JP2002203860A - 薄膜処理方法とそれを用いたトランジスタの製法 - Google Patents

薄膜処理方法とそれを用いたトランジスタの製法

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JP2002203860A
JP2002203860A JP2001000666A JP2001000666A JP2002203860A JP 2002203860 A JP2002203860 A JP 2002203860A JP 2001000666 A JP2001000666 A JP 2001000666A JP 2001000666 A JP2001000666 A JP 2001000666A JP 2002203860 A JP2002203860 A JP 2002203860A
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thin film
film
electron beam
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JP2001000666A
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Masatoshi Wakagi
政利 若木
Kenichi Chiyabara
健一 茶原
Kenichi Kizawa
賢一 鬼沢
Yukio Kawakubo
幸雄 川久保
Toshimitsu Yoshikawa
利満 吉川
Tadashi Sato
忠 佐藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁性基板上の薄膜や絶縁膜のプラズマまたは
電子ビームの照射による薄膜処理において、基板や薄膜
の帯電を起こさずに薄膜処理し、薄膜の特性を向上する
ことができる薄膜処理方法の提供。 【解決手段】処理ガスへの電子ビーム13の照射で生成
したプラズマ22と、前記電子ビームを同時に薄膜21
に照射して、荷電粒子の入射による基板20や絶縁膜の
帯電が防止され薄膜処理が可能となり、また、電子ビー
ム13の照射による薄膜への局所的熱投入によって、処
理容器や基板等を加熱せずに処理時の薄膜の有効温度を
上昇させることができ基板温度が低温のままで、高温で
処理する高温炉アニール処理膜等の膜特性と同等な特性
の薄膜の形成が可能となり、高性能のトランジスタの形
成ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜処理方法に係
り、特に、液晶表示装置用の薄膜試料への電子ビーム照
射、あるいは、膜処理室の雰囲気ガスへの電子ビーム照
射で生成したプラズマによる薄膜試料へのプラズマ照射
による薄膜の膜特性を改質する薄膜処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】励起されたラジカル・プラズマ・イオン
は化学エネルギーを有し、また、加速されたイオン・電
子は物理エネルギーを有するため、薄膜処理の低温化が
可能となる。このため、薄膜トランジスタを用いたアク
ティブマトリックス方式の液晶表示装置や、半導体、磁
気ヘッドの製造に用いられてきた。
【0003】従来、ラジカル・プラズマ・荷電粒子(イ
オン、電子)を利用した薄膜処理方法としては、ラジカ
ル照射法、プラズマ照射法、イオンビーム照射法、電子
ビーム照射法が知られている。これらの方法は、膜表面
清浄化・膜構造改質などに代表される薄膜処理を行うも
のである。
【0004】例えば、高周波放電型プラズマ,平行平板
型プラズマに対し基板バイアス・プラズマ電位バイアス
制御によって薄膜へのラジカル・イオン照射を制御する
薄膜処理方法としては、特開昭53−110378号公
報が知られている。
【0005】電子ビームによってプラズマを生成し、プ
ラズマと被処理薄膜との間に配置されたグリッド電極の
電位制御によって薄膜へのラジカル照射量を制御する薄
膜処理方法としては、特開平6−132241号公報が
知られている。
【0006】電子ビーム照射密度を制御することで、ア
モルファスシリコン膜から単結晶シリコン膜を形成する
薄膜処理方法としては、特開平7−2599号公報が知
られている。
【0007】一対の電極間において一方の電極にスリッ
トを設け、このスリットから反応性気体を噴出させて形
成したシートビーム型のプラズマを用いた薄膜処理方法
としては、特開平6−252071号公報が知られてい
る。
【0008】また、加熱された輸送チューブで輸送され
たラジカルを用いた薄膜処理方法としては、特開平5−
271951号公報が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術では、
処理用のプラズマを試料と隔離して配置するか、処理用
のプラズマと試料とを同一容器内に配置するか、電子ビ
ームを処理膜に照射する方法で、プラズマ・ラジカル・
イオン・電子を利用した薄膜処理を行ってきた。
【0010】処理用のプラズマを試料と隔離して配置す
る場合、試料と隔離されたプラズマを維持するために余
分なエネルギーが必要であり、電力エネルギーが有効に
薄膜処理に活用されない。
【0011】また、処理用のプラズマと試料を同一容器
内に配置する場合、プラズマ原料が分解した多種の雑多
なラジカル等が存在し、これらラジカル量やイオン量等
の制御が困難である。
【0012】電子ビームを試料に照射する方法では、絶
縁膜、特に、絶縁基板上の薄膜の処理において、試料や
基板が照射ビームの持つ電荷と同じ電荷に帯電するた
め、試料へのビームの入射が困難であるか、試料へのビ
ームが発散するためエネルギーが有効に活用されない。
【0013】また、単一の容器内に電極やプラズマを収
納するような場合、均一な放電を行うために、容器内の
ガス圧が数Pa(パスカル)〜数十Paに制限される。
即ち、容器内のガス圧を設定値より高くすると均一な放
電ができなくなり、局部に集中した放電が生じ、基板に
均一な処理を施すことができない。逆に、容器内のガス
圧を設定値より低くすると、放電が不安定になるか、あ
るいは、全く放電しない状態となり、試料に処理を施す
ことが困難になる。
【0014】本発明の目的は、上記に鑑み、液晶表示装
置に用いる薄膜試料への電子ビーム照射、あるいは、膜
処理室の雰囲気ガスへの電子ビーム照射で生成したプラ
ズマによる薄膜試料へのプラズマ照射により膜特性を改
質する薄膜処理方法、並びにそれを用いた半導体装置の
製法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の薄膜処理方法は、電子ビーム源から電子ビームを発
生する工程と、試料処理室にガスを導入する工程と、前
記電子ビーム源と前記処理室の間に配置された両者を分
離する伝送路を通して、前記電子ビームを処理室へ導入
する工程と、前記電子ビームを前記試料へ照射する工程
と、前記電子ビームの照射による前記ガスの電離により
生成したプラズマを、前記試料に照射する工程からなる
薄膜処理工程において、前記ガスに少なくともヘリウ
ム,ネオン,クリプトン,アルゴン,キセノン,水素,
酸素,窒素を含有するガスを用いる。
【0016】また、電子ビーム源を有する電子ビームを
発生する工程と、基板上の試料と共にガスを収納する処
理室にガスを導入する工程と、前記電子ビーム源と前記
処理室との間に配置された前記処理室のガス圧力よりも
低圧力の減圧室を通して前記電子ビームを前記処理室へ
導入する工程と、前記電子ビームを前記試料へ照射する
工程と、前記電子ビームの照射による前記ガスの電離に
より生成したプラズマを前記試料に照射する工程とから
なる薄膜処理工程において、前記ガスに少なくともヘリ
ウム,ネオン,クリプトン,アルゴン,キセノン,水
素,酸素,窒素を含有するガスを用いる。
【0017】あるいは、電子ビーム源を有する電子ビー
ムを発生する工程と、基板上の試料と共にガスを収納す
る処理室にガスを導入する工程と、前記電子ビーム源と
前記処理室との間に配置された処理室のガス圧力よりも
低圧力の減圧室を通して前記電子ビームを処理室へ導入
する工程と、前記電子ビームを試料へ照射し前記試料を
加熱する工程と、前記電子ビームの照射による前記ガス
の電離により生成したプラズマを前記試料に照射する工
程とからなる薄膜処理工程において、前記ガスに少なく
ともヘリウム,ネオン,クリプトン,アルゴン,キセノ
ン,水素,酸素,窒素を含有するガスを用いる。
【0018】前記の薄膜処理方法においては、以下の要
素を付加することができる。
【0019】(1) 前記電子ビームを発生する工程
は、電界レンズによる電子ビームを収束させる工程と、
前記減圧室内に配置された磁界レンズによる前記電界レ
ンズを通過した電子ビームを収束させる工程を備える。
【0020】(2) 前記電子ビームを発生する工程
は、電界レンズによる電子ビーム収束させる工程と、隣
接して配置された複数からなる前記減圧室内に配置され
た磁界レンズによって、前記電界レンズを通過した電子
ビームまたは他の減圧室内を通過した電子ビームを収束
させる工程を備える。
【0021】(3) 前記電子ビームを発生する工程
は、パルス信号に応答してアーク放電を発生させると共
に熱電子を放出して、プラズマを生成する容器内の一対
の電極に印加する前記パルス信号のパルス幅とパルス間
隔を調整する工程と、前記容器にガスを貯留する工程
と、電圧の印加により前記容器内から電子ビームを引き
出す複数の引出電極に印加する電圧を調整する工程を備
える。
【0022】(4) 前記電子ビームの照射に伴う前記
基板上の試料の帯電量を調整する工程と、前記処理室内
のプラズマに含まれる正イオンの前記基板上の試料への
流入による中和量を調整する工程を備える。
【0023】(5) 前記処理室内のプラズマを、前記
試料の周囲に形成した磁場によって前記試料の被処理面
側に閉じ込める工程を備える。
【0024】上記によれば、電子ビーム源と処理室とが
分離手段、あるいは、減圧室によって分離されているの
で、処理用のガスが存在する処理室のガス圧を、処理に
最適な任意のガス圧に設定することができる。試料を処
理するためのガスの圧力に対する制約を無くすことによ
り、処理に最適なプラズマを形成できる。
【0025】また、プラズマ照射と電子ビームの照射を
同時に行うことによって、試料の帯電量を低減すること
ができ、特に、絶縁膜や、絶縁基板上の薄膜の処理が可
能となる。
【0026】また、この薄膜処理方法をSiO2などの
絶縁膜に適用する際、電子線による欠陥生成が起こる。
このため、本発明では絶縁膜上に金属膜、あるいは、半
導体膜を形成した後、上記の電子ビーム照射を行う方法
を採用した。この膜構成を適用することにより、絶縁膜
に直接電子ビームが入射しなくなり、欠陥発生が抑制で
きる。
【0027】さらに、絶縁膜上の金属膜、あるいは、半
導体膜をゲート電極に加工することにより、トランジス
タを形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて説
明する。
【0029】〔実施例 1〕図1は本発明の薄膜処理方
法の一例の薄膜処理装置の模式断面図である。薄膜処理
装置は電子ビーム源1、減圧室2、反応室3を備え、反
応室3上に減圧室2を介して電子ビーム源1が配置され
ている。
【0030】電子ビーム源1は、プラズマ生成室を構成
する容器4を備えており、容器4は軸方向の一端が閉塞
され、他端が開口された箱型形状に形成されている。こ
の容器4の上部側にはガス導入口5を有し、該ガス導入
口5から容器4内にプラズマ生成用のガスが導入される
ようになっている。
【0031】ガス導入口5の両側の壁には、複数の絶縁
材6が壁を貫通した状態で固定されており、各絶縁材6
には、タングステンからなるカソード(マイナスの電
極)7が挿入されている。各カソード7は、熱フィラメ
ントとしてマイナスの直流電源に接続されており、各カ
ソード7からは熱電子が放出されるようになっている。
【0032】また、容器4の内壁面にはアノード(プラ
スの電極)8が設けられており、該アノード8は、プラ
スの直流電源に接続されている。そして、アノード8と
カソード7との間に直流電源からの直流電圧が印加され
ると、各電極間にアーク放電が発生し、容器4内にプラ
ズマが形成されるようになっている。
【0033】また、容器4の外周側には磁性体として複
数の永久磁石9が配置されている。各永久磁石9はN極
とS極とが交互になるよう、即ち、相隣接する他の永久
磁石9の磁極が互いに異なるよう並べられ、各永久磁石
9によって多極磁界が形成されるようになっている。そ
してこの多極磁界によって、容器4内に形成されたプラ
ズマが容器4内に閉じ込められるようになっている。
【0034】一方、容器4の開口端側には複数の引出電
極10,11が互いに離れ、例えば、1〜5mm程度の
絶縁距離を保って配置されている。引出電極10はマイ
ナスの直流電源に接続され、引出電極11は接地されて
おり、各引出電極10,11には、複数の引出電極孔1
2が形成されている。該引出電極孔12は、例えば、直
径が3mmのものが300個形成されている。
【0035】そして、容器4内にプラズマが生成された
状態で引出電極10,11間に直流電圧が印加される
と、プラズマから電子ビーム13が引き出されるように
なっている。この場合、各引出電極孔12から電子ビー
ム13が引き出されることで、容器4内のプラズマから
300本の電子ビーム13が引き出されることになる。
【0036】引き出される電子ビーム13のエネルギー
は、例えば、約1keVであり、300本の電子ビーム
13によって、1000mAの出力電子ビーム量を有す
る電子ビーム13が減圧室12内に引き出される。
【0037】減圧室2は、電子ビーム源1と反応室3と
の間に配置され、両者を分離すると共に、電子ビーム源
1からの電子ビーム13を反応室3に導く電子ビーム伝
送路を形成する分離手段として、直方体形状に形成され
ており、排気口14が真空ポンプに接続されている。即
ち、減圧室2は、反応室3のガス圧よりも圧力が低い空
間部として、真空ポンプにより反応室3のガス圧の1/
10程度に圧力が保たれている。
【0038】また、減圧室2と反応室3との境界となる
隔壁15には、直径3mmの電子ビーム通過孔16が3
00個形成されており、300本の電子ビーム13が、
各電子ビーム通過孔16を介して反応室3に導入される
ようになっている。
【0039】また、隔壁15に、各電子ビーム通過孔1
6を形成するに際しては、機械加工により形成できる
が、反応室3と減圧室2との差圧を大きくすることで、
真空ポンプの負担を小さくするには、隔壁15に直径1
mm以下の孔を300個開けることが望ましい。
【0040】しかし、300本の電子ビーム13を全て
偏芯させずに確実に各電子ビーム通過孔16を通過させ
ることは、機械加工によるアライメントでは困難であ
る。
【0041】そこで、本実施例では、反応室3,減圧室
2,電子ビーム源1を組み立てた後、平板上の隔壁15
に向けて、電子ビーム源1からの電子ビーム13を照射
し、該電子ビーム13により電子ビーム通過孔16を穿
孔する。この方法を採用することで、電子ビーム通過孔
16の直径を、電子ビーム13のビーム径とほぼ同じに
することができると共に、電子ビーム13の偏芯をゼロ
にすることができる。
【0042】一方、反応室3は、高さ50cm×横80
cm×奥行き80cmの直方体の部屋に構成され、反応
室3の底部側には、ガス導入口17と排気口18が形成
されている。そして反応室3内にガス導入口17から、
処理ガスとして窒素を導入する。
【0043】反応室3内のガスの一部は、排気口18か
ら排出されるよう構成され、この排気口18は真空ポン
プに接続されており、真空ポンプの作動により、反応室
3内のガス圧は、例えば、1〜10Pa程度に維持され
る。
【0044】また、反応室3のほぼ中央部には基板ホル
ダ19が固定されており、基板20上の薄膜21と共に
反応室3内にガスが満たされ、この雰囲気中に300本
の電子ビーム13が導入されると、ガスが電離しプラズ
マ22が生成される。つまり、電子ビーム13は薄膜2
1に照射されると共に、ガスにも照射された電子ビーム
によって、プラズマ22が生成され、電力の投入は電子
ビーム対して行われる。
【0045】電子は負の電荷を持ち、電子ビーム照射に
よって、薄膜や基板は負に帯電するが、正の電荷を持つ
プラズマ22の中のイオン照射によって、電子ビーム照
射による負の帯電が打ち消されるために、荷電粒子であ
る電子やイオンは薄膜に効率的に照射される。
【0046】上記の処理方法を絶縁膜の高品質化に適用
した。試料は、結晶Si基板上にSiO2膜をSi(C2
5O)4とO2を原料としたプラズマCVD(Chemical
Vapor Deposition)法により基板温度350℃で
形成し、さらに、その上にMo膜をスパッタリング法で
形成した。SiO2膜厚は100nm、Mo膜厚は20
0nmとした。
【0047】この試料を、上記の反応室に導入し処理を
進めた。その後、Mo膜をPAN液(硝酸,リン酸,酢
酸および純水の混合液)でエッチングした後、赤外吸収
スペクトルの測定を行い、特に、シリコン−酸素−シリ
コンの結合部の伸縮振動ピーク位置の変化を調べ、その
結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】処理前の伸縮振動ピーク位置が約1065
cm-1であるのに対し、処理後では1068cm-1から
1075cm-1程度に変化することが分かった。この値
は、600℃程度で1〜5時間以上熱アニールしたSi
2膜での値とほぼ同じである。この結果から、本発明
の処理によりSiO2膜の緻密化が進行したことが分か
る。
【0050】さらに、上記試料に金属電極を蒸着しMI
S(Metal−Insulator−Semicon
ductor)セルを形成した。その後、300℃熱処
理し容量−電圧特性を測定しフラットバンド電圧(Vf
b)、界面準位密度(Dit)を求めた結果を表2に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】未処理試料のVfbは、−1.2V、Ditは
1.2×1012eV-1cm-2であり、本発明の処理によ
りVfbが0Vに近づき、Ditが小さくなり、電気特性も
改善されていることが分かる。
【0053】さらに、比較例としてSiO2膜上にMo
膜を形成せずに処理した結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から、金属膜を形成していない試料で
はVfbが0Vからずれ、Vfbも大きくなっていることが
分かる。
【0056】このように、本実施例の薄膜処理工程によ
れば、ガスへの電子ビーム入射においてガス圧を調整
し、電子ビーム照射と電子ビーム照射により生成したプ
ラズマ照射を同時に行うことにより、絶縁基板や絶縁膜
の帯電による荷電粒子の発散を押さえることができ、処
理工程での消費電力を効率的に薄膜処理に適用可能とな
る。
【0057】また、薄膜や基板の帯電量調整や中和量の
調整を行うことで、薄膜や基板に入射する電子の量や、
プラズマからのイオン量のバランスを変化させ、特に、
電子量の増減により薄膜への局所的熱投入量を変化させ
ることが可能である。
【0058】処理容器や基板等を加熱せずに、処理時の
薄膜の有効温度を上昇させることができ、基板温度が低
温のままで薄膜の特性を大きく改善することが可能とな
る。また、金属膜を絶縁膜の上に形成することにより、
良好な電気特性が得られることが分かる。
【0059】〔実施例 2〕図2は本発明の薄膜処理方
法の他の一例の薄膜処理装置の模式断面図である。
【0060】電子ビーム源としてパルス電子ビーム源2
3を用い、パルス電子ビーム源23からパルス電子ビー
ム24を発生させると共に、基板20の背面側に、複数
の永久磁石25を相対向させて配置し、各永久磁石25
によってマグネトロン磁場26を形成し、反応室3内の
プラズマ22を基板20の被処理面側(表面側)に閉じ
込めるようにしたものである。
【0061】パルス電子ビームを発生するため、アノー
ド8とカソード7間に100〜200V程度のパルス信
号を周期的に印加し、周期的にパルスアーク放電を発生
させる。そしてパルス信号を発生するパルス信号発生器
のパルス幅とパルス間隔を、パルス信号発生器のパルス
信号調整手段によって調整する。
【0062】また、反応室3内のガス流量を調整すると
共に、排気系を調整することで反応室3内のガス圧を調
整する。本実施例において、反応室3内の圧力を大気圧
よりも減圧することができると共に、マグネトロン磁界
26により薄膜21表面のプラズマ密度を高めて、パル
ス電子ビーム24とによる帯電を、減らすことができ
る。
【0063】この装置の反応室内に試料をセットし処理
を進めた。試料は、結晶Si基板上にSiON膜をSi
4とN2Oを原料としたプラズマCVD法で基板温度3
50℃で形成し、さらに、その上にMo膜をスパッタリ
ング法で形成した。SiON膜厚は100nm、Mo膜
厚は200nmとした。この試料を、上記の反応室に導
入し処理を進めた。
【0064】さらにMo膜をホトエッチ工程で電極に加
工し、MISセルを形成した。その後、300℃熱処理
し、容量−電圧特性を測定しフラットバンド電圧(Vf
b)、界面準位密度(Dit)を求め、その結果を表4に
示す。
【0065】
【表4】
【0066】未処理試料のVfbは、−1.6V、Ditは
2×1012eV-1cm-2であり、本発明の処理によりV
fbが0Vに近づき、Ditが小さくなって電気特性が改善
されていることが分かる。
【0067】〔実施例 3〕図3は本発明の薄膜処理方
法によるトランジスタの一例を示す模式断面図である。
絶縁性基板27上にSiN膜28をプラズマCVD法で
形成した後、さらに、プラズマCVD法でSiO2膜2
9を形成した。
【0068】SiN膜28は原料として、SiH4とN
3、SiO2膜29は原料としてSi(C25O)4とO2
を用いた。この上に、原料ガスとしてSiH4とH2を用
いたプラズマCVD法により非晶質Si膜を50nmの
厚さに形成した。
【0069】次いで、450℃で熱処理した後、非晶質
Si膜をレーザアニールにより結晶化した。結晶化した
poly−Si膜30を、ホトエッチ工程で島状に加工
した後、Si(C25O)4とO2を原料としたプラズマC
VD法でSiO2膜31を100nmの厚さに形成し
た。
【0070】さらにスパッタ法でMo膜を200nmの
厚さに形成した後、実施例1で用いた装置に試料を導入
し、実施例1と同様にして処理を行った。
【0071】導入ガスとしてArを用いた。次いで、M
o膜をホトエッチ工程でゲート電極32に加工した。イ
オン打ち込みによりPをドープした後、さらにホトレジ
ストパターンを形成し、イオン打ち込みにより高濃度の
Pをドープした。
【0072】ホトレジストを除去し、レーザアニールに
よりドーパントを活性化した。この工程によりpoly
−Si膜にn(+)領域33、n(−)領域34を形成し
た。その後、Si(C25O)4とO2を原料としたSiO
2膜35をプラズマCVD法で300nmの厚さに形成
し、ホトエッチ工程でスルーホールを形成した。
【0073】さらに、Al/TiW積層膜をスパッタリ
ング法で堆積した。TiW膜36は20nm、Al膜3
7は200nmとした。次いで、ホトエッチ工程でドレ
イン配線、ソース配線に加工した。得られたトランジス
タは良好な特性を示した。
【0074】〔実施例 4〕図4は本発明の薄膜処理方
法によるトランジスタの他の一例を示す模式断面図であ
る。絶縁性基板27上にSiN膜28をプラズマCVD
法で形成した後、さらに、プラズマCVD法でSiO2
膜29を形成した。
【0075】SiN膜28は原料として、SiH4とN
3、SiO2膜29は原料としてSi(C25O)4とO2
を用いた。この上に、原料ガスとしてSiH4とH2を用
いたプラズマCVD法により非晶質Si膜を50nmの
厚さに形成した。
【0076】次いで450℃で熱処理した後、非晶質S
i膜をレーザアニールにより結晶化した。結晶化したp
oly−Si膜30をホトエッチ工程で島状に加工した
後、Si(C25O)4とO2を原料としたプラズマCVD
法でSiO2膜31を100nmの厚さに形成した。
【0077】さらに、SiH4とH2を用いたプラズマC
VD法で非晶質Si膜を200nmの厚さに形成した
後、ホトエッチ工程でpoly−Siゲート電極38に
加工した。
【0078】次いで、実施例2の装置に試料を導入し、
実施例1と同様の方法で処理した。導入ガスとしてはA
rを用いた。この時、SiO2膜を高性能化すると同時
に非晶質Si膜を結晶化した。
【0079】次いで、イオン打ち込みによりPをドープ
した後、さらにホトレジストパターンを形成し、イオン
打ち込みにより高濃度のPをドープした。ホトレジスト
を除去しレーザアニールによりドーパントを活性化し
た。この工程によりpoly−Si膜にn(+)領域3
3、n(−)領域34を形成した。
【0080】その後、Si(C25O)4とO2を原料とし
たSiO2膜35をプラズマCVD法で300nmの厚
さに形成し、ホトエッチ工程でスルーホールを形成し
た。さらに、Al/TiW積層膜をスパッタリング法で
堆積した。TiW膜36は20nm、Al膜37は20
0nmとした。次いで、ホトエッチ工程でドレイン配
線、ソース配線に加工した。得られたトランジスタは、
良好な特性を示した。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、ガスへの電子ビーム入
射においてガス圧を調整し、電子ビーム照射と電子ビー
ム照射により生成したプラズマ照射を同時に行うことに
より、絶縁基板や絶縁膜の帯電による荷電粒子の発散を
抑えることができ、処理工程での消費電力を効率的に薄
膜処理に適用可能となる。
【0082】また、電子ビームの照射による薄膜への局
所的熱投入によって、処理容器や基板等を加熱せずに、
処理時の薄膜の有効温度を上昇させることができ、基板
温度が低温のままで、基板温度を高温にして処理する高
温炉アニール処理膜等の膜特性と、同等な特性を持つ処
理薄膜が形成可能となる。
【0083】また、本発明の処理を用いることにより高
性能のトランジスタを低温で製造することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の薄膜処理装置の模式断面図
である。
【図2】本発明の実施例2の薄膜処理装置の模式断面図
である。
【図3】本発明の実施例3によるトランジスタの模式断
面図である。
【図4】本発明の実施例4によるトランジスタの模式断
面図である。
【符号の説明】
1…ビーム源、2…減圧室、3…反応室、4…容器、5
…ガス導入口、6…絶縁材、7…カソード、8…アノー
ド、9…永久磁石、10…引出電極、11…引出電極、
12…通過孔、13…電子ビーム、14…排気口、15
…隔壁、16…電子ビーム通過口、17…ガス導入口、
18…排気口、19…基板ホルダ、20…基板、21…
薄膜、22…プラズマ、23…パルス電子ビーム源、2
4…パルス電子ビーム、25…永久磁石、26…マグネ
トロン磁界、27…絶縁性基板、28…SiN膜、2
9,31,35…SiO2膜、30…poly−Si
膜、32…ゲート電極、33…n(+)領域、34…n
(−)領域、36…TiW膜、37…Al膜、38…po
ly−Siゲート電極。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 H01L 29/78 627G (72)発明者 鬼沢 賢一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川久保 幸雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 吉川 利満 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 佐藤 忠 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA61 BC02 BC04 CA39 CA42 CA47 CA62 CA63 DA01 EA01 EB01 FC15 4K030 AA06 AA09 AA13 AA24 BA35 BA40 BA44 CA04 DA08 DA09 HA03 HA06 KA30 KA32 KA34 LA18 5F110 AA17 BB01 CC02 DD13 DD14 DD17 EE04 EE09 EE44 EE48 FF02 FF30 FF36 GG02 GG13 GG25 GG45 HJ01 HJ13 HJ23 HL03 HL06 HL11 HL23 HM15 NN04 NN23 NN35 PP03 PP08 QQ11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム源から電子ビームを発生する
    工程と、試料処理室にガスを導入する工程と、前記電子
    ビームを薄膜試料へ照射する工程と、前記電子ビームの
    照射による前記ガスの電離により生成したプラズマを前
    記試料に照射する工程を含む薄膜処理方法において、前
    記薄膜試料が少なくとも絶縁膜上に金属膜あるいは半導
    体膜が形成された構成を含むことを特徴とする薄膜処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスが希ガス,水素,酸素,窒素の
    いずれかを含む請求項1に記載の薄膜処理方法。
  3. 【請求項3】 前記電子ビーム源がパルス状に電子ビー
    ムを発生するものである請求項1に記載の薄膜処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記電子ビームの照射に伴う基板上の前
    記薄膜試料の帯電量を調整する工程と、前記処理室内の
    プラズマに含まれる正イオンの前記基板上の薄膜試料へ
    の流入による中和量を調整する工程を有する請求項1に
    記載の薄膜処理方法。
  5. 【請求項5】 前記処理室内のプラズマを前記薄膜試料
    の周囲に形成した磁場により前記薄膜試料の被処理面側
    に閉じ込める工程を有する請求項1に記載の薄膜処理方
    法。
  6. 【請求項6】 絶縁膜上に金属膜あるいは半導体膜を形
    成した積層膜を前記請求項1〜5のいずれかに記載の薄
    膜処理方法で処理後、前記金属膜あるいは半導体膜をゲ
    ート電極として加工することを特徴とするトランジスタ
    の製法。
  7. 【請求項7】 絶縁膜上に金属膜あるいは半導体膜を形
    成後、前記金属膜あるいは半導体膜をゲート電極に加工
    し、前記請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜処理方法
    で処理することを特徴とするトランジスタの製法。
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