JP2002203586A - 燃料電池用熱交換器 - Google Patents

燃料電池用熱交換器

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JP2002203586A
JP2002203586A JP2000400610A JP2000400610A JP2002203586A JP 2002203586 A JP2002203586 A JP 2002203586A JP 2000400610 A JP2000400610 A JP 2000400610A JP 2000400610 A JP2000400610 A JP 2000400610A JP 2002203586 A JP2002203586 A JP 2002203586A
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divide
spacers
heat exchanger
brazing
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JP2000400610A
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Eishin Kameda
英信 亀田
Hitoshi Takenaka
等 竹中
Hiroyuki Yoshida
宏行 吉田
Yuichi Kaitani
雄一 回谷
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型且つ軽量で、優れた熱交換性能を有する
構造を実現する。 【解決手段】 互いに間隔をあけて配置した第一、第二
両ディバイドプレート22、25同士の間に、被加熱流
路29、29と加熱流路30、30とを設ける。このう
ちの被加熱流路29、29は、1対の第一スペーサ2
3、23同士の間に第一インナーフィン24を配置して
成る。又、上記各加熱流路30、30は、1対の第二ス
ペーサ26、26同士の間に第二インナーフィン27を
配置して成る。各部材22〜27同士をろう付けする為
のろう材の分布を適正にして、ろう付け性の確保と、ろ
う材の存在による不都合の発生防止とを両立させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の燃料電池用熱交換器
は、燃料電池を構成する燃料改質装置に組み込んで、水
素ガス(H2 )を得るべく、例えばメタノール(CH3
OH)と水(H2O)との混合液を加熱し蒸発させる為
の蒸発器として利用する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池の発電原理に就いて、図13に
より簡単に説明する。この図13は、燃料電池の単位と
なるセル1を1個のみ示している。このセル1の中間部
は、燐酸等の電解質2を水素極3と空気極(酸素極)4
とでサンドイッチ状に挟んで成る薄膜5により仕切って
いる。この薄膜5は、水素イオン(H+ )のみを透過さ
せる性質を有する。又、上記水素極3側の第一反応室6
には水素ガス(H2 )を、水素供給口7から送り込み、
水素還流口8から未反応の水素ガスを含むガスを排出自
在としている。又、上記空気極4側の第二反応室9には
酸素(O2 )を含む空気を、酸素供給口10から送り込
み、排気口11から排出自在としている。
【0003】発電を行なう際には、上記水素供給口7か
ら上記第一反応室6内に水素ガスを、上記酸素供給口1
0から第二反応室9内に酸素を含む空気を、それぞれ供
給する。この結果、上記第一反応室6に面した上記水素
極3部分で、 H2 →2H+ +2e- の反応が起こり、その結果生じた水素イオンが、上記薄
膜5を透過して上記第二反応室9内に進入する。そし
て、この第二反応室9に面した上記空気極4部分で、 2H+ +O2 /2+2e- →H2 O の反応が起こる。この結果、上記水素極3と上記空気極
4との間に電位差が生じる。1個のセル1毎に生じる電
位差は、1V程度しかない為、図13に示した様なセル
1を直列に必要数重ね合わせて燃料電池スタック12
(後述する図14参照)を構成し、必要とする電圧を確
保する。又、この燃料電池スタック12により得られる
電流は直流である為、交流を必要とする場合には、イン
バータにより変換する。
【0004】上述の様な原理で上記セル1に発電させる
為には、上記第一反応室6に水素ガスを送り込む必要が
ある。この水素ガスは、水素吸蔵合金等のタンクから直
接取り出したり、水素ガス以外のメタノール(CH3
H)等の燃料を改質して発生させる。例えば、メタノー
ルを燃料として水素ガスを発生させる場合、改質装置
で、 CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 なる反応をさせれば、必要とする水素ガスを得られる。
【0005】図14は、この様な反応によりメタノール
を改質して水素ガスを発生させ、この水素ガスを燃料電
池スタック12に送り込む迄の回路を示している。メタ
ノールを改質して水素ガスを発生させる場合には、先
ず、第一の熱交換器13で、水とメタノールとの混合液
体の温度を所定値迄上昇させる。この第一の熱交換器1
3では、それぞれ後述する第二〜第四の熱交換器14〜
16を通過する事により高温になった冷却液(100%
エチレングリコール)と、やはり後述する第五の熱交換
器17を通過する事により高温になった冷却水(クーラ
ント)と、上記混合液体とを、互いに非接触で熱交換さ
せる。この混合液体は、上記第一の熱交換器13に送り
込まれる直前の状態で、上記冷却液及びクーラントより
も低温である。この為、上記混合液体は、この第一の熱
交換器13で熱交換が行なわれて、温度が上記所定値迄
上昇する。
【0006】次に、温度が上記所定値迄上昇した上記混
合液体は、本発明の対象となる熱交換器である、蒸発器
18に送り込まれる。そして、上記混合液体は、この蒸
発器18内で、約500℃の加熱ガスとの間で熱交換を
行なう。この結果、この混合液体は、上記蒸発器18内
で蒸発して、約160℃の混合ガスとなる。尚、上記蒸
発器18に送り込まれる加熱ガスは、燃焼器19で、前
記燃料電池スタック12で消費されなかった余剰な水素
ガスと空気とを反応させる事により得られた、高温のガ
スを使用する。
【0007】そして、水蒸気とメタノールとの混合ガス
は、続いて、酸素(O2 )を含む空気と共に、改質装置
20に送り込まれる。そして、この改質装置20内で、
上記混合ガスと酸素とが反応する事で、水素ガスが発生
する。但し、この様に水素ガスが発生する過程では、微
量な一酸化炭素も発生する。そこで、これら水素ガス及
び一酸化炭素を含むガスと、酸素を含む空気とを、触媒
付の第三、第四の熱交換器15、16で反応させる事に
より、上記ガスから上記一酸化炭素を除去する(一酸化
炭素を酸化させる)。
【0008】尚、上記改質装置19から取り出された直
後のガスは、約250℃の高温になる為、このガスをそ
のまま上記各第三、第四の熱交換器15、16に送り込
んだのでは、これら各第三、第四の熱交換器15、16
に設けた触媒の反応が十分に行なわれず、上記ガス中か
ら上記一酸化炭素を除去する反応が十分に行なわれない
可能性がある。そこで、上記ガスを上記各第三、第四の
熱交換器15、16に送り込む前に、予め第二の熱交換
器14に送り込んで、この第二の熱交換器14で、上記
触媒が反応し易い所定温度迄低下させる。そして、この
様にして所定温度に迄低下させたガスを、酸素を含む空
気と共に上記第三、第四の熱交換器15、16に、順に
送り込んで、上記ガス中から上記一酸化炭素を除去する
反応を起こさせる。この様にして一酸化炭素を十分に除
去されたガスは、第五の熱交換器17で約85℃に温度
を低下させられた後、燃料電池スタック12の第一反応
室6(図13参照)に送り込まれて、発電に利用され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の様な
燃料電池に組み込み、メタノールと水との混合液体を加
熱して蒸発させる蒸発器18として機能する熱交換器の
改良に関する。特に本発明は、小型且つ軽量に構成で
き、しかも優れた性能を有する熱交換器を実現するもの
である。上記蒸発器18は、従来から自動車用に使用さ
れていた各種熱交換器に比べて使用温度が高く、アルミ
ニウム合金により構成する事が難しく、現状ではステン
レス鋼製としなければならない。アルミニウム合金に比
べて比重が大きなステンレス鋼により熱交換器を造る場
合、構造を工夫して小型にしないと、重量が相当に嵩
み、上記燃料電池を組み込んだ電気自動車等の性能を悪
化させてしまう。本発明は、この様な事情に鑑みて、燃
料電池用熱交換器の性能を確保しつつその小型化を図る
べく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池用熱交
換器は、複数の単位ユニットを重ね合わせる事により構
成している。これら各単位ユニットは、それぞれ第一デ
ィバイドプレートと、1対の第一スペーサと、第一イン
ナーフィンと、第二ディバイドプレートと、1対の第二
スペーサと、第二インナーフィンとにより構成される。
このうちの第一ディバイドプレートは、ステンレス鋼板
製で四角形である。又、上記1対の第一スペーサは、こ
の第一ディバイドプレートの片面の幅方向若しくは長さ
方向に関する反対側2個所位置に、それぞれの片面を突
き合わせた状態で重ね合わされたもので、それぞれがス
テンレス鋼製である。又、上記第一インナーフィンは、
上記両第一スペーサ同士の間で、上記第一ディバイドプ
レートの片面にその片面を当接させた状態で重ね合わさ
れたもので、ステンレス鋼板製である。又、上記第二デ
ィバイドプレートは、上記第一インナーフィン及び上記
各第一スペーサの他面にその片面を当接若しくは突き合
わせた状態で、これら第一インナーフィン及び上記各第
一スペーサと重ね合わされたもので、ステンレス鋼板製
で四角形である。又、上記1対の第二スペーサは、上記
第二ディバイドプレートの他面の幅方向若しくは長さ方
向に関して、上記各第一スペーサを設けた方向と直角方
向に関する反対側2個所位置に、それぞれの片面を突き
合わせた状態で重ね合わされたもので、それぞれがステ
ンレス鋼製である。更に、上記第二インナーフィンは、
上記両第二スペーサ同士の間で、上記第二ディバイドプ
レートの片面にその片面を当接させた状態で重ね合わさ
れたもので、ステンレス鋼板製である。本発明の燃料電
池用熱交換器は、それぞれが上述の様な構成を有する単
位ユニットを複数重ね合わせると共に、当接する部材同
士をろう付けにより接合固定して成る。そして、隣り合
う第一、第二両ディバイドプレート同士の間に存在する
空間のうち、上記第一インナーフィンを設けた空間を、
被加熱流体を流通させる為の被加熱流路としている。
又、同じく上記第二インナーフィンを設けた空間を、加
熱流体を流通させる為の加熱流路としている。この加熱
流路の方向と上記被加熱流路の方向とは、互いに直角方
向である。
【0011】又、好ましくは、請求項2に記載した様
に、第一、第二両スペーサの厚さを0.3〜1.0mmと
する。これと同時に好ましくは、請求項3に記載した様
に、第一インナーフィンの自由状態での厚さを各第一ス
ペーサの厚さよりも0.01〜0.02mm厚くし、第二
インナーフィンの自由状態での厚さを各第二スペーサの
厚さよりも0.01〜0.02mm厚くする。又、好まし
くは、請求項4に記載した様に、ろう付けの為のろう材
を、第一、第二両ディバイドプレート及び第一、第二両
スペーサの両面に積層する。これと同時に好ましくは、
請求項5に記載した様に、第一、第二両ディバイドプレ
ートの両面に積層したろう材の厚さを0.01〜0.0
15mmとし、第一、第二両スペーサの両面に積層したろ
う材の厚さは、当該スペーサの面が当接するディバイド
プレート表面のろう材の厚さと合わせて0.035mm以
上となる様に規制する。これらの場合に於いて好ましく
は、請求項6に記載した様に、91重量%のNiと9重量
%のPとから成るろう材を使用する。これと同時に好ま
しくは、請求項7に記載した様に、1050℃で10分
間加熱する事によりろう付けを行なう。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明によれば、小型且つ
軽量で、しかもメタノールと水との混合液体等の被加熱
流体を、加熱ガス等の加熱流体により効率良く加熱でき
る燃料電池用熱交換器を実現できる。即ち、上記被加熱
流体と上記加熱流体とは、それぞれが薄肉のステンレス
鋼板により造られた第一、第二両ディバイドプレートを
介して熱交換する。しかも、上記両流体とこれら両ディ
バイドプレートとの間の熱交換は、第一、第二両インナ
ーフィンにより効率良く行なわれる。この為、上記被加
熱流体と上記加熱流体との熱交換が効率良く行なわれ
て、この被加熱流体を効果的に温度上昇させ、更に蒸発
させる事ができる。又、小型且つ軽量に構成できる為、
熱容量を小さくできて、暖気時間を短くし、停止状態か
ら蒸気供給開始までに要する時間を短くできる。しか
も、被加熱流体の流量が変化した場合でも、必要とする
量の蒸気を速やかに供給できる。
【0013】又、請求項2に記載した様に、第一、第二
両スペーサの厚さを0.3〜1.0mmとすれば、加熱流
路及び被加熱流路の厚さが小さくなる。この為、この加
熱流路を流れる加熱流体と上記第一、第二両ディバイド
プレートとの熱交換、並びに、上記被加熱流路を流れる
被加熱流体とこれら第一、第二両ディバイドプレートと
の熱交換を、何れも効率良く行なえる。この結果、十分
な熱交換性能を確保しつつ、全体の厚さを小さくし、小
型・軽量化をより有効に図れる。
【0014】この場合に於いて、請求項3に記載した様
に、第一インナーフィンの自由状態での厚さを各第一ス
ペーサの厚さよりも0.01〜0.02mm厚くし、第二
インナーフィンの自由状態での厚さを各第二スペーサの
厚さよりも0.01〜0.02mm厚くすれば、上記第
一、第二両インナーフィンと、上記第一、第二両ディバ
イドプレートとの接触状態を良好にできる。即ち、上記
第一、第二両インナーフィンの厚さを、上記第一、第二
両スペーサの厚さよりも僅かに大きくする事で、上記第
一、第二両ディバイドプレートの両端部を上記第一、第
二両スペーサに突き当てた状態で、上記第一、第二両イ
ンナーフィンが、上記第一、第二両ディバイドプレート
同士の間で僅かに圧縮される。この為、これら第一、第
二両ディバイドプレートと上記第一、第二両インナーフ
ィンとが十分に接触し、これら第一、第二両ディバイド
プレートと第一、第二両インナーフィンとの間の熱伝達
が良好に行なわれる様になって、熱交換性能の向上を図
れる。
【0015】又、請求項4に記載した様に、ろう付けの
為のろう材を、第一、第二両ディバイドプレート及び第
一、第二両スペーサの両面に積層すれば、これら第一、
第二両ディバイドプレートと第一、第二両スペーサとの
ろう付け性を確保しつつ、上記第一、第二両インナーフ
ィンが目詰まりする事を防止できる。即ち、上記第一、
第二両ディバイドプレートと上記第一、第二両スペーサ
との当接部は、前記加熱流路及び被加熱流路と外部とを
遮蔽する為に、隙間なく確実にろう付けする必要があ
る。従って、上記第一、第二両ディバイドプレートと上
記第一、第二両スペーサとの当接部には、十分なろう材
を介在させる必要がある。又、上記第一、第二両ディバ
イドプレートと上記第一、第二両インナーフィンとも、
隣接する両部材同士の間の熱伝達を良好に行なわせると
共に、上記加熱流路及び被加熱流路に必要な耐圧強度を
確保する為にろう付けする必要がある。
【0016】単に、上記各部をろう付けする事のみを考
えた場合には、上記第一、第二両ディバイドプレートの
両面に必要量のろう材を積層すれば良いが、その場合に
は、これら両ディバイドプレートと上記第一、第二両イ
ンナーフィンとの当接部に介在するろう材が過剰にな
り、これら両インナーフィンに設けられた微小な流路に
目詰まりを起こさせる。反対に、この様な目詰まりを起
こさない程度のろう材のみを上記第一、第二両ディバイ
ドプレートの両面に積層した場合には、これら両ディバ
イドプレートと上記第一、第二両スペーサとの当接部の
ろう付けが不確実になる。
【0017】これに対して、請求項4に記載した様に、
ろう付けの為のろう材を、第一、第二両ディバイドプレ
ート及び第一、第二両スペーサの両面に積層すれば、こ
れら第一、第二両ディバイドプレートと第一、第二両ス
ペーサとのろう付け性を確保しつつ、上記第一、第二両
インナーフィンが目詰まりする事を防止できる。即ち、
この様にすれば、上記第一、第二両ディバイドプレート
と上記第一、第二両スペーサとの当接部に必要量のろう
材を介在させると同時に、上記両ディバイドプレートと
上記第一、第二両インナーフィンとの当接部に過剰なろ
う材が介在するのを防止できる。この場合に好ましく
は、請求項5に記載した様に、第一、第二両ディバイド
プレートの両面に積層したろう材の厚さを0.01〜
0.015mmとし、第一、第二両スペーサの両面に積層
したろう材の厚さは、当該スペーサの面が当接するディ
バイドプレート表面のろう材の厚さと合わせて0.03
5mm以上となる様に規制する。又、これらの場合に於い
て好ましくは、請求項6に記載した様に、91重量%の
Ni(ニッケル)と9重量%のP(燐)とから成るろう材
を使用する。更に、この場合に好ましくは、請求項7に
記載した様に、1050℃で10分間加熱する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本発明の燃料電池用熱交換器であ
る蒸発器18aは、複数の単位ユニット21、21を重
ね合わせる事により構成している。尚、図1には、これ
ら単位ユニット21、21を3組のみ記載しているが、
実際の蒸発器18aを構成する場合には、より多くの単
位ユニット21、21を重ね合わせる。
【0019】これら各単位ユニット21、21は、それ
ぞれ1枚の第一ディバイドプレート22と、1対の第一
スペーサ23、23と、1枚の第一インナーフィン24
と、1枚の第二ディバイドプレート25と、1対の第二
スペーサ26、26と、1枚の第二インナーフィン27
とにより構成される。これら各部材22〜27は、総て
ステンレス鋼製であり、それぞれの厚さ方向に重ね合わ
せた状態で、互いの当接部を91重量%のNiと9重量%
のPとから成るろう材によりろう付け結合して成る。
【0020】このうちの第一ディバイドプレート22
は、厚さが0.1〜0.3mm程度のステンレス鋼板製
で、長方形である。又、上記1対の第一スペーサ23、
23は、厚さが0.5mm程度のステンレス鋼板により短
冊状に形成したもので、上記第一ディバイドプレート2
2の片面(図1の手前面、図4の下面)の長さ方向(図
1の左右方向)に関する反対側2個所位置に、それぞれ
の片面(図1の裏面)を突き合わせた状態で重ね合わせ
ている。
【0021】又、上記第一インナーフィン24は、厚さ
が0.05mm程度のステンレス鋼板を、一部に切目を形
成しつつ曲げ加工する事により、図2に詳示する様な形
状としている。この図2に示した様な、上記第一インナ
ーフィン24の形状は、従来から周知である為、簡単に
説明する。この第一インナーフィン24は、流体の流れ
方向(図1〜2の上下方向、図4の左右方向)に関する
形状を波形とすると共に、この波形の位相が1/4ピッ
チ分ずつずれた部分を、幅方向に関して交互に配置し
て、幅方向に隣り合う部分同士の境界部に多数の開口2
8、28を形成したものである。被加熱流体であるメタ
ノールと水との混合液(若しくは混合蒸気)は、上記各
開口28、28を通過しつつ蛇行して流れる。この様な
第一インナーフィン24は、上記両第一スペーサ23、
23同士の間で、上記第一ディバイドプレート22の片
面にその片面(図1〜2の裏面)を当接させた状態で重
ね合わせている。尚、上記第一インナーフィン24の自
由状態での厚さは、上記各第一スペーサ23、23の厚
さよりも0.01〜0.02mm厚い。
【0022】又、前記第二ディバイドプレート25は、
上記第一ディバイドプレート22と同厚且つ同形状のも
ので、厚さが0.1〜0.3mm程度のステンレス鋼板製
で、長方形である。この様な第二ディバイドプレート2
5は、上記第一インナーフィン24及び前記各第一スペ
ーサ23、23の他面(図1の手前面)にその片面(図
1の裏面、図4の上面)を当接若しくは突き合わせた状
態で、これら第一インナーフィン24及び上記各第一ス
ペーサ23、23と重ね合わされている。又、前記1対
の第二スペーサ26、26は、厚さが1.0mm程度のス
テンレス鋼板により短冊状に形成したもので、上記第二
ディバイドプレート25の片面(図1の手前面、図4の
下面)の幅方向(図1の上下方向)に関する反対側2個
所位置に、それぞれの片面(図1の裏面)を突き合わせ
た状態で重ね合わせている。
【0023】更に、前記第二インナーフィン27は、厚
さが0.05mm程度のステンレス鋼板を曲げ加工する事
により、図3に詳示する様な、単なる波形形状としてい
る。この図3に示した様な、上記第二インナーフィン2
7の形状も、従来から周知である。加熱流体である加熱
ガスは、この第二のインナーフィン27、27と上記第
一、第二両ディバイドプレート22、25との間に存在
する流路を直線状に流れる。尚、上記第二インナーフィ
ン27の自由状態での厚さは、上記各第二スペーサ2
6、26の厚さよりも0.01〜0.02mm厚い。
【0024】本発明の燃料電池用熱交換器は、それぞれ
が上述の様な構成を有する単位ユニット21、21を複
数重ね合わせると共に、当接する部材同士をろう付けに
より接合固定して成る。即ち、前記各第一スペーサ2
3、23の両面と上記第一、第二両ディバイドプレート
22、25の長さ方向両端部片面とをろう付けすると共
に、上記各第二スペーサ26、26の片面と上記第二デ
ィバイドプレート25の幅方向両端部片面とをろう付け
する。同時に、上記各第二スペーサ26、26の他面
と、隣り合う単位ユニット21の第一ディバイドプレー
ト22の他面幅方向両端部とをろう付けする。又、隣り
合う第一、第二ディバイドプレート22、25同士の間
に挟持した前記第一インナーフィン24及び上記第二イ
ンナーフィン27を、上記第一、第二ディバイドプレー
ト22、25にろう付けする。
【0025】そして、上記隣り合う第一、第二両ディバ
イドプレート22、25同士の間に存在する空間のう
ち、上記第一インナーフィン24を設けた空間を、前記
被加熱流体であるメタノールと水との混合液(若しくは
混合蒸気)を流通させる為の被加熱流路29、29とし
ている。又、同じく上記第二インナーフィン27を設け
た空間を、前記加熱流体である加熱ガスを流通させる為
の加熱流路30、30としている。これら各加熱流路3
0、30の方向(図1、3の左右方向、図4の表裏方
向)と上記各被加熱流路29、29の方向(図1〜2の
上下方向、図4の左右方向)とは、互いに直角方向であ
る。
【0026】尚、前記各単位ユニット21、21の構成
各部材22〜27同士、並びに隣り合う単位ユニット2
1、21同士をろう付けする為のろう材は、上記第一、
第二両ディバイドプレート22、25及び第一、第二両
スペーサ23、26の両面に積層する。即ち、これら第
一、第二両ディバイドプレート22、25の両面に厚さ
が0.01〜0.015mmのろう材の層を形成する。更
に、上記第一、第二両スペーサ22、25の両面にも、
厚さが0.020mm以上のろう材の層を形成している。
尚、これら両スペーサ22、25両面に設けるろう材の
層の厚さは、これら両スペーサ22、25の両面が当接
する、上記第一、第二両ディバイドプレート22、25
の表面のろう材の厚さと合わせて0.035mm以上とな
る様に規制する。言い換えれば、互いに当接する上記両
スペーサ22、25の両面と上記第一、第二両ディバイ
ドプレート22、25の両面との間に、合計厚さが0.
035mm以上のろう材の層が存在する様にする。尚、こ
のろう材としては、91重量%のNiと9重量%のPとか
ら成るものを使用し、1050℃で10分間加熱する事
によりろう付けを行なう。
【0027】尚、最も端(図1の右下端)に存在する単
位ユニット21には、第一ディバイドプレート22を重
ね合わせて、当該単位ユニット21の加熱流路30の片
側(図1の手前側)を仕切っている。又、複数組重ね合
わせた単位ユニット21、21の、重ね合わせ方向に関
して両端部には、それぞれサイドプレート31、31を
重ね合わせている。これら各サイドプレート31、31
は、上記第一、第二両ディバイドプレート22、25よ
りも厚肉で十分な剛性を有するステンレス鋼板により、
これら両ディバイドプレート22、25と同形状に形成
している。そして、上記両サイドプレート31、31の
幅方向両端部に、前記各被加熱流路29、29を流れる
被加熱流体を分配する為の分配タンクと、これら各被加
熱流路29、29を流れてきた被加熱流体を合流させる
為の合流タンク(何れも図示省略)とを設けている。
又、上記両サイドプレート31、31の長さ方向両端部
に、上記各加熱流路30、30を流れる被加熱流体を分
配する為の第二の分配タンクと、これら各加熱流路3
0、30を流れてきた被加熱流体を合流させる為の第二
の合流タンク(何れも図示省略)とを設けている。
【0028】上述の様に構成する本発明によれば、小型
且つ軽量で、しかもメタノールと水との混合液体等の被
加熱流体を、加熱ガス等の加熱流体により効率良く加熱
できる燃料電池用熱交換器を実現できる。即ち、上記被
加熱流体と上記加熱流体とは、それぞれ厚さが0.3mm
程度と、薄肉のステンレス鋼板により造られた第一、第
二両ディバイドプレート22、25を介して熱交換す
る。しかも、上記両流体とこれら両ディバイドプレート
22、25との間の熱交換は、前記第一、第二両インナ
ーフィン24、27により効率良く行なわれる。即ち、
これら両インナーフィン24、27は、前記各被加熱流
路29、29を流れる上記被加熱流体の流れ、並びに前
記各加熱流路30、30内を流れる上記加熱流体の流れ
を乱して、伝熱面に境界層が成長するのを抑えると共
に、伝熱面積を増大させる。この為、上記被加熱流体と
上記加熱流体との熱交換が効率良く行なわれて、この被
加熱流体を効果的に温度上昇させ、更に蒸発させる事が
できる。
【0029】又、上記各被加熱流路29、29の厚さ
は、前記各第一スペーサ23、23の厚さに見合う0.
5mm程度であり、上記各加熱流路30、30の厚さは、
前記各第二スペーサ26、26の厚さに見合う1.0mm
程度である。この様に、上記各被加熱流路29、29及
び上記各加熱流路30、30の厚さを小さく抑えている
為、これら各被加熱流路29、29内を流れる被加熱流
体と上記第一、第二両ディバイドプレート22、25と
の熱交換、並びに、上記各加熱流路30、30内を流れ
る加熱流体とこれら第一、第二両ディバイドプレート2
2、25との熱交換を、何れも効率良く行なえる。この
結果、十分な熱交換性能を確保しつつ、全体の厚さを小
さくし、小型・軽量化をより有効に図れる。
【0030】又、本例の場合には、前記各第一インナー
フィン24、24の自由状態での厚さを前記各第一スペ
ーサ23、23の厚さよりも0.01〜0.02mm厚く
し、前記各第二インナーフィン27、27の自由状態で
の厚さを前記各第二スペーサ26、26の厚さよりも
0.01〜0.02mm厚くしている。この為、構成各部
材22〜27をろう付けすべく、上記第一、第二両ディ
バイドプレート22、25の両端部を上記第一、第二両
スペーサ23、26に突き当てた状態で、上記第一、第
二両インナーフィン24、27が、上記第一、第二両デ
ィバイドプレート22、25同士の間で僅かに圧縮され
る。これら第一、第二両ディバイドプレート22、25
と上記第一、第二両インナーフィン24、27とは、こ
の状態で互いにろう付けされる。この為、これら第一、
第二両インナーフィン24、27と上記第一、第二両デ
ィバイドプレート22、25とが十分に接触して、これ
ら第一、第二両ディバイドプレート22、25と上記第
一、第二両インナーフィン24、27との間の熱伝達が
良好に行なわれる様になって、熱交換性能の向上を図れ
る。
【0031】又、本例の場合には、上記構成各部材22
〜27をろう付けする為のろう材を、上記第一、第二両
ディバイドプレート22、25及び上記第一、第二両ス
ペーサ23、26の両面に分けて積層している。この
為、上記第一、第二両ディバイドプレート22、25と
第一、第二両スペーサ23、26とのろう付け性を確保
しつつ、上記第一、第二両インナーフィン24、27が
目詰まりする事を防止できる。
【0032】即ち、互いに当接する上記第一、第二両ス
ペーサ22、25の両面と上記第一、第二両ディバイド
プレート22、25の両面との間に、合計厚さが0.0
35mm以上と、十分な厚さのろう材の層が存在する為、
上記各面同士の当接部を確実にろう付けできる。この
為、前記各被加熱流路29、29及び各加熱流路30、
30と外部とを確実に遮蔽して、これら各流路29、3
0内を流通する流体が外部に漏出する事を確実に防止で
きる。
【0033】又、上記第一、第二両ディバイドプレート
22、25の両面にも、厚さが0.01〜0.015mm
のろう材の層を形成している為、これら第一、第二両デ
ィバイドプレート22、25と上記第一、第二両インナ
ーフィン24、27とも、ろう付けにより接合される。
この為、隣接する第一、第二両ディバイドプレート2
2、25と上記第一、第二両インナーフィン24、27
との間の熱伝達を良好に行なわせると共に、上記各被加
熱流路29、29及び加熱流路30、30に必要な耐圧
強度を確保できる。
【0034】しかもこの場合に、隣接する第一、第二両
ディバイドプレート22、25と上記第一、第二両イン
ナーフィン24、27とのろう付けに供される、これら
両ディバイドプレート22、25の両面に形成されたろ
う材の層の厚さを0.01〜0.15mmに規制している
ので、ろう付け性を確保しつつ、過剰なろう材の存在に
基づく不都合の発生を防止できる。即ち、上記第一、第
二両ディバイドプレート22、25の表面に過剰なろう
材が積層されていると、ろう付けの為の加熱によって溶
けたろう材が上記第一、第二両インナーフィン24、2
7により上記各被加熱流路29、29及び加熱流路3
0、30内に存在する微細な流路内に、毛細管現象によ
り溜る。
【0035】特に、上記各被加熱流路29、29は、そ
れ自体の厚さが0.5mm程度と小さく、その内部に設け
た第一インナーフィン24の形状が細かい為、ろう材が
溜り易い。本発明者の行なった実験によると、第一、第
二両ディバイドプレート22、25の表面に形成したろ
う材の層の厚さが0.020mmを越えると、上記各被加
熱流路29、29内の微細流路をろう材が詰まらせ易く
なる事が確認された。上記各加熱流路30、30側に関
しては、ろう材の量がこれよりも多くても流路の詰まり
は発生しないが、上記第一、第二両ディバイドプレート
22、25の表裏両面に形成するろう材の層の厚さを異
ならせ、これら両ディバイドプレート22、25に組み
付け方向性を持たせる事は現実的ではない。従って、こ
れら両ディバイドプレート22、25の表裏両面に形成
するろう材の層の厚さは、0.020mm以下に抑える事
が、目詰まり防止の面から必要である。
【0036】但し、上記ろう材層の厚さを0.020mm
近くにまで厚くすると、上記第一、第二両インナーフィ
ン24、27の強度保持の面から問題を生じる。一方、
上記ろう材の層の厚さを小さくし過ぎると、ろう付け不
良となり、必要とする強度を確保する事が難しくなる。
この点に就いて、本発明者が行なった実験の結果を、図
5〜11を参照しつつ説明する。
【0037】先ず、上記各被加熱流路29、29内に設
ける第一インナーフィン24と第一、第二両ディバイド
プレート22、25とのろう付け部に関して、図5〜8
により説明する。先ず、両ディバイドプレート22、2
5の両面に形成されたろう材の層の厚さを0.005〜
0.015mmの範囲で0.005mm単位で変え、この厚
さがろう付け性に及ぼす影響を測定した。図5に示す様
に、上記第一インナーフィン24の一部で第一ディバイ
ドプレート22(又は第二ディバイドプレート25、以
下同じ)とろう付けされるべき部分の幅Wは、1.0mm
とした。この条件で、ろう材によりこの部分と第一ディ
バイドプレート22との間に形成されるフィレット32
の長さLと高さhとを求めた。この様な条件で行なった
実験の結果を、図6に示す。この図6で、実線は上記フ
ィレット32の長さLと上記ろう材の層の厚さとの関係
を、破線は同じく高さhと厚さとの関係を、それぞれ表
している。この様な実験の結果を表した図6から明らか
な通り、上記ろう材の層の厚さを0.010mm以上とす
れば、上記ろう付けされるべき部分のほぼ全長に亙って
ろう付けを行なえる。従って、上記ろう材の層の厚さ
は、0.010mm以上とする事が好ましい。
【0038】次に、上記ろう材の層の厚さが、上記第一
インナーフィン24の肉厚減少に及ぼす影響を知る為に
行なった実験の結果に就いて、図7〜8により説明す
る。尚、上記肉厚減少とは、上記ろう材を構成するNi
が、上記第一インナーフィン24を構成するステンレス
鋼と溶け合って、この第一インナーフィン24の一部
に、融点が低い新たな合金を造り出す結果、この一部が
溶出して、当該部分の肉厚が減少する現象で、通常エロ
ージョンと呼ばれる。この様な肉厚減少が過大になり、
上記第一インナーフィン24の肉厚が一部で過度に小さ
くなると、この第一インナーフィン24の強度が低下し
て、前記各被加熱流路29、29の耐圧強度が低下す
る。
【0039】上記肉厚減少の程度を知る為、図7に示す
様に、ろう付け後の第一インナーフィン24の母材(元
々のステンレス鋼)の厚さxを求め、この厚さxとこの
第一インナーフィン24の元々の厚さ(0.05mm)と
の差を、上記肉厚減少分として、図8に示した。尚、同
時に、上記ろう材が第一ディバイドプレート22から上
記第一インナーフィン24の何れの部分にまで達したか
を測定し、その高さHとろう材の層の厚さとの関係も求
めた。この様な条件で行なった実験の結果を、図8に示
す。この図8で、実線は上記ろう材が達した高さHと上
記ろう材の層の厚さとの関係を、破線は第一インナーフ
ィン24の肉厚減少量と上記厚さとの関係を、それぞれ
表している。この様な実験の結果を表した図8から明ら
かな通り、上記ろう材の層の厚さを0.015mm以上と
すると、上記肉厚減少量が、上記第一インナーフィン2
4の母材の厚さの半分を越える。従って、この第一イン
ナーフィン24の強度を確保する為には、上記ろう材の
層の厚さを0.015mm以下にする事が好ましい。
【0040】同様の実験を、第二インナーフィン27と
第一ディバイドプレート22とのろう付け部に就いても
行なった。先ず、図9に示す様に、上記第二インナーフ
ィン27と第一ディバイドプレート22とのろう付け部
に形成されるフィレット32aの長さL´及び高さh´
を測定し、これら長さL´及び高さh´とろう材の層の
厚さとの関係を、図10の様に求めた。実線と破線との
意味は、前述の図6と同様である。次に、図11に示す
様に、上記第二インナーフィン27と第一ディバイドプ
レート22とのろう付け部でのろう材到達高さH´を測
定すると共に、母材の厚さx´から肉厚減少分を求め、
これら高さH´及び肉厚減少分と上記ろう材の層の厚さ
との関係を、図12に示した。実線と破線との意味は、
前述の図8と同様である。これら図10、12からも、
ろう付け強度を確保する為には上記ろう材の層の厚さを
0.010mm以上とし、第二インナーフィン27の強度
を確保する為には0.015mm以下にする事が好ましい
事が分かる。
【0041】
【発明の効果】本発明の燃料電池用熱交換器は、以上に
述べた通り構成され作用し、熱交換性能を確保しつつそ
の小型・軽量化を図れる為、電気自動車等、燃料電池を
組み込んだ各種機械装置の高性能化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、要部分解斜
視図。
【図2】第一インナーフィンの形状を示す、図1のA部
拡大図。
【図3】第二インナーフィンの形状を示す、図1のB部
拡大図。
【図4】組み立てた状態を示す、部分拡大断面図。
【図5】何れかのディバイドプレートと第一インナーフ
ィンとのろう付け部を示す、図4のC部拡大図。
【図6】ディバイドプレートと第一インナーフィンとの
当接部に存在するろう材の厚さがフィレットの大きさに
及ぼす影響を示す線図。
【図7】図5のD部拡大図。
【図8】ディバイドプレートと第一インナーフィンとの
当接部に存在するろう材の厚さが第一インナーフィンの
肉厚減少に及ぼす影響を示す線図。
【図9】何れかのディバイドプレートと第二インナーフ
ィンとのろう付け部を示す、図4のE部拡大図。
【図10】ディバイドプレートと第二インナーフィンと
の当接部に存在するろう材の厚さがフィレットの大きさ
に及ぼす影響を示す線図。
【図11】図9のF部拡大図。
【図12】ディバイドプレートと第二インナーフィンと
の当接部に存在するろう材の厚さが第二インナーフィン
の肉厚減少に及ぼす影響を示す線図。
【図13】燃料電池の原理を示す略断面図。
【図14】燃料電池に水素ガスを供給する為の改質装置
の回路図。
【符号の説明】
1 セル 2 電解質 3 水素極 4 空気極 5 薄膜 6 第一反応室 7 水素供給口 8 水素還流口 9 第二反応室 10 酸素供給口 11 排気口 12 燃料電池スタック 13 第一の熱交換器 14 第二の熱交換器 15 第三の熱交換器 16 第四の熱交換器 17 第五の熱交換器 18、18a 蒸発器 19 燃焼器 20 改質装置 21 単位ユニット 22 第一ディバイドプレート 23 第一スペーサ 24 第一インナーフィン 25 第二ディバイドプレート 26 第二スペーサ 27 第二インナーフィン 28 開口 29 被加熱流路 30 加熱流路 31 サイドプレート 32、32a フィレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 19/03 C22C 19/03 G F28F 3/08 301 F28F 3/08 301A // B23K 101:14 B23K 101:14 (72)発明者 吉田 宏行 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニックカンセイ株式会社内 (72)発明者 回谷 雄一 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニックカンセイ株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EB03 EB46 4G140 EA02 EA06 EB03 EB46 5H027 AA02 BA01 BA09 BA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板製で四角形の第一ディバ
    イドプレートと、この第一ディバイドプレートの片面の
    幅方向若しくは長さ方向に関する反対側2個所位置にそ
    れぞれの片面を突き合わせた状態で重ね合わされた、そ
    れぞれがステンレス鋼製である1対の第一スペーサと、
    これら両第一スペーサ同士の間で上記第一ディバイドプ
    レートの片面にその片面を当接させた状態で重ね合わさ
    れたステンレス鋼板製の第一インナーフィンと、この第
    一インナーフィン及び上記各第一スペーサの他面にその
    片面を当接若しくは突き合わせた状態でこれら第一イン
    ナーフィン及び上記各第一スペーサと重ね合わされたス
    テンレス鋼板製で四角形の第二ディバイドプレートと、
    この第二ディバイドプレートの他面の幅方向若しくは長
    さ方向に関して、上記各第一スペーサを設けた方向と直
    角方向に関する反対側2個所位置にそれぞれの片面を突
    き合わせた状態で重ね合わされた、それぞれがステンレ
    ス鋼製である1対の第二スペーサと、これら両第二スペ
    ーサ同士の間で上記第二ディバイドプレートの片面にそ
    の片面を当接させた状態で重ね合わされたステンレス鋼
    板製の第二インナーフィンとにより単位ユニットを構成
    し、複数の単位ユニットを重ね合わせると共に、当接す
    る部材同士をろう付けにより接合固定し、隣り合う第
    一、第二両ディバイドプレート同士の間に存在する空間
    のうち、上記第一インナーフィンを設けた空間を被加熱
    流体を流通させる為の被加熱流路とし、同じく上記第二
    インナーフィンを設けた空間を加熱流体を流通させる為
    の加熱流路として成る燃料電池用熱交換器。
  2. 【請求項2】 第一、第二両スペーサの厚さが0.3〜
    1.0mmである、請求項1に記載した燃料電池用熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 第一インナーフィンの自由状態での厚さ
    を各第一スペーサの厚さよりも0.01〜0.02mm厚
    くし、第二インナーフィンの自由状態での厚さを各第二
    スペーサの厚さよりも0.01〜0.02mm厚くした、
    請求項2に記載した燃料電池用熱交換器。
  4. 【請求項4】 ろう付けの為のろう材を、第一、第二両
    ディバイドプレート及び第一、第二両スペーサの両面に
    積層している、請求項1〜3の何れかに記載した燃料電
    池用熱交換器。
  5. 【請求項5】 第一、第二両ディバイドプレートの両面
    に積層したろう材の厚さを0.01〜0.015mmと
    し、第一、第二両スペーサの両面に積層したろう材の厚
    さは、当該スペーサの面が当接するディバイドプレート
    表面のろう材の厚さと合わせて0.035mm以上となる
    様に規制した、請求項4に記載した燃料電池用熱交換
    器。
  6. 【請求項6】 ろう材は、91重量%のNiと9重量%の
    Pとから成るものである、請求項4〜5の何れかに記載
    した燃料電池用熱交換器。
  7. 【請求項7】 1050℃で10分間加熱する事により
    ろう付けを行なった、請求項6に記載した燃料電池用熱
    交換器。
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