JP2002206491A - スクロール型流体機械及びその組立方法 - Google Patents

スクロール型流体機械及びその組立方法

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JP2002206491A
JP2002206491A JP2001005412A JP2001005412A JP2002206491A JP 2002206491 A JP2002206491 A JP 2002206491A JP 2001005412 A JP2001005412 A JP 2001005412A JP 2001005412 A JP2001005412 A JP 2001005412A JP 2002206491 A JP2002206491 A JP 2002206491A
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fixed
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JP2001005412A
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English (en)
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Katsuhiro Fujita
勝博 藤田
Yasuhiro Wada
康弘 和田
Shigeki Miura
茂樹 三浦
Tetsuzo Ukai
徹三 鵜飼
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール圧縮機構の芯出しに係わる部品点
数を低減し、ねじれ公差を容易に小さくして組立精度を
向上させることができるスクロール型流体機械を提供す
る。 【解決手段】 フロントケース40とリアケース50と
によりハウジングHが形成され、該ハウジングH内に固
定スクロール60び旋回スクロール2を具備してなるス
クロール圧縮機構Cが格納されるスクロール型流体機械
において、フロントケース40及びリアケース50にそ
れぞれフロントフランジ部44及びリアフランジ部51
を設け、フロントフランジ部44の内径側に段差面47
を設けて、固定スクロール60の端部を段差面47とリ
アフランジ部51との間に挟み込んで複数箇所を結合ボ
ルト30を用いたボルト締めにより一体化すると共に、
スクロール圧縮機構Cの固定スクロール60と旋回スク
ロール2との芯出し手段として位置決めピン32を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空気調和
装置の冷媒系において冷媒圧縮機として使用されるスク
ロール圧縮機などのようなスクロール型流体機械及びそ
の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型流体機械として、ス
クロール圧縮機の一例を図7に基づいて簡単に説明す
る。なお、図7に示す従来例は、車両用空調装置に用い
られて冷媒の圧縮を行う横型スクロール圧縮機の断面図
である。図7において、フロントケース(第1のケース
部材)4及びリアケース(第2のケース部材)5とを組
み合わせて構成される密閉されたハウジングHの内部に
は、後述するスクロール圧縮機構Cが格納されている。
そして、フロントケース4の先端外形部には、本スクロ
ール圧縮機と図示省略の駆動源とを連結する回転軸6の
一端が突出している。
【0003】スクロール圧縮機構Cは、固定スクロール
1、旋回スクロール2、旋回スクロール2の公転旋回運
動を許容するがその自転を阻止するオルダムリンク3、
回転軸6を軸支するメインベアリング7等から構成され
る。なお、固定スクロール1は、リアケース5に対し固
定スクロール支持ボルト(以下支持ボルト)8によるボ
ルト締めで固定されている。固定スクロール1は、固定
側端板1aとその内面に立設された渦巻状ラップ1bと
を備えており、固定側端板1aの中央には吐出ポート9
となる貫通孔が設けられている。なお、図中の符号10
は吐出ポート9を開閉する吐出弁、11は吐出弁10の
可動範囲を限定するリテーナ、12は吐出弁10が密着
する弁座、13は吐出弁10及びリテーナ11を固定側
端板1aに固定して取り付ける固定ボルトである。
【0004】旋回スクロール2は、旋回側端板2aとそ
の内面に立設された渦巻状ラップ2bとを備えている。
旋回側端板2aの外面に立設されたボス14内には偏心
ブッシュ15が旋回軸受16を介して回転自在に嵌合さ
れ、この偏心ブッシュ15に穿設された穴に回転軸6の
端部から突出する偏心ピン17が回転自在に嵌合されて
いる。上述した固定スクロール1と旋回スクロール2と
を相互に所定距離だけ偏心させ、かつ、180度だけ角
度をずらして噛み合わせることによって、複数個の密閉
空間Pが形成されている。
【0005】フロントケース4には、複数の結合ボルト
18によりリアケース5が一体に連結固定されており、
このフロントケース4の内側端面に形成されたスラスト
面19と旋回スクロール2の背面とが摺接することによ
り旋回スクロール2を支持している。図示省略の駆動源
から動力が回転軸6に伝達されると、この回転軸6、偏
心ピン17、偏心ブッシュ15及びボス14等からなる
公転旋回機構を介して、旋回スクロール2はオルダムリ
ンク3によって自転を阻止されながら公転旋回半径の円
軌道上を公転旋回運動する。このため、冷媒ガスは吸入
ポート20から密閉されたハウジングH内に入り、ガス
通路(図示せず)を通って密閉空間P内に吸入される。
この冷媒ガスは、旋回スクロール2の公転旋回運動によ
り密閉空間Pの容積が減少するのに伴って、圧縮されな
がら中央部に至り、固定スクロール1の固定側端板1a
に設けられた吐出ポート9より吐出弁10を押し開いて
吐出キャビテイー21に入り、ここから図示省略の配管
等に導かれてスクロール圧縮機の外部に吐出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のスクロール型流体機械においては、固定スクロール
1と旋回スクロール2とを噛み合わせた組立状態の位置
関係、すなわち固定スクロール1の渦巻き状ラップ1b
と旋回スクロール2の渦巻き状ラップ2bとのクリアラ
ンスなど組立精度が性能や耐久性等に大きく影響してく
る。しかしながら、従来構造のスクロール型流体機械で
は、フロントケース4とリアケース5との間が複数の結
合ボルト18を用いたボルト締めにより結合され、さら
に、固定スクロール1がリアケース5に対して支持ボル
ト8を用いたボルト締めにより固定される構造となって
いるため、フロントケース4に回転軸6を支持される旋
回スクロール2とリアケース5にボルト締めで固定され
た固定スクロール1との間で芯出しに関わる部品点数が
多くなっている。このため、高い組立精度を得るには、
高い加工精度や多くの作業工数が必要になるという問題
があった。
【0007】具体的に説明すると、固定スクロール1を
リアケース5に支持ボルト8によりボルト締めして固定
する際の芯出し、そして、固定スクロール1に一体化さ
れたリアケース5と旋回スクロール2を支持するフロン
トケース4とを結合ボルト18によりボルト締めするこ
とで固定して一体化する際の芯出しが必要になる。この
ため、固定スクロール1と旋回スクロール2との間で直
接芯出しすることはできず、また、芯出し作業に関係す
るボルトの本数が多くなるので、芯出し作業が困難にな
り、特にねじれ方向における公差(以下ねじれ公差と呼
ぶ)が大となる懸念があった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、スクロール圧縮機構の芯出しに係わる部品点数を
低減でき、また、ねじれ公差を容易に小さくすることが
できて組立精度をより一層向上させることが可能にな
る、スクロール型流体機械及びその組立方法の提供を目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1記載のス
クロール型流体機械は、第1のケース部材と第2のケー
ス部材とによりハウジングが形成され、該ハウジング内
に固定スクロール及び旋回スクロールを具備してなるス
クロール圧縮機構が格納されるスクロール型流体機械で
あって、前記第1のケース部材及び前記第2のケース部
材にそれぞれ第1及び第2の接合フランジ部を設け、か
つ、前記第1のフランジ部の内径側に段差面を設けて、
前記固定スクロールの端部を前記段差面と前記第2の接
合フランジ部との間に挟み込んで前記第1及び第2のフ
ランジ部間を複数箇所のボルト締めにより一体化すると
共に、前記スクロール圧縮機構の固定スクロールと旋回
スクロールとの芯出し手段を設けたことを特徴とするも
のである。
【0010】このようなスクロール型流体機械によれ
ば、固定スクロールの端部が旋回スクロールを支持する
第1のケース部材及び第2のケース部材にそれぞれ設け
られた段差面と第2の接合フランジ部との間に挟み込ま
れ、ボルト締めにより組み立てられるので、特に芯出し
に係わるボルトの数が少なくてすみ、また、芯出し手段
の採用により容易かつ正確な芯出し作業が可能となる。
また、段差面を設けたことでチップ隙間の設定に係わる
寸法を少なくできるため、チップ隙間の寸法管理が容易
になる。
【0011】上記のスクロール型流体機械においては、
前記ボルト締めを90度ピッチに振り分けた4本のボル
トにより実施するのが好ましく、これにより、接合フラ
ンジ部の外形形状としてボルトを四隅に配設した矩形
状、特に正方形を採用できるようになるため、全体とし
て小型化されて設置しやすい外形形状のスクロール型流
体機械となる。
【0012】そして、前記芯出し手段の第1は、スクロ
ール圧縮機構を格納する前記第1のケース部材と前記固
定スクロールとの接合面にそれぞれ穿設された位置決め
穴に嵌合される少なくとも2本の位置決めピンを採用す
るのが好ましく、これにより正確な芯出しを容易に行う
ことができる。この場合、前記位置決めピンの両端がそ
れぞれ嵌合する前記位置決め穴とのはめあいは、少なく
とも一方が圧入となるように設定するのが好ましく、特
に、前記位置決めピンを前記位置決め穴の圧入側に予め
圧入してから組み立てるようにするとよい。このように
すれば、特に固定手段を設けなくても組立作業中にピン
が抜ける心配はないので、作業性を向上させることがで
きる。
【0013】続いて、前記芯出し手段の第2は、前記固
定スクロールに前記第1及び第2の接合フランジ間に挟
み込む固定用フランジ部を設け、前記芯出し手段として
前記ボルト締め用のボルト穴のうち少なくとも2つ以上
に挿入した中空ダウエルピンを用いるのが好ましく、こ
れにより、ボルト穴と位置決め穴とを共用できて穴あけ
加工を減らすことができ、しかも、正確な芯出しを容易
に行うことができる。なお、第1の接合フランジ部、固
定用フランジ部及び第2の接合フランジ部にまたがって
挿入される中空ダウエルピンを採用すれば、第1のケー
ス部材、固定スクロール及び第2のケース部材を同時に
芯出しすることが可能になる。
【0014】さらに、前記芯出し手段の第3は、前記固
定スクロールに前記第1及び第2の接合フランジ間に挟
み込む固定用フランジ部を設け、前記芯出し手段として
前記ボルト締め用のボルトのうち少なくとも2本を使用
するのが好ましく、これにより、特別に位置決め用の部
品を設ける必要がなくなるので、さらに部品点数を低減
することができる。この場合、少なくとも2本のボルト
で芯出しを実施し、他の残ったボルトを締め付けた後
に、芯出しに用いたボルトの締め付けを行うとよい。ま
た、芯出し治具として、リーマを用いることも可能であ
る。なお、上記の各解決手段においては、前記ボルト締
め用のボルト穴が前記第1の接合フランジ部、前記固定
用フランジ部及び前記第2の接合フランジ部を貫通して
設けるのが好ましく、これにより、加工時の切り屑等が
ボルト穴内に残留するのを防止することができる。
【0015】請求項9に記載のスクロール型流体機械の
組立方法は、第1のケース部材と第2のケース部材とに
よりハウジングが形成され、該ハウジング内に固定スク
ロール及び旋回スクロールを具備してなるスクロール圧
縮機構が格納され、かつ、前記第1のケース部材及び前
記第2のケース部材にそれぞれ第1及び第2の接合フラ
ンジ部を備え、前記固定スクロールの端部を前記第1の
フランジ部の内径側に設けた段差面と前記第2の接合フ
ランジ部との間に挟み込んでボルト締めにより一体化す
ると共に、前記スクロール圧縮機構の固定スクロールと
旋回スクロールとの芯出し手段を備えたスクロール型流
体機械の組立方法であって、前記第1の接合フランジ部
を上にして前記第1のケース部材を治具にセットする治
具支持工程と、前記第1の接合フランジ部の上に前記固
定スクロールを芯出しして設置する芯出し工程と、前記
固定スクロールの上に前記第2のケース部材を設置する
ケース部材設置工程と、前記第1の接合フランジ部及び
前記第2の接合フランジ部をボルト締めして一体化する
ボルト締め工程とを具備し、前記芯出し工程では、少な
くとも2本の位置決めピンを用いるとともに、前記位置
決めピンを前記第1のケース部材または前記固定スクロ
ールのいずれかに予め圧入しておくことを特徴とするも
のである。
【0016】このようなスクロール型流体機械の組立方
法によれば、正確な芯出しを含む組立作業が容易になる
ので、作業工数を低減しかつ作業性を向上させることが
可能になる。そして、少なくとも2本の位置決めピンを
用いて芯出ししているので正確な芯出しを容易に行うこ
とができ、しかも、少なくとも位置決めピンの一方の端
部が圧入となるように設定して、該位置決めピンを第1
のケース部材または固定スクロールに穿設された位置決
め穴に予め圧入してから組み付けるようにしたので、特
に位置決めピンの固定手段を設けなくても組立作業中に
おいて位置決めピンが抜け落ちる心配がなく、従って、
作業性を向上させることができる。なお、前記第1のケ
ース部材の内部には、必要な構成部品を予め組み付けて
おく必要がある。
【0017】請求項10記載のスクロール型流体機械の
組立方法は、第1のケース部材と第2のケース部材とに
よりハウジングが形成され、該ハウジング内に固定スク
ロール及び旋回スクロールを具備してなるスクロール圧
縮機構が格納され、かつ、前記第1のケース部材及び前
記第2のケース部材にそれぞれ第1及び第2の接合フラ
ンジ部を備え、前記固定スクロールに設けた固定用フラ
ンジ部を前記第1及び第2の接合フランジ部間に挟み込
んでボルト締めにより一体化するスクロール型流体機械
の組立方法であって、前記第1の接合フランジ部を上に
して前記第1のケース部材を治具にセットする治具支持
工程と、前記第1の接合フランジ部の上に前記固定スク
ロールの前記固定用フランジ部を設置する固定スクロー
ル設置工程と、前記固定用フランジ部の上に前記第2の
ケース部材を設置するケース部材設置工程と、前記第1
の接合フランジ部、前記固定用フランジ部及び前記第2
の接合フランジ部をボルト締めして一体化するボルト締
め工程とを具備し、前記ボルト締め工程では、前記第1
の接合フランジ部、固定用フランジ部及び第2の接合フ
ランジ部をボルト締めするボルトのうち少なくとも2本
を使用して芯出しを実施した後、他の残ったボルトを締
め付け、さらに芯出しに用いたボルトの締め付けを行う
ことを特徴とするものである。
【0018】このようなスクロール型流体機械の組立方
法によれば、正確な芯出しを含む組立作業が容易になる
ので、作業工数を低減しかつ作業性を向上させることが
可能になる。また、第1の接合フランジ部、固定用フラ
ンジ部及び第2の接合フランジ部をボルト締めするボル
トのうち少なくとも2本を使用して芯出しを実施した
後、他の残ったボルトを締め付け、さらに芯出しに用い
たボルトの締め付けを行うようにしたので、ピンなど特
別な芯出し部品が不要となってさらに部品点数を低減す
ることができる。なお、前記第1のケース部材の内部に
は、必要な構成部品を予め組み付けておく必要がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスクロール型
流体機械の一実施形態を、図面に基づいて説明する。な
お、以下の説明で使用する図においては、従来例で説明
したスクロール圧縮機と基本的に同一の部材には同じ符
号が付されている。図1及びその右側面図である図4に
示す横型のスクロール圧縮機は、従来例で説明したもの
と同様に、ハウジングH1内にスクロール圧縮機構Cが
格納されている。ハウジングH1は、第1のケース部材
であるフロントケース40と、第2のケース部材である
リアケース50とを組み合わせることにより形成され
る。一方のフロントケース40は概ね中空円筒状の部材
であり、一方の底面41には回転軸6を通す小径の開口
部42が形成され、他方は中空の本体部分内径とほぼ同
じ内径のまま開口して、スクロール圧縮機構C等の挿入
口43となっている。
【0020】フロントケース40の挿入口43側には、
第1の接合フランジ部であるフロントフランジ部44が
設けられている。このフロントフランジ部44は、内径
側に段差面47を備えている。この段差面47は、フロ
ントフランジ部44の接合面と平行な面である。また、
フロントフランジ部44は、挿入口43側から見た外形
形状がほぼ正方形となっており、該正方形に円形断面の
フロントケース40がほぼ内接するようになっている。
このため、実質的なフロントフランジ部44は、フロン
トケース40の中心から90度ピッチで振り分けたよう
にして、外側の4方向へ突出するようなほぼ三角形状に
存在しており、各フロントフランジ部44には、後述す
るボルト締め用のボルト穴45を穿設してある。すなわ
ち、フロントケース40の円形断面中心から90度ピッ
チで振り分けられたボルト穴45が、4方向に突出して
いるフロントフランジ部44のそれぞれについて1箇所
穿設され、合計で4箇所設けられている。
【0021】リアケース50は、前述したフロントケー
ス40の挿入口43を塞ぐ蓋状の部材であり、第2の接
合フランジ部であるリアフランジ部51を備えている。
このリアフランジ部51は、上述したフロントフランジ
部44と同様に、平面視がほぼ円形であるリアケース5
0を内接させることができるほぼ正方形の外形形状を有
しており、実質的には90度ピッチに振り分けられてほ
ぼ三角形状となったものが4箇所、外側へ突設するよう
に設けられている。これらの各リアフランジ部51に
は、同じく90度ピッチに振り分けられたボルト穴52
を合計4箇所穿設してあり、それぞれが所定の組立位置
で上述したボルト穴45と一致するようになっている。
【0022】上述したフロントケース40及びリアケー
ス50を組み合わせてなるハウジングH1内に収納され
るスクロール圧縮機構Cは、固定スクロール60、旋回
スクロール2、オルダムリンク3、回転軸6を軸支する
メインベアリング7等を具備して構成される。固定スク
ロール60は、ほぼ円形の固定側端板61に渦巻き状ラ
ップ62を立設したものであり、本発明では、固定スク
ロール60の端部、すなわち固定側端板61の外周側に
連なる固定用フランジ部63を設けてある。この固定用
フランジ部63は固定用端板61より板厚が薄く、固定
用端板61のラップ立設面と固定用フランジ部63の接
合面との間には段差部66が設けられている。この固定
用フランジ部63は、上述したフロントフランジ部44
とリアフランジ部51との間に挟み込んでボルト締めし
て組み立て、ハウジングH1に固定するために設けられ
た部分である。また、段差部66を設けたことにより、
固定側端板61のラップ立設面側外周部(端部)は段差
面47に密着するようになっている。
【0023】従って、この固定用フランジ部63につい
ても、ほぼ平面視が円形である固定側端板61の中心か
ら外周側へ突出して90度ピッチに振り分けた、ほぼ三
角形の状態で4箇所設けられている。また、固定用フラ
ンジ63には、同様にして90度ピッチで振り分けたボ
ルト穴64が合計で4箇所穿設されている。このボルト
穴64は、いずれのボルト穴64も所定の組立位置で、
上述したフロントフランジ部44のボルト穴45及びリ
アフランジ部51のボルト穴52と一致しており、結合
ボルト30によりボルト締めできるようになっている。
なお、図中の符号31は、結合ボルト30とリアフラン
ジ部51との間に介在させたワッシャ、32は、フロン
トフランジ部44の段差面47と固定側端板61との間
に、固定スクロール60と旋回スクロール2との芯出し
手段として設けられた位置決めピンを示している。
【0024】この固定スクロール60には、固定側端板
61の中央に吐出ポート9となる貫通孔が設けられてい
る。この吐出ポート9は、スクロール圧縮機構Cで圧縮
された高圧の流体を吐出する部分であり、該吐出ポート
9には、高圧流体の圧力が作用することにより開閉され
る吐出弁10が取り付けられている。この吐出弁10は
弾性部材よりなり、リテーナ11により開方向への可動
範囲が規制されている。この吐出弁10は、圧力を受け
ない自然状態では弁座12に密着して吐出ポート9を閉
じている。しかし、吐出ポート9内から圧力を受けた状
態では、弾性変形により弁座12へ密着していた自由端
部側が離れるため、吐出ポート9を開くことができるよ
うになっている。従って、吐出ポート9内の圧力が下が
れば、吐出弁10自体の弾性により自動的に吐出ポート
9を閉じることができるようになっている。なお、符号
の13は、吐出弁10及びリテーナ11の端部付近を固
定側端板61に固定して取り付ける固定ボルトである。
【0025】旋回スクロール2は、旋回側端板2aとそ
の内面に立設された渦巻状ラップ2bとを備えており、
旋回側端板2aの外面に立設されたボス14内には偏心
ブッシュ15が旋回軸受16を介して回転自在に嵌合さ
れている。この偏心ブッシュ15に穿設された穴には、
回転軸6の固定スクロール側端部から突出する偏心ピン
17が回転自在に嵌合されている。この旋回スクロール
2は、上述した固定スクロール60と相互に所定距離だ
け偏心させ、かつ、180度だけ角度をずらして渦巻き
状ラップ2b,62を噛み合わせることによって、内部
に複数個の密閉空間Pを形成できるようになっている。
【0026】また、図1における符号の19はスラスト
面、20は吸入ポート、21は吐出キャビティであり、
フロントケース40の内側端面に形成されたスラスト面
19と旋回スクロール2の背面とが摺接することにより
旋回スクロール2を支持している。この旋回スクロール
2は、図示省略の駆動源から回転軸6に駆動力が伝達さ
れることにより、回転軸6、偏心ピン17、偏心ブッシ
ュ15及びボス14等からなる公転旋回機構を介して、
オルダムリンク3によって自転を阻止されながら公転旋
回半径の円軌道上を公転旋回運動する。
【0027】このため、スクロール圧縮機で圧縮される
冷媒ガスなどの流体は吸入ポート20から密閉されたハ
ウジングH1内に入り、流体通路(図示せず)を通って
密閉空間P内に吸入される。この流体は、旋回スクロー
ル2の公転旋回運動により密閉空間Pの容積が減少し、
かつ、該密閉空間Pの位置が中心部の吐出ポート10側
へ移動していくのに伴って、圧縮されながらスクロール
圧縮機構Cの中央部に至り、固定スクロール60の固定
側端板61に設けられた吐出ポート9より吐出弁10を
押し開いて吐出キャビテイー21に入り、ここから図示
省略の配管等に導かれてスクロール圧縮機の外部に吐出
される。
【0028】ところで、スクロール型流体機械において
は、固定スクロール60の渦巻状ラップ62先端と旋回
側端板2aとの間、そして旋回スクロール2の渦巻状ラ
ップ2b先端と固定側端板61との間(以下チップ隙間
と呼ぶ)からの漏れが性能に大きな影響を及ぼすため、
この部分の寸法管理は厳しいものとなる。一方、旋回ス
クロール2や固定スクロール60などの構成部品は機械
加工により所望の寸法をだすため、それぞれの部品が許
容寸法公差を有しており、この公差が組立後の最終的な
チップ隙間に影響することになる。従って、チップ隙間
の寸法管理を容易にするためには、チップ隙間の設定に
関与する寸法をできるだけ少なくすることが望ましい。
【0029】そこで、図2の要部断面図に示すように、
段差面47を基準面として固定側端板61の端部を密着
させる構造とし、フロントフランジ部44と固定用フラ
ンジ部63との接合面間に微小隙間δを形成するように
して、部品間の寸法公差を吸収させる。このような構造
とすれば、チップ隙間に関与する寸法は渦巻状ラップの
高さL1のみとなって段差部66の高さL2は関与しな
いこととなるので、チップ隙間の寸法管理は容易にな
る。なお、基準面となる段差面47を設けないでフロン
トフランジ部44とリアフランジ部51との間に固定用
フランジ部63を挟み込む構造とすれば、微小隙間δを
形成することができず、チップ隙間をL1のみで寸法管
理することはできなくなる。
【0030】図3に示す要部断面図は、図2の変形例を
示すものである。この変形例では、固定用フランジ部6
3がなく、固定側端板61の端部を段差面47に密着さ
せる構造とし、フロントフランジ部44とリアフランジ
部51との接合面間に微小隙間δを形成するようにして
ある。このような構造としても、チップ隙間に関与する
寸法は渦巻状ラップの高さL1のみとなるため、チップ
隙間の寸法管理は容易になり、さらに、固定用フランジ
部63がない分小型化が可能となる。
【0031】上述したフロントケース40及びリアケー
ス50は、内部にスクロール圧縮機構Cを格納した状態
でボルト締めにより一体化され、スクロール圧縮機のハ
ウジングH1を形成する。以下、このスクロール圧縮機
の組立手順のうち、フロントケース40に固定スクロー
ル60及びリアケース50を組み付けする手順を図6に
基づいて説明する。従って、この組立作業を実施する
時、フロントケース40の内部には、旋回スクロール
2、オルダムリンク3、回転軸6及びメインベアリング
7など、固定スクロール60、リアケース50及びその
関連部品を除いて必要な構成部品が予め所定の位置に組
み付けられているものとし、以下では、これらを総称し
てフロントケース組立体40Aと呼ぶことにする。
【0032】図6(a)に示す治具支持工程では、上述
したフロントケース組立体40Aを治具70の所定位置
にセットして固定する。この時、フロントケース組立体
40Aは、フロントケース40におけるフロントフラン
ジ部44の接合面を上にして治具70にセットする。す
なわち、固定用フランジ部63と接合されるフロントフ
ランジ部44の接合面が上を向いた状態で、治具70に
セットされている。なお、以後の組立作業については、
フロントケース組立体40Aを治具70に固定した状態
で行われる。
【0033】この実施例では、芯出し手段として2本の
位置決めピン32が使用され、予めフロントフランジ部
44の段差面47に設けられた位置決め穴46に圧入さ
れている。この場合、位置決めピン32と位置決め穴4
6とのはめあいは、位置決めピン32側をやや大きくし
てある。このため、位置決め穴46に対してきちんと圧
入された位置決めピン32は、特別な固定・保持手段を
講じなくても、組立作業に伴う搬送中などに抜け出て紛
失するようなことはない。従って、組立作業中に位置決
めピンを固定する工程を設けたり、あるいは、抜け出さ
ないよう特別な注意をはらって作業する必要がないの
で、作業性の向上に貢献する。なお、上記の実施例では
フロントフランジ部44側のはめあいを圧入としていた
が、固定側端板61に穿設される位置決め穴65(図6
(b)参照)とのはめあいを圧入として、位置決めピン
32を予め固定側端板61に圧入しておくようにしても
よい。
【0034】続いて、図6(b)に示す芯出し工程で
は、治具70に固定されたフロントケース組立体40A
におけるフロントフランジ部44の段差面47上に、固
定スクロール60における固定側端板61の端部を密着
させて載置する。この時、位置決めピン32を位置決め
穴65に挿入することで、フロントフランジ部44と固
定フランジ部63との間には微小隙間δが形成され、両
部材間は芯出しをした状態で設置される。この場合、フ
ロントケース組立体40Aの中心を通る同一直線上で対
称位置にある2本の位置決めピン32を芯出し手段とし
て使用し、各ピンの両端がいずれも段差面47及び固定
側端板61にそれぞれ穿設された位置決め穴46,65
に確実に挿入されることで、旋回方向も含めた芯出し及
び位置決めが可能となる。なお、位置決めピン32の数
については、2本以上であれば特に限定されるものでは
ないし、位置決めピン32の位置についても、必ずしも
同一直線上の対称位置に限定されるものではない。
【0035】この結果、固定スクロール60は、フロン
トケース組立体40Aに対し、適切に芯出しされた状態
で設置される。従って、固定スクロール60の渦巻状ラ
ップ62は、フロントケース40の所定位置に設置され
ている旋回スクロール2の渦巻状ラップ2bと適切に位
置決めされて噛み合わされ、渦巻状ラップ2b,62間
には適切なクリアランスが形成される。また、微小隙間
δが存在することで、固定スクロール60側の渦巻状ラ
ップ62先端面を旋回側端板2aに当接させて組み立て
ることができる。
【0036】次に、図6(c)に示すケース部材設置工
程では、固定スクロール60の固定用フランジ部63上
に、リアケース50のリアフランジ部51を接合して設
置する。この場合、ボルト穴52が、フロントフランジ
部44のボルト穴45及び固定用フランジ部63のボル
ト穴64と一致するように位置決めする。なお、この場
合のリアケース50は、スクロール圧縮機構Cの可動部
と直接関係しないため、特別な芯出しを実施する必要は
ない。
【0037】最後に、図6(d)に示すボルト締め工程
では、連通した状態にあるフロントフランジ部44のボ
ルト穴45、固定用フランジ部63のボルト穴64及び
リアフランジ部51のボルト穴52に対し、ワッシャ3
1を介在させて結合ボルト30を螺合させて締め付け
る。このようなボルト締めは4箇所で実施され、固定用
フランジ部63をフロントフランジ部44及びリアフラ
ンジ部51の間に挟み込んで、ボルト締めによる一体化
が完了する。この後、ここまでの組立が完了したスクロ
ール圧縮機は治具70から取り外され、次の工程へと搬
送される。なお、図4はボルト締めが完了した状態のス
クロール圧縮機をリアケース50側から見て示す右側面
図であり、上述した各フランジ部44,51,63、ボ
ルト穴45,52,64及び結合ボルト30を90度ピ
ッチに振り分けられて配置した様子が示されている。
【0038】上述したようなスクロール圧縮機の構成及
び組立方法を採用することにより、4本の結合ボルト3
0を使用してフロントケース40、固定スクロール60
及びリアケース50を一体化する組立作業が完了する。
また、芯出し作業は2本の位置決めピン32で実施され
るので、実質的には4本の結合ボルト30を締め付ける
だけの比較的簡単な作業で高精度の芯出しがなされた組
立を実施することができる。従って、従来構造と比較し
て、芯出しが容易になるだけでなく、組立に必要なボル
トの本数を低減することができる。そして、芯出しに2
本以上の位置決めピン32を採用したため、旋回方向も
含めた位置決めを容易かつ確実に実施できる。このた
め、旋回スクロール2と固定スクロール60との間のね
じれ公差を簡単な作業で小さくすることができ、スクロ
ール圧縮機の性能や耐久性の向上に有効である。なお、
図3に示した変形例のように、固定用フランジ部63が
ない場合には、結合ボルト30はフロントケース40と
リアケース50とを結合し、両ケース間に固定スクロー
ル60を挟み込むようにして一体化する。
【0039】ところで、本発明においては、上述した実
施形態の他にも種々の変形例が可能である。たとえば、
上述した実施形態では、各フランジ部44,51,6
3、ボルト穴45,52,64及び結合ボルト30を9
0度ピッチに振り分けられて配置しているが、このよう
な配置は、車両のエンジンルーム内のように各種の機器
類が設置された中の限られたスペースを有効に利用して
設置するのに有利である。すなわち、少ない結合ボルト
30の数で十分な結合力が得られることに加えて、フラ
ンジ部44,51,63の突出量が少なくてすみ、全体
をコンパクトな形状にすることができる。しかし、この
ような制約がなければ、円形鍔状にフランジ部を形成し
たり、あるいは多角形のフランジ部にして、結合ボルト
30の数を増やしより結合力を増大させることも可能で
ある。
【0040】また、上述した位置決めピン32に代え
て、図5(a),(b)に示す変形例のように、芯出し
手段として中空ダウエルピン33を採用してもよい。中
空ダウエルピン33を採用すると、上述した位置決め穴
46,65が不要となるので、穴あけ加工の数が減り、
加工工数を低減することができる。すなわち、図1に示
したボルト穴45,64の形状を変更して中空ダウエル
ピンを挿入し、該中空ダウエルピン33の外周面を用い
て芯出しを行い、さらに、ピン中空部はボルト穴として
使用することができる(図5(a)参照)。従って、中
空ダウエルピン33は、上述した位置決めピン32と同
様の理由から、少なくとも2箇所以上使用する必要があ
る。さらに、中空ダウエルピン33として、フロントフ
ランジ部44及び固定用フランジ部63に挿入されるだ
けでなく、固定用フランジ部63を貫通してリアフラン
ジ部51側に到達するまで伸ばした長さを有するものを
使用すれば、フロントケース40、固定スクロール60
及びリアケース50の芯出しを同時に行うことも可能に
なる(図5(b)参照)。
【0041】そして、上述した図1の実施形態では、フ
ロントフランジ部44のボルト穴45が貫通孔となって
いるため、ボルト穴加工時に発生する切り子が残らない
という利点を有しているが、図5(a)に示すように、
ボルト穴45を貫通孔としないことも可能である。な
お、図5(a),(b)に示すように、芯出し手段とし
て中空ダウエルピン33を使用した場合においても、貫
通孔としたボルト穴45を採用可能であることはいうま
でもない。
【0042】この他にも、芯出し手段として、結合ボル
ト30のうち少なくとも2本を使用することも可能であ
る。この場合の組立手順は、図6に示したものと異な
り、以下に説明するように、治具支持工程、固定スクロ
ール設置工程、ケース部材設置工程及びボルト締め工程
の順になる。
【0043】最初の治具支持工程は、図6に基づいて説
明したものと同様であるため、ここでは説明を省略す
る。続く固定スクロール設置工程は、フロントフランジ
部44における段差面47の上に固定スクロール60
(固定側端板61の端部)を設置するもので、ここでは
ボルト穴45,64の位置合わせ以外に特別な芯出し作
業は実施しない。
【0044】次のケース部材設置工程は、固定用フラン
ジ部63の上にリアケース50のリアフランジ部51を
設置してボルト穴52に位置合わせを行うものであり、
実質的に上述した図6のケース部材設置工程と同じであ
る。なお、この工程においても、やはり特別な芯出し作
業は行わない。
【0045】最後のボルト締め工程は、フロントフラン
ジ部44のボルト穴45、固定用フランジ部63のボル
ト穴64及びリアフランジ部51のボルト穴52を結合
ボルト30によりボルト締めして、フロントケース40
(フロントケース組立体40A)及びリアケース50の
接合フランジ部間に固定スクロール60を挟み込むよう
にして一体化するものである。このボルト締め工程で
は、まず最初に、ボルト締めに使用する複数の結合ボル
ト30の内、少なくとも2本を使用して芯出しを実施す
る。たとえば図4に示すように、90度ピッチに振り分
けられた4本の結合ボルト30を使用する場合、最初に
2本の結合ボルト30を用いて芯出しする。この時、1
80度の位置関係にある2本の結合ボルト30を使用す
るのが好ましく、連通するボルト穴52,64,45に
それぞれ結合ボルト30を通して芯出し作業を実施す
る。なお、この時点では、芯出し作業に使用した2本の
結合ボルト30の締め付けは行わない。
【0046】こうして芯出し作業が完了した後には、他
の2本の結合ボルト30をボルト穴52,64,45に
通して締め付け、さらに芯出しに用いた2本の結合ボル
ト30の締め付けを行うことで組立作業は完了する。
【0047】このようなスクロール圧縮機の構造及び組
立方法を採用すれば、結合ボルト30を使用して芯出し
を実施できるためねじれ公差を小さくでき、しかも、芯
出し手段として位置決めピン32等の部品が全く必要な
いため、一体化に必要なボルト数の低減に加えて、芯出
しに必要な部品点数の低減も可能になる。
【0048】ところで、以上の説明では、スクロール型
流体機械を横型のスクロール圧縮機として説明したが、
本発明は、縦型のスクロール圧縮機など他のスクロール
型流体機械にも適用可能なことはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】上述した本発明のスクロール型流体機械
及びその製造方法によれば、フロントケース(フロント
ケース組立体)に段差面を設け、この段差面とリアケー
スの接合フランジとの間に固定スクロールの端部を挟み
込み、芯出しを実施してからボルト締めにより一体化す
る構造及び組立方法としたので、一体化及び芯出しに係
わるボルト等の部品点数を低減することができる。ま
た、芯出しに係わるボルト数が低減されているため、芯
出し作業を容易かつ正確に実施することが可能になる。
そして、段差面に固定スクロールの端板端部を密着させ
ることで、段差面を基準としたチップ隙間の設定が可能
となるため、チップ隙間に係わる寸法が少なくなって寸
法管理が容易になる。このため、部品点数や作業工数の
低減に伴いコスト面で有利になり、さらに、芯出し作業
の精度が増すことで旋回スクロールと固定スクロールと
の間のねじれ公差が小さくなるため、スクロール流体機
械の効率や耐久性の向上にも大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール型流体機械の一実施
形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示すスクロール型流体機械の要部拡大
図である。
【図3】 図2の変形例を示す要部断面図である。
【図4】 図1のスクロール型流体機械をリアケース側
から見た右側面図である。
【図5】 図1の変形例を示す要部拡大断面図で、
(a)はフロントフランジ部及び固定用フランジ部を貫
通する中空ダウエルピンを用いた例、(b)はフロント
フランジ部、固定用フランジ部及びリアフランジ部を貫
通する中空ダウエルピンを用いた例である。
【図6】 本発明に係るスクロール型流体機械の組立方
法の一実施形態を示す示す図で、フロントケース、固定
スクロール及びリアケースを(a)〜(d)の順に組み
立てる手順を示している。
【図7】 スクロール型流体機械の従来例として横型ス
クロール圧縮機の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,60 固定スクロール 2 旋回スクロール 3 オルダムリンク 4,40 フロントケース(第1のケース部材) 5,50 リアケース(第2のケース部材) 6 回転軸 30 結合ボルト 31 ワッシャ 32 位置決めピン(芯出し手段) 33 中空ダウエルピン(芯出し手段) 40A フロントケース組立体 44 フロントフランジ部(第1の接合フラン
ジ部) 45 ボルト穴 47 段差面 51 リアフランジ部(第2の接合フランジ
部) 52 ボルト穴 61 固定側端板 63 固定用フランジ 64 ボルト穴 H,H1 ハウジング C スクロール圧縮機構 P 密閉空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 茂樹 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 鵜飼 徹三 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA16 AB03 BB33 CC01 CC03 CC05 CC09 3H039 AA02 AA12 BB08 CC02 CC03 CC08 CC33 CC34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のケース部材と第2のケース部材
    とによりハウジングが形成され、該ハウジング内に固定
    スクロール及び旋回スクロールを具備してなるスクロー
    ル圧縮機構が格納されるスクロール型流体機械であっ
    て、 前記第1のケース部材及び前記第2のケース部材にそれ
    ぞれ第1及び第2の接合フランジ部を設け、かつ、前記
    第1のフランジ部の内径側に段差面を設けて、前記固定
    スクロールの端部を前記段差面と前記第2の接合フラン
    ジ部との間に挟み込んで前記第1及び第2のフランジ部
    間を複数箇所のボルト締めにより一体化すると共に、前
    記スクロール圧縮機構の固定スクロールと旋回スクロー
    ルとの芯出し手段を設けたことを特徴とするスクロール
    型流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ボルト締めが90度ピッチに振り
    分けられた4本のボルトによりなされることを特徴とす
    る請求項1記載のスクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 前記芯出し手段が、スクロール圧縮機
    構を格納する前記第1のケース部材と前記固定スクロー
    ルとの接合面にそれぞれ穿設された位置決め穴に嵌合さ
    れる少なくとも2本の位置決めピンであることを特徴と
    する請求項1または2記載のスクロール型流体機械。
  4. 【請求項4】 前記位置決めピンの両端がそれぞれ嵌
    合する前記位置決め穴とのはめあいは、少なくとも一方
    が圧入となるように設定したことを特徴とする請求項3
    に記載のスクロール型流体機械。
  5. 【請求項5】 前記位置決めピンを前記位置決め穴の
    圧入側に予め圧入してから組み立てることを特徴とする
    請求項4記載のスクロール型流体機械。
  6. 【請求項6】 前記固定スクロールに前記第1及び第
    2の接合フランジ部間に挟み込む固定用フランジ部を設
    け、前記芯出し手段として前記ボルト締め用のボルト穴
    のうち少なくとも2つ以上に挿入した中空ダウエルピン
    を用いることを特徴とする請求項1または2記載のスク
    ロール型流体機械。
  7. 【請求項7】 前記固定スクロールに前記第1及び第
    2の接合フランジ部間に挟み込む固定用フランジ部を設
    け、前記芯出し手段として前記ボルト締め用のボルトの
    うち少なくとも2本を用いることを特徴とする請求項1
    または2記載のスクロール型流体機械。
  8. 【請求項8】 前記ボルト締め用のボルト穴が前記第
    1の接合フランジ部から前記第2の接合フランジ部まで
    貫通して設けられたことを特徴とする請求項1から7の
    いずれかに記載のスクロール型流体機械。
  9. 【請求項9】 第1のケース部材と第2のケース部材
    とによりハウジングが形成され、該ハウジング内に固定
    スクロール及び旋回スクロールを具備してなるスクロー
    ル圧縮機構が格納され、かつ、前記第1のケース部材及
    び前記第2のケース部材にそれぞれ第1及び第2の接合
    フランジ部を備え、前記固定スクロールの端部を前記第
    1のフランジ部の内径側に設けた段差面と前記第2の接
    合フランジ部との間に挟み込んでボルト締めにより一体
    化すると共に、前記スクロール圧縮機構の固定スクロー
    ルと旋回スクロールとの芯出し手段を備えたスクロール
    型流体機械の組立方法であって、 前記第1の接合フランジ部を上にして前記第1のケース
    部材を治具にセットする治具支持工程と、前記第1の接
    合フランジ部の上に前記固定スクロールを芯出しして設
    置する芯出し工程と、前記固定スクロールの上に前記第
    2のケース部材を設置するケース部材設置工程と、前記
    第1の接合フランジ部及び前記第2の接合フランジ部を
    ボルト締めして一体化するボルト締め工程とを具備し、
    前記芯出し工程では、少なくとも2本の位置決めピンを
    用いるとともに、前記位置決めピンを前記第1のケース
    部材または前記固定スクロールのいずれかに予め圧入し
    ておくことを特徴とするスクロール型流体機械の組立方
    法。
  10. 【請求項10】 第1のケース部材と第2のケース部
    材とによりハウジングが形成され、該ハウジング内に固
    定スクロール及び旋回スクロールを具備してなるスクロ
    ール圧縮機構が格納され、かつ、前記第1のケース部材
    及び前記第2のケース部材にそれぞれ第1及び第2の接
    合フランジ部を備え、前記固定スクロールに設けた固定
    用フランジ部を前記第1及び第2の接合フランジ部間に
    挟み込んでボルト締めにより一体化するスクロール型流
    体機械の組立方法であって、 前記第1の接合フランジ部を上にして前記第1のケース
    部材を治具にセットする治具支持工程と、前記第1の接
    合フランジ部の上に前記固定スクロールの前記固定用フ
    ランジ部を設置する固定スクロール設置工程と、前記固
    定用フランジ部の上に前記第2のケース部材を設置する
    ケース部材設置工程と、前記第1の接合フランジ部、前
    記固定用フランジ部及び前記第2の接合フランジ部をボ
    ルト締めして一体化するボルト締め工程とを具備し、前
    記ボルト締め工程では、前記第1の接合フランジ部、固
    定用フランジ部及び第2の接合フランジ部をボルト締め
    するボルトのうち少なくとも2本を使用して芯出しを実
    施した後、他の残ったボルトを締め付け、さらに芯出し
    に用いたボルトの締め付けを行うことを特徴とするスク
    ロール型流体機械の組立方法。
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