非水
    二次電池。
  18. 【請求項18】 有機ポリマーがエチレンオキサイドま
    たはプロピレンオキサイドの単独重合体またはそれらの
    共重合体である請求項10に記載の非水二次電池。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の単独重合体または
    共重合体が側鎖として−CH2 (CH2 CH2 O)2
    3 を有するポリマーであることを特徴とする請求項1
    8に記載の非水二次電池。
  20. 【請求項20】 有機ポリマーがフッ化ビニリデンの単
    独重合体または他の重合可能なモノマーとの共重合体で
    ある請求項10に記載の非水二次電池。
  21. 【請求項21】 有機ポリマーがポリシロキサンまたは
    その誘導体である請求項10に記載の非水二次電池。
  22. 【請求項22】 有機ポリマーがポリフォスファゼンま
    たはその誘導体である請求項10に記載の非水二次電
    池。
  23. 【請求項23】 リチウムを主体とした金属箔を貼付す
    る負極シートの部位が正極シートに対向していない面の
    負極集電体金属上であることを特徴とする請求項10〜
    22のいずれかに記載の非水二次電池。
  24. 【請求項24】 セパレーターが併用されていることを
    特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の非水二次
    電池。
  25. 【請求項25】 負極シートにリチウムを主体とする金
    属箔を重ね合わせ、これと正極シートおよびリチウム塩
    を含む非水電解質を構成要素として有する非水二次電池
    を組み立てた後、放電することにより、リチウムが正極
    シートに電気化学的に挿入されることを特徴とする請求
    項1〜24のいずれかに記載の非水二次電池。
  26. 【請求項26】 リチウムを吸蔵、放出可能な負極材料
    含有シート(負極シート)、正極活物質含有シート(正
    極シート)および非水電解質を有する非水二次電池の製
    造方法において、 a)正極活物質がマンガンを含み、かつ、充放電に関与
    するリチウムを予め実質的に含有しない金属酸化物であ
    り、 b)負極シートに負極材料を主体とした層以外に少なく
    とも1層の水不溶性の導電性粒子を含有する補助層を設
    け、 c)負極シート上にリチウムを主体とした金属箔をその
    全面、ストライプ状、枠状および円板状のうち、少なく
    とも1種のパターンで重ね合わすことによって貼付し、
    かつ、 d)非水二次電池を組み立てた後、放電することによっ
    て負極上のリチウムを正極シートに電気化学的に挿入す
    る非水二次電池の製造方法。
  27. 【請求項27】 リチウムを主体とした金属箔を重ね合
    わせる部位が請求項26記載の補助層上であることを特
    徴とする請求項26記載の非水二次電池の製造方法。
  28. 【請求項28】 非水電解質が有機ポリマー、非プロト
    ン性溶媒およびアンモニウム塩またはアルカリ金属もし
    くはアルカリ土類金属塩を含むゲル電解質である請求項
    26または27に記載の非水二次電池の製造方法。
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