JP2002201577A - Ｐｃ鋼材の防錆加工方法 - Google Patents

Ｐｃ鋼材の防錆加工方法

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JP2002201577A JP2000394057A JP2000394057A JP2002201577A JP 2002201577 A JP2002201577 A JP 2002201577A JP 2000394057 A JP2000394057 A JP 2000394057A JP 2000394057 A JP2000394057 A JP 2000394057A JP 2002201577 A JP2002201577 A JP 2002201577A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ＰＣ鋼材の伸びや曲げに対して容易に追随して
破損することが無く、且つ土木建築の現場における取り
扱い時にも容易に損傷されず、更に、防錆被覆処理に際
してリラクゼーションを増加させないで処理できるＰＣ
鋼材の防錆加工方法の提供。 【解決手段】ＰＣ鋼棒又はＰＣ鋼撚線からなるＰＣ鋼材
１を予備加熱し、これを一次被覆用合成樹脂成型機５に
通し、ＰＣ鋼材１の表面に接着促進剤入りの軟質熱可塑
性樹脂による一次被覆を施し、次いで二次被覆用合成樹
脂成型機７に通し、一次被覆の表面に硬質熱可塑性樹脂
を融着させて二次被覆する

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレストレストコ
ンクリートの応力導入材や橋梁の吊り材等に使用するＰ
Ｃ鋼材の防錆加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ＰＣ鋼材を合成樹脂被覆すること
により防錆加工する技術が開発されており、ＰＣ鋼撚線
（ＰＣストランド）にあっては、撚り線を構成している
各単素線の外周面をも防錆被覆する防錆加工方法が開発
されている。
【０００３】この種の従来の防錆加工方法には、熱硬化
性のエポキシ系樹脂を使用したものと、熱可塑性のポリ
エチレン系樹脂を使用したものとが開発されている。
【０００４】また、樹脂被覆方法には、熱可塑性樹脂を
クロスヘッド型合成樹脂成型機に通し、加圧することに
よってＰＣ鋼撚線の内部空隙まで防錆充填材を充填する
とともに外面をも被覆する方法と、ＰＣ鋼撚線（ＰＣス
トランド）の撚りをほぐし、静電塗装によってエポキシ
系樹脂を各単素線に被着させた後、撚りを元に戻し、外
面には鋼材を高温加熱し，エポキシ系樹脂を固化する方
法とが代表的である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱硬化
性のエポキシ系樹脂を静電塗装によって内面被着させる
方法は、静電塗装方法であるために被覆する樹脂厚さが
制限され、肉厚の被覆層を形成するのが困難であり、加
えて，表面防錆被覆には鋼材を高温加熱して固化させる
ため、鋼材性質を低下させている。また材料が硬質であ
るために伸びにくく、防錆被覆処理後のＰＣ鋼材を曲げ
たり、張力によって伸ばされたりした場合に被覆層に亀
裂が生じ易く、防錆効果が損なわれやすいという問題が
あった。
【０００６】一方、従来の熱可塑性のポリエチレン系樹
脂を使用し、被覆を施す方法にあっては、樹脂被覆層の
厚さを必要に応じて厚くすることが容易であり、また、
比較的軟質であるため、曲げや伸びに容易に追随して亀
裂が生じることはないが、軟質であるため建築土木用の
鋼材として取り扱う際に、防錆被覆が擦れ等によって削
り取られ易いという問題があった。
【０００７】更に、従来の方法では、樹脂被覆に先立ち
ＰＣ鋼材を高温で加熱しているため、リラクゼーション
が大きくなるという問題があった。
【０００８】特に、ＰＣ鋼棒の防錆被覆には、エポキシ
系樹脂を使用することから、ピンホールを防止するた
め、被覆の厚みを少なくとも６００ミクロン（０．６ｍ
ｍ）以上にせざるをえず、更に、表面にエポキシ系樹脂
を固化するために鋼棒を高温に加熱するため、リラクゼ
ーションが大きくなるという問題があった。
【０００９】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
ＰＣ鋼材の伸びや曲げに対して容易に追随して破損する
ことが無く、且つ土木建築の現場における取り扱い時に
も容易に損傷されず、更に、防錆被覆処理に際してリラ
クゼーションに影響を及ぼさないで処理できるＰＣ鋼材
の防錆加工方法の提供を目的としてなされたものであ
る。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明に係るＰＣ
鋼材の防錆加工方法の特徴は、ＰＣ鋼棒又はＰＣ鋼撚線
からなるＰＣ鋼材の表面を合成樹脂防錆剤で被覆処理す
るＰＣ鋼材の防錆加工方法において、前記ＰＣ鋼材を予
備加熱し、これを一次被覆用合成樹脂成型機に通し、該
ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤入りの軟質熱可塑性樹脂に
よる一次被覆を施し、次いで二次被覆用合成樹脂成型機
に通し、前記一次被覆の表面に硬質熱可塑性樹脂を融着
させて二次被覆することにある。
【００１１】尚、ＰＣ鋼撚線からなるＰＣ鋼材を予備加
熱し、これを樹脂注入用の合成樹脂加圧成形機に通し、
前記ＰＣ鋼撚線を構成している単素線間の隙間より内部
空隙内に防錆充填剤を加圧充填した直後に、一次被覆用
合成樹脂成形機に通し、該ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤
入りの軟質熱可塑性樹脂による一次被覆を施すことが好
ましく、ＰＣ鋼撚線の場合には、予備加熱は、１０ｋＨ
ｚ〜１５ｋＨｚ程度の中周波誘導加熱により、ＰＣ鋼材
をその内部の単素線および表面まで、温度が２００℃を
超えないように加熱することが好ましく、ＰＣ鋼棒の場
合には、予備加熱は、１ｋＨｚ程度の低周波誘導加熱に
より、ＰＣ鋼材をその内部より表面まで、温度が２００
℃を超えないように加熱することが好ましい。
【００１２】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
ついて説明する。
【００１３】図１は本発明方法の一例を実施するための
装置の概略構成を示しており、図において、１はＰＣ鋼
材、２は防錆充填材料用予備加熱機、３は樹脂注入用の
防錆充填材加圧成形機、５は一次被覆用合成樹脂被覆成
形機、７は二次被覆用合成樹脂被覆成形機である。
【００１４】ＰＣ鋼材１は、一例として図２に示す如き
単素線１ａを７本撚りのＰＣ鋼撚線（ＰＣストランド）
を使用している。この他図１１に示すように１９本より
等の多数本撚り線又は単線の鋼棒が使用できる。
【００１５】ＰＣ鋼撚線を予備加熱する際の防錆充填材
注入用予備加熱機２には、中周波誘導加熱機を使用し、
１０ｋＨｚ〜１５ｋＨｚ程度の比較的周波数の低い領域
で撚線内部への熱の伝わりを良くし、全体が２００℃を
超えないように加熱する。尚、ＰＣ鋼棒を予備加熱する
際の予備加熱機には、１ｋＨｚ程度の低周波誘導加熱機
２１を使用する。
【００１６】防錆充填材料注入用の防錆充填材加圧成形
機３は、図７に示す如きクロスヘッド型の防錆充填材加
圧成形機本体３１の出口側に補助加圧タンク３２を連続
配置に備え、その先端にＰＣ鋼材１の外形形状に合わせ
た成型ダイス３３が回転自在に取り付けられた構造のも
のを使用している。尚、図中３５は加熱機である。
【００１７】この防錆充填材加圧成形機３では、防錆材
である防錆充填材料３４を溶融させてクロスヘッド部に
押し出し、補助加圧タンク３２内を通過中に、図３に示
すように、該防錆充填材料３４をＰＣ鋼材外周の単素線
間の隙間より加圧注入し、ＰＣ鋼撚線の内部空隙１ｂ
（図２に示す）内を樹脂で充填させる。
【００１８】尚、外周面に付着する防錆充填材料は成型
ダイス３３により一部を残して掻き取る。
【００１９】一次被覆用合成樹脂被覆成形機５は、図８
に示すクロスヘッド型合成樹脂被覆成型機が使用され、
クロスヘッド部５１の出口に成型ダイス５２が回転自在
に設置されている。この成型ダイス５２は、図６に示す
ように、ＰＣ鋼材１の外形より樹脂被覆の厚さだけ大き
くした形状に成型されている。
【００２０】この一次被覆用の合成樹脂被覆成型機５で
は、防錆充填材加圧成形機３のクロスヘッド部にて前述
した内部空隙に防錆充填材料３４が充填された直後のＰ
Ｃ鋼材１の外周面に、溶融状態のポリエチレン系熱可塑
性樹脂からなる一次被覆合成樹脂５３を押し出し、成型
ダイス５２によって図４に示すようにＰＣ鋼材１の外周
面に所定厚さの合成樹脂一次被覆をなす。
【００２１】尚、使用する合成樹脂材料には接着促進剤
を添加したものを使用する。
【００２２】二次被覆用合成樹脂被覆成形機７は、図９
に示すクロスヘッド型合成樹脂成型機が使用され、クロ
スヘッド部にて前述した合成樹脂材料５３によって一次
被覆されたＰＣ鋼材の外周面に、溶融状態の飽和ポリエ
ステル系若しくはナイロン系の硬質熱可塑性樹脂からな
る二次被覆合成樹脂７１を押し出し、成型ダイスによっ
て図５に示すようにＰＣ鋼材１の外周面を覆った一次被
覆合成樹脂５３の外面に所定厚さの合成樹脂二次被覆層
を融着させる。
【００２３】これにより一次被覆合成樹脂５３の外周面
に、二次被覆合成樹脂７１が融着状態で一体化される。
【００２４】このようにして二次被覆が完了したＰＣ鋼
材を図示しない冷却装置に通し冷却して防錆加工を完了
する。
【００２５】尚、上述した実施例では、一次被覆の後に
二次被覆を行っているが、一次被覆と二次被覆とを同一
の装置で行ってもよい。
【００２６】この場合は、図１０に示すように、前述し
た一次被覆用合成樹脂被覆成形機５を省略し、二次被覆
用合成樹脂被覆成形機７で一次被覆及び二次被覆を行
う。
【００２７】また、図１２、図１３に示すようにＰＣ鋼
材が単線状のＰＣ鋼棒１Ａである場合には、内部空隙へ
の充填作業が不要であり、この場合は、図１４に示すよ
うに、図１に示す装置における、樹脂注入用予備加熱機
２及び防錆充填材料注入用の防錆充填材加圧成形機３に
代えて、低周波誘導加熱機２１を備えた装置によって、
同様に一次、二次の被覆を順に行わせる。
【００２８】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るＰＣ鋼材の
防錆加工方法においては、ＰＣ鋼棒又はＰＣ鋼撚線から
なるＰＣ鋼材の表面を合成樹脂防錆剤で被覆処理するに
際し、ＰＣ鋼材を予備加熱し、これを一次被覆用合成樹
脂成型機に通し、該ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤入りの
軟質熱可塑性樹脂による一次被覆を施し、次いで二次被
覆用合成樹脂成型機に通し、前記一次被覆の表面に硬質
熱可塑性樹脂を融着させて二次被覆することにより、一
次被覆が接着促進剤入りの軟質熱可塑性樹脂であるため
鋼材との接着性が高く、これに硬質の熱可塑性樹脂を融
着させるため、ＰＣ鋼材には接着しにくい硬質の熱可塑
性樹脂を強固に一体化させることができ、防錆被覆の外
表面が硬質で耐磨耗性の高い合成樹脂となすことがで
き、かつ、伸縮性に富み、大きな曲げや伸長に追随する
ことができる防錆被覆が可能となった。
【００２９】また、ＰＣ鋼撚線からなるＰＣ鋼材を予備
加熱し、これを樹脂注入用の合成樹脂加圧成形機に通
し、前記ＰＣ鋼撚線を構成している単素線間の隙間より
内部空隙内に防錆剤を加圧充填した直後に、一次被覆用
合成樹脂成形機に通し、該ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤
入りの軟質熱可塑性樹脂による一次被覆を施すことによ
り、より防錆に優れたＰＣ鋼材となる。
【００３０】更に、予備加熱は、ＰＣ鋼撚線の場合に
は、１０ｋＨｚ〜１５ｋＨｚ程度の中周波誘導加熱によ
り、ＰＣ鋼材をその内部の単素線表面まで、温度が２０
０℃を超えないように加熱すること、ＰＣ鋼棒の場合に
は、１ｋＨｚ程度の低周波誘導加熱により、ＰＣ鋼材を
その内部より表面まで、温度が２００℃を超えないよう
に加熱することにより、リラクゼーションの低下を小さ
くできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に使用する装置の概略を示
す線図である。
【図２】同上の装置により防錆被覆しようとするＰＣ鋼
撚線の断面図である。
【図３】同上の装置による内部空隙への樹脂充填後の状
態を示すＰＣ鋼撚線の断面図である。
【図４】同上の装置による一次被覆後の状態を示すＰＣ
鋼撚線の断面図である。
【図５】同上の装置による二次被覆後の状態を示すＰＣ
鋼撚線の断面図である。
【図６】同上の装置における防錆充填材加圧成形機のク
ロスヘッド部分を示す断面図である。
【図７】同上の装置における一次被覆用合成樹脂被覆成
形機のクロスヘッド部分を示す断面図である。
【図８】同一次被覆用合成樹脂被覆成形機の成型ダイス
を示す断面図である。
【図９】同上の装置における二次被覆用合成樹脂被覆成
形機のクロスヘッド部分を示す断面図である。
【図１０】本発明の他の実施形態に使用する装置の概略
を示す線図である。
【図１１】本発明に係る装置により防錆被覆しようとす
る１９本撚りのＰＣ鋼撚線を示す断面図である。
【図１２】本発明をＰＣ鋼棒に実施した一例を示す断面
図である。
【図１３】本発明をＰＣ鋼棒に実施した他の一例を示す
断面図である。
【図１４】同上の場合に使用する装置の概略を示す線図
である。
【符号の説明】
１ ＰＣ鋼材 １ａ 単素線 １ｂ 内部空隙 ２ 樹脂注入用予備加熱機 ３ 合成樹脂加圧成形機 ３１ 合成樹脂成型機本体 ３２ 補助加圧タンク ３３ 成型ダイス ３４ 空隙充填合成樹脂材料 ５ 一次被覆用合成樹脂被覆成形機 ５１ クロスヘッド部 ５２ 成型ダイス ５３ 一次被覆合成樹脂 ７ 二次被覆用合成樹脂被覆成形機 ７１ 二次被覆合成樹脂
【手続補正書】
【提出日】平成１３年２月１４日（２００１．２．１
４）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に使用する装置の概略を示
す線図である。
【図２】同上の装置により防錆被覆しようとするＰＣ鋼
撚線の断面図である。
【図３】同上の装置による内部空隙への樹脂充填後の状
態を示すＰＣ鋼撚線の断面図である。
【図４】同上の装置による一次被覆後の状態を示すＰＣ
鋼撚線の断面図である。
【図５】同上の装置による二次被覆後の状態を示すＰＣ
鋼撚線の断面図である。
【図６】同上の装置における防錆充填材加圧成形機のク
ロスヘッド部の成型ダイスを示す断面図である。
【図７】同上の装置における防錆充填材加圧成形機のク
ロスヘッド部分を示す断面図である。
【図８】同上の装置における一次被覆用合成樹脂被覆成
形機のクロスヘッド部分を示す断面図である。
【図９】同上の装置における二次被覆用合成樹脂被覆成
形機のクロスヘッド部分を示す断面図である。
【図１０】本発明の他の実施形態に使用する装置の概略
を示す線図である。
【図１１】本発明に係る装置により防錆被覆しようとす
る１９本撚りのＰＣ鋼撚線を示す断面図である。
【図１２】本発明をＰＣ鋼棒に実施した一例を示す断面
図である。
【図１３】本発明をＰＣ鋼棒に実施した他の一例を示す
断面図である。
【図１４】同上の場合に使用する装置の概略を示す線図
である。
【符号の説明】 １ ＰＣ鋼材 １ａ 単素線 １ｂ 内部空隙 ２ 樹脂注入用予備加熱機 ３ 合成樹脂加圧成形機 ３１ 合成樹脂成型機本体 ３２ 補助加圧タンク ３３ 成型ダイス ３４ 空隙充填合成樹脂材料 ５ 一次被覆用合成樹脂被覆成形機 ５１ クロスヘッド部 ５２ 成型ダイス ５３ 一次被覆合成樹脂 ７ 二次被覆用合成樹脂被覆成形機 ７１ 二次被覆合成樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2D059 AA41 BB06 BB08 GG02 GG21 2E001 DH25 DH39 EA03 FA30 GA06 GA62 GA64 GA77 HB02 HD11 2E164 AA02 AA11 AA31 BA06 DA01 3B153 AA06 AA45 AA47 CC13 CC21 CC22 CC31 CC52 CC80 DD22 DD23 FF02 FF03 GG03 GG07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ＰＣ鋼棒又はＰＣ鋼撚線からなるＰＣ鋼材
    の表面を合成樹脂防錆剤で被覆処理するＰＣ鋼材の防錆
    加工方法において、 前記ＰＣ鋼材を予備加熱し、これを一次被覆用合成樹脂
    成型機に通し、該ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤入りの軟
    質熱可塑性樹脂による一次被覆を施し、次いで二次被覆
    用合成樹脂成型機に通し、前記一次被覆の表面に硬質熱
    可塑性樹脂を融着させて二次被覆することを特徴として
    なるＰＣ鋼材の防錆加工方法。
  2. 【請求項２】ＰＣ鋼撚線からなるＰＣ鋼材を予備加熱
    し、これを樹脂注入用の合成樹脂加圧成形機に通し、前
    記ＰＣ鋼撚線を構成している単素線間の隙間より内部空
    隙内に防錆充填剤を加圧充填した直後に、一次被覆用合
    成樹脂成形機に通し、該ＰＣ鋼材の表面に接着促進剤入
    りの軟質熱可塑性樹脂による一次被覆を施す請求項１に
    記載のＰＣ鋼材の防錆加工方法。
  3. 【請求項３】予備加熱は、１０ｋＨｚ〜１５ｋＨｚ程度
    の中周波誘導加熱により、ＰＣ鋼材をその内部の単素線
    および表面まで、温度が２００℃を超えないように加熱
    する請求項１若しくは２に記載のＰＣ鋼材の防錆加工方
    法。
  4. 【請求項４】予備加熱は、１ｋＨｚ程度の低周波誘導加
    熱により、ＰＣ鋼材をその内部より表面まで、温度が２
    ００℃を超えないように加熱する請求項１に記載のＰＣ
    鋼材の防錆加工方法。
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