JP2002201159A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法および(メタ)アクリル酸エステル製造用触媒 - Google Patents
(メタ)アクリル酸エステルの製造方法および(メタ)アクリル酸エステル製造用触媒Info
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Abstract
固体触媒を用いて、反応途中で重合物の生成および着色
がなく高い反応率で高純度の(メタ)アクリル酸エステ
ルを製造する方法を提供する。 【解決手段】 触媒として、酸化カルシウム、水酸化
カルシウムおよび酸化マグネシウムから選ばれる少なく
とも一種の化合物とLiaX(式中、Xはヒドロキシ
基、酸素原子、炭酸イオン、1〜6個の炭素原子を有す
るカルボン酸陰イオンまたは1〜4個の炭素原子を有す
るアルコキシ基であり、aはXの価数を満たす整数)で
表されるリチウム化合物を用い、かつ重合防止剤として
N−オキシル化合物を用いて、メチル(メタ)アクリレ
ートと、炭素数3〜20のアルコールまたは炭素数6〜
20のフェノール類とのエステル交換反応を行うことを
特徴とする。
Description
エステルのエステル交換法による製造方法に関する。
酸エステルの製造法としては、チタン系触媒やスズ系触
媒を使用する方法などが知られている。酸化カルシウム
を触媒に用いる方法として、例えば特開昭50−142
513号公報ではジメチルアミノエチルメタクリレート
またはジメチルアミノエチルアクリレートの製造法が開
示され、特開昭61−50940号公報では酸化カルシ
ウムおよびリチウム含有化合物を触媒として用いた(メ
タ)アクリル酸エステルの製造法が開示されている。一
方、テトラアルキルチタネート触媒を用いる方法とし
て、例えば特開平1−258642号公報には立体障害
フェノールを重合防止剤として組み合わせる方法が開示
され、特開平4−66555号公報には原料アルコール
のアルキル基と同一のアルキル基を持つテトラアルキル
チタネートを用いる方法が開示されている。また、特開
平5−320205号公報および特開平5−32021
7号公報では、特定のN−オキシル化合物を単独である
いはその他の重合防止剤と併せて用いる重合防止方法が
記載されている。
50−142513号公報あるいは特開昭61−509
40号公報記載の方法で(メタ)アクリル酸エステルを
製造する場合には重合防止剤の選択によって反応途中で
著しく重合が進行したり、反応終了時の反応液が著しく
着色し、その後に洗浄および/あるいは蒸留といった精
製操作が必要であった。特開平1−258642号公報
記載の方法は、高い反応率で反応を行うと、触媒由来の
アルコール又はそのエステルが反応系に混入するという
問題があった。また、特開平4−66555号公報記載
の方法は、原料アルコールに応じて触媒を用意する必要
があり、原料アルコールの種類によっては市販品の触媒
が存在しないために、その都度触媒から製造しなければ
ならないという問題があった。さらに、これらの技術で
は触媒が反応液に溶け込み、生成したエステル体を蒸留
などの操作によって分離する必要があった。
の反応液から(メタ)アクリル酸エステルを分離する際
に、蒸留操作を特に必要とせず、濾過操作により重合物
や着色の少ない(メタ)アクリル酸エステルを製造する
方法、およびこのような用途に使用できる(メタ)アク
リル酸エステル製造用触媒を提供することにある。
化カルシウム、水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウ
ムから選ばれる少なくとも一種の化合物とLiaX(式
中、Xはヒドロキシ基、酸素原子、炭酸イオン、1〜6
個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオンまたは1〜4
個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、aはXの価
数を満たす整数)で表されるリチウム化合物を用い、か
つ重合防止剤としてN−オキシル化合物を用いて、メチ
ル(メタ)アクリレートと、炭素数3〜20のアルコー
ルまたは炭素数6〜20のフェノール類とのエステル交
換反応を行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸エス
テルの製造方法であり、特にN−オキシル化合物が下記
一般式(1)で示されるN−オキシル化合物、下記式
(2)で示されるシクロヘキサン−1−スピロ−2’−
(4’−オキソイミダゾリジン−1’−オキシル)−
5’−スピロ−1''−シクロヘキサンのうちから選ばれ
た少なくとも一種のN−オキシル化合物であることを特
徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であ
る。
〜12のアルキル基であって直鎖状でも分岐状でもよ
い。さらにR1とR2および/またはR3とR4は互いに環
を形成していてもよい。R5はH、OH、OR、OCO
R、NHCORまたはO−[(EO)n+(PO)m]−
H、R6はH、またはR5とR6は一緒になって=Oを表
す。尚、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8
のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数
7〜12のアラルキル基を示し、EOはエチレンオキシ
基を、POはプロピレンオキシ基を示し、nおよびmは
同一または異なる0〜10の整数であってnおよびmが
同時に0になることはない。)
化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種の化合物と
LiaX(式中、Xはヒドロキシ基、酸素原子、炭酸イ
オン、1〜6個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオン
または1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基であ
り、aはXの価数を満たす整数)で表されるリチウム化
合物を含む(メタ)アクリル酸エステルのエステル交換
反応用触媒である。
ルシウム、水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムか
ら選ばれる少なくとも一種の化合物とLiaX(式中、
Xはヒドロキシ基、酸素原子、炭酸イオン、1〜6個の
炭素原子を有するカルボン酸陰イオンまたは1〜4個の
炭素原子を有するアルコキシ基であり、aはXの価数を
満たす整数)で表されるリチウム化合物を用いることに
より、反応終了後、濾過などの簡単な操作によって容易
に短時間で触媒を反応液から分離することができる。そ
の際、触媒としてはカルシウム含有化合物およびリチウ
ム含有化合物を用いることが重要で、どちらか一方がな
い場合には反応時間が長くなり、生産性の低下あるいは
重合の進行などを招く。
キシル化合物である必要がある。N−オキシル化合物
は、通常用いられるヒドロキノン、ヒドロキノンモノメ
チルエーテルなどのフェノール系あるいはアミン系重合
防止剤に比べて重合抑制効果は極めて高く、反応終了後
の反応液が着色することはない。さらに、N−オキシル
化合物は、系内に過剰にある(メタ)アクリル酸エステ
ルと反応しても、重合防止効果が全く損なわれることが
ない。従って、特開平1−258642号公報のように
バルキーな基を導入して反応性を小さくした立体障害フ
ェノールを用いる必要がない。また、少量で優れた重合
防止効果が期待される。
シウムおよび酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも
一種の化合物およびLi含有化合物を触媒に用い、N−
オキシル化合物を重合防止剤に用いることにより、反応
終了後の生成物からの触媒の分離が容易で着色がなく高
い反応率で(メタ)アクリル酸エステルを製造すること
ができる。
造方法において原料であるメチル(メタ)アクリレート
は、慣用されるようにメチルアクリレートまたはメチル
メタクリレートをいう。また本発明において、メチル
(メタ)アクリレートと反応させるアルコールまたはフ
ェノール類は、アルコールについては炭素数3〜20、
フェノール類については炭素数6〜20である。
ルコキシアルカノール類、アルケノキシアルカノール
類、アルケノール類、フェノキシアルカノール類、シク
ロアルカノール類、アルキルシクロアルカノール類、シ
クロアルキルアルカノール類、フェニルアルカノール
類、アルキルフェニルアルカノール類、ハロアルカノー
ル類、シアノアルカノール類、アミノアルカノール類な
どが挙げられる。
の中でも、アルカノール類、アルケノール類、アミノア
ルケノール類が好ましく、アルカノール類が特に好まし
い。
ては、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール、n
−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノー
ル、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ラウ
リルアルコール、ステアリルアルコール、トリデカノー
ル、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、シクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサノール、4−ターシャリーブチルシクロヘキ
サノール、フェノール、ベンジルアルコール、1−フェ
ニルエチルアルコール、2−フェニルエチルアルコー
ル、フェノキシエタノール、メトキシエタノール、エト
キシエタノール、ブトキシエタノール、アリルアルコー
ル、メタリルアルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペ
ンチルグリコールなどが挙げられるがこれに限定される
ものではない。
コールまたはフェノール類との仕込み混合比率は、任意
に設定することができるが、目的とする(メタ)アクリ
ル酸エステル化合物の生産性の観点からアルコールまた
はフェノール類1モルに対して、通常メチル(メタ)ア
クリレート0.1〜10.0モルであり、好ましくは
0.3〜4.0モルである。
ウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよびLi
aX(式中、Xはヒドロキシ基、酸素原子、炭酸イオ
ン、1〜6個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオンま
たは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、
aはXの価数を満たす整数)で表されるリチウム化合物
のそれぞれは市販品をそのまま用いても良いが、酸化カ
ルシウムに関しては酸素含有気体流通下任意の温度で焼
成してから用いても良い。また、LiaXの具体例とし
ては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酸化リチウム、
酢酸リチウム、リチウムメチラートなどが挙げられる。
されるアルコールまたはフェノール類に対して、0.0
1〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%であ
り、LiaXが必須であって、酸化カルシウム、水酸化
カルシウムおよび酸化マグネシウムはいずれか一種類を
用いても良いが、任意の混合物であっても良い。触媒使
用量は少なすぎると、(メタ)アクリル酸エステルの収
率が低下したり、未反応物の回収量が増えたり、反応時
間が長くなって生産性が低下する場合がある。また、多
すぎても、(メタ)アクリル酸エステルの収率や、反応
時間等が大きく変化することはなく、ただ単に触媒使用
量の増大をもたらすだけである。この時のLiaXの使
用量は総合触媒に対して任意に設定することができる。
また、触媒の反応液への添加方法はこれら触媒をあらか
じめ混合してから添加しても良く、それぞれの触媒を任
意の順位で順次添加しても良い。
−オキシル化合物であり、前記一般式(1)中で、
R1、R2、R3、R4は炭素数が1〜8のアルキル基であ
って直鎖状でも分岐状でもよい。さらにR1とR2および
/またはR3とR4は互いに環を形成していてもよい。R
5はH、OH、OR、OCOR、NHCORまたはO−
[(EO)n+(PO)m]−H、R6はH、またはR5と
R6は一緒になって=Oを表す。尚、Rは炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6
〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基を
示し、EOはエチレンオキシ基を、POはプロピレンオ
キシ基を示し、nおよびmは同一または異なる0〜10
の整数であってnおよびmが同時に0になることはな
い。
[(EO)n+(PO)m]−Hについては、エチレンオ
キシ基とプロピレンオキシ基の配列は自由に選択するこ
とができる。例えば、エチレンオキシ基とプロピレンオ
キシ基とが相互にランダムに配列しているような場合
や、それぞれがいくつかのブロックに分かれて配列して
いるような場合であっても、エチレンオキシ基の数の和
がnであってプロピレンオキシ基の数の和がmである場
合は、この表記に含まれるものである。
5の直鎖または分岐アルキル基が好ましく、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル等を挙げることができる。この
中でもメチルおよびエチルが好ましい。
チル、プロピル、フェニル、ベンジル等のOR;Rがメ
チル、エチル、ベンジル、ビニル、アリル等のOCO
R;Rがメチル、エチル、ビニル、プロピル等のNHC
OR;およびジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等の水酸基の水素を除いたO−[(EO)n+
(PO)m]−Hを挙げることができる。また、R6とし
ては、Hが好ましい。
N−オキシル化合物の例として、2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシ
ル、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−N−オキシル、4−アクリロイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキ
シル、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−
N−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、
4−フェノキシ−2,2,6,6−ピペリジン−N−オ
キシル、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルアミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキ
シル、4−アクリロイルアミノ−2,2,6,6ーテト
ラメチルピペリジン−N−オキシル、4−メタクリロイ
ルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−
N−オキシル、4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン−Nーオキシル、4−シンナ
モイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン−N−オキシル、4−クロトニルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−
プロピオニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−N−オキシル、4−ブチリルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン−N−
オキシル、4−[H−(EO)2−O]−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−[H
−(EO)4−O]−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン−N−オキシル、4−[H−(EO)6−O]
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキ
シル、4−[H−(EO)8−O]−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−[H−
(EO)10−O]−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−N−オキシル、4−[H−[(EO)2+(P
O)4]−O]−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−N−オキシル、4−[H−[(EO)4+(P
O)3]−O]−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−N−オキシル、4−[H−[(EO)6+(P
O)3]−O]−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−N−オキシル、4−[H−(PO)10−O]−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシ
ル、4−[H−(PO)6−O]−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−N−オキシル、4−[H−
[(EO)5+(PO)10]−O]−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−N−オキシル等が挙げられる
がこれに限定されるものではない。表1および表2にこ
れらの化合物およびその他のオキシル化合物の代表例を
示した。
サン−1−スピロ−2’−(4’−オキソイミダゾリジ
ン−1’−オキシル)−5’−スピロ−1''−シクロヘ
キサンを用いてもよい。
使用できるが、2種類以上併用してもよい。
メチル(メタ)アクリレートの量に対して通常0.01
〜5000ppm、好ましくは0.1〜1000pp
m、より好ましくは1〜100ppmである。N−オキ
シル化合物が少なすぎると充分な重合防止効果を得るの
が困難となる場合があり、製品である(メタ)アクリル
酸エステルの収率が低下する。一方、多すぎても、重合
防止効果に大きな差は認められない。
は、流動床、固定床式あるいは攪拌式等一般に用いられ
る手法を使用することができ、流通式、回分式のいずれ
の方法であってもよい。また、本発明で用いる触媒は固
体触媒であるため、反応液と触媒の分離は極めて容易で
ある。即ち、反応を回分式反応装置を用いて行う場合
は、反応終了後反応液をろ過ないしデカンテーションに
より分離することができる。さらに、分離した触媒分は
繰り返しエステル交換反応に使用することができる。ま
た管型流通式反応器を用いる場合は、触媒を反応器内に
充填し固定床にすることにより、反応液のみを取り出す
ことができる。反応液中には目的である(メタ)アクリ
ル酸エステルと原料の未反応メチル(メタ)アクリレー
トあるいはアルコール、さらに重合防止剤が含まれ、減
圧下で未反応メチル(メタ)アクリレートあるいはアル
コール、フェノール類を留去して製品としても良いが、
必要に応じて減圧下に蒸留精製又は抽出操作により(メ
タ)アクリル酸エステルを高純度、高品質で得ることも
できる。
れの圧力下においても実施でき、さらに反応温度は特に
制限はなく、設定圧力における反応溶液の沸点温度で自
由に設定することができるが、反応速度論の面からは高
温の方が望ましい。ただし、(メタ)アクリル酸エステ
ルの場合は重合防止の観点から150℃以下であること
が好ましい。
クリレートから副生するメタノールは(メタ)アクリル
酸エステル又は適当な溶媒との共沸混合物として反応系
外に取り出すことも可能である。
くなることによって知ることができるが、反応系内の仕
込みアルコールが完全に消費されることによって知るこ
ともできる。
説明する。使用したN−オキシル化合物は表1または表
2に示した化合物番号で表示した。メタクリル酸メチル
はMMA、アクリル酸メチルはMAと略記する。また、
反応液中の成分分析および得られた(メタ)アクリル酸
エステルの純度は、ガスクロマトグラフィーを用いて分
析した。なお、本明細書で用いる転化率の定義は以下の
通りである。 転化率(%)=(反応した原料アルコールモル数/供給
した原料アルコールモル数)×100 収率(%)=(得られた(メタ)アクリル酸エステルの
モル数/供給した原料アルコールのモル数)×100 また、製品への着色度は吸光光度計を用いて、露光長1
00mmのセルにおける417nmの水に対する吸光度
を測定することによって評価した。
を備えた還流装置を用い、2L容の側管付き四つ口フラ
スコに、MMA804g(8モル)、ラウリルアルコー
ル495g(2.7モル)、酸化カルシウム24.8g
(ラウリルアルコールに対して5質量%)、水酸化リチ
ウム12.4g(ラウリルアルコールに対して2.5質
量%)および0.0068g(8.5ppm対MMA)
のN−オキシル化合物8をフラスコ内に仕込み、空気気
流下に攪拌して6時間エステル交換反応を行った。反応
液をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、
99.3%の原料ラウリルアルコールがメタクリル酸ラ
ウリルに転化していた。この間、反応で生成するメタノ
ールはMMAとの共沸で系外に除去した。このとき反応
液の温度は104℃から120℃まで上昇したが、釜お
よび塔には重合物の残渣や付着物は全くなかった。次
に、この反応液を常圧にて濾過を行い触媒を分離した
後、80℃に加熱し、徐々に系を減圧状態とし最終的に
10kPaの減圧下までMMAを留去した。この結果、
純度99.8%のメタクリル酸ラウリル673g(ラウ
リルアルコールに対する収率98.0%)を得た。ま
た、得られたメタクリル酸ラウリルの417nmにおけ
る吸光度は0.06であった。
料アルコールと触媒および重合防止剤を用いた以外は実
施例1と同様にエステル交換反応を行い、表3に示した
反応温度、反応時間、アルコール基準転化率、吸光度で
対応するメタクリル酸エステルを得た。
および塔には重合物の残渣や付着物は全くなかった。
ロキノンを0.008g(MMAに対して10ppm)
用いた他は、実施例1と同様にして空気気流下に攪拌し
てエステル交換反応を行った。反応時間6時間における
転化率は99.0%であったが、反応終了後の反応液は
黄色く着色し、重合物が発生してろ過を行うことができ
なかった。
化合物に比べて着色を促進するだけではなく、重合防止
効果も著しく劣る。
ロキノンを0.08g(MMAに対して100ppm)
用いた他は、実施例1と同様にして空気気流下に攪拌し
てエステル交換反応を行った。反応時間6時間における
転化率は99.2%、ラウリルアルコールに対する収率
は97.3%であった。また、得られたメタクリル酸ラ
ウリルの417nmにおける吸光度は1.73であっ
た。
化合物に比べて着色性において著しく劣る。
ロキノンモノメチルエーテルを0.08g(MMAに対
して100ppm)用いた他は、実施例1と同様にして
空気気流下に攪拌してエステル交換反応を行った。反応
時間6時間における転化率は99.5%、ラウリルアル
コールに対する収率は96.3%であった。また、得ら
れたメタクリル酸ラウリルの417nmにおける吸光度
は0.25であった。
テルはN−オキシル化合物に比べて着色性において著し
く劣る。
らの触媒の分離が容易で、重合、着色がなく高い反応率
で高純度の(メタ)アクリル酸エステルを製造すること
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 触媒として、酸化カルシウム、水酸化カ
ルシウムおよび酸化マグネシウムから選ばれる少なくと
も一種の化合物とLiaX(式中、Xはヒドロキシ基、
酸素原子、炭酸イオン、1〜6個の炭素原子を有するカ
ルボン酸陰イオンまたは1〜4個の炭素原子を有するア
ルコキシ基であり、aはXの価数を満たす整数)で表さ
れるリチウム化合物を用い、かつ重合防止剤としてN−
オキシル化合物を用いて、メチル(メタ)アクリレート
と、炭素数3〜20のアルコールまたは炭素数6〜20
のフェノール類とのエステル交換反応を行うことを特徴
とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 N−オキシル化合物が下記一般式(1)
で示されるN−オキシル化合物、下記式(2)で示され
るシクロヘキサン−1−スピロ−2’−(4’−オキソ
イミダゾリジン−1’−オキシル)−5’−スピロ−
1’’−シクロヘキサンのうちから選ばれた少なくとも
一種のN−オキシル化合物であることを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの製造方法。 【化1】 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4は炭素数が1〜12のアル
キル基であって直鎖状でも分岐状でもよい。さらにR1
とR2および/またはR3とR4は互いに環を形成してい
てもよい。R5はH、OH、OR、OCOR、NHCO
RまたはO−[(EO)n+(PO)m]−H、R6は
H、またはR5とR6は一緒になって=Oを表す。尚、R
は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニ
ル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12の
アラルキル基を示し、EOはエチレンオキシ基を、PO
はプロピレンオキシ基を示し、nおよびmは同一または
異なる0〜10の整数であってnおよびmが同時に0に
なることはない。) - 【請求項3】 水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウ
ムから選ばれる少なくとも一種の化合物とLiaX(式
中、Xはヒドロキシ基、酸素原子、炭酸イオン、1〜6
個の炭素原子を有するカルボン酸陰イオンまたは1〜4
個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、aはXの価
数を満たす整数)で表されるリチウム化合物を含む(メ
タ)アクリル酸エステル製造用触媒。
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