JP2002203823A - 半導体ウエーハの加工方法および半導体ウエーハ - Google Patents

半導体ウエーハの加工方法および半導体ウエーハ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエーハの平坦度、表面粗さ及びウエーハ裏
面の状態も良好となる半導体ウエーハの加工方法を提供
する。 【解決手段】 面取り工程、ラッピング工程、エッチン
グ工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエーハの加工方法
において、エッチング工程をアルカリエッチングの後、
酸エッチングを行うものとし、その際、酸エッチングを
フッ酸、硝酸、リン酸、水からなる酸エッチング液で行
う半導体ウエーハの加工方法。および面取り、平面研
削、エッチング、鏡面研磨する工程からなる半導体ウエ
ーハの加工方法において、エッチング工程を上記のよう
に行う半導体ウエーハの加工方法。および平坦化工程、
エッチング工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエーハの
加工方法において、前記エッチング工程は上記のように
行い、鏡面研磨工程は前記酸エッチング後、裏面研磨工
程を行ない、その後表面研磨工程を行う半導体ウエーハ
の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエーハ、
特に単結晶シリコンウエーハの製造工程において発生す
るウエーハ表面の加工変質層を化学エッチングにより除
去する方法の改善、および単結晶シリコンウエーハの製
造方法において発生するウエーハ裏面状態の改善に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体鏡面ウエーハの製造工程
は、通常、シリコン等の単結晶棒をスライスし、得られ
た半導体ウエーハに少なくとも面取り、ラッピング、エ
ッチング、鏡面研磨および洗浄・乾燥する工程から構成
されている。このような半導体鏡面ウエーハの製造工程
の一例を図3に示す。これらの工程は目的により、その
一部の工程が入れ替えられたり、複数回繰り返された
り、あるいは熱処理、研削等他の工程が付加、置換され
たりして、種々の工程が行われる。例えば、研磨工程が
3段程度で行われたり、平面研削工程が研磨工程の前に
付加されたりすることがある。
【0003】通常、エッチングは、スライス、面取り、
ラッピング等の機械的加工時に導入される表面加工変質
層の除去を目的とし、ラッピング工程等の平坦化工程の
後にエッチング工程が行われる。例えば、フッ酸、硝
酸、酢酸、水からなる混酸水溶液によりウエーハ表面よ
り数〜数十μmエッチングする酸エッチング工程が通常
である。
【0004】酸エッチングによれば、加工変質層は除去
されるが、ウエーハの平坦度はエッチング代が多い程損
なわれ易い。特にウエーハの周辺部は他の部分よりエッ
チング量が大きく、平坦度の悪化が著しい。また、酸エ
ッチング時の化学反応により有害なNOX が発生する等
の問題もある。
【0005】これらの問題を回避するため、アルカリエ
ッチングが用いられる場合もある。しかし、エッチング
液としてアルカリ系のエッチング溶液を用いてエッチン
グを行うと、ラッピング後の平坦度はそのまま維持され
るものの、ウエーハ表面に局所的に深さが数μmで、大
きさが数〜十数μmのピットが形成され易い。これは、
ラッピング工程で発生する局所的な機械的加工歪みの大
きな部分がアルカリエッチングの異方性により、他の部
分より深くエッチングされ、ピットが形成されると考え
られている。
【0006】上記のように、酸エッチングでは、エッチ
ングによりウエーハの平坦度が悪化してしまい、アルカ
リエッチングでは、深いピットが形成されるため、これ
らを除去するには鏡面研磨の研磨代を大きくする必要が
ある。しかし、研磨代を多くすることで研磨により平坦
度を悪化させてしまうことがあるし、研磨工程の生産性
を大巾に低下させてしまう。
【0007】そこで、本願出願人は、先に特開平11−
233485号で開示したように、エッチング工程をア
ルカリエッチングの後、酸エッチングを行うものとし、
その際、アルカリエッチングのエッチング代を、フッ
酸、硝酸、酢酸、水の混酸水溶液による酸エッチングの
エッチング代よりも大きくすることで解決を図ったとこ
ろ、平坦化は十分達成することができたものの、鏡面研
磨ウエーハ(Polished Wafer、PW)を得るための研磨
代の低減化は必ずしも十分でなかった。近年ではさらな
る高平坦度化も要求されているので、研磨代の低減化が
一層重要になっている。
【0008】そのため、研磨工程直前に(平面)研削工
程を行いその後ウエーハ表面を研磨することで研磨時間
の短縮や外周ダレの防止を行う技術が考えられた。しか
し、研削による研削条痕の残留や研削ダメージの制御が
難しく、研削ダメージを3μm以下とすることは困難で
あった。
【0009】さらに、ウエーハ加工工程においてウエー
ハ裏面輝度(光沢度)の低下及びうねり(2mm以上の
周期の面粗さ)の発生、更には低抵抗率結晶で生じ易い
ブルーステイン(以下単にステインということがある)
といわれる汚れが生じ易いことが明らかになった。特に
エッチング工程の条件によっては(例えばエッチング代
を少なくした場合)、ウエーハ裏面の光沢度は15から
20%程度に低下してしまうことがあった。
【0010】なお、本発明でいうウエーハ(裏面)の光
沢度は、JIS Z 8741(鏡面光沢度測定方法)を参考に
し、同規格で指定の鏡面光沢度計(グロスメーターS
D)を使用、同法に準じた方法により測定した。すなわ
ち対物位置に何も置かない状態の輝度を便宜上0%と仮
想し、鏡面化されたウエーハの光沢度を100%とする
設定条件で評価した。
【0011】従来、ウエーハの表裏両面に鏡面研磨を行
うことはあったが、裏面を完全な鏡面した場合(光沢度
100%近くにした場合)、パーティクルが付着しやす
く又再離脱しやすいことやウエーハを吸着する静電チャ
ック等の接触面積などの問題があり、光沢度をある程度
の範囲に低下させる必要があった。デバイス工程等にも
よるが一般的に30〜60%程度の光沢度が好ましい。
【0012】通常ウエーハ裏面の光沢度は、エッチング
工程で主に決められてしまう。高平坦度なウエーハを得
るためにはエッチング工程でのエッチング代を少なくす
ることが好ましい。前記アルカリエッチングの後、酸エ
ッチングする方法では、従来アルカリエッチングのエッ
チング代として両面で10〜30μm、特に20μm、
酸エッチングのエッチング代として、両面で5〜20μ
m、特に10μm程度でエッチングすることが好まし
く、エッチング工程全体で両面で約30〜40μmのエ
ッチング代であった。これにより光沢度40%程度まで
調整可能であったが、更にエッチング代を少なくしよう
とすると光沢度が低下してしまい20%以下になり問題
となることがあった。従ってアルカリエッチングの後、
酸エッチングを行なう半導体ウエーハの加工方法を行っ
た場合、特に裏面側の品質が問題となることがあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこの
ような問題点に鑑みなされたもので、ウエーハの平坦度
を維持しつつ、機械的加工歪み層を除去し、表面粗さを
改善し、特に局所的な深いピットをより浅く、滑らかな
凹凸形状を持ち、パーティクルや汚染の発生しにくいエ
ッチング表面を有する化学エッチングウエーハ(Chemic
al etched Wafer,CW)を作製し、鏡面研磨工程にお
ける研磨代を減少させることができるとともに、ウエー
ハ裏面の品質(光沢度、うねり、ステイン)も良好にす
る半導体ウエーハの加工方法と加工された半導体ウエー
ハを提供することを主たる目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に関する半導体ウエーハの加工方法の発明は、単
結晶棒をスライスして得た半導体ウエーハに、少なくと
も面取り工程、ラッピング工程、エッチング工程、鏡面
研磨工程を施す半導体ウエーハの加工方法において、前
記エッチング工程をアルカリエッチングの後、酸エッチ
ングを行うものとし、その際、酸エッチングをフッ酸、
硝酸、リン酸、水からなる酸エッチング液で行うことを
特徴としている(請求項1)。
【0015】このように、エッチング工程において、ラ
ッピング後のウエーハに対して先ずアルカリエッチング
を行って、ラッピング後の平坦度を維持しつつ機械的加
工歪み層を除去し、次いで酸エッチングを行うことによ
り、アルカリエッチング後に残る局所的な深いピット
と、表面粗さや鋭利な凹凸形状を改善することができ
る。
【0016】その際、酸エッチングをフッ酸、硝酸、リ
ン酸、水からなる酸エッチング液で行うと、従来使用さ
れていたフッ酸、硝酸、酢酸系酸エッチング液よりもう
ねり(2mm以上の周期の面粗さ)が小さくなり、ピッ
ト深さも浅くすることができる。従って研磨工程におけ
る研磨代を小さくすることができ、研磨工程の生産性の
向上を図ることができる。さらに、研磨代を削減するこ
とにより、研磨工程での平坦度の劣化が抑えられ、高平
坦度を有するウエーハの製造がより一層容易になる。こ
れは、リン酸が持っている粘度が起因となり、ピット内
に混酸の薬液が入り難くなり、ピット内のエッチング速
度を他の平面よりも遅くしているためと考えられる。
【0017】また本発明は、単結晶棒をスライスして得
た半導体ウエーハに、少なくとも面取り工程、平面研削
工程、エッチング工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエ
ーハの加工方法であって、前記平面研削工程はエッチン
グ工程より前に行われ、前記エッチング工程はアルカリ
エッチングの後、酸エッチングを行うものとし、その
際、酸エッチングをフッ酸、硝酸、リン酸、水からなる
酸エッチング液で行なうことを特徴としている(請求項
2)。
【0018】そしてこの場合、前記半導体の製造方法に
おいて、さらにラッピング工程を加え、ラッピング工
程、平面研削工程、エッチング工程の順序で加工を行う
ことが好ましい(請求項3)。
【0019】このように、本発明では、従来のラッピン
グ工程の代わりに完全に平面研削工程に置き換えるか、
あるいはラッピング工程を加えてエッチング工程より前
で平面研削工程を行うことで、ラッピングによって局所
的に発生していた大きな機械的加工歪層を著しく少なく
することができ、深いピットの発生を抑えることができ
る。
【0020】そして平面研削工程では、ラッピング工程
に比べ、ウエーハ形状を比較的容易に制御でき、同じ形
状を安定的に得ることができる。さらにウエーハ間の厚
さのバラツキも抑えることができる。
【0021】平面研削はラップ後のウエーハをエッチン
グしてもなお残留しているピットを除去することも可能
である。そこでエッチング工程の後に平面研削工程を行
うことも考えられるが、平面研削では、研削条痕と言わ
れる模様がウエーハ表面に残ってしまう。この研削条痕
を消すために研磨工程での研磨代を多くする必要があ
り、ウエーハの平坦度を悪化させてしまうことが判っ
た。そこで、本発明では平面研削工程はエッチング工程
の前に行うことにした。特にラッピング工程を組み入れ
た工程ではラッピング工程、平面研削工程、エッチング
工程の順に工程を行うことが好ましい。
【0022】なお、面取り工程は平面研削工程の後に実
施するのが好ましい。またラッピング工程がある場合、
ラッピング工程の前段に入れるのが好ましい。これは、
ラッピング工程ではラップスラリーを用いるがウエーハ
に面取りをしていない場合、このラップスラリーがウエ
ーハ中央部に入り込みづらくなり、ウエーハ外周部が極
端にダレてしまうことがあるためである。また、ラッピ
ング工程および平面研削工程がある場合は、面取り工程
を複数箇所(少なくとも2箇所)に入れるとより好まし
い。つまり面取り工程は特に限定されるものではなくそ
の目的により最適な工程間に入れれば良く、面取り工程
を入れ替えたり、また複数箇所に加えたりしてもよい。
【0023】また、平面研削工程ではウエーハの表裏両
面を研削してもよく、また表面(片面を鏡面研磨する場
合、研磨工程での研磨面側) のみを片面研削しても良
い。特にラッピング工程を平面研削工程の前に行う場
合、研磨工程で研磨する研磨面のみを研削する片面研削
が好ましい。これは研磨後の最終鏡面ウェーハの裏面
(研削されていない面)が従来から使用されているウエ
ーハの裏面と同様な光択度や粗さの状態になるためであ
る。
【0024】最終的な鏡面ウエーハを両面鏡面ウエーハ
とする場合は、平面研削工程で両面研削を行うのが好ま
しい。この場合ラッピング工程は必ずしも必要でなくな
る。ラッピング工程をなくせば工程も減り、また研磨工
程でもウエーハの表裏両面とも研磨代を少なくできるの
で好ましい。つまり研磨工程で研磨する面を平面研削す
る。但し最終研磨ウエーハの裏面形状に特に規格がなけ
れば、平面研削工程で両面研削をし、研磨工程で片面研
磨しても高平坦度なウエーハが得られる。
【0025】次に、本発明では平面研削工程の後に行わ
れるエッチング工程で、平面研削工程で発生した研削条
痕を除去しなければならない。この研削条痕も一種の機
械的加工歪み層で、およそ6μm程度の歪みが入ってい
ると考えられる。従って、この平面研削を行ったウエー
ハをアルカリエッチングすると、ラッピング工程の後に
アルカリエッチングした時に現われていた局所的な深い
ピットの発生は防止できるものの、平面研削を行った研
削条痕の部分が残留または強調されてピット状になって
しまうことがあった。
【0026】そこで、エッチング工程でもこのような研
削条痕によるピットが発生しないように、アルカリエッ
チングと酸エッチングを組み合せ、ウエーハの平坦度を
維持したまま、歪みを除去するようにした。すなわち、
エッチング工程では、まずアルカリエッチングした後、
酸エッチングを行うことにした。このように、エッチン
グ工程では、平面研削後のウエーハに対して先ずアルカ
リエッチングを行って、平面研削後の平坦度を維持しつ
つ機械的加工歪み層を除去し、次いで酸エッチングを行
うことにより、平坦度を維持しつつアルカリエッチング
後に残る研削条痕と表面粗さや鋭利な凹凸形状を改善す
ることができる。この際、アルカリエッチングのエッチ
ング代を酸エッチングのエッチング代よりも大きくする
ことが好ましい。
【0027】そしてこの際、酸エッチングをフッ酸、硝
酸、リン酸、水からなる酸エッチング液を用いて行う
と、従来一般的に用いられているフッ酸、硝酸、酢酸系
の酸エッチング液による酸エッチングよりもさらにうね
りが小さくなり、研削条痕によるピットも浅くすること
ができる。従って、後の研磨工程における研磨代を小さ
くすることができ、研磨工程の生産性の向上を図ること
ができる。さらに、研磨代を削減することにより、研磨
工程でのウエーハの平坦度の劣化が抑えられ、高平坦度
を有するウエーハの製造がより一層容易になる。
【0028】また本発明は、単結晶棒をスライスして得
た半導体ウエーハに、少なくとも平坦化工程、エッチン
グ工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエーハの加工方法
において、前記平坦化工程をエッチング工程より前段と
し、前記エッチング工程はアルカリエッチングの後、酸
エッチングを行うものとし、その際、酸エッチングをフ
ッ酸、硝酸、リン酸、水からなる酸エッチング液で行な
い、前記鏡面研磨工程は前記酸エッチング後、裏面研磨
工程を行ない、その後表面研磨工程を行うことを特徴と
する半導体ウエーハの加工方法である(請求項4)。
【0029】このように、鏡面研磨工程において、酸エ
ッチング後、裏面研磨工程を行い、その後に表面研磨工
程を行うことにより、ウエーハ裏面の品質(光沢度、う
ねり、ステイン)も良好なものとすることができる。ま
た裏面研磨工程を表面の研磨前に入れることにより、裏
面のうねりの転写がウエーハ表面に起こることが減少し
表面研磨の研磨代も更に小さくでき、ナノトポグラフィ
レベルの凹凸もなくなり、研磨による平坦度の低下も抑
えられ、高平坦度なウエーハが得られるという利点があ
る。さらに研磨代を低減できることから研磨工程の生産
性を著しく向上させることができる。
【0030】この場合、前記平坦化工程はラッピング工
程および/または平面研削工程とすることができる(請
求項5)。このように、本発明の加工方法では、平坦化
工程をラッピング工程および/または平面研削工程とす
ることができ、その後のエッチング工程、鏡面研磨工程
においてウエーハの形状、平坦度が維持されるとともに
研削条痕が効率良く除去されるため、高平坦度であり、
かつ表面粗さや凹凸が改善されたウエーハに加工するこ
とができる。
【0031】この場合、前記裏面研磨工程は、光沢度が
35〜50%の光沢度になるように研磨することが好ま
しい(請求項6)。このように光沢度が35〜50%の
光沢度になるように研磨すれば、パーティクルが発生す
ることや、ウエーハを吸着する静電チャック等のための
接触面積が問題となることはない。
【0032】さらに、平面研削工程においては、ウエー
ハ外周部の厚さが厚くなるように研削することが望まし
い(請求項7)。平面研削では高平坦度のウエーハを加
工することができるが、研磨後のウエーハをより高平坦
度にするには、研磨時の研磨代1μmに対しおよそ0.
06μmほど外周部(周辺より5mm程度の範囲で)が
厚いウエーハを用意することが好ましい。これは平面研
削工程より後の工程であるエッチング工程および研磨工
程でウエーハの周辺部の方が厚さが薄く成り易いからで
ある。平面研削工程では、このような外周部を厚くした
形状に制御し、かつ安定して製造することができ、結果
として研磨後に高平坦度のウエーハを得ることができ
る。またウェーハ間の厚さのバラツキも抑えることがで
きる。
【0033】この場合、前記エッチング工程での全体で
のエッチング代を両面で30μm以下とするが好ましい
(請求項8)。このようにエッチング代を両面で30μ
m以下とすることにより、高平坦度なウエーハを得るこ
とができる。特にエッチングによるウエーハの外周ダレ
が生じることを防ぐことができる。
【0034】また、本発明では、鏡面研磨工程における
研磨代を7μm以下とすることができる(請求項9)。
本発明の鏡面研磨工程においては、上記エッチング工程
において、うねりが小さく、ピットが非常に浅いウエー
ハが得られているので、研磨代を7μm以下と極めて小
さくすることができ、高平坦度の鏡面ウエーハを得るこ
とができ、研磨工程の生産性を著しく向上させることが
できる。なお、この場合、良好な研磨面を得るには、研
磨代は2μm以上とするのが好ましい。
【0035】本発明のエッチングにおける、酸エッチン
グ液の調合時の組成比は、フッ酸濃度が5〜15重量
%、リン酸濃度が10〜40重量%であることが好まし
い(請求項10)。このように、研磨代を減らすために
ラッピングあるいは研削後のアルカリエッチングで生じ
たピットの深さを浅くするには、酸エッチング液の調合
時(初期濃度)のフッ酸濃度が5〜15重量%以下で、
リン酸濃度が10〜40重量%の範囲内であることが好
ましい。この条件下では、エッチング液の粘度が適切と
なり、ピットの深さを浅くする効果が高いと共に、リン
酸とフッ酸が反応する副反応の影響が少なく、安定した
シリコン表面のエッチングを行うことができる。
【0036】そしてこの場合、酸エッチング液がシリコ
ンを濃度10g/L以上溶解したものであることが好ま
しい(請求項11)。このようにシリコンの溶解量を多
く設定すると、元の液状態にするのに液の交換量を減ら
すことができる。結果として、エッチング液の濃度制御
が容易となり、酸エッチング状態を安定化させることが
できる。また、うねり等の品質も改善できる。
【0037】この場合、酸エッチング液の使用時の組成
比は、フッ酸濃度が1〜7重量%、リン酸濃度が18〜
33重量%であることが好ましい(請求項12)。初期
濃度(調合時の濃度)は前記濃度範囲が好ましいが、実
際にウエーハをエッチングする時の組成比(使用時の濃
度)は、フッ酸濃度が1〜7重量%、リン酸濃度が18
〜33重量%であることが好ましい。このような範囲で
エッチングを行うとピットも浅くなり、また面状態も良
好なウエーハを得る事ができる。フッ酸はエッチング処
理を繰り返す事で徐々に減少していくがフッ酸濃度が1
重量%以下となるとエッチング効果が小さくなりすぎ
る。上記濃度を外れた場合、薬液の一部又は全部を交換
するようにしエッチングを行なうことで安定した処理を
行なうことができる。
【0038】本発明におけるアルカリエッチングのアル
カリエッチング液は、NaOH水溶液またはKOH水溶
液であることが望ましい(請求項13)。このようなエ
ッチング液とすると、エッチング処理効果がより一層確
実に発揮され、高平坦度を有するウエーハとなり、エッ
チング代の制御も比較的容易に行えるし、低コストで調
整することができる。
【0039】次に本発明の方法によって加工された半導
体ウエーハは(請求項14)、アルカリエッチングを行
って、ラッピング後あるいは研削後の平坦度を維持しつ
つ機械的加工歪み層が除去され、次いでリン酸含有酸エ
ッチングを行うことにより、アルカリエッチング面特有
の深いピット部分のエッチングが抑制され、表面粗さや
鋭利な凹凸形状が改善された半導体ウエーハである。特
に、ピット深さやうねりが改善され、より一層平坦な半
導体ウエーハとなる。さらに、ウエーハ裏面の品質(光
沢度、うねり、ステイン)も良好な半導体ウエーハとす
ることができる。
【0040】さらに本発明に係る半導体ウエーハは、化
学エッチングされた半導体ウエーハ(CW)であって、
ピット深さの最大値が4μm以下、うねりが0.05μ
m以下、光沢度が20〜70%であるというものである
(請求項15)。このように本発明では、極めてピット
深さの小さい化学エッチングされた半導体ウエーハを製
造することができる。
【0041】また、上記CWを用い、前記7μm以下の
鏡面研磨を行なうことにより、表面が鏡面研磨された半
導体ウエーハ(PW)は、SFQRmaxが0.1μm
以下でかつ、鏡面研磨された他方の面がピット深さの最
大値が4μm以下、うねりが0.05μm以下、光沢度
が20〜70%である半導体ウエーハを提供することが
できる(請求項16)。CWのピット深さを小さくでき
たことにより、このウエーハの表面を研磨する場合、研
磨代を著しく少なくすることができる。研磨代が増える
と平坦度の悪化(特にウエーハ周辺部のダレ)等が発生
しやすいが、研磨代を少なくすることでこれを防止する
ことができ、SFQRmaxも0.1μm以下の著しく
高平坦度のウエーハとすることができた。またウエーハ
裏面の光沢度も従来のウエーハと同様に制御することが
できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を表と
図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0043】本発明者等は、ウエーハのラッピング後の
平坦度を維持すると共に、パーティクルや汚染の発生し
難いエッチング表面を有する化学エッチングウエーハを
作製する半導体ウエーハの加工方法、特にエッチング方
法を種々検討した結果、先ず、ラッピング後の平坦度を
維持しつつ歪み層を除去するためにアルカリエッチング
を行い、そこで残った深いピットや表面粗さあるいはう
ねりを改善するために酸エッチング、特に従来使用され
てきたフッ酸、硝酸、酢酸の混合水溶液(酢酸系混酸と
いうことがある)ではなく、フッ酸、硝酸、リン酸の混
合水溶液(リン酸系混酸ということがある)を酸エッチ
ング液とした酸エッチングを行うことを発想し、処理条
件を究明して本発明を完成させた。
【0044】先ず、アルカリエッチングの基本的な処理
条件は、例えば、直径8インチ(200mm)ウエーハ
を#1200のラップ砥粒でラッピング後、85℃、濃
度50%NaOH水溶液でアルカリエッチングを行えば
よい。そして、アルカリエッチングのエッチング代とし
ては、両面で10〜30μmが適切な範囲である。特
に、局所的な深いピットの深さが最小値に近く、TT
V、Raもさほど悪化しない条件としては、約20μm
が好ましいとされている。
【0045】ここで、局所的な深いピットとは、ラッピ
ング時に、ラップ砥粒がウエーハ表面に突き刺さること
で形成されたピットが、アルカリエッチングにより、そ
の大きさや深さが増大したものである。従って、ラッピ
ング時に用いるラップ砥粒の番手にも若干影響する。ま
た、アルカリの濃度が低いと、ピット深さは増大する傾
向がある一方、アルカリの濃度が高い場合には、ピット
深さを浅くすることもできるが、そのためには、エッチ
ング代を多くする必要があり、効率が悪い。そして、こ
のピットの深さは光学顕微鏡の焦点深度により求められ
るが、このピットを除去するためには、後工程である鏡
面研磨工程で研磨する必要がある。従って、鏡面研磨量
は、このような深いピット深さの最大値以上とする必要
があるので、極力ピットを浅くするのが望ましい。
【0046】ここで、TTV[Total Thickness Variat
ion ](μm)とは、1枚のウエーハの中で最も厚い箇
所と最も薄い箇所の厚さの差をいう数値で、ウエーハの
平坦度の指標である。またRa(μm)は、中心線平均
粗さといい、最もよく使用される表面粗さパラメータの
1種である。
【0047】次に、酸エッチング液の組成を調査、検討
した。従来から使用されてきたフッ酸、硝酸、酢酸から
成る酢酸系混酸に変えてフッ酸、硝酸、リン酸から成る
リン酸系混酸を検討した。すなわち、酸エッチング液
は、表面粗さを改善できるフッ酸と硝酸を主体とし、こ
れに混合する液を通常酢酸を用いるところをリン酸とし
たものである。その理由は、リン酸は、強酸中でも安定
しており、リン酸が持っている粘度の影響により、ピッ
ト内に入り込んだ後、新液の供給を絶たれて、ピット内
のエッチングを他の平面よりも遅くすることができると
考えたからであり、定性的にその傾向を把握することが
できた。
【0048】そこで、フッ酸、硝酸、リン酸の調合比率
を検討した。表1は、直径8インチウエーハを平坦度の
改善及びスライスによる機械的加工変質層を除去するた
めラップ砥粒番手#1200を用い両面で60μmラッ
ピングした後、両面で20μmのアルカリエッチングし
たウエーハ(以下、被加工ウエーハということがある)
をフッ酸、硝酸、リン酸、水からなる混酸水溶液で酸エ
ッチングした際の酸の調合比率と酸エッチングしたウエ
ーハの局所的な深いピット深さおよび表面状態の観察結
果である。試験番号1〜13は、フッ酸、硝酸、リン酸
の調合比率を変えた場合、試験番号14、15は従来の
フッ酸、硝酸、酢酸の混合水溶液の場合である。これら
のエッチング液にシリコン11g/Lを溶解してエッチ
ング液を安定化させた後、被加工ウエーハを両面で10
μmエッチングし、ピット深さ、面状態を評価した。
【0049】
【表1】
【0050】この試験の結果から、ピット深さについて
は、酢酸をリン酸にすることで大きく改善できることが
わかり、特に酢酸ではピット深さが7μm程度であった
ものが、リン酸に置き換えるとピット深さは3〜4μm
程度となった。また、リン酸濃度(重量%)が高いほど
ピットが小さいと考えられる。
【0051】上記のようにピット深さについては、リン
酸の効果が大きいことがわかる。面状態については、試
験番号9、11、12のように、フッ酸濃度(重量%)
が硝酸の濃度より濃い場合は、表面がガサガサの状態と
なり表面が曇化し光沢度が低下してしまった。フッ酸が
濃すぎるかまたは硝酸が薄すぎると面状態が悪くなる。
従って、フッ酸濃度が硝酸よりも薄い状態でエッチング
することが好ましい。また、試験番号1のようにフッ酸
濃度が硝酸濃度よりはるかに薄いとエッチングされない
(殆ど反応しない)。従って、(フッ酸/硝酸)比は1
/7以上とすることが好ましい。このようにエッチング
されない(ほとんど反応しない)状態では、ウエーハ表
面が元のアルカリエッチングの面状態であり、深いピッ
トおよび表面粗さの粗い状態が残ってしまう。また仮に
エッチングを続けた場合、ピットは小さくなるが、エッ
チング時間が大変長いものとなり操業上問題である。ま
た、リン酸濃度が40重量%以上でもエッチングがおそ
いことがある。これはフッ酸とリン酸の副反応等の影響
によりエッチングが進まなくなるためと考えられる。
【0052】以上のことを考慮に入れると、特に(フッ
酸/硝酸)の比は1/2程度で、リン酸濃度が40重量
%以下だと大変良好な面状態のウエーハが得られる。光
沢度もエッチング時間の調整で20〜70%と広範囲に
調整することができた。
【0053】ここで、表1の面状態は、目視による外観
検査を行い、表面がガサガサになってしまい光沢度が低
下する状態やアルカリエッチングの面状態が残ってしま
う状態であり、そのままの表面状態では使用が困難なも
のを△(やや難あり)とした。アルカリエッチングの面
状態が残ってしまう場合はエッチング時間を長時間にす
ることで、面状態の改善は可能であるが操業上は難があ
る。また表面がガサガサになったものでも、ピット深さ
は小さくなっているので、ウエーハの両面を研磨する場
合の原料ウエーハとして使用することも可能である。表
面はエッチングされ光沢度は良好なものの、ややまだら
模様が残る場合を○(良好)とした。これらは特に問題
なく使用できる。さらに光沢度も向上し従来の酢酸系混
酸と同等であり製品として要望される光沢度の範囲に調
整可能なものを◎(たいへん良好)とした。また、ピッ
ト深さは、ウエーハ表面をスキャンし、ピットのある部
分で光学顕微鏡の焦点深度により求めた値であり、得ら
れたピット深さの最大値を示したものである。
【0054】これら、ピット深さおよび面状態より、好
ましいリン酸系混酸の濃度範囲は、調合時の初期濃度と
して、フッ酸(HF)が5〜15重量%、硝酸(HNO
3 )が20〜45重量%、リン酸(H3 PO4 )が10
〜40重量%、残り水(H2O)程度である。
【0055】これは、調合時のフッ酸濃度を5重量%以
下とするとエッチング効果(反応性)が悪くなる。ま
た、15重量%以上であると硝酸との関係で面状態が悪
くなる。硝酸については、特に明確な知見は得られなか
ったものの、フッ酸、リン酸との関係から20〜45重
量%の範囲が好ましいと考えられる。特に(HF/HN
3 )比が1/(2〜7)が好ましい。リン酸について
は10重量%以下だとピットの改善効果が小さくなり、
40重量%以上であるとフッ酸や水等との副反応が増
し、エッチングが不安定になり、遂にはエッチング効果
がなくなることがあり、面状態が悪くなることがある。
【0056】酸エッチングのエッチング代としては、両
面で5〜20μmが適切な範囲である。特に両面で10
μm程度がピットを浅くし、平坦度も維持したまま、表
面を滑らかにエッチングすることができる。これは、リ
ン酸が持っている粘度の影響でラッピングによるピット
や研削条痕部分のピット内に混酸が入り難くなり、ピッ
ト内のエッチング速度を他の平面よりも遅くしているた
めと考えられる。
【0057】次に、実際のエッチング中の各組成比につ
いて確認した。調合時は、上記濃度範囲が好ましいが、
実際にはエッチング中に組成は変化して行く。シリコン
ウエーハをエッチングすると薬液中の各組成は、フッ酸
濃度は減少、硝酸濃度は徐々に減少、リン酸濃度は殆ど
変化せず、水の濃度は増加していく傾向がある。特にエ
ッチング開始直後は組成が不安定である。
【0058】そこでエッチング液を安定させるために、
予め混酸にシリコンを溶解させておくことが好ましい。
このシリコン溶解をした時の組成(実際に使用する時の
組成)を確認した。表2は、シリコン溶解量を0〜20
g/Lと変化させた時のエッチング液中の各成分濃度を
示したものである。調合時(初期)のエッチング液組成
は試験番号13と同じ50重量%フッ酸、70重量%硝
酸、85重量%リン酸を容量比で1:3:2で調合した
リン酸系混酸を用い、これにシリコンを溶解した時に実
際のエッチング組成がどのように変化するかを確認した
ものである。
【0059】また、このシリコン溶解量によって、うね
りや周辺ダレも大きく改善できることが確認されたた
め、表2に示した各エッチング液を用い、#1200の
ラップ砥粒でラッピングし、両面で20μmのアルカリ
エッチングをしたウエーハを両面で10μm酸エッチン
グしてうねりを評価した。その結果を表2に併記した。
【0060】
【表2】
【0061】表2から判るように、予めシリコンを溶解
しておくことにより調合時の濃度(初期濃度)は変化す
る。50重量%フッ酸、70重量%硝酸、85重量%リ
ン酸を容量比で1:3:2で調合したリン酸系混酸で
は、使用時のエッチング組成はおよそフッ酸濃度は1〜
7重量%程度、硝酸は25〜33重量%、リン酸は18
〜33重量%程度となっており、このような組成範囲で
使用することが好ましい。また、シリコン溶解を10g
/L以上するとうねりが0.05μm以下と大変良好な
ウエーハが製造できるのでさらに好ましい。シリコン溶
解量は多い程、うねりを小さくすることができる。
【0062】ここで、うねり(Waviness)と
は、測定開始地点と測定終了地点の高さを一致させて高
さの原点とし、2mmピッチで原点からの変位量の絶対
値Y1からY29を測定し、その平均値Yをうねりと定
義している。うねりの測定装置には、(株)小坂研究所
製万能表面形状測定器(SE−3F型)を用いた。測定
方法は、ウエーハ(直径200mm)の表面の中央部6
0mmを触針によりなぞり、細かい表面粗さ成分を除い
た形状成分のみを測定する。
【0063】また、シリコンを10g/L以上溶解して
おくとエッチング組成が安定化する。調合した直後のエ
ッチング液は反応性が不安定である。ある程度のシリコ
ンを予め溶解しておくことで反応性およびエッチング液
の組成が安定化する。また、シリコン溶解をしていない
調合直後の濃度にエッチング組成を戻すにはエッチング
液をほとんど全量交換する必要があるが、シリコン溶解
した後の状態に戻すのは容易で、シリコン溶解していな
いエッチング液を部分的に交換(追加)するだけで済
み、液交換量を減らすことができる。結果としてエッチ
ング液の濃度、バラツキも小さくなり、かつ制御が容易
になり、酸エッチング状態を安定化させることができ
る。
【0064】以上述べたように、リン酸を含む混酸を酸
エッチングに使用することにより、従来の酢酸系混酸エ
ッチングより下記の点で優れていることが判った。すな
わち、 1)ピットの深さを従来のアルカリエッチング+酢酸系
混酸エッチングより浅くすることができる。 2)平滑化の効率が高い。 3)うねり成分が少ない。 4)表面粗さが細かくなり、光沢度が上がる。
【0065】各種エッチング方法と得られたウエーハの
品質、特性の関係を表3にまとめて比較した。なお、リ
ン酸系の酸溶液のみでエッチングした場合、エッチング
代を多くすると酢酸系の酸溶液のみでエッチングした場
合と同様、平坦度が悪くなる傾向にある。またエッチン
グ速度も遅く生産性が良くない。本発明のように(アル
カリ+リン酸系)のエッチング液で処理することにより
リン酸系で処理するエッチング代が低減され、上記問題
も改善でき更に研磨工程の研磨代を著しく少なくするこ
とができ好ましい。以上から本発明の優位性が明らかで
ある。
【0066】
【表3】
【0067】なお、エッチング代(エッチングによる取
り代)は、多すぎるとアルカリエッチング及び酸エッチ
ングを行うエッチングによってもウエーハ外周ダレが生
じ易い。従ってエッチング工程では両面で10〜30μ
m程度に従来の取り代より少なくする方がよい。好まし
くはアルカリエッチングで両面で15μm、酸エッチン
グで両面で5μm程度にする。
【0068】以上述べた本発明のアルカリエッチング+
リン酸系混酸エッチングの二段階化学エッチングによれ
ば、ピット深さの最大値が4μm以下、2mmピッチの
うねりのPV値が0.05μm以下、かつ光沢度範囲が
20〜70%である半導体ウエーハを容易に安定して製
造することができる。
【0069】また本発明者等は、鏡面研磨工程前に加工
歪みおよびこれに起因するピット等の残留が少ないウエ
ーハの製造方法、特にエッチング工程や、その前工程を
種々検討した結果、ラッピング工程の代わり、またはラ
ッピング工程の後に平面研削工程を組み込むことで、ス
ライシングあるいはラッピングによって生じていた歪み
層を極めて少なくし、高平坦度を維持したウエーハを
得、さらにアルカリエッチングを行い、平面研削で残っ
てしまう歪み層および研削条痕を除去し、さらに残った
研削条痕によるピットを改善するために、フッ酸、硝
酸、リン酸の混合水溶液を酸エッチング液として酸エッ
チングを行なうことを発想し、処理条件を究明して本発
明を完成させた。
【0070】図1は、本発明の単結晶棒を加工して半導
体鏡面ウエーハを製造する一連のフロー図である。図1
(a)は平面研削工程、エッチング工程の順からなるフ
ロー図であり、図1(b)はラッピング工程を前に加え
た平面研削工程、エッチング工程の順からなるフロー図
である。
【0071】図1(a)は、ラッピング工程を完全に平
面研削工程に置き換えた鏡面ウエーハの製造工程であっ
て、単結晶棒をスライス工程でスライスしてウエーハを
得、平面研削工程で平面研削にかけて、平坦度の改善及
びスライス工程で生じた機械的加工変質層を除去する。
次に面取り工程でウエーハに面取り加工を施し、エッチ
ング工程に入る。エッチングは先ずアルカリエッチング
を行って歪み層や研削条痕を除去し、あるいは浅くし、
次いでリン酸系混酸で酸エッチングを行って研削条痕を
浅くする。この際、アルカリエッチングのエッチング代
を酸エッチングのエッチング代よりも大きくすることが
好ましい。続いて鏡面研磨工程で鏡面研磨を施し、洗浄
・乾燥工程で洗浄・乾燥して高平坦度の鏡面ウエーハを
作製することができる。
【0072】図1(b)は、平面研削工程の前にラッピ
ング工程を加えた鏡面ウエーハの製造工程であって、単
結晶棒をスライス工程でスライスしてウエーハを得、1
次面取り工程でウエーハに粗面取り加工を施した後、ラ
ッピング工程でラップし、平坦度の改善及びスライス工
程で生じた機械的加工変質層を除去する。続いて平面研
削工程で平面研削にかけて、更に平坦度を良くする。次
に2次面取り工程で仕上げの面取り加工を施し、エッチ
ング工程に入る。エッチングは先ずアルカリエッチング
を行って歪み層や研削条痕を除去し、次いでリン酸系混
酸で酸エッチングを行って研削条痕を浅くする。この
際、アルカリエッチングのエッチング代を酸エッチング
のエッチング代よりも大きくすることが好ましい。続い
て鏡面研磨工程で鏡面研磨を施し、洗浄・乾燥工程で洗
浄・乾燥して高平坦度鏡面ウエーハを作製することがで
きる。
【0073】先ず、平面研削の標準的な条件としては、
スピンドル回転数:4000〜7000rpm、 ウエ
ーハ回転数:5〜9rpm(加工時)、3〜7rpm
(スパークアウト時)、 砥石送り速度:0.1〜0.
3μm/secが好ましい。使用する砥石は、高ヤング
率タイプのものがよく、平面研削装置は砥石が中心切り
込みであるインフィード型の平面研削装置が好ましい。
平面研削装置としては、両面を同時に研削する両頭研削
装置や片面づつ、または片面のみを研削する装置がある
が、特に装置の形態は限定されない。平坦度の改善及び
スライスによる機械的加工変質層を除去するためには一
般的に両面で40〜60μm(片面20〜30μm)の
研削でよい。
【0074】ここで、ラッピング工程では、ラップ砥粒
の影響により、局所的な深いダメージ(ピット)が形成
されていたが、平面研削ではこの局所的な機械的加工歪
みも少なく加工できるようになる。しかし平面研削工程
の条件にも若干影響されるが、平面研削では研削条痕が
残ってしまう。この研削条痕は、砥石の切れ込みの跡が
ウエーハ表面にすじ状に残ったものである。
【0075】そこで前述したようなエッチングを行う。
先ずアルカリエッチングを行って歪み層や研削条痕を除
去し、次いでリン酸系混酸で酸エッチングを行って研削
条痕を浅くする。続いて鏡面研磨工程で鏡面研磨を施
し、洗浄・乾燥工程で洗浄・乾燥して高平坦度鏡面ウエ
ーハを作製することができる。
【0076】以上の一連の工程により加工して製造され
たウエーハは、ピット等が非常に浅く、または完全に存
在せず、また、うねり成分も少ない。表面粗さも細かく
なり光沢度があがる。従って、研磨工程での研磨代(取
り代)を著しく少なくすることができ、高平坦度のウエ
ーハを高い生産性で得ることができる。
【0077】一方、前述のようにウエーハ加工工程にお
いて、ウエーハ裏面輝度(光沢度)の低下及びうねりの
発生、更には低抵抗率結晶で生じ易いブルーステイン
(以下単にステインということがある)といわれる汚れ
が生じることがある。エッチング工程の条件(例えばエ
ッチング代を少なくした場合)によってはウエーハ裏面
の光沢度は15から20%程度に低下してしまうことが
あった。そこで、本発明者らはこの問題を解決するた
め、鏡面研磨工程において、前記酸エッチング後、裏面
研磨工程を行ない、その後表面研磨工程を行なうことを
発想した。
【0078】以下に本発明の裏面研磨を行う場合につき
説明する。図2は、本発明の裏面研磨工程を有する半導
体ウエーハの加工する方法を例示した一連のフロー図で
ある。前述の図1の半導体ウエーハの加工方法に加え
て、ウエーハ表面を鏡面研磨する表面研磨工程の前に裏
面研磨工程が行われることがこの方法の特徴である。
【0079】スライス工程では従来の方法・装置を用い
れば良い。例えばワイヤーソーや内周刃のスライス装置
を用い、ワープが少なくするようにスライスすることが
好ましい。特にワープ(ソリ)を10μm以下に抑える
ようにスライスする。
【0080】面取り工程も、従来からある方法及び装置
を用いれば良い。スライス後早い段階で、カケ、ワレを
防止するために外周の角を丸めるべべリング加工(面取
り加工)を行い、その後表面研磨工程までに面取り部を
鏡面化する面取り加工を行なうのが好ましい。特に面取
り工程は平面研削工程の後に実施するのが好ましい。ラ
ッピング工程がある場合はラッピング工程の前に入れる
のが好ましい。もちろん面取り工程を複数箇所入れても
良い。本案ではラッピング前に1次面取り工程、及び平
面研削後に2次面取り、裏面研磨後に鏡面面取り工程を
入れた例を示した。
【0081】平坦化工程では、ラッピング工程のみ、ま
たは平面研削工程のみでも良いが、前述のように平面研
削工程の方が機械的歪みは小さく、またラッピング工程
に比べ、ウエーハ形状を比較的容易に制御でき、同じ形
状を安定的に得ることができ好ましい。ラッピング工程
の後に平面研削工程を加え、ラッピング工程、平面研削
工程、エッチング工程の順で加工を行なっても良い。
【0082】なお、平面研削では、深いピットを除去す
ることも可能である。従って、エッチング工程の後、研
磨工程前に平面研削工程を入れる場合も考えられるが、
平面研削では、研削条痕と言われる模様が残ってしま
う。また、研削によるダメージも数μm程度残ってしま
う。従って、この研削条痕を消すために研磨工程での研
磨代を多くする必要がある。従って、本発明では平面研
削工程は、エッチング工程の前に行う。特にラッピング
工程をそのまま残した工程ではラッピング工程、平面研
削工程、エッチング工程の順に行なうことが好ましい。
こうすることによって、ラッピングに起因する深いピッ
トを除去できるし、平面研削に起因する研削条痕を除去
又は浅くすることができる。
【0083】平坦化工程の条件としては、ラッピング工
程の場合、#1200〜#1500程度のラッピング砥
粒を用い平坦化することが好ましい。ラップ代(ラッピ
ングによる取り代)は両面で40〜60μm程度で良
い。好ましくは#1200のラッピング砥粒で両面で4
0μm、更に#1500番で両面で20μmの2段ラッ
プを行なうのが好ましい。このように後段は、#150
0と細かな砥粒を含むラップスラリーを用いることが好
ましい。
【0084】ラッピングに続き平面研削を行なう場合、
#1500〜#4000程度の砥粒砥石を用いることが
好ましい。研削代(平面研削による取り代)はおよそ片
面10μm程度で良い。平面研削に使用する砥石は、高
ヤング率、研削装置は砥石が中心切り込みであるインフ
ィード型の研削装置が好ましい。
【0085】平坦化工程として平面研削を用いると、例
えば歪みの少ない研削工程後でも研削条痕が残ってしま
う。研削条痕も一種の機械的加工歪み層で、若干の歪み
(ダメージ)が入っていると考えられる。従って、この
平面研削を行なったウエーハをアルカリエッチングする
と、ラッピング工程の後にアルカリエッチングした時に
現れていた局所的なピットは防止できるものの、平面研
削を行った研削条痕の部分が、残留または強調されピッ
ト状になってしまう事がある。
【0086】従来も、高平坦度なウエーハを得るために
平面研削を研磨前にすることがあったが、これでは研削
条痕が残ってしまう等の問題がある。本発明では、表面
研磨の前の工程において平面研削を行っても、その形状
を維持したままエッチング及び研磨して、研削条痕を除
去することができる。
【0087】すなわち、本発明のエッチング工程では、
前述のように、エッチング工程でまずアルカリエッチン
グをした後、酸エッチングを行うものとした。さらに酸
エッチングをフッ酸、硝酸、リン酸、水からなる酸エッ
チングを行うことにより、うねりが小さくなり、研削条
痕も浅くすることができる。
【0088】裏面研磨工程は、酸エッチングの後、表面
研磨工程前に実施する。裏面の光沢度の調整のみであれ
ば、エッチング後のどの工程で実施することも可能であ
るが(例えば表面研磨工程後に実施してもよい)、酸エ
ッチングの後、表面研磨工程前に実施すれば、裏面研磨
によるウエーハ裏面のうねり成分も改善された状態で表
面研磨されることになるので、裏面形状の転写等の影響
を極力少なくすることができ、ナノトポグラフィレベル
での凹凸も軽減され、高平坦度な状態を維持したまま表
面を研磨することができる。またこれによりウエーハ裏
面の光沢度の調節はもとより、ブルーステインの除去等
も行われ裏面品質の良好なウエーハが製造できる。裏面
光沢度は35〜50%とすることが好ましい。これには
研磨代(研磨による取り代)は片面で0.4μm以下
0.05μm以上、好ましくは0.1μmから0.3μ
m程度が好ましい。
【0089】表面研磨工程は、研磨による外周ダレが生
じない条件で研磨すれば特に限定されない。しかし、特
に複数段で研磨する場合、表面側全体で研磨代を4μm
以下とすることが好ましい。但し、良好な鏡面を得るに
は1μm程度は研磨するのが望ましい。このように研磨
代を抑える事で、それ以前の工程の平坦度を維持したま
ま高平坦度なウエーハを製造する事ができる。
【0090】特に、本発明の表面(鏡面)研磨工程にお
いては、前記エッチング工程においてうねりが小さく、
研削条痕(研削条痕によるピット)も非常に浅いウエー
ハが得られているので、研磨代を極めて小さくすること
ができ、高平坦度の鏡面ウエーハを得ることができる。
また裏面研磨工程を研磨前に入れたことにより、裏面の
うねりの転写がウエーハ表面に起こることが減少し表面
研磨の研磨代も更に小さくすることができる。その結
果、ナノトポグラフィレベルの凹凸も軽減され、研磨に
よる平坦度の低下も抑えられ、高平坦度なウエーハが得
られるという利点がある。また、研磨代を低減できるこ
とから研磨工程の生産性を著しく向上させることができ
る。
【0091】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 (実施例1)上記考察の結果、ピット深さ、面状態、エ
ッチングレート、エッチング液の安定性等を考慮する
と、調合比として50重量%フッ酸:70重量%硝酸:
85重量%リン酸=1:3:2のエッチング液、つまり
HF=6.6重量%、HNO3=34.0重量%、H3
PO4 =32.5重量%、残分H2 O(26.9重量
%)、シリコン溶解量=19g/Lにしたエッチング液
が好ましいことが判った。以下にこの酸エッチング液を
用いた実施例を説明する。
【0092】直径200mm(8インチ)のラップウエ
ーハ(ラップ砥粒番手:#1200)を使用して次のエ
ッチング処理を行った。このラップウエーハのTTVは
およそ0.8μmであった。先ず、アルカリエッチング
は、エッチング代目標を両面で20μmとし、濃度50
重量%のNaOH水溶液に85℃で450秒間浸漬し
た。次に、親水化処理として0.3%の過酸化水素水に
浸漬した後、最後に、上記した50重量%フッ酸:70
重量%硝酸:85重量%リン酸=1:3:2(容積比)
から成る混酸でエッチング代目標を両面で10μmとし
て液温25℃で酸エッチングを行った。エッチングを終
了したものについては、平坦度(TTV)、表面粗さ
(Ra)、うねり、ピット深さ、光沢度を測定し、エッ
チングの効果を調査した。その結果を表4に示す。
【0093】(比較例1)酸エッチング液を従来の酢酸
系混酸である50重量%フッ酸:70重量%硝酸:10
0重量%酢酸=1:2:1(容積比)から成る混酸を使
用した以外は実施例1と同条件でエッチングした。その
結果を表4に併記した。
【0094】
【表4】
【0095】表4より、実施例1(リン酸系混酸)では
平坦度(TTV)やうねりの大変良好なウエーハが得ら
れた。またピット深さも非常に小さいウエーハが製造で
きた。光沢度は従来と同様な値になり、規格の範囲に調
整できることがわかった。また、ウエーハ面取り部の表
面粗さ(Ra)もよく、鏡面面取り等の負荷が減る等の
効果もある。
【0096】次に上記実施例1および比較例1のCWウ
エーハ表面を研磨した。研磨代は表面側全体で7μm
(目標値)とした。研磨条件は、研磨装置:枚葉式研磨
装置、研磨布:不織布タイプ研磨布、研磨剤:コロイダ
ルシリカ研磨剤(pH=10.5)を用いて研磨した。
【0097】研磨品についてTTVおよびSFQRmax
を測定し、外観を検査した。ここでSFQR(Site
Front least−sQuares Rang
e)とは、平坦度に関して表面基準の平均平面をサイト
毎に算出し、その面に対する凹凸の最大範囲を表した値
であり、SFQRmax はウエーハ上の全サイトのSFQ
Rの中の最大値を表している。結果を表5に示す。ま
た、比較例1については更に研磨を行い外観異常が見ら
れなくなるまで研磨した(比較例1b)。
【0098】
【表5】
【0099】ここで、平坦度TTV及びSFQRmaxの
測定は、ADE社製のフラットネス測定器(U/G95
00、U/S9600)を用い、表面粗さ(Ra)の測
定は、(株)小坂研究所製万能表面形状測定器(SE−
3C型)を用いた。また、平坦度SFQRmaxは、A
DE社製フラットネス測定器を用い、20mm×20m
mのエリアで評価した。外観については、ピットの有無
を顕微鏡で確認した。
【0100】上記の結果から分かるように、実施例1で
は研磨代7μm以下の研磨で、高平坦度及び外観異常
(ピット)のないウエーハが製造できた。これは、アル
カリエッチ→リン酸含有酸エッチを行い、エッチング後
のピット深さを従来に比べ小さくしたことにより達成す
ることができた。また、研磨代を少なくできることで、
研磨効率の向上が計れるとともに、研磨による外周ダレ
を防止し、ウエーハ外周の平坦度に優れたウエーハを製
造することができる。
【0101】以上述べたように、CWウエーハは、アル
カリエッチング、リン酸含有酸エッチングとすること
で、平坦度及びピット深さが改善されている。またうね
りも少ないウエーハが得られる。光沢度は比較例、実施
例とも同じ程度に調整できる。
【0102】PWウエーハは、比較例では外観異常があ
り、研磨代が足りないことがわかる。通常、エッチング
後のピットを完全に無くすため、ピット深さ+3μm程
度の過剰な研磨が必要である。研磨量を増やすことによ
り加工時間も長くなってしまう。また、比較例を見れば
分かるように、SFQRmaxは研磨代が増えると悪く
なる。研磨代は少ない方が好ましい。リン酸含有酸エッ
チングでは研磨代を少なくすることができ、SFQRm
axなどの平坦度を良くした鏡面研磨ウエーハが製造す
ることができた。
【0103】(実施例2)図1(b)に示すような工程
で鏡面ウエーハを作製した。直径約200mmのインゴ
ットをスライス、1次面取りし、その後ラップスラリー
(ラップ砥粒番手#1200)を使用し,ラッピングし
たウエーハ(ラップウエーハという)を使用して、次の
ような条件で平面研削を行った。
【0104】平面研削はインフィード型の片面研削装置
を用い、スピンドル回転数5500rpm、ウエーハ回
転数7rpm、砥石送り速度0.2μm/secで行っ
た。その後、2次面取りを行った。この平面研削後のウ
エーハの平坦度(TTV)はおよそ0.6μmであっ
た。
【0105】次に、アルカリエッチングは、エッチング
代目標を両面で20μmとし、上記ウエーハを濃度50
重量%のNaOH水溶液に85℃で450秒間浸漬しエ
ッチングを行った。次に親水化処理として0.3%の過
酸化水素水に浸漬した後、50重量%フッ酸:70重量
%硝酸:85重量%リン酸=1:3:2(容量比)から
なる混酸でエッチング代目標を両面で10μmとして液
温25℃で酸エッチングを行った。
【0106】酸エッチングを終了したものについては、
平坦度(TTV)、表面粗さ(Ra)、うねり、外観検
査(およびピット深さ)、ウエーハ裏面の光沢度を測定
し、平面研削+エッチングの効果を調査した。
【0107】TTVの測定は、ADE社製フラットネス
測定器(U/G9500、U/S9600)を用いた。
Raの測定は、(株)小坂研究所製万能表面形状測定器
(SE−3C型)を用い、ウエーハ中央部分を測定し
た。
【0108】うねりは、測定開始時点と測定終了時点の
高さの差を一致させて高さの原点とし、2mmピッチで
原点からの変位量の絶対値YからY29を測定し、そ
の平均値をうねりと定義している。うねりの測定装置に
は(株)小坂研究所製万能表面形状測定器(SE−3F
型)を用いた。測定はウエーハの中央部分60mmを触
針によりなぞり、細かい表面粗さ成分を除いた形状成分
のみ測定した。
【0109】外観検査については、ピットの有無を顕微
鏡で観察した。ピットが観察された場合、ピット深さを
確認した。ピット深さは光学顕微鏡の焦点深度により求
めた。ピット深さは、複数枚評価したウエーハの最大値
で示す。
【0110】光沢度は、ウエーハ裏面について、東洋精
機製グロスメーターSDにより求めた。以上の結果を表
6に示す。
【0111】
【表6】
【0112】次に、上記エッチング終了後のウエーハ
を、鏡面研磨した。先に平面研削した側の面を研磨し、
研磨代は目標値4μmとした。研磨条件は、研磨装置;
枚葉式研磨装置、 研磨布;不織布タイプ研磨布、研磨
剤;コロイダルシリカ研磨剤(pH=10.5)を用い
て研磨した。
【0113】研磨したウエーハについて、TTVおよび
SFQRmaxを測定し、外観検査を行った。SFQR
の測定は、ADE社製フラットネス測定器を用い、サイ
トの大きさを20mm×20mmのエリアで評価した。
結果を表7に示す。
【0114】
【表7】
【0115】上記の結果から判るように、実施例2では
研磨代4μm以下の研磨で、高平坦度および外観異常
(研削条痕やピット)のないウエーハが製造できた。こ
れはエッチング、特にアルカリエッチングの前に平面研
削を実施し、さらにエッチング工程でアルカリエッチン
グの後に、リン酸を含む混酸の酸エッチングしたことに
より達成することができた。
【0116】(比較例2)実施例2と同様に、直径20
0mmのラップウエーハ(ラップ砥粒番手:#120
0)を使用して次にエッチング処理を行った。エッチン
グは、アルカリエッチングおよびフッ酸、硝酸、酢酸系
の混酸を用いた酸エッチングの2段で行った。
【0117】アルカリエッチングは、エッチング代目標
を両面で20μmとし、上記ウエーハを濃度50重量%
のNaOH水溶液に85℃で450秒間浸漬しエッチン
グを行った。次に親水化処理として0.3%の過酸化水
素水に浸漬した後、50重量%フッ酸:70重量%硝
酸:100重量%酢酸=1:2:1(容量比)からなる
混酸でエッチング代目標を両面で10μmとして液温2
5℃で酸エッチングを行った。
【0118】エッチングを終了したものについては、平
坦度(TTV)、表面粗さ(Ra)、うねり、外観検査
(およびピット深さ)、光沢度を測定した。その結果を
表6に併記した。
【0119】次に、上記エッチング終了後のウエーハ
を、鏡面研磨した。研磨代は目標4μmとした。研磨条
件は、実施例2と同様である。研磨したウエーハについ
て、TTVおよびSFQRmaxを測定し、外観検査を
行った。結果を表7に併記した。上記の結果から判るよ
うに、比較例2では研磨代4μmでは、ピットが存在し
ていた(表7:比較例2−a)。
【0120】さらに研磨を続け、ピットが消えるまで研
磨を行った(表7:比較例2−b)。その結果表面側全
体で約10μm研磨することでピットは消えたが、平坦
度が若干悪くなってしまった。
【0121】(実施例3)図2に示すような工程で鏡面
ウエーハを製造した。直径200mm、抵抗率0.02
Ω・cmの単結晶棒(インゴット)をワイヤーソーによ
りスライスし、1次面取りを行なった後、ラップスラリ
ー(ラップ砥粒番手#1200)を使用し、両面で40
μmラッピングした。次にラップスラリーのラップ砥粒
番手#1500に切り替え、更に両面で20μmラッピ
ングを行なった。
【0122】次に平面研削を行なった。平面研削はイン
フィード型の片面研削装置を用い、表面を#4000の
砥石を用い片面10μm研削した。平面研削の条件は、
スピンドル回転数5500rpm、ウエーハ回転数:7
rpm、砥石送り速度0.2μm/secで行なった。
その後2次面取りを行なった。
【0123】この段階で、従来はラッピング時には、ラ
ップ砥粒の影響により、局所的なダメージ(ピット)が
形成されていたが、平面研削ではこの局所的な機械的加
工歪みも少なく加工できた。この平面研削後のウエーハ
の平坦度(TTV)はおよそ0.6μmであった。
【0124】次に、エッチング工程として、初めにアル
カリエッチングは、エッチング代目標を両面で15μm
とし、上記ウエーハを濃度50重量%のNaOH水溶液
に85℃で浸漬しエッチングを行った。次に親水化処理
として0.3%の過酸化水素水に浸漬した後、50重量
%フッ酸:70重量%硝酸:85重量%リン酸=1:
3:2(容量比)からなる混酸でエッチング代目標を両
面で5μmとして液温25℃で酸エッチングを行った。
【0125】次にウエーハ裏面を研磨した。研磨条件
は、研磨装置:枚葉式研磨装置、研磨布:不織布タイプ
研磨布、研磨剤:コロイダルシリカ研磨剤(pH=1
0.5)を用いて研磨した。研磨代は0.1μmで行な
った。なお、この研磨代は光沢度によっては0.05〜
0.3μm程度とすることもできる。
【0126】次に、ウエーハ外周部の面取り部分を鏡面
研磨した。このような工程を終了したウエーハの表面を
鏡面研磨した。研磨は複数段(一次研磨、2次研磨、仕
上げ研磨の3段)で行なった。表面側全体の研磨代は目
標3μmとした。主な研磨条件は、研磨装置:枚葉式研
磨装置、研磨布:不織布タイプ研磨布、研磨剤:コロイ
ダルシリカ研磨剤(pH=10.5)を用いて研磨し
た。
【0127】研磨したウエーハについて、TTVおよび
SFQRmax、裏面光沢度、外観検査及びナノトポグ
ラフィの確認を行った。
【0128】TTV及びSFQRの測定は、ADE社製
フラットネス測定器(U/G9500、U/S960
0)を用いた。SFQRの測定は、ADE社製フラット
ネス測定器を用い、サイトの大きさを20mm×20m
mのエリアで評価した。
【0129】外観検査については、ピットの有無を顕微
鏡で観察した。ピットが観察された場合、ピット深さを
確認した。ピット深さは光学顕微鏡の焦点深度により求
めた。またウエーハ裏面について目視によりステイン等
の発生を確認した。
【0130】光沢度は、JIS Z 8741(鏡面光沢度測定方
法)を参考にし、同規格で指定の鏡面光沢度計(グロス
メーターSD)を使用、同法に準じた方法により測定し
た。
【0131】ナノトポグラフィー(ナノトポロジーとも
言われる)は、波長が0.1mmから20mm程度で振
幅が数nmから100nm程度の凹凸のことであり、そ
の評価法としては1辺が0.1mmから10mm程度の
正方形、または直径が0.1mmから10mm程度の円
形のブロック範囲(この範囲はWINDOW SIZE等と呼ばれ
る)の領域で、ウエーハ表面の凹凸の高低差(P-V値;p
eak to valley)を評価する。このP-V値はNanotopograp
hy Height等とも呼ばれる。ナノトポグラフィーとして
は、特に評価したウエーハ面内に存在する凹凸の最大値
が小さいことが望まれている。本実施例では10mmの
正方形で複数のブロック範囲を評価し、そのPV値の最
大値で評価した。結果を表8に示す。
【0132】
【表8】
【0133】上記の結果から分かるように、実施例3で
は研磨代4μm以下の研磨で、高平坦度であり外観異常
(研削条痕やピット及び裏面のブルーステイン)のない
ウエーハが製造できた。特にナノトポグラフィーレベル
の微小な凹凸も改善され、好ましい事がわかる。
【0134】これはエッチング、特にアルカリエッチン
グの前に平面研削を実施し、さらにエッチング工程でア
ルカリエッチングの後に、リン酸を含む混酸のエッチン
グをしたこと、及び裏面を研磨したことにより達成する
ことができたものである。またウエーハ裏面の状態もス
テイン等は見られず、光沢度も適当な値に制御され良好
であった。
【0135】(比較例3)図3に示すような工程で鏡面
ウエーハを製造した。実施例3と同様に、直径200m
m、抵抗率0.02Ω・cmの単結晶棒(インゴット)
をワイヤーソーによりスライスし、1次面取りを行なっ
た後、ラップスラリー(ラップ砥粒番手#1200)を
使用し、両面で40μmラッピングした。次にラップス
ラリーのラップ砥粒番手#1500に切り替え、更に両
面で20μmラッピングを行なった。
【0136】次にエッチング処理を行った。エッチング
は、アルカリエッチングおよびフッ酸、硝酸、酢酸系の
混酸を用いた酸エッチングの2段で行った。アルカリエ
ッチングは、エッチング代目標を両面で20μmとし、
上記ウエーハを濃度50重量%のNaOH水溶液に85
℃で450秒間浸漬しエッチングを行った。次に親水化
処理として0.3%の過酸化水素水に浸漬した後、50
重量%フッ酸:70重量%硝酸:100重量%酢酸=
1:2:1(容量比)からなる混酸でエッチング代目標
を両面で10μmとして液温25℃で酸エッチングを行
った。
【0137】このような工程を終了したウエーハの表面
を実施例3と同様に鏡面研磨した。研磨は複数段(一次
研磨、2次研磨、仕上げ研磨の3段)で行なった。全体
の研磨代は目標3μmとした。主な研磨条件は、研磨装
置:枚葉式研磨装置、研磨布:不織布タイプ研磨布、研
磨剤:コロイダルシリカ研磨剤(pH=10.5)を用
いて研磨した。
【0138】研磨したウエーハについて、実施例3と同
様にTTVおよびSFQRmax、裏面光沢度、外観検
査及びナノトポグラフィの確認を行った。結果を表8に
併記した。上記の結果から分かるように、TTV、SF
QRmaxおよびナノトポグラフィーとも実施例3より
も劣った値となっている。また、抵抗率の小さいこのウ
エーハではステインが見られた。
【0139】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0140】例えば、上記実施例より平坦度の高いラッ
プウエーハを用い、エッチングすれば、上記実施例の平
坦度より良いものが製造できる。つまり本発明でエッチ
ングによる平坦度の悪化は少なくできるものの、TTV
の絶対値はラップウエーハの品質にも影響されるもので
ある。
【0141】また、ピット深さについても、ラップ時に
使用されるラップ砥粒の番手にも若干影響される。通
常、ラッピング工程では#1200程度のラップ砥粒が
用いられるが、#1500のラップ砥粒の使用により、
さらにピット深さは改善できる。
【0142】また、本実施例では、高平坦度なウエーハ
が得られる条件として、アルカリエッチングで両面で約
20μm、酸エッチングで両面で約10μmのエッチン
グ代でエッチングすることを例示したが、エッチング代
はこれに限らず、ラッピング後のウエーハの状態等によ
り、アルカリエッチングの割合をもっと低くしてもよい
し、全体的なエッチング代を少なくすることも可能であ
る。要望されるウエーハ品質に応じ、アルカリエッチン
グおよび酸エッチングの割合を調節することで、高平坦
度でありピット深さの浅いウエーハが製造できる。
【0143】さらに例えば本実施例では、主に片面のみ
を高度に鏡面化したウエーハの製造について述べたが、
本発明はこれに限らず、両面を高度に鏡面化したウエー
ハの製造にも適応できる。アルカリエッチング、リン酸
含有酸エッチングにより得られたCWは、表裏両面とも
ピット深さは改善されているため、両面を研磨する場合
にも研磨代は少なくすることができ、片面と同じく高平
坦度を有するウエーハに加工することができる。
【0144】特に、図1(a)に示すようなラッピング
工程を省略した工程で行うのが好ましく、平面研削工程
で両頭研削装置を用い両面を研削すればよい。その後ア
ルカリエッチング、リン酸含有酸エッチングしたウェー
ハは、表裏両面ともピット深さは改善されているため、
両面を研磨する場合にも研磨代は少なくすることがで
き、片面と同じく高平坦度を有するウエーハに加工する
ことができる。
【0145】また例えば、上記実施形態においては、直
径200mm(8インチ)のシリコンウエーハを製造す
る場合につき例を挙げて説明したが、本発明はこれには
限定されず、直径4〜16インチあるいはそれ以上のシ
リコン単結晶にも適用できる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルカリエッチング後にリン酸系混酸を用いることで、
リン酸添加による高粘度化効果により、アルカリエッチ
面特有の深いピット部分のエッチングが抑制され、平滑
な面が得られ、鏡面研磨代を削減でき、研磨工程の生産
性が向上する。またうねりが改善され、鏡面研磨後の平
坦度が大幅に向上する。さらに鏡面研磨での取り代を減
少できるので、研磨工程での平坦度の劣化も抑えられ高
平坦度のウエーハを容易に製造することができる。
【0147】さらにウエーハの平坦度を維持しつつ、機
械的加工歪み層を除去し、表面粗さを改善し、特に発生
するピットの深さをより浅くし、滑らかな凹凸形状の化
学エッチングウエーハを作製し、鏡面研磨工程における
研磨代を表面全体で4μm位まで減少させた半導体ウエ
ーハの製造方法と加工された半導体ウエーハを提供する
ことができる。従って鏡面研磨の生産性とウエーハ平坦
度の向上が可能となり、鏡面研磨工程のコストダウンと
品質の向上を図ることができる。またウエーハ裏面の光
沢度やブルーステインとよばれる表面の汚れを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶棒から半導体鏡面ウエーハを加工して製
造する工程を示したフロー図である。 (a)本発明の製造工程の例を示したフロー図である。 (b)本発明の別の製造工程を示したフロー図である。
【図2】本発明の裏面研磨工程を有する半導体ウエーハ
の加工方法を示したフロー図である。
【図3】従来の製造工程の例を示したフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 正彦 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電子 工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 嘉則 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電子 工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 雅仁 長野県更埴市大字屋代1393番地 長野電子 工業株式会社内 (72)発明者 高久 敏明 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地 信越半導体株式会社半導体白河 研究所内 (72)発明者 加藤 忠弘 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地 信越半導体株式会社半導体白河 研究所内 Fターム(参考) 5F043 AA02 BB02 FF07 GG10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶棒をスライスして得た半導体ウエ
    ーハに、少なくとも面取り工程、ラッピング工程、エッ
    チング工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエーハの加工
    方法において、前記エッチング工程をアルカリエッチン
    グの後、酸エッチングを行うものとし、その際、酸エッ
    チングをフッ酸、硝酸、リン酸、水からなる酸エッチン
    グ液で行うことを特徴とする半導体ウエーハの加工方
    法。
  2. 【請求項2】 単結晶棒をスライスして得た半導体ウエ
    ーハに、少なくとも面取り工程、平面研削工程、エッチ
    ング工程、鏡面研磨工程を施す半導体ウエーハの加工方
    法であって、前記平面研削工程はエッチング工程より前
    に行われ、前記エッチング工程はアルカリエッチングの
    後、酸エッチングを行うものとし、その際、酸エッチン
    グをフッ酸、硝酸、リン酸、水からなる酸エッチング液
    で行なうことを特徴とする半導体ウエーハの加工方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体ウエーハの加工方法におい
    て、さらにラッピング工程を加え、ラッピング工程、平
    面研削工程、エッチング工程の順序で加工を行うことを
    特徴とする請求項2に記載の半導体ウエーハの加工方
    法。
  4. 【請求項4】 単結晶棒をスライスして得た半導体ウエ
    ーハに、少なくとも平坦化工程、エッチング工程、鏡面
    研磨工程を施す半導体ウエーハの加工方法において、前
    記平坦化工程をエッチング工程より前段とし、前記エッ
    チング工程はアルカリエッチングの後、酸エッチングを
    行うものとし、その際、酸エッチングをフッ酸、硝酸、
    リン酸、水からなる酸エッチング液で行ない、前記鏡面
    研磨工程は前記酸エッチング後、裏面研磨工程を行な
    い、その後表面研磨工程を行うことを特徴とする半導体
    ウエーハの加工方法。
  5. 【請求項5】 前記平坦化工程はラッピング工程および
    /または平面研削工程であることを特徴とする請求項4
    に記載の半導体ウエーハの加工方法
  6. 【請求項6】 前記裏面研磨工程は、光沢度が35〜5
    0%の光沢度になるように研磨することを特徴とする請
    求項4または請求項5に記載の半導体ウエーハの加工方
    法。
  7. 【請求項7】 前記平面研削工程によりウエーハ外周部
    の厚さが厚くなるように研削することを特徴とする請求
    項2、請求項3、請求項5及び請求項6に記載した半導
    体ウエーハの加工方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチング工程での全体でのエッチ
    ング代を両面で30μm以下とすることを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の半導体ウ
    エーハの加工方法。
  9. 【請求項9】 前記鏡面研磨工程における研磨代を7μ
    m以下とすることを特徴とする請求項1ないし請求項8
    のいずれか1項に記載した半導体ウエーハの加工方法。
  10. 【請求項10】 前記酸エッチング液の調合時の組成比
    は、フッ酸濃度が5〜15重量%、リン酸濃度が10〜
    40重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項9のいずれか1項に記載した半導体ウエーハの加工方
    法。
  11. 【請求項11】 前記酸エッチング液がシリコンを濃度
    10g/L以上溶解したものであることを特徴とする請
    求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載した半導
    体ウエーハの加工方法。
  12. 【請求項12】 前記酸エッチング液の使用時の組成比
    は、フッ酸濃度が1〜7重量%、リン酸濃度が18〜3
    3重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    11のいずれか1項に記載した半導体ウエーハの加工方
    法。
  13. 【請求項13】 前記アルカリエッチングのアルカリエ
    ッチング液がNaOH水溶液またはKOH水溶液である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか
    1項に記載した半導体ウエーハの加工方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項に記載した方法によって加工されたことを特徴とす
    る半導体ウエーハ。
  15. 【請求項15】 化学エッチングされた半導体ウエーハ
    であって、ピット深さの最大値が4μm以下、うねりが
    0.05μm以下、光沢度が20〜70%であることを
    特徴とする半導体ウエーハ。
  16. 【請求項16】 表面が鏡面研磨された半導体ウエーハ
    であって、SFQRmaxが0.1μm以下でかつ、鏡
    面研磨された他方の面がピット深さの最大値が4μm以
    下、うねりが0.05μm以下、光沢度が20〜70%
    であることを特徴とする半導体ウエーハ。
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