JP2002202309A - 免疫学的検査方法 - Google Patents

免疫学的検査方法

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JP2002202309A
JP2002202309A JP2000401662A JP2000401662A JP2002202309A JP 2002202309 A JP2002202309 A JP 2002202309A JP 2000401662 A JP2000401662 A JP 2000401662A JP 2000401662 A JP2000401662 A JP 2000401662A JP 2002202309 A JP2002202309 A JP 2002202309A
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JP2000401662A
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English (en)
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Chieko Kitaura
千枝子 北浦
Koji Maruyama
幸治 丸山
Takeshi Saiga
健 雜賀
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】異なる被検物質を、同時に、高感度かつ特異的
に、迅速かつ簡便に検出することができる免疫学的検出
方法を提供する。 【解決手段】免疫クロマトグラフ法において、(A)吸
水性基材上に、1種の被検物質に対する第1特異的結合
物質の固定相が、被検物質数nに対してn種(nは、1
以上の整数)配置された試験片の一端から、被検液を展
開すること、(B)該試験片上に、被検物質に対する第
2特異的結合物質を展開すること、及び(C)該試験片
上に、第2特異的結合物質に対する第3特異的結合物質
を着色水分散型高分子粒子に固定化した標識複合体を展
開すること、を含み、被検液中に被検物質が存在する場
合、該固定相上で複合体が形成され、該固定相における
呈色が、該被検物質の存在の指標となる、被検物質の免
疫学的検査方法および免疫学的検査用キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物質の免疫学
的検査方法に関する。さらに詳しくは、異なる被検物質
を同時に検出することができる免疫学的検査方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、大腸菌O157やサルモネラ菌等
の病原性細菌による集団感染、あるいはダイオキシン等
の微量有害物質やホルモン等による環境汚染が問題とな
っている。これらの予知、予防を行なうため、高感度で
迅速かつ簡易である検出方法が求められている。かかる
目的のために様々な簡易検査キットや検査機器が開発さ
れている。なかでも、免疫化学的手法を用いた検出方法
(イムノアッセイ)では、比較的簡易な操作で被検物質
の迅速・高感度検出を行なうことが可能であり、特に免
疫クロマトグラフ法においては操作の簡易性という点に
おいては極めて優れている。
【0003】前記免疫クロマトグラフ法は、2種類の抗
体により被検物質をサンドイッチする手法を応用したも
のである。具体的には、まず、被検物質に特異的に結合
する第1特異的結合物質(例えば、抗体等)を固定化し
た固定相を有する吸水性基材上に被検液を展開する。被
検液中に被検物質が存在する場合、該被検物質が固定相
上の特異的結合物質によりトラップされ、複合体〔被検
物質−特異的結合物質〕が形成される。さらに、前記複
合体〔被検物質−特異的結合物質〕と、被検物質に特異
的に結合しうる第2特異的結合物質を有する標識複合体
とを反応させることにより、吸水性基材上で複合体〔固
定相上の特異的結合物質−被検物質−標識複合体〕を形
成させる。標識複合体における標識としては、例えば、
着色水分散型高分子粒子(例えば、着色ラテックス粒子
等)、金コロイド粒子、酵素等が使用され、前記着色水
分散型高分子粒子や金コロイド粒子の色、または酵素に
よって生成される色素の色が検出の指標となる。
【0004】前記免疫クロマトグラフ法においては、被
検物質の検出の際の操作としては、被検液および試薬を
吸水性基材上に展開させる操作のみである。したがっ
て、複数回の洗浄を必要とする酵素イムノアッセイ(E
IA)等に比べ、格段に簡便な方法である。
【0005】かかる免疫クロマトグラフ法によれば、高
感度・迅速性の特徴を生かし、それぞれの被検物質に対
する特異的結合物質(抗体等)とそれぞれの被検物質に
特異的な標識複合体とを用いて、複数の被検物質を同時
に検出することもできる。かかる手法により、例えば、
ビスフェノールA、ダイオキシン、DDT等の環境ホル
モンを下水や雨水等から、簡便な方法で同時検出でき
る。
【0006】さらに、刑務所等での薬物検査、病院にお
ける疾患マーカーの検出等、単一の検査システムで複数
の被検物質を検出する用途は今後もますます必要となる
のが現状である。
【0007】しかしながら、従来の免疫クロマトグラフ
法においては、被検物質により、それぞれ対応する特異
的結合物質(例えば、抗体等)を要するため、それに伴
い、吸水性基材や標識化条件に関して、それぞれ検討を
行なう必要があるという欠点を有する。また、これによ
り、同時に時間やコストを費やすことにもなるという欠
点を有する。
【0008】また、かかる標識について、特異的結合物
質に対し、様々な方法で標識化が行なわれる。特異的結
合物質の標識化の方法によっては、特異的結合物質(例
えば、抗体等)と被検物質との結合に影響を及ぼすこと
がある。例えば、着色ラテックス粒子と特異的結合物質
(例えば、抗体等)とを含有した標識複合体の場合、個
々の特異的結合物質(例えば、抗体等)の物理的性質お
よび化学的性質の違いが影響し、該標識複合体は、凝集
を起こす場合がある。かかる凝集が起こると、免疫クロ
マトグラフ法における標識複合体としての機能を果たす
ことができなくなるという欠点を有する。また、特異的
結合物質(例えば、抗体等)を酵素等により直接標識す
る場合、標識方法によっては、標識された特異的結合物
質(例えば、抗体等)の収量が極めて少なかったり、被
検物質に対する特異的結合能が低下する場合がある。
【0009】さらに、洗浄工程を省略したサンドイッチ
型免疫クロマトグラフ法の場合、標識複合体が被検物質
に特異的に結合するか否かが試験の信頼性を左右するた
め、標識複合体の適切な特異的結合能が重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、異なる被検
物質を、同時に、高感度かつ特異的に、迅速かつ簡便に
検出することができる免疫学的検出方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 〔1〕 免疫クロマトグラフ法において、(A)吸水性
基材上に、1種の被検物質に特異的に結合しうる第1特
異的結合物質を固定化した固定相が、被検物質数nに対
してn種(nは、1以上の整数を示す)配置された試験
片の一端から、被検液を展開するステップ、(B)該試
験片上に、被検物質に特異的に結合しうる第2特異的結
合物質を展開するステップ、および(C)該試験片上
に、第2特異的結合物質に特異的に結合しうる第3特異
的結合物質を着色水分散型高分子粒子に固定化した標識
複合体を展開するステップ、を含み、被検液中に被検物
質が存在する場合、該固定相上で複合体〔第1特異的結
合物質−被検物質−第2特異的結合物質−標識複合体〕
が形成され、該固定相における呈色が、該被検物質の存
在の指標となる、被検物質の免疫学的検査方法、ならび
に 〔2〕 下記(a)〜(c): (a)吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に結合
しうる第1特異的結合物質を固定化した固定相が、被検
物質数nに対してn種(nは、1以上の整数を示す)配
置されてなる試験片、(b)被検物質に特異的に結合し
うる特異的結合物質であって、第1特異的結合物質とは
異なる動物種由来の第2特異的結合物質、および(c)
第2特異的結合物質中の動物種特異的部分に特異的に結
合しうる第3特異的結合物質を固定化した着色水分散型
高分子粒子からなる標識複合体を含有してなる免疫学的
検査用キット、に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の免疫学的検出方法におい
ては、免疫クロマトグラフ法において、下記(a)〜
(c): (a)吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に結合
しうる第1特異的結合物質を固定化した固定相が、被検
物質数nに対してn種(nは、1以上の整数を示す)配
置されてなる試験片、(b)被検物質に特異的に結合し
うる特異的結合物質であって、第1特異的結合物質とは
異なる動物種由来の第2特異的結合物質、および(c)
第2特異的結合物質中の動物種特異的部分に特異的に結
合しうる第3特異的結合物質を固定化した着色水分散型
高分子粒子からなる標識複合体を用いることに1つの大
きな特徴がある。本発明の被検物質の免疫学的検査方法
においては、被検液等の被検試料中に被検物質が存在す
る場合、該被検物質を、〔第1特異的結合物質−被検物
質−第2特異的結合物質−標識複合体中の第3特異的結
合物質〕の複合体の形で検出する。
【0013】なお、前記nは、1以上の整数、好ましく
は、2以上の整数である。
【0014】本発明の免疫学的検出方法としては、具体
的には、免疫クロマトグラフ法において、(A)吸水性
基材上に、1種の被検物質に特異的に結合しうる第1特
異的結合物質を固定化した固定相が、被検物質数nに対
してn種(nは、1以上の整数を示す)配置された試験
片の一端から、被検液を展開するステップ、(B)該試
験片上に、被検物質に特異的に結合しうる第2特異的結
合物質を展開するステップ、および(C)該試験片上
に、第2特異的結合物質に特異的に結合しうる第3特異
的結合物質を着色水分散型高分子粒子に固定化した標識
複合体を展開するステップ、を含み、被検液中に被検物
質が存在する場合、該固定相上で複合体〔第1特異的結
合物質−被検物質−第2特異的結合物質−標識複合体〕
が形成され、該固定相における呈色が、該被検物質の存
在の指標となる方法が挙げられる。
【0015】本発明の被検物質の免疫学的検査方法によ
れば、固定相の第1特異的結合物質により、該固定相上
にトラップされた被検物質に対し、未標識の第2特異的
結合物質を反応させて、結合させる。したがって、第2
特異的結合物質の被検物質に対する特異的結合能を維持
させたまま、標識複合体を反応させ、結合させることが
できるという優れた効果を発揮する。
【0016】また、同一の吸水性基材上に、n種の被検
物質の検出に対して、n種の固定相を設け、各固定相に
は、お互い別の被検物質に対して結合する第1特異的結
合物質を用いた場合にも、n種の被検物質を1種の標識
複合体のみにより検出することができるという優れた効
果を発揮する。
【0017】本発明の免疫学的検出方法においては、ま
ず、(A)吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に
結合しうる第1特異的結合物質を固定化した固定相が、
被検物質数nに対してn種(nは、1以上の整数を示
す)配置された試験片の一端から、被検液を展開する
〔以下、ステップ(A)という〕。
【0018】本発明において、第1特異的結合物質、第
2特異的結合物質および第3特異的結合物質として用い
られる物質は、前記第1特異的結合物質と第2特異的結
合物質とが、互いに異なる動物種由来の特異的結合物質
であり、かつ第3特異的結合物質が、第2特異的結合物
質に特異的に結合しうる特異的結合物質であればよい。
かかる特異的結合物質としては、例えば、抗原、ハプテ
ン、抗体、エフェクター、レセプター、酵素、酵素補助
因子、酵素阻害剤等が挙げられる。
【0019】具体的には、n種(nは、1以上の整数を
示す)の固定相が配置されている場合、n種の被検物質
にそれぞれ特異的に結合しうるn種の第2特異的結合物
質を用い、ここで、n種の第2特異的結合物質は、互い
に同一動物種由来の抗体であることが好ましい。
【0020】より具体的には、第1特異的結合物質と第
2特異的結合物質とが被検物質に対する抗体であり、か
つ第3特異的結合物質により特異的に結合される第2特
異的結合物質中の動物種特異的部分が、抗体の定常領域
であることが望ましい。例えば、被検物質に特異的に結
合する第1特異的結合物質としては、イムノグロブリン
G(IgG)が挙げられ、マウス以外の動物種を由来と
するポリクローナル抗体であることが望ましい。ポリク
ローナル抗体は、被検物質上の種々の構造と反応するた
め、被検物質との結合確率は高いと考えられる。この場
合、第2特異的結合物質として、被検物質に対する選択
的結合能の高いマウス細胞由来のモノクローナル抗体を
使用することが望ましく、これにより、被検物質を効率
的に検出することが可能となる。さらに、第2特異的結
合物質として、マウス由来モノクローナル抗体を使用す
る場合、標識複合体に用いられる第3特異的結合物質
は、それにより特異的に結合される第2特異的結合物質
中の部分が、動物種特異的部分(この場合、マウス特異
的部分)とすることにより、同一の吸水性基材上にn種
の固定相を有する場合でも、1種の標識複合体(抗マウ
スIgG抗体を標識したもの)のみにより複数の被検物
質を検出することが可能となる。
【0021】本明細書において、「被検物質」は、通常
の免疫化学的反応により検出可能な物質であればよく、
タンパク質、ウイルス抗原、細菌、微量有害物質、環境
ホルモン等が挙げられる。タンパク質としては、例え
ば、ヒトアルブミン、ヒトトランスフェリン、CRP
(C反応性タンパク質)等が挙げられる。ウイルス抗原
としては、例えば、B型肝炎ウイルスのHBs抗原、ロ
タウイルス抗原、アデノウイルス抗原等が挙げられる。
細菌としては、例えば、大腸菌O157、サルモネラ
菌、黄色ブドウ球菌等が挙げられる。微量有害物質とし
ては、例えば、水銀、砒素、カドミウム等が挙げられ
る。環境ホルモンとしては、ダイオキシン、DDT、ヘ
キサクロロベンゼン、ビスフェノールA等が挙げられ
る。かかる被検物質は、液体試料(被検液という)とし
て、本発明の免疫測定法に供することができる。かかる
被検液としては、前記被検物質を適当な溶媒(例えば、
緩衝液、生理的食塩水等)に溶解または希釈して得られ
た溶液あるいは該被検物質が含有する可能性のある溶液
が挙げられる。かかる被検液としては、例えば、食品か
ら抽出された溶液又はその培養上清、血清、血漿、血
液、尿、便、汗、唾液等、あるいはそれらを適当な希釈
溶媒 (例えば、緩衝液等) によって希釈した希釈液が挙
げられる。なお、希釈液に使用される緩衝液としては特
に限定されないが、ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液、Tr
is−HCl緩衝液等が挙げられる。かかる緩衝液のp
Hおよび濃度は、被検物質の性質等に応じて適宜選択さ
れうる。
【0022】試験片としては、前述のように、吸水性基
材上に、1種の被検物質に特異的に結合しうる第1特異
的結合物質を固定化した固定相が、被検物質数nに対し
てn種(nは、1以上の整数を示す)配置された試験片
が挙げられる。
【0023】前記吸水性性基材としては、被検液又は該
被検液を緩衝液によって希釈した希釈液を吸収できるも
のであればよい。
【0024】本発明においては、前記吸水性基材は、迅
速な測定が行なえ、かつ固定相での捕捉を十分に行なう
ことができる程度の吸水性を呈する吸水性基材であれば
よく、吸水性基材の吸水性の程度は、5mm幅の短冊状
に裁断した吸水性基材の片端部に水を浸漬し、1分間経
過後の吸水距離が0.5〜5cm程度のものが望まし
い。
【0025】好ましい具体例としては、適度な吸水速度
を有する観点から、例えば、ニトロセルロースフィルタ
ー、ガラス繊維濾紙、不織布、濾紙等が挙げられる。さ
らに本発明においては、吸水性基材として同一材料から
なる基材を用いてもよいし、あるいは異種の材料からな
る基材を任意の接着手段によって接合して得られた連続
した基材を用いることもできる。
【0026】また、これらの基材の吸水性を調整するた
めに、吸水性基材の表面に親水性重合体、タンパク質
(例えば、ウシ血清アルブミン、カゼイン等)、界面活
性剤(例えば、Tween 20等)を被覆することも
でき、基材に親水性重合体、タンパク質、界面活性剤を
含浸させることもできる。
【0027】親水性重合体としては、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シエチルセルロース等が挙げられる。
【0028】吸水性基材の形状は、前記被検液等の液体
を展開できる形状であればよく、例えば、矩形のシート
状やロッド状等が好ましい。
【0029】固定相の大きさは、〔第1特異的結合物質
−被検物質−第2特異的結合物質−標識複合体(第3特
異的結合物質)〕を捕捉できるものであればよく、通常
0.5〜50mm幅、好ましくは1〜20mm幅である
ことが望ましい。
【0030】前記吸水性基材は、被検液受領部、標識複
合体等の試薬を供するための試薬受領部、吸水用パッド
(例えば、吸水性不織布レーヨン等)等をさらに含有し
てもよい。
【0031】ステップ(A)において、吸水性基材上に
被検物質を展開するが、ステップ(B)と同時に行なう
ことも可能である。すなわち予め被検液と第2特異的結
合物質とを混合して得られた混合物を該吸水性基材に供
してもよい。
【0032】ついで、試験片上に、被検物質に特異的に
結合しうる第2特異的結合物質を展開する〔以下、ステ
ップ(B)という〕。
【0033】第2特異的結合物質の使用量は、被検物質
により、適宜設定されうる。
【0034】ついで、試験片上に、第2特異的結合物質
に特異的に結合しうる第3特異的結合物質を着色水分散
型高分子粒子に固定化した標識複合体を展開する〔以
下、ステップ(C)という〕。
【0035】前記標識複合体は、第3特異的結合物質を
着色水分散型高分子粒子(例えば、着色ラテックス粒子
等)に共有結合で結合させ標識したものであるが、かか
る標識複合体は、適切な緩衝液等に懸濁した懸濁液とし
て用いることができる。
【0036】この場合、着色水分散型高分子粒子(例え
ば、着色ラテックス粒子)の色をそのまま検出の指標と
して利用することができる。また、前記水分散型高分子
粒子を担体として、別の標識物質を結合させることも可
能である。かかる標識物質としては、例えば、ペルオキ
シダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクト
シダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、
エステラーゼ、β−D−グルクロニダーゼ等が挙げられ
る。可視的な判別が容易である観点から、ペルオキシダ
ーゼおよびアルカリホスファターゼからなる群より選ば
れた少なくとも一種であることが好ましい。
【0037】標識複合体の使用量は、被検物質の検出に
必要とされる検出感度により適宜設定されうる。
【0038】標識複合体において、着色水分散型高分子
粒子を用いる場合または標識物質として蛍光を発する粒
子を用いる場合、固定相における呈色や蛍光自体を検出
することができる。標識物質として酵素を使用する場
合、その活性により生成される色素等が指標となる。し
たがって、ステップ(C)において固定相上に基質とな
るものを存在させる必要がある。例えば、酵素がペルオ
キシダーゼの場合、TMB(3,3’,5,5’−テト
ラメチルベンジジン)と過酸化水素0.01重量%とを
含む0.1M−クエン酸緩衝液(pH4.5)が挙げら
れる。
【0039】本発明の被検物質の免疫学的検査方法にお
いては、被検液中に被検物質が存在する場合、該固定相
上で複合体〔第1特異的結合物質−被検物質−第2特異
的結合物質−標識複合体〕が形成され、該固定相におけ
る呈色が、該被検物質の存在の指標となる。
【0040】本発明の免疫学的検査方法は、下記(a)
〜(c): (a)吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に結合
しうる第1特異的結合物質を固定化した固定相が、被検
物質数nに対してn種(nは、1以上の整数を示す)配
置されてなる試験片、(b)被検物質に特異的に結合し
うる特異的結合物質であって、第1特異的結合物質とは
異なる動物種由来の第2特異的結合物質、および(c)
第2特異的結合物質中の動物種特異的部分に特異的に結
合しうる第3特異的結合物質を固定化した着色水分散型
高分子粒子からなる標識複合体を含有した免疫学的検査
用キットを用いることにより、より簡便に実施されう
る。かかるキットとしては、具体的には、第1特異的結
合物質と第2特異的結合物質とが被検物質に対する抗体
であり、かつ第3特異的結合物質により特異的に結合さ
れる第2特異的結合物質中の動物種特異的部分が、抗体
の定常領域である、免疫学的検査用キット等が挙げられ
る。
【0041】本発明の免疫学的検査方法は、単一の検査
システムで複数の被検物質を同時に検出することができ
るため、例えば、設備の大きさに限界のある場所におけ
る、下水や雨水等に含まれるビスフェノールA、ダイオ
キシン、DDT等の環境ホルモンの検出、疾患マーカー
の検出等に応用できる。
【0042】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定され
るものではない。
【0043】製造例 (1)標識複合体の作製 1)水分散型高分子粒子懸濁液の作製 スチレン50gとアクリル酸0.5gとトリエチレング
リコールジメタクリレート0.2gと蒸留水440gと
からなる混合物を、窒素ガス雰囲気下で75℃に維持、
攪拌しながら、過硫酸カリウム0.25gを蒸留水10
gに溶解した水溶液を重合開始剤として前記混合物に加
えた。10時間重合を行なった結果、カルボキシル化さ
れた水分散型高分子粒子としてカルボキシル化ポリスチ
レンラテックス粒子(平均粒子径:約0.2μm)を得
た。得られたカルボキシル化ポリスチレンラテックス粒
子を0.01M−ホウ酸緩衝液(pH8.2)に固形分
濃度が5重量%になるよう分散し、水分散型高分子粒子
懸濁液を得た。
【0044】2)標識複合体の作成 第3特異的結合物質として抗マウスIgG−ヤギ由来ポ
リクローナル抗体を、カルボキシル化ポリスチレンラテ
ックス粒子に固定した。以下にその手順を示す。
【0045】前記1)で得た水分散型高分子粒子懸濁液
3mlに、水溶性カルボジイミド〔DOJIN 社製、1 −エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩、10mg/ml、0.01M−ホウ酸緩衝
液(pH8.2)〕0.5ml、抗マウスIgG−ヤギ
由来ポリクローナル抗体〔Kirkegaard & Perry Labor
atories Inc.社製、1mg/ml、0.01M−ホウ酸
緩衝液(pH8.2)〕2mlを加えて10℃で3時間
反応させた。その後、洗浄液として0.01M−ホウ酸
緩衝液(pH8.2)を用いて、反応物について遠心分
離洗浄を行なった。0.01M−ホウ酸緩衝液(pH
8.2)で固形分濃度2重量%に調整し、抗マウスIg
G−ヤギ由来ポリクローナル抗体を固定化したラテック
ス粒子を得た。
【0046】(2)吸水性基材への第1特異的結合物質
の固定化 第1特異的結合物質として、抗サルモネラ エンテリテ
ィディス−ウサギ由来ポリクローナル抗体と抗大腸菌O
157−ヤギ由来ポリクローナル抗体とを用いた。各抗
体を、0.1M−リン酸緩衝液(pH7.2)に懸濁し
て、それぞれ4mg/mlの抗体溶液を調製した。
【0047】吸水性基材として、ニトロセルロース膜
(孔径12μm、外形6mm×60mm)を用いた。前
記吸水性基材の一端から20mmの部位に、抗サルモネ
ラ エンテリティディス−ウサギ由来ポリクローナル抗
体を含む抗体溶液を0 .5 μlを塗布したのち、40℃
で2時間乾燥し、固定相を配置させた。本製造例および
実施例においては、かかる固定相をSE固相部と称す。
また、前記吸水性基材の一端から30mmの位置に抗大
腸菌O157−ヤギ由来ポリクローナル抗体を含む抗体
溶液を0 .5 μlを塗布したのち、40℃で2時間乾燥
し、それにより固定相を配置した。本製造例および実施
例においては、かかる固定相をO157:H7固相部と
称す。これにより、固定相を有する吸水性基材を得た。
【0048】次に、得られた固定相を有する基材を、1
重量%ウシ血清アルブミン水溶液に1時間浸漬した後、
室温で一夜乾燥した。
【0049】固定相から4〜8mmの箇所にポリエステ
ル製不繊布(6×6mm、厚さ1mm)を貼り合わせ、
試薬受領部を作製した。また、試薬受領部を中心とし
て、抗体塗布箇所とは反対側の端から4〜17mmの個
所にポリエステル製不繊布(6mm×6mm、厚さ1m
m)を貼り合わせ、被検液受領部を作製した。
【0050】さらに、固定相側の端10mmの箇所に吸
水剤としてガラス繊維製不繊布(ワットマン社製)GF/B
(15mm×30mm×厚さ1mm)を貼り合せ、試験
編を得た。
【0051】実施例1 被検試料中のサルモネラ菌の検
出 第2特異的結合物質として、抗サルモネラ−マウス由来
モノクローナル抗体を用い、塩化アンモニウム緩衝液
(組成:0.1M−NH4 Cl、0.9重量%NaC
l、pH8.0)で1μg/mlの濃度に調整した。被
検物質であるサルモネラ菌を108 細胞/mlの濃度に調
整した試料液100μlに対して第1免疫学的成分(抗
体)を含む抗体溶液1μlを添加し、5分間静置し、被
検液とした。
【0052】製造例の(1)で調製した標識複合体を
0.1M−リン酸緩衝液(NaCl:0.9重量%、ア
ジ化ナトリウム:0.1重量%含有、pH7.4)にて
希釈し、0.01重量%の展開液を調製した。
【0053】調製した試薬60μlをそれぞれ吸水性基
材上の試薬受領部から添加し、10分後上記の標識複合
体溶液60μlを添加した。展開後、それぞれの試験片
の固定相における15分後の発色の有無を目視観察し
た。結果を表1に示す。
【0054】実施例2 試料中の大腸菌O157:H7
の検出 第2特異的結合物質として抗O157:H7−マウス由
来モノクローナル抗体を用い、塩化アンモニウム緩衝液
(組成:0.1M−NH4 Cl、0.9重量%NaC
l、pH8.0)で1μg/mlの濃度に調整した。被
検物質であるO157:H7を106 細胞/mlの濃度
に調整した試料液100μlに対して第2の抗体を含む
上記溶液1μlを添加し、5分間静置し、被検液とし
た。この被検液の組成以外は、実施例1と同様の方法で
実施し、結果を表1に示す。
【0055】実施例3 試料中のサルモネラ エンテリ
ティディスおよびO157:H7の検出 被検物質であるサルモネラ エンテリティディスは10
8 細胞/mlの濃度に、O157:H7は106 細胞/
mlの濃度になるように混合した。得られた被検液10
0μlに対して第2の抗体を含む実施例1記載の溶液お
よび実施例2記載の溶液各1μlを添加し、5分間静置
したのち被検液とした。この被検液の組成以外は実施例
1と同様の方法で実施した。結果を表1に示す。
【0056】なお、判定基準は、下記のとおりである。 +:固定相にライン状の発色が見られる −:固定相にライン状の発色が見られない
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、SE固相部およびO1
57固相部の各固定相において、それぞれに対応する被
検物質を特異的に検出できることがわかる。
【0059】比較例1 サルモネラ エンテリティディ
スに結合する第2特異的結合物質の標識化 サルモネラ エンテリティディスに結合する第2特異的
結合物質を、製造例の(1)のとおりに着色ラテックス
粒子で標識化を行なったが、凝集が起こり、免疫クロマ
トグラフ法による検出に使用できなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明の被検物質の免疫学的検出方法に
よれば、複数種の被検物質についても同一の試験片にお
いて同じ標識複合体により検出することが可能であるた
め、異なる被検物質を、同時に、高感度かつ特異的に、
迅速かつ簡便に検出することができるという優れた効果
を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫クロマトグラフ法において、(A)
    吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に結合しうる
    第1特異的結合物質を固定化した固定相が、被検物質数
    nに対してn種(nは、1以上の整数を示す)配置され
    た試験片の一端から、被検液を展開するステップ、
    (B)該試験片上に、被検物質に特異的に結合しうる第
    2特異的結合物質を展開するステップ、および(C)該
    試験片上に、第2特異的結合物質に特異的に結合しうる
    第3特異的結合物質を着色水分散型高分子粒子に固定化
    した標識複合体を展開するステップ、を含み、被検液中
    に被検物質が存在する場合、該固定相上で複合体〔第1
    特異的結合物質−被検物質−第2特異的結合物質−標識
    複合体〕が形成され、該固定相における呈色が、該被検
    物質の存在の指標となる、被検物質の免疫学的検査方
    法。
  2. 【請求項2】 第1特異的結合物質と第2特異的結合物
    質とが、互いに異なる動物種由来の特異的結合物質であ
    る、請求項1記載の免疫学的検査方法。
  3. 【請求項3】 n種(nは、1以上の整数を示す)の固
    定相が配置されている場合、n種の被検物質にそれぞれ
    特異的に結合しうるn種の第2特異的結合物質を用いる
    方法であり、ここで、n種の第2特異的結合物質は、互
    いに同一動物種由来の抗体である、請求項1または2記
    載の免疫学的検査方法。
  4. 【請求項4】 下記(a)〜(c): (a)吸水性基材上に、1種の被検物質に特異的に結合
    しうる第1特異的結合物質を固定化した固定相が、被検
    物質数nに対してn種(nは、1以上の整数を示す)配
    置されてなる試験片、(b)被検物質に特異的に結合し
    うる特異的結合物質であって、第1特異的結合物質とは
    異なる動物種由来の第2特異的結合物質、および(c)
    第2特異的結合物質中の動物種特異的部分に特異的に結
    合しうる第3特異的結合物質を固定化した着色水分散型
    高分子粒子からなる標識複合体を含有してなる免疫学的
    検査用キット。
  5. 【請求項5】 第1特異的結合物質と第2特異的結合物
    質とが被検物質に対する抗体であり、かつ第3特異的結
    合物質により特異的に結合される第2特異的結合物質中
    の動物種特異的部分が、抗体の定常領域である、請求項
    4記載の免疫学的検査用キット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082977A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 生理活性物質の固定化方法
JP2008128854A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd 生理活性物質の固定化方法
WO2022154094A1 (ja) * 2021-01-15 2022-07-21 旭化成株式会社 飲食品検体、環境検体、又は生体検体中の細菌の有無及び/又は存在量を検出するための方法及びキット

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