JP3870395B2 - 防錆被覆鋼撚線及びその防錆加工方法。 - Google Patents

防錆被覆鋼撚線及びその防錆加工方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として張弦梁用の緊張用弦材やプレストレスト構造物用外ケーブル等の緊張材に用いるための防錆被覆鋼撚線及びその防錆加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、7本撚り、19本撚り等、複数鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線を合成樹脂被覆することにより防錆加工する技術が開発されており、図14に示すように、鋼撚線を構成している各単素線1a,1a…間の内部空隙に合成樹脂材2を充填するとともに、鋼撚線1の外周面に同じ合成樹脂材2の被覆を施して防錆被覆鋼撚線4としている。この従来の防錆被覆鋼撚線4は、その外周面は鋼撚線1の外形に合わせて被覆がなされており、外周には鋼撚線の外周形状に沿った螺旋状凹部5a及び凸部5bが形成される。
【0003】
このような防錆被覆鋼撚線4は、従来、斜張橋等の橋梁の斜材やプレストレスト構造物の緊張材、張弦梁用の緊張弦材として利用されているが、近年において、多数の防錆被覆鋼撚線4を束ねた状態で、プレストレスト構造物を構成させるための外ケーブルとして使用されている。
【0004】
一般に、外ケーブルを使用したプレストレスト構造物は、例えば、図15に示すように、構造物6にプレストレスを導入するに際し、外ケーブル(緊張材)7を、構造物6に設置したデビエーター8,8…に接触させて偏向させるとともに、両端部7a,7aを構造物6の両端部に定着させて緊張することにより構造物6にプレストレスを付与している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の防錆被覆鋼撚線4を多数束ねて外ケーブル7として使用する場合、束ねられた防錆被覆鋼撚線4の内、デビエーター8に近い位置にあって曲率半径の小さいものと、デビエーター8から離れた位置にあって曲率半径の大きいものとでは、緊張の際に移動長さが異なることとなるとともに、緊張された状態で、構造物6に交番荷重が加わる毎にデビエーター8部分で長手方向の往復移動長さが異なり、各防錆被覆鋼撚線4,4相互間で滑りが生じることとなる。
【0006】
一方、各防錆被覆鋼撚線4は、図16に示すように、表面に螺旋状凹凸部5a,5bがあるため、上述のように、防錆被覆鋼撚線4,4間に滑りが生じる際に、凸部同士が点接触してその接触部分に応力が集中したり、凹凸部5a,5bが互いに嵌りあって相互間の移動に支障を来たしたりする状況が発生し、これによって鋼撚線1の外周を被覆している合成樹脂材2が剥離される事態が生じ、防錆効果が著しく損なわれてしまうという問題があった。
【0007】
また、構造物6に交番荷重が加わって振動することにより、防錆被覆鋼撚線4,4相互間にフレッチング現象が発生し、防錆被覆合成樹脂材が損傷され防錆効果を損なうという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術の状況を鑑み、プレストレスト構造物の外ケーブルとして使用した場合等のように、外周面に大きな摩擦力が付加されるような場合にあっても、外周の防錆被覆が損傷され難く、しかも安価な防錆被覆鋼撚線及びその防錆加工方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の防錆被覆鋼撚線に係る発明の特徴は、複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線の各単素線間内部空隙に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材が充填されるとともに、これと一体に前記鋼撚線の外周の各単素線間の螺旋状凹部を埋めた状態で該鋼撚線の外周を軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で被覆した一次被覆がなされ、該一次被覆の外周に融着させて硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により外周被覆がなされている防錆被覆鋼撚線において、前記一次被覆の断面の外周が、頂点に丸みを帯びた多角形状をなし、該多角形状は前記鋼撚線を構成する外周側の単素線の鋼撚線外周側をその頂点とし、前記螺旋状凹部を埋めた防錆材の外周を、各頂点間を直線で結ぶ平らな面とし、該一次被覆の外周に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材による前記外周被覆が全周に亘って略均一な厚さに備えられていることにある。
【0010】
請求項2に記載の防錆被覆鋼撚線の防錆加工方法に係る発明の特徴は、複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線を予備加熱し、これを前記鋼撚線の外径より樹脂被覆厚さだけ大きくした内径の円形状をした成形ダイスを使用した一次被覆処理用合成樹脂被覆成形機に通して該鋼撚線の各単素線間内部空隙内に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材を加圧注入させ、かつ該鋼撚線の外周の螺旋状凹部内を前記軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で埋めるとともに外周を被覆して、断面の外周が略円形の一次被覆処理を施し、該一次被覆処理による軟質熱可塑性合成樹脂防錆材の冷却固化前に、外面被覆用合成樹脂成形機に通して前記固化前の一次被覆の外周面に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により全周に亘って略均一な厚さの外面被覆を施して該外面被覆を前記固化前の一次被覆外面に融着させ、然る後、冷却機に通して冷却することにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る防錆被覆鋼撚線の実施の形態を図1〜図7について説明する。尚、上述の従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0012】
図1、図2は本発明に係る防錆被覆鋼撚線の実施例を示している。この防錆被覆撚線Bは、図3、図4に示す防錆被覆鋼撚線Aの外周の被覆12を一次被覆とし、その外周に全周に亘って略均一な厚さの外周被覆13を有している。この防錆被覆鋼撚線Aは、所謂7本撚りの鋼撚線1の内部空隙を、接着促進剤入りの熱可塑性合成樹脂材で埋める内部充填11が施されていると共に、外周を同じ合成樹脂材による被覆12がなされている。
【0013】
鋼撚線1は、図5に示すように、1本の芯線1Aの外周に6本の側線1a,1a……を螺旋状に巻きつけて撚り合わせた7本の単素線によって構成され、外周には各側線1a,1a間位置に螺旋状の凹部1c,1c……が形成されているとともに、芯線1Aとその周囲の側線1a,1aによって囲まれた単素線間内部空隙1b、1b……を有している。
【0014】
内部充填11及び被覆12は同一の樹脂材料によって一体に形成されており、これらによって単素線からなる芯線1A及び各側線1a,1a……の外周が防錆被覆されているとともに、同樹脂材料によって前記螺旋状の凹部1c内が埋められている。
【0015】
また、各単素線間螺旋状凹部内を埋めた被覆12の外周形状は、図4の断面図に示すように、各側線1a,1a……の鋼撚線外面側を頂点とし、該頂点に丸みを持たせた多角形状となっており、前記各頂点間を直線で結ぶ平らな面1dが形成されるように単素線間螺旋状凹部内を埋めている。
【0016】
前記防錆被覆鋼撚線Aの内部充填11と外周の被覆12の熱可塑性合成樹脂としては、ポリエチレン系合成樹脂等の軟質熱可塑性合成樹脂材を使用しており、防錆被覆撚線Bの外周被覆13の材料としては飽和ポリエステル系若しくはナイロン系等の硬質熱可塑性合成樹脂防錆材を使用する。
【0017】
また、外周被覆13外面には、図6(A)〜(C)に示すように、螺旋状の溝からなる被覆表面凹部14a,14a…、インデント14b,14b…或いは連続した螺旋状(斜め)の溝14cを形成することにより外周被覆13の外周表面に表面凹凸部を形成してもよい。
【0018】
この防錆被覆鋼撚線Bは,これを複数本束にし、外ケーブル15として用いる場合において、図7に示すように、隣り合う防錆被覆鋼撚線B間は線又は面で接触することとなり、図15に示す従来例と同様の用途に使用した場合には、デビエーター8の部分で腹圧力からなる外力が加わっても応力は分散される。また、外周面に螺旋状の凹部がないため防錆被覆鋼撚線B同士が係止し合うこともない。しかも、最外周面には硬質熱可塑性合成樹脂防錆材による外周被覆13があるため、防錆被覆鋼撚線B,B相互間に滑りが生じても、外周被覆13が損傷され難い。
【0019】
また、外周被覆13の外周表面に凹凸部を設けることで防錆被覆鋼撚線B,B同士の接触面積が減少し、防錆被覆鋼撚線同士の摩擦が軽減する。
【0020】
次に上述した実施例における防錆被覆鋼撚線Bの防錆加工方法について説明する。
【0021】
図8は前述した防錆被覆鋼撚線Bの防錆加工方法を実施するための装置の概略構成を示しており、図において、20は予備加熱機、21は合成樹脂内部充填兼用の一次被覆処理用合成樹脂成形機、22は外周被覆用合成樹脂成形機、23は冷却機である。
【0022】
予備加熱機20は、防錆被覆処理しようとする鋼撚線1を予め加熱するものであり、この加熱機には、誘導加熱方式による装置を使用し、10kHz〜15kHz程度の比較的周波数の低い中周波数領域にて加熱を行うことが好ましい。中周波数領域で加熱させることにより鋼撚線1内部への熱の伝わりがよくなる。また、全体が200℃を超えないように加熱することが好ましく、これによってリラクゼーションの上昇が防止できる。
【0023】
一次被覆処理用合成樹脂成形機21は、図9に示す如きクロスヘッド型の合成樹脂成形機を使用している。この成形機21には、クロスへッド部211の先端延長方向に補助加圧ヘッド212が接合され、その先端に成形ダイス213が備えられている。
【0024】
成形ダイス213は、図10に示すように、内周を鋼撚線1の外形より樹脂被覆の厚さだけ大きくした円形状に成形したものを使用している。尚、図中214は加熱機である。
【0025】
この一次被覆処理用合成樹脂成形機21では、クロスへッド部211及び補助加圧ヘッドの212の中心に鋼撚線1を通して連続送りさせ、この間に接着促進剤を添加したポリエチレン系の軟質熱可塑性合成樹脂防錆材24を溶融させてクロスヘッド部211内に押し出し、補助加圧ヘッド212内を通過中に、前記防錆材24を鋼撚線1の外周より単素線間の空隙を通して内部空隙1b内に加圧注入させる。
【0026】
これと同時に、鋼撚線1外周の螺旋状凹部1c,1c…を防錆材24で埋めるとともに、鋼撚線1の外周前面を防錆材24で被覆させる。これにより外周が略円形の一次被覆がなされる。
【0027】
これにより内部充填11と単素線間螺旋状凹部1cを埋めた被覆12とが同時になされる。
尚、この例では、クロスヘッド型の成形機を用いて各単素線1a,1a…間に防錆材24を充填した例について説明したが、その他にも単素線の捩りを一旦ほぐした状態で単素線間に防錆材を充填し、その後撚りを元に戻す方法等を用いてもよい。
【0028】
このように一次被覆処理用合成樹脂成形機21にて内部充填と同時に一次被覆処理された一次被覆処理鋼撚線25を外周被覆用合成樹脂成形機22に通し、その外周に外周被覆13を被着させる。外周被覆用合成樹脂成形機22は、図11に示すクロスヘッド型合成樹脂成形機を使用している。この成形機22のクロスヘッド部221の先端に成形ダイス222が装着されている。
【0029】
成形ダイス222は、図12に示すように、被覆処理用合成樹脂成形機21で一次被覆処理された一次被覆処理鋼撚線25外面形状より外周被覆13分だけ大きくした形状に成形したものを使用している。
【0030】
この例では、一次被覆処理用合成樹脂成形機21においてポリエチレン系合成樹脂等の軟質熱可塑性合成樹脂材を使用して内部充填及び一次被覆を施し、その表面に、飽和ポリエステル系若しくはナイロン系の硬質熱可塑性合成樹脂防錆材26からなる外周被覆13を融着させる。
【0031】
これにより一次被覆12の外周面に、外周被覆13が融着状態で一体化され、これが冷却機23に送り込まれる。この冷却機23で冷却させることにより、一次被覆12及び外周被覆13が略同時に固化される。この冷却の際に各合成樹脂防錆材が収縮されるが、鋼撚線の外周には螺旋状の凹凸があるため、凹部と凸部とでは被覆の厚みに差ができ、そのため樹脂が冷えて収縮する際に「引け」と呼ばれる現象が起こり、被覆の厚みが大きい部分が大きく引けることとなり、防錆被覆鋼撚線の断面形状は円形にならず、図2に示すように丸みを帯びた六角形状となる。
【0032】
尚、上述の実施例では7本撚りの鋼撚線について説明したが、例えば図13に示すように、19本撚り等の多数本撚りでもよい。
【0033】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る防錆被覆鋼撚線は、複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線の各単素線間内部空隙に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材が充填されるとともに、これと一体に前記鋼撚線の外周の各単素線間の螺旋状凹部を埋めた状態で該鋼撚線の外周を軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で被覆した一次被覆がなされ、該一次被覆の外周に融着させて硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により外周被覆がなされている防錆被覆鋼撚線において、前記一次被覆の断面の外周が、頂点に丸みを帯びた多角形状をなし、該多角形状は前記鋼撚線を構成する外周側の単素線の鋼撚線外周側をその頂点とし、前記螺旋状凹部を埋めた防錆材の外周を、各頂点間を直線で結ぶ平らな面とし、該一次被覆の外周に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材による前記外周被覆が全周に亘って略均一な厚さに備えられていることにより、防錆被覆鋼撚線相互間に滑りが生じても、外周被覆が損傷され難いものとなる。
【0034】
本発明に係る防錆被覆鋼撚線の防錆加工方法は、複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線を予備加熱し、これを前記鋼撚線の外径より樹脂被覆厚さだけ大きくした内径の円形状をした成形ダイスを使用した一次被覆処理用合成樹脂被覆成形機に通して該鋼撚線の各単素線間内部空隙内に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材を加圧注入させ、かつ該鋼撚線の外周の螺旋状凹部内を前記軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で埋めるとともに外周を被覆して、断面の外周が略円形の一次被覆処理を施し、該一次被覆処理による軟質熱可塑性合成樹脂防錆材の冷却固化前に、外面被覆用合成樹脂成形機に通して前記固化前の一次被覆の外周面に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により全周に亘って略均一な厚さの外面被覆を施して該外面被覆を前記固化前の一次被覆外面に融着させ、然る後、冷却機に通して冷却することにより、被覆後の成型ダイスの形状が単純化されるために、作業機械が簡素化され安価に防錆加工を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防錆被覆鋼撚線の実施例を示す部分破断側面図である。
【図2】 同上のB−B線断面図である。
【図3】 同上の防錆被覆鋼撚線の防錆加工前の鋼撚線を示す横断面図である。
【図4】 同上の一次被覆後の鋼撚線を示す部分破断側面図である。
【図5】 同上のA−A線断面図である。
【図6】 (A)は図1中の防錆被覆鋼撚線の外周被覆表面に螺旋状の溝を設けた例を示す側面図、(B)は同外周被覆表面にインデントを設けた例を示す側面図、(C)は同外周表面に螺旋(斜め)溝を設けた例を示す側面図である。
【図7】 本発明に係る防錆被覆鋼撚線を束ねた外ケーブルを示す断面図である。
【図8】 本発明に係る防錆被覆鋼撚線の防錆被覆加工に用いる装置の一例を示す概略図である。
【図9】 図8中の装置おける一次被覆処理用合成樹脂成形機のクロスヘッド部を示す縦断面図である。
【図10】 同上の一次被覆処理用合成樹脂成形機のクロスヘッド部の成形ダイスを示す断面図である。
【図11】 同上の外周被覆用合成樹脂成形機のクロスヘッド部を示す縦断面図である。
【図12】 同上の装置における外部被覆用合成樹脂成形機のクロスヘッド部の成形ダイスを示す断面図である。
【図13】 本発明における一次被覆を施した後の鋼撚線の他の例を示す断面図である。
【図14】 従来の防錆被覆鋼撚線の一例を示す横断面図である。
【図15】 従来の外ケーブル工法の概略を示す側面図である。
【図16】 同上の外ケーブルの鋼撚線相互の接触状態を示す側面図である。
【符号の説明】
A,B 防錆被覆鋼撚線
1 鋼撚線
1A 芯線
1a 単素線(鋼線)
11 内部充填
12 一次被覆
13 外周被覆
14 表面凹凸部
15 外ケーブル
20 予備加熱機
21 一次被覆処理用合成樹脂成形機
211 クロスヘッド
212 補助加圧ヘッド
213 成形ダイス
214 加熱機
22 外周被覆用合成樹脂成形機
221 クロスヘッド部
222 成形ダイス
23 冷却機
24 軟質熱可塑性合成樹脂防錆材
25 一次被覆処理鋼撚線
26 硬質熱可塑性合成樹脂防錆材

Claims (2)

  1. 複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線の各単素線間内部空隙に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材が充填されるとともに、
    これと一体に前記鋼撚線の外周の各単素線間の螺旋状凹部を埋めた状態で該鋼撚線の外周を軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で被覆した一次被覆がなされ、
    該一次被覆の外周に融着させて硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により外周被覆がなされている防錆被覆鋼撚線において、
    前記一次被覆の断面の外周が、頂点に丸みを帯びた多角形状をなし、該多角形状は前記鋼撚線を構成する外周側の単素線の鋼撚線外周側をその頂点とし、前記螺旋状凹部を埋めた防錆材の外周を、各頂点間を直線で結ぶ平らな面とし、
    該一次被覆の外周に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材による前記外周被覆が全周に亘って略均一な厚さに備えられていることを特徴としてなる防錆被覆鋼撚線。
  2. 複数の鋼製単素線を撚り合わせた鋼撚線を予備加熱し、
    これを前記鋼撚線の外径より樹脂被覆厚さだけ大きくした内径の円形状をした成形ダイスを使用した一次被覆処理用合成樹脂被覆成形機に通して該鋼撚線の各単素線間内部空隙内に軟質熱可塑性合成樹脂防錆材を加圧注入させ、かつ該鋼撚線の外周の螺旋状凹部内を前記軟質熱可塑性合成樹脂防錆材で埋めるとともに外周を被覆して、断面の外周が略円形の一次被覆処理を施し、
    該一次被覆処理による軟質熱可塑性合成樹脂防錆材の冷却固化前に、外面被覆用合成樹脂成形機に通して前記固化前の一次被覆の外周面に硬質熱可塑性合成樹脂防錆材により全周に亘って略均一な厚さの外面被覆を施して該外面被覆を前記固化前の一次被覆外面に融着させ、
    然る後、冷却機に通して冷却することを特徴とする請求項1に記載の防錆被覆鋼撚線の製造方法。
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