JP2002202251A - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

Info

Publication number
JP2002202251A
JP2002202251A JP2000402116A JP2000402116A JP2002202251A JP 2002202251 A JP2002202251 A JP 2002202251A JP 2000402116 A JP2000402116 A JP 2000402116A JP 2000402116 A JP2000402116 A JP 2000402116A JP 2002202251 A JP2002202251 A JP 2002202251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
gas
container
light source
gas container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000402116A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Nanami
雅也 名波
Toshiyuki Suzuki
敏之 鈴木
Takeshi Tsukamoto
威 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2000402116A priority Critical patent/JP2002202251A/ja
Publication of JP2002202251A publication Critical patent/JP2002202251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光拡散の条件を積極的に変化させてレーザ光
の空間的可干渉性を低下させることでスペックルパター
ンの明暗の差を小さくし、スペックルパターンが変化し
たときの電気信号のドリフトを低減して正確なガス検出
を行う。 【解決手段】 ガス検出装置1は、被検出ガス収容用の
ガス容器3と、ガス容器3に光を入射させる光源5と、
光を拡散するようにガス容器3の内壁面に形成された光
拡散面11と、光を受光する受光器9とを備えており、
光拡散面11の一部には、光源5の光を直接受ける部位
に振動手段21の振動板21aを設け駆動部21bで振
動させる。光源5から出射される光は振動手段21で振
動され、受光器9の受光面上でのスペックルパターンの
明暗差を小さくし、スペックルパターンが変化したとき
の電気信号のドリフトを低減して正確なガス検出を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ吸収分光を
利用したガス検出装置に係り、特に目的とするガスの有
無の検知や濃度測定のためにガスを導入してレーザ光と
相互作用を行わせるガスセルを有するガス検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ吸収分光は、物質が固有の光波長
に対して大きな吸収をもつという性質を利用して、分析
などに用いられる分光技術の一種である。この技術をガ
ス分析の分野で応用することにより、目的とするガスの
検出や濃度測定が可能となる。
【0003】従来のガス検出装置の光学系の一例を図4
に示す。この光学系はレーザ光源51、ガスセル52お
よび受光器53より構成される。ガスセル52は、通
常、ガスを収容するための容器54、ガス導入孔55と
ガス排出孔56、およびレーザ光57が通過するための
第一の窓58と第二の窓59より構成される。レーザ光
源51より出射したレーザ光57は第1の窓58から入
射し、容器54内部に収容されたガスでその一部が吸収
され、第二の窓59より出射して受光器53に達する。
レーザ光57の波長を被検出ガスの吸収波長付近で変化
させると図5のようなガス吸収曲線がみられる。この曲
線上で大きな吸収を示す波長になるべく近い波長のレー
ザ光を用いて、該レーザ光のガスによる吸収の度合い、
すなわち受光器53で受光するレーザ光の光量の変化量
を測ることでガス濃度(ガス検出を含む)を知ることが
できる。
【0004】ところで、実際にガスの濃度測定を行うと
様々な原因による誤差が生じるが、その中でもレーザ光
の干渉によって発生するドリフトによる誤差は絶対値も
大きくまた対策も難しい。具体的には、レーザ光がガス
セルの窓を透過するときや受光器内部の光学系を透過す
るときに多重反射が生じ、これが元のレーザ光と干渉
し、光強度の変化として現れる。この強度変動が吸収曲
線に畳重した場合、あたかも被検出ガスの濃度が変化し
たかのごとく観測されてしまう。
【0005】そこで、光学的な多重反射を極力避けるた
め、従来では図6に示すような工夫がされてきた。この
例ではウェッジ形状のガラス板の両面に反射防止膜61
を施したものをガスセル52の窓材に用いている。この
ようにすることで多重反射による干渉の影響を減らすこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスセ
ル52で多重反射を抑えても、受光器53の部分で同様
の問題が生じる。例えば受光器53にフォトダイオード
(以後、PDという。)を使用した場合、PD容器の窓
とPD素子表面の間で多重反射が生じ、これが測定誤差
となってしまう。このように干渉が原因となる誤差は、
光学系のさまざまな場所で生じる可能性があるため、全
ての光学部品において干渉が起こらないように改善して
いくことは難しい。
【0007】そこで、本件発明者等は、測定に用いる光
の多重反射による測定誤差を抑えたガス検出装置を既に
出願している(特開平2000−206035号公
報)。
【0008】上記特開平2000−206035号公報
に開示されるガス検出装置71では、可干渉性を有する
レーザ光を拡散させて可干渉性を崩す光拡散体をガスセ
ル内部もしくは外部の光路に設けることにより、干渉が
原因となる光学的ノイズを低下させている。上記公報に
開示されるガス検出装置の一例として、図7に示すガス
検出装置71では、ガス導入孔72aとガス排出孔72
bを有した被検出ガスを収容するための容器72の形状
を球とし、この容器72の内壁面全面に反射型の光拡散
体73を形成し、容器72の壁面の外側に光源74と受
光器75を装着した構成となっている。
【0009】ところで、図7に示すガス検出装置71を
採用した場合、容器72の内壁面全面に光拡散体73が
形成されるので、光源74からの発散光が光拡散体73
によって拡散されると、微小な凹凸の粗い面からなる光
拡散体73の光拡散によってスペックルを生じる。この
スペックルは、上記のようなレーザ光等の干渉性の高い
光で光学的に粗い表面を照らすときに起こる無秩序に分
布した暗点と明点である。スペックルは、粗い表面の微
細部分で再放射される多くの無秩序な要素波が複雑に干
渉することにより形成される。
【0010】一般的に、レーザ光などのコヒーレント光
を光学的粗面に照明すると、照明された表面はレーザ光
を反射してスペックルパターンを生ずる。そして、上記
のように発生するスペックルパターンは、そのパターン
の状態が変化しなければ、測定誤差に影響を及ぼすこと
なく、正確なガス検出及びガス濃度測定が可能である。
【0011】しかしながら、光源74が発する熱による
温度変化、容器72に送り込まれるガスの温度変化、装
置に組み込んだ回路の熱による温度変化等によって容器
72が変形すると、容器72の壁面に形成された光拡散
体73の面も変形するため、スペックルパターンもゆっ
くりと動いて変化してしまう。このスペックルパターン
の変化は、装置71の各所をネジ止めして設置する場
合、装置71に触れて容器72に僅かな歪みが生じて
も、同様に起こる現象である。
【0012】そして、上記のように温度変化や外部応力
によってスペックルパターンが変化すると、受光器75
の受光量に応じた電気信号にドリフトが生じ、このドリ
フトによって測定誤差を招き、正確なガス検出が行えな
いという問題が生じる。
【0013】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、光拡散の条件を積極的に変化させて
レーザ光の空間的可干渉性を低下させることでスペック
ルパターンの明暗の差を小さくし、スペックルパターン
が変化したときの電気信号のドリフトを低減して正確な
ガス検出を行うことができるガス検出装置を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のガス検出装置は、被検出ガスを収容するための
ガス容器3と、該ガス容器3に光を入射する光源5と、
前記光を拡散するように前記ガス容器3の内部に形成さ
れた光拡散面11と、前記光源5からの光の入射に伴う
前記ガス容器3からの光を受光する受光器9とを備え、
該受光器9が受光する受光量に基づいて前記被検出ガス
の有無や濃度を検出するガス検出装置において、前記光
拡散面11の一部あるいは全部を所定の振動周波数で振
動させる振動手段21,23,27を備えたことを特徴
とする。
【0015】また、前記振動手段21は、前記光源5か
らの光を直接受ける部位に配置され、前記光拡散面11
の一部を構成する振動板21aと、該振動板21aを振
動させる駆動部21bとを備えた構成としても良い。
【0016】また、前記振動手段23が、前記ガス容器
3全体を振動させる構成としても良い。
【0017】また、前記振動するガス容器3に対して、
前記光源5及び前記受光器9が該ガス容器3から離間し
て固定配置しても良い。
【0018】また、前記振動手段27は、前記ガス容器
3の内部に設けられており、前記光拡散面11を有する
振動板27aと、前記振動板を振動させる駆動部27b
とから構成しても良い。
【0019】スペックルパターンの明暗の差は、レーザ
光の可干渉性が低下することで小さくなる。上記構成に
よれば、光源5から出射される光を拡散する光拡散面1
1の一部あるいは全部を振動手段21,23,27で振
動させることにしているため、この振動する光拡散面1
1で拡散されるレーザ光は、空間的可干渉性が低下す
る。この可干渉性の低下によって、スペックルパターン
の明暗の差が小さくなるので、スペックルパターンが変
化しても受光器9の受光量の変化は小さく抑えられ、正
確なガス濃度測定ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明のガス検出
装置の第一実施の形態を示す構成図である。図1に示す
ように、ガス検出装置1は、主にガス容器3と、光源5
と、受光器9とから大略構成されている。
【0021】まず、ガス容器3は、被検出ガスが収容さ
れるガスセルとして構成されている。本実施の形態での
ガス容器3は、その内部が球状をなす内壁面を有して形
成されている。ガス容器3の材質は、被検出ガスの種類
に応じてアルミやステンレス等の金属、あるいはガラス
が材料とされる。具体的には、例えば二酸化炭素(CO
2 )、メタン(CH4 )、亜酸化窒素(N2 O)等のよ
うに腐食性の無いガスに対しては金属製が好ましく、ア
ンモニア(NH3 )や塩化水素(HCl)等のように腐
食性が強いガスに対してはガラス製が好ましい。
【0022】ガス容器3の内壁面は、微小な凹凸面から
なる光拡散面11として構成されている。更に説明する
と、剛性を有するアルミやステンレスなどの金属を例え
ば旋盤やフライス加工でくり抜いてガス容器3を形成
し、このガス容器3の内壁面の表面に放電加工やホーニ
ング処理で梨子地状の光拡散面11を形成している。こ
の他、光拡散面11は、アルミやステンレスなどの金属
や、ガラス等の反射性とされた表面をフロスト状に仕上
げたものや、これらの表面にアルミや金を蒸着したも
の、もしくは反射率の大きな粉末(ポリテトラフロロエ
チレン,硫酸バリウム,硫黄等)を塗布したものが利用
できる。
【0023】ガス容器3には、被検出ガスを導入するガ
ス導入孔13と、被検出ガスを排出するガス排出孔15
とが設けられている。これにより、ガス容器3の内部に
は、一定量の被検出ガスがガス導入孔13より導入され
収容される。ガス容器3の内部に収容された被検出ガス
の検出および濃度測定が終了した場合には、ガス容器3
の内部の被検出ガスがガス排出孔15から排出される。
その後、次の検出および濃度測定の対象となる被検出ガ
スがガス導入孔13から導入され、ガス置換が行われ
る。
【0024】ガス容器3には、第一の貫通孔17と第二
の貫通孔19が設けられている。第一の貫通孔17から
は、光源5からの発散光がガス容器3の内部に入射され
る。また、第二の貫通孔19からは、受光器9に向けて
ガス容器3の内部からの拡散光が出射される。なお、第
一の貫通孔17と光源5との間、第二の貫通孔19と受
光器9との間は、例えばOリング等のシール部材を用い
て気密が保てる構造となっている。
【0025】次に、光源5は、本実施の形態では半導体
レーザ(LD)を採用したレーザ光源として構成されて
いる。この光源5は、図示しないが、例えば半導体レー
ザ、電子冷却素子、参照用ガスセル、参照用受光器が密
閉容器内に収容されたユニット構造をなす。電子冷却素
子は、その上に配置される半導体レーザを正確に温度制
御する。また、参照用ガスセルおよび参照用受光器は、
半導体レーザからの後方光を利用して半導体レーザの発
振波長を被検出ガスの吸収スペクトルの中心波長に合わ
せる。
【0026】上記構成の光源5は、半導体レーザより前
方光が出射される素子端面側が、ガス容器3の第一の貫
通孔17からガス容器3の内部を望むようにして配され
ている。これにより、光源5は、コリメートレンズや光
アイソレータ等の部品を要さず発散光を出射する。
【0027】次に、受光器9は、例えばフォトダイオー
ドで構成され、ガス容器3の第二の貫通孔19からガス
容器3の内部を望むようにして設けられる。なお、第二
の貫通孔19は、第一の貫通孔17を介してガス容器3
の内部に出射された光源5からの発散光を直接受けない
範囲に配されている。これにより、受光器9は、光源5
からの発散光を直接受けることなく配置される。
【0028】受光器9では、光源5から発散光が出射さ
れると、被検出ガスが収容されたガス容器3の内部にて
光拡散面11で拡散された拡散光を受光する。そして、
被検出ガスにて吸収された拡散光の受光量に応じた電気
信号を出力する。なお、本実施の形態のガス検出装置1
では、受光器9から出力された電気信号を所定周波数毎
(例えば10kHz毎)にサンプリングする。
【0029】図1に示すように、上述したガス容器3の
光拡散面11の一部には、振動手段21が配設されてい
る。振動手段21は、例えば図1に示すように、スピー
カが用いられ、光源5から出射される発散光を直接受け
る範囲にスピーカの振動板21aを配置してなる。発散
光を直接受ける範囲は、発散光である光源5からのビー
ム光の光強度のピークを1としたときに少なくとも光強
度のレベルが1/e2 の発散光を直接受ける範囲であれ
ばよい。振動板21aの表面は、光反射特性を有する。
この光反射特性は、振動板21aの表面にアルミや金を
蒸着したもの、もしくは反射率の大きな粉末(ポリテト
ラフロロエチレン,硫酸バリウム,硫黄等)を塗布して
得られる。
【0030】振動板21aは、駆動部としてのコイル2
1bの駆動により所定の振動数で振動板21aを振動さ
せる。この振動手段21は、所謂スピーカの基本構成を
採り、振動板21aは、拡散面11の一部を構成すべく
できるだけ球の一部に沿った形状とすることが望まし
い。
【0031】コイル21bによる振動板21aの振動周
波数は、上記サンプリング周波数(10kHz)に対し
て異なる周波数であって、且つ、整数倍でない、例えば
0.9kHzあるいは1.1kHz等、サンプリング周
波数に同期しないように設定される。
【0032】ここで、図1に示す振動手段21は、振動
板21aの面が、光源5から出射される発散光(レーザ
光)の光軸Sに直交するように配されている。コイル2
1bの軸は前記光軸S上となるように配されている。す
なわち、光源5からの発散光の光軸Sに対して振動手段
21の振動板21a、コイル21bが直交配置され、光
源5の発散光を直接受ける範囲全体を振動させる。
【0033】上記構成では、ガス導入孔13からガス容
器3の内部に被検出ガスが収容された状態で光源5が駆
動されると、第一の貫通孔17を介して光源5からの発
散光がガス容器3の内部に照射される。この発散光は、
ガス容器3の内壁面にある光拡散面11によって様々に
拡散される。さらに、拡散面によって拡散されたレーザ
光は、ガス容器3の内部で複数回反射する。そして、複
数回の反射により様々な経路を経たレーザ光は、第二の
貫通孔19を介して受光器9により受光される。受光器
9では、受光量に応じた電気信号を出力する。
【0034】ガス容器3の内部にて光源5から受光器9
に至るレーザ光は、被検出ガスに吸収される。これによ
り、受光器9では、受光量が変化して出力する電気信号
にレベル変動が生じる。即ち、電気信号のレベル変動に
よりガスの有無が検出され、且つ、レベルの高さにより
ガスの濃度が検出されることとなる。
【0035】ここで、ガス容器3の内部にて、光源5か
ら出射される発散光は、光拡散面11の一部を構成する
振動手段21の振動板21aの振動により拡散される。
そして、振動手段21にて拡散されたレーザ光は、上記
の如くガス容器3の内壁面にある光拡散面11によって
複数回反射して様々に拡散されて受光器9に達する。
【0036】したがって、上記構成のガス検出装置1で
は、光源5から発せられる熱による温度変化、外気に晒
されたガスの温度変化、装置に組み込んだ回路の熱によ
る温度変化による容器の変形で生じるスペックルパター
ンの変化が無視できる程に振動手段21によって上記ス
ペックルパターンが積極的にかつランダムに変化して明
暗の差が小さくなるので、スペックルパターンによる干
渉ノイズが低減され、受光器9が出力する電気信号のド
リフトを低減することができ、測定誤差をなくして正確
なガス検出を行うことが可能である。
【0037】ところで、上述した実施の形態では、振動
手段21の振動板21aが光源5から出射される直接光
を直接受ける位置に配置したが、これに限らず、光拡散
面11のうち一部であれば、光源5からの直接光を直接
受けない箇所に配置しても良く、さらに、振動手段21
を直接光を受ける位置と直接光を直接受けない位置に複
数配置する構成としても良い。
【0038】次に、本発明の第二の実施形態を説明す
る。図2は、第二実施の形態として、光拡散面11全体
を振動させる構成である。具体的には、光拡散面11が
形成されるガス容器3全体を振動手段23で振動させ
る。なお、図示のように、ガス容器3の振動が光源5及
び受光器9に伝達しないよう、ガス容器3に対して光源
5及び受光器9を離して設ける。即ち、光源5及び受光
器9等の電子部品は、振動による歪み応力で割れ、断線
が生じやすい為、全体振動するガス容器3から離し、互
いの相対位置を維持できるよう固定配置することが好ま
しい。
【0039】ガス容器3に設けられる第一の貫通孔1
7、第二の貫通孔19部分には、内部の気密を維持する
ための第一の窓部25、及び第二の窓部26が設けられ
ている。なお、これら第一,第二の窓部25,26は、
レーザ光の透過に伴う多重反射を防ぐように構成され、
例えばウェッジ形状のガラス板の両面に反射防止膜を施
したものが採用されることが望ましい。
【0040】ガス容器3全体を振動させる振動手段23
は、例えば携帯電話機等の振動呼び出し装置として使用
されるバイブレータ、ボイスコイルモータ、ピエゾ効果
を利用したPZT素子等のリニアアクチュエータ、超音
波発生装置等を採用することが考えられる。また、振動
周波数は、上記サンプリング周波数(10kHz)に対
して異なる周波数であって、且つ、整数倍でない、例え
ば0.9kHzあるいは1.1kHz等、サンプリング
周波数に同期しないように設定される。また、振動の方
向は、光軸Sに沿った方向、あるいは光軸Sに交差する
方向、もしくはその複合方向がある。
【0041】上記の構成によれば、光源5からの発散光
は、ガス容器3の内壁面にある光拡散面11によって様
々に拡散され、拡散面11によって拡散されたレーザ光
は、ガス容器3の内部で複数回反射して受光器9により
受光される。そして、ガス容器3全体を振動手段23で
振動させると、光拡散面11全体が振動することとな
り、光は複数回反射して様々に拡散されて受光器9に達
する。
【0042】これにより、光源5から発せられる熱によ
る温度変化、外気に晒されたガスの温度変化、装置に組
み込んだ回路の熱による温度変化等によって容器が変形
し、受光器9の受光面で受けるレーザ光のスペックルパ
ターンが変化しても、振動手段23によって上記スペッ
クルパターンの明暗の差が小さくなるので、スペックル
パターンによる干渉ノイズが低減され、受光器9が出力
する電気信号のドリフトを低減することができ、測定誤
差をなくして正確なガス検出を行うことが可能である。
【0043】次に、本発明の第三の実施形態を説明す
る。図3は、第三実施の形態を示す斜視図であり、ガス
容器3内部で光拡散面11のみを振動させる構成であ
る。上記実施形態と同様の構成部には同一の符号を附し
てある。図示のように、ガス容器3は、二分割されたブ
ロック3a、3bで構成されている。これらのブロック
3a、3bにおいて前記の光拡散面11は、それぞれ半
球状となる。
【0044】この実施形態では、この2分割された光拡
散面11全体を振動手段27で振動させる構成である。
具体的には、振動手段27の振動板27aを半球状に形
成する。振動板27aの表面には、アルミや金を蒸着し
たもの、もしくは反射率の大きな粉末(ポリテトラフロ
ロエチレン,硫酸バリウム,硫黄等)を塗布して所定の
反射特性を得るよう構成してある。この振動手段27
は、所謂スピーカの基本構成を採り、2個の振動板27
aは、拡散面11自体を構成すべくできるだけ半球形状
とすることが望ましい。
【0045】そして、駆動部としてのコイル27bの駆
動により所定の振動数で振動板27aを振動させる。コ
イル27bによる振動板27aの振動周波数は、上記サ
ンプリング周波数(10kHz)に対して異なる周波数
であって、且つ、整数倍でない、例えば0.9kHzあ
るいは1.1kHz等、サンプリング周波数に同期しな
いように設定される。
【0046】なお、ブロック3a、3bと、振動板27
aの一部には、ガス導入孔13、ガス排出孔15、第一
の貫通孔17、第二の貫通孔19を開口形成する。上記
の構成によれば、光源5からの発散光は、ガス容器3の
内壁面である光拡散面11を構成する振動板27aによ
って様々に拡散され、拡散されたレーザ光は、ガス容器
3の内部で複数回反射して受光器9により受光される。
そして、振動板27aを振動手段27で振動させると、
光拡散面11全体が振動することとなり、光は複数回反
射して様々に拡散されて受光器9に達する。
【0047】これにより、光源5から発せられる熱によ
る温度変化、外気に晒されたガスの温度変化、装置に組
み込んだ回路の熱による温度変化等によって容器が変形
し、受光器9の受光面で受けるレーザ光のスペックルパ
ターンが変化しても、振動手段27によって上記スペッ
クルパターンの明暗差が小さくなるので、スペックルパ
ターンによる干渉ノイズが低減され、受光器9が出力す
る電気信号のドリフトを低減することができ、測定誤差
をなくして正確なガス検出を行うことが可能である。
【0048】また、上述した各実施の形態でのガス検出
装置1では、ガスセルをなすガス容器3の内部形状を球
とした場合を図示して説明したが、ガス容器3は内壁面
の少なくとも一部に光拡散面11が設けられていれば球
に限定されるものではなく、例えば楕円体、長円体、円
錐体等の形状であってもよく、振動手段21,27につ
いては光拡散面11に沿った形状とすれば同様の効果を
得ることができる。
【0049】また、上述した各実施の形態でのガス検出
装置1では、光源5から出射しガス容器3の内部で拡散
されたレーザ光を受光する受光器9を単一として図示し
て説明したが、受光器9は、光源5からの発散光を直接
受けない部位にて、複数設けられていてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるガス検
出装置は、光源から出射される光を光拡散面により拡散
させ、且つ、この光拡散面の一部あるいは全部を積極的
に振動させるので、光拡散の条件が変化することでレー
ザ光の空間的可干渉性が低下し受光器の受光面上でスペ
ックルパターンの明暗の差が小さくなり、受光量に応じ
た電気信号を安定して検出でき、スペックルパターンが
変化したときの電気信号のドリフトを低減して正確なガ
ス検出を行うことができる。光拡散面の振動は、光源か
らの光を受ける一部や拡散面全体、あるいは光拡散面を
含むガス容器全体を振動させる等の構成としても同様の
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス検出装置の第一実施の形態を示す
構成図。
【図2】本発明のガス検出装置の第二実施の形態を示す
構成図。
【図3】本発明のガス検出装置の第三実施の形態を示す
構成図。
【図4】従来のガス検出装置の光学系の一例を示す図。
【図5】ガス吸収曲線を示す図。
【図6】従来のガス検出装置の構成を示す図。
【図7】従来のガス検出装置の他の構成を示す図。
【符号の説明】
1…ガス検出装置、3…ガス容器、5…光源、9…受光
器、11…光拡散面、21,23,27…振動手段、2
1a、27a…振動板、21b、27b…駆動部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 威 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アンリ ツ株式会社内 Fターム(参考) 2G057 AA01 AB04 AB06 AC03 BA05 BB02 GA02 2G059 AA01 BB01 DD12 DD16 EE01 GG01 JJ26 KK01 KK03 LL03 LL04 MM17 NN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出ガスを収容するためのガス容器
    (3)と、該ガス容器に光を入射する光源(5)と、前
    記光を拡散するように前記ガス容器の内部に形成された
    光拡散面(11)と、前記光源からの光の入射に伴う前
    記ガス容器からの光を受光する受光器(9)とを備え、
    該受光器が受光する受光量に基づいて前記被検出ガスの
    有無や濃度を検出するガス検出装置において、 前記光拡散面の一部あるいは全部を所定の振動周波数で
    振動させる振動手段(21,23,27)を備えたこと
    を特徴とするガス検出装置。
  2. 【請求項2】 前記振動手段(21)が、前記光源
    (5)からの光を直接受ける部位に配置され、前記光拡
    散面(11)の一部を構成する振動板(21a)と、該
    振動板を振動させる駆動部(21b)とを備えた請求項
    1に記載のガス検出装置。
  3. 【請求項3】 前記振動手段(23)が、前記ガス容器
    (3)全体を振動させる請求項1に記載のガス検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記振動するガス容器(3)に対して、
    前記光源(5)及び前記受光器(9)が該ガス容器から
    離間して固定配置された請求項3記載のガス検出装置。
  5. 【請求項5】 前記振動手段(27)は、前記ガス容器
    (3)の内部に設けられており、 前記光拡散面(11)を有する振動板(27a)と、 前記振動板を振動させる駆動部(27b)とから構成さ
    れている請求項1に記載のガス検出装置。
JP2000402116A 2000-12-28 2000-12-28 ガス検出装置 Pending JP2002202251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402116A JP2002202251A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 ガス検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402116A JP2002202251A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 ガス検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002202251A true JP2002202251A (ja) 2002-07-19

Family

ID=18866460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000402116A Pending JP2002202251A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 ガス検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002202251A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019534457A (ja) * 2016-11-04 2019-11-28 ヴィルコ・アーゲー ガスの濃度を測定するための方法および装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019534457A (ja) * 2016-11-04 2019-11-28 ヴィルコ・アーゲー ガスの濃度を測定するための方法および装置
JP7210442B2 (ja) 2016-11-04 2023-01-23 ヴィルコ・アーゲー ガスの濃度を測定するための方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11378514B2 (en) Optical absorption spectroscopy based gas analyzer systems and methods
JP2000206035A (ja) ガス検出装置
JP4446195B2 (ja) レーザ光出力部、レーザ光入力部およびレーザ式ガス分析計
EP1566626B1 (en) Gas sensor arrangement in an integrated construction
JP2007256281A (ja) ガスセンサー
US20230324281A1 (en) Two-dimensional multi-point-reflection long-optical-path gas sensor probe and gas sensor
US8659759B2 (en) Laser based cavity enhanced optical absorption gas analyzer
FI118548B (fi) Fotoakustinen detektori
JP2010243270A (ja) 複合型マルチパスセルおよびガス測定器
JP2009515159A (ja) レーザ放射源
JP2002243537A (ja) 振動検出装置
JP2007333567A (ja) 多重反射型セルおよび赤外線式ガス検知器
JP4807803B2 (ja) ガス含有量測定装置及び方法
JP2009014465A (ja) 赤外ガス分析計
CN109856078A (zh) 光学气体检测系统
JP2002202251A (ja) ガス検出装置
JP3059661B2 (ja) ガス濃度測定装置
JP2007205920A (ja) 多重反射型セルおよび赤外線式ガス検知器
JPH0835926A (ja) 試料セル
JP2002202247A (ja) ガス検出装置
JP2010243172A (ja) 多層型マルチパスセルおよびガス測定器
JP2002202257A (ja) ガス検出装置
JP2002202248A (ja) ガス検出装置
JP2002202250A (ja) ガス検出装置
JP2011169645A (ja) ガス濃度算出装置及びガス濃度計測モジュール